勇者「この扉の向こうに魔王がいる」魔法使い「ちっちゃくねえですか」
勇者「は?」
魔法使い「扉ちっちゃくねえですか」
勇者「別にそんなことないと思うけど」
魔法使い「ちっちゃいっす」
勇者「そうかなあ」
魔法使い「ウチの勝手口のドアぐらいちっちゃいっす」
勇者「お前んち実家異常にぶっといもんな」
魔法使い「むふー」
勇者「裕福自慢やめろよ」
魔法使い「ゴージャスすぎてごめんなさいっす」
勇者「俺んち家の周りの草食って育った家庭なんだぜ」
魔法使い「マジでいるんすねそういうの」
勇者「マヨネーズあれば大体食える」
魔法使い「うげー」
勇者「あれだろ。お前一人っ子だろ」
魔法使い「あれ?」
勇者「なんかわかるわ。にじみ出てるもん」
魔法使い「育ちの良さが?」
勇者「甘やかされ具合がだよ」
魔法使い「ひでえっす」
魔法使い「そーいうあんたはどーせ長男でしょ」
勇者「弟と妹がそれぞれ4人」
魔法使い「ネズミ並」
勇者「噛むぞ」
魔法使い「きゃー感染るー」
勇者「思い返せば苦労したなあ」
魔法使い「薪割りとかするんすか?」
勇者「当たり前だろ?」
魔法使い「え?」
勇者「お前んち違うの?」
魔法使い「風呂とか冷暖房とか全部ボタン一つなんで」
勇者「ズルくね?」
魔法使い「他にはどんな苦労を?」
勇者「勇者選抜試験に通るために独学で剣を振ってたよ」
魔法使い「そこはウチと同じっすね」
勇者「独学大変だよな。一日一万本は振ったよ」
魔法使い「漫画読んでたらふいに当時最先端の魔法理論が頭に振ってきたんすけど」
勇者「同じじゃねーじゃねーか」
魔法使い「てへ」
勇者「なんかムカついてきたわ」
魔法使い「怒っちゃダメっすよ」
勇者「いいや断固怒るね。不平等すぎるだろこんなの」
魔法使い「でもウチはあんたにメロメロなんでイーブンっす」
勇者「え。何その土壇場での新情報」
魔法使い「よかったっすね」
勇者「うっせえわ」
魔法使い「とういうわけで魔王に挑みましょう」
勇者「なにがというわけなんだか」
魔法使い「勝ちましょうね勇者さま」
勇者「はいはい」
魔法使い「ちっちゃい扉オープン」
勇者「ちっちゃい言ってやるなって……」
ギィィ……
「フフフ……よくぞ来た勇者とその仲間よ」
勇者「おう!」
魔法使い「うっすうっす」
「ずっと長いこと待っていたぞ。この勝手口のごとくちっちゃい扉の奥でな」
勇者「え?」
魔法使い「ん?」
「さて、貧乏な家庭で野草を食んで育ち9人兄弟の一番上として必死に家族を支えてきた我が」
勇者「……」
魔法使い「あー」
「独学で腕を磨き魔族の頂点に上りつめちっちゃいながらも立派な城の主となったこの我が!」
勇者「……」
魔法使い「あーあー」
「貴様らを直々に滅ぼしてやろうではないか!」
勇者「なんていうか」
魔法使い「ええ」
勇者「これ魔王倒した後俺が次の魔王になる流れじゃね?」
魔法使い「それはないっすよ逆玉の輿の予定入ってるっすもん」
「彼女いない歴=年齢の我が練りに練った暗黒魔法を食らうがいい!」
魔法使い「ほーら」
勇者「なにがほーらだよ」
「くそー○ねー!」
勇者「ああもう倒しにくいなー」
魔法使い「貧乏人の感覚よくわかんねっす」
勇者「ブルジョアって最低だな」
魔法使い「いいから構えるっすよ」
勇者「はあ……」
魔法使い「では行きましょう!」
おわり
コメント一覧 (4)
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- 2024年08月05日 07:59
- >>1
このコメでここがエレ速だと気が付いた
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- 2024年08月05日 07:51
- なろうにポストしないんか?
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- 2024年08月05日 08:25
- うるせぇですね‥
美少女で再生されたが魔法使いの性別によって評価が変わるやろ
エレ速も変わっちまったな…