【きんモザ】綾「陽子とデート……!?」【安価】
綾「ゆうっ……!? もう、陽子のバカッ!」
陽子「いよいよなんで!?」
綾「しれっと誘うからビックリしたじゃない。そういう気があるのかと……」
陽子「そんな回りくどいことしないよ~。誘うなら正々堂々、正面から!」
綾(そっか、まぁそれこそ陽子っぽいわね……って、今私、正面から誘われてる、ってことは……!)
綾「やっぱりそういうつもりなんじゃない! 陽子のジゴロ! スケコマシ~!!」
陽子「だから何でだよー!?」
綾(た、楽しみ……!)
綾(一緒に行けば恋が叶う、ってもっぱら噂の遊園地。それを陽子と……!)
綾(どんな所回ろうかしら、どんな服着て行こうかしら?)
綾(あぁ、ワクワクが止まらないわ……)
綾(…………)
綾(い、いや、陽子と行くのが楽しみってことじゃなくて、陽子はただ一緒に来てもらうだけだから……!)
綾(……誰に言い訳してるのかしら)
陽子「……あっ、いたいた! おーい綾~!」
綾「お、おはよ、陽子……」フラフラ
陽子「なっ、どうした綾!?」
綾「六時から、ずっと直立で待ってた……」
陽子「六時!? 待ち合わせって八時半だったじゃん!?」
陽子「却ってそれが悪手になっちゃってるよ綾」
綾「でも遅れるよりはいいでしょ……?」
陽子「なんという律義さ……」
綾「そういえば待ち合わせの十五分前に来たわね、どういう風の吹き回し?」
陽子「そんな扱いかよ! いや綾は待ち合わせの何分も前に来るって知ってるから、それに合わせようかなぁって。流石に二時間前は予測つかなかったけど……」
陽子「あー暇だなぁ。綾、そんな長い時間よく一人で待てるね」
綾「こうやって待つ時間も悪くないもの。これから何をしようって考えるだけでわくわくしてこない?」
陽子「あぁ、修学旅行シンドローム!」
綾「あれってそういう名前なの!?」
綾「何その略し方……」
綾「……一つ、どうしても行きたい場所があるの。>>10、なんだけど」
陽子「……え、シノの家? 遊園地に来てまでなんで?」
綾「違うわよ。ほら地図のここ」
陽子「なになに、『ドキドキハラハラこけしハウス』……」
綾「有名なスポットの一つなの! ここに入った二人は、より強固な絆で結ばれるらしいわ!」オトメノメー
陽子(……どっからどー見たって綾の大嫌いなお化け屋敷だけど)
陽子(こうなった綾を止めるのは、多分無理だ……)
綾「もうすぐね!」
陽子「あ、あのさ、綾。まずは定番のアトラクションからの方が……」
綾「こけしハウスはここの定番よ?」
陽子「それだけ楽しみなら後にとっといた方が……」
綾「それじゃああっという間に列が出来ちゃうわ! 早いうちから行かないと!」
陽子(なんで地雷を踏む時に限ってこんなにも意思が固いんだ!?)
十数分後……
綾「……………………」
陽子「え、えっと……」
綾「……………………」プルプル
陽子「あ、あれだな! 早く抜け出そうという意思がシンクロして、より強固な絆が芽生えたな!」
綾「……………………」プルプル
陽子「で、でもアリスなら『シノがいっぱーい!』って、却って喜んだりしそうだよな、あはははははは!」
綾「……シノ,コワイ……」
陽子(あのシノさえ怖がるようになるなんて……)
陽子(そっとしておいてあげよ)
綾「ごめんなさい、迷惑かけちゃって……」
陽子「いいっていいって! まだ時間はたっぷりあるんだし!」
陽子「それでより、他に行きたい所は?」
綾「私ばっかり悪いわ。順番っこに行きましょ」
陽子「いいの? ありがとっ。じゃあ私は>>16 にしよっかなぁ」
綾「!? !?!?!?!?!?!?!??!?!?!?!??!?!?!?!?」
陽子「人殺しを見るような目で見ないでよ……」
陽子「いや、これには訳があるんだよ! 綾のためを思ってなんだ!」
綾「私のため……?」
陽子「ほら、折角の定番スポットなんだから、楽しめなきゃ損だろ? だから何度も行って、綾の心を慣らしてしまおう、ってわけ!」
綾「絶対嫌よ!? あんな所、一度生きて出られただけ奇跡よ! 二度入ったら絶対無事じゃ済まないわ、よくて即死よ!」
陽子「悪かったら何になるんだ」
綾「でも、私もあの人達と同じ結末を迎えられるとは限らないじゃない!」
陽子「じゃあ綾がそうなるように、しっかり綾の傍にいて守ってあげるからっ」
綾「まも……そ、そんな甘言には惑わされないわ!」
陽子「甘言て」
綾「! な、何でも……!?」
陽子「おみやげ全部奢りでも、疲れたらおんぶでも何でも!」
綾「そ、そんなみっともない真似しないわよ! ……でも、本当なのね?」
陽子「私に二言はない!」
綾「……そ、そこまで言うなら、もう一回付き合ってあげるわ」
綾「その代わり、その、ちゃ、ちゃんと守ってよね、陽子!」
陽子「それがお願い?」
綾「備え付けに決まってるじゃない」
綾(こ、怖い……! 今からでも逃げ去りたい……!)
陽子(綾、不安そうだな)
陽子(ここまで引っ張ったんだから、私が何かして落ち着かせないとな)
陽子(>>25 をしよう)
綾「何……!? よ、よよ、ようこ!?!?」
陽子「こうしたら、一層守ってる感じがしていいかなぁ、って。どう?」
綾「ば、バカなことしないで! 今すぐ降ろしなさい!//」
陽子(綾、こういうこと好きだと思ってたんだけど、宛が外れたかなぁ……)
陽子「綾……」
綾「な、何//」
陽子「まるで雪のように軽く儚げなその姿、スゴく魅力的だよ」
綾「」ボフンッ
陽子「これなら綾のお眼鏡に……あれ、綾? 綾!? 雪が溶けそうな位暑いぞ!?」
綾「もう、陽子のバカ!」プクー
陽子「ごめん! 悪気はなかったんだ!」
綾「それは分かってるけど、でも……」
綾「あんなに突然抱っこなんて、心臓に悪いわよもう……抱かれる側にも心の準備がいるのよ……悪くなかったけど……」ボソ
陽子(ここからじゃ聞こえないけど、あれはきっと、相当呪詛をばらまいてる……)
陽子(どうにかして機嫌を直す方法を……!)>>31
陽子(私のご飯を分けたら、少しは機嫌直してくれるかな?)
綾「はむ……ん、ここのサンドイッチおいしい……」
陽子「あ、綾! 私のスパゲッティも食べる?」
綾「いいの? じゃあちょっとだけ」
陽子「ほんとだ、じゃあちょっと待ってて」
陽子「っと、よし巻けた! はい、あーん」
綾「あー……!?」
陽子「あれ。やっぱりいらないの?」
綾(わざとなの!? さっきからなす事全部分かっててやってるの!?)
綾(じゃあどうして……はっ)
綾『……今私、正面から誘われてる、ってことは……!』
綾『……抱かれる側にも準備はいるのよ……』
綾(あの時はただ自意識過剰だと思って流してたけど、もしかして陽子……)
綾(本当にデートとして、私を誘ったの……!?)
綾(こけしハウスで急にお姫様抱っこしたのも、付き合ってるなら、別に不自然なことじゃない)
綾(それに私が『準備がいる』って言ったから、少しずつ距離を近づけていく方法に変えた……)
綾(ちょ、ちょっと待って、それじゃあ陽子は……)
綾(私のことが、好きってこと……?)
綾「はっ! な、な、何、何か、どうかされたのでございますか陽子」
陽子「そっくりそのまま返すよそのセリフ」
綾「そ、それはっ……」
綾(これを断るってことは、親密になるなと暗に言うようなもの)
綾(それを素直になれずに突っぱねちゃったら……)
綾「……あ、あーん……//」
陽子「オッケー。はい、あーんっ」
綾(これは陽子のため、陽子のためなんだから! 嬉しいのは気のせい、頬が赤いのはスパゲッティが熱いせいなんだからっ!)
綾(……ミートソースなのに、ほんのり甘い……)
陽子「あ~美味しかったぁ。遊園地の中だけしか食べれないなんて、勿体ないなぁ」
陽子「ところで、綾、次はどこ行きたい?」
綾「と、取りあえず、怖くないところかしら……」
陽子「あははっ、そのせいで午前中ずっと散々だったもんな」
綾(半分はあなたのせいよっ!//)
陽子「んー、じゃあ>>40 とかよくない?」
綾「怖くないものって言ったじゃない!?」
陽子「ありゃ、綾って普通にジェットコースター怖い人だったんだ」
陽子「てっきり並んでる時は怖がってるけど、いざ乗ってみたらはしゃぐタイプかなぁ、って思ってたんだけど……」
綾「確かにそういう人いるけど……でも私は本当にダメな人なの!」
綾「昔ス○ースマウンテンに乗って、あまりに怖すぎて目の前が真っ暗になったんだから!」
陽子「あれは屋内コースターだろ!?」
陽子「どんだけ即死ポイント多いんだよ!?」
綾「大体、陽子はどうしてこんなおぞましい乗り物に乗りたいのよ」
陽子「それは上手く言えないけど……とにかく大丈夫だよ!」
陽子「あ、ほらここ、『風の急襲も手を繋げば二人は離れない』って」
綾「こけしハウスも似たような触れ込みだったじゃな……」
綾(待って。でも、さっきなんで乗りたいか言い澱んで、その後にこのメッセージってことは)
綾(これは陽子の代弁、つまり私と離れたくない、ってアプローチ……!?)キュン
陽子「うん、ごめん、やっぱ私一人で行ってくるよ……」
綾「待って! えっと、陽子がその気なら、私もやぶさかじゃないというか……//」
陽子(え、なんで成功してるの!? しかも乙女スイッチ入ってるし!)
綾(陽子、意外と恋に奥手な一面もあるのね……)
陽子(嬉しそうな顔……やっぱりいざ乗ってみたらはしゃぐタイプだったんだなぁ)
綾「…………」プルプルプル
陽子「終わると思ってからの急旋回ビックリしたなぁ~。思わず抱き着いちゃったけど、痛くなかった?」
綾「…………」プルプルプル
陽子「……そこまで嫌いだとは思ってなかった。ごめん綾」
綾「大丈夫、怖かったけど、柔らかかったから……」プルプルプル
陽子「柔らかかった? 何が?」
綾「何だか苦渋と幸せの板挟みで、何だか世界が歪んで見えるわ……」
陽子「多分酔いと錯乱だよ。少し休も」
綾「まだちょっとくらくらするけど、もう大丈夫」
綾(折角デートだって分かったんだもの、一刻も無駄にするわけにはいかないわ!)
陽子「私はもう満足だから、後は綾の行きたいところに付き合うよ」
綾(残り少ない時間で陽子と良い雰囲気になれる場所……)
綾「じゃ、じゃあ>>46に行きたいわ!」
綾(ど、ど、どうしよう。これは背伸びしすぎたかしら……?)
綾(斜陽の差し込む少し錆びた室内、密室で隣り合う二人、ゆっくり全容を表すパーク)
綾(陽子と、その景色を思い出にしようと見ていたら、オレンジの灯りに陽子が少し溶け込んで、少し不安げに目を細める私に囁くの)
綾(私はずっと傍にいるよ。だから綾も、その瞳を大きく開けて私だけを見て。瞑っちゃ、嫌だよ)
綾(そうして陽子の瞳、或いは瞼だけしか見えなくなって、約束の口づけを……!)
綾(あぁロマンチック……。見上げたままの陽子も、もしかして同じことを考えてるのかしら……」
陽子(あれ十倍速で回ったら面白いだろうなぁ)
綾「そ、そうねっ。よいしょっと……」
陽子「おぉ~、ゆっくりだけど、いた場所から離れてってる」
綾「……ふ、二人っきりになっちゃったわね、陽子」
陽子「そうだな~。何だか変な気分だよ」
陽子「まだ中腹なのに、ジェットコースターのレール追い越しちゃったなぁ。どこまで登るんだろ?」
綾(……純粋に景色を楽しんでる)
陽子「私の顔チラチラ見てどうしたんだ? 何かついてる?」
綾「い、いえ、なんでもないわ」
綾「何よ、ジェットコースターは平気だったくせに」
陽子「あれよりずーっと高いもん。それに足場が少しぐらぐらして、ちょっと間違ったら墜落しそうだなぁって」
綾「や、やめてよ縁起でもない!」
陽子「あはは、ごめんごめん」
綾(……違う)
綾(デートの締めくくり、大事な思い出を作るチャンス。ここを過ぎちゃったら、次のチャンスがいつ来るか分からないのに……)
陽子「…………ねぇ、綾」
綾「……なに?」
綾「何よ、やぶから棒に」
陽子「いやほら、今日あったことを思い返してみたら、綾に合わないことたくさんしちゃったなって思って」
陽子「お化け屋敷とかジェットコースターとか、乗ったアトラクションも綾の苦手なものばっかりだったし」
陽子「有名なデートスポットって言ったらスゴく楽しみにしてたに違いないから、台無しにしちゃったら申し訳ないな、って……」
綾(…………)
綾「でも、そういう日があっても良いと思うわ。だって、行きたいと思えば何度も行けるじゃない」
綾「もう一回来て、今日辿った跡を通って」
綾「そこで『あんなこともあったよね』って笑いながら話せたら、そうなったら、素敵じゃないかしら?」
陽子「……」
綾「な、何よその目」
陽子「意外とポジティブでびっくりの目……」
綾「陽子が似合わずネガティブだからよっ」
綾「そういう欠点だって魅力的だと思って、その、つ、付き合ってるんだからっ」
綾「だから悩まずに笑顔でいてちょうだい。……前も言ったでしょ。陽子の笑顔は、太陽みたいに、素敵だって!」
陽子「綾……」
綾「わぁ、きれい! 電飾がつき始めてる、夜になったらスゴく輝きそう……」
綾「あ、あそこ! あれも有名な恋愛成就のスポットなのよ」
陽子「そうなの? パッと見ただのカフェっぽいけど」
綾「夜になるとバーになって、含蓄のあるマスターが悩みを解決してくれるって」
陽子「いや私たち入れないじゃん!?」
綾「えぇ、勿論!」
綾(……こういう普通のオチでも、好きな人が相手なら、すごく幸せね……)
綾「園を出たらあっという間に陽が落ちたわね」
陽子「これだけ暗くちゃちょっと心許ないよなぁ。帰り道送ってこうか?」
綾「べ、別に一人で帰れるわ! ……それに」
陽子「それに?」
綾「そ、その、私たちが付き合ってるってこと、まだ親には内緒にしてたいし……」
陽子「……なんのこと?」
綾「……あれ?」
綾(…………まさか、まさかまさか……全部、私の思い過ごしだった、ってことじゃ……?)
綾「…………り」
陽子「えっ」
綾「陽子の思わせぶり!!! 酷いわ、その気もないのにそれっぽい態度で、私の純情を弄んだのね!?」
陽子「綾ぁ!? 待って、何が起きてるかさっぱり分かんない上にその言い方だと語弊が」
綾「あんまりだわ! 私は本気だったのに、あなたにとっては遊びだったなんて、あんまりよ! 猪熊陽子! あなたのことも名誉棄損で訴えナス!」
陽子「落ち着け後半意味わかんないことになってるぞ!? もう、何がどうなってるのか教えてくれよ~!!」
ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました!
「SS」カテゴリのおすすめ
- P「沖縄の人って、海に入る時に水着を着ないらしいぞ」春香「!?」
- レッド「…スロットで全財産すった」
- 【デレマスSS】P「三船美優さんたちに」ケイト「スコッチを用意しマシタ!」
- モバP「前川、ちょっとこっちにきなさい」
- 男「胸がでかい!」
- ジン「ウォッカ、フリーマーケット行くぞ」ウォッカ「へい!兄貴!」
- メグ「チノちゃーん!」マヤ「ラビットハウスに遊びに来たよー!」ガチャ
- 一夏「飯にしようぜ」
- モバP「ブスだなー」
- 響「なあなあ、春香んちってどこにあるんだ?」春香「群馬」
- 【モバマスSS】未央「太鼓の達人をやろう」
- モバP「ダイジェストで送る荒木比奈」
- カケル「サルどころか女の子にも勝てない……」【サルバト~レ】
- ミサト「大人のキスよ、帰ってきたら続きをしま――」シンジ「嫌だ」
- 魔王「トドメだ勇者!」側近「お待ち下さい魔王様!」
「ランダム」カテゴリのおすすめ
- (デレマスSS)モバP「きっと二人で明日、奏で」
- 渋谷凛「いい加減にして、未央っ!」
- 秋月律子「ここが鳴海探偵事務所ね・・・」
- 千早「隣のお兄さん」
- 【ガルパン】カチューシャ「ノンナー!」まほ「エリカー!」
- モバP「まゆってヤンデレだよな」
- 女騎士「魔王、貴様を倒す!」
- 一夏「もうみんなに嫌われようと思う」
- 響子「五十嵐響子家事代行サービスです!」
- モノクマ「監視飽きたし安価で生徒を魔改造する」
- 八幡「独占欲?」
- 従妹「なにジロジロ見てんの?テンション上がっちゃうからやめて」
- 城島「ぐっさん、高垣楓ちゃんって知っとる?」
- れんげ「今日は甘えたさんの気分なんなー」
- モバP「盗聴?ドラマじゃないんだし」
コメント一覧 (1)
-
- 2019年06月25日 20:24
- きんモザとはまた懐かしいものを