【デレマスSS】七海「先にシャワー浴びてこいよ、なのれす」P「……」
芽衣子「P有識者会議を始めます」乃々「和風パスタ」七海「肉」
から続いてます。
未読でも大丈夫かも。

ここはどこなのか。なぜこんな事態に陥っているのか。
ベッドの上、間接照明に照らされ怪しく微笑む七海を見返しながら、Pは苦悩する。
……事の発端はほんの2、3時間前、とある水族館での出来事だったと思う。
※ ※ ※ ※ ※
七海「おーそーいーの、れすっ!
先に水族館入っとけ、すぐ行くからって言ったのに、1時間!
もう夕方の4時前なのれす!」
モバP「ごめんって。現場で偉いさんとの話や手続きが長引いてさ……」
七海「ぶーっ!」
P「ていうか、先に入っておけば退屈しないだろうと思ったのに、なんでこんな入り口付近で留まってるんだ?
少し先に進んだら、ラッコやらイルカやら……他にも面白いものがいっぱい居るぞ?」
七海「七海はPといっしょに回りたかったのれす!
一人で行っても、楽しいけどツマラナイのれす!」
P「哲学かな?」
七海「…………」
七海「……ちょっと待って欲しいのれす。気のせいかもしれないのれすけど」
P「うん?」
七海「……『少し先に進んだら、ラッコやらイルカやら、他にも面白いものがいっぱい居る』……まるで既に見てきたかのような物言いなのれす……」
P「へ?」
七海「気のせいれすよね? あくまで一般論れすよねー?」
P「いや、既に見てきたっていうか……俺、以前ここに来たことあるからさ」
七海「!!」
P「うん?」
七海「…………」
P「七海? 七海ー? どうしたー?」
七海「……うー!」
P「うおっ!?」
七海「ふん……!」
P「ちょ、どうした。急にうずくまったりして……」
七海「……こんな地方の水族館に来たことがあるのれすか。
ふーん。ふーん。ふーん……。
……ふん。デリカシーが……ないのれす……」
P「……? 遅くなって悪かったって。
閉館まではまだ何時間もあるから一緒に回ろう? な?」
七海「…………」
P「七海?」
七海「…………」
P「う……。動かないつもりか……」
七海「…………」
七海(水族館に来る理由なんて決まっているのれす……。
そこは嘘でも……来たことないって誤魔化して欲しかったのれす……)
P「う~ん……」
七海「…………」
七海(遅くなったのもお仕事だから仕方ないのは分かっているのれす……。
ワガママだと、分かってはいるのれす……。
それでも……それでも七海は少しでも長く……)
七海「…………」
七海「…………」
七海「…………?」
七海「……あれ? P?」
七海「…………」
七海(少し顔を伏せてる間に……Pが居なくなっているのれす……!)
七海「P……P!」
七海(もしかして……)
七海「もしかして……」
七海(怒らせてしまったのれすか……!)
七海(ワガママな七海に呆れて、そのまま帰って……!)
七海「Pっ!」
※ ※ ※ ※ ※
並木芽衣子「うーん。薄暗くてよくみえないなー。
乃々ちゃん、雪美ちゃん、あの2人、どうしてるか見える?」
佐城雪美「……あっ」
森久保乃々「……まずいですね……Pさんがこっちに向かって来ます」
芽衣子「えっ!?」
雪美「ものかげに……隠れて……」
芽衣子「Pさん何で順路を逆走?」
雪美「……いいから……」
乃々「隠れて下さい」
芽衣子「わっ!?」
雪美「…………」
乃々「…………」
芽衣子「…………」
乃々「Pさん、一人で出入り口の方に向かって行っちゃいましたね……」
芽衣子「どうしたんだろう……」
雪美「七海……置き去り……」
乃々「喧嘩でしょうか?」
芽衣子「えっ!? そ、それ、マズくない?」
乃々「2人の仲が進展するのを恐れて、こんな遠方まで追跡してきた人の言葉とは思えないんですけど……」
雪美「……すとーかー……」
芽衣子「ひ、人聞き悪いっ!
ぐ、偶然だよ。偶然!
たまたま地元に帰る予定があったから、そのついでにPさん達と同じ水族館に寄っただけだよ!
そんなこと言ったら、私が連れて来た雪美ちゃんはともかく、乃々ちゃんだってストーカーじゃん!」



乃々「…………」
乃々「……もりくぼの事はさて置き、七海さんが心配ですね……」
芽衣子「さて置かれたっ! ずるっ!」
雪美「七海……寂しそう……」
乃々「あと……気のせいでしょうか……。
何だか周りの水槽の魚達が……騒がしいんですけど……」
雪美「……魚達……泣いてる……」
芽衣子「いやいやいや、どういうこと? それはないでしょう?
けど……うん? 確かに言われてみれば、水槽の魚達がザワザワと……。
いやぁ、でもいくらお魚アイドルが悲しんでるからって……ねぇ?」
乃々「あっ」
芽衣子「うん?」
雪美「Pが……戻って来た……」
※ ※ ※ ※ ※
七海(Pが…Pがいないのれす。いなくなったのれす……!)
七海「P! どこに……どこに行ったのれ…」
P「どうした?」
七海「ひぃっ!? 普通に居たのれす!?」
P「いやまぁ、少し離れてはいたが……」
七海「や、やっぱりれすか……」
P「?」
七海「やっぱり……七海がワガママを言ったから……」
P「…………」
P「……ん。七海、ちゃんと立って……気をつけ!」
七海「……はい……れす」
P「動くなよ~」
七海(七海に近づいてきて……頭……髪を!?)
七海「ひゃっ!?」
P「ほい。装着っと」
七海「う? 何か髪が少し重いのれす?」
P「あ。付けちゃったら見えないか。ちょっと写真とるな……と、こんなんだ」
七海「……わぁ。髪飾り! イルカの髪飾りなのれす!」
P「遅くなったお詫びだ。
七海に似合いそうなのを選んできた。微妙にお魚じゃないのはご愛嬌」
七海「…………」
P「……?」
七海「……もしかして今居なくなってたのはこれを買いに行ってたのれすか?」
P「……まぁ、すぐそこがお土産屋さんだったからな。
ちょっと走って……。
あ。でも適当には選んでないぞ? 本当に似合うと思ったのを選んだからな!」
七海「…………」
P「髪飾りってチョイスも、前々から七海は結構こだわりがありそうだなー、贈り物するならこれかなー?って考えていたから……。
そっちも適当じゃない!ほんとに!」
七海「…………」
P「……?」
七海「…………」
P「……七海? 七海さん?」
七海「……ふぇ」
P「えっ!?」
七海「ふぇぇぇぇぇぇ……」
P「なんでっ!? なんで急にっ!?」
七海「ひぃぃぃぃぃん……」
P「ごめん!ごめんなさい!でもなぜぇ!?」
七海「びぃぃぃぃぃ……」
※ ※ ※ ※ ※
芽衣子「うわぁ……」
乃々「色んなニュアンスを含んだ『うわぁ……』ですね……」
雪美「P……七海……泣かせた……」
芽衣子「……うん」
雪美「……けど……ちょっと……羨ましい……」
芽衣子「……うん」
乃々「…………」
雪美「…………」
芽衣子「あっ!」
乃々「?」
芽衣子「Pさん泣いてる七海ちゃんの手を引いて先に進んじゃうよ。
見失わないように追いかけないと!」
乃々「……順路はほぼ一本道なので大丈夫だと思うんですけど……。あと……」
芽衣子「うん?」
乃々「……ぱかぱかーん。Pさんレーダー!(わさび声)」
芽衣子「なにそれっ! その……時計?」
乃々「Pさんが発する微弱な電波を受信し、追跡するレーダーなんですけど。
名前は伏せますが、事務所の某博士が作ってくれました」
芽衣子「ちょっと! 一息にツッコミどこを複数用意するのやめない!? 追いつかない!」
乃々「ちなみに技術的にはもっと小型にすることもできたそうですが、某金色いボールを探すレーダーリスペクトで無駄に大きめ、重めにしたそうです。
….ずしりと重量感。お弁当箱さいずぅ~」
芽衣子「追い討ちやめて!」
乃々「レーダーの内部空間半分以上は、重さのリアリティを追求して、ただの鉛の塊が敷き詰められているそうです」
芽衣子「無駄なこだわり! やり口がクレーンゲームの景品みたいだっ!」
雪美「なくさないように……芽衣子の……スカートに……括りつけておく?」
芽衣子「間違いなくズレ落ちるからやめて!」
乃々「レーダーによるとPさんは……。
あ。経路途中の横道に入りましたね……ここには確か……」
※ ※ ※ ※ ※
館内喫茶店にて
七海「最近お魚を食べてなかったのれ、お魚分が不足していたれす~」
P「だから急に怒ったり急に泣いたりしてたのか……。
それカルシウム不足じゃね?」
七海「とりあえず買ってもらったこれで補給するのれす」
P「それソフトクリームなんだが、それでお魚分が補給できるのか?」
七海「お魚っぽい見た目なのれ!」
P「そういうものか……。
しかし、めっちゃ毒々しい色してるな。アメリカのケーキみたいだ」
七海「ジンベイザメをイメージしたブルーのソーダ味、固形のラムネ入りれす~。
七海の髪色と同じ海の青を毒々しいとは、言ってくれるれすねー」
P「い、いや、食い物としての一般論というかなんというか……」
七海「んー。冷たくて、んまーい、のれす!」
P「あ、美味しいんだ。……なら俺も買えば良かったかな?」
七海「七海を毒味役にしたのれすか!」
P「いや、そもそも七海は公式設定的に毒無効化特性持ちだから毒味役には向かな…」
七海「黙るのれす! うりゃ!」
P「ふごっ!?」
七海「……ね? 甘くて美味しいのれす~」
P(……ソフトクリームで間接キス。
そして上目遣い……。はにかむような笑顔。
……かわいい)
七海「P?」
P「お、おう。顔まわりべっちゃべちゃだけど美味いな。意外と。うん」
七海「れすよね~!くふふ」
P「…………」
P「しかし、こんな店できたんだなー。
館内飲食禁止なのにルートの途中に喫茶店設置とは思い切ったことを……。
前来た時はなかったはずだが……見落としてただけか?」
七海「む」
P「まぁ、昔来た時は修学旅行だったから、どの道、こんな所には入れなかったがな……」
七海「……へ?」
P「ん? どした?」
七海「あ、い、いえ……」
七海(しゅ、修学旅行……。女の人と来たんじゃなかったのれすね……)
七海「修学旅行のルートにも入ったりするのれすねー、と驚いたらけれす。
それにPにも学生の時代があったのかー、と」
P「そりゃあるだろう……。
実際、ここまで来る経路にも学生服着たそれっぽい子達が結構いたしな。
七海はベソかいてたから周りが見えてなかったのかもしれないが……」
七海「……そ、そんなことはもういいのれす!
それよりもP的に食べ頃の娘が沢山いるからって声を掛けたらダメなのれすよ~?」
P「人聞き悪っ!? プロデューサー的には否定し切れないけど、もうちょっと言い方考えよう?」
七海「今日は……七海がいるのれガマンするれす!」
P「う。……わ、分かってるよ。俺だって全国行脚して三歩歩くごとにひとりスカウトする程、節操無しじゃないぞ?
あと、この前から感じてたんだが、口リコン扱いはやめような?」
七海「メタいれすねー。
口リコンについては七海に早速贈り物をして落としに掛かってる時点で説得力ないかと~?」
P「落としに掛かってないよ!?」
七海「身の危険を感じたのれす~。たらし、たらし、たらし男なのれす~」
P「ちょ、あんまりそういう事、大きな声で言わないで!?
いくら変装してても七海は誤魔化し切れない容姿してるんだから!」
七海「この後泊まる予定の部屋は何かの手違いで一部屋しかとれてないわけれすね~。分かります」
P「ねーよ! ちゃんと二部屋とってるから!
そもそもそんな不手際があったらちひろさんが見逃すわけないだろう」
七海「どうれすかね~?」
P「ちくしょう。振り回されっぱなしだなー。完全に掌の上って感じだ……」
七海(……よく言うのれす)
P「まぁ、いいや。さっさと食べちゃえ。溶けてきてるぞ」
七海「はーい。食べ終わったら少し経路戻って見直していいれすか~?」
P「おう。誰かさんが泣いてちゃんと見れなかったからな。その方がいいだろう」
七海「……ぐぬぬ。誰のせいだと思って……」
P「溶けてる溶けてる。手が青色でベッタベタ!」
※ ※ ※ ※ ※
芽衣子「あ。Pさん達、出てきた」
雪美「……七海……笑ってる……」
芽衣子「良かった。仲直りできたみたいだね」
雪美「…………」
乃々「……さて。では喫茶店に入りましょうか……」
芽衣子「えっ? Pさん達もう出てきたんだし、私達が入る必要なくない?」
乃々「……なくなくないです」
雪美「……こばら……すいた……」
乃々「ウドン食べたいんですけど」
芽衣子「そんな理由!? いや、置いてかれちゃうよ?」
雪美「……レーダーあるから……平気」
乃々「後からでもすぐ追いつけるんですけど」
芽衣子「う、うーん?」
雪美「メニュー……ととかまドッグ……かまぼこ……お魚のかたち……」
芽衣子「えっ! 何それ何それ。気になるっ」
乃々「…………」
雪美「かわいい……美味しそう……」
芽衣子「ほんとだっ! 確かにこれは食べておきたいねっ。折角だし!
うんうん。レーダーもあるしねっ!」
乃々「……芽衣子さんが生き生きし始めたんですけど……」
雪美「……これ、くーださい……」
芽衣子「私は何にしよっかなー♪」
乃々「オススメに、ちんあなごドッグっていうのがあるんですけど……」
芽衣子「なんか卑猥っ!?」
雪美「?」
乃々「あ……ウ、ウドンが……ウドンがないんですけどっ……!」
芽衣子「そこまでショック?」
※ ※ ※ ※ ※
七海「おさかなさかなさかな~♪」
P「…………」
七海「魚をたべ~ると~♪」
P「……水族館の水槽前でやめないか? その歌」
七海「お魚さんは可愛いれすね~。
エンゼルフィッシュもペンギンテトラとカージナルテトラもレッドテールキャットフィッシュもストゥリソーマパナメンスも、みんならキレイれ美味しそうれす~」
P「そだな」
七海「…………」
P「…………」
七海「さっきのアシカも可愛かったのれす~。
お名前、アスカちゃんと雫ちゃんが居ましたね~♪
あと、ナナミはいなかったけどナミがいたのれす~」
P「そうだな」
七海「…………」
P「…………」
七海「……聞いてます~?」
P「ん? ああ、もちろん。聞いてる聞いてる。
向こうにはペンギンがいるみたいだぞ」
七海「むー。何かさっきから時計ばかり見てる気がするのれす~」
P「そ、そんなことないぞ。ないない」
七海「ほんとれすかね~?」
P「本当だって……ただ俺は……あれ?」
七海「どうかしたのれすか~?」
P「…………」
P「あー、いや。ほら、あの円柱状の水槽……」
七海「んー? あれは……マンボウの水槽れすね! Pはマンボウが好きなのれ…」
P「あそこの前に座り込んでる制服着た中学生くらいの女の子が……」
七海「せい!」
P「ごはっ!?」
七海「水族館で女の子ウォッチングとはいい度胸、良いご身分れすね~!」
P「ち、ちがっ…! ていうか、今本気で脇腹突いただろ!?
結構ダメージがっ……」
七海「なにが違うんれすかね~? 少し前に忠告はしたはずなのれすけど~?」
P「いや、本当に違うんだって! 別にナンパとかスカウトじゃなくて!
少し前にグズる七海と通り掛かった時から、ずっと座り込んでる気がするなー、と。
それが気になっただけで!」
七海「…………」
P「もう30分以上経ってるハズだからさ、さすがに気になって。
それにほら、水槽の方向いてるから顔は分からないじゃん?
下心はない。無実無実」
七海「…………」
七海「……そう言われると確かに~。
ほんとにずっとああやってうずくまってるなら心配れすね~」
P「だろ? 体調でも悪いのかなー?と。気になったんだよ」
七海「……制服の無防備な後ろ姿に惹かれたとか~」
P「ないよ!?」
七海「P的にちょうど食べ頃の~」
P「それももういいから!」
※ ※ ※ ※ ※
P「きみ、大丈夫? ちょっといいかな?」
女の子「はい?」くるっ。
P「…………」
女の子「…………」
P「きみ、名前は? アイドルに興味はないかい?」
七海「せいっ!」
P「ぐはっ!?」
七海「だーかーらー!!」
P「げほっ。さーせん。すいまっせん!つい……つい、職業病が!」
女の子「? ……よく分かりませんが、名前はむつみですよ。氏家むつみです。
あの……あなた達は?」
P「新しい世界に飛び込」
七海「浅利七海れす。怪しいものではないのれす。
ただ、ずっとそこにいるっぽかったのれ~。体調が悪い訳ではないのれすね~?」
氏家むつみ「はい。学校の行事の一環できてるんですけど……この子達が……なんか凄く気になっちゃって……」



七海「マンボウ、可愛いれすよね~♪ なかなか見る目があるのれす!」
むつみ「それもあるんですけど……こう……何も考えないでぷかぷかと……生きていけて……幸せそうだな……と」
七海「…………」
むつみ「……ところで、そこの男の人……大丈夫ですか?
えっと……あなたの先生? お兄さん?」
七海「ちょっといい所に貫手が入っただけなのれ心配ないれす。
あと、お兄さんじゃなくて、カレシ、パートナー……つまり、ツガイなのれす!」
むつみ「つ、つがっ!?」
P「こひゅー…! こひゅー…っ!」
七海「さぁ、問題もないようなのれ、さっさと次に行くのれすよ。P!」
P「…………!」ズルズル
むつみ「…………」
むつみ「…………」
むつみ「…………」
むつみ「……アイドル? 新しい世界?」
むつみ「…………」
※ ※ ※ ※ ※
館内喫茶店
雪美「……ととかま……お魚の形……かわいい……美味しい…。
芽衣子と半分こ……」
芽衣子「丸ごと一つだと、間食にはちょっと多過ぎるからねー。
ふむふむ。見た目だけじゃなく味もなかなか…。
乃々ちゃんのソフトクリームは?」
乃々「ラムネこりこり……ソーダの風味がくーる&すぃーてぃーなんですけど……」
芽衣子「ひと口、貰っていい?」
乃々「か、かかか間接キス狙いですかっ?」
芽衣子「違うよっ!?」
雪美「乃々と芽衣子……ちゅー?」
芽衣子「違うって!」
乃々「身の危険を感じたんですけど……」
芽衣子「もうっ!」パクッ
乃々「無理やりっ?」
雪美「……強引」
芽衣子「ふん! 好きに言うがいいわっ……あっ、美味しいっ!」
雪美「乃々……私も……」
乃々「どうぞ」
芽衣子「素直っ! 私の時と態度が違う!」
乃々「……雪美ちゃんに下心はないので」
芽衣子「私にもないよ! 乃々ちゃん的に私はどう見えてるのっ!」
乃々「多少からかっても許してくれる優しくてキレイなお姉さん……?」
芽衣子「お、怒りにくいっ……!」
雪美「……あまーい……」
むつみ「私もそれにすれば良かったかなー」
乃々・雪美「!?」
芽衣子「うん? お隣……学生さん?」
むつみ「あ。すみません。急に……。むつみって言います」
芽衣子「いいよいいよ。こんにちはっ!
制服で買い食いとはかぶいてるねー!
しかも、ちんあなごドッグ!
こっち、あと一人座れるけど相席する?
これもご縁だしっ」
乃々・雪美「…………」
むつみ「えっ? ……いいんですか? そこのお二人が……」
芽衣子「いいよー。この二人はちょっと人見知りなだけだから気にしないでー。
特に内弁慶外地蔵な乃々ちゃん!」
乃々「うぐぅ……」
芽衣子「とりあえず紹介っ!
私の向かいの席で怯んでるのが乃々ちゃんで、私の隣で袖を掴んでるのが雪美ちゃん。
で、私が芽衣子。並木芽衣子。よろしくね!」
雪美「…………」
むつみ「よろしくお願いします。
ではお邪魔しますね……。
って、あっ! 旅行アイドルの並木芽衣子さん?」
芽衣子「バレたっ!?」
乃々「そりゃバレるんですけど」
雪美「……本名……堂々……」
むつみ「じゃあ他のお二人も……」
乃々「もりくぼは田中と申します」
芽衣子「偽名!? 一人称っ!」
雪美「……佐城は鈴木と申します」
芽衣子「真似しないっ!」
むつみ「はー。皆さんアイドルさんですか……」
乃々「バレました……!」
芽衣子「隠す気なかったよね? 人のこと言えないけど!」
むつみ「今日はアイドル……というか芸能関係の方にご縁がありますね」
芽衣子「うん?」
乃々「……他にも会ったんですか?」
むつみ「さっきスーツを着た男の人に勧誘されました」
乃々・芽衣子・雪美「……あっ」
むつみ「?」
乃々・芽衣子・雪美(相変わらずだなー……制服の……中学生……)
むつみ「けど、アイドルかー。皆さん凄いですねー……」
芽衣子「うん? あれ?
むつみちゃんもスカウトされたんだよね?
ならないの? アイドル」
むつみ「えっ? ……うーん」
乃々「…………」
むつみ「興味がないって言ったら嘘になりますが……ウチは父が厳しいので、難しいかなぁ……」
芽衣子「なるほどー、未成年だもんねー」
むつみ「アイドル……芸能界……未知の世界……まるで冒険みたいで、面白そうですよねー……」
芽衣子「…………」
むつみ「私も、そういうお話を読むのは好きなんですけど……。
自分には届かない世界……遠い世界……そんな世界は、想いを馳せるだけが相応かなーって……」
芽衣子「……むー」
雪美「……?」
むつみ「けど、これからも皆さんをお見掛けしたら陰ながら応援してr…」
芽衣子「本を読むのが好きなんだ! むつみちゃん!」
むつみ「えっ!? あ、はい」
芽衣子「こう見えて私も結構読むんだよねー。
旅先、電車や旅館で読む本はいいものでさー!
忙しない旅程の合間合間に読み進める物語はそれはもう格別っ!」
むつみ「はぁ……」
芽衣子「その土地にちなんだ読み物もいいけど、全然関係ない書物も捨てがたい。
ぶっちゃけ、何でもいいんだけどね!」
むつみ「は、はぁ?」
芽衣子「そして旅を終えて、数ヶ月、数年後……何となくその本を読み返してると、ふいに旅先のことも一緒に思い出されたりしてさー。
まるでその本自体が記憶の栞になったみたいで趣深いわけだよ!」
むつみ「…………」
乃々「……?」
芽衣子「で! 今もむつみちゃんは何か本を読んでいるのかな?」
むつみ「へ? え、ええ。映画にもなった冒険小説を……。まだ映画の方は観てないんですが……」
芽衣子「うんうん。そっかそっか!」
雪美「……?」
芽衣子「それ、面白い?」
むつみ「えっと……。バスの中で読んでるのでまだ途中ですが……面白いですよ?」
芽衣子「なら断言しよう! 今日ここで冒険せずに終えたら……アイドルになるチャンスを逃したら、むつみちゃん、その本を読み返す度に後悔することになるよ!」
むつみ「!?」
芽衣子「本は旅の栞! その本を読む度に、今回気になる世界に飛び込むチャンスをふいにした事を思い出し、後悔することになるのだ!」
乃々「のだっ!って……まさかの脅迫なんですけどっ!?」
芽衣子「旅は勇気!直感!度胸!
新しい世界に飛び込むのに、道理は不要!
怯え、尻込みしたら負けだよ!」
むつみ「……!!」
雪美「……芽衣子……Pに似てきた……」
芽衣子「嘘ぉ!?」
乃々「強引さもどっこいどっこいなんですけど。たち悪ぅい……」
芽衣子「不名誉かもっ!」
むつみ「…………」
芽衣子「そんなわけで!気になったらPさんから貰った名刺の連絡先にGOだよ!
我が事務所はキミを待っているっ!」
乃々「我がって……」
雪美「芽衣子……ただの……アイドルなのに……」
芽衣子「外野うるさいっ! 細かいことは気にしないっ!
ともあれ!
最後に決断するのはむつみちゃん自身だからねー。無理強いはしないよ!」
むつみ「…………」
芽衣子「さて! 腹ごしらえも済んだしそろそろ行こうか。
Pさん追跡もぐいぐい行くよー!」
雪美「……開き直った……?」
乃々「……あー。こうなったら止まらないんですけど……」
芽衣子「はい。ふたりとも立って立って!
じゃあね、むつみちゃん!
追跡ついでに観光だー。へいへーい!」
雪美「……あー……」
乃々「……引きずられるぅ……」
むつみ「…………」
むつみ「…………」
むつみ「行っちゃった……」
むつみ「…………」
むつみ「…………」
むつみ「冒険……か……」
むつみ「…………」
むつみ「……あ。けど私、名刺貰ってないや……」
※ ※ ※ ※ ※
七海「おっきーい! でっかーい!
たくさんのさめ!さめ!さめ! れす~!」
P「エイもいるなー」
七海「ジンベイザメもいるのれす~。きょたい! きょだい!」
P「さすがに中央大水槽は迫力が違うなー。何フロア分も縦に突き抜けてるのか?」
七海「小魚もわらわら帯になって、球になって、キレイれすね~」
P「……そだなー」
七海「何時間眺めてても飽きそうにないのれす~」
P「……おう。そうだなー」
七海「……? P?」
P「ん? なんだ?」
七海「…………」
七海「また時計をみて…」
P「ん。おっ、そろそろか……。七海、見てみろ」
七海「えっ? ……えっ!?」
P「…………」
七海「あっ……」
七海(館内の雰囲気が……!?)
七海「水槽の色が……光が……あと……音楽……が?」
七海(淡く、優しく……まるで夜の海……月明かりのように……)
P「…………」
P「夜間営業のみの特殊演出。
館内照明とBGMのナイトモードって感じかな」
七海「…………」
P「俺も情報だけで実際見るのは初めてだが……」
七海「…………」
P「結構いい感じじゃないか? ほら、なんていうか大人っぽくていい雰囲…きっ!?」
P(急に腕が引っ張られ……!)
七海「うりゃ!」
ちゅ
P「……!? へっ? 今……?」
七海「ずっと時間を気にしてると思ったら……これを狙っていたのれすね~。
担当アイドルを本気で落としにかかって……悪い大人なのれす~!」
P「いや……今……えっ?」
七海「けど攻めた瞬間こそ最大のチャンス。
最も大きな隙が生じるものだってマンガの戦闘狂の人が言ってたのれす~」
P「……!」
七海「とりあえずPの腕と頬っぺた、いただきなのれす~!」
P「……なっ! ひ、人前でなんつーことを!」
七海「にっしっし。ライトアップの瞬間れすからね~。
みんな水槽に気を取られて見てないのれすよ~」
P「い、いや、しかしだな……」
七海「さ、このまま腕を組んで進むのれす!
絶対離しちゃだめなのれすよ~。リリース不可れす~」
P「く、まずいだろっ……」
七海「あ、あと、ちゃんとお魚たちを観るのれすよ~」
P「うん?」
七海「ぜったい絶対、よそ見しちゃダメれすし……こ、こっちを見るのもダメなのれす!」
P「……七海?」
七海「も、もっとお魚を観るのれす!」ごすっ!
P「こぶしっ!?」
七海「こっちを覗き込んでるヒマはないのれす!
そういうのは、も、もう少し七海が落ち着いてからにするのれす!」
P「い、いや。言わんとしてることは分かったけどさ……顎を削るように殴るのはやめよう?
て、天井が……天井が揺れて……迫って……じ、実装……っ!」ガクッ!
七海「P!? Pが膝を……! あと幻覚を!?
良いところに当たり過ぎたのれす!
加減してるつもりれしたのに……。
これで七海も流行らない暴力系ヒロインの仲間入りなのれす……!」
P「い、いや……なにを……気にしてんねん!
……あっ、ほんとに駄目だ。め、目眩が……」
七海「P? P? P~~っ!!」
P「さ、叫ぶな叫ぶ……な……」
※ ※ ※ ※ ※
ガシャン!
乃々「……!!」
芽衣子「おー。なんか館内の雰囲気変わった!
あれ? 乃々ちゃん? 何を呆然としてるの?」
乃々「……向こう」
芽衣子「うん? あ。Pさんと七海ちゃんがいるねー。
見つからないように気をつけないと……」
乃々「…………」
雪美「……?」
乃々「……今……キス……」
芽衣子「えっ? 何?」
乃々「…………」
乃々「……なんでも……ないんですけど……」
芽衣子・雪美「………?」
乃々(……七海……さん)
※ ※ ※ ※ ※
むつみ「……!!」
むつみ「今、あの人……! スーツの人!
一緒の女の子に、キスされてた?」
むつみ「…………」
むつみ「ほ、ほんとに恋人さんだったんだ……!」
※ ※ ※ ※ ※
七海「本当に大丈夫れすか?」
P「おう。こうやって通路のベンチでしばらく休んだからな。
仕事の疲れもとれてむしろいい感じだ」
七海「良かったれす~。七海も……落ち着きました~」
P「……そっか」
七海「う~ん! げんきっ!」
P「……あー、……その、七海?」
七海「……なんれすか?」
P「さ、さっき……俺の頬に……あれさ」
七海「ストップれす!」
P「!?」
七海「言いたい事……鈍感なPが……Pでも……七海の気持ちに気づいて……立場上言わなきゃいけないことは七海にも分かっているのれす。
察して……いるのれす」
P「…………」
七海「だから……言われる前に言うのれす」
七海「…………」
七海「……好きれす!」
P「!」
七海「七海はPのことが大好きれす。
好きれすが……叶わないことは分かっているのれす」
P「…………」
七海「少なくとも……今は、叶わないと」
P「…………」
七海「だから待っていて欲しいのれす」
P「…………」
P「……何を……だ?」
七海「七海が帰ってくるのを、れす」
P「……帰って?」
七海「はいれす。いつか言いましたよね。七海はアイドルとしての海を泳ぐお魚さんだと」
P「…………」
七海「Pを残して川を下り、大海原に飛び出すお魚さんだと」
P「…………」
七海「けど、こうも言いました。七海は回遊魚だから安心して下さい。
必ずPの所に戻ってきます、と」
P「…………」
七海「その気持ちは今も変わりません。前よりも強いくらいれす。
七海は回遊魚で回帰魚れす。
アイドルの海を泳ぎ切り、川を遡行し、Pの元へ戻ってくる、その時まで……」
P「…………」
七海「待っていて欲しいのれす。いえ、待っていて……下さい」
P「……!」
七海「大好きれす。
絶対にあなたの元へ帰ってくるのれ、その時にこの言葉にお返事を下さい」
P「……七海」
七海「…………」
P「…………」
七海「……そういうわけなのれ、今日お返事はいりません!
小っ恥ずかしい告白も誰得シリアスも、ここまれれす!」
P「誰得て」
七海「水族館、残りの展示内容も端から端まで楽しむれすよ~。そいや! そいやっ!」
P「…………」
P「……おう。……そうだな」
七海「そうなのれす! ここ一週間以上企んでた目標を達成したら気分がスッキリしたのれす!
さぁ、いきましょ~~!」
P「ちょ、おいおい。引っ張るなって……」
七海「ちなみに近くに海鮮丼のお店があるそうなのれす~。
そこにも行ってみたいれすね~。
久々のお魚なのれす~」
P「はいはい。あとでなー」
七海「あ! 向こうにクラゲコーナー!
特別展示で変な顔の海洋生物展もあるみたいれすよ~」
P「…………」
P「……ちゃんと考えなきゃな」
七海「えっ? なんだって?れす~?」
P「……なんでもないよ」
※ ※ ※ ※ ※
乃々「……あれ?」
芽衣子「どうしたの乃々ちゃん?」
雪美「くらげ……きらきら……」
乃々「れ」
芽衣子「れ?」
乃々「レーダーが……Pさん追跡レーダーがないんですけど!」
芽衣子「えっ!?」
雪美「くらげ……うにょうにょ……」
乃々・芽衣子「お、落としたっ!?」
雪美「……そして……P……いつの間にか……いない……」
乃々・芽衣子「嘘ぉっ!?」
※ ※ ※ ※ ※
むつみ「あれ? 何か落ちてる……」
むつみ「……これ、何だろう? 時計……地図?」
むつみ「何か真ん中で光って点滅して……」
むつみ「た、宝物を探すレーダーとか?」
むつみ「昔の漫画で見たかも! 確か願い事を叶えてくれる金色の玉が……!」
むつみ「……ぼ、冒険の……摩訶不思議な冒険の香り……!」
※ ※ ※ ※ ※
館内 触れ合いプールにて
七海「かたーい。おおきーい。ぐにぐにー」
P「サメと触れ合いコーナーなんてあるのか…そしてでっかいプール……っていうか生け簀?の中のサメに迷わず手を伸ばすその度胸よ……!」
七海「ざらざらー。サメは本当に鮫肌なんれすね~」
P「マジでか……。ちょっと気になる」
七海「Pも触るといいのれす~。周りの小ちゃな子ども達でも触ってるのれす~。
エイも沢山居るのれすよ~。えいえいっ!」
P「突くな突くな。
ちょっと抵抗あるんだけどな……噛まない?」
七海「噛まない噛まない、れす~。
あんまり怯えてると監視員のお姉さんに笑われるのれすよ~。
ささ、どうぞどうぞ~。
あ、先に手を洗うのれすよ」
P「分かってるよ……」
七海「よし……ステイステイ」ポソ
P「うん?」
七海「うん? 何かありましたか~?」
P「今何か……」
七海「うーん?」
P「……気のせいか?」
七海「気のせい気のせい♪」
七海(…………)
P「手を洗って……っと。エイは尻尾を触らないようにしなきゃならんのか……」
七海「…………」
P「落ちないようにも気をつけないとな……。
そーっと手を伸ばして……」
七海「…………」ピュイッ♪
P「え? 七海? 指くわえて……口笛?
何を……まるで何かの合図みたい……にっ!?」
ビチビチビチッ!
P「わぷっ!? なんだっ!? 急にサメ達が暴れ出したぞっ!
全身で水を弾き飛ばして……こっちにっ……ていうか、俺にっ!?」
七海「…………」
監視員「えっ? えっ!?」
子ども達「わー。すっごい……!」
P「なんで俺だけっ!? 俺なんかしたっ!?」
七海「…………」
P「さり気なく無表情で見てる七海も怖いっ!
えっ? これ、七海の仕業?
七海がけしかけてるの!?」
七海「そんな超常的なこと、七海にはできないれすよー(迫真)」
P「棒読みなんだけどっ!? 全然真に迫ってないんだけど!?
つか、もうやめーや! 水かけんな! サメ!」
七海「ピュイッ!」
P「また合図したっ!」
ピタリッ…。
P「サメ止まったっ!?」
七海「ふしぎなこともあるものれすねー。
ああ! Pがびしょ濡れで大変なことに!れす~」
P「わざとらしっ! 何っ? そこまで俺のこと憎いっ!?」
七海「愛してるのれすよ?」
P「重いっ!」
監視員「…………」
子ども達「…………」
七海「そもそもいくら七海でも、初対面のお魚達を好きに操れるわけがないのれす。
そんなオカルティックなセブンシーは存在しないのれすよ」
P「茄子さんや芳乃やサンタクロースがいる世界だしなー」
七海「ともあれ! Pがつゆだくで大変なのれす。すぐに着替えないと!」
P「つゆだくゆーなや。食う気か」
七海「メインの展示はあらかた見ましたし、帰りましょう~?」
P「えーっ…、これで電車のるの? たぶん宿まで30分くらい掛かるんだけど……」
七海「七海に名案があるのれす!」
P「あ。そっか、お土産屋さんに行ったら何か適当な……」
七海「そんなことより! 七海に任せるのれす!」
P「いや、そんなことって……」
七海「はい。タオルを頭から被って! 七海に任せてついてくるのれす~」
P「妙に用意いいな!?
やっぱり計算尽くだったんじゃあ……っと手を引くな手を引くな、めっちゃ見られてる!」
七海「顔はそのまま隠しておくのれす~」
P「俺が隠しても仕方ないだろう!」
七海「おじゃましました~。楽しかったのれす~!
容疑者連行中なのれ道をあけてくらさーい!」
P「誰がだっ! だから引くなって!
うわっ。靴もぐちょぐちょで気持ち悪ぃ…!
あ、あと、出る前に受付にちょっと寄らせてくれ」
七海「受付のお姉さんは20超えで、Pさんの守備範囲外っぽかったれすよ~?」
P「違うからっ! スカウトでもないし、口リコンでもないからっ!」
ギャーギャー
監視員「…………」
子ども達「…………」
監視員「…………」
子ども達「…………」
監視員・子ども達『な、何だ……今の……』
※ ※ ※ ※ ※
お好み焼き屋 『つくも』にて
おばちゃん(店主)「嬢ちゃんテレビで見たことあるね。芸能人かい?」
芽衣子「えっ? 分かるぅー? 変装してるのに困っちゃうな~」
おばちゃん「やっぱりかい!
それならトッピングおまけしちゃうよ。宣伝よろしくねー!」
芽衣子「今度柑奈ちゃんのラジオに出ないかって誘われてるから、その時にでも宣伝しておくよ!」
おばちゃん「ありがとね! 追加のトッピングは何がいい?」
芽衣子「シラス! シラスある? 山盛りのシラスで!」
おばちゃん「ほう。嬢ちゃん……通だね! あるよ!」
芽衣子「お好み焼き和歌山風すぺしゃる!
初めて会った時、折角バスツアーの解散地が大阪だったのに、結局案内できなかったからねー。
今日は乃々ちゃんに本場関西の」
乃々「なんで私たちお好み焼き屋さんにいるんですかっ!?」
芽衣子「今さらっ!?」
雪美「……乃々……ツッコミ遅い……」
乃々「いえ、芽衣子さんが暴走した時は心を無にして従うことにしているので……気付くのが遅れました……」
芽衣子「おばちゃん! ウドンある? ウドン!」
おばちゃん「……あるよ(低音)」ニヤリ
乃々「違うんですけど!? 別にウドンが食べたくて騒いでるわけじゃないんですけどっ!?」
雪美「……焼けてきた……自分の分は……自分で……」カッカッカッ
乃々「雪美ちゃんの手捌きが尋常じゃないんですけど!?」
雪美「……ほっ」チャキッ
乃々「軽やかに裏返したっ!?」
雪美「……ソースぺたぺた……マヨ編み編み……」
乃々「玄人のワザなんですけど!?」
雪美「ピザ切りは……邪道やでー……」
乃々「面倒なこだわりと、取って付けたような関西弁!」
芽衣子「レーダーがないと夜の街を探すのはほぼ不可能だからねー。
水族館の外に出られたっぽいから、もう、お手上げっさ!」
乃々「急に本題に戻らないで欲しいんですけどっ!?
って諦めた結果がここですかっ!」
芽衣子「なんか周りがお好み焼き屋さんとたこ焼き屋さんばかりだと、つい入りたくなるよねー」
雪美「……ねー……」
乃々「……えーっ」
芽衣子「まぁ、なんだかんだでPさんも紳士だし、大丈夫でしょ。
私と同居して数ヶ月何もなかったんだし。
変なことにはなってないと思うよー」
乃々「う、うーん。それは確かに……。
でも、七海さんは芽衣子さんと違って、ヘタレじゃないですし……」
芽衣子「ヘタレは失礼じゃないかな!?
否定できないけどっ!」
おばちゃん「へい。ウドンおまちっ!」
乃々「早っ! しかもおつゆが透明な本場の関西風なんですけどっ!?」
雪美「P達……変なことに……なってない……?
芽衣子……変なことって……どんなこと?」
芽衣子「うえっ!?
う、うーん。うーん。
そうだなー。たとえば……」
※ ※ ※ ※ ※
七海「先にシャワー浴びてこいよ、なのれす」
P「…………」
七海「P? どうしたのれすか? 風邪引いちゃうのれすよ?」
P「……ここ……どこよ?」
七海「水族館から徒歩で来れる距離の簡易宿泊施設れすね。
車での利用前提の所が多かったのれ探すのに苦労しました~。
事前に調べておいたのれす。えらい? えらい?」
P「えらいことなんですけどっ!?
建物と内装がなんかピンク色っ!」
七海「『ご休憩』っていう珍しい料金システムもあるのれ、とっても便利!」
P「別に珍しくないよっ!?
どこまで分かってやってる。なぁ、七海っ!?」
七海「『宿泊』の方でいいれすかね?」
P「活用すらしない!? いや、よくないよ!」
七海「宿泊ならモーニングが無料でついてくるのれすよ~。お得!」
P「得るもの以上に失うものが多いんだよなぁ!」
七海「Pがシャワー浴びてるうちに色々調べておきますね~。
あ。この衣装、頼んでみますか?」
P「コスプレメニュー確認すんなっ!」
七海「ナースと巫女服、学生服とチャイナ服だと、どれがいいれすか?」
P「巫女服で! …いや、そうじゃないそうじゃない。流されるな、俺!」
七海「えーっと、裁縫用具裁縫用具……マチ針は……と」
P「何に穴を空ける気だ七海ィ!」
七海「あ。浴槽にお湯貯めてきますね~? 七海はできる女なのれ!できる女なのれ!」
P「なんで2回言った!?」
タタタッ…
P「ちょ待」
七海「わ~。意外と広いし、きれいなのれす~」
ザザーッ
七海「こんにちはっ♪ ふんふんふーん♪ わったしがママよっ♪」
P「何か不穏な歌が聞こえてくるんだけどぉ!?」
七海「もう少しかかりそうれすが、貯めながら入りますか~?」
P「いや、あのなぁ……」
『ひとめぼれからはじまった~♪』
P「!?」
P「っ!? えっ? 着メロ? 俺のスマホからっ?
こんな曲設定した記憶ないんだけど……?」
ピッ
P「はい?」
佐久間まゆ『はぁい♪』
プツッ
P「…………」
P「…………」
『ひとめぼれからはじまった~♪』
P「…………」
P「…………」
ピッ
P「……はい」
まゆ『どうして切ったんですかぁ?』
P「手が…手が滑った……」
まゆ『それなら仕方ないですねぇ……』
P「そ、それよりも急にどうしたんだ? そ、そっちは大丈夫か? 俺が居ない間に何か問題でもあったか?」
まゆ『問題ですかぁ……』
P「お、おう」
まゆ『お仕事では……特にないですねぇ……』
P「それは良かっ」
まゆ『けど強いて言うなら、Pさんに仕掛けてあるGPSの反応が今歓楽街の裏路地辺りで止まっているのが、ちょっと気になって……』
P「仕掛けてあるって何!? GPSって何っ!?」
まゆ『気のせいだとは思うんですけど、地図上、その辺りには……』
P「故障っ!」
まゆ『……はい?』
P「たぶん故障だよ! 実はさっき仕事終わりに寄った水族館で水被っちゃってさ!
その時その機械が故障しちゃったんじゃないかなっ!」
まゆ『…………』
まゆ『……なるほど』
P「いやぁ、急にサメやエイが暴れ出してさ!
なんだったんだろうね、あれ。災難災難!」
まゆ『……それは大変でしたねぇ。
ごめんなさい。まゆ、てっきりPさんが…』
七海「P~。もうすぐお湯貯まるのれすよ~。
いっしょに入りますか~?
ちひろさんもいないのれ、チャンスれす。
おもちゃもあるのれすよ~♪」
まゆ『…………』
P「…………」
まゆ『…………』
P「…………」
まゆ『……Pさん』
P「いや違う。違うぞ。予約してたビジネスホテルでな。
七海がちょっと遊びに来て冗談言ってるだけだから……!」
七海「ちなみにおもちゃは七海の愛用のお魚さんじゃなくて、レンタルで貸し出してたアダルティ」
プツッ
七海「ーナなヤツなのれす~♪」
P「…………」
P「……危ない所だった。セーフセーフ。
ギリ、切るの間に合ったよな?
うん。セーフセーフ……きっとセーフ」
P「…………」
P「電源も切っとこ……」(現実逃避)
P「……はぁ」
P「……お家……帰りたくないなぁ」
七海「まさかの逃避行れすか? 急にノリノリなのれす!」
P「…………」ツー
七海「な、涙!? Pの頬に一筋の涙が!」
P「……シャワー……浴びてくりゅ……」
七海「うーん。今日はもうゴム要らないれすかね~」
P「聞こえない! 何も聞こえないっ!」
七海「……髪留めの話れすよ?」


※ ※ ※ ※ ※
おばちゃん「これ、生中。あっちのお客さんから奢りだってさ」
芽衣子「えっ、ほんとー? ありがと、おじさまー♪」
おじさま「おーう!」
乃々「ああ……ああ……!」
雪美「……あるこーる……入りまーす……」
乃々「確か新幹線に飛び乗った時……宿はまだ決めてないって言ってたはずなんですけど……。
お酒が入って……まともに探せるんでしょうか……」
雪美「……大丈夫……私が……すでに手は……打って……ある。
……まかせて……?」
乃々「お、男前なんですけどっ!」
雪美「……ぶい」
※ ※ ※ ※ ※
P「……なぁ、シャワー浴びて出てきたら……俺の服が一式無くなってるんだけど……」
七海「乾燥中れす~。乾くまでベッドの上に置いてあるガウンを着てるといいのれすよ~」
P「そんなもんあるのか……。てか持ってきてくれよ。
なんでタオル巻いて取り行かにゃならんのだ……」
七海「七海は今動けないのれ~」
P「なんでやねん……。うわっ。部屋の電気、ほとんど消えてんじゃん……」
七海「…………」
P「ベッドの上、ベッドの上……。
うん? ないぞ。どこにあるんだ七海…」
七海「うりゃっ!」ぼすっ!
P「うおっ!? 布団の中から飛び出してっ!?」
七海「捕まえたのれすっ!」
P「ちょっ!? は、離せっ!
何を急に……って七海は下着姿っ!?」
七海「逃さないのれす! ここまで来たら後には引けないのれすよ~?」
P「く、くそっ。地味に力……つよっ!
引きずり込まれそうなんですけどっ!?」
七海「良いではないか良いではないか~」
P「良くねぇ! く、くそっ。こらっ! 七海っ!」
七海「!?」
P「こ、こんなことしたらダメだろう!
少し前に自分でした話を忘れたのか!」
七海「!」
P「アイドルとして……ちゃんと活躍して……成功して……俺の元に戻ってくるんだろう!
なのにこんな……なんでこんな……一体何を焦ってるんだよ!」
七海「…………」
P「…………」
七海「…………」
P「…………」
七海「…………」
P「……七海?」
七海「このままじゃ……勝てないかられすよ」
P「えっ? か、勝てない?」
七海「七海はPを見ているのれ……ずっと見ているのれ、今、その気持ちがどこにあるのか……誰にあるのかも……知っているのれす」
P「!!」
七海「だからこのままでは勝てないと……。
今からでは勝てないと……知っているのれす……!」
P「そ、それは……」
七海「Pが『ちゃんと考えなきゃ』と言ったのも、きっと、どうするかを考えるのれはなく、どうやって『ちゃんと断る』かを考えるつもりなんらって……七海は気づいているのれす……」
P「なっ……!」
七海「だから……逆転するには……。
一発逆転するには……一発するしかないのれす!」
P「ここにきてオヤジギャグ!?」
七海「幸いPもちゃんとセイコウしろって言ってくれましたし!」
P「言ってねぇ! お、落ち着け! 気持ちは分かったから落ち着けっ!」
七海「大丈夫れすよ。こう見えても知識には自信があるのれす!」
P「だいじょぶくねー! 掴むな!タオルを掴むなって!」
七海「だいしょうぶだいしょうぶ。基本的には誰にも言わないのれすよ~」
P「応用発展的には誰に言うんですかねぇ……!」
七海「Pに気のありそうな娘……れすかねぇ?」
P「致命的っ!」
七海「とりあえず! ご開帳れす~!」
P「やーめーれー!」
※ ※ ※ ※ ※
乃々「……まさか雪美さんのご両親が車でお迎えに来るとは思わなかったんですけど……」
雪美「……京都……道路混んでなければ……意外と近い……」
芽衣子「ひゃー。すごいお家だね。意外と和風なんだー。
お屋敷……っていうかお城みたいっ!
佐城城! おっきい!」
乃々「確かに……雪美ちゃんの服の趣味的に意外かも?
あと芽衣子さん、お酒くさいです」
芽衣子「えーっ。そんなこと言うなよぉ~」
乃々「ひぃっ!? い、言いませんから、抱きつかないで、抱きしめないでぇ……」
雪美「……仲……いい。お部屋……一緒でいい?」
芽衣子「もちろん! なんならお布団も一緒でいいよ~」
乃々「本気で身の危険を感じるんですけどっ!?」
雪美「……私も……いっしょに……3人で……寝る?」
芽衣子「いいねー!」
乃々「良くないんですけどっ!?」
雪美「……皮の字で……」
乃々「どんな状態っ!?
いや、もうほんとに、本当に……」
芽衣子「えへへぇ~」
雪美「……わくわく」
乃々「むぅーりぃー……」
※ ※ ※ ※ ※
迷いはあった。そして既に後悔もあった。
だから、それゆえの冒険であり、誤ちだったのだろう。
周りが見えなくなっていた。ちょっとしたお遊び。あるいは火遊び。
後悔を拭うための……迷走。
守るべきものを忘れての……暴走。
火照る身体、震える手でその重みを支え、持ち上げ、抱き寄せる。
今の自分にはこれしかない。
他の何も見えやしない。
手に入れたいもの。探し求めているもの。
それが本当は何であるのかも分からないまま、自分は鼓動を押し殺し、その先へと進む。
禁断の先へと進む。
未知への扉を押し開く。
すると、そこには……。
※ ※ ※ ※ ※
七海「とりあえず! ご開帳れす~!」
P「やーめーれー!」
※ ※ ※ ※ ※
宙を舞うバスタオルと……
ベッドからの逆光に浮かび上がる、仁王立ち成人男性の尻があった。
むつみは抱きかかえていた重いレーダーをその場に落とし、硬直する。
レーダーを頼りにクラスの集団から抜け出し、やって来た怪しい建物。
守るべきルールを逸脱してまでやって来たそこで……。
その奥で見つけたのは、ベッドの上、半裸で目を丸くする少女と、全裸でこちらを振り返る成人男性。
水族館で見かけた男女2人組だったのだ。
レーダーが導いてくれたのは願い事を叶えてくれる金色の球のありかなどではなく……。
むつみは薄れゆく意識の中、勇ましく駆け寄って来るその男性自身を確かに目にし、そしてそれを忘却の彼方へと押しやった。
※ ※ ※ ※ ※
七海「レビューにあった『オートロックがたまに仕事を放棄する』っていうのはこれのことれすか~」
※ ※ ※ ※ ※
翌々日 事務所にて
芽衣子「ここにしよ。ここ! 次の仕事はここで!」
P「観光ガイドブックで仕事の交渉すんな!
あと俺にゼロから仕事を決定する権限はねぇよっ!」
芽衣子「そこをなんとか! 辣腕プロデューサーの企画力と交渉力で!
仕事が無理ならプライベートでもいいよ? もち二人で!」
P「それもう、ただのお忍び旅行じゃねーか! 危険過ぎるわ!」
芽衣子「七海ちゃんばっかり、ずーるーいー!」
P「こどもかっ!」
芽衣子「大人ですー!」
P「大人だったら余計マズいだろう!」
芽衣子「なるほどっ!」
千川ちひろ「……楽しそうですねぇ」
芽衣子「午前中はP独占できますからねっ♪」
バンッ!
七海「おっはよーございまーす! お昼れすが!」
ちひろ「はい。おはようございます」
P「おはよう」
芽衣子「ちっ。来たか……」
七海「あーっ! 芽衣子おねーさんが何か酷いこと言ったのれす~!」
芽衣子「言ってないよー」
七海「Pには見えない角度で、もの凄い悪い顔をして言ってたのれす~」
芽衣子「それは本当にないよっ!?」
P「悪い芽衣子か……」
芽衣子「ちょっと!?」
七海「この前も芽衣子さん、七海を女子トイレに呼び出して…」
芽衣子「性格の悪い女の子にありそうな捏造エピソードやめてっ!?」
七海「…台本の漢字が読めないって七海に聞いてきたんれすよ~」
芽衣子「頭の悪い子だ! アホの子だ私っ!」
ちひろ「……楽しそうですねぇ」
七海「ここに来たら優しくてキレイなお姉さんが遊んでくれるのれ~」
芽衣子「お、怒りにくいっ……! どちらかと言うと遊ばれてるような気もするよ!」
ガチャ
乃々「お、おはようございます……」
雪美「……おはよう……ございます……」
ちひろ「はい。おは……あら?」
P「どうかし……おっ?」
乃々「そ、そこで会ったんですけど……」
雪美「……連れてきた……後輩……」
芽衣子「えっ?」
ヒョコ
むつみ「う、氏家むつみです! おはようございます!」
芽衣子「あっ!」
P「おっ。来たかー。まぁ、気楽に見ていってくれ」
ちひろ「ああ、そういえば見学、今日でしたね。ようこそー♪」
芽衣子「見学? そうなのっ!?」
P「おう。色々細かいことは省くが、七海との遠征先で出会った娘でなー。
本人の希望もあって、ウチに来てもらうことになったんだ。
入社はほぼ確定してるんだが、一応最終判断前の見学って感じだな」
芽衣子「へ、へー。ソウナンダー」(そっか、初対面のフリしなきゃ……)
P「? 学校への謝罪やら親父さんの説得やらで骨は折れたが……、まぁどうにかなー」
芽衣子「……ナ、ナルホドー」
P「人見知りで大人しい娘だから色々気にしてやってく」
むつみ「お姉様っ!」
P「!?」
むつみ「芽衣子お姉様っ! 会いたかったですっ!」
芽衣子「ふぁっ!?」
七海・ちひろ「!?」
乃々・雪美「……あー」
むつみ「芽衣子お姉様から叱咤激励を受けて、私、決心したんです!
アイドルを目指してみようって!」
芽衣子「ちょっ! しー、しーっ!」
むつみ「? お姉様?」
芽衣子「お姉様呼びもやめて! 普通に芽衣子で!」
むつみ「芽衣子さん!」
芽衣子「よし!」
むつみ「芽衣子さんの言葉で目覚めました!
勇気!直感!度胸!
私、旅行アイドル芽衣子さんに負けない、冒険アイドル氏家むつみになりたいです!
いえ、なりますっ!」
芽衣子「冒険アイドルって何っ!?」
七海「イロモノれすね~」
芽衣子「その筆頭にだけは言われたくないと思うんだけどっ!?」
P「……なんか……初対面の時とだいぶ印象が違うんだけど……。
もっとこう……文香や頼子みたいな物静かな……。
なぁ……芽衣子?」
芽衣子「私は何も知りませんっ!」
P「いやでも、さっきお姉様って……」
芽衣子「アイ、ドントノウッ!」
むつみ「私、芽衣子さんに熱心に口説かれて、ここに来る事を決めたんです!」
P・ちひろ「口説かれたっ?」
芽衣子「言い方っ! もうちょっと言い方ない!?」
P・ちひろ「…………」
芽衣子「Pとちひろさんからの疑惑の視線が痛いっ!」
むつみ「それはもう、熱烈に! 軽く脅迫入るくらいに!」
芽衣子「少し黙ろうかむつみちゃん!」
ちひろ「…………」
P「…………」
ちひろ「……そういえば……話は変わりますが、芽衣子ちゃん?」
芽衣子「は、はい?」
ちひろ「一昨日、乃々ちゃん達とお出掛けした時はどこにお泊りしたんですか?
場合によっては会社から多少の補助金が出なくもないんですが……」
P「お出掛け?」
芽衣子「そ、その件はお気になさらずに。ほぼプライベートの旅だったので、自腹で大丈夫ですよー」
乃々「…………」
雪美「……お城……」
ちひろ「えっ?」
雪美「……お城みたいな……(私の)家で……お泊り……」
P「お、お城みたいな建物っ!?」
芽衣子「端折り方おかしくない!?」
雪美「……そこで……乃々と3人で……同じ布団で……寝た」
ちひろ「……乃々ちゃんと雪美ちゃんを……お、お城みたいな建物に連れ込んで……寝た!?」
芽衣子「おかしいおかしい!」
乃々「お酒を飲んだ芽衣子さんは……恥ずかしがるもりくぼを……無理やり……」
芽衣子「絶対悪意あるでしょ!?
違うから! 違うからねPさん!」
P「芽衣子……やっぱりお前……」
芽衣子「やっぱりって何っ!?」
P「……これがNTRってやつか……」
芽衣子「違うよ!」
雪美「……無理矢理……ちゅーしてた……」
芽衣子「そこ拾うのっ!? ソフトクリームで間接のねっ!」
P「……今度のラジオの仕事は南極で公開録音な」
芽衣子「私怨だっ! 誰に公開するのそれっ! ペンギン!?」
ギャーギャー!
七海「賑やかれすね~」
むつみ「ですね~」
七海「…………」
むつみ「…………」
七海「…………」
むつみ「……願いごとを叶えてくれる金色の球は見つからなかったけど……。
ここにいれば……Pさん達と一緒にいれば、叶うかもしれないな……」ポソ
七海「玉? 急に下ネタれすか?」
むつみ「違うよっ!?」
七海「出社初日に下ネタとは、また濃ゆい新人が入ってきたのれすね~」
むつみ「だから違いますって!」
七海「駄洒落の楓。下ネタのむつみ」
むつみ「やめて下さい! もう!」
七海「ふふ。冗談れすよ~」
むつみ「ぷーっ!」
七海「ふふふ…」
むつみ「…………」
七海「…………」
ギャーギャー!
むつみ「ほんと、賑やかな事務所だなー……」
七海「…………」
むつみ「…………」
七海「そういえば……マンボウが」
むつみ「えっ?」
七海「初めて会った時、むつみちゃん、マンボウが何も考えてなさそうで、羨ましいって言っていたのれす……」
むつみ「あ。はい。
水槽の中でプカプカと……あののんびりとした平和そうな風貌を見て、幸せそうだな、と……」
七海「……そうれすね。水族館のマンボウを見てるとそうとしか見えないかもしれません」
むつみ「?」
七海「けど、マンボウは3億個もの卵を産み、その大半が育つことなく死にたえる……そんな生き物なのれす……」
むつみ「へぇー」
七海「そして育ったマンボウも、人間が手で触れただけで型が付き跡が残るほど、柔らかく、脆く……」
むつみ「…………」
七海「つまりはどんなに気楽に見えても……楽しそうに見えても、本当は常に死と隣り合わせの過酷な人生を生きているのれす……」
むつみ「…………」
七海「そしてそれは……アイドル同じれす」
むつみ「!」
七海「どんなに華やかで楽しそうに見えても、その実は、過酷で……残酷で……消えゆく運命と隣り合わせの職業なのれす……」
むつみ「……!」
七海「何も考えてなくても生きていける、幸せな世界れはないのれす。
そんな世界に……そんな非情な世界に……それでもむつみちゃんは……挑めますか?」
むつみ「もちろんです!」
七海「……即答れすか。
……これは頼もしくもあり、手強そうれもあり、れすね~」
むつみ「えへへ…。これからよろしくお願いしますね。先輩!」
七海「……七海って呼んでくれていいのれすよ~」
むつみ「よろしくねっ七海ちゃん!」
七海「はい~。むつみちゃん!」
ギャーギャー
七海「……で、あっちは相変わらず修羅場ってますね~」
むつみ「ね~」
七海「ふむ」
むつみ「?」
七海「Pっ!」
P「ん? おお、なんだ七海?」
七海「約束してた海鮮丼のお店、結局行けてないのれす!」
P「あー。そういえばそんな話もしてたなー」
七海「だからまた一緒に行きましょうね。今度は約束破っちゃらめれすよ~!」
P「食事については別に構わないが……。
いや、そもそも行けなかったのは七海のせいだろうに……」
七海「あー。そうれしたね~。
夜は早々に七海と二人でしけ込んだかられしたね~。あのラ」
P「わー!わーっ! そうだなー!
行こうなー! 海鮮丼の美味しい専門店っ!
Pさん幾らでも奢っちゃうぞーっ!」
乃々・雪美・むつみ・芽衣子「!?」
七海「別にそこまでムキになって隠さなくても~。ただ二人で近場のラ」
P「おーねーがいー! しーずかにしてーっ!」
七海「くふふ」
P「……くっそ。これはヤバイ娘にヤバイ弱みを握られたかもな……」
ちひろ「……そんなに気にしなくても、今さらだと思いますよ?」
P「えっ?」
ちひろ「そもそも『そこ』でまゆちゃんと電話のやりとりをしたんでしょう?」
P「あっ。……えっ? なんで知って…」
ちひろ「それなのに、まゆちゃんや私が『元々泊まる予定だったビジネスホテル』に何の確認もとらないと思いますか?」
P「いや……あの。……えっ?」
七海(むつみちゃんを送り届けた後、時間も遅かったのれ、普通に近場のホテルに泊まったのれすが……)
七海「……ホウレンソウは大事れすねー」
( ※ 報告連絡相談 )
むつみ「ホウ?」
七海「いえいえ~。ホオジロザメって言ったのれす~。
むつみちゃんご存知れすか~?」
むつみ「えーっと。映画に出てくるやつかな?」
七海「そうれすね~。映画『ジョーズ』のモデルにもなった、小型だけど獰猛で攻撃力の高い……侮れないサメなのれす~」
むつみ「はぁ……?」
七海「先程はアイドルをマンボウなどに例えましたが、この事務所にはちっちゃなホオジロザメもいるのれすよ~」
むつみ「え、えーっと……」
七海「近づかなければ愛らしくてカッコいい、そんなサメなのれすが……敵に回すとそれはもう~」
むつみ「…………」
P「な、七海さん? 何のお話かな?」
七海「七海はお魚の知識だけれなく、聴覚にも自信があるのれ~」
乃々・雪美・芽衣子・ちひろ「…………」
七海「……来るのれすよ。
きちんと本日の学業を終えて……P大好きなあの娘が……なぜかスキップをしながら……ね」
P「…………」
P「……えっ?」
ガチャ バンッ!
まゆ「Pさぁん、お帰りなさい♪ うふっ♪」
P「……あっ」
終わる。
蛇足
P宅にて
P「なー。なんでいつまでも拗ねてるんだよ。
いい加減機嫌直せって乃々~」
乃々「別に拗ねてないんですけど……。
たとえPさんが七海さんと旅行先でよろしくやってても……もりくぼには関係ありませんし……」
P「よろしくってなんだ、よろしくって。
仕事で遠征してその後、ご褒美で水族館に連れて行っただけだぞ?
別に浮気したわけでもあるまいし……」
乃々「……浮気自体はさほど問題じゃないんですけど……NTR興奮しますし」
P「すんな」
乃々「それよりももりくぼは……もりくぼは……う~」
P「なんだよ。何が言いたいんだよ」
乃々「……別に何でもないです」
P「……ふっ。分かってる分かってる」
乃々「えっ?」
P「乃々も……水族館に行きたかったんだろ?」
乃々「…………」
P「そう言うと思って買ってきたぞ。……じゃん!」
乃々「!? ……なんですかこの……カード?」
P「ふふふ。水族館の年間フリーパスだ。
入館時に購入手続きしたら退館時に受け取れるシステム!
本当は本人がいないと作れないんだけどな。
偉い人と交渉して特別に作ってもらった」
乃々「……あ、あんな遠い所にある水族館……フリーパス貰っても使えないんですけど……」
P「そこは抜かりない。交渉と同時に七海と乃々を館のPRキャラクターに推してきたからな。 仕事もゲット!
そもそもそれがなくても、年に数回は向こうで仕事してるしな。
使おうと思えば結構使える。
2、3回使えば元は取れる。どや!」
乃々「……あ、あと……このフリーパスに使われてる私の顔写真は……」
P「あ。それは俺が普段から財布に入れてあるヤツを使った」
乃々「……! ……!」////
P「痛い! 殴るな殴るな」
乃々「他の女と行った場所のフリーパスをプレゼントするデリカシーのなさとか、立場的に写真を忍ばせるのはどうなの?とか、言いたいことはありますけど!
色々ありますけど!
……Pさんはなんかズルイです!」
P「お、おう。すまん?」
乃々「怒ってたことが、もうどうでも良くなってくるんですけど!」
P「やっぱり拗ねてたんじゃねーか」
乃々「拗ねてません!」
P「まぁ、落ち着け。ほら、ケーキも用意してあるぞ。
乃々が好きなナッツも入ったマロンケーキだ。
食後に食おうなー」
乃々「……はい」
P「んじゃ、あらためて……誕生日おめでとう。乃々」
乃々「……ありがとぅ……ございます」
P「ケーキと料理は一応手作りだ。
フリーパスとそれが俺からの誕生日プレゼント。いいだろう?」
乃々「…………」
P「乃々?」
乃々「……す」
P「す?」
乃々「す、少し……足りません」
P「えっ?」
乃々「少し……足りないので……目を瞑って……下さい……」
P「別にいいけど……それはどういう」
ちゅ。
P「!?」
乃々「……う、上書き……なんですけど」
P「う、上書きって……。
あ……っ! もしかして……七海とのあれ、見てたのか!?
つーか、ひょっとして、つけてきてた?
あんな遠方までっ!?」
乃々「………」
P「ああ! だから芽衣子とむつみが……!
それにさっき『あんな遠い所にある水族館』とも言ってたな。
ちひろさんの言ってたお出掛けってそれのことか!」
乃々「……浮気自体よりも、それを隠して飄々としてる所が不満でしたが……今回はこれで良しとします」
P「うっ……」
乃々「黙って家を空け、後をつけたもりくぼにも非がありますしね……」
P「……だから帰宅した時、イヴが干からびて泣いてたんだな」
イヴ「酷いですよね~。
あと、さっきから乃々ちゃんを膝に乗せてちゅっちゅしてますが、その態勢、ご飯食べにくくありません?」

乃々「……ねぇ。Pさん」
P「……なんだ?」
乃々「Pさんのお膝……あったかいです……」
P「……そうか」
乃々「ここに座っていると……今みたいに向かい合って座っていると……特に……Pさんのことがよく分かります……」
P「………」
乃々「今日は芽衣子さんの帰りも遅くなるみたいですし……」
P「…………」
乃々「…………」
P「…………」
乃々「……い……いいんですよ?」
P「……っ! ……の、乃々っ!」ガバッ
『香川新潟大阪宮城~♪』
P「着メロ……この曲は芽衣子からか……」
乃々「あとちょっとだったんですけど……」
イヴ「あー。唐揚げうめぇ!」
ブリッツェン「ブモッ」(口調口調!)
ピッ
P「はい。俺だけど」
芽衣子『はろー。わたしわたし。元気? 乃々ちゃんに酷いことしてない?』
P「シ、シテナイアルヨ」
芽衣子『なんでエセ中国人風? まぁ、いいや。
ともあれ私は今、Pの実家に来ていまーす!』
P「なんでっ!?」
芽衣子『雪美ちゃんに場所教えてもらった!』
P「どうやってじゃなくて、なんでって聞いたんですけどっ!?」
芽衣子『……ご、ご挨拶?』
P「なんのや!」
乃々「なぜ急に関西弁……」
芽衣子『えっ? 雪美ちゃん電話代わりたい? もうちょっと待ってね~』
P「一緒にいるのか……」
芽衣子『うん。一緒に晩御飯にカレー作ったよー。Pも食べたい?』
P「いやほんと何してんだ……」
芽衣子『あと、Pが子どもの頃のアルバム見たよ。
かっわいいねー!』
P「だからっ!」
芽衣子『ちなみに向こうでまゆちゃんと時子様と桃華ちゃんが仁王立ちで睨み合ってるけど、それはどうでもいいから伏せておくね』
P「何その地獄絵図。なんでいるの?」
芽衣子『さらについでに、その3人のまわりを、はっぴを着て大きなうちわを持った七海ちゃんが「そいやそいやっ」って言いながら回ってるけど、それも関係ないから伏せておくね』
P「煽るな煽るな」
芽衣子『ちなみにゆかりちゃんはお義母さんに肩叩きをしてあげてるよ。いい子だねっ!』
P「ソウダネ」
芽衣子『あとライラちゃんがひたすらカレーを飲んでたり……』
P「思う存分食い溜めさせてやってくれ……!」




芽衣子『うん? 何、むつみちゃん?』
P「むつみまでいるのか」
芽衣子『えっ? なんでPさんには七海ちゃんっていう恋人がいるのに、みんな争ってるんですか…って?』
P「!?」
芽衣子『あはは。何言ってるのむつみちゃん。
別にPと七海ちゃんは付き合ってなんか……えっ!?
「水族館で2人がキスしてるところを見た」…って。 えええっ!?』
P「…………」
芽衣子『…………』
P「…………」
芽衣子『……あっ。七海ちゃん捕まった』
P「な、七海ぃーーっ!?」
絶体絶命れす…!エンド。
もりくぼはぴばー!
長々と失礼しました。
イヴルート&ゆかりルート?もよろしくお願いします。
【デレマスSS】モバP「ダンボール◯っぱい」イヴ「はい?」
【デレマスSS】イヴ「イヴの夜に」 モバP「イヴがいない」
【デレマスSS】水本ゆかり「へいタクシー!」

元スレ
【デレマスSS】七海「先にシャワー浴びてこいよ、なのれす」P「……」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1503777658/
【デレマスSS】七海「先にシャワー浴びてこいよ、なのれす」P「……」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1503777658/
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コメント一覧 (25)
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- 2017年08月27日 20:32
- 楽しかったw
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- 2017年08月27日 20:32
- ※1
ちひろ様に通報しておいた、覚悟しろ
世界の人口の66.6%がちひろ教の信者だ
イア! イア! チヒロ!
>>七海はできる女なのれ!できる女なのれ!
かわいい(かわいい)
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- 2017年08月27日 20:36
- ※1…無茶しやがって…
-
- 2017年08月27日 20:40
- あーこれはテトリス押し潰されの刑かグングニル滅多刺しの刑ですわ
-
- 2017年08月27日 20:44
- >Pにも学生の時代が
そんなものはない
Pは生まれた時からハゲた課金者で
死ぬまでそのままだ
-
- 2017年08月27日 20:50
- ※6
何その業の深い生き物
-
- 2017年08月27日 20:52
- 取り敢えずタイトルで大分面白い
-
- 2017年08月27日 21:03
- むつみ出てきてめちゃくちゃ嬉しかった
むつみ可愛いよむつみ
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- 2017年08月27日 21:27
- 七海もさることながら、ツッコミが追いつかない
むつみ参戦かー、乃々誕生日おめでとう!!
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- 2017年08月28日 01:10
- 芽衣子さんも良いし七海も捨てがたいけど、自分はむつみを貰っていくよ・・・
-
- 2017年08月28日 08:40
- なら俺は七海とイチャラブさせていただくね
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- 2017年08月28日 11:32
- 難陀恋津
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- 2017年08月28日 14:45
- 七海に押し倒されたら流れに身をまかせるしかないよ!
大丈夫、同意があればOKだしな
-
- 2017年08月28日 16:53
- 雪美ちゃんは俺が養おう
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- 2017年08月28日 17:59
- ライラさんは俺と暮らそうね
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- 2017年08月28日 18:59
- ホリがえなりかずきの物まねで言うセリフだよね
ガキ使の笑ってはいけないでやってた気がする
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- 2017年08月28日 19:13
- 比較的二次創作物では珍しい子達書いてくれるからこの作者好き
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- 2017年08月28日 19:18
- これは全員からくすぐりの刑やろなぁ…
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- 2017年08月28日 20:45
- みんなかわいい。
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- 2017年08月29日 00:00
- つい先日サメたちを触ってきたが硬くなぞなかったぞ
どちらかというと某アイドル事務所のアラサー事務員の太ももみたいだった…
グニョグニョです!
皮はザラザラの硬質感あったけどね。その辺もピヨちゃんやウサミンと同じ
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- 2017年08月29日 00:17
- 皮膚表面が硬くて押したらブヨってる感じだよね
種類にもよるのかもしれないけど
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- 2017年08月29日 12:37
- なんでやウサミンは17歳だからスベスベのお肌やろ
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- 2017年08月29日 12:56
- ウサミン、もうハリはないけど柔らかそう
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- 2019年02月10日 15:42
- 肉食系でガンガンいく七海ちゃんとか興奮するじゃないの
やちブス
ちひろ死🙄ね😏