クルピンスキー「一人に縛られるのはごめんだね」【ブレイブウィッチーズ】
- 2016年12月23日 03:10
- SS、ブレイブウィッチーズ
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ニパ「呆れちゃうよね」
クルピンスキー「ま、ネウロイも片付けたことだしさ。下原ちゃんの美味しいご飯が食べたいな」
定子「はいはい。もうすぐ持っていきますから、向こうで待っててください」
クルピンスキー「うーん、待ちきれないなぁ。せっかく出し、たまには食べられる側に回ってみない?」
定子「遠慮します。はい、これ食べたらあっち行って」
クルピンスキー「あーん」
定子「自分で食べてください」
クルピンスキー「つれないなぁ、まぁいいや。いっただっきまーす」
クルピンスキー「うーん!美味し.....あれ?」フラッ
バタッ
定子「......」
クルピンスキー「イタタタ、頭がいたい.....昨日は飲みすぎたかな?」
クルピンスキー「えーっと、昨日は出撃して、戻って下原ちゃんの手料理を食べてそれから......」
クルピンスキー「ん?下原ちゃんのとこでつまみ食いしてから記憶が.....」
ガチャ
ロスマン「随分遅いお目覚めね」
クルピンスキー「やぁ、先生。わざわざ起こしに来てくれるなんて嬉しいなぁ」
ロスマン「.....ウフフ」
クルピンスキー「?」
ロスマン「先生、なんて懐かしい呼び方するのね。昔の夢でもみてたのかしら?」
クルピンスキー「え?」
ロスマン「ほらアナタ、今日は久しぶりのお休みだからっていつまでも寝てないで」
クルピンスキー「へ?」
ロスマン「どうかしたの?トゥルート?」
クルピンスキー「えーっと、これどういうこと?」
クルピンスキー「そう、というより僕の記憶では僕もロスマン先生も502の一員で、ネウロイとの戦争真っ只中」
ロスマン「どういうことかしら?」
クルピンスキー「さぁね、僕としては今がどういう状況なのかが知りたいんだけど」
ロスマン「浮気をごまかすための嘘、ってわけじゃなさそうね」
クルピンスキー「浮気?僕はいつだって本気さ」
ロスマン「そうね、あの頃と全く同じ。最近はようやく落ち着いて来たと思ったのに」
ロスマン「いい、トゥルート。わたしとあなたは今から8年前、戦後処理が落ち着いた1950年に結婚したの」
クルピンスキー「け、結婚?!」
ロスマン「それだけじゃないわよ」
???「ままー、ぱぱおきたの?」
クルピンスキー「えぇっと、この小さい子ってまさか.....」
ロスマン「そうよ、わたしとあなたの子。ロスヴィータ」
クルピンスキー「え?えぇっ?」
ロスマン「信じられないでしょうけど本当よ。あなたは今やカールスラントの英雄で新たに発足した爆撃航空団の司令官。階級は少佐」
クルピンスキー「しょ、少佐かぁ、出世したなぁ、あはは」
ロスマン「本当に覚えてないの?」
ロスヴィータ「ぱぱびょーき?」
ロスマン「大丈夫よ、ヴィータ......この子を見ても思い出せない?」
クルピンスキー「せ、先生が子供の頃ってこんな感じだったのかなぁとは思うけど」
ロスマン「もう、今はエディータ。あなたの妻なんだから」
ロスヴィータ「ぱぱ?」
クルピンスキー「あー、もう何が何だか.....」
クルピンスキー「なーんて言われて街に出ては見たけど」
ロスヴィータ「....ぱぱ?」
クルピンスキー「パパ、パパかぁ、女の子なんだけどな、僕も」
クルピンスキー(だけど、今歩いているのは間違いなくカールスラントの街だ。ネウロイに占拠される前に見た街並みのまま)
ロスヴィータ「ぱぱ、あれ」
クルピンスキー「ん?あぁ、お菓子かい?」
ロスヴィータ「いっつもぱぱとおさんぽするときはかってくれるの。ままに入ってないしょって」
男『ママには内緒だぞ』
クルピンスキー「.....そうだったね。ママには内緒」
クルピンスキー(僕も子供の頃は、親にねだって買ってもらったっけ?)
クルピンスキー「はい、ヴィータちゃん」
ロスヴィータ「えへへ」
ロスヴィータ「めっ!」
クルピンスキー「痛っ!」
ロスヴィータ「まったくもう、あなたはすぐそうやって!」
クルピンスキー「おぉ、怖っ。大丈夫大丈夫。声かけないから」
クルピンスキー(すごいなぁ、まるで小さいロスマン先生だ「
ロスマン『あんまりちょっかいかけてるといつか刺されるわよ?』
クルピンスキー(......よく注意されたな。今のっていつだっけ?ひょっとして覚えてない無くしてる記憶なのかな?)
クルピンスキー「はいはい、元気だねぇ」
クルピンスキー(あの通り、懐かしいな。模型屋があって、その斜向かいが酒屋で、あの頃のままだ。終戦からおおよそ10年でカールスラントはこんなにも復興したのか)
ゴゴゴゴゴゴ
クルピンスキー「何の音......ネウロイ?!」
クルピンスキー「急いで基地に戻らないとっ!?」
ロスヴィータ「もどらなくていいんだよ?」
クルピンスキー「へ?」
クルピンスキー(そういえば、ネウロイが出たっていうのに誰も驚いてない....そうか、もう戦争は終わって、ネウロイと戦わなくてもいいんだ)
クルピンスキー「.....いい、世の中だな」
クルピンスキー「全然。だけど、街には見覚えがあったし.....ねぇ、先生?」
ロスマン「エディータ」
クルピンスキー「あ、その、エディータ?」
ロスマン「何?」
クルピンスキー「僕、ひょっとして結婚してから浮気して怒られた?」
ロスマン「そりゃ何度も。でも、あの子が生まれてからすっかり無くなってたわよ。隠してなければだけど」
クルピンスキー「ははは、僕も丸くなったってことなのかな?」
ロスマン「エディータ、これからは君だけを見てる」
クルピンスキー「?」
ロスマン「プロポーズの言葉よ。思い出した?」
クルピンスキー「.....そうだったね、エディータ」
ロスマン「みんなそれぞれ自分の国に帰って行ったわ。エーリカやラル少佐とは時々会うでしょう?」
クルピンスキー「え?ラル少佐って、僕が502にいた頃と.....」
ロスマン「一度退役して、去年復帰したのよ。確か今度リベリオンにいくって言ってたかしら」
クルピンスキー「なるほど、腰か」
ロスマン「そういうことは覚えているのね」
クルピンスキー「僕にとってはつい昨日のことだからね」
ロスマン「......」
クルピンスキー「平和でいいことだけれど、だとしたらどうして軍隊はまだあるんだろうね。僕は一体何と戦ってるんだろ?」
ロスヴィータ「........」
クルピンスキー「ねぇヴィータ、キミは大きくなったら何になりたいんだい?」
ロスヴィータ「あのね、ウィッチになってたたかうの!」
クルピンスキー「そっか、ウィッチになるのか」
ロスヴィータ「ぱぱは?おっきくなったらなにになるの?」
クルピンスキー「僕はもう大人だからね、でもそうだな、せっかく平和なんだし、そうだなぁ」
クルピンスキー「もっと可愛い子達と仲良くしたいかな?」
ロスマン「はーい、気をつけてね」
クルピンスキー「そうだ、エディータ」
ロスマン「ん?」
ロスマン「ん」
クルピンスキー「おはようのキスさ。夢の中でないと怒られてしまうからね」
ロスマン「え?」
クルピンスキー「おやすみエディータ」
ロスマン「待って!あなたはそれでいいの?」
クルピンスキー「みんなが待ってるんだ。それにね」
クルピンスキー「僕は一人に縛られるのはごめんだね」
クルピンスキー(あそこの服屋は僕がこの街を去る前につぶれてる。あの店の主人は奥さんに逃げられて急に白髪とシワが増えた。何よりあのカフェの看板娘、今が本当に1958年ならおばちゃんだよ)
クルピンスキー(あまりにも、僕が子供だった頃のままだ。これは未来じゃない。僕の記憶の中の過去の映像そのままだ!)
クルピンスキー「どういう理屈だか知らないけどね。僕の目はごまかせないよ」
ロスヴィータ「......ぱぱ」
クルピンスキー「やぁ、ヴィータ。僕の知らない近道でも通ったのかい?」
クルピンスキー「でなきゃ、僕の秘密基地に先回りなんて、できないよね?」
クルピンスキー「嫌じゃないさ。居心地が良くて、僕が思い描いた未来があって、ね?」
ロスヴィータ「ままがいやなの?」
クルピンスキー「まさか、ロスマン先生は理想の女性だよ。この夢の中くらい甘えてくれてもいいと思うけどね」
ロスヴィータ「じゃあ、何が嫌なの?」
クルピンスキー「そうだね。僕は何が嫌なんだろうね」
ロスヴィータ「ずっといよう。もう戦争は嫌。もう怖いのは嫌」
クルピンスキー「キミは誰なんだい?」
ロスヴィータ「.......」スッ
クルピンスキー「っ?!コア?ネウロイ!?」
ロスヴィータ「ここはずっと平和。人類とネウロイの理想郷」
クルピンスキー「......それは、夢で終わらせちゃいけないよ」
クルピンスキー「だからごめんね、僕の子猫ちゃん」
クルピンスキー「いつか実現した平和な世界で会おう」
パンッ
パリーン
???「待ってる」
クルピンスキー「.....ここは?」
ジョゼ「よかった。本当によかった.....」
定子「突然中坊で倒れたんですよ?覚えてますか?」
ニパ「あの時はとうとうシモハラが何か盛ったんじゃないかってビックリしたんだよ!」
直枝「ケッ、こんな女ったらし、あのままくたばりゃよかったんだ」
ひかり「ちょっと、そんな言い方ないじゃないですか!」
ニパ「ヒカリ、カンノは心配させるなって言いたいんだよ」
クルピンスキー「あっはっは、直ちゃんは素直じゃないからなぁ」
ロスマン「気がついたんですね」
クルピンスキー「やぁ先生。相変わらずかわいいね」
ロスマン「軽口を叩けるなら心配はなさそうね。整備班から連絡があったわ。あなたかなり無茶をしたそうね」
クルピンスキー「あれ?ばれちゃった?」
ロスマン「みんな心配してたんだから大人しくしていなさい」
クルピンスキー「だけど、一人じゃ寂しいよ。どう?今晩一緒に寝ない?」
ロスマン「結構よ。まったく、
クルピンスキー「『あなたはすぐそうやって』」
ロスマン「あなたは.....分かってるんなら言わせないでちょうだい!」
クルピンスキー「その後に続くのは『わたしを惑わせるのね』なんてどうかな?」
ロスマン「それだけ元気なら二、三発ひっぱたいても構わないかしら?」
クルピンスキー「そういうのはちょっと趣味じゃないかな」
ロスマン「さぁ?あなたはハーレムでも作るつもりかしら?」
クルピンスキー「意外と一人に尽くすタイプかもよ?」
ロスマン「そうなってくれるといいわね」
クルピンスキー「確かめてみない?僕と平和な世界で」
ロスマン「勝手にしてちょうだい」
クルピンスキー「やっぱり先生はこうでなくっちゃ」
ロスマン「?」
クルピンスキー「いや、詩的に語る誠実な愛より今自分で語る様々な愛が僕にはぴったりって話さ」
END
クルピンスキー様とロスマン先生は夫婦だと思う(何
なんかこうカッコいいクルピンスキー様を書こうとしたらよく分からん感じに。やっぱり苦手ですこういうの
ちょこちょこ中の人ネタ。クルピンスキー様の最後のセリフはロスヴィータで調べればなんとなくわかるかもしれません。分からんかったらスマヌ
元スレ
クルピンスキー「一人に縛られるのはごめんだね」【ブレイブウィッチーズ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1482416126/
クルピンスキー「一人に縛られるのはごめんだね」【ブレイブウィッチーズ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1482416126/
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