モバP「まほうのメガネ」
とあるお茶の名産地、うなぎパイが有名な地方に、一人の女の子がいました。
彼女は自信もなくて、性格も暗い女の子でした。
女の子らしいセンスもなくて、オシャレもよくわからない……
そんなやぼったくて、どこにでもいる普通の女の子でした。
でも、そんな彼女があら不思議!
たった一つのきっかけと
たった一つの道具が彼女を彩ったその瞬間に
見える世界は彩度を増して、クリアになって輝き始めました。
硝子の靴を履いたシンデレラが人生を変えたように、彼女の人生は、眼鏡によって変わったのです。
「うん、アタシもそう思う~」
「ってか、このコーデも良い~、アタシもこんなのしたいな~」
クラスメイトの女子はみんなでファッションやコスメの話をして盛り上がっていました。
しかし、彼女はそれらにはあんまり興味がなく、別のことばっかり考えてしまう女の子でした。
考えているのは好きなお茶のことと、猫のこと。
なんのとりえや特徴もないと思っていた彼女は、ぼーっとしたままで
「今日は縁側にいつものミケちゃんが来るといいなぁ」
そんなことを考えながら、放課後の教室からは足早に退散していました。
彼女はどこにでもいる、普通で、気弱で、無個性な女子高生だったのです。
勤勉さはどこかの誰かによく似ている、そんな気もします。
ただ、勉強のせいかはわからないけれど、視力は落ちてしまい……。
彼女は、ある問題を考えなくてはいけなくなりました。
眼鏡 or コンタクト
視力の悪い人なら誰もが直面するこの問題を。
「これ以上私がやぼったくなるのは流石に良くないよなぁ……」
オシャレやコスメに興味がないのは自覚していたけれど、それを開き直ってはいけないとも思っていた彼女。
一応、女子高生としては真剣に考えなければいけない問題だとは思っていました。
「コンタクトでもいいかもな、眼鏡はやぼったいし、うん」
彼女がそう思ったときでした。
何気なくつけていたテレビの音楽番組から、不意にアイドルソングが聞こえてきました。
「なんてかわいらしい歌なんだろう。こんな女の子に私もなれたらなぁ……」
歌っているアイドルが気になって、彼女は近づいて画面をよく見てみました。
しっかり観ないと一生後悔する! とまで思っていたみたいです。
「そっと、瞳を閉じるから……
―――魔法をかけて!」
そのアイドルは彼女とほとんど歳が変わらないはずなのに、きれいでのびやかで、とてもエネルギッシュでした。
そして何より、今まで見たどんな女の子よりかわいかったことに彼女は驚きました。
「かわいい、眼鏡があるのにかわいい! いや、眼鏡があるからかわいい!」
彼女は、思わず力をこめて叫んでしまっていました。
今でも彼女の母親は、その日の彼女の眼の変わり方は、今まで見たことがないものだったと語っています。
「どんな眼鏡が似合うかな?」
そう思い試着を延々と繰り返すうちに、眼鏡を選ぶ手が止まらなくなりました。
どの眼鏡にも個性があって、かけるたびに新しい自分に出会えたからです。
都会風のボストン、まじめなスクエア、落ち着きのあるウェリントン……
眼鏡をかければかけるほど世界の見え方は増えて、彼女の魅力も変わっていって。
クラスの女子が持ってる雑誌の服もコスメも光輝かせることが出来なかった彼女の世界を、眼鏡はきらきらとさせました。
「どんな私にもなれる! なれますよ!」
ピンク色の、オーバル型の眼鏡を買ったその瞬間に
今までの世界も、これからの未来さえも、くっきりはっきり見通せるような気がしました。
積極的に人と話し、いろんなことにチャレンジしたいと思うようになりました。
この前向きさは、フレームとレンズでできた、魔法の道具のおかげです。
あと、眼鏡の魅力を教えてくれた、どこかのアイドルのおかげかな。
「眼鏡のような存在になりたい」
誰かの人生に彩りを加えられたらどんなに幸せだろう、と思うようになりました。
もちろん、あの時テレビで見たアイドルへの憧れもありました。
彼女は今まで振り絞ったことのないほどの勇気を出して、履歴書をアイドル事務所に送ったのです。
そして現在
彼女は好きなものを好きでいる人の味方となり、多くの人を笑顔にするアイドルになりましたとさ。
めでたしめでたし
「……負けました。ここまで言われてダメなんて言えませんよ」
「ニヤニヤしてんぞ、アイドルさん」
「もう! そういうことは言わなくてもいいじゃないですか!」
比奈「っは~。たまには太陽の下、お昼からコーヒー飲むのもいいっスねぇ」
春菜「比奈ちゃんはもっと自分の体をいたわるべきですよ! あと眼鏡をもっと愛するべきです!」
比奈「いやー……春菜ちゃんにはかなわないッスよ……」
春菜「いいから、さ、この眼鏡なんてどうですか? ちょっと大人なデザインでですね!」
比奈「いや、アタシは楽だから眼鏡ってだけで……」
P「お~、いたいた。春菜はそのへんにしとけよ、先生が困っていらっしゃる」
春菜「プロデューサーさん! 今日も眼鏡が似合ってますね!」
P「ありがとな。ちょっと隣を失礼するよ」
比奈「助かった……でもプロデューサー、先生って呼ぶのはやめてほしいッスよ」
比奈「過去のことをどんだけ根にもってるんスか!」
P「過去は消せないからな、仕方ない」
春菜「私はただ眼鏡の良さをわかってもらうための活動をしていただけですからね?」
P「春菜はもうちょっと自重しなさい……他の事務所さんにも噂が広まってるくらいだからな」
比奈「そうなんスか! 春菜ちゃんすごいッス!」
春菜「えへへ、ありがとうございます! それはそれで恥ずかしい気もしますが、眼鏡のためですからね、仕方ありませんね!」
P「褒めてもいないし、仕方なくもないぞ……」
春菜「ありがとうございます! 眼鏡を布教できるお仕事ですか?」
P「眼鏡が布教できるかはわからないけどな……俺が様々なツテやらなんやらを使ってなんとかひっぱり出した人との共演だ」
比奈「やるッスね、プロデューサー」
春菜「引っ張り出したとは?」
P「ああ、なかなかやると言ってくれなくてな。でも、とあるおとぎ話をしたら快く引き受けてくれたよ」
P「フルリムの、オーバル型メタルフレームがな」
P「当たり前だ、嘘をついてどうする」
比奈「おとぎ話ってまさか」
P「とあるシンデレラの話をちょっとだけ」
春菜「まさかプロデューサーさん、私のことをどう話したんですか!? うう、恥ずかしい……」
理です』の一点張りでなぁ……苦肉の策だったんだ、理解してくれ」
春菜「うう……でもそれで出ていただけるようになったから、プロデューサーさんには感謝です!」
P「俺の力というよりは、お前だったから実現したんだぞ、春菜」
春菜「ありがとうございます! これからも私は人生において、眼鏡のために全力をつくしますよー!」
P・比奈「あくまでアイドルが本業だからな(ッスからね)!?」
おわり
好きなものを好きでいると、きっといいことあるよ!
過去作
美穂「私にとってのアイドル」
元スレ
モバP「まほうのメガネ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457010205/
モバP「まほうのメガネ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457010205/
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コメント一覧 (18)
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- 2016年03月04日 00:14
- ふむふむ......
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- 2016年03月04日 00:21
- 輝子の靴を履いた幸子は
その後足首より下がキノコになったとさ
めでたしめでたし
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- 2016年03月04日 00:43
- メガネかけないとただの美少女になるメガキチは多田野だった…?
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- 2016年03月04日 00:57
- 律子のことか
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- 2016年03月04日 01:25
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荒木先生が出てきた1145141919点
それぬきにしても普通に面白い作品でした
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- 2016年03月04日 01:48
- 透けるメガネのSSかと思ったら普通に良いSSだった
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- 2016年03月04日 02:22
- ???「ケチャップもかけて♪」
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- 2016年03月04日 07:21
- 春菜って描写ないけど、多分大学生だよな
高校生な感じしない
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- 2016年03月04日 07:41
- ※7
???「どうしてそうなっちゃったの?」
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- 2016年03月04日 08:18
- ※6
おまおれ
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- 2016年03月04日 08:40
- ※8
高校生なんだなこれが
制服姿のSRもあるし、セリフでも言及されてたはず
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- 2016年03月04日 08:47
- ※8
学年についての明言はされてないが、モバ本編の[メモリアル・ブルー]特訓前がセーラー服だったから、高3説が強いな
後、765と直に関わりある行動してるとされる稀少なアイドルだったり
劇場15話での誕生日パーティ準備は律子誕の準備と単行本で明かされたし
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- 2016年03月04日 15:11
- つまりメガネ=ガンダムということか?(刹那感
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- 2016年03月04日 17:00
- ※13
だいたいあってる
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- 2016年03月04日 17:00
- ※11 12
高校生説が強いのね
解説サンクス!
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- 2016年03月04日 19:04
- とっととブルナポ残りに声つけて、どうぞ
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- 2016年03月04日 21:00
- アニデレ2話の衝撃は忘れないわ
姿も見えないのに「上条さんに声ついた!?」ってなったからなあ
ハマり声すぎる
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- 2016年03月05日 09:12
- おでこのメガネで~
でこでこ、でこり~ん☆
……じゃなかったよ! クソッ!! クソッ!! (年寄感