あおい「ひなたとキスしちゃったかもしれない」
アオイチャーン…!
ヒナタサーン…!
パチクリ
あおい(誰かが呼んでる……?)
あおい(返事しなくちゃ……でも唇を何かがふさいでて声が出ない……)
あおい(一体私どうしちゃったんだろ)
あおい(えーっと、たしか、ぽんぽこマウンテンで跳びはねて遊んでて)
あおい(そしたらひなたとぶつかっちゃって一緒に転がり落ちて……)
あおい(ああ、だから目の前にひなたの顔があるのかぁ)
あおい(つまり、私の唇をふさいでたのはひなたの唇ってことだね、解決解決♪)
あおい「ってぇぇぇぇぇ!?//」バババッ!
ここな「あおいさんひなたさーん!大丈夫ですかー?」
ひなた「あいたたた……調子に乗り過ぎた……」ムクッ
ひなた「へーきですー!」ブンブン
あおい「ひ、ひなた……えと……あの、今……//」
ひなた「あおいは大丈夫だった?」
あおい「わ、私は大丈夫!……でも……その……//」
ひなた「そっかよかった、でもさ」
あおい「ん?」
ひなた「もうちょっとダイエットした方がいいんじゃないのー?ペチャンコにされるかと思ったわよー」ニヤニヤ
あおい「な、何ですってー!?そっちの方が体重重いくせにぃ!」キーッ!
あおい(ってもしかして、気づいて……ない……?)
あおい「……」ボーッ
あおい(ひなたの唇……なんか柔らかかった……ような気がする……)
あおい(あわてて離れちゃわないでちゃんと確かめておけばよかったなー……)
あおい(ってななな、何考えてるのよ私ー!)ポカポカ!
あおい(アレは事故!事故よ!そもそも女の子同士だからノーカンだし!)ブルブル
あおい(大体ひなたは気づいてすらいないんだから、このまま無かったことにして自然に振舞えば)
ひなた「おっはよーあおいー♪……って何やってんの?」ジト
あおい「ひっ!?ひひひひひひなた!?」
ひなた「さっきから挙動不審だよ?」ジトーッ
あおい(そ、そんなに見つめないでよ!ひなたの唇がこんな近くに……って、意識しちゃダメ意識しちゃダメ……//)
ひなた「うわ、顔真っ赤だよ!熱でもあんの?」オデコピトッ
あおい「//」プシューッ!!
ひなた「はぇっ!?」ギョッ!
ひなた「ちょっちょっとあおいー!しっかりー!」
ひなた「いやー朝はビックリしたなー」
あおい「う、うるさいわね……ちょっとのぼせただけだってば」
ひなた「そんならいいけどさー。そうそう、今度行く山だけど、途中に山小屋レストランがあるんだって!」
あおい「ふーん、寄ってみよっかー」
あおい(うんうん、朝はコイツの不意打ちのせいで危なかったけど、ちゃんと自然に振舞えてるよね私!)グッ
ひなた「名物はキスの天ぷらだって!」
あおい「キキキキキキスぅぅ!?//」プシューッ!
ひなた「あ、また赤くなった」
あおい(って、何で山小屋でそのメニューなのよぉ!!)
◇◇
ひなた「おっかしー、見てよこれ!」アハハ
あおい「なにこの動画?なんかトゲトゲな恰好してる人たちが……」
ひなた「アイドルのお笑いPVだって!なんか学校でコスプレしてるみたい」
ひなた「KISSってバンドのだって」
あおい「き、KISSぅ!?//」プシュー!
◇◇
ひなた「あ、あそこの山にはホトトギスがたくさんいるってここなちゃんが……」
あおい「ギスぅ!?//」プシュー!
◇◇
ひなた「練習がキツ過ぎるって登山部の雰囲気がギスギスしちゃってさぁ」
あおい「ギスギスぅ!?//」プシュゥゥゥ!!
◇◇
あおい(……っていうか、これもう分かってやってるんじゃないの!?)イラッ
あおい「何この道具?」
ひなた「ノギス」
あおい「の、ノギスぅぅ!?//」プシュー!
あおい「い、いい加減にしなさーいっ!何でそんなマイナーな工具持ってきてんのよ学校にぃー!」
ひなた「うわっ!?い、いきなりどうしたの?」ビクッ
あおい(まさかとは思うけど……)モヤモヤ
◇◇
ひなた「あー、何かあおいと事故でキスしちゃったけどあんなのノーカンだよねー」
ひなた「そもそも私ちゃぁーんと彼氏いるしぃ♪」
ひなた「でもせっかくだからあおいのヤツをからかってやろっと♪」
◇◇
あおい(なんてことじゃないでしょうね……!)
あおい(そんなの絶対にゆるさないんだから!)
あおい(こうなったら直接確かめてやるしかないわ)
あおい「ねえひなた」
あおい「キス……したことある?」
ひなた「……な、何でいきなりそんなこと聞くの……?//」
あおい「いいから答えて」ジィィィィ
ひなた「き、急に言われてもそんなの教えられないわよ……」モジモジ
あおい「答えなさいってばこのバカ!」
ひなた「何で逆ギレしてんの!?」ガビン
あおい「……」ギロリ
ひなた「あ、あうう……」
ひなた「そ、そんなこと……あるわけ……//」
あおい「無いの?付き合ってる人とかもいないの?」
ひなた「あ、当たり前でしょー!だいたいいつも一緒にいるんだからそんなの分かるでしょーがもぉーっ!//」ジタバタ
あおい「……ふぅーん」
(ひなたが私以外の誰かとキスしたんじゃないかって考えるだけで、何だか胸が苦しかったから)
(でも、悔しいような気もして)
(私とキスしちゃったことも、ひなたの中には存在してないんだって分かったから)
(だから)
ひなた「そ、そういうあおいはさぁ……//」
ひなた「したこと、あんの?」チラッ
あおい「もちろんあるわよ」フフン♪
ひなた「!?」
(これぐらいのイジワルしたっていいよね?)
(だって、ウソじゃないんだし♪)
あおい「ちょ、揺さぶらないでぇぇー!」グルグル
ひなた「私聞いてないんだけど!!」
あおい「そ、そりゃー、ひなたには言ってなかったもん」メソラシ
ひなた「そ、そんな……」ガクガク
あおい(これはいつもからかわれてるお返しをするチャンス!)
あおい(私の味わった苦しみを自分も味わうがいいわ!)
あおい「あっれー、お子ちゃまなひなたにはこういうオ・ト・ナな話はまだ早かったかなぁ?」
あおい「ごっめぇ~ん♪」ホホホ
ひなた「何ですってぇ!?私よりぺったんこで背も低いくせに!」カッチーン!
あおい「んな!?ひなただってそんなに違わないでしょぉ!?」
グヌヌヌヌ!
ガルルルル!
あおい「う、ウソじゃないもん!(相手はあんただけど……)」
ひなた「おさなじみの私の事も忘れるぐらいのトリアタマなあおいの記憶力なんて、信用できないって言ってるの」フン
あおい「う゛っ……昔の事を掘り返してきたわね……」
ひなた「そんなに本当だっていうなら、証明してみせなさいよ」
あおい「しょ、証明?どうやって?」
ひなた「決まってるでしょ」
ひなた「私にキス……してみせたら信じてあげても……いいよ?//」
あおい「!?」
ひなた「あっるぇー?オ・ト・ナなあおいさんとやらはやっぱりウソだったのかなー?」
あおい「ウソじゃないって言ってるでしょ!」
ひなた「へへーん。考えてみたら、ヘタレで怖がりのあおいにはキスなんてまだ百年は早かったかもねー?」ニヤニヤ
あおい「むかっ!言ったわね……そこまで言うならやってやろうじゃない!」
ズンズン
グイッ
ひなた「!」ビクッ
あおい(い、勢いで肩掴んじゃったけど……ここからどうすればいいの?//)
ひなた「だ、だーれが降参なんかしますかっての!あおいこそビビっちゃってるんじゃないの?」
あおい「蛍にビビってたひなたに言われたくないもん!」
ひなた「ぐっ……昔の事を掘り返してきたわね……」
あおひな(ど、どうすんのよコレー!もう後に引くわけにはいかない雰囲気になってきちゃったじゃない……!//)
ひなた「う、うん//」
あおい「あ!」
ひなた「な、何!?」ビクッ!
あおい「目!……目ぇ閉じて……//」
ひなた「う、うん……//」コクリ
スッ…
あおい(ほ、本当に目閉じて待ってる……//)
あおい(いやいやいや、どうせひなたのことだから、途中で目開けて「なーんちゃって!何マジになってんのぉ?ゲラゲラ」とかバカにしてくるつもりに違いないわ!)
あおい(そんならこっちはギリギリまで近づいて、慌てふためくところを笑ってやるんだから!)
(お互いの顔が近づく)
(もう息がかかりそうなぐらい)
(昔から見慣れてるはずのひなたの顔なのに)
(目を閉じてほっぺたを少しだけ赤く染めた、初めて見る表情に)
(私はまるで吸い込まれるみたいに……)
あおい(って、このままだと鼻がぶつかっちゃうんだけど!)
ひなた「……//」ドキドキ
あおい(あっそうか、顔を傾けないと……)
ひなた「……//」ドキドキ
あおい(って、右?左?)
ひなた「……//」ドキドキ
あおい(あーいや、その前に、目だ!私も目つぶらないと!)
ひなた「……?」
あおい(ん?でも目つぶったら目標が定まらないじゃない!)
ひなた「……」イラッ
あおい(一体どうすればいいのぉぉー!?)アタフタ
ひなた「もぉー遅い!何やって……!」バッ!
ゴチーン!
あおひな「痛ったぁぁぁー!」ゴロゴロ!
ひなた「は、はなふっは(鼻打った)………」ズキズキ
◇◇
あおい「もぉぉぉ!何で急に動くのよ!後ちょっとだったのにぃ!」キーッ!
ひなた「あおいが遅いからでしょー!キス一つすんのにどんだけ時間かけるつもりだったのよ!」シャーッ!
ひなた「まーでも、これであおいの話はウソだってことがハッキリしたわねー」
ひなた「なんてゆーの?こういうのってやっぱり経験がモノをいうっていうか?」
ひなた「しょせんあおいにはキスなんてまだまだ早かったってことですなぁ」ハハン
あおい(こ、このドヤ顔ムカつく!)
あおい「ただじっとしてただけのひなたには分かんないだろうけど、キスにはやり方や準備ってものがあるの!」
ひなた「やり方?準備ぃ?へぇ~そうなんですかぁ~」ニヤニヤ
あおい「うぐぐぐぐ……見てなさいよ、明日は本当のキスを教えてやるんだからね!」
あおい(絶対に一泡吹かせてやるんだから!)
あおい「って、売り言葉に買い言葉でとんでもない約束を……」
あおい「何また墓穴掘っちゃってんのよ私ぃぃー!」ポカポカポカ
あおい「どうしよ、このままじゃ明日またひなたにバカにされる……」
あおい「でもキスのやり方なんて全然分かんないよー」ゴロゴロ
あおい「そうだ、誰かに相談を……」携帯ポチポチ
あおい「って着信履歴も送信履歴もほとんどひなただよ……私友達少なすぎ?」ガガーン
あおい「ううん、ひなた以外にも友達ぐらいいるもんね!」
あおい「かえでさん……はそっか、縦走に出かけちゃって明日まで帰ってこないんだったっけ……」
あおい「それならここなちゃん!……ってこんなことを年下に相談するのはいくらなんでもどうかと……」
あおい「あううう、困ったなぁ……他に年上で相談できる人なんて身近には」
あおい「……あ」ピコーン!
カチャカチャ ザーッ
あおい(でもよく考えてみたら、こんなことお母さんに相談するのはセクシーな下着選びよりも恥ずかしいかも……//)
あおい(ダメダメ弱気になっちゃ!勇気を出すのよ私!ひなたにバカにされてもいいの?)
あおい「ね、ねえお母さん……」
あおいママ「はいはい、なぁに?」カチャカチャ
あおいママ(また山のことかしらね?最近はバイトもするようになって何だか積極的になっちゃって、嬉しいような寂しいような感じだわ)フフッ
あおい「上手なキスのやり方ってどうすればいいの?」
ガッチャーン!ガラガラガラ…!
あおい「うわぁ!お、お皿がー!」
あおいママ「あ、あ、あなた……」クルリ
あおいママ「一体何を言ってるの……?」ガタガタ
あおい(ひぃっ!お母さんがかつて見たこともないほどの形相に……!)
あおい「いやあの、ちょっと興味があるっていうか、どんなものかなーって……」アセアセ
あおい「ていうかあの、お皿……」
あおいママ「あ、あおい、まさか、彼氏ができたなんて話じゃないでしょうね!?」グイッ
あおいママ「あなたにはまだ早すぎるわ!お母さんは絶対に許しませんからね!」ギュウウウウ!
あおい「お、お母さ……い、痛い!後近い!//」ジタバタ
あおいママ「……教えなさい」
あおい「へ?何を?」
あおいママ「決まってるでしょう、相手の男の名前よ」ギリッ
あおい「あ、あのぉ、ご参考までにお聞きしたいのですが……それを聞いてどうするのでしょうか?」ビクビク
あおいママ「私の大事な可愛い可愛いあおいに害虫が付いてしまうなんて……いや、寄生虫か」ユラァ
あおいママ「駆除するためには心臓を貫いて破壊するのが一番かしらね……」ゴゴゴゴ
あおい(ひぃぃぃーっ!お母さんが別の何かに変貌しそうになってるぅぅー!?)ブルブル
あおい「あやややや、ち、違う違う!ひなたも全然関係なんかなくて……!//」バタバタ
あおいママ「ああ、なーんだ、相手ってひなたちゃんの事だったのね」ホッ
あおい「い、いや違うんだってば!お母さん聞いてる?」
あおいママ「ひなたちゃんならお母さんオーケーよ♪あおいったらそういう大事なことは先に言ってくれないと、お母さん心臓が止まるかと思ったじゃない」クスクス
あおい「だから聞いてよぉ……」シクシク
あおい「ていうかひなただったらオッケーってどういう意味!?」
あおいママ「分かったわ。そういうことなら、私に任せなさい」キリッ
あおい「う、うん?ありが…と?」
あおい(と、とにかくよく分からないけどお母さんの機嫌が直ってよかった……)
あおいママ「じゃあ早速始めるわよ」
あおい「ん?」
あおいママ「目を閉じなさい、あおい」
あおい「……んん?」
あおい「はふぇ……こ、これが、大人のキス……//」トローン
あおいママ「どう、コツは掴めた?」クスッ
あおい「う、うん……すごかった……//」
あおいママ「その様子じゃ、ちゃんと頭に入ってなさそうね」フム
あおいママ「もう一回復習が必要かしら?」
あおい「お……」
あおい「お願いします……//」
あおいママ「了解♪」フフッ
あおいママ(頑張るのよ、あおい)
あおいママ(お母さんは応援してますからね)
あおいママ(どれぐらい応援してるかというと、二人が望むなら家族ぐるみでオランダとかに移住したっていいぐらいよ!)
チューッ…
ひなた「あおいってば、本当にまたするつもりなの?」
あおい「あったりまえでしょ!まさか、今さら怖くなったの?」
ひなた「そういうわけじゃないけどさー、無理しなくてもいいっていうか……」
ひなた(昨日は私の知らない相手とキスしたなんて聞いてなんかショックだったけど)
ひなた(あのダメダメっぷりはとてもそんな経験があるなんて思えない……やっぱりハッタリだったんだ)
ひなた(こいつすぐ意地張るから、私から折れてやんないと……)
あおい「んっふっふー、甘いわね、ひなた!」ビシッ
ひなた(ってあれ?何、この自信満々な様子は?)
あおい「今日の私は昨日の私とは違うんだよ!」フフン
あおい(お母さんとの特訓の成果、見せてやるんだから!)
ひなた(え?頭を引き寄せられて……)
チュウッ…
ひなた(なぁぁぁぁー!?全く何のためらいもなく唇を合わせてきたぁぁ!?//)
◇◇
あおいママ「あおい、キスは先手必勝よ!躊躇したらダメ!ごく自然に唇を合わせられるようになるまで反復練習するのよ!」
あおいママ「ひなたちゃんの方が少し背が高いから、頭の後ろに手を添えて引き寄せるようにして……」
◇◇
チュルッ…チュパッ…
ひなた(な、何これ何これ!?もしかして……あおいの舌が入ってきてる!?//)グルグル
レロォ…ジュルンッ
ひなた(ふわぁ……口の中で……生き物みたいに動いて…)
チュウウッ
ひなた(強く吸われて……)
ジュポッ…ジュルッ…
ひなた(今度はだ液が押し込まれてきたぁ……//)
コクンッ…
◇◇
あおいママ「あおい、キスの基本は舌使いよ!マスターするまで繰り返し練習しますからね!」
あおいママ「単調に動かすだけじゃダメ!緩急を付けて、相手の反応を確認しながら弱いところを攻めるのよ!」
◇◇
あおい「はぁ、はぁ……ど、どうひなた!私のキス力に降参する気になった?」
ひなた「ふ、ふぁい……まいりましたぁ……//」
あおい「んっふふー、そうでしょそうでしょ♪」
あおい(やったよお母さん!ひなたにぎゃふんと言わせたよ!)グッ
ひなた「……//」ポヤーッ
あおい「ねぇひなた?」
ひなた「な、何……?」
あおい「ひなたがどうーしてもってお願いするならぁ、もう一回してあげてもいいよ?」ニッコリ
ひなた「!」
ひなた「う……えと……そのぉ……」
あおい「ねぇねぇどうなの?ちゃんと言いなさいよー」
ひなた「あ、あおいの……」
あおい「んー?聞こえないなぁー」ミミニテアテ
ひなた「あおいのコンコンチキー!ぶぁかぁぁー!//」ドーン!
あおい「ぶっ!」ドテッ
ひなた「お、覚えてなさいよぉぉー!今に目にモノ見せてやるんだからぁぁー!」
ドダダダダ!
あおい「こ、こらーっ!逃げるなー!」ブンブン
ひなた「二人とも、今日は急に来てもらっちゃってごめんなさい」ペコリ
かえで「……次の山登りの打合せかな?」コソコソ
ここな「あおいさんがいませんから……またサプライズとかでしょうか?」コソコソ
ひなた「実はあおいのことなんですけど……//」モジモジ
かえで(ああ、やっぱりそうだったんだ、ここなちゃん鋭い)
ひなた「あいつ異常にキスが上手なんです!何とかしてくださーいっ!//」バンッ!
かえで「……は?」
かえで(キスがなんとかとか聞こえたけど……きっと聞き間違いよね!うんそうに違いない)
かえで「ねぇひなたちゃん、あの、よく聞こえなかったからもう一度……」
ここな「ふむふむなるほど、あおいさんがキスの話題を突然……」
ひなた「そうなんだよ!それでね……!」
ここな「あおいさんのキステクがすごすぎてメロメロにされてしまったのが悔しい、と……そういうことですかー」
かえで(って話どんどん進んでるぅー!?)
かえで(ていうかここなちゃんが全く動じてない上にテキパキまとめてる!)ガガーン
ここな「あ、私も聞きたいです~」ニコニコ
かえで「ひぇっ!?」
かえで(いやいやいや無理無理無理)
かえで(私誰かと付き合ったことなんかないし!そもそも休日は山登りばっかりで同世代の女の子の話題すら付いてけてないし!)
ひなた「かえでさん!」キッ
ここな「かえでさん!」キラキラ
かえで(うぁぁぁ、そんな信じ切った瞳で見つめないで……!)
かえで「あ、うー……ええとぉ……」
ここひな「はいっ」ノリダシ
かえで「こ、こういうのはぁ、山登りと一緒で付け焼刃のテクニックに頼っちゃいけないんじゃないかなーなんて……」ダラダラ
かえで(何知ったかぶりしてるのよ私!あああ自己嫌悪が……)
ひなた「なるほど……一理ある」フム
ここな「さすがかえでさんですね!」
かえで「あ、あっはっは、こ、こんなの普通よ~」ヒラヒラ
かえで(えええええ、納得してくれたみたいだけど今のでいいの!?)
ここな「そういえばキスの時は甘い言葉やシチュエーションでいい雰囲気にするのがポイントだって雑誌に書いてありました!」
かえで(さ、最近の女子中学生が読む雑誌にはそんなことまで書いてあるの!?)
ひなた「甘い言葉にシチュエーション……?」
ここな「子供のころから一緒だったひなたさんなら、あおいさんをメロメロにするポイントもわかりますよね?」
ひなた「あおいの弱点?……うーん……」
ひなた「あおいはヘタレだし、コミニュケーション能力ゼロだし、すぐ落ち込んで引きこもるし……」
かえで(あおいちゃん言われたい放題ね……)
ひなた「私の事忘れてたし……私の知らない相手とキスなんかしたりして……」
ひなた「もうあおいのことがわかんないよ……」グスッ
かえで「し、知らない相手かどうかなんて分からないわよ!ほら、誰だって家族とだったら子供のころにキスしたことぐらいあるんじゃない?お母さんとか!」
ひなた「お母さんとのキスであんなやらしいテクが身に付くわけないですよぉ……」ズーン…
かえで(あああ、いつも明るいひなたちゃんがこんなに落ち込むなんて……)
ここな「ひなたさん……」
ひなた「うぇぇ!?//」
ここな「だから、そんなに悩んじゃうんですね」
ひなた「ち、違、違うってば!ただ私は、長い付き合いなのにそんなことも教えてくれないんだってショックだっただけで……」
ここな「でもそれなら大丈夫です」ニコ
ここな「あおいさんが何で急にキスの話題を出したのか……私、心当たりがあるんです」
ここな「だから……」
ボショボショボショ
ひなた「いやー、まだまだあっついねぇー」パタパタ
あおい(ひなため、いきなり部屋に来たいなんて言いだして……昨日は逃げたくせに)
あおい「一体何の用なのよ」ムスッ
ひなた「まーまーそう言わないでよ、ちょっと確かめたいことがあってさー」
あおい「確かめたいこと?」
ひなた「そうそう。ぽんぽこマウンテンから落っこちた時さあ……」
ひなた「あおい、私にキスしたでしょ?」ジッ
あおい「ふわっ!?」ギクーッ
あおい「し、し、してないわよ!アレは事故!事故で唇がぶつかっただけで!」ワタワタ
ひなた「なぁんだぁ、やっぱりそうだったんだー」ニヤリ
あおい(はっ!し、しまった……カマ掛けられた?)ガビーン
あおい「……//」
ひなた(ここなちゃんの言った通りだった……)
ひなた(でも、ってことは……あおいのキスした相手は、私、で……//)
ひなた(あおいの様子がおかしかったのも、急にキスの話なんてしてきたのも、つまりそういうことで……//)
あおい「……アレはキスなんかじゃないもん」
あおい「だって、ひなたは気づいてなかったし」
あおい「私が勝手に意識してただけだし?//」プイッ
ひなた(顔をあんなに赤くしちゃって、ほっぺ膨らまして……)
ひなた「拗ねてるあおいも可愛い♪」クス
あおい「ひえっ!?かかかか……かわ……!?」
あおい「あわ……あわわわわ……//」プルプル
ひなた「高いところが怖いのも、人見知りなところも」
ひなた「料理上手なところも、優しいところも……いつでも何にでも一生懸命なところも」
ひなた「ぜーんぶ可愛いっ♪」ギュー!
あおい(ふわわわわ……わ、私、ひなたに抱きしめられちゃってるぅぅ……//)
ひなた「ね……キス、しよ?」ボソ
ひなた「大人かどうかなんて関係ない……私たちだけのやり方で、ね?」
あおい「う……」
あおい「うん……//」
チュッ
チュッ
あおい(お互いに唇を、舌を触れ合わせるだけの、ぎごちないキス)
あおい(でもそれだけなのに、すっごくあったかくて幸せな気持ちになる……)
あおい(それは、ひなたがくれたあったかさなのかな……)
あおい(ずぅっとこうしていたい……)
チュッ……
あおい「はぁっ……//」
ひなた「……ねぇ、どうだった?」
あおい「どうって……?」ポーッ
ひなた「良かったでしょ?今日のキスの方が……」
あおい「……うん♪」ニコッ
ひなた「よっ……」
ひなた「しゃぁぁぁー!勝ったぁぁー!勝った勝った勝った、あおいに勝ったぁぁー!」ピョンピョン!
ひなた「さっそくここなちゃんとかえでさんに報告しなくっちゃ!」メルメル!
あおい「……は?」ポカーン
あおい「……あの、どゆこと?」
ひなた「いやー、あおいのテクニックに勝つにはどうすればいいかって二人に相談しててさー、で、ここなちゃんとかえでさんに色々アドバイスもらってー」
あおい「……へぇぇぇ~?」ピキッ
ひなた「それにしてもあおいってば単純だよねー!カマ掛けにもすぐ引っかかるしさー♪」
あおい「あ、あんたねぇぇ……」ギリッ
ひなた「あれぇー、怒ってるぅ?まあまあ、これもあおいにだまされた分のお返しってことで♪」
あおい「うるっさいこのバカひなたぁぁ!出てけぇぇー!!」
ポカポカポカッ!
ひなた「うわぁぁぁ!?」
あおい「全くぅ、ちょっとでもひなたの言葉にときめいた私がバカだったよ」ブッスー
ひなた「あれあれー、ときめいちゃったの?また言ってあげようか?」ニヤニヤ
あおい「いらないわよ!ていうか、また顔にソフトクリーム付けて……」
ひなた「え?取って取って」
あおい「本当に世話が焼けるんだからぁ……」チュッ
ひなた「んー♪」チュッ レロレロ
ひなた「お、チョコも意外といけるね!」
あおい「ちょっと!口の中に入ってるのを味見しないでよ!意地汚いんだから!」
ひなた「とか言ってるうちにそっちのクリームが溶けて落ちそうだよー」
あおい「え?あ、うわぁぁぁ!」アタフタ
ここな「お二人が仲直りできて良かったですね♪」
かえで「いや、それはいいんだけど……人前でナチュラルにキスするようになっちゃったのはどうなの……?」
あおい「あっ!ひなたそれは一口って量じゃないわよ!返しなさいー!」
ひなた「んんむっ!?」
チューッ!ジュルッチュパッ
ここな「お二人とも楽しそうで何よりです」ニコニコ
かえで「ね、ねぇ……?二人はその……付き合って……るのよね?」
あおひな「はぁっ!?」
あおい「そんなわけないじゃないですか!こいつはただの腐れ縁です!悪い友達、略してわるともです!」キッ
ひなた「ま、あおいは一人じゃ何にもできない子だしー、私が付いててやんなきゃっていうか……友達っていうより、保護者的な?」フフン
あおい「余計なお世話なのよ!」
ひなた「そっちこそ言ってくれるじゃん!」
あおい「こうなったら……」
あおひな「キスで勝負、つけるわよ!」
あおい「かかってきなさーい!」
ひなた「今日こそぎゃふんと言わせてやるからね!」
チューッ…チュッチュッ…チュッ!
かえで「うわぁ……」
ここな「幸せそうでうらやましいです♪」
かえで「確かに晴れの日でも雨の日でも天気予報がいらなそうだけど……こういうのも友達っていっていいのかなぁ……」ウムム
ここな「友達なら仲良しの方がいいんじゃないですか?」
かえで「それも……そう……かなぁ?」グルグル
ゆうか「宿題があるわけでもないのに家に呼ぶなんて珍しいね、一体何の用?」
かえで「うん……ちょっと聞きたいことがあって」
ゆうか「?」
かえで「ねえ、ゆうか」
かえで「キスって……したことある?」
・読んでくれた人、レスくれた人さんくす
・ヤマノススメSS絶賛放送中!
・それではおやすみなさい
元スレ
あおい「ひなたとキスしちゃったかもしれない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416918455/
あおい「ひなたとキスしちゃったかもしれない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416918455/
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- 2015年12月22日 09:20
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ちんまりした丘のくせに噴火もできるとか最近の丘は進んでるな
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- 2015年12月22日 12:58
- ひなたちゃんprpr
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- 2015年12月22日 12:59
- 三期はよ
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- 2015年12月22日 18:46
- 山登りは孤高であるべきなのになあ