彡(゜) (゜) 「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」
オーストリアの田舎 リンツ
(´・ω・`) (僕はアウグスト・クビツェク)
(´・ω・`) (家具職人の息子で父さんの手伝いをしているんだ)
(´-ω- `) (でも本当は子供の頃からやってる音楽の道に進みたいんだよなぁ…)
父「お疲れさん ほれ今月の給料だ」
(´・ω・`) 「ありがとう」
父「またオペラを見に行くのか?」
(´・ω・`) 「う、うん」
父「そうか…まぁ余った時間で何をするかはお前の自由だ」
劇場
(´・ω・`) (毎日、機械的に作業をする毎日)
(´・ω・`) (でも音楽家になりたいなんて口が裂けても言えない…)
(´・ω・`) (僕の人生、こんなのでいいのかなぁ…)
(´・ω・`) (楽しみと言えば貰ったお金でオペラを見に行く位…)
(´・ω・`) (ま、小遣い程度だから立ち見しかできないんだけどね)
(´・ω・`) (あの柱の下が秘密の特等席なんだよね)
彡※※※
(´・ω・`) (あちゃ、誰かに先を越されてる)
(´・ω・`) (仕方ない、こっちの壁にもたれて見るか)
(´・ω・`) (今日は「真夏の夜の夢」か)
(´^ω^`) (ああ~いい。いい! どんなに疲れていてもこれでぶっ飛ぶなぁ)
(´・ω・`) (本当に…芸術からは勇気を貰えるよ)
(´・ω・`) (あーでも柱が少し邪魔だなぁ)
(´・ω・`) (そういえば前もあの人に場所取られたような…?)
彡※※※
僕はこのライバルを観察した
彼はひときわ青白く華奢な青年だった
僕と同じように、目を輝かせて舞台に夢中になっていた
(´・ω・`) (いつもキチっとした身なりでどこか控え目)
(´・ω・`) (明らかに僕よりいいとこの家の子みたいだ)
ブー
(´・ω・`) (休憩だ… あーもう半分か ずっとこの時間を楽しんでいたいよ)
(´・ω・`) (んーでも今日の公演は音楽と演出はいいけど……)
彡※※※「歌手が微妙やな」
(´・ω・`) !
それが会話のきっかけだった
(´・ω・`) 「そうそう! 歌手が台無しにしてるよね!」
彡※※※「せやせや! 初めはおっ!って思ったんやがなぁ」
これを切っ掛けに僕らは幕間、公演の不満点や評価する所について話すようになった
彼とは恐ろしく意見があい、お互い喜びを覚えた
僕は彼の飲み込みに驚かされた! 理解力の点では間違いなく僕より優れていた
初めに会話した日、1904年の11月。それ以来僕らの付き合いが続いた
そしてある公演の後、僕は彼と一緒に帰った。その時、わかり際に彼は自分の名前を名乗った。
彡(゜) (゜)
「アドルフ・ヒトラー」
学校
その単語が、僕の体験した、彼の最初の怒りの爆発だった
彡(゜) (゜) 「ええかクビツェク 学校なんてなぁ、なまくら者を作る場所でしかないんや」
(´・ω・`) 「アドルフは先生が嫌いなんだよね」
彡(゜) (゜) 「当たり前や! そんな話より、今日の「魔弾の射手」について語ろうや」
(´・ω・`) 「まぁまぁ、そうせっかちにならないで」
彼は僕の仕事を煩わしい傷害と思っていた
彡(゜) (゜) 「また仕事かいな 」
(´・ω・`) 「アドルフは何か仕事をしてないの」
彡() () 「……」
(´・ω・`) ??
彡(●) (●) 「冗談やない!」
彡(゜) (゜) 「ええわ!今日はトコトン付き合ったるで」
彡(゜) (゜) 「クビツェク、お前の言っとる仕事ってのはな、一言で言えば」
彡(゜) (゜) 「パンを得るための仕事や」
(´・ω・`) 「えぇ…」
(´・ω・`) (きっと、アドルフは裕福な家の子なんだろうな)
(´・ω・`) (考えられる線としては…親の遺産? 学生?)
(´・ω・`) (うーん…だったら何で僕みたいな家具職人の子と友達に選んだんだろ)
(´・ω・`) 「そういえば、僕も学校の成績は良くなかったなぁ」
彡(゜) (゜) 「…勉強はちゃんとせなアカンで」
(´゜ω゜`) 「えぇ!?」
(´・ω・`) (矛盾してるよアドルフ…君のことが全然解らないよ…)
(´・ω・`) (こんな風に大人しくて少し夢見がちな僕)
(´・ω・`) (こんなんだから相手の立場に感情移入できて順応性がある)
彡(゜) (゜)
(´・ω・`) (対して彼は極めて短気で激しい気性)
(´゜ω゜`) (さっきみたいに唐突に怒り狂うことがしばしば)
(´・ω・`) (こんな正反対な僕らは芸術という共通の趣味で繋がっている)
(´・ω・`) (はっきり言えば、僕が聞き役、受け手で彼が話す役)
(´-ω-`) (そして僕らはお互い、孤独だったんだ…)
(´・ω・`) (彼にとって、僕は只の聞き役、お供に過ぎなかったのかも)
(´・ω・`) (よく解らないけど、ただ一つ言えることは、僕は彼に必要とされていたんだと思う)
ある日
彡(゜) (゜) 「クビツェク、迎えにきたで~」
(´・ω・`) 「うーん、ちょっと待って」
彡(゜) (゜) 「はよしいや 始まってまうぞ」
(´・ω・`) 「ごめんごめん、木屑の掃除が大変でさ」
産業の発展はそこそこ進んでいるものの、未だ田舎町というレッテルは外れない アドルフは人気の少ない道をよく使っていた
彡(゜) (゜) 「クビツェク…ワイはいつかこの町から出ていくで」
(´・ω・`) 「どこに行くの?」
彡(^) (^) 「勿論ウィーンや!」
(´・ω・`) 「羨ましいなぁ、僕m」
(●▲●) 「ん? アドルフ! アドルフじゃないか!」
(´・ω・`) (ん…上品そうな人だな 僕らと同じ16歳位…アドルフの元同級生かな?)
(●▲●) 「最近どうだい? 相変わらず痩せてるねぇ!」
彼はアドルフの上着を親しげに触って、語りかけた
(´・ω・`) (アドルフは礼儀ただしく接するんだろうな 劇場での時みたいに)
(´・ω・`) チラッ
彡() ()
(´゜ω゜`) !!
僕は何度か経験済みだったので、アドルフ表情が次にどう変化するか予測できた
彡(●) (●) 「そんなこと、おまえには関係ないやろ!」
彡(゜) (゜) 「行くでクビツェク!」グイッ
(´・ω・`) 「えっ、ちょ、いいの…?」
((●▲●) ) 「あわわわわ」
(´-ω-`) (ああ…なんというか…御愁傷様…)
劇場前
彡(゜) (゜) 「あいつは未来の木っ端役人や!」
(´・ω・`) 「彼になにかされたの…?」
彡(゜) (゜) 「ふん!」
彡(゜) (゜) 「ワイは、あんなつまらない奴と一緒のクラスやったんや!」
彼が落ち着くのに、暫くかかった
それともう1つの出来事があった 僕のヴァイオリンの先生が亡くなった時の事だ
教会
彡(゜) (゜) 「クビツェク、まぁ元気だしや」
(´;ω;`) 「アドルフ…君も先生を弔いに来たんだね…」
彡(゜) (゜) 「ん… まぁ… せや」
(´;ω;`) ?
後になって訪ねてみると、やはり彼は先生を知らなかった
理由を問いただすと、
彡(゜) (゜) 「お前が他の連中と一緒にいて、くっちゃべっていることに我慢ならなかったんや」
(´・ω・`) 「そ、そう…」
実際、アドルフと知り合って以来、彼は僕の自由時間をやたら縛りたがっていた
つまるところ、僕達の友情のためには、役人気質をよく思わないでいることが是非とも必要だった
彡(゜) (゜) 「役人? あんなもん地位をちらつかせて威張る奴よりも家具職人の方が立派なもんやで 気にすんなや」
(´・ω・`) (役人の子供なのに役人が嫌いなんて…何かあったのかな…)
(´・ω・`) 「あのさ、アドルフは将来何になりたいの?」
彡(゜) (゜) 「ん?んなもん芸術家に決まっとるやろ おまえと一緒や」
(´・ω・`) 「あ……」
(´^ω^`) 「うん、そうだよね! 僕も本当は家具職人なんかじゃなくて音楽家になりたいんだ!」
彡(゜) (゜) 「今更何を言っとるんやお前は…変な奴やなぁ」
そういうわけで、僕は彼の友達になるために必要な条件を全て満たしていた訳だった
僕は彼の級友とも役人気質とも無縁で、ただひたすら芸術に明け暮れていた
(´・ω・`) (僕は音楽家になる! アドルフも芸術家になる!)
(´^ω^`)
お互いの性格は正反対、でも傾向は同じことで僕らは結びついた
アドルフは、自分の言いたいことをぶつけられる「ある人間」を群衆の中から見つけただけなのかもしれない
でも、ただ一つ言えることは劇場の出会いからウィーンでの貧乏生活の途中まで、アドルフにとって僕こそがその「ある人間」だったことは確かだ
クビツェクの家
(´・ω・`) 「まぁ汚いけどゆっくりしていってよ」
彡(゜) (゜) 「お邪魔しますやで~」
彡(゜) (゜) 「って誰もおらんやんけ」
(´・ω・`) 「ああ、母さんたちは写真館に行くってさ」
彡(゜) (゜) 「ほーん…ワイは写真が嫌いや」
(´・ω・`) 「でも学校とかでは撮らされたでしょ」
彡(>) (<) 「あれは苦痛やったで~! なんであんな馬鹿共と雁首揃えた写真残さなならんねん」
彡(゜) (゜) 「それにギジナジウムでの肖像画の授業! 組まされた奴が下手くそさといったらそら酷かったで」
彡(●) (●) 「あいつに今度あったらあの絵燃やしたる!」
(´・ω・`) 「そういえばアドルフは人物画を描かないね」
(´・ω・`) 「風景画描いてるとこしか見たことないよ」
彡(゜) (゜) 「ワイはいつかウィーンへ行くからな その前にここの風景をなるべく書き留めておくんや」
彡(゜) (゜) 「この田舎町は橋やら街道やらはええがなぁ、建築物がアカンな!」
彡(>) (<) 「昔ウィーンに行った時に見た劇場の外装といったらそら凄かったで~!」
(´・ω・`) (始まった)
彡(゜) (゜) 「でもここは田舎や!そう豪華絢爛様式兼備な建物は作れん!」
彡(゜) (゜) 「そこで田舎特有の自然や!なんといってもドナウ川の眺めやな!」
(´・ω・`) (くるぞ…)
彡(゜) (゜) 「この川は、古きゲルマン伝説の一行がフン族の国に向かう際に使われたんや!」
彡(>) (<) 「ブルグントの船団や!あ~!たまらん!」
彡(゜) (゜) 「よっしゃ!これから遠足にいくで!」
(´・ω・`) 「ええ!? そんな急に…今日は劇場行かないの?」
彡(゜) (゜) 「予定変更や! 背広じゃ動けんから着替えて来るで!」
(´・ω・`) 「お弁当作るから待ってて」
彡(゜) (゜) 「んなもんいらんいらん パンと牛乳だけで十分や」
リンツの北 ミュールフィアテル
(´@ω@`) 「ア、アドルフ、少しキツくない…?」
彡(゜) (@) 「そ、そんなんじゃ屈強なゲンマンに、なれ、なれんで…ハッ…
彡(゜) (゜) 「お、丘陵が見えたで! あそこからの眺めが最高なんや!」
ポツ…ボツ…
(´゜ω゜`) 「あーあ降ってきたよ…」
彡(゜) (゜) 「ここまで来たら引き返せん! それに山の天気は変わりやすいんや すぐ晴れるで」
(´・ω・`) (うーん、あんながりっポチな体でよく備えしないで山登りできるよ…)
彡(゜) (<) 「ゲホッゲホッ」
(´・ω・`) (それに肺も弱いみたいだし…)
ザァー
(´゜ω゜`) 「ああ…本格的に降ってきた…」
川(゜) (゜) 「うーん、自慢の前髪がびしょ濡れや」
(´・ω・`) 「アドルフは前髪いつも垂らしてるよね せっかくの大きい目が隠れて勿体ないよ」
川(゜) (゜) 「せやろか」
彼の顔は、鼻筋が通っていて、すっきりした顔立ちだった
川(゜) (゜) 「濡れた髪うっとおし杉ィ! オールバックにしたろ!」
額は広く、突き出ていて、その他鼻、口はわりと平凡 しかし
(´・ω・`) (なんて表現していいか解らないけど、アドルフほど大きい目をした人は見たことないよ)
(●) (●) 「お、視界良好やんけ」
(´・ω・`) 「オールバックは禿げるよ」
() () 「ファ!?、アカンやんけ…ワイの家系は禿げ遺伝子もっとるんや…」
数十分後
(´@ω@`) 「ヒイ、ヒイ…」
川(゜) (゜) 「ハッ…ハッ……」
(´・ω・`) 「あ…」川(゜) (゜)
(´・ω・`) 「や、やっと……」
川(゜) (゜) 「頂上や!」
雨雲はいつの間にか消え、町の反対側までが一望できた
彡(゜) (゜) 「お! リヒテンハーク城が見えるやんけ! スケッチしたろ!」
(´・ω・`) 「よくそんなに体力あるね…体は僕より貧弱なのに…」
彡(゜) (゜) 「ワイは毎日歩いとるからな ウォーキングはワイのスポーツや」
彡(゜) (゜) 「お、見ろやクビツェク ゲオルゲン村も見えよる 農民戦争時代の遺物探しに今度行ってみるやで」
(´・ω・`) 「えー…今更そんなの残ってないでしょ」
彡(゜) (゜) 「一度行けば解るで かつての偉大な闘いの遠い記憶が生き生きと残っとる」
この日改めて解ったことは、彼はこのように異常なまでの真剣さを持っていたことだ たとえそれがどんな分野でも 単なる遊びにでも
クビツェク家前
(´・ω・`) 「あーやっと着いた…もうクタクタだよ」
彡(゜) (゜) 「じゃあま」
クビツェク母「あらクビツェクどうしたのその格好」
(´・ω・`) 「あ、お母さん 写真館から帰ったんだね」
(´・ω・`) 「あ、それからこちらは僕の友達d」
彡(゜) (゜) 「私はアドルフ・ヒトラーと申します。いつもクビツェクさんとは楽しく過ごさせています」
(´・ω・`) (うーん、劇場モード それともこっちが素なのかな…?)
クビツェク母「これはご丁寧に」
彡(^) (^) 「いや~、まだまだお若いですなぁ!今日写真館の方もきっとよいお仕事をなされたに違いない!」
クビツェク母「あらお上手!」
「生真面目な男」 それがアドルフと短い時間関わった人間が持つ彼の印象だ
彡(゜) (゜) 「それでは私はこの辺で。 じゃあまた、クビツェク」
(´・ω・`) 「うん、また来週」
彼はキチッとした動作で帰路へたった
クビツェク母「おまえの友達はなんて目をしているのでしょう!」
母の言葉には、称賛よりも驚嘆がこもっていた
少年時代のヒトラーの非凡性は、どこに顕著に表れていたか?
それは目に!
彼の低くよく響く声よりも、目に比べればそれは大したことはない
(´・ω・`) (最近、僕はあることを調べている)
(´・ω・`) (アドルフの家族のこどだ)
(´・ω・`) (アドルフのお父さんは既に他界していた)
(´・ω・`) (前にその事についてかまをかけてみたことがある)
(´・ω・`) 「それでさ、僕のお父さんは僕を家具職人にしたいと思っているんだよ どう思う?」
彡(゜) (゜) 「父親ってのは子を縛りつけたがるもんや ワイの親父もワイを役人にさせようと必死だったんや」
(´・ω・`) 「へえ」
彡(゜) (゜) 「全く、こっちはいい迷惑やで」
彡(゜) (゜) 「あいつの仕事のせいでワイはオーストリア中を引っ越して回ったんや 一時期バイエルンにいれた時だけはその事に感謝しとるがな」
彡(゜) (゜) 「税関だかなんだか知らんがワイやマッマにいつも高圧的にかかってきよる」
彡(゜) (゜) 「学校にいた時は成績やらなんやらでよく殴られたもんやで」
彡(゜) (゜) 「死んでせいせいしたわ!」
(´・ω・`) 「そ、そうなんだ…」
(´・ω・`) 「ねぇ、今度アドルフの家に行っていい?」
彡(゜) (゜) 「ん? 別に構へんで」
ヒトラー家
(´・ω・`) 「お邪魔します」
彡(゜) (゜) 「マッマ、こいつはワイの同志、クビツェクや」
(*^◯^*) 「アドルフが友達を連れてくるなんて珍しいんだ!」
(´・ω・`) 「こ、こんにちは」
(´゜ω゜`) (おお…この目の大きさ…眼光…アドルフとそっくりだ!)
(´・ω・`) (どうやら、アドルフは母親似で生まれてきたみたいだ)
(´・ω・`) (でも、内面は父親似…これはアドルフに言えないけど…)
(´・ω・`) (アドルフのお母さんは聞いていた通りで明るい人だ)
(´・ω・`) (失礼かもしれないけど、家は僕の予想よりアレだな 小綺麗なアパートの4階… 質素な内装)
彡(゜) (゜) 「こっちがワイの部屋やで ついてこいや」ギシギシ
(´・ω・`) 「あ、この写真って……」
手入れの行き届いたカイゼル髭が少し怒ったような顔つき 印象的ないかにも役人顔
十中八九、写真に映っているのはアドルフの父だろう
彡(゜) (゜) 「今日はチビがいないから特別や 一度興奮し始めたら五月蝿くて敵わんからな」
(´・ω・`) 「ああ、確か9歳の妹さんだよね」
(´・ω・`) 「アドルフの兄弟って妹さんだけ?」
彡(゜) (<) 「うーん、いるにはアッネがいるんやが……」
彼にはアンゲラという一応の姉がいた なんでも父アロイス・ヒトラーの前妻の娘らしい つまりは腹違いということになる
彡(>) (<) 「そのアッネと結婚したラウバルって奴がエライ腹立つんじゃ」
彡(゜) (゜) 「あいつは飲み屋に入り浸って酒、煙草、博打をやるクズや!」
彡(●) (●) 「そしてワイを見下す役人や!」
(´・ω・`) 「あ~(君からしたら) 役満だね」
彡(●) (●) 「更にムカつくことに、あいつはワイを役人にしようとあれこれ口煩く言ってくるんや!」
彡(゜) (゜) 「ホンマ腹立つで!」
(´・ω・`) (あー、だからアンゲラさんはヒトラー家に滅多にいないんだ 主にアドルフの怒りが原因で)
キャ…キャ…
彡(゜) (゜) 「チビが帰ってきよった! 裏口から逃げるでクビツェク!」
(´・ω・`) 「ちょ、待ってよ」
ヒトラー家の家庭事情は色々複雑みたいだけど、僕はアドルフが母を愛してることだけは理解できた
(´・ω・`) 「あーあ、オペラが始まるまでアドルフの家で時間を潰す予定だったのに…」
彡(゜) (゜) 「すまんな しゃあないからラント通りでも歩こか」
(´・ω・`) 「はぁ、そうしようか……ん?」
僕らの歩く前方から長身でスラリとしたブロンドの娘が母親らしき人物と歩いていた
(´゜ω゜`) 「うわぁ…綺麗な人だなぁ…引っ越してきたのかな? きっと良家の出自で仕事の都合でこんな田舎に来たんだろうなぁ」
(´・ω・`) 「アドルフはどう思う?」チラッ
彡(・) (・)
(´・ω・`) 「え?」
彡( ゜) ( ゜)
(´・ω・`) (ど、瞳孔が開いてる…只でさえ大きい目が更に大きくなってる…)
(´・ω・`) 「ね、ねぇ、アドルフ彼女はもう行ったよ…早く元に戻ってよ…」
彡(゜) (゜) 「クビツェク、ワイは彼女を愛してるしまったようや」
(´・ω・`) 「うん、だろうね お陰で今日買ったオペラのチケットが無駄になったよ」
彡(゜) (゜) 「調べるで」
(´・ω・`) 「え?」
彡(●) (●) 「名前!住所!職業!家族構成!全部調べるで!!」
(´・ω・`) (もうこうなったら止まらないな…)
(´■ω■`) (あれから3日僕は彼女について聞き出すことに成功した)
(´■ω■`) 「名前はステファニー 住所はウアファール地区3番地34号 母は未亡人 ウィーンで法律を学んでいる」
彡(゜) (゜) 「ほう…して…恋人関係はどや…?」
(´゜ω゜`) 「それが…青年士官と…」
彡() () プチッ
彡(●) (●) 「かあああああ~!~!~!」
彡() () 「あんな見栄っ張りの空っぽ人間どもと…糞…糞……ああ~!!」
彡(゜) (゜) 「あ…あ…」
(´゜ω゜`) 「ま、まぁ、こんなこともあるって…残念だけど…」
彡(゜) (゜) 「いや! ワイは諦めんで!」
彡(゜) (゜) 「クビツェク! 今日もラント通りを散歩するで!」
(´・ω・`) 「昨日も一昨日も行ったじゃないか…」
彡(゜) (゜) 「いいや!今日こそ会えるで!ワイの目力をもってすれば彼女はワイに気づいてくれる筈や!」
(´・ω・`) 「僕はそういう意味で君の目を誉めたんじゃないんだけど…あ…」
(´゜ω゜`) (か、彼女だ…! 遂に来た…!)
彡() () 「よっしゃ!行くで!」
ステファニー「……」スタスタ
彡(◯) (◯) (大丈夫…! きっと気づいてくれる)
( ・`ω・’) キリッ
ステファニー「…………」ニコッ
彡() ()
(´゜ω゜`)
彡(゜) (゜) 「やったやで…!気づいてくれた…! やっぱり前からワイのこと気にかけとったんや…!」
(´・ω・`) 「う~ん、只目が合ったから愛想よくしただけだと思うんだけど…」
彡(゜) (゜) 「いいや、ワイには解るで 直感でわかる…! 向こうもそう思っとる筈や!」
彡(゜) (゜) 「クビツェク!ワイは次にどうすべきや!?」
(´・ω・`) 「う~ん、まぁ普通ならご両親と会ったりするんじゃない?」
彡() () 「そ、それはちょっと早いやろ やっぱもう暫くの間愛を育むで!」
(´・ω・`) 「もう好きにしなよ…」
それから彼は彼なりの愛を表現するべく努力した
時には愛の詩を書き、僕の前で朗読したりした
また時には将来設計について真剣に悩んでいたりもした
(´・ω・`) 「僕の調べた情報によるとね、彼女はダンスが好きらしいよ」
彡(゜) (゜) 「ダ、ダンス…!?」
(´・ω・`) 「これを気にやってみたら? 上流階級の人間にとってダンスは必修科目だよ」
彡(゜) (゜) 「いやっ、ダンスなんて無意味で無価値で…とにかく駄目や!」
彡(゜) (゜) 「想像してみいや!仮に音楽切った上でなされるダンスパーティーを! あいつらが気が狂ってるってわかるで!」
(´・ω・`) 「そんなこといっても仕方ないよアドルフ 彼女はダンスが好きなんだから」
彡(●) (●) 「駄目や駄目や!断じて駄目や!彼女は周囲に付き合わされて無理やりやらされてるだけなんや!」
彡(゜) (゜) 「許さへんで士官どもめ…!ワイがステファニーと結婚したらこんな思いさせんですむようにしたる!」
それから彼はダンスのことばかり考えるようになった 家でもずっとそうらしい
(*^◯^*#) 「アドルフが毎晩ピアノでワルツを弾いてて五月蝿いんだ!なんとかしてほしいんだ!」
(´・ω・`) 「暫くほっときましょう」
二週間後
彡(゜) (゜) 「クビツェク、ワイは決めたで」
(´・ω・`) 「やっと諦める気になったんだね」
彡(゜) (゜) 「んな訳ないやろ ワイは…ワイは…」
彡(●) (●) 「彼女と駆け落ちするで…!」
(´゜ω゜`) 「誘拐!?」
彼は極めて詳細に誘拐計画を練っていた 僕の役割も決まっていた
僕が母と話して気を引いている隙に彼が娘を強奪するというのだ
(´・ω・`) 「その後、君たち二人さどこで暮らすんだい?」
彡() () 「う……」
僕の質問で彼の頭を冷やすことはできた
状況は悪くなっていった
たまたま彼女の機嫌が悪い時に彼女に視線を送った結果、彼女は明らかに煙たそうにそっぽを向いた
彡() () 「ファ!?」
この行為はアドルフを絶望の淵へと追いやった
彡(゜) (゜) 「もう耐えられへん! 終わりにするで!」
彡(゜) (゜) 「橋からドナウ川に飛び込んだる 勿論、ステファニーも一緒に死ななアカン」
(´゜ω゜`) 「アドルフ…」
彡(●) (●)
ここ三週間、彼の頭にはその計画しかなかったようで、僕は恐る恐るそれを見守るしかできなかった
1906年6月
その日は花馬車行列という催しが行われ、僕とアドルフも教会の前でそれを見ていた
(´・ω・`) 「前に君が言ってた通り、自然も芸術の一つに違いないね 花と連隊の音楽がよくマッチしてる」
彡(●) (●) 「せやな…」
(´・ω・`) 「あっ、花の投げ入れが始まったよ! 君の妹さん位の娘もいるね」
彡(●) (●) 「せやな…」
(´゜ω゜`) 「あっ……見てアドルフ! ステファニーだよ! ステファニーが花馬車から降りてきたよ」
彡(゜) (●) 「ファ!? ほ、ホンマや!!」
その時のステファニーは赤いヒナゲシ、白いマーガレットに囲まれて最高に魅力的だった
そのうち馬車が僕達の目の前にやって来た その時、ステファニーの明るい眼差しがアドルフに注がれた
彡(゜) (゜) 「」
彼女はお祭り気分にふさわしく無邪気に微笑みかけ、花束から花を一本抜いてアドルフに投げた
(´・ω・`) チラッ
(´゜ω゜`) !!!
その時ほど、幸せそうなアドルフの顔を僕は見たことがない
祭り後
彡(;) (;) 「やっぱり……やっぱりそうだったんや! 彼女はワイに気があるんや」
(´;ω;`) 「うん…うん…気があるかどうかはともかく良かったねアドルフ…」
若きアドルフは市民社会を何よりも嫌っていたが、好きな人と接する際には誰よりもその社会のルールを厳守した
彡(-) (-) 「結局、ワイは未だに自己紹介すらできておらん…」
逆に考えれば、ルールを守ることにより一つの事実から自らを守っていたのかもしれない
彡(゜) (゜) 「ワイの片思い…なんやろか…」
結局、長期に渡る状況の無変化とウィーンへの移転という時間的にも空間的にも疎遠となった二人の関係は風化するに至った
彡(゜) (゜) 「ワイの努力は全部無駄やったんやろか…ワイが考えた二人で暮らす家も…理想も…」
(´・ω・`) 「女の人は逃げても芸術は逃げないよ、アドルフ それはいつだって僕らの手の中さ」
彡(-) (-) 「せやな…」
しかし、一つだけその夢は叶う その場にステファニーはいなかったが、後にその夢の家はオーバーザルツベルクで実現した
なんにせよ、ステファニーは彼の生涯で最も美しく純粋で豊かな夢だったことは確かだ
彡(゜) (゜) 「お前はそれについて全く理解しておらん!」
彡(゜) (゜) 「それについてお前に話すことはできん!」
彡(゜) (゜) 「政治に関してはクビツェク、お前はマヌケやな!」
彡(゜) (゜) 「全く、マッマといいお前といい皆政治に無関心過ぎるで!」
(´・ω・`) (僕達の友情にとって政治はいつも難点だった)
(´・ω・`) (僕は政治のことで自分の意見を全ど持たなかった)
(´・ω・`) (そんな僕を、彼は「ヒトラー教」に改宗させたがっていた)
(´・ω・`) (つまり、この若き民族主義者と同じ意見をもって欲しかったんだ 芸術についての考えと同じように)
彡() () 「全く、政治に興味がないなんてしんじられんなぁ。情熱が足らんのか?」
彡(゜) (゜) 「だったらワイが政治というものを教えたるで! よし、今日は国会議事堂に行くで!」
(´・ω・`) 「ええ~。僕帰ってピアノの練習したいんだけど…」
彡(゜) (゜) 「このままお前を野放しにしてたら将来どうなるかわからん! ええからついてこいや!」
(´・ω・`) 「おばさん、アドルフはなんで政治に興味を?」
(*^◯^*) 「亡くなったお父さんも政治談義が好きだったんだ!」
(*^◯^*) 「いつも居酒屋でゲルマン人についてやらオーストリアの多民族性についてやら話して煙たがられてたそうなんだ!」
(*^◯^*) 「でもそれをアドルフに直接言ってる所は見たことがないんだ! きっと似た者同士だったなんだ!」
(*^◯^*) 「ま、最近の若者はみんな自分をドイツ人だと思いたいみたいなんだ! アドルフもそんなニュアンスのことを言ってたんだ」
(*^◯^*) 「クビツェク君みたい歳でノンポリはむしろ少数派なんだ!だからアドルフもほっとけばじきになおると思うん!」
(´・ω・`) 「うーん、そうでしょうか」
(´・ω・`) 「でさ、最近ヴィオラの先生に言われたんだけど、音楽の時代はイタリアに移り変わってるらしいよ」
彡(゜) (゜) 「イタリアぁ~? イタリアはないで」
(´・ω・`) 「ホントドイツ以外の外国に興味がないんだねアドルフは」
彡(゜) (゜) 「ワイは死ぬまでドイツ帝国人やからな! 芸術的才能もドイツの為に使うで」
(´・ω・`) 「へー、僕は楽器が弾ければどこだっていいや ピアノの先生にこう言ったらユダヤ人みたいだなって言われちゃったよ」
(´・ω・`) 「ユダヤ人って言われても僕はあんまりピンと明るいこないんだけど、アドルフはどう思う?」
彡(゜) (゜) 「ワイは別になんとも思ってへんで」
(´・ω・`) 「あ、そうなんだ」
彡(゜) (゜) 「そういえば学校の教師がユダヤ人についてあれこれ言っとったなぁ ワイは寝てたんやけど」
彡(゜) (゜) 「ま、不満があるとすればベツレヘム通りのシナゴーグやな あれはリンツにいらん」
この頃、アドルフはそれほど反ユダヤ主義者ではなかった
彡(゜) (゜) 「おっ、国会やんけ! チェコ人は消えろや!」
(´・ω・`) 「ちょ…」
結局、彼は民族主義者だった 彼は愛した民族のために無条件で献身的に打ち込んだ
彼はただこの民族の中にだけ生きており、他の事は何も知ろうとしなかった
彡(゜) (゜) 「あれ、今日やっとらんやんけ!」
(´・ω・`) 「ホッ…じゃ帰ろうか」
彡(゜) (゜) 「チッ…しゃあないな…ん!?」
(´・ω・`) 「今度はなんだよもう…」
彡(゜) (゜) 「おっ、宝くじやんけ! 買ったろ!」
彡(゜) (゜) 「あら…金がないやんけ…クビツェク!お前半分出せや!」
(´・ω・`) 「ええ~! 只でさえ小遣い少ないのに…」
彡(^) (^) 「当たった金でワイらが民族記念館の改修するで! クゥ~! 夢が広がってきたで!」
(´・ω・`) 「国営宝くじなんて初めて買ったよ」
彡(゜) (゜) 「邸宅も作るで! 二階にワイのアトリエを作って地下にはクビツェクの音楽室や!」
(´^ω^`) 「あっ…いいねぇそれ」
(´・ω・`) (当選発表までの期間は、僕達の友情にとっては最も美しい一時だった)
(´・ω・`) (愛、熱狂、偉大な考え、大胆なアイデア、僕達には何でもあった)
(´・ω・`) (ただこれまでは、お金がなかった それが手に入るなら、もう他に何を望むというのだろう)
彡(゜) (゜) 「うーんこの邸宅の案はええが費用がかかり過ぎるで」
(´・ω・`) 「確かに、これでお金を使いきったらいつものみすぼらしい服で豪邸に住むことになるね」
彡(゜) (゜) 「せや! 借家のワンフロアを貸しきって改造するのはどうや!?」
(´・ω・`) 「あっ、それ名案だね!」
彡(^) (^) 「よっしゃ、場所決めに行くで!」
(´^ω^`) 「行こう行こう!」
ーーーーー
(´・ω・`) 「うーんこの辺りは周りが家ばかりだね」
彡(゜) (゜) 「次や次!」
ーーーーー
(´・ω・`) 「ここいいんじゃない? 程よく町を見渡せるよ!」
彡(゜) (゜) 「……」
(´・ω・`) 「あっ……(察し) 」
(´・ω・`) (近所に学校があった…)
(´・ω・`) 「ここは学校の通学路があるから芸術活動に支障が生じるね」
彡(゜) (゜) 「せやな」
(´・ω・`) 「結局…たどり着いたのは…」
彡(゜) (゜) 「ここか」
ウアファール地区キルヒェン通り4番にあった33号室
(´・ω・`) 「いい場所だね ドナウ川の近郊にこんな家があったなんて」
彡(゜) (゜) 「反対側はミュールフィアケル地域の緑の丘陵…ペストリンクベルの眺め…」
彡(^) (^) 「最高や!ここに決定やな!」
彡(゜) (゜) 「早速忍び込むで!」
(´゜ω゜`) 「忍び込むなら最も静かにね…」
彡(゜) (゜) 「はえ~!予想以上の眺めや」
(´・ω・`) 「うわぁー壁も厚いからピアノ位大丈夫そうだ」
彡(゜) (゜) 「早速平面図づくりや!」
彡(゜) (゜) 「おっ!ここのフロアにワイの作図机置くで!」
(´・ω・`) 「じゃあ僕はこっちの狭い方で こっちの方が音響よさそう」
彡(゜) (゜) 「カーテンとその飾りは任せるで! ワイは設置する家具や!」
(´・ω・`) 「伊達に家具職人見習いやってないからね、張り切らせて貰うよ!」
(´・ω・`) (僕達は夢中になって作業した)
(´・ω・`) (一等賞の宝くじに当選することを僕達は疑わなかった)
(´・ω・`) (アドルフのおかげで、僕も当選への無条件の確信に目が眩んでもうすぐキルヒェン通りに引っ越す予定でいた)
(´・ω・`) 「できた どうだいアドルフ」
彡(゜) (゜) 「おお、ええな! 堅実で妥当や! よっ、大将!」
(´・ω・`) 「僕は宝くじが当たったら家の手伝いをやめるよ! 音楽の仕事に全力を注ぐんだ」
彡(゜) (゜) 「せやな!やめて止めてまえ止めてまえ」
彡(゜) (゜) 「たまにウィーンへ行くで! んで劇場に行ったり講義を聴いたりするで!」
彡(゜) (゜) 「でも生活スタイルは今と同じや! 上品かつ堅実にいくで! 家政はどっかのバッバでも雇うで」
しかし、そう上手くはいかないものだ
当選日
父「クビツェク、椅子の脚をとっておくれ」
(´・ω・`) 「はい父さん」
ガラガラ
父さん「ん、だれだ? 納品日は明後日の筈だが…」
彡(。) (●) 「クゥー! ク、ク、クビツェクーーー!!!」
(´゜ω゜`) 「ア、アドルフ!!?」
アドルフの手には紙切れとなったくじが握られていた
彡(●) (●) 「ンゴォォォォォォォォ!!!!」
彡(。) (●) 「人間の騙されやすさにつけ込む国家主導の投機!」
(´;ω;`) (ああ…そうか駄目だったんだね…)
彡() () 「善良な市民を食い物にする公然の詐欺!!!」
彡(●) (●) 「10!?いや20!?民族の寄せ集めの糞国家が~~!!~~!!」
実際には、二人の哀れな若者がなけなしの金を騙しとられた、というだけの話だった
彡(●) (●) 「ハプスブルク家の婚姻政策から生まれた怪物!!」
アドルフは、自分に非がある、などとは思いもしなかった。一等を得るのは当然の欲求である、と思っていた
(´・ω・`) (アドルフは、国営宝くじなどの国家組織を騙されやすさ当てにするよりも自分自身とその将来を信頼するほうが賢明だと思うようになった)
彡() () 「くそ…オーストリアなんて信じたワイが馬鹿だったんや…」
彡() () 「はえ~つっかえ~ くそ、気分直しに橋のスケッチにでもいくでクビツェク!」
(´・ω・`) 「うん、付き合うよ」
父「なんだこいつ…」
(´・ω・`) (それから、彼は橋を好むようになった)
(´・ω・`) (ドナウ川を流れる水の上には、何か自由で前に進みたくなる雰囲気があった)
まるで自分がそうでありたいと思うように、自らの国を嫌うこの若き民族主義者は熱心に橋をスケッチしていた
続く
第二部 ウィーンでの体験
(´・ω・`) (1906年の5月から6月にかけて、アドルフはウィーンに滞在していた)
(´・ω・`) (もう言うまでもないけど、アドルフは慣れ親しんではいるけど小市民的なリンツに限界を感じていた)
父「おーいクビツェク、ヒトラー君から絵葉書が届いているぞ」
(´・ω・`) 「え、ほんと!?」
『この絵葉書を送るが、ずっと便りを出さなかったことをすまないと思っている。僕はとても元気で、今はあちこちを見て回っている。明日はトリスタンを見に行き、明後日はさまよえるオランダ人という具合だ』
(´・ω・`) 「ふむふむ 楽しそうだなぁ」
『全てがとても素晴らしいのだが、僕はもうリンツが恋しい。今日は市立劇場に行く 尊敬するご両親によろしく』
『アドルフ・ヒトラー』
彡(゜) (<)
(・`ω・‘) 「んん… きっとこの『リンツ』っていうのはそのままの意味じゃなくて…」
(´-ω-`) 「きっと『ステファニー』のことなんだろうなぁ…全くもう」
同じ日の1906年5月に、アドルフは二枚目の絵葉書を出していた
『建物の内部に感動はしない。建物の外面の力強い威厳が芸術の記念碑的厳粛さを建物に及ぼすのであり、内部ではその威厳よりも感嘆を覚える』
彡(`) (´) キリッ
『力強い音の波が室内をうねり、風のざわめきが波打つ音のすごい洪水に消え失せるときにこそ、崇高さを感じ、内装を飾る金やビロードのことはわすれてしまう』
彡(-) (-)
『尊敬するご両親に宜しく』
『アドルフ・ヒトラー』
リンツ駅
(´・ω・`) 「おかえり、アドルフ」
彡(^) (^) 「おおクビツェク! なんか久しぶりに感じるで!」
彡(;) (;) 「ホンマによかったでぇーウィーンは! 流石ステファニーを生んだ町や! あそこの建築を見て音楽を聞けばワイも都会人や!」
(´・ω・`) 「絵葉書からも十分にその素晴らしさが伝わったよ」
彡(゜) (゜) 「クビツェク…ワイは決心したで…」
(´・ω・`) 「ああ…やっぱり…」
彡(゜) (゜) 「ワイは…ウィーンへ行くで」
ヒトラー家
彡(゜) (゜) 「マッマ! ワイはウィーンへ行くで!」
(*^◯^*) 「駄目なんだ!」
彡(゜) (゜) 「なんでや! 費用はワイが親父から相続した分を使うんやからええやろ!」
(*^◯^*) 「そういう頑固なところがお父さんそっくりなんだ!」
(*^◯^*) 「それに、知り合いの農夫さんに職の斡旋をたのんでいるんだ!」
彡(゜) (゜) 「ファ!?聞いてへんでそんなこと!」
(*^◯^*) 「言ったら反対するから黙っていたんだ!」
(*^◯^*) 「アドルフ、二年前に実科学校を止めて以来お前はずっとブラブラしていたんだ!」
彡(。) (゜) 「ぶっ、ブラブラぁ!? それは聞き捨てならんで! ワイはいつも芸術家になるため努力しとったんや!」
(*^◯^*) 「はっきり言うんだ! 芸術家なんて不安定で軽率なものなんだ!」
外
(´゜ω゜`) 「す、すごい剣幕で言い争ってる クララおばさんのこんな声聞いたことないよ…」
彡(゜) (゜) 「何を言っとんじゃ! ワイはちゃんと大学にいって勉強するんや! 学校やぞ学校!! どや!? 学生なら世間体も悪くないやろ!?」
(*^◯^*) 「ぐぐ…でもクビツェク君みたいに音楽ならともかく絵なんて…」
(*^◯^*) 「それに、ラウバルだって反対だって言ってたんだ! 気違いの沙汰だって言ってたんだ!」
彡(●) (●) 「あんな小役人風情に芸術の何がわかるんや!! そうか、あいつがマッマに何か吹き込んだんやな!?」
(´゜ω゜`) 「僕の出る幕は無さそうだ…今日のところは帰ろう…」
あくる日 クビツェク家
(´・ω・`) 「このマットレス、ずいぶん注文が込んでるね…! ぐぐ…」
父「ああ…今日いっぱいはかかるな…」
彡(゜) (゜) 「クビツェク」
(´・ω・`) 「あ、アドルフ…ごめん、今は少し忙しくて…」
彡(゜) (゜) 「明日、出発するで 出来れば一緒に駅まで来てくれや」
(´゜ω゜`) 「明日!?随分急だね」
彡(゜) (゜) 「そんじゃ、仕事頑張ってな…」
彡(゜) (゜) 「叔父さんも、無理をなさらずに頑張って下さい」
父「ありがとう、アドルフ君はいつも礼儀正しいねぇ」
彡(゜) (゜) 「ほな…また…」
夜
(´・ω・`) 「やっと終わった…!アドルフの家に行ってみよう…」
(´・ω・`) 「ごめんください」
(*^◯^*) 「クビツェク君なんだ!アドルフはいないんだ!」
(´・ω・`) 「はぁ、そうですか…あの…」
(*^◯^*) 「ウィーンへの引っ越しのことなんだ?」
(´・ω・`) 「えっ、あ、はい…」
(*^◯^*) 「アドルフは実科学校できちんと勉強していたら、今頃高卒資格を得ていた筈なんだ!」
(*^◯^*) 「大急ぎでウィーンへ行って何になるんだ! 画家になっても、得るものはないし、歴史物語を書いても、1クローネにもならないんだ!」
(*^◯^*) 「もうアドルフを助けてやることはできないんだ!アドルフだけじゃなく、パウラもいるんだ!」
(´・ω・`) 「妹さん、体が弱いんでしたね」
(*^◯^*) 「アドルフはそんなことお構い無しなんだ! まるで世界に自分一人しかいないかのように、自分の道を進むんだ!」
(*^◯^*) 「うぐ…」
(´・ω・`) 「お、おばさん!?」
(*^◯^*) 「最近はもう…駄目なんだ…! ああ…あのお星さまに顔が見えるんだ…!」
(´・ω・`) 「し、しっかり…!」
(*^◯^*) 「クビツェク君…アドルフが自力のを見る前に、この体は駄目になるんだ…!」
(*^◯^*) 「アドルフは孤独なんだ…! だから一瞬いてやってほしいんだ…!」
(´・ω・`) 「おばさん…」
翌日 駅
彡(゜) (゜) 「もうマッマは一切反対せん ワイは行くで」
(´・ω・`) 「あれ、クララおばさんは?」
彡(゜) (゜) 「親が子を見送るなんて恥ずいやろ!」
(´・ω・`) 「そっか…」
彡(゜) (゜) 「あいつだって…あの糞親父だってウィーンへ行かなかったら一生靴職人でマッマとも結婚できなかったんや ワイだってできるで…!」
彡(゜) (゜) 「だからクビツェク! お前もこいや!」
(´・ω・`) 「ははっ、またまた…」
彡(゜) (゜) 「クビツェク! これはいつもの冗談やない! 本気や!お前が望まんと一生そのままやぞ!」
(´・ω・`) 「うっ……!」
彡(-) (-) 「ワイは知っとるんやで、お前がワイに及ばずとも努力していることを… オペラに行く回数を減らして家庭教師を呼び、詩を読んだり…」
彡(゜) (゜) 「後はお前が勇気をだすだけや!そしたらワイも全力でやれることをやらせてもらうで!」
(´・ω・`) 「アドルフ…」
彡(゜) (゜) 「せやから、来い!クビツェク!」
ポーッポーシュッポー
彡(-) (-) 「ほな…またな…待ってるで…」
(´-ω-`) 「……」
(´・ω・`) 「……!」
クビツェク家
父「クビツェク… そうか、ヒトラー君は行ったか」
(´・ω・`) 「父さん…僕…」
父「皆まで言うな お前の頑張りはヒトラー君から聞いてる お前のやりたいこともな」
(´;ω<`) (アドルフ…あんなこと言って、もうやることやってるんじゃないか…!)
父「仕事がないときはなるべく家を避けていたお前が親友を見送った後すぐここに来た…! それだけでもう私は理解した」
(´;ω;`) 「父さん…! じゃあ…!」
父「ああ…ただし後一年の修行を終えてだ 勿論音大の受験勉強と平行でな」
(´;ω;`) 「うん…うん…やるよ…勿論やるよ…!」
ウィーン
『アドルフへ 君のおかげで、父さんの許可が貰えたよ 宝くじの夢は叶わなかったけど、同居して二人、ウィーンで学生生活を送る夢は果たせそうだね』
(´・ω・`)
『あと一年で、君に追い付くよ それまで、抜け駆けして有名になったりしてちゃ駄目だからね』
(´・ω<`)
『アウグスト・クビツェク』
彡(゜) (゜) 「ふふふ、やりおった、やりおったであいつ! 全てはワイの計画通りや!」
彡(゜) (゜) 「だが悪いな、クビツェク! ワイはお前を待つつもりはないで! 必死にワイの芸術家人生に喰らいついてくるで!」
「大松造形美術大学」
彡(゜) (゜) 「この美大からワイのそれは始まるんや!」
彡(^) (^) 「ほな、行くで!」
1907年10月
とある市場
(´・ω・`) (アドルフがウィーンへ行って数ヶ月たった)
(´・ω・`) (僕はヴィオラの交響楽団、弦楽合奏団に入り特訓の日々を重ねている)
(*^◯^*) 「あ、クビツェク君なんだ!」
(´・ω・`) 「あ、おばさん 元気そうでなによりです」
(*^◯^*) 「ありがとうなんだ!」
(*^◯^*) 「アドルフは上手くやっているそうなんだ! ただ、何について勉強しているのかわからないんだ! きっと忙しいんだ!」
(´・ω・`) 「ええ、そうらしいですね」
(´・ω・`) (実は僕との文通でも政治やステファニーのことばっかりで不思議と勉強のことは書かれてないんだよね)
翌日
父「こ、これは…」
(´゜ω゜`) 「はえ~」
注文書にはベットが50床とあった 新築された婦人科病棟のためだ
空いてる時間は全て音楽の勉強に費やした こうして数週間の間、楽団と家だけを往復する日々が続いた
11月後半 ヒトラー家
(´・ω・`) 「おばさん、暫く顔見せられなくてすいません」
(* ◯ *) 「だ、誰…なんだ……」
(´゜ω゜`) 「お、おばさん!?」
数週間ぶりに見た彼女の顔は枯れ果て、弱りきっていた
(* ◯ *) 「アドルフは、ウィーンの生活、生活はとてもじじじじゅうじつしてるらしいんだ…」
(´・ω・`) 「へ、返事を書くのが大変なら僕が代わりに書きますよ!」
(* ◯ *) 「それは駄目なんだ…」
(* ◯ *) 「アドルフは母親の体調を知ったらきっとここに戻ってくるんだ…」
(* ◯ *) 「猛勉強しているアドルフに途中で中断を強いることはできないんだ…」
(´・ω・`) (一体どうすれば…)
(´・ω・`) (小さな妹さんは毎日学校、確かアドルフの義理の姉さんは妊娠中 その夫のラウバルもアドルフのウィーン行きの件で不機嫌らしいし…)
(´・ω・`) 「入院…」
(* ◯ *) 「お医者さんにもそう薦められたんだ…」
結局、様々な理由が重なりアドルフへ手紙が送られることとなった
(´・ω・`) 「ってことなんだよ…どうにかならないかな?」
母はクララおばさんとは面識がなかったが時々おばさんの様子を見に行くことを進んで引き受けてくれた しかし、父が反対した
父「頼まれてもないのに援助をするのは無作法にあたる」
(´・ω・`) 「…」
翌日
(´・ω・`) (よし、次はマットレスに詰め物をして…)
彡(゜) (゜) ガチャ
(´・ω・`) 「アドルフ、帰っ」
彡(゜) (゜) 「医者は不治の病や言うとった」
アドルフの口から出たのはこれだけだった
彼の顔は透き通りそうなほど青白く、目はくもり、声はしわがれていた
彡(゜) (゜) 「不治の病てなんや? 不治やない、医者に治す能力がないだけや マッマはまだ47やぞ」
彡() () 「医者はどうしていいかわからないから不治の病なんて言い出すんや」
(´・ω・`) (身近に起こったことを何でも問題視するのは、彼のいつもの癖だ)
(´-ω-`) (でも、こんな風に話したのは初めてだな…)
(´・ω・`) 「僕に何かできることはある?」
彡(-) (-) 「……」
彡(゜) (゜) 「マッマの面倒を見るために、ワイは暫くリンツにいる」
(´・ω・`) 「大学はいいの?」
彡() () 「……」
彡(゜) (゜) 「だ、大学は毎日行かなくてもええんやで それに、今はマッマの方を優先せな」
(´-ω-`) 「そうだよね…無粋なこと聞いてごめん」
(´・ω・`) 「そういえば、君に家事なんてできるの?」
彡(゜) (゜) 「必要になれば、何でもできるもんや」
翌週
(´・ω・`) (アドルフはああ言ってたけど、家事を単調で退屈な作業だって見下していたアドルフにできるのかな…?)
(´-ω-`) 「無理だろうなぁ きっと三日坊主…」
ヒトラー家
(´・ω・`) 「お邪魔します」
(´・ω・`) 「あれ、誰もいない」キョロキョロ
「クビツェク、下や」
(´゜ω゜`) 「ア、アドルフ…床にひざ立ててなにしてるの…?」
彡(゜) (゜) 「ファ? 掃除に決まっとるやろ 見てわからんか」
(´゜ω゜`) (嘘…あの、あのアドルフがエプロン着けて床を磨いてる)
(* ◯^*) 「あはは、クビツェク君驚いてるんだ! 無理はないんだ!」
(* ◯^*) 「でもご覧の通り、アドルフは何でもできるんだ!」
彡(゜) (゜) 「全く、人をなんだと思っとるんや…」
(´・ω・`) (アドルフは別人のようになっていた)
彡(゜) (゜) 「今日は野菜でなんか作るで」
(´・ω・`) (いつも彼が夢中になっている問題やアイデアは、もう出てこなかった)
(´・ω・`) (政治のことは勿論、芸術への興味すら、ほとんど失せているようだった)
(´・ω・`) (僕達は三年以上も密接で二人だけの友情を保っていて、隠し事は一切なかった)
(´・ω・`) (アドルフは、本当に別人みたいになっていた)
(´・ω・`) (クララおばさんの状態は良くなっていった)
(´・ω・`) (やっぱり、息子がそばにいることが病状にいい影響をもたらしたのかも)
(* ◯^*) 「…」
彡(゜) (゜) 「ほい」
(´・ω・`) (アドルフはおばさんの目からやりたいことを読み取り、心から愛情を込めて世話していた)
(´・ω・`) (僕は自分の目と耳を疑いたくなったほどだ)
(´・ω・`) (この日々の間の彼は完全に自分のことを忘れて、母への献身的な世話だけに生きていた)
(´・ω・`) (あ、雪だ…)
(´-ω-`) (アドルフにとって、今年のクリスマスはいいものになりそうにないな…)
(´・ω・`) 「それでは、僕はこの辺で…」
(* ◯^*) 「……」
(´・ω・`) 「アドルフー!? 聞こえてるかーい!?」
彡(゜) (゜) 「屋根裏からでも聞こえるでー! ほななー」
(´・ω・`) 「それでは、お大事に…」
(* ◯^*) 「クビツェク君」
(´・ω・`) 「はい」
(*^◯^*) 「アドルフにとって良い友達のままでいてほしいんだ!あの子はひとりぼっちになっていまうからなんだ!」
(´;ω;`) 「はい……」
僕は目に涙をためながら約束して、帰った
12月20日の夕方のことだ
翌日 午後 クビツェク家
彡() () 「」ガチャ
彡() () 「………」
(´・ω・`) 「アドルフ……」
彡() () 「夜中にマッマが死んだ」
(´ ω `)
埋葬は12月23日に行われた
小さなパウラはすすり泣き、アドルフは落ち着いていた しかし、彼の大きな目はその悲しみを隠しきるのには些か向いてなかった
明日がクリスマスのためか、葬列は隣人や知り合いのみでみすぼらしさが感じられた
クララ・ヒトラーは夫アロイス・ヒトラーの墓の隣りに埋葬された
翌日 クビツェク家
母「こういう時こそ、家族と皆でクリスマスを平穏に過ごすのがよいでしょう」
彡() () 「そうですね」
彼はそう言ったが別れ際に、彼は無愛想に言った
彡() () 「ラウバルの所へは行かへん」
(´・ω・`) 「それなら一体どこに行くつもりだい? 今日はクリスマスイブなんだよ」
(´・ω・`) 「僕の家で一緒にどうだい」
彡() () 「ありがたいが、遠慮しとくで」
彡() () 「ワイは…」
彡(゜) (<) 「たぶん、ステファニーのところへ行くで!」
(´・ω・`) (彼はステファニーのところ、つまり夢の中へ向かった)
後に彼はクリスマスイブについて、何時間も外にいた、とだけ話してくれた 朝方になってようやく家に戻り、眠ったそうだ
何を考え、感じ、悩んでいたかは、話してくれなかった
1908年 2月
ウィーン駅
ざわ…
ざわ…
(´゜ω゜`) 「あう…あう…」
「どけ」
(´・ω・`) 「す、すいません…」
「邪魔だ」 「FackYou」
(´゜ω゜`) 「あわわわ」
(´;ω;`) (か…帰りたい…)
(´;ω;`) (アドルフは一体どこにいるんだろう…)
彡(゜) (゜) 「おーいクビツェク、ここやー!」
(´;ω;`) 「アドルフ! ああよかった…一生ここをさまよい続けるのかと思ったよ…」
彡(゜) (゜) 「おおげさやで 全く相変わらずやなぁ」
(´・ω・`) 「そういう君はすっかり都会に馴染んでるみたいだね」
(´・ω・`) (混じりっ気ないグレーの冬用コート、グレーの帽子、象牙の握りのついたステッキ…こっちでも相変わらず服装はキチッとしてるなぁ)
彡(゜) (゜) 「トランクでか杉ィ! 完全なお上りさんやんけ!」
(´・ω・`) 「はは…母さんが色んなもの詰めこんでさ」
ざわ… ざわ…
彡(゜) (゜) 「とりあえずこッから出るで 五月蝿くてかなわんわ」
(´-ω-`) 「うん、ぜひともそうしたいね…」
彡(゜) (゜) 「ほないくで」
(´・ω・`) (まず僕達はアドルフの家に向かうことにした 取り敢えず二人で住む部屋を見つけるまでの拠点だ)
(´・ω・`) (そして歩くこと数十分)
彡(゜) (゜) 「ここが今ワイの住んでるところや」
(´゜ω゜`) 「あれ…予想以上に綺麗なところだね…」
彡(゜) (゜) 「表向きだけや」ガチャ
(´>ω<`) 「うわっ、石油くさっ!!」
彡(゜) (゜) 「大家は留守みたいや」
(´・ω・`) (アドルフの部屋はテーブルにも、ベッドにも、いたるところにスケッチがあった)
(´・ω・`) (とにかく、全てが粗末で荒れ果てていた)
彡(゜) (゜) 「まっ、少し休憩しようや」
(´・ω・`) 「食料も沢山持ってきたよ」
彡(゜) (゜) 「お、おばさんgjやで」
(´・ω・`) 「まずはジャガイモのパンケーキ」
彡(^) (^) 「ドイツの家庭料理の代表格やな!」パクー
彡(>) (<) 「あ~甘さが抑えてあった塩味が染みとる マッマが作ってくれたのを思い出すで~」
(´・ω・`) 「だから肉料理にも合うんだよね はいローストポーク」
彡(゜) (゜) 「肉食うの久しぶりや! あ~この歯応えとパンケーキのふっくら感がええな」
(´・ω・`) 「はい次はブフテルン菓子 バニラソースをかけてね」
彡(^) (^) 「お、ワイの好物やん 覚えとったんか」モグー
彡(-) (-) 「この甘み…食感…チェコ生まれのものとは信じられん… 美味や」
彡(゜) (゜) 「流石、まだ母親がいるだけあるな!」
(´・ω・`) (そらから、僕達は王様のようにたらふく食べた)
彡(゜) (゜) 「家庭の味に、そしてクビツェクのウィーン進出に乾杯や!」
(´・ω・`) 「かんぱーい」カツーン
彡(゜) (゜) 「そういえば、ステファニーは今どうしてるんや」
(´・ω・`) 「……」
彡() () 「貴様…任務を怠ったな…」
(´・ω<`)
彡(゜) (゜) 「ちっ、自分で出かけるべきやったで」
夕方
彡(゜) (゜) 「クビツェク、宮廷劇場にいくで!」
(´・ω・`) 「ええ…今日はもう休みたいんだけど…」
彡(゜) (゜) 「ウィーンに来て、宮廷劇場も見ずに眠れるわけないやろ ほな行くで!」
(´・ω-`) (うーんこの感じもひさびさだなぁ)
宮廷劇場前
(´゜ω゜`) 「おお、ホールからもうリンツのとは比べ物にならないや…」
彡(゜) (゜) 「大理石の欄干、ビロードの絨毯、金色に化粧された天井… 大都市がなせる技や」
(´・ω・`) (それから、僕達は教会、聖堂、塔など、大都市の豪華絢爛な建物を見て回った)
(´゜ω゜`) (リンツのものとは何もかもが桁違いで、僕はまるで別の惑星に連れてこられた気がした)
彡(゜) (゜)
(´・ω・`) 「このエイリアンに…フフ…」
彡(●) (●) 「この先に普墺戦争時代の収容所があるんや…ぶちんこんだろか…?」
(´・ω#`) (こうして僕達は帰宅した その頃にはもう真夜中で管理人さんにチップを払う必要があった)
彡(゜) (゜) 「ちっ、足下見おって…」
アドルフの部屋
彡(゜) (゜) 「でな、クビツェク、ケルントナー通りの風景は…」
(´-ω-`) 「うん…うん…」z
彡(゜) (゜) 「ちっ、疲れ果てて寝おった 相変わらず貧弱な奴やで」
(´-ω-`) (気づけば、眠っていた)
(´-ω-`) (でも、この日はあまりに色々なことがありすぎた)
(´-ω-`) (家族との別れ、列車の旅、到着、喧騒、雑踏、裏路地、宮廷劇場)
(´-ω-`) (明日からは、新しい部屋探し それもピアノを弾けるところじゃいけないから大変そ…)
こうして、ウィーンでの初日は終わった
翌日
(´・ω・`) 「うーん、やっぱりピアノを置いていいかって聞くとどこからも苦い顔されるね」
彡(゜) (゜) 「まっ、当然やな」
彡(゜) (゜) 「それに音楽家の部屋探しなんて駄目で元々や 根気強くいくで」
(´・ω・`) 「うん、そうだね」
ーーーーー
ーーー
ー
(´;ω;`) 「まずいよ…もう夕方だ 今日中に決めて明日音楽院に受験する予定だったのに…」
彡(゜) (゜) 「しゃあないな…奥の手や 着いてこいや」
(´・ω・`) 「?」
アドルフの借家前
(´・ω・`) 「結局帰ってきただけじゃないか…」
彡(゜) (゜) 「なぁに、お前は部屋で待っとれ」
(´・ω・`) 「一体どうするつもりなんだろ…」
彡(゜) (゜) 「大家と話がまとまったで! ここを引き払って二階の大きい部屋に移ることになったで ピアノもOKや!」
(´゜ω゜`) 「ここの上!?」
彡(゜) (゜) 「だから最後の手段言うたやろ 南京虫はいるが20クローネとお得やぞ」
(´・ω・`) 「うん…そうだね…贅沢は言えないね」
こうして、元々アドルフが借りていた借家の二階の広いスペースが僕とアドルフの城となった
翌日
(´・ω・`) 「じゃ、僕は音楽院の受験に行くよ」
彡(^) (^) 「おう!頑張るんやで」
バタン
彡(゜) (゜) 「……」
(´・ω・`) (受験はすぐに受けることができた)
(´・ω・`) (一般的な音楽の試験、その次は歌…そして和声学の筆記試験…)
(´・ω・`) (僕は音楽史については独学だったから少しそこが不安だった)
校長「受験生番号334番アウグスト・クビツェク君…」
(´・ω・`) ドキドキ
校長「おめでとう、合格だ」
(´^ω^`) 「あ、ありがとうござます! ありがとうございます!」
(´・ω・`) (それからはもう、致せりつくせりなカリキュラムの説明がされた)
(´・ω・`) (プロの指揮者を紹介され、その人の下で総譜の研究や指揮を学べることになった)
(´・ω・`) (そして、僕はヴィオラ奏者として学内オーケストラにもいれてもらえた)
(´・ω・`) (ウィーンにきた当初は混乱したけど、今や僕はしっかりした地歩を固めることができた)
(´ ω `) (これまで僕は音楽の中に慰めと活力を見いだしていた)
(´・ω・`) (でもこれからは、音楽が僕の人生の中心になるんだ!)
(´・ω・`) (ついに、僕は椅子張り職人の埃っぽい仕事場から解放されて、音楽に生きることができるようになった)
(´^ω^`)
アドルフ…今すぐこのことを君に知らせたいよ
これでようやく、僕も君と同じ芸術家の登龍門に立ったんだよ…!
その頃
彡(゜) (゜) 「さて…一年ぶりやな」
【大松造形美術大学】
彡(゜) (゜)
ー
ーーー
ーーーーー
一年前
教授松「受験番号334番、アドルフ・ヒトラー君」
彡(゜) (゜) 「はいやで」
彡(^) (^) (これは主席やろなぁ…)
教授松「不合格だぞ」
彡(゜) (゜) 「ファ!!? なんでや!!」
教授松「人物画が提出されてないぞ 合格させる訳にはいかないぞ」
彡(゜) (゜) 「で、でも…その分は風景画の出来で補えるやろ…もっかいキチンと見てや…」
教授松「……」
教授松「正直こっちも微妙だぞ」
彡() () 「ほげっ……」
ーーーーー
ーーー
ー
現在
彡(゜) (゜) 「今度はちゃんと人物画も持ってきたで…」
彡(-) (-) 「ぬかりはない筈や…だから頼む…頼むで…」
教授松「不合格だぞ」
彡(●) (●) 「な、ななな、何でや!!!? ちゃんと人物画も提出したやろ!!」
教授松「単純に実力不足だぞ」
彡() () 「な…」
彡(゜) (゜) 「た……頼む……空気読んでくれや……親友が来たんや……今年合格せな……ワイは……ワイは……」
教授松「知らないぞ」
彡() () 「ほげっ……」
教授松「代わりにといっては何だが一つ助言だぞ この風景画を見るに、お前は建築家向きだぞ」
彡(゜) (゜) 「建築家……?」
彡(゜) (゜) 「せや…確かにそうや ワイは芸術も好きやが建築も好きなんや 何より都市の設計を想像するのも好きなんや…なんで今まで気付かんかったんやろ…」
教授松「わかったなら帰るんだぞ 次」
彡() () 「くっ…」
教授松「受験番号335番エゴン・シーレ君、合格だぞ」
彡(゜) (゜) 「ファ!!? こいつの訳わからん絵が合格ゥ!? 」
教授松「シーレ君は天才的な現代芸術を書くんだぞ ドラフト1位だぞ」
彡(●) (●) 「現代ィ!? こんなものが……こんなものよりワイの絵の方が下なんか!!? こんな……退廃的な…」
教授松「いい加減にするんだぞ」
彡(●) (●) 「ええんか!? 芸術家になれんかったワイがグレて犯罪者になってもお前の責任やぞ!!!!」
教授松「こいつをつまみ出すんだぞ」
彡(●) (●) 「ふざけんな!!! こんな美大こっちから願い下げじゃボケェ!!! 」
裏路地
彡() () 「くそ…くそ…」
彡(゜) (゜) 「いや、…あんな美大入っても録なもんやないやろ… それに、建築家いう新しい目標も出来たやんけ」
彡(゜) (゜) 「早速、建築学科について調べるで」
彡() () 「す、数学の知識…!? こ、こ、高卒資格が必要……!?」
ー
ーー
ーーー
(*^◯^*) 『アドルフ、実科学校だけは卒業しとくんだ!』
彡(゜) (゜) 『ふん、あんな馬鹿どもと一緒にいても馬鹿が移るだけや』
(*^◯^*) 『高卒資格は、これから絶対に必要になるんだ! 言うことを聞くんだ!』
彡(゜) (゜) 『んなもん必要ない ワイは芸術家になるんや! 芸術家に高卒資格なんて不要や!』
ーーー
ーー
ー
彡() () 「ワイは…なんて…取り返しのつかないことを…」
彡() () 「ワイは…落ちこぼれたんか…? ワイは… ワイは…」
彡(●) (●) 「ンゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!」
夜 アドルフ・クビツェクの借家
彡() () 「」ガチャ
(´・ω・`) 「アドルフ、遅かったね! どこ行ってたんだい」
彡() () 「ああ…少し……な 音大の受験どやった?」
(´^ω^`) 「ふふふ…バッチリ合格さ! これで二人でとも学生の身分だね!」
彡() () 「おお…よかったやないか ホンマに…ホンマに…」
(´^ω^`) 「うん…うん それでね、今までは、『音楽家』っていうやや曖昧な夢だったんだけど、今日明確に僕の夢が定まったよ!」
彡() () 「ほう…なんや…? 聞かせてや」
(´^ω^`) 「笑わないで聞いてよ…? 僕は…指揮者になろうと思うんだ!」
彡() () 「指揮者… そら大胆に出たなぁ」
(´^ω^`) 「うん 紹介された先生が素晴らしい人でさ」
彡() () ピクッ「先生…?」
(´^ω^`) 「うん! 普段は大学で教鞭をとってて、講演の際は指揮者を務めてる凄い人なんだ!」
彡() () ピクッ「…教授?」
(´^ω^`) 「うん! レールに落ちないように頑張らなきゃ」
彡() () ピクッ「レール…」
彡(●) (●) 「ンゴ…!!!」
(´^ω^`)
彡(●) (●) 「」
彡() ()
彡(-) (-) 「……」
彡(゜) (゜) 「せやな、しっかり勉強せなアカンな 後悔しないように頑張るんやぞ」
(´・ω・`) 「? うん!!勿論さ!!」
彡(^) (^) 「さ、今日はクビツェクの合格祝いや! ジャンジャン飲むで!」
(´^ω^`) 「飲もう飲もう!」
この時、僕は合格の嬉しさの余り、アドルフの心境に気付くことができなかった 今思えば、親友として恥ずべきことだと思う
(´・ω・`) 「ここにグランドピアノを置きたいんだけど…」
彡(゜) (゜) 「おいおい、ワイを音楽家にするつもりかいな? もっと奥に置けるやろ」
(´・ω・`) 「はは、アドルフは部屋中を歩き回るのが癖だからなぁ」
アドルフが美大に落ちたという事実を察するのに、それほど時間はようしなかった
彡(゜) (゜) 「まっ、その位はええ ピアノによってワイの知識欲も活発になるってもんや」
彡(^) (^) 「よっしゃ、もう一回乾杯や」
(´^ω^`) 『かんぱーい!』彡(^) (^)
その頃には、アドルフは美大を諦め、建築家になるための独学を始めていた
なんにせよ、こうしてウィーンでの共同生活は始まった
ウィーンでの生活が始まって2ヶ月目のある日
朝6時
(´・ω-`) ゜゜「ふあぁーあ さて、大学に行くか」
彡(-) (-) 「ンゴー ンゴー」
(´・ω・`) (そーっと そーっと) ガチャ
(´・ω・`) (アドルフの朝は遅い 彼はいつも遅くまで建築家の勉強をしたり読書をしたりして、起きるのはいつも昼頃だ)
(´・ω・`) (対して僕は夜に楽器を弾くわけにもいかないから、さっさと寝て朝早く学校に行く)
学校
教授「ふむ、君の知識は目に見張るものがあるな」
(´・ω・`) 「ありがとうございます」
教授「君になら任せられるかもな…」
(´・ω・`) 「?」
教授「実は課外レッスンの仕事の枠があってね 報酬も多くはないが出る どうだい、やらないか?」
(´^ω^`) 「ぜ、是非お願いします!」
(´・ω・`) (僕は音楽院にとても早く馴染むことができた 正当に評価され、優秀だと褒められた)
(´・ω・`) (こうして僕は、満足と幸福に浸りながら元気いっぱいに、毎朝音楽院に行っている)
借家
(´・ω・`) 「来期の時間割はこんなところでいいかな」ペター
彡(゜) (-) 「チッ…」
(´・ω・`) (おそらく時間割は、僕の将来の公的な保証書のように見えたのかもしれない)
彡(●) (●) 「この大学というやつは! 古くて硬直した時代遅れの役人、理解不能な官僚、愚かな木っ端役人なんや! 大学なんか全部消し飛べや!」
(´・ω・`) (彼の顔色は死人のように青白く、口元からも血の気が引き、唇はほとんど真っ白だった)
(´゜ω゜`) (しかし彼の目は燃えるように輝いていた ぞっとするくらい…)
(´・ω・`) 「でも、君が非難する大学の人たちは、やっぱり教授や先生なんだから色々彼らから学べることもあるんじゃない?」
彡(●) (●) 「あの連中はワイを認めずに放り出しおった ワイは大学から締め出された…」
(´・ω-`) 「……」
(´・ω・`) 「それで、これからどうするんだい?」
彡(●) (●) 「どうするんだい、と言ったな?」
(´-ω-`) (きっと、この質問については彼も何度も何度も自分に問いかけたんだろう 他に話せる人だっていなかったんだから…)
彡(゜) (゜) 「ワイには本がある! 図書館がある! 大学なんぞ行かなくても建築の勉強はできるんや!」
これが、彼のウィーン生活の指針となった
あくる日 宮殿通り
彡(゜) (゜) 「はぁー、この国はホンマ駄目やな」
彡(゜) (゜) 「チェコ人、ハンガリー人、スロバキア人、ルーマニア人、クロアチア人、イタリア人……民族の寄せ集め…傲慢な支配者層」
彡(゜) (゜) 「愚かや 実に愚かや この間おまえと行った遊園地もなんやあれは! あんなおもちゃでばか騒ぎしおって…」
(´・ω・`) (僕はそれなりに楽しめたけどね…)
(´・ω・`) 「あ、アドルフ、皇帝が馬車に乗って宮殿に入っていくよ!」
彡(゜) (゜) 「ほーんで?」
(´・ω・`) 「即位60年だから最近は忙しいんだろうね」
彡(゜) (゜) 「あーはいはい せやな」
(´・ω・`) 「君はつくづく、この国の芸術以外の殆どを嫌ってるね…」
彡(゜) (゜) 「なーにが42年の平和を築いた皇帝や 平穏な世界なんてつまらんだけや」
(´・ω・`) 「この前ロシアとニンジャの国が戦争したじゃない」
彡(゜) (゜) 「ゆうてもワイらと関係ないやん さっさと起きへんかなぁー 一心不乱の大戦争! んで世の中の嫌なもん全部吹き飛ばせや」
(´・ω・`) 「今の世の中戦争なんて起こる訳ないじゃん 大学の先生もそう言ってたよ」
彡(゜) (゜) 「いいや、近いうち革命的な事件が必ず起こるで! てか起これや!」
(´・ω・`) (戦争が起こったら僕の指揮者の夢も駄目になるんだろうなぁ ま、戦争起きた時の心配なんて杞憂だよね)
彡(゜) (゜) 「大体、この間のボスニア併合で戦争になるとこやったやないか! あんなもん国が弱ってますって言ってるようなもんやで! やっぱり教授なんて信用ならんな!」
彡(゜) (゜) 「クビツェク、お前も教授やら他人に聞いた話しを鵜呑みにするんやなくて自分の頭で考えるんやで」
(´・ω-`) 「はいはい、解ったよ」
(´・ω・`) (アドルフは、ウィーンでの生活を送るうちに政治への関心を高めていった)
(´・ω・`) (何より彼は『概念』というものを知らなかった)
彡(^) (^) 「お、国民公園についたで! ここの英雄広場がパレードをするのに最適なんや!」
(´・ω・`) 「リンツのウアファール地区を思い出すね」
彡(゜) (゜) 「せやな… ああ…住むところに関してはあの頃のがよかったな… また帰ったら南京虫を駆除せな」
(´-ω-`) 「それは言わない約束でしょ…」
(´・ω・`) (芸術の話をしていても、いつの間にか政治の話に移り代わってることも多くなった)
彡(゜) (゜) 「こんなボロいアパートも、貧民も、体制もいづれ起こる『革命の嵐』が『理想国家』を誕生させることで払拭されるで」
彡(゜) (゜) 「社会改革や それで新しい時代が到来し、劣悪な住宅は取り壊されるんや…」
彡(゜) (゜) 「ワイの独学が完了する頃にそれはやってくるんや その時には正規の資格なんていらない実際の能力だけがものをいう素晴らしい時代が到来するんや」
彡(゜) (゜) 「美大の目的は教授どもが自分の地位を脅かすワイの出世を阻むことにあるんや」
(´・ω・`) (彼は、美大に行くよりも行かない方が自分は進歩することを、教授たちに示そうとしていた)
(´・ω・`) (僕は思う 教授たちはあっさりアドルフの入学を拒否したけど、それによって入学させた場合よりも強力な勉強意欲とエネルギーを彼に与えることになったと)
(´・ω・`) 「うーん、でもその独学の期間中どうやって生活するんだい? かなりの時間がかかるとおもうんだけど」
彡(゜) (゜) 「そんなことは親父とマッマの遺族年金と孤児年金が切れてから考えるで」
(´・ω・`) (君の場合は新しい計画や構想に没頭するから余計に遠回りしそうなんだけどなぁ…)
彡(゜) (゜) 「お前はええな 若い婦人に課外レッスンして金稼げるんやからな」
(´・ω・`) 「あれは僕の努力じゃないよ 運がよかっただけさ」
(´・ω・`) 「それに、僕に君ほどの才能があればとっくに何か副業を探しているよ」
彡(゜) (゜) 「ほう…というと?」
(´・ω・`) 「たとえば、アドルフはスケッチができるじゃん 新聞社や出版社でイラストレーターの仕事を探すのはどうだい」
彡(゜) (-) 「ワイに対する期待は嬉しいがな、おそらく報道関係のスケッチなら写真の方がええやろ いくら優秀なイラストレーターでもカメラほど早くは書けん」
(´・ω・`) 「じゃ、演劇の批評は? 君はもうその仕事をしてるようなものだし 君の批評を聞くウィーン市民は僕でなければならない訳じゃないだろう?」
(´・ω・`) 「もちろん、過激な発言なんかには気を使う必要はあるけどね」
彡(゜) (゜) 「ウィーン市民にはドイツ系のオペラだけやなくてイタリアやロシアのものも必要やろ」
彡(-) (-) 「芸術は、特定の民族から生まれても、民族的な境界には束縛されんのや」
彡(゜) (゜) ギュルギュル
(´・ω・`) 「ちょ…アドルフ…公園のど真ん中で脱糞しないでよ…」
彡() () 「ワイがそんなことするわけないやろ…なに言うとんのや」
(´・ω・`) 「あれ……なんとなくそんな気がしたんだけど」
彡(゜) (゜) 「これは腹が空いとるだけや」
(´・ω・`) 「君はいつも腹ペコだよね… 僕の母さんの料理を食べて以来パンとミルクとバターしか食べてないんじゃない?」
彡(゜) (゜) 「飯なんてそれだけで十分や」
(´・ω・`) 「僕も甘やかされてきた訳じゃないけど君の食事内容にはついていけないよ…」
彡(゜) (゜) 「そろそろ帰るか 浮浪者が多くなってきよった」
(´・ω・`) 「そうだね」
彡(゜) (゜) 「おっ、図書館やんけ 寄ったろ!」
(´・ω・`) 「あれ?君はあっちの図書館を使ってるんじゃなかったっけ?」
彡(゜) (゜) 「色んな本を借りられるように3つの図書館の会員になっとるで」
(´・ω・`) 「そ、そうだったんだ」
借家
彡(゜) (゜) パラパラ
(´・ω・`) 「さっきから何を読んでいるんだい?」
彡(゜) (゜) 「ル・ボンの『群衆心理』や これは凄いで」
(´゜ω゜`) 「また建築と関係ない本読んでるんだね… どっちかと言うとそれは政治系の本じゃないの?」
彡(゜) (゜) 「これからは群衆が中心の世界になるからな 勉強しとかんと」
彡(-) (-) 「それに、フランス革命でも暴徒化した市民にいくつもの建築が破壊されたんや…」
(´・ω・`) 「でも、直接建築には関係しないよね…」
彡(゜) (゜) 「お前は本当に…なんというか小市民的やなぁ 金や職に関わらん本でも進んで読むべきやぞ」
(´・ω・`) (このようにアドルフは、ひたすら読書していた 本のない彼を想像することはできないくらいだ)
彡(^) (^) 「おお、この本は本当に参考になるなぁ…」
彡(゜) (゜) 「クビツェク! お前も愚かな群衆にならんようにこの本を読むんや! これは世の中の真実やぞ!」
(´・ω・`) 「わかったよ…どれどれ」
彡(゜) (゜) 「なにしとんねん! なんで目次をとばすんや」
(´・ω・`) 「え…どうせ全部読むし…」
彡(゜) (゜) 「全く、お前は本の読み方も知らんのやな! ええか、読書ってのは本を選ぶ時から始まっとるんや」
(´・ω・`) (この点で彼は、平均的な読書家よりも明らかに優れていた)
彡(゜) (゜) 「ワイは馬鹿みたいに本を読む奴を知っとる 奴らは本から本へ一字一句読む…」
彡(`) (´) 「ワイはそいつらを『博識』とは呼ばん 確かにそいつらは膨大な知識を得るが、脳はその取り入れた知識を分類整理する方法を知らん」
彡(゜) (゜) 「一番大事なのは目次なんやで そして、最初に核心部分から読むんや そしてそこだけを覚えて頭の図書館にしまい込むんや」
(´・ω・`) (彼の読書は、自分の考えの中の欠けたピースを埋めるためのいわば知識の補完、つまりは自己確認の意味合いが強かったのかもしてない)
彡(^) (^) 「この『群衆心理』は全部が核心や!そういう本だけ購入して手元に置いとくんや!」
彡(゜) (゜) 「つうことで今から本屋に行くで!」
(´・ω・`) 「ええ~」
彡(^) (^) 「いやぁ~こんな本に出会ったんは『ドイツ英雄伝説』以来かもしれんな! はよ行くで」
彡(^) (^) 「♪」テクテク
(´・ω・`) 「君は確かに凄い記憶力を持ってるけど、本当に本だけで勉強を完成させるつもりかい?」ムキュムキュ
彡(゜) (゜) 「ファ!?」
彡(-) (-) ハァー
彡(゜) (゜) 「とにかくお前には教師が必要みたいやな ワイに教師は余計なだけや」
彡(゜) (゜) 「お前みたいなのを他人の机で学ぶ居候っていうんやで」
(´・ω・`) 「僕にはよくわからないや」
帰宅後
彡(゜) (゜) 「つまり、群衆に理論は通じんで感情が聞くんや」
彡(^) (^) 「それみろや、この本の著者もワイと同じ考えや」
彼はよく、読書の後こう言った
続く
ル・ボンの『群衆心理』は19世紀末の本やが今のネット社会でも十分参考になるで 講談社でててオススメや
劇場
彡(^) (^) 「やっぱりワーグナーは最高や!」
(´・ω・`) 「リンツの劇場でも何回も聞いたけどやっぱり都会でのものとは格が違ってくるね」
彡(゜) (゜) 「ワイはいつかドイツ民族の巡礼の地・バイロイトに訪れるで ヴァーンフリート館を見て、ワーグナーの墓参りをするんや…」
彡(^) (^) 「そしてワーグナー自身が作った劇場でワーグナーの作品を見るんや! くぅ~夢が広がるで!」
アドルフの生涯では多くの夢と願望が未完のままに終わったが、この願望だけは完璧に叶った
チラ……チラ…
(´・ω・`) (……ん?)
チラ……チラ……
(´・ω・`) (向こうの婦人たちがこっちを見てる……?)
(´・ω・`) (もしかして……僕にも春が……) ワクワク
チラ……チラ……
彡(゜) (゜)
(´・ω・`) (……)
(´・ω・`) (違う…この視線はアドルフに向けられたものだ……!)
(´・ω・`) (アドルフは質素な服装で素っ気ない控え目な態度……)
(´・ω・`) (僕と大して変わらないのに……一体どこに差があるんだろう?)
(´・ω・`) (婦人たちは、彼の謎の魅力を感じとっていた)
(´・ω・`) (時には、振り向いて彼を見る婦人すらいた(これは宮廷劇場においてマナー違反) )
チラ……チラ……
彡(゜) (゜) 「…チッ 行くでクビツェク」
(´・ω・`) 「う、うん」
(´・ω・`) (さらに驚くことに、これだけ人気があってもアドルフは何もしなかった)
彡(゜) (゜) 「全く、なっとらん、なっとらんなぁ」
劇場 外
(´・ω・`) 「君は強い女運を持ってるのに、どうしてそれを利用しないんだい?」
彡(゜) (゜) 「……なんのことや? それより来週の公演は~」
(´・ω・`) (アドルフが周囲の出来事を見逃すとは思えない きっと気付こうとしていないんだ)
(´・ω・`) (なんでチャンスがあるのにそれを掴まないんだろう?)
彡(゜) (゜) 「そろそろ後半が始まるで 戻ろうや」
(´・ω・`) 「うん」
女召使「あの……これ……」
女召使はアドルフの袖を引っ張り、カードを一枚手渡した
彡(゜) (゜) 「はぁ…どうも」
女召使「」たったったっ
(´゜ω゜`) (つ、遂に大きな秘密を掴んだぞ! これから新しいロマンスが始まるに違いない!)
彡(-) (-) ハァー
彡(゜) (゜) 「またや」
(´・ω・`) 「え…」
彡(゜) (゜) 「見てみいや、これ お前やったらこの意味ありげな誘いに応じるか?」
(´゜ω゜`) 「これは僕の問題じゃなくて、君の問題じゃないか」
(´・ω・`) 「でも僕なら、あの婦人を失望させたくないかな」
彡(゜) (゜) 「そか」
ヴー
彡(゜) (゜) 「お、そろそろ始まるで」
(´・ω・`) (一体女性たちはアドルフのどこにそれほど魅力を感じるんだろう?)
(´・ω・`) (たしかに彼は均整のとれた顔立ちでスラリとした若者だ)
(´・ω・`) (でも一般的に「美男子」と呼ばれる容姿じゃあない)
彡(゜) (゜) 「あの主役、なかなかええ男やんけ」
(´・ω・`) (あの舞台の上で踊ってる美男子とアドルフの違いはなんだろう…?)
(´・ω・`) (考えられる線といえば……並外れた明るい目……)
(´・ω・`) (そして妙に厳しく、禁欲的な表情……?)
(´・ω・`) (う~ん……)
オペラ終了後 街道
(´・ω・`) 「そういえば、アドルフはステファニー以外に好きになった人っているの?」
彡(゜) (゜) 「おらん ステファニー以外の女なんて眼中にもないで」
彡(゜) (゜) 「ステファニーこそドイツ女性の理想像なんや… ステファニー以外の女にうつつを抜かすなんてことはドイツ民族に対する冒涜や」
(´・ω・`) (彼は既にステファニーを諦めていたけど、彼女はアドルフの道徳観の拠り所として彼の心中に生き続けた)
彡(゜) (゜) 「彼女がウィーンにいたなんて信じられんな この都市は売春が蔓延るドイツ女性の敵や」
彡(゜) (゜) 「全てはこの国の多民族性が悪いんや! チェコ人、マジャール人、クロアチア人、イタリア人が~!」
(´・ω・`) (ま~た始まった 最近は何を話してもここに行き着く)
交差点
彡(゜) (゜) 「この都市の性は乱れきっとる! 例えばバ……」
(´・ω・`) 「バ?」
紳士ピクッ
彡(-) (-) 「…いや、お前は知らんでええ」
紳士ジー
紳士「君たち、最近の暮らしぶりは如何かね?」
(´・ω・`) (おっ、身なりが上流階級のそれだ)
彡(゜) (゜) 「いいとは言えませんな なにせ貧乏学生なもので」
(´・ω・`) 「彼は建築を学び、僕は音楽を学んでいます」
紳士「なるほど、ならば未来のオーストリアを担う若者という訳だ」
紳士「まずうち……の近くにホテルがあるんだ 夕食を食べていかない……か?」
(´・ω・`) 「えっ、本当ですか!?」
彡(゜) (゜) 「……」
(´・ω・`) 「アドルフ、たまにはこういうのもいいんじゃない?」
彡(゜) (゜) 「…せやな ご馳走になろか」
ホテル前
(´゜ω゜`) 「うわぁ……大きいところですね 屋上があんなに高い」
彡(゜) (゜) 「ほう、中々ええ建築やな」
紳士ジー
紳士「さあ、早速中にイこうか」
ホテル内
紳士「さぁ、好きなものを注文するといい」
(´・ω・`) 「じゃあ僕は…」
彡(゜) (゜) 「……」
(´^ω^`) 「ふふ、僕こんなところに来たことないよ! アドルフは何を食べる?」
彡(゜) (゜) 「せやな…じゃあワイは」
食後
(´^ω^`) 「ああ~美味しかった 本当に今日はありがとうございます」
(´・ω・`) 「って、あの紳士の方は?」
彡(゜) (゜) 「いつの間にかいなくなったな」
紳士「おまたせ デザートはケーキしかなかったんだけどいいかな」
(´・ω・`) 「デ、デザートまで!」
彡(^) (^) 「おっ、甘い物はワイの好物や」
食後
(´^ω^`) 「ああ~もうお腹いっぱいだ」
彡(゜) (゜) 「すっかりご馳走になりました」
紳士「いやいや、若者を応援することが大人の務めというものさ」
紳士「しかし、君は最近の若者にしては鋭い考えを持ってるようだね 先程交差点で君たちの話を聞いたらイても立ってもいられずにね」
(´・ω・`) 「アドルフはすっごく女の人にモテるんですよ でも、全然それに興味を示さないんです」
彡(゜) (゜) 「おいおい、よせって」
紳士「ほう…実に興味深いね」
(´・ω・`) 「さっきだって女の人からお誘いのカードを貰ったのにチラっと見ただけでしまっちゃうんです」
紳士「ははは、君は私の若い頃にそっくりだね」
紳士「私はフェクラブルックの工場主をしていてね、最近は金目当ての婦人ばかりに寄られてね」
彡(゜) (゜) 「最近のウィーンは欲にまみれてますからな かつての英雄がいた時代が輝かしいばかりです」
紳士「本当にね… 筋骨隆々の男達が戦場で合間見えていた時代はもう遠い昔だ」
紳士「君の方は音楽を学んでいるんだってね 私は最近室内音楽に凝っているんだが」
(´・ω・`) 「本当ですか! 室内での音響は~」
喋ること数分
(´・ω-`) 「うーん、少し眠くなってきたかな……?」
彡(゜) (゜) 「はは、彼は毎朝早いのでこの時間はもうベッドの上なんです ではそろそろ」
紳士「ああ、今日は実に楽しかったよ」
紳士「それと君……」
二人の借家
彡(゜) (゜) 「クビツェク、起きろや」
(´・ω-`) ゜゜「うーん、あれ、僕いつの間にか寝ちゃってた?」
彡(゜) (゜) 「全く、お前を背負って来るのは大変やったで」
彡(゜) (゜) 「ところでクビツェク、お前あの紳士を気に入ったか?」
(´・ω・`) 「申し分ないよ! 芸術を好み、とても教養ある人だ」
彡(゜) (゜) 「他には?」
(´・ω・`) 「? 他に何があるんだい?」
彡(゜) (゜) 「クビツェク、どうやらお前は肝心なことを何もわかっとらんな」
彡(゜) (゜) 「このカードを見てみいや」
(´・ω・`) 「何のカードだい? 名刺?」
『また、今日と同じホテルにおいで』
彡(゜) (゜) 「つまり、あいつはホモや」
(´゜ω゜`) 「ええ……!? 何それ……?」
彡(゜) (゜) 「ホモってのはな……」
ーーーーーー
(´゜ω゜`) 「ひええ…… アドルフ、まさかまた行くの……?」
彡(゜) (゜) 「行くわけないやろ、このドアホ! 名刺はストーブにポイーや」
アドルフは大都市のさまざまな性的倒錯に強い嫌悪感をもって立ち向かっており、彼は自身も、若者がよく耽るマスターベーションを拒否していた
堕落した都市ウィーンの真ん中で、アドルフは自身の周囲に堅固な防壁を築いていた
(´・ω・`) 「うう…なんかショックだよ」
彡(゜) (゜) 「まだまだクビツェクは田舎もんやな ここきて1年やぞ? ええ加減都会に染まれや」
それによって、危険な周囲から独立して内面的自由の中に自分の身を置くことができたのだ
彡(゜) (゜) ギュルギュル
(´・ω・`) 「はは、アドルフまた空腹でお腹が鳴ってるよ ……あれ? さっきご馳走食べたのになんで? 」
彡(゜) (゜) 「さ、最後に飲んだ紅茶が腹に合わんかったみたいやな!」
彼は孤独であり続け、修道士のような禁欲生活の中で自分の存在を守り続けているのだ
1908年4月
大家「クビツェクさんに手紙ですよ」
(´・ω・`) 「どうも 何かな」ビリー
(´・ω・`) 「……」
彡(゜) (゜) 「どしたクビツェク」
(´・ω・`) 「これだよ よんでごらん」
彡(゜) (゜) 「どれどれ」
彡(゜) (゜) 「……」
彡(●) (●) 「クビツェク、絶対行っては駄目や もし行ったらおまえは愚か者や こんな令状、ワイが破り捨てたる!」
(´゜ω゜`) 「あっ、駄目だよ!」
(´゜ω゜`) 「全く、ヒヤヒヤさせないでよ」ゼーゼー
彡(。) (゜) 「くそ、一体どうすれば……」
(´・ω・`) 「まだ合格になるとは決まってないよ 去年肺病になったし」
彡(゜) (゜) 「せやな、とにかく、リンツに戻って兵役検査は受けた方がええ」
彡(●) (●) 「だがもし、合格した場合はこっそり越境してドイツに行くんや 絶対ハプスブルク家の兵隊になったらアカン」
(´・ω・`) 「そんなことできるのかな…」
彡(゜) (゜) 「あと9ヶ月でワイも20や その時がきたらワイはそうするで」
(´・ω・`) 「とにかく、音楽院の先生に相談してみるよ」
音楽院
校長「君は音楽院生だから、1年志願兵になる資格がある でも君は職人の息子だから後備兵に志願したほうがいい」
(´・ω・`) 「兵役を逃れる為にドイツに行くという方法はどうでしょうか」
校長「!? 悪いことは言わないからやめておきなさい……」
校長「とにかく、ご両親に手紙を出すんだ」
(´・ω・`) 「はい」
数日後
父『お前はなんてことを言い出すんだい?』
(´・ω・`) 「えっ」
父『国境越えなんてしたら脱走とみなされ罰せられるだろう そしたら故郷に帰ることができなくなり、もう私達と会うこともできなくなる』
(´゜ω゜`) 「これは校長先生の言う通りにした方が良さそうだ…」
(´・ω・`) 「ということで、後備兵に志願するために今期の授業と学期末コンクールが終わったら一旦リンツに帰るよ」
彡(゜) (゜) 「ムム……たとえ3ヶ月といえどもハプスブルクの兵隊に……」
彡(゜) (゜) 「まっ、ワイと違ってお前は家族と故郷があるからしゃあないな」
(´・ω・`) 「やっぱり自分の時はやるつもりなんだね……」
彡(゜) (゜) 「それより、期末のコンサートが近いんやろ? 指揮者への進路が決まるイベント言うてたやないか まずはそれに集中しろや」
(´・ω・`) 「うん そうするよ」
こうして、いつも通りの日々が過ぎていった
数ヵ月後 ヨハンネスホール
♪~♪~♪~
(´・ω・`) (よし、カールもソリストも練習どうりにやれてる)
(´・ω・`) (簡単な演奏じゃないけど…このままミスなくいってくれ…!)
バチバチパチパチパチパチパチパチ
(´・ω・`;) (ふぅ、なんとか無事に終わったぞ)
(´゜ω゜`) (でも本当の難関は次…! 僕の作曲したオーケストラ曲がプロの宮廷歌手に歌われるんだ…!)
アーツキホーシタチヨー
(´>ω<`) (これに僕の芸術家人生がかかっている…! どうか…!)
(´・ω・`) (お、終わった… )
パチパチ
(´・ω・`) (お……)
パチパチバチバチパチパチパチパチパチパチバチバチパチパチパチパチパチパチバチバチパチパチパチパチパチパチバチバチパチパチパチパチパチパチ
(´゜ω゜`) (やった…拍手だ…)
楽屋
彡(゜) (゜) 「おークビt」
教授松「凄い反響だったぞ 指導したものとして鼻が高いぞ」
(´・ω・`) 「教授! ありがとうございます」
校長「いやー期待以上だ ドラフト一位も夢じゃないよ」
(´^ω^`) 「またまたそんな…」
ワイワイ ガヤガヤ
(´^ω^`)
ワイワイ ガヤガヤ
彡(゜) (゜) 「……」
(´・ω・`) (一年前まで、僕はほこりっぽい椅子張り職人だった…)
(´-ω-`) (内気な僕がここまでこれたのは、アドルフのおかげだ 感謝してもしたりないよ)
彡(゜) (゜) 「おめでとさん」
(´^ω^`) 「アドルフ! ありがとう!」
公園
(´・ω・`) 「あと2、3日したら、僕はリンツに戻って兵役検査を受けるよ」
彡(゜) (゜) 「久々の故郷や 両親と過ごしてこいや」
紳士「そうだよ 里帰りして親孝行しないと」
(´・ω・`) (なんでこの人がいるんだろう)
紳士「今日の指揮は迫真の出来だったらしいじゃないか どこかのオーケストラから推薦もウケたんじゃないか?」
彡(゜) (゜) 「え…そうなんか」
(´・ω・`) 「えっと…まぁ紹介はされたけど」
彡(゜) (゜) 「…… そか よかったなクビツェク」
紳士「で、これからどうするんだ?」
(´・ω・`) 「どうするって… 故郷に帰って… 兵役をうけて…」
(´・ω・`) 「いずれにせよ、僕達は一緒です」
彡(゜) (゜) 「……」
1908年7月
駅
(´・ω・`) 「じゃあ、暫くの間お別れだねアドルフ ステファニーのこと、ちゃんと調べておくよ」
彡(゜) (゜) 「いや、ステファニーのことは調べんでもええ」
この時、僕はどこか彼に違和感を感じた しかし、それに気付くことはできなかった
彡(゜) (゜) 「お前は大人しすぎるからな、軍隊で多民族の奴らに目つけられんように気をつけるんやぞ」
彡(゜) (゜) 「特に、ユダヤ人にはな」
『都会には卑怯者しかいない 英雄が生まれるのは田舎だ そして、田舎にユダヤ人はいない
ーーハインリヒ・ヒムラー』
彡(゜) (゜) 「じゃあなクビツェク」ガシッ
彼は僕の両手をとり(彼が両手を握ることは珍しいことだった) 、しっかり握りしめた
(´・ω・`) 「うん、またね」
それから彼は回れ右して、一度も振り向かずに、少し早足で出口に向かった
こうして、僕はリンツへ一時帰還した
リンツ
(´・ω・`) (両親は、僕を快く迎えてくれた)
(´・ω・`) (久々の故郷はちっとも変わっていなかった ドナウ川も、それに跨がる橋も)
(´・ω・`) 「父さん、仕事を手伝うよ」
父「すまないな」
(´・ω・`) 「父さんは凄いよ たった一代でここまで事業を築くなんて」
父「まだ職人仕事を尊重してくれてるみたいだな うれしく思うぞ」
(´・ω・`) (アドルフはああ言ったけど、どうせ後になって騒ぐんだからステファニーのことを調べておこう)
(´・ω・`) (いないな… 一家全員ということは避暑にでも出掛けたのかな?)
(´・ω・`) (あれから、アドルフと何回か手紙のやり取りをした 冗談を言ったり、最後に親愛なるご両親によろしく、と付け加ええているいつも通りのものだ)
(´・ω・`) (そして帰る日が決まり、手紙にその日時を書いた)
11月20日
駅
(´・ω・`) 「あの柱の下が、いつもの待ち合わせの場所なんだよね」
(´・ω・`) 「あれ…いない」
(´・ω・`) 「さてはまた寝坊してるんだな…全く 手紙に書いたのに…」
20分後
(´・ω・`) 「……待合室にいるのかな?」
(´・ω・`) (……)
(´・ω・`) 「もう一度ホームに行ってみよう」
1時間後
(´゜ω゜`) 「おかしいな… 時間を破るなんて彼かしくない」
(´・ω・`) 「まさか……病気!?」
(´゜ω゜`) 「そうに違いない! そういえば手紙にまた気管支カタルがぶり返してるって書いてた! いそいで借家に行こう!」
借家前
大家「あらこんにちは」
(´@ω@`) 「こんにちは!」
大家「……どこへそんなに急いでるんです?」
(´・ω・`) 「どこって……ここは僕達が借りてる家じゃないですか!」ガチャガチャ
(´゜ω゜`) 「あれ、開かない」
大家「もしかして何も知らないのですか?」
(´・ω・`) 「……え?」
大家「ヒトラーさんは引っ越しましたよ」
(´゜ω゜`) 「ええっ!?」
(´・ω・`) 「か、彼はどこに引っ越したのでしょうか?」
大家「そのことについては何も」
(´・ω・`) 「しかし彼は僕宛てに何か残したはずです 手紙とかメモ書とか それはどこに?」
大家「いいえ、ヒトラーさんは何も残さなかったわ」
(´・ω・`) 「挨拶もなしですか!?」
大家「何も言わなかったのよ」
(´ ω `)
(´ ω `) (彼は自分の分の家賃を払い、姿を消した 次の日から、僕は独り孤独に新しい部屋を探しに出掛けた)
(´・ω・`) 「ここでいいかな…」
(´-ω-`) (アドルフ…一体何があったんだ… 思い返しても、理由がみつからないよ)
(´・ω・`) (きっと、ひょっこり現れるに違いない 元大家さんや学校、実家に僕の住所を教えておこう きっと彼が辿ってくるはずだ)
しかし、一週間たっても、翌週になっても、アドルフは来なかった
(´・ω・`) (確かに、ピアノを弾いたら怒ったり部屋中をうろうろしたり急に演説を始める同居人がいない方が勉強は捗るかもしれない)
(´-ω-`) (でも、それじゃ駄目なんだ 君がいなければ僕の人生は平凡で退屈にしか思えないんだ)
劇場
(´・ω・`) (ここにくれば、アドルフに会えるかもしれない)
(´・ω・`) (『真夏の夜の夢』……か)
(´・ω・`) (ああ、いい…けど、一人だけじゃ感想は言い会えない…面白さも半減だよ…)
(´・ω・`) (そういえば、リンツの劇場ではいつも柱の下で二人で見てたな…) チラ
※※※
(´゜ω゜`) 「あ、アドルフ!?」
(☆…●)
(´・ω・`) 「すいません…人違いでした」
(´・ω・`) (あれから一年がすぎた)
(´・ω・`) (ある情報によると、彼は貧民街の独身者合宿所に行ったらしい)
(´・ω・`) (でも今は、どこにいるか解らない 兵役から逃れる為にドイツへ行ったか、それを無視してまだウィーンにいるか…)
(´・ω・`) (彼は、大都市の闇に姿をくらませた)
(´・ω・`) (彼には、もう友達がいなかった 大都市の真ん中にいる人ほど孤独なものはない 彼が選んだ道は辛く険しいものだった)
彼は、自分の貧乏を恥じており、もう友達が欲しくなかったのだ
(´^ω^`) 『もしオーケストラの指揮者の推薦が決まったら、もっと僕が家賃を負担できるようになるよ!』
彼が選んだ運命の道は、孤独、荒涼、虚無に通じる道だった
最終話・総統兼帝国宰相アドルフ・ヒトラーに続く
1912年 私立劇場
ザワザワ ザワザワ
ヴー
『ロルツィングの【刀鍛冶】指揮者 アウグスト・クビツェク』
(´・ω・`) ノ ̄サッ
♪~♪~♪~♪~
(´・ω・`) (音楽院での徹底的な四年間の勉強の後、僕はスロヴァキアの私立劇場の補助指揮者になった)
(´・ω・`) ノシ\(そしてこの舞台が僕の指揮者デビューだ!)
(´-ω-`) ノ ̄
バチバチパチパチパチパチパチパチ
『続いてホロトウ【マルタ】』
(´・ω・`) ノ ̄ジャカジャン
バチバチパチパチパチパチパチパチバチバチパチパチパチパチパチパチバチバチパチパチパチパチパチパチ
(´・ω・`) (この最初の本格的な仕事は成功に終わった)
(´・ω・`) (スロヴァキア…アドルフから聞いていた話でいいイメージはなかったけど、そんなことはなかった 結局、それは偏見でしかなかった)
支配人「素晴らしい!来シーズンまでの契約を早速結ぼう」
(´・ω・`) 「はい これからよろしくお願いします」
(´・ω・`) (それから、僕はスロヴァキアをまわった 南の田舎から聞きにきてくれる人もいた)
スロヴァキア とある街
『続きまして『エヴァ』 指揮者アウグスト・クビツェク』
(´-ω-`) スッ
♪~♪~♪~♪~♪
???「ほう…あの指揮者…使える」
公演後 楽屋
支配人「クビツェク君、君に会いたいという人が来ている」
(´・ω・`) 「はぁ」
(´゜ω゜`) 「あ、あなたは!」
大オペラ監督「君がクビツェク君か 君に来年、1914年に私のオペラで指揮者をやって貰いたい」
(´・ω・`) 「ぜひ、是非お願いいたします!」
(´・ω・`) (やった! クラーゲンフルトの楽団といったら40人のオーケストラに美しい劇場、近代的な設備もある そしてケルンテンの州都、つまり都会だ!)
(´^ω^`) (やったやった! もう最高だよ!)
申し分なかった 僕はこの時、幸福に酔いしれていた
数ヵ月後 1914年
ドガーン バパパババパパバパパ
ヒュルルルルルルルル ズガッ 突撃ィー!!! ママー
(´゜ω゜`)
パンパンパンパンパン ドヴルルルルルルルル
ロシアジンダ!コロセ! パンパンパンパンパン ドガー
(´゜ω゜`) (僕は…なんでこんなところに…今頃『ローエングリン』の指揮をしていた筈じゃ…)
アパーム!タマモッテコーイ フゥアハハハー パンパンパンパンパン
大砲ヨーイ ズガーン パパパパパパパ
軍曹「伏せろ、クビツェク二等兵!」
(´゜ω゜`) 「うわああ」
ズガーン
軍曹「死にたいのか貴様! 常に腰を低くしていろ!」
(´゜ω゜`) 「はい……」
士官「我々はこれからガリチアに向かう! ロシア熊どもから祖国を守るのだ!」
(^q^) (°∀°) 『サー、yes、サー!!!』(゜ロ゜) (´゜ω゜`)
ウオオオオオオ?? 砲火だ! ズガーーーー ウアアアアア
パパパパパパパパパパパパパパ ドガーン
(´゜ω゜`) (とにかく、今は生き残ることだけ考えよう……)
ガガガガガガガガガガガガ トツゲキー
ズガーン
1915年
(^q^) 「クビツェク、よけろー!!」
(´・ω・`) 「えっ」
ズガーーーーーン
(´。ω゜`) 「うああああ!!!!」
(^q^) 「衛生へーい!!」
野戦病院
(´・ω・`) (ああ…なんとか命拾いした…でも、重症の人はみんな棄てられていく…)
(´-ω-`) (僕も覚悟を決めておこう…)
上官「アウグスト・クビツェク二等兵、回復したな 次の戦地が待ってるぞ」
(´・ω・`) (助かった……いや、また地獄に行くだけか……)
上官「その前に1ヶ月の休暇が下りた 故郷で過ごすといい」
(´・ω・`) 「はっ」
リンツ
(´゜ω゜`) 「えっ…ここがリンツ…? ここまで荒れ果ててたなんて…」
父「クビツェク…生きてたか…そうか…神はまだお前を見捨てなかったか…」
(´・ω・`) 「父さん…店は…」
父「もう…疲れた 店は閉める ここら一体みんなそうさ」
(´・ω・`) 「……」
1917年
(°∀°) 「やった!ロシアで革命が起こったぞぉー!!」
(´・ω・`) 「やった!これで帰れる…?」
(^q^) 「次はイタリアが攻めてきたぞぉー!!」
(´ ω `) 「ええ…」
1918年
母『戦地で頑張る息子へ この度、父が死去しました』
(´;ω;`) (父さん…もっといい晩年を送って欲しかった…何もこんな絶望と悲痛の中逝かなくてもいいじゃないか…)
ーーーーー
ーーー
ー
(°∀°) 「俺達は……負けた」
(^q^) 「……ちのう」カチャ
(°∀°) 「……俺も」カチャ
(´゜ω゜`) 「あっ…駄目だよ!!」
バンバン
(°∀°) 「」(^q^)
(´゜ω゜`) 「あう…あう…」
( ・`ω・´) 「折角命拾いしたのに…馬鹿な奴らだ」
(´゜ω゜`) 「上官……」
( ・`ω・´) 「クビツェク二等兵、ここで俺達の部隊は解散だ」
(´・ω・`) 「上官…僕はこれからどうすればいいのでしょうか」
( ・`ω・´) 「そうか、お前は元音楽家だったな これからの時代生きていくのは厳しいだろう」
( ・`ω・´) 「取り敢えず、故郷に帰れ」
(´゜ω゜`) 「はい」トボトボ
( -`ω-´) (あいつも、不運な奴だ 時代が違えば名のある音楽家になれたものを…)
( ・`ω・´) (だが、戦争では落ちぶれる奴がいるのと同時に成り上がる者もいるものだ 革命と同じだな)
( ・`ω・´) (取り敢えず、俺はドイツの義勇軍にでも入るか)
ウィーン
(´・ω・`) 「あの、この劇場で指揮者や奏者は募集してますか」
支配人松「こんな時代やってる訳ないぞ」
(´・ω・`) 「はい…わかりました」
(´・ω・`) 「あの、ここで」
従業員「ああ!?忙しいんだ帰ってくれ!」
(´゜ω゜`) 「そりゃそうさ…敗戦国が呑気に音楽なんてやれる訳がない やってるとしても国営劇場外側くらい…」
(´゜ω゜`) 「でも、そんな大きいところで僕みたいな新米を雇ってくれる訳ない…」
(´゜ω゜`) 「映画館の楽長…取り敢えずこれで食いつなぐか…」
(´・ω・`) (この仕事も人件費削減ですぐ終わった…)
(´゜ω゜`) (せめて、個人レッスンの契約でも見つけなきゃ……!)
数日後
(´・ω・`) (誰も見向きもしない… 万事休す…か)
母『クビツェクへ 隣り街の役場で職員を募集しています 市長もあなたの音楽的才能について関心をもってくれています』
(´・ω・`) (音楽と…全く関係ない 母さんはそれをわかってるみたいだ)
(´・ω・`) (背に腹は変えられない…か)
リンツの隣り街 エファーディング
市長松「受験番号334番アウグスト・クビツェク君」
(´・ω・`) 「はい」
市長松「合格だぞ」
(´・ω・`) 「…ありがとうございます」
この瞬間、僕の音楽家への道は終了した
(´・ω・`) (でも、僕は幸せ者なんだよね 今オーストリアじゃあ自分の夢どころか今日のパンにすら事欠く人が大勢いるんだ)
(´・ω・`) (夢なんて…贅沢なこと言ってられないんだ…)
(´;ω;`)
こうして、僕は役人になった
1920年
(´・ω・`) (生計は楽じゃなかったけど、段々音楽の趣味に捧げる時間もできてきた)
(´・ω・`) (そして、街の仲間とオーケストラを立ち上げた 小さな町の小さな楽団だ 仕事をしながらたまに野外コンサートをしたりした)
「待ち受け番号334番ハンス・ヒトラーさん、5番窓口にどうぞ」
※ヒトラーという姓は、オーストリアではそれほど珍しくない
(´・ω・`) (ん)
(´・ω・`) (アドルフ…か 懐かしいな あの頃は、本当に楽しかったなぁ)
(´・ω・`) (そういえば、彼は今何をしてるんだろう)
(´・ω・`) (ゲルマンの英雄に憧れていた彼だ きっと僕よりも立派な兵士になったんだろうな)
(´・ω・`) (もしかしたら、戦死…?)
上司「クビツェク君、書類はまだかい?」
(´・ω・`) 「はい、只今」
(´・ω・`) (ま、アドルフなら生きてたら有名な建築家か芸術家になっているんだろうな)
この時、僕は彼がミュンヘンの政治家になっているとは思いもしなかった
数ヵ月後
(´・ω・`) 「うーん、中々景気は回復しないなぁ」シンブンパラー
『彡《●》《●》
国家社会主義の著名な大衆演説家、アドルフ・ヒトラー』
(´・ω・`) 「」ピタッ
(´゜ω゜`) 「はい?」
(´・ω・`) (そうか…アドルフも芸術家の道はあゆめなかったんだな…)
(´-ω-`) (……)
1923年
『アドルフ・ヒトラー 逮捕』
(´・ω・`) (余りま驚くニュースでもないかな)
(´・ω・`) (でも、彼が読んでた「群衆心理」で言ってたけど先導家って一回失敗したらもう終わりなんじゃ…)
しかし、彼は、甦った
(´・ω・`) (最近は、このオーストリアの新聞でもアドルフの名前をよく見るなぁ)
「大ドイツ主義いいゾ~これ」
「ヒトラー氏(オーストリアに) 入って、どうぞ」
「(英仏政府) これもうわかんねぇな」
「(ユダヤ人) †悔い改めて†」
(´・ω・`) (アドルフはすごいな 昔は僕一人だけしか彼の話を聞いていなかったのに今は数万人が聞いてる)
(´・ω・`) (ん……なんだろうこの違和感は)
(´゜ω゜`) 「あっ!」
クビツェクの家
(´・ω・`) 「あった…!このトランク、アドルフの葉書、手紙、スケッチが沢山ある」
(´・ω・`) 「送るべき…かな?」
(´・ω・`) 「う~ん、でも、僕のことなんてもう覚えてないよね 取り敢えず保管しておこう」
そして1933年、アドルフ・ヒトラーは帝国宰相となった
(´゜ω゜`) 「……」
(´・ω・`) 「よしっ、一筆書くか」
(´・ω・`) (僕は勿論返事を期待していなかった)
(´・ω・`) (帝国宰相は忙しくて、25年も前の友人に返事を書く暇なんてないだろうから…)
(´・ω・`) (でも、政治的なことは抜きにしても、旧友としてお祝いを述べる必要はあるよね)
一ヶ月後
郵便屋「ク、クビツェクさんお、お、お便りです…」
(´・ω・`) 「はい(なんでこんなに怯えてるんだろう?) 」
(´・ω・`) 「えーと、差出人は…」
(´゜ω゜`) 「アドルフ・ヒトラー」
彡(゜) (゜)
『親愛なるクビツェク!
今日やっと君の手紙を見た。就任以来、膨大な量の手紙を見るので、こういうことは珍しくないないのだ
それだけに、長い年月の末に初めて君の消息と居場所がわかって、とても嬉しい
困難な闘争の日々が終われば、僕よりも喜んで我が人生最良の日々の思ひ出にまた浸りたい
君が僕のところに来ることは可能だろうか 旧友を想いながら、君と君の母上にご多幸をお祈りします
アドルフ・ヒトラー』
彡(゜) (<)
(´・ω・`)
『我が人生最良の日々』
(´・ω・`)
(´;ω;`) 「うっ……うっ……うあああああ
ーーーーー
ーーー
ー
『君が僕のところに来ることは可能だろうか』
(´・ω・`) 「うーん、これどういうことだろ 僕がオーバーザルツブルクの山荘に? いやそれはないな…」
(´-ω-`) 「それに、一体何を話せばいいんだ……僕は政治的な意見なんて言えないし、何より戦争は音楽ができなくなるから嫌だよ…」
(´・ω・`) 「どうしようかな」
しかし彼は1938年にオーストリア国境を超え、かつて父が税関使として働いていたブラウナウに入った
ドイツ国防軍はオーストリアに進駐
3月12日の夕方、ヒトラーはリンツの市長舎のバルコニーで演説した
(´・ω・`) 「よし行くぞ」
僕は彼が泊まるホテルへ向かった
ザワザワ ザワザワ ハイル! ザワザワ
ザワザワ ハイル! ザワザワザワザワザワザワ
(´゜ω゜`) (うわ、凄い人だかりだ)
(´・ω・`) 「ちょっとすいません……」
ナンダアイツ アンナマエニデテナニヲ?
(´・ω・`) 「あの…帝国宰相と話がしたいんですが」
SS「はぁ?(イカれてんなコイツ) 」
ソウトウニアワセテダッテヨ プーナニアノオヤジ ヤマダタロウオツ
(´・ω・`) 「この手紙を…」
SS「……少々お待ちを」
SS「中に入って、どうぞ」
ウオオトオサレタゾ イッタイナニモノナンダ
(´゜ω゜`) (うああああ 新聞で見るような人ばっかりだ)
(´゜ω゜`) (そうか!明日はオーストリア併合の国民投票をやる前日だ とんでもないタイミングで来てしまったぞ…)
ジロジロ ジロジロ
(´;ω;`) (か、帰りたい……)
SS「この部屋です」
(´・ω・`) (もうここまで来たんだ 行くぞ…)
(´・ω・`) (アドルフ…は駄目だよね 礼儀正しくしないと アドルフはそういう無礼なのが嫌いだったし…)
(´・ω・`) (ゴクリ…)
ガチャ
彡(゜) (゜) 「ん?」
(´・ω・`)
彡(゜) (゜) 「お、クビツェクやんけ!」
ザワザワ 「総統と親しげに…」「な、なんだと…」「うらやましい…」 ザワザワ 「一体奴は何者だ」
(´・ω・`;) 「え…えと…」
(´^ω^`;) 「お、お久しぶりです総統閣下 この度は急に押し掛けてしまい申し分ありません 今日のお日柄もよく…えと…」
彡(゜) (゜) 「はは…」
彡(^) (^) 「上出来や、クビツェク! ついにお前も他の連中と同じことを言うようになったな」
(´^ω^`;) 「あ、あはは…は…」
彡(゜) (゜) 「よっしゃ!こっちに来いや!」
通された場所は、バルコニーからリンツが一望できる部屋だった
彡(゜) (゜) 「クビツェク、お前は本当にあの頃のままや お前がどこにいても、ワイならすぐに見分けられたで お前は何も変わっとらん ただ年をとっただけや!」
彡(^) (^) 「久しぶりに会えて嬉しいで! まぁ座れや」
(´・ω・`) 「あ、ありがとうございます」
彡(-) (-) 「スマンな 本当はもっと長話したいんやが…」
彡(゜) (゜) 「今のワイにはブライベートはなく、普通の人みたいに振る舞うことができないんや」
(´・ω・`) 「はい、理解できています」
彡(゜) (゜) 「見ろや、ドナウ川に架かるあの橋を」
彡(>) (<) 「まだ架かっとるんか 昔と変わらんボロいままや!」
彡(゜) (゜) 「ワイは断言するで! あの橋をあのままにはせん」
彡(^) (^) 「でもな、ワイはまたお前とあの橋を渡ってブラブラ歩きたいんや」
彡(-) (-) 「だがそれは無理や ワイが現れれば、皆がついてまわる」
彡(゜) (゜) 「しかしクビツェク、信じてくれや ワイはリンツに対してたくさんのことをしてやるつもりや」
(´・ω・`) 「あの計画ですね」
彡(^) (^) 「せや! 今こそあれを実現するで! まずはでかいオーケストラからや!」
(´・ω・`) (彼は青春時代に企てたすべての計画を再び披露した まるであの頃から30年ではなく、せいぜい3年しか経っていないかのようだった)
彡(゜) (゜) 「ところで、お前は何になったんや、クビツェク?」
(´・ω・`) 「私は地方官司になり、助役になりました」
彡(゜) (゜) 「助役とはどういうもんや」
(´・ω・`;) 「え、ええと…つまり、役人です」
(´゜ω゜`) (し、しまった!これだけは口にしちゃいけないと決めていたのに!)
彡(゜) (゜) 「そか、役人か…書記か けれども、お前には合わんやろ お前の音楽的才能はどこにいったんや」
(´・ω・`) (僕は話した 敗戦によって僕の音楽の道は台無しになり、飢え死にしたくなかったので、転職したことを)
彡(-) (-)
彡(゜) (゜) 「せや、敗戦や」
彡(゜) (゜) 「クビツェク、お前は役場書記のまま終わるべきやない」
ーーー
彡(゜) (゜) 「そか この小さな町で小さなオーケストラを…素晴らしいことや どんな交響曲を演奏しとるんや」
(´・ω・`) 「シューベルトの『未完成』、ベートーヴェンの『英雄』『運命』、モーツァルトの『ジュピター』などです」
彡(゜) (゜) 「そか それならワイはお前を援助せなな 報告書を作って送ってくれや それと、何か悩んだでることはないか」
彡(^) (^) 「ワイがパパーッと解決したるで!」
(´・ω・`;) 「い、いえ…つつましながらも十分生活は出来てるので特に希望はありません」
彡(゜) (゜) 「ファ!?大抵のの奴は喜んで頷いてたで」
(´・ω・`) 「そ、そうですか…」
彡(゜) (゜) 「ところでクビツェク、子供はおるか?」
(´・ω・`) 「ええ、3人います」
彡(゜) (゜) 「3人もか!」
彡(-) (-) 「ワイには家族がおらん 一人ぼっちや だが、お前の子供達の面倒をみてやりたいやで」
(´・ω・`) (彼は子供について詳しく知りたがった 3人とも芸術的才能があると言うと、彼は喜んだ)
彡(゜) (゜) 「クビツェクの子供にはワイらみたいに貧困で苦しんでほしくないんや」
彡(-) (-) 「お前と別れてから、ワイは最悪の日々を送った 若い才能が困窮のために破壊されるようなことがあってはならんのや」
彡(゜) (゜) 「だから子供達に援助させてくれや!
リンツのブルックナー学院に入れさせるで」
(´・ω・`) (僕がそれを断ると、彼はそれでも食い下がった)
彡(゜) (゜) 「そ、それくらいはさせてくれや! 他ならぬ、クビツェクの息子や 遠慮するなや!」
(´・ω・`;) 「えと…やはりそういう訳には…」
彡(。) (゜) 「むむ…流石ワイの親友や…他の奴に通用する手が全く通じん…」
副総統「総統、流石にそろそろ」
彡(゜) (゜) 「ファ!? もうこんな時間か!」
(´・ω・`;) 「あ、そうでした! これを!」
彡(゜) (゜) 「これは…ワイの画材や絵葉書か…」
彡(゜) (゜) 「クビツェク、これらはお前だけの所有物や これをどうしようとワイは一切関与する気はあらへん」
彡() () 「全く、最近はワイが書いた絵だと言って高値で贋作を売るアホがおるんや」
彡(●) (●) 「覚えとるか!?ワイが学生時代に肖像画のペアを組まされたやつを! あいつ、ワイとほとんど喋ったこともない癖にワイの学生時代の伝記書きよった!!」
彡(゜) (゜) 「そういうものはワイのことを本当に知っとる人物だけが書くべきや もしそういう人物がいるとすれば、それはお前や、クビツェク」
彡(●) (●) 「ヘス副総統、このことを直ちに記録しておくように」
ヘス「はい総統」
彡(^) (^) 「ほなまた会おうや、クビツェク」
(´・ω・`) (あれから、僕の静かで目立たない生活は急に騒がしくなった)
(´・ω・`) (まず僕の所有物が狙われた ssの不良隊員や欲深な連中がよく家にきた)
役所
(´・ω・`) 「あの、この書類についてなんですが」
職員「は、はい…なんでしょうか…」
(´-ω-`;) (明らかに怖がられてる…たまにそうでない人がいてもコネ狙い…)
(´・ω・`) (でも新たな知り合いもできた 副総統のヘスだ 彼は他のss隊員や高官と違い、興味深そうにアドルフのことについて聞きたがった)
(´^ω^`) 「そこで彼は言ったんですよ『彼女と一緒にドナウ川に飛び込む』って」
ヘス「ははは、女性に対しては昔からそうだったんですねぇ 今お付き合いなさっているブラウン嬢も…」
(´^ω^`) 「あはは、付き合った女性3人が自殺未遂……! ははは……は…」
(´・ω・`) (そして、是が非でも援助を受けない僕に業を煮やしたアドルフは僕にあるチケットを送ってくれた リヒャルト・ワーグナーの祝賀劇の招待状だ! それは、あくまで彼の友人としてだ)
(´;ω;`) (その公演は僕の叶わぬ夢だった! 美しい名曲、見ることすらできなかった巨匠! もう死んでもいいとすら思えた…!)
彡(゜) (゜) 「ワイが見ることができるのは、この上演だけや だが仕方ない、戦争なんや」
彡(-) (-) 「この戦争のせいで、ワイの建設事業は何年も後戻りしてしまったんや 残念や ワイは戦争をするために帝国宰相になったんやない…」
(´・ω・`) 「……」
彡(゜) (゜) 「クビツェク、お前も知っとるやろ どれ程ワイに建設したいものがあるかを」
彡(●) (●) 「戦争なんて糞や! ワイの建築計画を邪魔しおってからに……!」
(´・ω・`) (フランスに勝利した後こんなことを言うなんて思いもしなかったよ…)
彡(゜) (゜) 「戦争が終わったら、ワイはまたお前を呼ぶ そして一緒に新しい建築を考えるんや」
彡(゜) (゜) 「お前はいつもワイのそばにいなけりゃならんのや」
ヴー
パチパチパチパチパチパチパチパチ
こうして、最後の演目『神々の黄昏』が終わった 彼は別れ際に言った
彡(^) (^) 「ほな、また!」
しかし、その約束は果たされることはなかった
1945年4月
彡(゜) (゜) 「お、拳銃と青酸カリやんけ! 同時に使ったろ!」
┏━━━━━┓
┃ / \ ┃
┃ / \┃
┃ (゚) (゚)ミ┃
┃ 丿 ミ ┃
┃ つ ( ┃
┃ ) (┃
┗━━━━━┛
アドルフ・ヒトラー 死亡
8日後 ドイツ降伏
1946年 グラーゼンバッハ収容所
CIA「あなたはアドルフ・ヒトラーの友人なのですか?」
(´・ω・`) 「はい」
CIA「いつから?」
(´・ω・`) 「1904年からです」
CIA「それはどういうことですか?当時彼はまだとるに足らない人間だったはずです」
(´・ω・`) 「それでも私は彼の友達でした」
CIA「なるほど それであなたは彼から何か貰いましたか?」
(´・ω・`) 「いえ何も」
CIA「後年の彼はあなたを歓迎しましたか?」
(´・ω・`) 「はい」
CIA「どうやって彼に会ったのですか?」
(´・ω・`) 「私の方から出向きました」
CIA「それであなたは彼と一緒にいたのですか? 本当に? すぐそばにですか?」
(´・ω・`) 「はい、すぐそばにいました」
CIA「二人だけで? 警備なしで?」
(´・ω・`) 「二人だけで、警備もなしです」
CIA「それなら、あなたは彼を殺すこともできたでしょう?」
(´・ω・`) 「できたと思います」
CIA「ではなぜ、彼を殺さなかったのですか?」
(´・ω・`) 「彼は、私の友達だからです」
1947年4月
CIA「もう帰ってくるなよ」
(´・ω・`) (僕何もしてないんだけどなぁ…)
(´・ω・`) (僕ももう57歳か)
(´-ω-`) 「……」
集まれ!集まれ!
(´・ω・`) 「ん」
急いでこっちに来い!
(´・ω・`) 「『リエンツィ』……か 久しぶりに見てみるか もうほとんど瓦礫みたいな劇場だけど」
劇場(急ごしらえ) 中
(´・ω・`) 「お、この崩れた柱が腰掛けるのに丁度いいや」
石を持ってこい 松明を持ってこい!
(´・ω・`) 「よっこらしょ…腰が痛いなぁ 戦中の瓦礫運びが効いたな…」
奴は呪われた 奴は破門された!
(´・ω・`) 「……」
私が引き上げてやった民衆たちも、私を見捨てた
私の幸運に集まってきた友達たちも、私を見捨てた……
(´・ω・`) 「……」
(´・ω・`) (……)
(´-ω-`) (……)
1956年 アウグスト・クビツェク 死去
彼の残した著書は青年期のヒトラーを詳細に記した数少ない資料として今日も参考にされている
完
元スレ
彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1438961094/
彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1438961094/
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コメント一覧 (66)
-
- 2015年09月02日 12:58
- やっぱ畜生やん
-
- 2015年09月02日 13:04
- 切なくなる
-
- 2015年09月02日 13:06
- あーこれか。うんおもしろかったよ
-
- 2015年09月02日 13:36
- なんかもの悲しくなるなあ
『アドルフ・ヒトラーの青春』って本のSS化でいいのかな? ちょっと買ってみるわ
-
- 2015年09月02日 13:53
- つ い さ い き ん え す え す ほ う こ で よ み ま し た
-
- 2015年09月02日 14:12
- 良かった
こういうss好き
-
- 2015年09月02日 15:09
- 友人を選ぶ目はあったんだなアドルフ
-
- 2015年09月02日 15:11
- すこ
-
- 2015年09月02日 15:29
- やめてくれよ…(絶望)
-
- 2015年09月02日 15:51
- 面白かった
アドルフはやはり嫌いになりきれない
-
- 2015年09月02日 16:17
- 何も言えない
-
- 2015年09月02日 16:18
- ※7
ヒトラーに見る目があったというよりクビツェクがぐう聖だったと言う方がしっくりくる
本人も考察してる通りヒトラー的には別にクビツェクじゃなくても都合のいい奴だったら誰でもよかったわけだし権力を持ってもそれに集る真似しなかったからね
-
- 2015年09月02日 17:01
- 面白かった
-
- 2015年09月02日 17:14
- おう、きうり食うか?
-
- 2015年09月02日 17:41
- おもしろかったよ
-
- 2015年09月02日 18:05
- 引き込まれて一気に読み進めちゃった
なんか良いなこういうのも
-
- 2015年09月02日 18:10
- おせーよホセ
-
- 2015年09月02日 18:25
- うーん…なんとも言えんな…
-
- 2015年09月02日 19:26
- なんか最後の方適当だな…途中まで良かったのに…
-
- 2015年09月02日 19:55
- コナンドイルの奴思い出したけど作者は別人なのかな
-
- 2015年09月02日 21:36
- これはおもしろいな。
でもステファニーの事について調べなくていいって言ったのは、
もうその頃にステファニーがゲルマン人ではなく、ユダヤ人だったと知ったからなのかもしれないと思うと悲しくなってきた。
-
- 2015年09月02日 21:42
- これは名作SSとして殿堂入りさせたいレベル
-
- 2015年09月02日 21:56
- やる夫フューラー思い出すな
-
- 2015年09月02日 22:00
- コナン・ドイルのss書いた人と同じかな。面白かった。
-
- 2015年09月02日 22:14
- こういうのには弱い
-
- 2015年09月02日 23:22
- 彼は、私の友達だったからです。
いい言葉だなあ
-
- 2015年09月03日 00:31
- 苦悩!青春!友情!
苦悩!青春!友情!って感じで…
-
- 2015年09月03日 01:15
- 最後の「同時に使ったろ!」の下りで吹いた
-
- 2015年09月03日 01:49
- クビツェクは本当に好き。
-
- 2015年09月03日 02:59
- うーん面白かった
-
- 2015年09月03日 09:56
- 野獣先輩は若き日のアドルフ・ヒトラーをもその毒牙にかけようとしていた…?
-
- 2015年09月03日 10:38
- このSSでクビツェクを知ったが、最後までヒトラーの友人でいられるとかすごいわ
-
- 2015年09月03日 10:52
- 今までネットで見たSSで一番興味深かった
-
- 2015年09月03日 14:51
- 歴史に自信ニキだいすき
-
- 2015年09月03日 15:27
- 脚色はあるだろうがここまで自己中心的で独善な輩だったとはな
-
- 2015年09月03日 16:53
- 「何故再会した時に殺さなかった?」
「友達だからだ」
ほんまもんの友情やなぁ
-
- 2015年09月03日 17:20
- 月並みだが面白かった
ヒトラーといえば扇動家の独裁者だがこういうバックボーンがあったとは……
-
- 2015年09月03日 19:08
- ええ話や
-
- 2015年09月04日 00:41
- うーん切ない
-
- 2015年09月04日 01:30
- 超!!!!
面白かった!歴史系大好き!
-
- 2015年09月04日 13:33
- いいなあこれ。面白い
どこか物悲しくもある辺りがなんとも
-
- 2015年09月04日 15:09
- 別荘での再会の下りは、ヒトラーが総統ではなく一人の人間で居られる家族以外の唯一の場所がクビツェクの所だったんだなぁと、悲しくなってしまった
結局、総統のまま死んでしまったものね
-
- 2015年09月04日 18:41
- 1953年のクビツェク「今になってどこかからアドルフ・ヒトラーとの友情を否定するように強いられても、屈しません」
ヒトラーにとってのクビツェクのように、クビツェクにとってのヒトラーもまた、かけがえのない友人だったのだろう。
-
- 2015年09月04日 19:09
- ヒトラーが独善的な凸だとしたら、クビツェクは主体性の無い凹といった感じで、一見振り回されているだけのクビツェクは自分の産まれた時に立っていたレールから脱線させてくれたヒトラーに感謝してたんだな
-
- 2015年09月04日 20:37
- コナンドイルのssの人かな?
-
- 2015年09月04日 23:28
- ぐう聖言うたかてヒトラーに会うまでは特別親しくしてる友人もいなかったんやで
お互いがいい居場所になれるからこそ友達なんやで
-
- 2015年09月05日 10:49
- しにかた適当だなぁ…
-
- 2015年09月05日 11:30
- ヒトラーもやっぱり人の子よな生まれた時代がアカンかったよな
あの時代は誰が狂ってたと言うより世界が丸ごと狂ってたんやろなぁ
-
- 2015年09月06日 01:30
- 面白い。一気に読んでしまった。
ヒトラー死亡の流れが軽すぎて笑う。
-
- 2015年09月06日 09:06
- こうみると歴史って面白いからええな!!
-
- 2015年09月06日 12:13
- 帰ってきたヒトラーとか見るとなんだかんだで
極端ではあるが世界的には普遍的な民族主義以外は
十分人を連れる才覚はあるんだよな
麻生太郎も言っていたが
-
- 2015年09月06日 19:21
- いくら大企業の社長になっても犯罪者になっても若い頃の友人は友人のままだもんなあ
30年間も会ってなかったらそうなるだろうなあ
-
- 2015年09月06日 21:38
- コナンドイルのやつ超ワロタ(笑)。
作者才能ありすぎ(笑)。
この作者かこんな感じので他にSSないかな?
-
- 2015年09月07日 00:23
- ヒトラーなんて人物をssの1キャラクターとして扱える主も相当すげえ
-
- 2015年09月08日 05:16
- ヒトラーの境遇とか見ると同情してしまう部分が少なからずあるんだよなあ
だからと言って許されるわけでも無いけど…とにかくやるせないわ
-
- 2015年09月08日 22:59
- 面白かったです。
ヒトラーと別れている間の描写が希薄になっている所がクビツェク一人の物語ではなくヒトラーとクビツェクの二人の物語であると言うことが強調されているようで素晴らしかったです。
-
- 2015年09月10日 16:50
- 波乱万丈とはこのことか、
ぶっとんだことするヒトラーに対し聖人のような友人だ、
調べてみたら面白いし、良いSSをみれてよかった。
作者ありがとう。
-
- 2015年09月14日 05:14
- ヒトラーについての書籍読まなきゃ(使命感)
-
- 2016年12月08日 10:52
- 若い才能人が周りに潰されてしまうのは悲しいなぁ…
クビツェクは時代が時代ならきっと名を馳せたんだろうなぁ
-
- 2016年12月08日 19:28
- すごく面白かった
これは何度も読み返したいSS
-
- 2017年02月05日 12:37
- オススメで見かける度に読んでしまうわ。
何回読んでもいいssだなぁ。
-
- 2017年03月21日 16:37
- ヒトラーとて人間で、親友も居たんだなぁ
-
- 2017年04月07日 13:01
- スターリンを再評価する流れが生まれ始めてるらしいがだったらヒトラーも再評価されるべきだよなぁ...
-
- 2018年04月20日 21:22
- これは名作
コミカライズ希望
-
- 2018年04月20日 23:32
- 世紀の大悪党なんてとんでもない
青春を謳歌したクソ真面目なオッサンの話だったんだな
-
- 2020年09月19日 02:55
- 悲しいけど美しい話