【アイマス】一方通行「アイドルをプロデュースだァ?」【禁書】【後半】
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真「何の用?」ギロ
冬馬「用なんざねぇよ。お前らが俺たちが歩いてるとこに来たんだろうが胸糞悪ぃ」
真「なんだと!」
一方通行(こいつ何か垣根の野郎を彷彿させンなァ)
翔太「話たくないなら無視すればいいのに……冬馬君は子どもだなぁ」
北斗「そちらのエンジェルちゃんは見ない顔だね?……ん、男?」
一方通行「あァ……」
北斗「な!?……こんな悲劇があっていいのか。神様も中々罪深い事をする」
冬馬「ん?てことはお前がプロデューサーか?」
一方通行「そォだけど?」
冬馬「ハッ……アンタの悪事は色々聞かせてもらってるぜ。噂通りの見た目してんじゃねえか」
一方通行(悪事、何がバレたンだ?パパラッチぶっ飛ばした事とか?)
真「一方通行がそんな事するわけないだろ!!勝手な事言うな!!ね、一方通行!?」
一方通行「お、おォ」
一方通行「ちなみによ……そのお前らが聞いた悪事ってのはどンなのだ?」
冬馬「あぁ?そんなの一杯あり過ぎて言えねえよ。ただアンタ、自分とこの売れてねぇアイドルに手ぇ出してるらしいじゃねえか」
冬馬「それを黙ってみてる周りの奴も最低だぜ!仲間じゃねぇのかよ」
真(あ……)
一方通行(あのボディブロー思い出しちまった……)
冬馬「フン、図星で何も言えねえか。いいか!てめえらみてえな最低な奴らは俺達ジュピターが叩き潰す……お仲間にも伝えとけ」
北斗「じゃあね真ちゃん、チャオ☆」
翔太「白いお兄さんもバイバーイ」
一方通行(確実にやっかみじゃなかったな。しかも嘘の情報教えられてるし……じゃあ誰の入れ知恵だ?事務所の社長とか?)
真「ムカつくムカつくムカつく!」
一方通行「はは、キレた時の伊織みてェになってンぞ。今度こそ帰るぞ」
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ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
一方通行「真、喜べ。また仕事決まったぞ」
真「ホントー?へへっやーりぃ!」
一方通行「女の子がイケメンにされたいシチュエーションの再現VTRに出てもらう」
真「……」
一方通行「……」
真「一応聞くけどさ、ボクが女の子や……」
一方通行「男役だ」
真「……」
一方通行「女役は雪歩にオファー来た。相手が雪歩だしリラックスしてやれンだろ、良かったな」
真「何にもよくない!!!!」
一方通行「言うと思った」
真「雪歩ばっかずるい!ボクだって可愛い格好したい!!」
一方通行「ンな事言われても……なァ?」
雪歩「格好いい真ちゃんも可愛いよ!」
一方通行(何言ってンだこいつ)
真「うぅ、もっと可愛い仕事取って来てよ一方通行」
一方通行「お前の場合取ってくる間もなくバンバンオファーくっからそれで埋っちまうンだよなァ」
真「やだやだやだやだぁ!」ジタバタ
雪歩(可愛い……)
一方通行「ハァ……じゃあさァ、お前がしたい服装してくれよ今。それによって売り方検討するから」
美希「なになに?真くんがコスプレするの?」ヒョコ
一方通行「ちょうどいいやお前も審査員な」
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真「きゃっぴぴぴーん!みんなのアイドル菊地真ちゃんナリよー☆まっこまっこりーん」キャル-ン
雪歩「……」
一方通行「なンだァ……てめェ?」
美希「ミキ的にはナシなの!」
一方通行「お前的じゃなくてもナシだよ」
真「えぇ!?これそんなダメ?」
一方通行「お前それ自分に似合うと思ってンの?」
真「ちぇっ、わかってるよ……ボクには男の格好の方がお似合いだって言うんでしょっ」
一方通行「ちげェよ……おい美希、真に似合う服選ンでやれ。この前2人で話してた感じで」
美希「ハイなの!行こっ真くん」グイッ
真「う、うん」
雪歩「あ、じゃあ私も……」
一方通行「お前は格好いい服選びそォだから駄目」
雪歩「うぅ……って2人で話?服の?」
一方通行「収録始まるまで暇だった時に事務所の奴らはどンな格好が似合うか2人で言い合ってたンだよ」
雪歩「そうなんだ。真ちゃんにはどういう服が似合うってなったの?」
一方通行「そりゃ見るまでのお楽しみだろ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
美希「じゃーん!」
真「ど、どう///」
雪歩「わぁ……すっごく綺麗だよ真ちゃん!」
一方通行「いい感じじゃねェか。やっぱお前にはシンプルな服の方が似合うな」
美希「でしょでしょー!ハニー誰のおかげ?ねぇねぇ、誰のお手柄!?」
一方通行「うるっせェなァ、てめェだよ」ナデナデ
美希「きゃうん!」エヘヘ-
真「でもやっぱ可愛い系じゃないんだね……」
一方通行「まァ、どっちかっつったら綺麗系だわなァ」
美希「真くんはこういう路線が似合うと思うな」
真「そっか……」
一方通行「ンだァ?まだ不安なのかよ?」
真「う、ううん!凄く嬉しいよ……けどやっぱり……」
一方通行「……つまりアレかお前?フリフリの服着たいっていうよりお姫様扱いされてェンじゃねェの?」
真「え?」
一方通行「お前基本どこ行っても女扱いされねェンだろ。どぎついドレス着たいっていうのはそォいう心の表れだろ」
真「うん、そうかも……」
一方通行「わかった、まずオレがお前をお姫様扱いしてやる」
真「例えば?」
一方通行「た、例えば?、そォだなァ……エスコートは当然として……あァ靴履かせるとか?」
雪歩「ぶっ」
一方通行「なンだよ」ギロ
雪歩「いや、絵本に出てくる王子様みたいだなぁって」
一方通行(そりゃあ王子様なンてクソガキが読ンでやがった絵本でしか知らねェし)
真「本当にしてくれる?」
一方通行「あァ、それだけじゃねェ……あのメルヘンな格好も着れる機会を設けてやる」
真「本当!?」
一方通行「ミニライブのDVDの初回特典何にするか迷ってたンだよ。それでドレス着て寸劇でもやれよ」
真「一方通行ぁ!!」ダキッ
一方通行「ぐっ」
美希「……」ムス
雪歩(その場合寸劇って誰が王子様やるんだろう?四条さんとか?)
一方通行「それによ、お前キャラ崩さねェよォにしてンのか知らねェけど、テレビでもっと可愛い物好きって公言していいぞ?」
真「いいの?」
一方通行「おゥ、そォやって菊地真は可愛い物好きって広げてけよ。そしたらそォいう関係の仕事も自然と増えるさ」
真「うん!」
一方通行「さァて、じゃあ早速ガラスの靴に履き替えるかお姫様?」
真「えっちょっ、いいよみんなの前では///」
雪歩(2人きりの時はやるんだ)
美希「えぇ〜、ハニーの王子様見てみたいの〜」
一方通行「見せもンじゃねェぞ……じゃあ何して欲しいンだ?」
真「コンビニまでエスコートとか?欲しいマンガがあるんだ」
一方通行「えっらい安上がりなお姫様だなァ」
真「いいでしょ別に!」
一方通行「ほら、お手をどォぞ」スッ
真「…………やっぱ無理!恥ずかしいよぉ!」
一方通行「チッ、オレだって恥ずかしいンだよ!やるンなら早くしろ!」
真「いい!今まで通りでいい!!……でもコンビニは行こ?」
一方通行「そォかよ……コンビニ行くけど?」
美希「ミキ、おにぎり!」
雪歩「わたしは大丈夫だよ」
一方通行「わかった……行くぞお姫様」スタスタ
真「お姫様呼びもしなくていいよぉ///!!」タッタッタ
雪歩「はは……」
美希「真くん満更でも無さそうだったね」
雪歩「ね!……でも美希ちゃん良かったの?」
美希「なにが?」キョトン
雪歩「え、いや、真ちゃんだけ一方通行君にお姫様扱いって美希ちゃんだったら怒るかなって」
美希「ううん、ミキ怒らないよ?だって真くんはハニーの口車に乗せられてたけど、ハニーがミキ達をお姫様扱いするのはいつもの事なの!」
雪歩「……確かに」
美希「それに靴を履かせてもらうのは……ハニーは結構天然さんだから絶対真顔でやるの。流石にそれは恥ずかしいの///」
雪歩(えっ、恥ずかしい事なの?私普通に受け入れそう……)
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数日後
〜〜〜収録スタジオ〜〜〜
真「ボクこう見えて可愛いものに目が無いんですよ〜」
司会「えぇ!?それ本当?意外だなぁ」
春香「本当ですよ!この前なんか……」
真美「まこちんには困ったものですなぁ」
ワイワイガヤガヤ
一方通行(アイツ……)
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スタッフ「一旦休憩入りまーす!」
ガヤガヤ
一方通行「お疲れ、楽屋に弁当届いてるぞ」
真「もうお腹ペコペコだよぉ」
一方通行「オレちょっと用があるから勝手に食ってていいぞ」スッ
春香「えっ?……ってもう居ないし。あれ?真美は?」
真「さっき走ってどっか行っちゃったよ。トイレ我慢してたのかな?」
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ーー
〜〜〜セット置き場〜〜〜
真美「……」チョコン
一方通行「こォーンなとこに居やがった……隠れんぼなら鬼用意しろよ」
真美「兄ちゃん……」
一方通行「どォした?さっきから様子変だぞお前」
真美「ちょっと疲れただけだよ…………もう!兄ちゃん仕事取り過ぎ!真美はまだ中学生なんだかんね!」
一方通行「オレにも言えねェことか?」
真美「ほっといてってば!!」
真美「ほっといてよ……すぐいつもの、ひっく、調子に、戻るからっ」ポロポロ
一方通行「……」ダキッ
真美「兄ちゃん……ぅっ、ひっ、セクハラだよ」ボロボロ
一方通行「訴えたりなンだり好きにしろよ……お前が泣き止ンだ後にな」ギュウ
真美「うぅ、くぅっ、うわぁぁぁぁんっ!!」ギュウ
一方通行「……」ナデナデ
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ーー
一方通行「ちったァ落ち着いたか?」
真美「……」ギュウ
一方通行「何があったンだ?」
真美「この番組の偉い人が……双子はどっちも変わんないからキャスティングが楽で良いって笑いながら話してるの聞いちゃったの……」
一方通行「……」ギリッ
一方通行「見る目ねェンだなァ……この番組もその内打ち切り決定だな」
真美「ねぇ兄ちゃん、真美頑張ったよ……兄ちゃんと約束した日から歌もダンスもお芝居もいっぱいいっぱいいっぱい頑張ったよ!?」
一方通行「あァ、オレが一番知ってるよ」
真美「けどどんなに頑張っても誰も真美を真美として見てくれない!!何で!?真美が竜宮小町じゃないから!?亜美より後にデビューしたから!?」
一方通行「真美……」
真美「双子だから、だって……こんなんじゃ亜美にまで迷惑かかるよね。真美、アイドルなんてやらない方が良かったのかな」
一方通行「そンな事ねェよ」
真美「兄ちゃんに何がわかんの?」
一方通行「分かるさ。オレはお前のファンだから……双海真美がアイドルやっててくれて良かったと思う」
真美「……じゃあ亜美と真美の違い言ってみてよ」
一方通行「真美は左利きだ」
真美「そんなのちょっと見てたら分かるし」
一方通行「真美は髪の手入れに手間を掛けてる。責任感があるし、悪戯する時はみンなが本気で嫌がりそォな事はしねェ。亜美は容赦ねェけど」
一方通行「後はそォだなァ……亜美より若干声が低ィな、自分でも分かンだろ?それとどっちかつったら寒色系の色が好きとか」
一方通行「それから……ゲームの進め方も結構違うよなァ。亜美はガンガン進ンでギリギリの感じを楽しむ感じだけど、お前はコツコツレベリングして危なげなくクリアすンのが好きなンだろ」
真美「……」
一方通行「どォだ、全部正解だろ?ぶっちゃけ今ならお前らの髪の長さが一緒だろォが完璧に判別できンぞ」
一方通行「お前の理解者は今ここに確かに存在してンだから自信持てよ」
真美「兄ちゃん……」
一方通行「外野のうぜェ野次なンかほっとけよ。お前らの違いが分かンねェ業界関係者なンて最初っからアイドルの事金稼ぎの道具としか思ってねェ」
一方通行「そいつらの言動に一々付き合うだけ損だぜ?それによ、見てる奴はちゃンとお前を見てる。是非真美ちゃンで、つって何件もオファー貰ってンだ」
一方通行「ファンレターだって右肩上がりだろ?学校でももォお前を馬鹿にする奴なンていねェンじゃねェか?」
真美「うん、もうなくなった」
一方通行「だろ?安心しろよ、お前はちゃンとあン時より前に進ンでる。稽古も無駄なンかじゃねェ」
一方通行「だから……だからアイドルなンてやらなかった方が良いなンて言わねェでくれよ」
真美「真美が辛い時はそばに居てくれる?」
一方通行「あァ、オレがついてる……また、こンな事があれば何度でも何時間でも一緒に居てやる。だから……負けンな真美」
真美「うん」ギュウ
真美「兄ちゃんはあったかいね……」
一方通行「生きてンだから当然だろォが」
真美「ううん、そうじゃなくて……」
真美(そっか。真美、兄ちゃんのこと……)
真美「真美ねぇ、亜美とは違う所また一つ出来たよ」
一方通行「ふゥン、どンなところだ?」
真美「それはね……教えてあげないよっ!」ニッ
一方通行「はァ?」
真美「んっふっふ〜。兄ちゃん自身が見つけてよ!真美のプロデューサーでしょ?……ほら、真美はもう大丈夫だから行こっ」タッタッタ
一方通行「なンだってンだよ……けどまァ、元気が出たよォで何よりだ」
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数日後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
真美「ねぇ亜美……」コショコショ
亜美「おっいいですなぁ」ニタァ
真美「じゃあ行くよ」コソ
亜美「あいさー」コソ
一方通行「……」ペラ
春香「あっ、一方通行何読んでるの?」ヒョコ
一方通行「本」
春香「……」
やよい「小説ですか?」
一方通行「いや、ただのビジネスマナーの本だ。律子から借りてな」
やよい「一方通行さんは頭良いのにまだ勉強するなんて偉いなぁ」
一方通行「家事と学生とアイドル同時にやってるお前の方が凄ェだろ」
伊織「やよいが凄いのは当然じゃない」
やよい「そんな、私なんか全然ですよ」
一方通行「いや、マジで。そォだ、今度よォ……!?」
??「目隠ししたの、どーっちだ!!」
一方通行「……」
??「んっふっふ〜!言っとくけどもし外したら兄ちゃんにはエッグい罰ゲームが待ってるかんね」
響(アレ、卑怯じゃないか?)
小鳥(可愛いマネするわねぇ)
一方通行「……声出してンのが亜美、オレの目ェ隠してンのが真美」
貴音「お見事、流石です一方通行」
千早「良く分かるわね……」
亜美「なんで……」ドンビキ
真美「兄ちゃんには分かるんだねっ!」エヘヘ
一方通行「ったく、なンだァ?この前の話信じてなかったのかよ?」
真美「ううん、再確認したかったんだよ」
一方通行「ふン…………っ!次はどこの馬鹿だ?」
美希「目隠ししてるのだぁれーだぁ」ダキ
一方通行「おにぎり馬鹿か」
美希「あは☆バレちゃったの!やっぱり愛の力かな?」
一方通行「その愛の力とやらを確かめてェならもっと隠す気出せよ」
あずさ「……」ソロ
律子「あずささんまでやらなくていいでしょう」
あずさ「あぁん、もうちょっとだったのにぃ」
真「みんな!!」バァンッ
伊織「何よ騒々しいわねぇ」
雪歩「これ、これ見て下さい!!」
小鳥「これってTVジョン?」
亜美「ん?ちょっと待ってよ、何で亜美達が表紙じゃないの?」
真美「次のやつに載るって話だったよね?」
あずさ「あらあら、先方さんが間違えてしまったのかしら」
伊織「そんなわけないでしょ!?」
春香「私たちの代わりにジュピターが載ってるね」
千早「どういう事かしら?」
高木「これは……」
真「一方通行これって……」
一方通行「まァ、偶然じゃあねェだろォなァ」
高木「どういう事だい?」
一方通行「ちっと前にオレと真がコイツ等に喧嘩売られてンだよ。てめェらは潰すってなァ」
一方通行「あいつら、ウチの事務所は汚い事やってるってある事ない事吹き込まれてるみたいだったぜ」
響「何だそれ!?自分たちはそんな事してないぞ!!」
貴音「では961ぷろが圧力を掛けた結果がこの表紙、ということですね」
一方通行「あァ、だろォな」
やよい「何でそんな事を……」
高木「それは私に原因があるのだろう」
一方通行「あァ?」
小鳥「……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
高木「と、いうことだ」
律子「そんな関係が……」
一方通行「ンだァそれ?こいつら関係ねェじゃねェか。勝手に2人でやってろよ」
高木「そう単純な話でも無いのさ」
一方通行「……」
伊織「それより……このまま黙ってるつもりじゃないでしょうね!?そんなの有り得ないわよ」
律子「分かってるわ。今すぐ出版社に抗議を……」
高木「無駄だよ……この状況が覆るような可能性を残す程黒井は甘くない」
律子「くっ……」
一方通行「無駄、でもねェだろ」
小鳥「一方通行君?」
一方通行「電話借せ律子」ヒョイ
一方通行「……」プルルル
一方通行「……よォ、TVジョン見たぜ。中々愉快な事になってンじゃねェか……違ェ、謝罪が欲しいわけじゃねェンだなァ」
一方通行「アンタらも大変だったンだろォ?わかるぜェ……あァ、これは貸し、だ。良い仕事回してくれること期待してる。もしこの借りを返さねェってンなら……分かるよなァ?」
雪歩(お弟子さんの誰よりも怖い)ゾクッ
一方通行「……あァ、良い関係を築けたら良いなァ」ガチャン
一方通行「ふゥ……これで溜飲は下がったか伊織?」
伊織「ふん、べっつに!」プイ
真美「けど、これからも邪魔されるって事だよね?」
貴音「これもほんの挨拶、と呼べる程度のものでしょう」
全員「……」
美希「でも別にそんなの平気じゃない?」
響「へ、平気か?」
美希「だってこの表紙、ミキたちの方がすっごく綺麗に撮れてたよ?結局はミキたちが負けなければいい話なの」
千早「そうね」フッ
亜美「ミキミキの言う通りっしょー!」
やよい「負けないように頑張りまーっす」
ワイワイガヤガヤ
高木「うむ、みんな!これから黒井も色々な手を使ってくるだろう。それをここにいるみんなで乗り切ってやろう!!」
全員「はい!」
一方通行「……」
小鳥「不満?」ボソ
一方通行「…………はい」
小鳥「そうよね……けどもう少しそっとしておいてあげて。あの2人も中々複雑なのよ……」
一方通行「……小鳥さンがそォ言うなら」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜車内〜〜〜
春香「何だか大変な事になっちゃったね」
一方通行「だなァ」
春香「どういうことしてくるんだろうね」
一方通行「取り敢えずはお前らの番組にブッキングしまくってくンじゃねェの?」
春香「まぁ、やる事は変わんないんだけどね」
一方通行「あー?」
春香「私はみんなと違って取り立てて凄い所は無いからとにかく頑張らないと!生っすか!?も始まるし」
一方通行「あァ、司会業頑張ってくれや」
春香「もうっそれだけ?生放送だからすごい緊張するんだけど……転んじゃったらどうしよう」
一方通行「放送事故にならねェレベルの失敗ならいくらでもしてくれていいぞ。ファンもそォいうとこ楽しみにしてンだろォし」
一方通行「ただまァ……パンチラは勘弁して欲しいなァ。お前は清純派で売ってンだからあンま性的な部分出して欲しくねェンだよなァ」
春香「清純派で売ってるって言い方やめてくれない?それじゃあ私が本当は清純じゃないみたいだよ」
一方通行「どの口が言うンだァ?この前真とやたらエロい少女漫画の話で盛り上がってたじゃねェか」
春香「あれは少女漫画じゃなくてレディースコミックっていうんだよ。一方通行は何にも知らないなぁ」
一方通行「……」イラッ
春香「それにアレ私たちのじゃないし、あずささんが持ってきてくれたんだよ」
一方通行「知ってる」
春香「え、話したっけ?」
一方通行「いや、無理矢理あずささンに読まされて感想言わされたンだ……」
春香(セクハラじゃん)
春香「一方通行ってあずささんと小鳥さんの玩具にされてるよね」
一方通行「……否定はしねェ」
一方通行「そォいやさァ……」
春香「うん?」
一方通行「ウチのアイドルってお前以外何か叶えてェ事があって手段としてアイドルになってンだよな」
春香「あぁ……確かに」
一方通行「どォだ今の気持ちは?お前がウチのアイドルで今一番夢の近くにいるが」
春香「今の気持ち?んー良く分かんないかなぁ?」
春香「今はただみんなと事務所でお話しして笑い合って、色んなお仕事出来るのが楽しいって事しかないよ。一方通行もそうでしょ?」
一方通行「まァな」
春香「ふふっ素直になったね一方通行」
一方通行「言われ過ぎてイラ立ちも覚えねェよ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜スタジオ〜〜〜
スタッフ「合図出しましたら春香さんにはこちらの方に来て頂いて……」
春香「はい!分かりました!」
一方通行(アイツは誰よりも連帯を重視してる……今が楽しくて仕方ねェだろォよ)
一方通行(だが、これからもっと有名になりゃそれこそプライベートがねェくらいに忙しくなる……そうなりゃ今程他の奴らに会えなくなる)
一方通行(そン時おまえはどォすンだ……?)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数週間後
〜〜〜765プロスタジオ〜〜〜
一方通行「さァ、期間限定ユニットのトリだ。待たせたなやよい」
やよい「うっうー!すっごく楽しみです!!」
やよい「あれ?でも私は誰と歌えばいいんですかー?」
律子「そこで、私たちがいるわけよ」
あずさ「このメンバーで集められたってことは……」
亜美「やよいっちと組むのって」
伊織「ふふん、私でしょ?」ドヤァ
小鳥「……」
伊織「はぁ、人気者は辛いわねぇ」ファサ
やよい「伊織ちゃんと歌えるなんて……嬉しいなぁ」
伊織「私もよやよい」
一方通行「何を先走ってやがンだ半デコ。やよいと組むのはお前じゃねェよ」
やよい「えぇー!?」
伊織「は、はぁ!?じゃあ誰よ!?亜美!?それともあずさ!?」
一方通行「違ェ。やよいと組むのは……てめェだ、律子」
竜宮「えぇぇぇぇっっ!!?」
律子「……………………小鳥さんとあずささんが昨日呑ませ過ぎたのかしらね一方通行?」
一方通行「シラフだ」
伊織「また呑みに行ってたの?」
あずさ「だって、一方通行ちゃンは聞き上手なんですもの〜」
亜美「そーいや真美が飲み会の写メ欲しいって言ってたよ?兄ちゃんの酔ってるとこ見たいんだってさ〜」
あずさ「う〜ん、どうしようかしら〜」
亜美「え?ダメなの?」
小鳥「誰かに見せるのはちょっと勿体無い気が……」
あ小「ねー!」
律子「そっっっんな事はどうでも良いんです!!」バァン
律子「からかってるつもりならアンタと言えど本気で怒るわよ!?」
一方通行「もォ怒ってンじゃねェかよ」
一方通行「ふざけてねェ、真剣だ。しかもお前には拒否権ねェぞ?これは社長命令だ」
律子「なっ!?」
高木「うむ、そういうことだ」
律子「し、社長!!何で私なんですか!?私みたいな素人じゃなくても竜宮の誰かでいいじゃないですか!!」
一方通行「素人じゃねェだろォ?映像見てオレは感動したぜェ?……律っちゃン?」ニヤニヤ
伊織「あぁそっか、アンタ律子がアイドルやってた時の事知らないンだったわね」
律子「だからって……私はもうアイドルじゃないのよ!」
高木「しかし先方からの指示でね、律子君を是非……との事だ。現役時代の君のファンだったそうだよ」
一方通行「しかも今回はあのハンバーガーチェーンとのコラボだ。断ったらどンだけ損か分かンねェお前じゃねェよなァ?」
律子「ぐぬぬぬ…………じ、じゃあ竜宮小町は!?」
一方通行「おいおい、この事務所にはお前以外に優秀なプロデューサーが1人いるじゃねェか」
亜美「よっ!さっすがビンビンプロデューサー!」
伊織「敏腕よ」
あずさ「新進気鋭のプロデューサーって雑誌にインタビュー受けたくらいだものね」
亜美「ミキミキがめっちゃ喜んでたもんね〜。真美も事務所にその本あんのにわざわざ買ってくるし……」
あずさ「あら、私も買ったわよ?」
亜美「そうなの?」
あずさ「伊織ちゃんもよね?」
伊織「……なわけ無いでしょ」
やよい「私は持ってないです……」
伊織「後で私のあげるわよ。だからみんなには内緒にしなさい」ボソ
一方通行「あンなン買う価値ねェよ」
亜美「照れてる照れてる」
高木「撮影は社長室で行ったンだがね……いやぁこれが中々大変だったよ。何せ大人しく座ってないから」
一方通行「ンな話今しなくて良いだろォが……ということで分かったな律子?」
律子「まだ……まだみんなの気持ちを聞いてないわ。いくら会社の事情だからってアイドルに無理強いするのは……」
亜美「え?亜美は全然いいよ?家で真美がめっちゃ自慢してくるから前から兄ちゃんのプロデュースってどんな感じか気になってたんだぁ」
あずさ「良い気分転換になりそうです」
伊織「何より、アンタがアイドルしてるところ見たいしね」
一方通行「決定だ」
律子「くぅ……」
高木「ははは、楽しみにしているよ律子君!」
小鳥「歌っている姿は全ての記録媒体に納めるので安心して下さい!」
律子「勘弁して下さいよ……」
やよい「よろしくお願いします律子さん!!」ガル-ン
ーーーーーー
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ーー
翌日
〜〜〜レッスン場〜〜〜
律子「ハァッ……ハァッ……ハァ」ゼ-ゼ-
一方通行「ほらよ」ポイ
律子「んっ……んぐ……」ゴクゴク
律子「ふぅー」
一方通行「散々嫌がってた割にはノリノリじゃねェか」
律子「そりゃあね。やるからには真剣にやるわよ……やよいにも迷惑掛けたくないし」
やよい「迷惑だなんてそんな……律子さんと一緒にやれて嬉しいです!」
律子「ふふ、ありがとう。……それで?アンタは暇なの一方通行?」
一方通行「ちっと様子見に来ただけだ、もォ行くよ」
律子「あの子たちのこと頼むわよ?」
一方通行「わーってるよ。お前はそンなの気にしねェで練習に打ち込め。今はプロデューサーじゃなくてアイドルなンだからよォ」バタン
律子「ったく、自分が引っ張り出したんでしょうが」
やよい「じゃあ、練習の続きやりましょーっ」ピョン
律子「も、もうちょっと休ませて……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜車内〜〜〜
一方通行「竜宮はやっぱトークにしても何にしても安定感あるよなァ。危なげねェっつゥか」
伊織「あったりまえじゃない」
亜美「フェアリーはそうじゃないの?」
一方通行「美希がポロっと言う時あるからなァ。アイツの場合わざとかもしンねェけど……貴音もいきなり素っ頓狂な事言いやがるし」
あずさ「あらあら〜」
一方通行「っと……着いたぞ亜美」
亜美「ありがと兄ちゃん〜、そうだ!真美呼んでくる?」
一方通行「別に呼ばなくていいだろォ。事務所で会ってンだから」
亜美「ふ〜ん、まいっか。じゃあねみんなお疲れぃ〜」ヒラヒラ
伊織「じゃあね」
あずさ「お疲れ様亜美ちゃん」
一方通行「お疲れさン」
ブロロロロロッ
伊織「そういえばアンタ最近真美と仲良いわよね」
一方通行「別に前から変わンねェだろォが」
あずさ「というより真美ちゃんが前よりもっと懐いた感じ?」
伊織「そうそう、それよ」
あずさ「モテモテねぇ一方通行ちゃん」
一方通行「モテモテって……お前らからみて真美以外に誰にモテてンだよオレは」
あずさ「まず美希ちゃんね」
伊織「貴音もそうでしょ」
一方通行「多分その2人とも好物の飯かオレだったら飯を取るだろォな」
あずさ「もう、そんな事言っちゃ駄目でしょう?」
一方通行「いやマジで。美希とかアイツ、数あるおにぎりの一つ食っただけでマジギレしやがったからな」
一方通行「ハニーなンて知らないの!ミキ、ハニーなンて大っ嫌い(裏声)とか言ってよォ」
伊織「似てないわよw」
あずさ「それでどうなったの?」
一方通行「何か小鳥さンに大量のおにぎり買って貰ったみてェで、そのおにぎりの束を満足気に抱き締めながらさっきはごめンねとか言ってきたよ」
あずさ「お腹空いてたのねぇ」
伊織「さっきの続きだけど、雪歩もそうよね?アンタはアンタで最近コーヒーより雪歩のお茶なんでしょ?律子が事務所にコーヒーが補充されないって嘆いてたわ」
あずさ「雪歩ちゃんのお茶は美味しいものね」
一方通行「確かに美味ェけど、違ェンだ」
伊織「?」
一方通行「あいつオレが缶コーヒー飲ンでンとジッと見てくンだよ。私のお茶なンて缶コーヒーに勝てるはずないよね……って」
伊織「……」
あずさ「そ、それだけ一方通行ちゃんに飲んで欲しいのよぉ」
伊織「ま、逆にアンタがお熱なのは千早みたいだけどね」
一方通行「そォいう言い方は止せや。ただほっとけねェだけだよ」
伊織「言っとくけどアンタ構い過ぎよ?この前なんて千早の代わりにiPodに曲入れてたじゃない」
一方通行「アイツ機械に弱いらしくてな。やり方分かんねェらしいからやってやったンだよ」
あずさ「千早ちゃん喜んでたわよ?前から興味あったんだけど多分自分じゃできないから中々手が出なかったけど、一方通行ちゃんがやってくれたって」
一方通行「そォか」フッ
あずさ(可愛い……)キュゥン
伊織「アンタって面倒見良いわよねぇ」
一方通行「そりゃお前もだろ」
伊織「わ、私はそんなんじゃないわよ」
一方通行「なァーにを恥ずかしがってンだかこのデコちゃンは」
伊織「アンタまでデコちゃん言うな!!」
一方通行(美希のが写った……)
あずさ「あらあら〜」
一方通行「着いたぜあずささン。ここで良いンだよなァ?」
あずさ「えぇ、大丈夫よありがとう」
一方通行「……明日迎えに行ってやろォか?そしたら迷子の心配もねェし」
あずさ「う〜ん、仕事に行く前にちょっと散歩するのが好きなのよねぇ……って、ちょっとワガママ過ぎかしら?一方通行ちゃんにも迷惑掛けてしまうし」
一方通行「いや、あずささンの好きにしてくれ。お前らにはストレス無く仕事して欲しいし、何よりアイドルに掛けられる迷惑なンてプロデューサー業務の一環だろ?」
あずさ「ふふ、ありがとう」ナデナデ
一方通行「撫でンな!」パシッ
あずさ「うふふふ相変わらず釣れないわ〜。じゃあ2人ともまた明日ね」
一方通行「あァ」
伊織「じゃあねあずさ」
ブロロロロロッ
一方通行「さて……お前は事務所で待ってりゃ迎えの車が来るンだよな?」
伊織「……帰りたくないわ」ポツリ
一方通行「……はァ?」
伊織「……なーんてね!もう今日は疲れたわ。さっさと事務所に帰りましょ?」
一方通行「どこに連れてって欲しいンだよ?」
伊織「……」
一方通行「言えよ伊織」
伊織「……誰もいない場所に連れていって、一方通行」
一方通行「……わかった」ブォ-ン
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「高速乗っけど、その前になンか買うか?」
伊織「いらない……」
一方通行「わかった」
伊織「どこ連れて行く気よ」
一方通行「誰も行ねェ場所に行きてェンだろ?」
伊織「そ、そうだけど」
一方通行「お前今の状況分かってンのか?」
伊織「?」
一方通行「自分の足は奪われて、密室で、助けもろくに呼べねェ、そンな所で女のお前が男のオレと一緒に居ンだぞ?しかも主導権を握られてな」チラ
伊織「へ、変態っ!///」ドキドキドキ
一方通行「ハァ……危機感持てって言ってンだよ。お前お付きの運転手にもこンな事頼ンでンじゃねェだろォなァ」
伊織「なんだ、そういう話?別にこんな事誰にでも頼むわけじゃないわよ。アンタには迷惑掛けていいんでしょう?」
一方通行「ならいいがよ……それに、この程度の事迷惑とは思わねェし」
伊織「当然よね。この伊織ちゃんと2人っきりでドライブできるんだから」
一方通行「まァ、そォだな」
伊織「……ちょっと、そこはいつもみたいに悪態つくとこじゃないの?」
一方通行「自分で言って何を照れてンだよお前は」
伊織「照れてない!」
一方通行「ンでェ?どォして家に帰りたくねェンだ?そろそろ教えてくれよ」
伊織「色々ストレスが溜まっただけよ……行く先々でアイドルじゃなくて水瀬のご令嬢扱いされるし……」
伊織「私知名度って観点から見て分不相応な仕事が多いのよ。何でか分かるでしょ?"水瀬"伊織だからよ……やってられないわ」
一方通行「覚悟の上だろ?」
伊織「けど良い気持ちはしないわよ……それで何だかなぁって思ってるところにお父様が……」
一方通行「お父様が?」
伊織「そんなに水瀬の名が付いて回るのが嫌なら手取り早く有名になるためにもっとでかい事務所に行けって……話も進めてるみたいなの」
一方通行「……」
伊織「そんなの絶対嫌!みんなと離れたくないし、何より水瀬の力を頼るなんて本末転倒よ!」
一方通行「お前が居なくなったら困ンなァ……」
伊織「わかってるわよ。竜宮小町に穴は開けられないわ」
一方通行「いや、そォじゃなくてよォ。オレがお前を近くで見れなくなンじゃねェか」
伊織「は、はぁ!?何言ってんのよあんた!!」
一方通行「そりゃそォだろ。オレはお前らのファンだしなァ……最初はアイドルとか知ったこっちゃねェって思ってたけどよ」
伊織「もぅ、何なの!本当に調子狂うわ///」
一方通行「みんなと離れたくねェって言ってみたらいいじゃねェか」
伊織「え?」
一方通行「今までの話聞く限りお前の親父はそンなお前の嫌がる事する奴だとは思わねェけどな」
伊織「でも……」
一方通行「駄目だったらそン時考えりゃ良いじゃねェか。なァに、心配すンなよオレがいる」
伊織「そうね、アンタが居てくれると思うと凄く心強いわ……凄くね」
一方通行「は、はァ?」
伊織「急に態度変えられると焦るでしょ?さっきの仕返しよ!」
伊織「でもそうよね……何もしないで逃げるなんて私らしくなかったわ。帰ってみたら話してみる」
一方通行「……着いたぞ」ガチャ
伊織「どこよここ……丘?」バタン
一方通行「着いてこい」スタスタ
伊織「?」スタスタ
伊織「うわぁ……!」
一方通行「すっげェ星だろ?デートの名所らしいぞ」
伊織「何でそんなとこに連れてくんのよ。アンタ私とデートしたかったの?」
一方通行「いや、アイドルが疲れてる時のリフレッシュ法の一つにデートスポット巡りって小鳥’Sマニュアルに……」
伊織(小鳥’Sマニュアルって何よ……)
伊織「デートスポットなのに人はいないのね」キョロキョロ
一方通行「本来のデートスポットはここよりもうちょい下にあンだ……流石にアイドルが男と2人でそォいうとこに居ンのは不味いからな」
伊織「なら心配いらないんじゃない?パッと見じゃ男って分かんないわよアンタ」
一方通行「へいへい」
伊織「それにしても本当に綺麗……」
一方通行「……」
伊織「ねぇ一方通行?」
一方通行「あン?」
伊織「私の言う事にお父様が納得してくれなかったとしたら……私と一緒に逃げてくれる?」
一方通行「どこまで?」
伊織「私とアンタの事を知ってる人間がいないとこまで……」
一方通行「……そン時クソガキが1人参加しても良いっつゥンなら一緒に逃げてやるよ」
伊織「学園都市で一緒に住んでた?それも面白そうね」
一方通行「そォならねェ事を祈ってるよ」
伊織「帰りましょうか。少し冷えてきたわ」
一方通行「冷えたンならさっさとそォ言えよ。オレに気遣いなンて期待すンな」バサ
伊織「バッ、いらないわよ///」
一方通行「うぜェな。黙って着てろ!風邪引かれても困ンだよ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
翌日
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
美希「それでねー律子…さんが怒っちゃったの」
一方通行「怒っちゃったの、っておめェが怒らせたンだろ」
美希「えぇー、ミキはアドバイスしただけだよ?」
一方通行「お前のアドバイスってマジで使えなさそォだもンな」
千早「まぁ確かに……否定は出来ないわね」
美希「むー、千早さんまでヒドイのー」
ガチャ
伊織「おはよう」
美希「デコちゃんおっはよーなの!」
千早「おはよう水瀬さん」
小鳥「おはよう、伊織ちゃん」
一方通行「よォ伊織……おら、てめェもいつまでもゲームしてねェでさっさと準備しろよ。もォすぐあずささンも来ンだろ」
亜美「うぅ亜美は兄ちゃんの記録を抜くまでこの手を休めるわけには……」ピコピコ
一方通行「くかかッ、てめェにゃあ抜けねェだろォなァ。真美にも言っとけ。もしオレの記録を抜けたらご褒美くれてやるよ」
亜美「言ったなー!!ピ、ピヨちゃんアドバイスを……」
一方通行「おっと、小鳥さンに頼るのは無しだ。そしたら直ぐに抜かされちまうからな」
亜美「くっ……」
千早「そんなところで私の声マネしないで」
小鳥(ゲーム、したかったなぁ……)
伊織「一方通行、ちょっと」クイ
一方通行「あン?」
伊織「昨日あの後お父様に話したの……アンタの言った通り納得してくれたわ」
一方通行「良かったじゃねェか」
伊織「そうね……けどまぁ、ちょっとだけ残念な気がしないでもないわ」チラ
一方通行「あァ?」
伊織「なーんてね!にひひっ♪」タッタッタ
一方通行「……」ポリポリ
美希「……」ギュウ
一方通行「何してンだよ……」
美希「デコちゃんの顔に嫉妬しちゃった。何かあったんでしょ?」
一方通行「まァな。ンでそれは取り立てて口にする程の事でもねェ……だから離れろ」ググ
美希「ヤーなーのー」グググ
小鳥(……)REC
亜美(ピヨちゃんまた隠し撮りしてる……)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜撮影スタジオ〜〜〜
一方通行「次亜美だからなァ。準備出来たか?」
亜美「バッチしっしょー」
一方通行「そン次はあずささン……ン?」
伊織「いないのよねぇ」キョロキョロ
亜美「そう言えばお昼の後から見てないよね……」
伊織「!!……961プロの仕業?」
一方通行「かァ?そンな不穏な空気は感じねェが……どっかで迷ってンじゃねェか?」
亜美「どっちにしろ心配だよ!」
一方通行「まァ、オレが探してくっからお前らはここにいろ。なンかあったら連絡してくれ」
亜美「アイアイサー」
伊織「わかったわ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行(あずささン電話繋がンねェ……まさかスタジオの敷地外に行ったわけではねェだろォし)
一方通行「お……」ヴヴヴヴ
一方通行「どこいンだよあずささン?……いや、別に迷ってンのは言われなくてもわかる……なンか目印になるもンねェか?」
一方通行「……コンビニだァ!?なンでスタジオの外行って……つゥかコンビニなンて目印にもなンねェよ!!……もしもし?……もしもし!?」
一方通行「切れやがった……」
一方通行(外か……まァ、あずささン歩きだし、そォ遠くまでは行ってねェだろ……上から探すか)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜ビルの屋上〜〜〜
一方通行(……)キョロキョロ
一方通行(ンだァ、あの集団は?……!中心に居ンのあずささンじゃねェか?)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜外〜〜〜
ガヤガヤ
あずさ「ど、どうしましょう?」
一方通行「どけコラッ!邪魔なンだよ!!……見つけたぞあずささン」
あずさ「一方通行ちゃん!」
一方通行「さァ、行くぞ?」グイ
あずさ「待って!」
一方通行「?」
老人「タクシー乗り場の場所はどこかのう?」
一方通行「……あのでかい建物が見えンだろ?それ目指してデカい通りだけ歩いてけばつく」
あずさ「あら〜、逆方向でしたねぇ。申し訳ございません」ペコ
老人「ええんじゃええんじゃ。アンタみたいな別嬪さんと歩けたんだから」
あずさ「まぁ」ニコ
子ども「うっひっく、ママはどこ?ママぁー!!」ビエ-ン
青年「是非先程のお礼を!」
黒服「あっ!見つけたぞあの女だ!」
店員「お客さん忘れ物です!」
男「助けてー女神様ー!!」
ワイワイガヤガヤ
一方通行「なンだこれは……」
あずさ「いつのまにか大変な事になってて」エヘヘ
一方通行「大変なンて騒ぎじゃ……」
ワーワーギャーギャー
あずさ「ごめんなさい。聴き取りづらくて、もう一回……」
ワーワーギャーギャー!
一方通行「……」ブチッ
一方通行「うるっせェェェェッッ!!」ドゴォン
あずさ(え、コンクリートに穴が……)
一方通行「てめェら!!何うちのアイドルに助け求めてンだコラァッ!!この道突き当たりまで進んで右曲がれ!」
一方通行「そのまま道なりに行きゃあ交番がある。助けて欲しいならそこ行けよ。後、泣いてるガキは……そォだなァ、てめェが連れてけ。いいな?」グイ
青年「は、はい」
一方通行「それ以外の奴等」チラ
黒服「……」
一方通行「は、もォいいや面倒くせェ。どォせ何かの勘違いだろ?……あずささン」ダキッ
あずさ「きゃっ」
あずさ「ア、一方通行ちゃん?」
一方通行「首の後ろに手ェ回せ。振り落とされねェよォにな」
あずさ「は、はい///」ギュウ
一方通行「飛ぶぞ……」キィィン……ドヒュン!
全員「……」ポカ-ン
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜空中庭園〜〜〜
一方通行「とりあえずここまで来りゃあ平気だろ」
あずさ「一方通行ちゃん……さっきのは」
一方通行「学園都市出身だからな。あァいう事も出来ンのさ。他の奴らには言うなよ。色々うるさそォだから」
あずさ「フフ、わかったわ」
あずさ「……あら?ここ、式場かしら?」
一方通行「庭園だが、式場にも使うらしいな。今日は結婚式やってねェみたいだけど」
あずさ「綺麗ねぇ。結婚式をするのならこういう場所でしたいわ」スタスタスタ
一方通行「おい、あンま動くなよ。あンたはマジでどォ迷子になるか予測がつかねェ」
あずさ「ごめんなさい……」シュン
一方通行「別に謝罪なンざしなくていい」
あずさ「私って駄目よね……いつまで経ってもこんなみんなに迷惑掛けて……もっとしっかりしないと」
一方通行「別にンな無理してしっかりしなくてもいいじゃねェかよ」
あずさ「でも……」
一方通行「そのほんわかしたとこがあずささンの良い所じゃねェか。あンたのその雰囲気にウチの事務所の奴らは助けられてンだから」
あずさ「そうなのかしら?」
一方通行「そォなンだよ」
あずさ「けど直ぐに迷子になってしまうし……」
一方通行「それがなンだよ。あずささンが何処にいようが何処まで行こうがオレが必ずアンタを見つけ出してやる」
一方通行「誰にも迷惑なンざ言わせねェし迷惑だなンて思わなくていい。だから心配すンなよ」
あずさ「あ///」キュン
あずさ(何だかプロポーズを受けたみたい。場所も場所だし)カァッ
あずさ「あぁ、もうどうしましょう///」ドキドキ
一方通行「おい、聞いてンの?」
あずさ「そうよね、一方通行ちゃん……ううん、一方通行君は男の子だもの。ちゃんは駄目よね」
一方通行「何を今更……まァ、君づけで呼ンでくれるにこした事はねェけど」
一方通行「つゥかそろそろ行こうぜあずささン?仕事の時間が迫ってンだ」
あずさ「あら、駄目よ一方通行君?」
一方通行「はァ?」
あずさ「最初に約束したじゃない。私が君って呼んだら呼び捨てにするって」
一方通行「あー、言ったかもしンねェな……」
あずさ「言ったの!だからほら、ね?」
一方通行「行くぞ…………あ、あずさ//」
あずさ「はい!」ニッコリ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
あずさ「という経緯があったんです」
小鳥「いーなー。私も一方通行君に呼び捨てにされたいです」
あずさ「言ってみたら案外やってくれるかもしれませんよ?一方通行君は優しいから」
小鳥「いえ、それが……頑なに呼び捨てにしてくれないんです」
貴音「それは一方通行が小鳥嬢を心より敬服しているからでしょう」
小鳥「そうなの?」
貴音「はい。一方通行は冗談で我々を貶める事はありますが小鳥嬢に関しての事は一度も口にした事がありません」
貴音「逆に我々が冗談で小鳥嬢を貶めようものなら烈火の如く怒ります」
あずさ「愛されてますね」
小鳥「えへへ///」
小鳥(っていうか私、貶められてるんだ……アイドルの子たちに)
貴音「故に……」
小鳥「?」
貴音「我々の中で小鳥嬢に良い感情を持つ者はごく少数です」
小鳥「!?……そんなぁ!!」ジワァ
貴音「うふふ、冗談ですよ」
小鳥「もぅ!」プンプン
貴音「ふふ、一方通行と話す内に冗談を言い合うのが癖になってしまいました」
あずさ「そういえば一方通行君は?」キョロ
小鳥「やよいちゃんと響ちゃんと一緒に給湯室でなにかしてるみたいですよ?」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「こンな感じか?」トントントン
響「そうそう、中々筋が良いさー」トトトトトン
一方通行「……」ペロ
一方通行「良いンじゃねェか?」
やよい「……」ペロ
やよい「ちょっと辛いかなーって」
一方通行「そ、そォか、どォすりゃ良いンだ?」
やよい「そういう場合はですねー……」
一方通行「……なるほど」ジ-
ーーーーーー
ーーーー
ーー
律子「ちょっと千早、アンタまたカロリーメイト?」
千早「お昼はあまり空腹にならないからこれで充分よ」
律子「とか言ってアンタ最近痩せたんじゃない?ちゃんと栄養には気をつけなきゃダメでしょう?」
千早「そういう律子だってコンビニ弁当じゃない」
律子「わ、私はほらアレよ!最近疲れてて朝起きれないだけよ!」
千早「私もそうよ」
律子「アンタそんなタイプじゃないでしょ……」
伊織「はい」スッ
千早「え?」
伊織「私のお弁当分けてあげる。水瀬の食品技術の粋を極めたものだからきっと頬っぺた落ちちゃうわよ?」
伊織「だからもっと太りなさいよ。見てるこっちが心配だわ……」
千早「そんな、大丈夫よ……でも、ありがとう水瀬さん。あなたの心遣いが本当に嬉しいわ」
伊織「だーかーらぁー……」
一方通行「おゥ、まな板女。相変わらず飯はサプリメントか?」
千早「……」イラッ
一方通行「ンなもンボソボソ食ってねェでこれ食え」ゴト
律子「これって……」
伊織「カレー?」
千早「こんなものどこから……」
響「それ、一方通行が作ったんだぞ!」
やよい「はい、初めて料理したのに上手です!」
律子「え、でも今までカレーの匂いなんて……」
一方通行「ン?そォなのか?」
一方通行(邪魔されたくねェから能力使ったンだよ)
律子「それ私も食べてみていい?」
一方通行「おゥ、勝手によそってこい」
律子「やたー」ルンルン
一方通行「そら、冷めねェうちに食えよ」
千早「いいわよ……」
一方通行「よくねェだろ。この前なンてフラついてやがったじゃねェか。抱き止めたの誰だと思ってやがる」
千早「アレは単なる寝不足よ」
一方通行「だとしても強ェ体になってもらわねェと困るンだよ……目指せ真の肉体」
伊織(無茶過ぎ……)
一方通行「それに食生活改善したら歌のレベルもアップすンだろ?」
千早「!」
一方通行「別に家で飯作れとは言わねェから、せめてここ来た時くらい、ものはオレが用意してやるから食えよ」
千早「わかったわ……いただきます」カチャッ
伊織「……」ホッ
響「じゃあ自分たちも食べようか」
やよい「いっただっきまーす!」
貴音「おや、芳しい香りがしますね」ヒョコ
一方通行「来たよ面妖腹ペコ女が」
貴音「!?その反応はあんまりではないですか一方通行!!」
小鳥「これ一方通行君が作ったの?」
あずさ「まぁ、美味しいそうね〜」
やよい「皆さんの分もありますよ!」
響「今日事務所にいる人数計算して一方通行が食材買ってきたんだもんな!……もちろん貴音も一杯食べられる量を」
貴音「一方通行……」ニコ
一方通行「まァ、お前らも自分で用意するより作ってもらった方が楽だろ?だからこれからはオレが作ってやる。昼時に事務所にいる奴に限るが。味の保証は……そこの2人だ」
やよい「一方通行さんは飲み込みが早いので教えがいがあります!」
響「もっともっとレパートリーを増やしてやるぞ一方通行!」
一方通行「おゥ」
小鳥(あ、てことは私毎日一方通行君の手料理食べられるんだ……やったー!!)
あずさ「あら?でも食費は?」
一方通行「経費で落ちンだろ」
伊織「え、平気なの?」
一方通行「ダメなンて言わせねェよ。お前らのおかげでかなり金儲けてンだから……なァ?」
律子「そうね。今のウチは資金的にみたら貧乏プロダクションの枠から大きく外れるし、社長も許可してくれると思うわ」
一方通行「そォいう事だから遠慮はいらねェよ」
伊織「お金の面は分かったけどアンタは平気なの?」
一方通行「あン?」
貴音「一方通行はただでさえ多忙の身。その上食事まで用意して頂くというのは……」
一方通行「べっつに平気だよ。むしろここ来る前よか健康だァ」
一方通行「つゥかよ……さっさと食わねェと昼休憩終わるぞ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
全員「ごちそうさまでした!」
律子「さぁて、仕事仕事」
一方通行「あ、お前の事務仕事全部終わらせといたぞ」
律子「え?」
一方通行「流石にアイドルやって、事務もやるなンてのはしンどいだろ?」
律子「一方通行ぁ……」ウルウル
伊織「まぁ、こいつがアンタが苦しむ原因作った張本人だけどね」
律子「あ、そうだった」キッ
貴音「大変美味しゅうございました。一方通行、貴方は本当に万能ですね」
小鳥「確かに何でも出来ちゃうわよね」
響「ま!自分の方が完璧だけどね!」
一方通行「ハッ……そォだなァ」
響「今馬鹿にしたろー!?」
一方通行「してねェ」
あずさ「一方通行君は良いパパになりそうね。ご飯が上手い男の人はモテるわよぉ〜」
やよい「はい!私もそう思います」
一方通行「オレが父親なンて想像もしたくねェよ」
千早「美味しかったわ。一方通行」
一方通行「おゥ」
千早「あなたは本当、どんどん変わっていくわね」
一方通行「……お前だって変わってるだろ?」
千早「どうかしら……自分では分からないわ」プイ
一方通行「……」
やよい「今日は私に付いてきてくれるんですよね一方通行さん?」
一方通行「おォ、やよいの新番組だからなァ」
千早「高槻さんの新番組?」
伊織「お料理さしすせそ、よね」
響「料理番組なのか?いいなぁ」
やよい「はい、そうなんです!緊張しますけど今から楽しみで」エヘヘ
千早(頑張って……高槻さん)フフ
一方通行「丁度良い機会だから学ばせてもらうぜェ先生?」
やよい「あぅ、余計緊張しちゃますよぉ」
律子「ちゃんと"私の分まで"仕事しなさいよ一方通行!?」
一方通行「あァーもォーうるっせェなァ。わかってるよ」ヒラヒラ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜スーパー〜〜〜
一方通行「いやァ、それにしても料理ってのは色々手間暇かけるもンなンだなァ。収録見てて感心しちまったよ」
やよい「タイトルを何回も噛んじゃいましたけど……」
一方通行「ン?別に良かったぜ?ディレクターも絶対使うっつってたし」
やよい「えぇー!?恥ずかしいですよぉ」
一方通行「大丈夫だろカワ……変ではなかったし」
やよい「?」
一方通行「つゥかマジでいいのか?オレも付いて行っちまって」
やよい「もちろんです!今日はもやしパーティの日ですけど、私の新番組の初収録を記念して……なんとキャベツも入れちゃいます!」
やよい「だから一方通行さんにも来て欲しいんです。もしかして嫌でしたか?」
一方通行「嫌なわけねェだろ?にしても記念か……ならオレは記念に肉買ってってやる」
やよい「えぇ!いいですいいですお肉なんて!!」
一方通行「オレだって祝いたンだよ。好意には黙って甘えとけ」ポン
やよい「一方通行さん……」
一方通行「さ、さっさと買い行こうぜ?弟たちも腹空かせてンだろ?」
やよい「はい!」ニカッ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜外〜〜〜
やよい「あ、ここの小学校に私も通ってたんですよ」
一方通行「へェ、そォなのか?」
やよい「はい…………あれ?」
少年A「なんとか言えよ高槻!」ドガ
長介「ぐっ」
少年B「本当の事だから怒ったんだろー?」バキッ
長介「うぐっ」
やよい「あなたたち何してるの!?」
少年C「やべぇアイドルの姉貴が出てきたぞ!逃げろー!!」
一方通行「……」
やよい「長介!!長介どうしたの?ケガしてるよ?ここも、ここも!」ソッ
長介「触るなっ!」パシン
やよい「えっ?」
長介「姉ちゃんには関係ないだろ!?ほっといてよっ!!」
やよい「何でそんな事言うの?私たちは家族なのに……」
長介「くっ!」ダッ
やよい「っ!待って長介!!」
一方通行「やよい、オレが行く」
やよい「一方通行さん?」
一方通行「こォいうのは男同士の方が良いンじゃねェか?お前は飯の準備しててくれよ。これでもすげェ楽しみにしてンだぜ?お前ンちのタレは特別なンだろ?」
やよい「でも…………はい、長介をよろしくお願いします。一方通行さん」
一方通行「任せなァ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜土手〜〜〜
長介「うぅっ、ひっく、ひっ」ポロポロ
一方通行「また随分とベタなとこで泣いてンじゃねェか」
長介「!!」キョロキョロ
一方通行「心配しなくてもお前の姉ちゃんはいねェよ」
長介「あんたは姉ちゃんと一緒にいた?」ゴシゴシ
一方通行「一方通行、姉ちゃンのプロデューサーだよ」
長介「プロ、デューサー……」
一方通行「オレの事はどォでもいい。それよりお前何があったンだ?」
長介「……」
一方通行「別に姉ちゃンに告げ口したりしねェから安心しろよ。それにオレだったら助けになれるかもしンねェぜ?」
長介「…………じつは」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「なるほどなァ。あのガキ共がやよいの事馬鹿にしやがったからとっちめようとして逆にやられたわけか」
長介「うん、姉ちゃんには言えないよ。きっと傷つくから」
一方通行「……悔しいから泣いてたのか?」
長介「悔しいよ……姉ちゃんは俺たちの為に頑張ってくれてるのにそれを馬鹿にされて何も出来ないなんて」
一方通行「ふゥン……イイなァお前……良い男じゃねェか」
長介「え?」
一方通行「長介っつったなァ?殴り合いのやり方教えてやる」
長介「大人が子どものケンカの協力していいの?」
一方通行「別にオレは善人じゃねェしなァ、ンなの関係ねェよ。で、やンのか?やらねェのか?」
長介「やる……」
一方通行「良し」
一方通行(あの野郎にぶっ飛ばされた時を思い出せ……確か)
一方通行「拳の握り方はこォだ」
長介「こ、こう?」
一方通行「おゥ、後は……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
長介「えいっ」ブンッ
一方通行「効かねェなァ」パシ
一方通行「腕じゃねェ……腰を回すンだ。腰で打て」
長介「ふんっ」ブォンッ
一方通行「良い感じだ」パシ-ンッ
一方通行「よし、じゃあやり行くぞ」
長介「えっ?」
一方通行「何だよ?別に明日に持ち越す必要ねェだろ。それに……大体連中が溜まりそォな場所は見当ついてンだろ?」
長介「それは、うん」
一方通行「なら行こォぜ?大丈夫。死にはしねェンだからどォとでもなる」
長介「……」
一方通行「……怖ェか?あっちは3人がかりだもンなァ」
長介「怖い……けど、姉ちゃんを馬鹿にされたままの方が嫌だ」
一方通行「ククッ、その気持ちがあンなら平気だ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜公園〜〜〜
長介「お前ら!!」
少年A「ちっ、また来たよ」
少年B「しかも今度は大人連れて……ダッセー!」
一方通行「心配すンなよガキ共。オレはここで見てるだけだ……なァ長介?」
長介「お前らなんかオレ1人で勝てる」
少年C「そうか……よっ!」バキ
長介「くっ……うぉおおお!!」
一方通行(手ェ出さねェとは言ったものの……3人相手じゃあなァ。アイツには華ァ持たせてやりてェ…………状況次第だな)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
長介「はぁ……はぁ……」
一方通行「結構いいパンチもらっちまってンなァ……そら、いつまでもそンなとこに寝てると服が汚れるぜ?」グイ
長介「あ、ありがとう兄ちゃん」
一方通行「誇れよ、お前の勝ちだ。あいつら逃げ帰りやがったからな」
長介「そっか……俺勝ったんだ」
一方通行「本当の事言うとよ、オレはお前がヤバくなったら手助けするつもりだったンだよ。だから……まさか3人相手にあァも立ち回れるとはなァ」
長介「自分でも良く分かんないよ。ただ、姉ちゃんが馬鹿にされたままじゃ絶対嫌だから無我夢中で……」
一方通行「あァ、何が何でもって感じはあの野郎を思わせたぜ……」
長介「?」
一方通行「っと、お前には関係ねェ話だ気にすンな。さァ帰るか。腹減ったろ、姉ちゃんが飯作って待ってンぜ?」ポン
長介「うん!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜やよい宅〜〜〜
やよい「長介!さっきよりも傷増えてるじゃない!何があったの!?」オロオロ
長介「それは……男同士の秘密だよね兄ちゃん?」
一方通行「そォだなァ。これはやよいにも言えねェなァ」
やよい「もー!何ですかそれ一方通行さんまで!!」
一方通行「まァ、そォいうなよ。お前が心配するよォな事はねェから……ほら長介、姉ちゃンに何か言う事あンじゃねェのか?」
長介「うん。姉ちゃんさっきはヒドイこと言ってごめん。学校でちょっと嫌な事あったんだ。あ、でも心配しないで!兄ちゃんのおかげで解決したから」
やよい「え、一方通行さんの?」
一方通行「オレは別に何もしてねェ。それよりほら他の家族を紹介してくれよ。やよいンちは大家族なンだろ?」
やよい「は、はい!こっちの部屋に来て下さい、みんな揃ってるんで!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜外〜〜〜
一方通行「いいからお前家帰ってろよ」
やよい「いえ!お送りします!」
一方通行「夜道をお前1人で歩かせらンねェだろ」
やよい「いいんです。ちょっと歩きたい気分なんです」
一方通行「ハァ……じゃあそこら辺散歩しようぜ、それでいいンだろ?」
やよい「いいんですか一方通行さん?明日も早いんじゃ……」
一方通行「別に平気だ」
一方通行「……それにしても飯美味かったなァ」
やよい「はい!お肉凄く美味しかったです」
一方通行「いや、肉よりタレが美味かった。今度また作り方教えてくれよ」
やよい「もちろんです!」
一方通行「……」スタスタ
やよい「……」トコトコ
やよい「長介がすいませんでした。一方通行さんに何かずっとベッタリしてて……」
一方通行「別に構わねェよ。オレも男のガキと話すのなンて新鮮だったし」
やよい「けどいーなー長介は」
一方通行「ン?」
やよい「だって新しいお兄ちゃんが出来たみたいにはしゃいでました。私もお姉ちゃんかお兄ちゃん欲しかったです……」
一方通行「ならオレがお前のお兄ちゃンでいいじゃねェか。長介の兄貴分がオレなら当然やよいの兄貴分もオレだろ」
やよい「ア、一方通行さんがお兄ちゃんですかーっ?」
一方通行「ンだよ嫌なのか?」
やよい「そ、そんなことないです」ブンブン
一方通行「お姉ちゃンにしてもウチの事務所に一杯いるじゃねェか。誰かしら捕まえてお姉ちゃンって呼ンでみたらどォだ?」
やよい「そんな……迷惑じゃないですか?」
一方通行「全員アホみてェに喜ぶンじゃねェの?……ちなみにやよいがお姉ちゃンって呼ぶとしたら誰選ぶンだ?」
やよい「うーん、春香さん、かなぁ」
一方通行「えェ、春香かよ……」
やよい「え、ダメですか!?春香さんが本当のお姉ちゃんだったら嬉しいかなーって」
一方通行「そォかァ?」
やよい「じゃあ、一方通行さんだったら誰にお姉ちゃんになって欲しいですか?」
一方通行「どォだろォなァ……やっぱ小鳥さンかァ?あの人がガキの頃からいたらオレの性格もちっとはマシだったかもなァ」
やよい「事務所全体が家族って考えると面白いですよね」
やよい「お父さんが社長で、お母さんが小鳥さんです!」
一方通行「本人に言ったらキレそォだけどな。長女はあずさか?」
やよい「はい、基本的に年齢順で」
一方通行「つったらオレと千早と響は三つ子か……ハハッ、春香が姉貴はうぜェだろォなァ」
やよい「うっうー!小鳥さんは子沢山ですね!」
一方通行「社長の経済能力じゃ一家まとめて路頭に迷うだろォな」
やよい「そこは長男の一方通行お兄ちゃんが家族のために頑張るんです……あ、現実と変わらないですね!」ニコ
一方通行(たまに毒吐くよな……邪気があンのかどォかは知らねェけど)
一方通行「つゥか、家族だったとしても立ち位置とか関係性は大して変わンねェだろォな」
やよい「だったらそれってすっごく素敵な事です」
一方通行「そォかもしンねェなァ……」
一方通行「そォいや兄貴が出来たらやって欲しいこととかあンのか?」
やよい「あ、あるにはありますけど……」モジモジ
一方通行「遠慮しねェで言ってみろよ」
やよい「肩車して欲しいかなーって……」
一方通行「肩車?分かった、じゃあ行くぞ?」
やよい「は、はい」
一方通行(能力使うか……)グォン
やよい「わぁー!」キラキラ
一方通行「肩車なンかで良いのかよ?」
やよい「良いんです!この前かすみにやってあげた時すっごく喜んでて、私もやって欲しいなぁって思ってたんです」
一方通行(あの体格差で持ち上げたのか……やよいって結構力持ちなンだな)
やよい「あの、一方通行さん!このまま走ることって出来ますか!?」
一方通行「別に出来っけど、いいのかよ?結構怖いンじゃねェの?それにお前高所恐怖症だろ?」
やよい「大丈夫です!やっちゃって下さい!」
一方通行「……しっかり掴まっとけよ?」ダッ!
やよい「きゃー!!」ケタケタケタ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
やよい「ありがとうございました」ガル-ン
一方通行「こンなンで良かったのかよ」
やよい「はい、嬉しかったです!」
一方通行「まァ、お前もどっちかつゥとあンま人に頼ンないタイプだけどよ……たまにはこうやって甘えていいンだぜ?オレはお前のお兄ちゃンだからなァ」ナデ
やよい「一方通行さん……」
一方通行「お前はホントすげェよ。まだ中坊なのに家事だの何だの全部こなして……しかも金まで稼いでるときた」
やよい「そんな、凄くないですよ……まだ出来ない事の方が多いです」
一方通行「その出来ない事をオレがやってやる……別にプロデューサーだからって訳じゃねェ。単純にオレはお前の助けになりてェのさ」
一方通行「お前だってまだガキなンだからもっと自分のやりてェ事をしていいンだよ」
やよい「でも……」
一方通行「長介だって、アイツもっとお前に頼って欲しいンだろォぜ?これからはちょっとずつ頼ンでみろよ」
やよい「そうでしょうか?」
一方通行「あァ、アイツも男だからな。お前の為に何も出来ねェのが悔しいのさ」
やよい「帰ったら言ってみます……」
一方通行「おォ、そォしとけ」
やよい「でも一方通行さん、私は自分のやりたい事は出来てます!」
一方通行「あン?」
やよい「弟たちの面倒を見て、事務所のみんなと一緒にお仕事して、一方通行さんとこういう風にお喋りして……そういうのが凄く好きなんです!だから私は重荷にだなんて思ってません!」
一方通行「……そォか、ならオレはお前の楽しいひと時を奪わねェようにこれからも良い仕事取ってこなきゃなァ」
やよい「はい、私も頑張りまーすっ!」ウズウズ
一方通行「ハイ……」スッ
やよい「ターッチ!いぇい!」パァン
一方通行「さて、お前ンち着いたし、そろそろ散歩も終わりだな」
やよい「はい、ありがとうございました一方通行さん」
一方通行「おォ、じゃあまた明日な」
やよい「はい、おやすみなさい」ガル-ン
一方通行「おォ」ヒラヒラ
一方通行「にしても……」ポリポリ
一方通行(なンつゥか、こっちが励まされた気分だ……アイツはやっぱお姉ちゃンなンだなァ)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
一方通行「……」グッタリ
伊織「情けないわねぇ、なにグッタリしてんのよシャキッとしなさい!」
一方通行「真と千早に言え……アイツらのトレーニングに無理矢理付き合わされたンだよ。しかも取引き先の奴がミスったからオレが尻拭いして今日寝てねェンだよ」グデ-ン
小鳥「寝ててもいいのよ?」
一方通行「もォすぐ打ち合わせあるンで……」
小鳥「あれ?そういえば一方通行君の最後の休日っていつだっけ?」
伊織「そんなもん無いわよ。コイツ、社長に休日はいらないって言ったんだから」
小鳥「えぇ!?」
伊織「律子と美希が働かせ過ぎだって社長に直談判しに行ったのよ。そしたら一方通行がそんなもの必要無い、大きなお世話だって……ねぇ?」
一方通行「おォ……」
小鳥「そうなの……」
小鳥(でも本人が良いって言ってもやっぱ無理あるわよね……社長に会った時に報告しとこう)
やよい「大丈夫ですか一方通行さん?」
一方通行「……大丈夫じゃない」
伊織「しょうがないわねぇ、この伊織ちゃんが……」
やよい「何か私に出来る事ありませんか!?」ガバ
一方通行「別にいい……それについこの前オレに頼れって言ったのにお前に頼ったら情けねェ」
やよい「そんな事ないです!私は一方的に助けられるより、お互いに助け合いたいです!」
一方通行「……」
一方通行「じゃあ何か言った後に自分の名前を2回言ながらその時の行動や内心を喋ってくれ……そォすりゃ元気出るから」
やよい「えーっと、これで元気が出るんですかーってやよいはやよいは一方通行さんに話しかけます」
一方通行「……」ナデナデ
やよい「ひゃっ」
小鳥(喋り方フェチ?)
あずさ「まぁ、それって何かの遊び?ってあずさはあずさは頭を撫でてみるわぁ」ナデナデ
美希「ミキがハニーに元気注入してあげるね!ってミキはミキはハニーをギュウっと抱き締めるの!」ギュウ
一方通行「……」
伊織「伊織は、伊織は……」ボソ
小鳥「ん?何か言った伊織ちゃん?」ニヤニヤ
伊織「!!何も言ってないわよっ!!」
美希「元気出たー?ハニー?」
一方通行「……」グッタリ
やよい「わー!美希さん首絞まってます!」
美希「あっ」バッ
一方通行「ゴホッ……」
美希「ご、ごめんハニー」
やよい「もう、抱き締めるんならちゃんと抱き締める場所選ばないとメッ、ですよ?」
美希「面目無いの……」
真美「兄ちゃん平気ー?」ピョコ
一方通行「何をワラワラ集まってきてンだお前らは……あとアンタはいつまで頭撫でてンだよ」ガシ
あずさ「あら」
一方通行「チッ、どいつもこいつも……ありがとうなやよい。お陰で元気出たぜ」
やよい「兄貴分を助けるのは当然ですっ!」
春香「ぶっ」
伊織「アンタやよいに何教えてんのよ!!」
一方通行「別に教えたわけじゃ……」
小鳥(やよいちゃんが漢らしい言葉使うとギャップで可愛いわねぇ……そういう仕事増えないかしら)
亜美「おーっとやよいっちぃ!我ら双子から兄ちゃんの妹ポジションを奪う気かい?そう簡単に妹になれると思ったら大間違いだよ!ね、真美?」
一方通行「ポジションもクソもねェだろォが」
真美「別に、真美は兄ちゃんの妹になんかなりたくないよ……」
亜美「え……?」
一方通行「!?」ガ-ン
真美「ほら、妹なんかより兄ちゃんをこのセクチービームでメロメロにした方が面白いよ」
亜美「だ、だよね!兄ちゃん亜美欲しいゲームがあるのぉ」アハ-ン
美希「ハニーは色仕掛けになんか負ける人じゃないの!」
あずさ「そうよねぇ……いっつも暖簾に腕押しって感じだものね」ハァ
美希「え?……試したのあずさ?」
あずさ「……」
春香「聞いた?真美は一方通行のお兄ちゃんにだけはなりたくないって」ボソボソ
一方通行「……」ギュ
春香「いっ!?いはいはいはいぃ!」
小鳥「ア、一方通行君!顔はつねっちゃダメよ!」
一方通行「……すンませン」パッ
春香「くぅぅ」ヒリヒリ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
真美「ねぇねぇお姫ちん」
貴音「なんでしょう真美?」
真美「あのねぇ、兄ちゃんに何かあげたいんだけど何なら喜ぶかな?」
貴音「何とは……なんです?」
真美「この前兄ちゃん疲れてたっしょー?だから元気出して欲しいんだよ〜」
貴音「その気持ちだけで一方通行は喜ぶと思いますが」
真美「形に残る物があげたいの!お姫ちんなら兄ちゃんのこと詳しいでしょ?」
貴音「皆そう申しますが皆が言う程私も知りませんよ。一方通行は秘密主義ですしね……真、困った方です」フフ
真美「えーお姫ちんがそれ言う?」
貴音「いっその事本人に聞いてしまえばいいのでは?」
真美「それじゃあサプライズじゃなくなっちゃうじゃん」
貴音「はて……さぷらいずとは」
亜美「なになにー何の話してんの〜?」
貴音「おや亜美、今ですね……」
真美「わーストップお姫ちん!亜美に言っちゃダメだよ!」
亜美「えーなにそれー」
貴音「そうなのですか?」
真美「うん、てゆうか誰にも言っちゃダメだよ!もう真美行くから、また相談に乗ってね」ダッ
貴音「はぁ」
亜美「……」
一方通行「おい亜美、まだ打ち合わせの途中だろォが」
亜美「うん……ごめんね兄ちゃん」
一方通行「?」
貴音「ときに一方通行、今日のお昼ご飯は……」
一方通行「もォ作り置きしてある……ちなみにラーメンではねェぞ?」
貴音「構いませんよ。作ってくれるというだけで心が奮い立つというものです。感謝こそすれ不満など……」
貴音「ですがしかし、一方通行が作ったらぁめんを一度は食してみたいと思うのもまた本心……」ハァ
一方通行「一応栄養バランスが良いメニューにしてっからなァ、その機会はねェンじゃねェか?」
貴音「そこを何とか!」ズイ
一方通行「嫌だ、つゥか無理だ……お前の事だからスープのダシから作れとか言うだろ?用具もねェし、ンなの手間掛かり過ぎンだよ」
貴音「ふむ……」
一方通行「もォいいか?時間ねェンだよ。おい、行くぞ亜美」
亜美「うん」
貴音(用具ですか……幾らくらいするのでしょう?真美に倣い私もぷれぜんとしてみましょう)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜公園〜〜〜
亜美「今日テレビ局で収録だよね?なんで公園?」
一方通行「いや、なんか元気ねェみてェだから気分転換に連れてきた」
亜美「わざわざそんなのしてくんなくていいよ」
一方通行「まァそォ突き離すなよ。来ちまったンだからもォ遅ェし」
亜美「兄ちゃんが勝手に連れてきたんじゃん」
一方通行「あーうるせェ……飲みモン買ってやるよ何にする?」チャリンチャリン
亜美「サイダー……」
一方通行「ほらよ」ポイ
亜美「ありがと」パシ
一方通行「……」プシュッ
一方通行「でェ?何をお前は真美にムカついてンの?」ゴクゴク
亜美「……なんでそこで真美が出てくんの?」
一方通行「そりゃあお前がおかしくなンの真美と喋った後だし」
亜美「……」
一方通行「なンだァ?学校で好きな奴とか取り合ってンのかァ?」ケタケタ
亜美「違うよ……最近真美がなに考えてるかわかんないんだよ」ションボリ
一方通行「はァ?」
亜美「いつもなら真美と喋んなくても真美が思ってる事は何となくわかんのに……もう分かんなくなっちゃったんだよ」
一方通行「分かんねェなら直接聞きゃいンじゃねェの?」
亜美「真美は何も教えてくれないんだよ。家でもコソコソしてる時あるし、今日だってお姫ちんと何か喋ってたみたいだけど亜美が話に入ったら話すのやめちゃった」
亜美「亜美、真美に怒られるようなことしちゃったのかなぁ」ジワァ
一方通行「心当たりでもあンのか?」
亜美「……」ブンブン
一方通行「ならそォじゃねェンだろ。真美が怒ってる風でも無かったし」
亜美「兄ちゃんに分かんの?」
一方通行「お前らの面ァみたら大体の喜怒哀楽は分かる」
亜美「そうなんだ……じゃあ何で亜美には教えてくれないんだろう?」
一方通行「まァ、アイツも大人になってってるっつゥ事じゃねェの?」
亜美「?」
一方通行「そりゃそォだろ。お前らだっていつまでも一緒の考えで一緒の行動って訳にも行かねェだろォし、何よりそォいうのが嫌だから真美も双海真美としてアイドルデビューしたンだろ?」
亜美「そうだけどさ……」
一方通行「なら、それで良いじゃねェか」
亜美「……良い?何が良いの?真美の事が分かんなくなるのが大人だから!?何それ?兄ちゃんは何もわかってない!!」
亜美「いつまでも一緒じゃないなんて分かってるよ!でも亜美は嫌なんだよ!!真美の事が分かんなくなんなら亜美は大人になんてなりたくないっ!!」
一方通行「……」
亜美「……」フ-フ-
一方通行「それでも人間は大人になっていくンだよ」
亜美「やだぁ……やだっ!」ポロポロ
一方通行「何を泣く必要があンだよ亜美?お前は一つ勘違いしてる」
亜美「え?」
一方通行「お前の想像した未来はこれから先真美の事を全く理解できねェってンだろ?そォじゃねェよ」
亜美「何が違うの?」
一方通行「別に大人だろォがなンだろォが、相手の気持ちは察せれる……オレとか律子達だってそォだろ?」
亜美「うん」
一方通行「お前は今迄が理解出来過ぎたンだよ。双子故にかもしンねェが。だから今は理解できねェンじゃなくて戸惑ってるだけだ」
亜美「戸惑い?」
一方通行「あァ、まァ焦りっつってもいいのかもしンねェけど……けどそりゃそォだよなァ、生まれた時から一緒の相方が急に変わったらそりゃビビるわ」
亜美「うん……」
一方通行「けど、ちょっと前まで真美もお前と同じ気持ちだったンだろォぜ?」
亜美「どういうこと……?」
一方通行「双子の妹が世間的には自分より知名度あってよ、しかも竜宮小町ってユニット組んでライブでTVで大活躍……真美は置いていかれた気持ちになってたンだろォな」
亜美「あ……」
一方通行「けど、アイツは一皮剥けた。周囲の糞みてェな雑音も振り切って自分は自分だ、自分はここにいるって、存在の証明をしたンだ」
亜美「あ、亜美は……真美に……」
一方通行「別にお前が罪悪感持つよォな事じゃねェ……お前は実力で選ばれたンだし、双子でアイドルやってる以上いずれは片付けなきゃなンねェ問題だった」ポン
亜美「兄ちゃん……」
一方通行「だから、お前もちょっとずつ自分のペースで成長して、変わって行ったらいい……」ナデナデ
亜美「うん……」ジワァ
一方通行「ッ!?な、なンでまた泣くンだよ」アタフタ
亜美「だってぇ、慰められると……ひっぐ、なぎだぐなるんだよぉ〜」ギュウウウ
一方通行「おォーよしよし」ナデナデ
亜美「うわぁぁーん!!!」ポロポロ
一方通行(キレ方から抱き癖まで姉妹一緒かよ……あ、真美はオレから抱きしめたのか)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「ほら、これで涙拭けよ」スッ
亜美「ありがと……兄ちゃんハンカチなんて持ち歩いてんだね」フキフキ
一方通行「律子に持たされた。社会人なンだからそォいう細かい所もちゃンとしろって」
亜美「そうなんだ……あ!仕事の時間!!」
一方通行「心配すンな。今から向えば良い塩梅だ」
亜美「……」
一方通行「なンだよ褒めろよ。兄ちゃンの時間の配分の仕方は最高だね!って」
亜美「だからムカつくんだよ!何か兄ちゃんの手の平の上で踊らされたみたい!亜美は女のリーサルウェポンまで出させられたのに!!」プンスカ
一方通行「ンなの別に偶然だよ……お前がまだ腹の中のもン吐き出しきれてねェよォだったら仕事すっぽかす覚悟もしてたしな」
亜美「むぅー!!そういうセリフがポンポン出てくるのがムカつく!兄ちゃんって女の敵だよ!!もやし!!」
一方通行「亜美がもやしを馬鹿にしたってやよいにチクってやろ」
亜美「いーよー、なら亜美はミキミキに兄ちゃんに口説かれたって言うから」
一方通行「やめろよ。めっちゃ面倒くさそォ……」
亜美「そうだ、兄ちゃん。真美に亜美が泣いてたって絶対言っちゃダメだからね!」
一方通行「まァ元々言う気もねェけど、分かってる」
亜美「絶対だよ〜?………あ!」
一方通行「今度はなンだァ?」
亜美「亜美も真美に言えない秘密が出来ちゃったよ〜」
一方通行「これは秘密の内に入んのか?」
亜美「入るっしょー、亜美は大人としてちょびっとレベルアップしたよ」
一方通行「はいはい」
亜美「……あんがとね兄ちゃん」
一方通行「ン?」
亜美「胸の中がスッとした、兄ちゃんやっぱ頼りになるよ……だからさ、もし亜美が……」
一方通行「お前がまた壁だの何だのにブチ当たったらまたこォやって話そォぜ、何度でもよ」
亜美「……うん!」パァ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
伊織「キーッ!!いい加減961プロには腹が立ってきたわ!!」
真「いい加減も何も最初っから怒ってたじゃないか」
伊織「最初よりもっと上よ!!最近の嫌がらせの量は半端じゃないわ!」
一方通行「まァ、オレンジジュースやるから落ち着けよ」スッ
伊織「何よ、アンタだってこの前青筋立ててたじゃない」チュ-
雪歩「あんまりお外で怒っちゃダメだよ一方通行君」
一方通行「いや未遂だったし……」
ア-イシ-テルアイシ-テルボクハイマ-デモ-♪
一方通行「ン、美希からだ」パカッ
真「……」
伊織「……ちょっとぉ?冗談にしてわタチが悪過ぎるんじゃないかしらぁ」ピキピキ
一方通行「はァ?何がだよ?」
伊織「その着信音よ!!」
一方通行「あァ……いやだってお前らが着信音味気ないから変えろっつったンじゃねェか」
真「にしたってさぁ、何でわざわざジュピター?」
伊織「そうよ!それに私は着信音はDIAMONDにすればって言ったのよ!……いいえ、百歩譲ってウチの事務所の誰かの曲ならまだ許せてたわ。こいつらは敵なのよ!?」
一方通行「敵って……別にコイツ等、上から嘘の情報教えられてるだけだろ?なら敵じゃねェよ。それに普通に良い曲だしな、恋をはじめよう」
伊織「961に居るんだから敵よ!敵敵!」
一方通行「なンでそォ目の仇にするかね」
雪歩「一方通行君はジュピターの事好きなんだね」
一方通行「まァな。アイツ等の仕事に対する姿勢は中々イイぜ?オレはプロ意識が高けェ奴が好きなンだ」
伊織「ハンッ、自分達が騙されてるとも知らないでのうのうと騒ぎ立てるなんてただの二流よ」
一方通行「騙されてる……か。まァお前らもアイツ等と同じで社長に騙されてるけどな」
伊織「……どういうことよ?」
一方通行「お前らマジでこっちがなンもしてねェのにこンなに粘着されてると思ってンのか?」
真「え?」
一方通行「なわけねェよなァ?オレも道理に合わねェと思って調べたンだよ。そしたら……」
雪歩「……」
一方通行「真っ黒だったよ……正直お前らにいつ言うか迷ってた……小鳥さンも知らねェみたいだったしな」
真「そ、そんな……」
伊織「嘘よ……社長はそんなことしない……」
一方通行「信じられねェか?無理もねェ……オレだってそォだったよ」
伊織「嫌よ……そんなの嫌」ガクガク
ぺシンッ!
一方通行「いてっ」
貴音「戯れもそこまでにしたらどうです?」
真「貴音?」
雪歩(あ、やっぱ冗談だったんだ)
伊織「え、嘘……だったの?」
貴音「ですよね一方通行?」
一方通行「おォ」
伊織「!!……バカバカバカバカァッ!!何下手くそな演技してんのよぉ!」ポカポカポカ
一方通行「ガッツリ騙されてたじゃねェか……まァでもジュピターが何で騙されたままなのか分かったろ?」
伊織「何がよ!?」
一方通行「お前が社長を信じてるように、ジュピターも自分とこの社長を信じてんだ」
伊織「……」
一方通行「だからそォ文句言ってやンな……つゥ事で着信音の変更は無しだ」
真「もしかして着信音を変えるのが面倒臭いからこんな事したの?」
一方通行「それと、憂さ晴らし?」
伊織「変態っ!!」パシンッ、パシンッ
一方通行「よせ」
雪歩「でも避けないんだね」
貴音「一方通行なりに罪悪感があるのでしょう」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行(あァーやっと解放された……後から亜美と真美も来やがったし)コキコキ
響「あれ、一方通行今日は事務所にいるの?」
一方通行「いや、律子とやよい待ちだ。アイツ等が来たらすぐ行く」
響「ふぅん、じゃあ今サーターアンダギー食べる?今日のは自信作だぞ!」
一方通行「いや、いいや寝っ転がってる……」ゴロン
響「何だ食べないのか……まぁいっか!あっちでみんなで食べてるから欲しくなったら言ってよ!」
一方通行「おォ」
響「みんなー!」
ワイワイキャッキャッ
一方通行「……」チラ
亜美「知ってた?サーターアンダギーって牛乳と一緒に食べるとめっちゃ美味しいんだよ」
真美「えぇ?それはちんすこうじゃない?」
亜美「あり?そうだっけ?」
響「サーターアンダギーと合うのはさんぴん茶だぞ!今日はさんぴん茶も持ってきたさー」
亜真美「やったー!」
一方通行(亜美はもォ真美とわだかまりは無くなったみてェだな)フッ
一方通行(他の奴等も問題なさそォだし……ン?)
小鳥「ふぅ……」グッタリ
一方通行(小鳥さン疲れてるみてェだな。無理もねェ、アイツ等も有名になってきて小鳥さンの仕事もどンどン増えてきてる。何かできねェかな……)
小鳥「はぁーあ……」
小鳥(流石に徹夜でゲームやるのもそろそろ辛い年かなぁ)ノビ-
一方通行(そォいやマニュアルに……いや、でもアイツ等の前でやンのは流石に……待てよ?逆に2人きりでやる方がやべェよな)
一方通行(なら覚悟決めろ。恥ずかしがるンじゃねェ!てめェは小鳥さンになンの恩も返さねェつもりか一方通行!!…………よし)スクッ
貴音「……何やら不穏な気配が」
響「え?」
小鳥(仕事したくないなぁ……)カタカタ
一方通行「……」ダキッ
小鳥「えっ///」
一方通行「後はオレに任せて……寝てろよ小鳥」ボソッ
全員「!?」
伊織「ばっ!?何してんのよこの変態っ!!」
小鳥(に、妊娠した………今絶対耳から妊娠した)トロ-ン
伊織「アンタ何考えてんの!?ばっかじゃないの!!」
真「セクハラだよ一方通行……」
亜美「兄ちゃんは男の人なのにエッチじゃないなぁって思ってたけど、実はその真っ白い体にどす黒い性欲を溜めてたんだね……」
一方通行「ち、ちっげェよ!オレは小鳥’Sマニュアルに則ってだなァ」
雪歩「小鳥’Sマニュアル?」
伊織「またそれ?ちょっとそのマニュアル見せてみなさいよ!」
一方通行「……」ガラッ
一方通行「ほら、丁重に扱えよ?」スッ
伊織「どれどれ……」パラパラッ
響「あ、ここじゃないか?なになに……事務員が辛そうな時は後ろから優しく抱き締めて悶えさせる様に労いの言葉を掛けてあげよう……この時、名前を呼び捨てにするのがポイントだぞ☆だって」
雪歩「他にも色々あるね……事務員が撫でて欲しそうな顔をしてたら即座にやってあげよう」
伊織「どんな顔よ……ていうか何でアンタもこんな悪ふざけを手伝ってんのよ?」
一方通行「悪ふざけ?何言ってンだ?」
亜美「いやいやいやいや、逆に何で悪ふざけじゃないと思ってんの兄ちゃん」
一方通行「小鳥さんがオレにそンな事教えるわけねェだろ」
真「はは」
真美「兄ちゃんは何で普段ビシッと決まってんのにピヨちゃんの事となるとそうポンコツになるかなー」ジト
響「一方通行は普段もポンコツさー、なぁハム蔵?」
ハム蔵「……」
響「え?ハム蔵?」
一方通行「クカカッ!馬鹿がァ!!ハム蔵がいつまでもてめェの愉快な仲間だとでも思ってンのかァ?来いよハム蔵」
ハム蔵「ぎゅいっ!」トットコ
響「な、なぁっ!?」プルプル
一方通行「まァ、てめェの人望なンてこンなもンだ……ほらハム蔵、ひまわりの種だ」ニヤァ
ハム蔵「ぎゅいぎゅいっ」カジカジカジ
亜美「ピヨちゃん起きてー、兄ちゃんの頭にハム蔵が乗ってるよー。ピヨちゃん的にシャッターチャンスなんじゃないのー?」ユッサユッサ
小鳥「えへへへぇ///」
亜美「ダメだこりゃ……」
貴音「ふむ、水瀬伊織……教本をこちらに」
伊織「?はい」スッ
貴音「……」カキカキカキカキ
一方通行「あァッ!?てめェなに勝手に書き込ンでやがる!!」
貴音「プロデューサーたるもの、事務員に行った労いは平等にあいどるにも行うべし、と」
一方通行「?」
貴音「さぁ、いつでもどうぞ一方通行」クルッ
一方通行「いややらねェよお前馬鹿か?」
貴音「この法は小鳥嬢以外には適用されないと?では私も新たに私専用のものを追加するとしましょう」カキカキカキ
一方通行「あン?」
真美「いいねぇそれ真美も書こう!」カキカキ
雪歩「わ、わたしも」
伊織「私にも寄越しなさいよ」
ワーワーギャーギャー
一方通行「おい!!」
亜美「諦めろよ若僧……人生ってやつぁそれでも続いてくんだ……」ポン
一方通行「誰だよてめェは……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜楽屋〜〜〜
一方通行「つゥ事があったンだ。小鳥’Sマニュアル大切にしてたのに……」
律子「知らないわよ……」
やよい「だからみんな騒いでたんですね」
律子「ていうか何でこのタイミングでその話なのよ。もうすぐイベント始まるのに……」
一方通行「いや、お前が緊張してるみてェだからその緊張ほぐしてやろうかと」
律子「ほぐれないわよ!」
一方通行「お前はホンット硬いわ……やよいも何か言ってやれ」
やよい「律子さんなら大丈夫です!自信を持っていきましょーっ!」
律子「自信……信じられる自分なんて……」
やよい「え、えっと、竜宮小町を作ったのは律子さんだから凄いですよ!ここの偉い人達も褒めてましたよ」
律子「そうよね。私の評価が竜宮にも関わるんだもの。私がもしもここで失敗しようものなら竜宮は…………終わる」ドヨ-ン
やよい「えっ」
一方通行(前から思ってたけどコイツでけェ舞台に弱ェよなァ)
やよい「ア、一方通行さん」オドオド
一方通行「大丈夫だ。布石を打っておいたからな」
律子「布石?」
コンコン、ガチャッ
スタッフ「すいません、お二人ともそろそろお願いしまーす」
や律「はーい」
一方通行「律子、アイドルやってた頃思い出せ。そしたら大丈夫だ」
律子「いや、あの時とは規模が違うでしょ」
一方通行「それでもだ。別にお前は1人でアイドルやってた訳じゃねェンだから」
律子「?」
一方通行「まァ、プロデューサーの言うことは信用するもンだぜ?やよい、律子の事フォローしてやってくれ……頼りにしてるぞ」
やよい「うっうー!任せて下さい!」
一方通行「よし、じゃあ行くか」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜ステージ〜〜〜
ガヤガヤガヤガヤ
律子(うぅ、何がアイドルの時を思い出せよ。あの時と比較しちゃって余計緊張しちゃうわ)ガチガチ
律子「え?」
律子(何で緑のサイリウムなんて……!!あの人達まさかっ)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
律子『大好き好きよハンバーガー・』
やよい『大好きよハンバーガー・』
律や『大好き好きよハンバーガーさぁ、い、た、だ、き、ましょっ・』
やよい『だ〜けれど・』
律子『やぁぱっりダーリンと〜・』
律や『食べ〜たいなぁ〜・』
律っちゃああん!!!うぉぉおお律ちゃん!!
ワーワーワーワー!!
律子(みんな……ありがとう)ジワ
一方通行(他の奴等も、律子みてェに引退した後も応援してくれるファンがいる……そンなアイドルになってもらいてェなァ)フッ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜楽屋〜〜〜
やよい「本当に好きなだけハンバーガーもらっちゃっていいんですか!?」キラキラ
一方通行「あァ、ブースにあるからどれだけ持ってってもいいってよ。長介たちの分も持って帰ってやったらどォだ?」
やよい「はい!じゃあ私ちょっと行ってきます!!」ダッ
一方通行「……さて」
一方通行「久々のアイドル、手応えはどォだったよ?」
律子「すっごい疲れたわよ……水取って、肩揉んで。プロデューサーでしょ?」
一方通行「へいへい」スクッ
一方通行「けどよォ……」トントンモミモミ
律子「ん?」
一方通行「ステージのお前は結構楽しそォだったぜ?」
律子「そりゃ、楽しかったわよ。緊張したけどね」
一方通行「ならよ、またアイドルやりゃあイイじゃねェか。お前本当はアイドルやりたいンじゃないのか?」
律子「……」
律子「私が何でアイドル辞めたか知ってるでしょ。鳴かず飛ばずだったからよぉ?」
一方通行「そりゃあプロデューサーが居なかったからだろ?今ならオレがいる。竜宮だってプロデューサー兼アイドルって感じで続行すりゃ問題ねェだろ」
律子「なるほどね。確かにアンタがいれば私もアイドルとして芽が出るかもしれないわね。竜宮も一方通行と相性悪くないから私が居ない場合のフォローも問題ない……」
一方通行「なら」
律子「でも、いいわ……」
一方通行「なンでだよ?」
律子「アイドルって職業には確かに憧れるし楽しいけど……それでもやっぱり私はプロデューサーって仕事に強烈に惹かれてるのよ」
一方通行「……」
律子「それに今は頼れる同僚と切磋琢磨するのが凄い楽しいし?」ニッ
一方通行「ハッ、ンだよそりゃ」プイ
律子「ていうかそういうアンタこそアイドルになったら?」
一方通行「あァ?絶対ェやだよ」
律子「ふふっ、先に仕掛けて来たのはアンタだからね〜」
一方通行「マジで勘弁してくれ……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数ヶ月後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
響「は、はぁん///」
一方通行「ダメだ、まだ恥じらってる」
響「そりゃ恥らうに決まってるさー、一方通行もやってみればいいじゃないか!」
一方通行「オレがやっても気持ち悪ィだけだろ」
貴音「響、この少女の気持ちになって音とするのです」
響「じゃあ貴音やってみてよ」
貴音「では……はぁぁぁぁんっ」
貴音「どうです?」
響「や、やり過ぎじゃないか?ね、一方通行」
一方通行「まァ確かにエロ過ぎな気もすっけど、良いンじゃねェか?そォいう歌詞だし」
美希「ねぇねぇ、ハニーはこういうのが好きなの?」
一方通行「別に……ほら、次お前な」
美希「行くよー?……はぁんっ・」
響貴「おぉ」パチパチ
一方通行「おォ、そンぐれェが丁度いい」
小鳥「ふふっ、歌の練習?完成するのがほんっとう楽しみねぇ」
一方通行「小鳥さン、すンませンうるさくて」
小鳥「いいのよぉ!むしろもっと大声でもいいわ」
一方通行「は、 はァ」
小鳥「そうだ!衣装届いてるのよ、良かったら来てみない?」
一方通行「だってよ」
美希「着たい着たい!」
響「自分もー」
貴音「では参りましょうか」
一方通行「場所は……応接室でいいか」
美希「ハニーも来る?ミキ、ハニーならいいよ?」アハァンッ
一方通行「アホが。まず入らねェし他の2人の事を考えろ」
貴音「クス……一方通行なら構いませんがね」
美響「!?」
一方通行(コイツの最近のこういうの冗談で言ってンのかどォかわかンねェンだよな)ポリポリ
小鳥(行けっ!飛び込んじゃえ一方通行君!私に君の獣の本性を見せて!!)ドキドキドキ
美希「貴音、そういうエッチな事は言っちゃダメだと思う……」
貴音「はて……美希も同じ事を言っていたではありませんか」
美希「ミキは冗談だもん……ハニーはそんなことしないの」
響「ま、貴音も冗談でしょ?」
貴音「ふふっ……」
美希「ちょっ、覗いたらダメだからねハニー!特に貴音を覗いたらミキ怒るからね!?」
一方通行「……覗かねェからさっさと着替えろ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
小鳥「なんだかドキドキしちゃう事言われちゃったわね。思春期の少年には辛いんじゃない?」ニヤニヤ
一方通行「……貴音に限った話じゃねェけど、なァンか最近あァいうノリ多いンですよね」
小鳥「え、それはどういう……」
一方通行「あずさとか前より胸当たってる気がするし、雪歩は妙にくっついてくるっつゥか……」
一方通行「あァ、くっついてくるつったら真美もか。まァアイツの場合触れるか触れないかぐらいの感じで手とかに触ってくるンですけど」
小鳥(くぅあぁぁ真美ちゃん甘酸っぱ過ぎてお姉さん死んじゃいそう……!最近綺麗になってきたと思ったけどやっぱり恋してるのねぇ……あれ?)
小鳥「伊織ちゃんは?」
一方通行「伊織ですか?」
小鳥「う、うん」
小鳥(私の予想では伊織ちゃんも一方通行君に参ってるメンバーなんだけど)
一方通行「伊織は相変わらず手が掛かンねェ奴ですよ……まァ、強いて言うなら仕事終わりに軽くドライブするくらい、ですかね」
小鳥「えっ、そこ詳しくお願い」
一方通行「詳しくっつっても……最近はオレも竜宮の誰かの仕事に同行する事あるじゃないですか」
小鳥「うんうん」
一方通行「そォいう時は伊織と組む事が多いンですけど、仕事終わったら大抵このまま軽く流してよって言ってくンですよね」
小鳥「そ、それはそのまま夜のデートって感じかしら……?」
一方通行「いや、ただ適当に車でそこら辺走り回ってるだけですよ。車ン中でも特に会話ねェし、伊織もなンか時々こっち見ながらボーッと景色観てるだけですよ」
小鳥(なんだろ……なんか今までの話で一番生々しい気がする///ていうか伊織ちゃん大人びてるなぁ……)
一方通行「あァ、家にもよく呼ばれますね伊織には。まァ何人も呼ンできますけど伊織が一番多いかな」
小鳥「えっ、初めて知った。みんな一方通行君呼んでんの?えっ?」
一方通行「行ったことないのは千早ンちですかね」
小鳥「……気になる事はいっぱいあるけど、貴音ちゃんちがどうだったか一番気になるわ!」
一方通行「?別に普通のマンションですよ。ンで真みてェに部屋にはぬいぐるみだらけとか、ンな事もなかったです」
小鳥「逆に意外ね」
一方通行「ただ、食器具は一般家庭にはねェであろう物が多々ありましたよ」
小鳥「そうなの?」
一方通行「えェ、オレに作らせるために……」
小鳥「あぁ……」
一方通行「あのアホ……ラーメンから始まり、ピザだの何だの……今のオレは和洋中のどれでも作れますよ」
小鳥「うん、最近はみんな無理矢理お昼時に事務所に残ろうとするようになったものね。律子さんが怒ってたわ」
小鳥「そういえば伊織ちゃんちに一番行ってるのよね?伊織ちゃんちで何してるの?」
一方通行「風呂入ったり……とか?」
小鳥「えーーとぉ?」ダラダラ
一方通行「別にそのまンまの意味ですよ……銭湯ばっか行ってないでたまには良い風呂に入れ、みてェな」
小鳥「安心したわ……流石にね、アイドルとプロデューサーだものね」ホッ
一方通行「アイツなンか色々オレに気ィ使ってるみたいで……良い飯食わしてやるから来いだの、もっと良い寝具で寝ろだの」
小鳥「あぁ、そういえば一方通行君が今使ってる掛け布団は伊織ちゃんが進呈したものだったわね。枕は美希ちゃんよね?」
一方通行「美希の場合貰ったンじゃなくて無理矢理アイツが使ってた枕と交換させられたンですけどね……」
小鳥「ファンが聞いたら発狂ものね」
小鳥(美希ちゃんが一番積極的だと思ってたけど、伊織ちゃんも中々ね)
小鳥(それにしても……お互いの気持ちをつい知っちゃう事もあるでしょうに……それでもギスギスした関係にならないなんて、ウチの子たちは本当に良い子ばっかりだわぁ)ホロリ
美希「着替え終わったよー!!」
小鳥「きゃああああ!!みんな可愛いー!!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「帰り仕度できたか?」
美希「オッケーなの」
響「アレ?貴音は?」キョロキョロ
一方通行「あァ、アイツは今日は1人で帰りてェって言うから……」
響「帰らせたのか!?」
一方通行「な、なンだよ……?」
響「いや、自分でもよくわかんないんだけど……貴音を1人で帰らすのって怖いんだ」
一方通行「別にガキじゃねェンだから」
美希「ミキ、わかるよその気持ち。貴音って急にどっかに消えちゃいそうな気がするよね」
響「そうそう!そうなんだよ。一方通行だって貴音が月を見てるとこ見たことあるでしょ?」
一方通行「あァ」
響「自分は貴音が月を見てる時が一番怖いんだ……なんか自分たちがいる世界にいない気がして」
美希「そういえば最近1人で帰るって言う時多いよね。それって月を静かにみたいからでしょ?」
全員「……」
響「ごめん!なんか変な空気にしちゃって。自分だって別に確証があるわけじゃないさー。はは……」
一方通行「いや、オレもお前の言う通りだと思う……まァ、今度話聞いてみっから心配すンな」
響「うん……」
一方通行「じゃあ行くぞ」
美希「あ、ハニー!明日のおにぎりの具の事なんだけど……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
貴音「一方通行、今日は送って頂かなくて結構です。あぁ、心配なさらずとも少し散歩をして帰るだけですよ」
一方通行(来たか……オレも一緒に行くって言うか?いや、それで前に逃げられた事あったからなぁ……尾行、はコイツには通用しねェだろォし。待ち伏せでもするか)
一方通行「あァ、わかった。気をつけてな」
貴音「えぇ。では……」バタンッ
一方通行「さて……」
一方通行「小鳥さンちょっと出ますね」
小鳥「はーい」
小鳥(一方通行君が帰ってくるまでゲームでもやってよ)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜橋〜〜〜
貴音(!……あれは、一方通行……?)スタスタ…ピタ
一方通行「……」ボ-
貴音「……」
一方通行「おい……こォして思わせ振りに立ってンだ。さっさと声掛けたらどォなンだよ?」
貴音「……申し訳ありません。目を奪われていたもので」
一方通行「あ?」
貴音「一方通行、貴方は月に映えますね。やはり月と兎と言うのは相性が良いのでしょう」
一方通行「……お前、他に言う事ねェのかよ?なンでここにオレがいンだよ、とか」
貴音「あぁ、そういえば……何故です?」
一方通行「待ち伏せしてたンだよお前を」
貴音「私をですか?何か用でもあったのでしょうか?」
一方通行「響と美希がよ……お前が1人で帰ると心配なンだとよ。もちろンオレもだ。額面通りの意味じゃねェって事はお前だったら分かるよな?」
貴音「…………それにしても良く私が此処を通ると分かりましたね」
一方通行「前にお前が言ってきたンだろォが。この橋から見える月がここら辺じゃ一番綺麗だってよ」
貴音「憶えていてくれたのですね」
一方通行「まァな……」
貴音「嬉しい限りです」
一方通行「……」
貴音「……」
一方通行「……どっか行け、とか言わねェの?」
貴音「何故です?一方通行と見る月はこんなにも綺麗ですのに……それに、今更一方通行に取り繕うのは無理だと悟りました」
一方通行「あン?」
貴音「貴方と共にいると……貴方の事を想うと私は縋り付きたくなってしまうのです。そう私が言ったら貴方はどうしますか?」
一方通行「好きに縋り付いたらイイじゃねェか……お前に寄り掛かられた程度で倒れるオレじゃねェ」
貴音「クス…貴方ならそう言うと思っておりました。しかし、そう単純な話でもないのです……」
一方通行「…………トップアイドルになるっつゥ使命がお前にとって重荷なら捨てちまえよそンな使命」
貴音「え?」
一方通行「オレに縋り付きてェっつったお前の面は告白なンて色気はなくてただただ辛そォだったぜ。キツいンだろ?自分1人じゃ潰れそォなンだろ?」
一方通行「だったら捨てちまえよ……オレが協力してやっから」
貴音「し、しかし……!」
一方通行「月の奴等が許さねェって?ふざけンな。女一人を矢面に立たしてやがるくせに」
貴音「な、何故それを……」
一方通行「別に詮索した訳じゃないぜ、勝手に気付いただけだ。そォ約束したからな……そンでェ?その使命とやらを反故にしたらどォなンだ?お前が月に帰されるとかかァ?安心しろォ。お前をかぐや姫にはさせねェよ」
貴音「勘違いをなさっているようですが、私が使命から逃げようが果たせまいが私を罰する者はおりません」
一方通行「じゃあなンで……」
貴音「使命から目を背ければ私が私で無くなるのです。私は故郷の民の為に希望の象徴にならなければなりません」
一方通行「だから自分を押し殺してアイドルやってるってか?」
貴音「それは違います。確かに最初はあいどるというものに何ら感慨も持っていなかったかもしれません」
貴音「しかし今は違うのですよ一方通行。私は事務所の皆と同じ時間を共有するのが何よりも大切なものだと思えるのです……そして、そう思わせてくれるきっかけを作って下さったのは貴方です」ニコ
一方通行「?」
貴音「貴方は私の正体を知った後こう言いました。お前が何だろうと関係ない、とっぷあいどるに成りたいお前としたい俺、それだけあれば充分だと」
一方通行「あァ」
貴音「貴方のその言葉でどれだけ救われたことか……それからです。あいどるの仕事が面白い、と思えるようになったのは」
一方通行「だったらおかしいじゃねェか。なンで今のお前はキツそォなンだよ」
貴音「それは……皆との距離が無くなるにつれて思ったのです。皆に自分の正体を明かさない自分は何なのかと、それは本当の仲間足り得るのかと」
一方通行「…………」
貴音「それを1人で悩んでおりました。そして私は自分がこの星で本当に独りなのだという事を思い出してしまったのです……」
一方通行「オレじゃ駄目だったのかよ」
貴音「え?」
一方通行「てめェの相談相手だよ。オレはお前の正体を知っていて、受け入れてたじゃねェか」
貴音「そうですね……きっと話すのが怖かったのです。万が一にも貴方に拒絶されたらそれこそ私は本当に二度と立ち上がれない程に壊れてしまうと思ったから」
貴音「しかし、なんてことはありませんでした。貴方は私の故郷を看破し、私の話を聞いて下さった。そして今も……」
貴音「それがわ、私は……」ポロ
貴音「あぁ、な、涙が止まりません……」ポロポロ
一方通行「貴音……」
貴音「申し訳ありません……すぐ泣き止みますので、ひっぐ、ぐす……こんな所を誰かに見られたら」
一方通行「好きなだけ泣けよ。誰も見ちゃいねェさ」
貴音「月がみております……」ゴシゴシ
一方通行「……ならこうすりゃ見えねェだろ」ダキッ
貴音「あっ」
貴音「一方通行……」
一方通行「ほら、今はお前が気ィ張る必要ねェぞ」
貴音「うっ……ひっ、独りは怖いです一方通行……ぐすっ寂しいです……辛いです」ボロボロ
一方通行「そォだな。オレもだ」ナデナデ
貴音「もう、独りで夜を過ごしたくはないのです」ポロポロ
一方通行「これからはオレがいる……オレはお前に何があっても受け入れる。オレはお前の味方だ」
貴音「うっ、ううう……うああああんっ!!」ギュウ
一方通行「……」ポンポン
ーーーーーー
ーーーー
ーー
貴音「お恥ずかしい所をお見せしてしまいました」ペコ
一方通行「別に気にすンなよ。まァ、おめェがガキみてェに泣くのは意外だったが」
貴音「もぅっ、一方通行はいけずですっ///」
一方通行「どォだ?一頻り泣いてお前の心の重圧は晴れたかよ?」
貴音「はい、おかげさまで。幾分心が軽くなりました」
一方通行「ま、また泣きたくなったら胸貸してやるよ。お前もオレの前なら泣けるだろ?」
貴音「……」
一方通行「チッ……確かに今のは自分で言ってて笑っちまうくれェに臭ェセリフだがよォ、何もシカトすることねェじゃねェか」
貴音「いえ、そうではなく……以前亜美が、一方通行は女たらしだと言っていたのですが真その通りだと……」
一方通行「くっだらねェ。人を遊び人みてェに言うなよな」
貴音「自覚がないのですか?」
一方通行「ねェよ!」
貴音「それは困りましたね。私達の気持ちにも気付いていらっしゃらないのでしょうか」
一方通行「何言ってンだよてめェは?」
貴音「……心からお慕いしておりますよ一方通行」
一方通行「あァ!?」
貴音「貴方は私と事務所の皆だったらどちらを取って下さるのでしょうか」
一方通行「なンだよそのクソみてェな質問は……」
貴音「どちらです?」
一方通行「…………」
貴音「答えては下さらないのですね。そんなところも愛おしいですよ一方通行」
一方通行「お前なァ……」
貴音「これは偽らざる私の心からの本音です。貴方の隣は真心地良い所になりました。きっと貴方が良い意味で変わったからでしょうね」
貴音「今の貴方の放つ気は、優しく……暖かく……そして甘い波動で満ちています。そんな貴方は滴る程に美味なのでしょう」サワッ
一方通行「……」
貴音「いつものように触るな、と手を振りほどかないのですか?」
一方通行「一瞬でもお前から目を反らしたら喰われちまうよォな気がしてなァ」
貴音「ふふっ、今ならあの新譜の吸血鬼の少女の気持ちがわかります」スッ
一方通行「チッ、さっきまでメソメソしてた女はどこ行ったよ」プイ
貴音「そういけずな事をおっしゃらず……貴方が救って下さったのではないですか」
一方通行「そォかい、そりゃ結構。ならもォ帰ろうぜ」
貴音「そうですね。嗚呼、月があんなにも傾いて……」
一方通行「ほら、行くぞ」
貴音「あ、私は1人で帰りますので一方通行とはここでお別れです」
一方通行「……おいおい」
貴音「ご心配なさらず。なにも後ろ向きな意思で申してるのではありません。これは自制の為です」
一方通行「あァ?」
貴音「分かりませんか?正直今にも貴方を襲ってしまいそうです。なにぶん、今宵は誰か様のおかげで気持ちが高ぶっておりますので……」
一方通行「……」ポカ-ン
一方通行「……アイドルの台詞とは思えねェなァ」
貴音「貴方の前での私は四条貴音……いえ、ただの貴音という娘ですから」
一方通行「…………知るかよ。まァいい、なら気を付けて帰れよ」スタスタ
貴音「一方通行!」
一方通行「あァン?」クルッ
貴音「あの……そのっ、寂しくなったら月見に誘って良いでしょうか?今宵の様に話し相手になって下さりますか?」モジモジ
一方通行「さっきもそォ言ったろォが。毎日はよしてくれよ? じゃあな」ヒラヒラ
貴音「はい!」パァッ
貴音「…………ウフフッ///」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
亜真美「いーやーだー!!」
一方通行「ダメだ、やれ」
真美「なんで折角のオフなのに勉強しなきゃいけないの!?」
亜美「やりたいゲームが溜まってるんだよ兄ちゃーん」
一方通行「勉強が終わったら好きなだけやれ」
真美「勉強ってどのくらい?」
一方通行「お前らが赤点取った全部の教科」
亜美「うあうあ〜、そんなの殆どじゃん!ていうか亜美たちアイドルだから勉強する必要なんてないっしょー」
一方通行「オレは馬鹿なアイドルをプロデュースする気はねェ」
真美「えー」
やよい「そんな……」
一方通行「…………やよいも結構やべェンだったな」
やよい「はい」シュン
亜美「仲間だ仲間だー」
真美「やよいっちは何が悪かったの?」
やよい「算す……数学」
一方通行(算数って……)
一方通行「理系はオレの得意分野だ心配すンな」
真美「文系はー?」
一方通行「別に出来ねェことねェけど」
亜美「もしかして英語喋れたりすんの?」
一方通行「何ヶ国語か喋れるぞ」
小鳥(聞きてぇ……)
真美「兄ちゃんチートじゃん……」
亜美「ふぅん、まぁ取り敢えず古文から教えてよ」
一方通行「古文か……貴音!お前出来ンじゃねェの?」
貴音「はい、一通りは。ちなみに範囲はどこですか?」
亜美「この竹取物語ってとこなんだけど」
貴一「……」
亜美(え、なにこの雰囲気……)
一方通行「問題ねェな?」
貴音「はい」
真美「ていうか兄ちゃんは教えてくれないわけ?」
一方通行「教えてやりてェのはやまやまだがウチには劣等生が多いらしくてなァ……」
真美「え、だれ?」
一方通行「17歳組だよ……」
真美「いないじゃん今」
一方通行「勉強するぞっつったらキャッキャッ言いながら菓子買いに行ったよあの馬鹿共」
亜美「女子会じゃん女子会」
一方通行「まァ、こンな風にオレは舐めた奴らに現実叩きつけなきゃいけねェから忙しいンだよ。分かったか?」
真美「ちぇ、わかったよ」
一方通行「古文終わったらこっちこい。あァ、律子のとこでもいいぞ。律子も手伝ってくれンだよなァ?」
律子「今やってるのが終わったらね」カタカタ
亜美「えぇー鬼軍曹はノーサンキューかなーって」
律子「アンタ逆指名ね」
亜美「……」
一方通行「ほら、やるぞ。やよいはこっちこい」
やよい「はーい……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
やよい「うぅ……」
真「ただいまー」ガチャ
春香「おぉ、みんな頑張ってるー?」
雪歩「お菓子買ってきたよー」
全員「……」
春香「え、と」
やよい「一方通行さん……数学って必要ですか?」
一方通行「あン?」
やよい「だって私スーパーとかでも家計簿書く時も方程式なんて使った事ないです!春香さんだってなんの役に立たないって言ってました!」
一方通行「……」ギロッ
春香「あ、はは……言ったかなー?」
真「けど、その気持ちは分かるよ……ボクだってそう思いながら授業受けてるもん」
一方通行「いいか、やよい。数学ってのは確かに実生活にそのまま役立つもンじゃねェ。だがな、論理性を養うものなンだ」
やよい「ろんりせい?」
一方通行「あァ。物事を順序よく考えていくっていうな。それに、こンな数式使わないってのは典型的な馬鹿の発言だ。オレはやよいに馬鹿になって欲しくねェンだよ」
やよい「一方通行さん……」
一方通行「お前ぐらいの年ならまだまだ巻き返せる。もォ少し頑張ってみねェか?」
やよい「はい!やってみます。一方通行さんが先生なら頑張れる気がしますっ」
一方通行「そォか」ナデナデ
一方通行「さて……いつまで突っ立ってやがる?その馬鹿みてェに買い込ンだ菓子を置いて座れ……この手遅れな馬鹿共が」
春真「……はい」ストン
雪歩「……」
一方通行「なに澄ました顔してンだ、てめェもだ雪歩」
雪歩「えぇっ、私も?」
一方通行「他の連中よりマシだがてめェも成績良いわけじゃねェだろ」
雪歩「うぅっ」
春香「ま、待って一方通行!」
一方通行「なンだよ?」
春香「こ、ここに美希と響がいないのはおかしいと思う!」
雪歩(うわぁ……)
真「そ、そうだよ!」
一方通行「ハァ……お前らホンット抱き締めちまうぐれェ哀れだわ」
一方通行「なンなら全員分の説明してやるよ。まず千早、あいつは言うまでもなく成績良かった。だてに進学校通ってねェなァ」
一方通行「ンで響、お前ら高校が違ェから一概にそォとは言い切れねェけど、あいつは千早の次に成績良いぞ」
真「うっそ!?」
一方通行「まァ完璧を自称してるくらいだからなァ。次伊織、あいつも何個かは危ねェのあるみてェだが赤点を取るレベルじゃねェ」
雪歩「え、私も赤点取ってないよ?」
一方通行「お前は赤点取りそォなのが何個かあるだろォが。次美希、美希も成績かなり良いなァ。ちょっと見直しちまったよ」
春香「え、えんぴつをコロコロして決めたんだよ!絶対そうだよ!」
小鳥(は、春香ちゃん……)
一方通行「記号問題以外もテストにはあンだろ?」
春香「くっ……」
一方通行「納得したか?じゃあ、やろォや」ニタァッ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
真「……」カリカリカリ
一方通行「違ェっ!現代文はフィーリングで解くなっつったろォが!!」
春香「……」チラ…カキカキ…チラ
一方通行「……お前なにカンニングしてンの?」ガッ…グググ
春香「イタタタタタッ!?」
雪歩(先に終わっちゃったから暇だなぁ)
亜美「兄ちゃーん!!」ダキッ
一方通行「うォッ!?……どォした?」
亜美「先生代わってよ!兄ちゃんがいい!律っちゃんはやだ!!」
律子「待ちなさい、まだ終わってないわ」ガシッ
亜美「ヒィッ!?」
律子「ていうか私はマシでしょ?あっちと比べたら」
一方通行「なに?」チラッ
貴音「ここが違いますよ」ペシンッ
真美「ひぅっ!…………うぅ」ジワァ
一方通行「おい……コラッ」コツン
貴音「いたっ」
一方通行「なァに堂々と体罰してンだよてめェは」
真美「うぅ、兄ちゃん!!」ギュウ
一方通行「余計勉強嫌いになンだろォが!」ヨシヨシ
貴音「そう……なのですか?なにぶん、人に勉学を教えるのが初めてなもので、私がじいやに教わっていた時のようにしようと心を痛めながら行っていたのですが……」
一方通行「まァスパルタが間違ってるとは言わねェが相手によンだよ。もォ少し優しく教えてやれ」
小鳥(一方通行君のとこからは怒号と春香ちゃんと真ちゃんの悲鳴が聞こえるけど……)
貴音「確かにその通りですね……私が間違っていました。真美、許してくれますか?」
真美「もう、真美が間違っても手を叩かない?」
貴音「もちろんです。私も出来れば怒りたくなどないのですから」ニコッ
真美「うん、じゃあいーよ」
真美(泣きマネしたかいがあったよ……兄ちゃんにも抱きつけたし)
貴音「ありがとうございます真美。分かりにくいところがございましたらすぐに言って下さいね」
真美「うん!」
一方通行「ン?……やべェ、もォこンな時間か」
律子「え、まだ仕事の時間じゃないわよね?」
一方通行「いや、美希に学校まで迎え来いって言われてンだよ。ちょっと行ってくる!真、春香、てめェらサボってやがったら……」
真「サボんないよ」キラキラ
春香「行ってらっしゃーい」ワクワク
一方通行「……雪歩、見張っといてくれ」
雪歩「う、うん」
春真「……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜学校前〜〜〜
一方通行「来ねェな……」
ザワザワガヤガヤ
一方通行(そりゃ校門のとこにこンなのが立ってたら目立つよなァ……やっぱ車ン中で待ってりゃ良かった。けど今から車戻ンのなンか負けた気がするしなァ)
美希「あ!ハ……一方通行!!」タッタッタッ
一方通行「遅ェよ」
美希「ごめんなの……でも車の中で待ってると思ってた」
一方通行「オレの判断ミスだ。悪ィな、どォやら悪目立ちしちまったみてェだ」キョロキョロ
美希「ううん、すっごく嬉しいの!それにみんな一方通行がカッコいいから見てるんだと思うな」
一方通行「あァ?だとしたら目が潰れてンだなァ」
美希「そんなことないの。友達に一方通行の写真みせたらみんなカッコいいって褒めてたよ?」
一方通行「なに見せてンだよ……」
美希「それに今は一方通行みたいな中性的な男の子がモテるんだよ?」
一方通行「ふゥン」
一方通行(確かに真の人気も凄ェしなァ)
美希「ミキは別に流行に流されたわけじゃないけどね!」ウィンクッ
一方通行「別に聞いてねェし」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜車内〜〜〜
美希「ふんふ〜ん♪」ルンルン
一方通行「やけに上機嫌じゃねェか。なンかイイことでもあったのか?」
美希「あはっ☆だって学校まで迎えに来てもらうってなんだか恋人同士みたいなの」
一方通行「だから迎え頼ンだのかよ」
美希「これでこのままショッピングとか行けたら最高ってミキは思うな」チラ
一方通行「そのまま妄想に耽ってろ。どォせ叶わねェから」
美希「言ってみただけだもん」
一方通行「……悪ィな。ここンとこ一緒に仕事行ってやれなくて」
美希「え?フェアリーでの仕事でならいつも一緒なの」
一方通行「オレとお前の2人での話だよ。お前はそォいうのが多い方がいいンだろ?2人なら仕事前に軽くどっか行けたりすンだけど……」
一方通行「今やうちで一番の稼ぎ頭だからなァお前。でけェ仕事ばっかだから相手側からも至れり尽くせりでオレが面倒見る必要もねェし、失敗する心配もねェし」
一方通行「だからお前1人に任せちまうこと多いンだ」
美希「じゃあアイドルやめちゃおっかな?」
一方通行「……」
美希「冗談だよ?」
一方通行「知ってるよ」
美希「心配しなくてもちゃんと分かってるから大丈夫だよハニー」
一方通行「ン?」
美希「ハニーがミキに時間を取れないのはしょうがない事なの。だからそれでミキは怒ったりお仕事投げ出したりしないよ?それに最近すっっごいお仕事楽しいし」
美希「だから……ミキは大丈夫だよ」ニコッ
一方通行「……明日のオニギリお前の好きな具にしてやる」
美希「ハニー……大好きなのー!」ダキッ
一方通行「バッ、てめっ!運転中に抱きつくな!!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
ガチャ
美希「おはよーなの」
一方通行「戻ったぜェ」
響「はいさーい!」
一方通行「おォ響、もォ支度できてンのか?」
響「うん、バッチリさー!」
一方通行「よし、じゃあ……」
真美「兄ちゃーんみてみて〜」トテトテトテ
亜美「兄ちゃんが作ったテストで高得点取れたよ〜」トテトテトテ
一方通行「おォ、やれば出来ンじゃねェか」ナデ
亜美「ま、本気だしゃあこんなもんっしょー」
真美「もっと褒めるがよいぞ兄ちゃん君」
一方通行「本番のテストでイイ点取れたらなァ」
春香「私達も終わったよ〜」ピラ
真「これでもういいんだよね?」ドヤァ
雪歩「……」
一方通行「カンニングしてねェだろォなァ……?」
春香「し、してないよ!」
一方通行「片手間でやれる程オレの問題は簡単じゃねェはずなンだがなァ」
真「?」
一方通行「てめェら嘘吐くンならまず口元の食べカス拭けよ」
春香「!?」バッ
真「え、うそ!?」ゴシゴシ
一方通行「嘘だバァカ!……てめェら愉快に素敵にはしゃぎやがって」ギラッ
春香「ひぃっ」
一方通行「お前ら課題量倍な」
真「そんな……」
一方通行「やよいは?」キョロ
亜美「あーやよいっちは……」
真美「千早姉ちゃんに捕まった」
一方通行「捕まった?」チラ
やよい「ここで出たのをここに代入するんですか?」
千早「そうよ。高槻さんとっても覚えが早いわ!テストの点数が悪かったのが嘘みたい……!」パァッ
一方通行(幸せそォな面してンなァ……)
貴音「如月千早が教えたそうにしていたものですから……いけなかったでしょうか?」
一方通行「いや、ナイスだ」
響「一方通行、時間ないぞ〜」
一方通行「おォ悪ィ。じゃあ仕事行ってくる」
貴音「はい、行ってらっしゃいませ……あなた様」
全員「!?」
一方通行「……あ?」
貴音「?」
一方通行「いや、いいや時間ねェし……行くぞ響」
響「え、えぇ〜……」
バタンッ
全員「…………」
小鳥(これは……ついに修羅場か……!?)ワクワク
雪歩「お、お茶を……」
美希「あなた様ってなんなのかな貴音?」
貴音「……一方通行の呼称です」
真美「にしたってあなた様ぁ?」
美希「ハニーはハ・ニ・ィ、が一番似合ってるの」
春香(いや、それが一番遠い)
真美「兄ちゃんは兄ちゃんっしょー」
貴音「それです!!」バッ、キリ
美真「?」
貴音「美希ははにぃ、真美と亜美は兄ちゃんと、それぞれの呼び名があり羨ましく思っていたのです。ですので私も私なりの呼び方をと」
律子「それであなた様に落ち着いたと」
貴音「えぇ」
真美「え、お姫ちんも兄ちゃんの事が好き、なの……?」
貴音「ほう……も、とは?」
真美「あ、いやほら!ミキミキもそうだし!」アタフタ
亜美(あっ……)
美希「ハニーはカッコいいから無理もないの!だから今更驚きもしないの!」
貴音「そうですね」ニコ
美希「けどライバルが増えたの……最近ハニーと一緒に居られないのに」
律子「あ、そうだ。美希?あんた一方通行が忙しいのわかってるでしょ、もうわざわざお迎えなんて頼んじゃダメよ?」
美希「えぇ〜!!だったら律子さんだってハニーに家の掃除頼んじゃダメだと思うな!」
律子「な、なんで知ってんのよ!?」
美希「ハニーが言ってたの。律子んちは思ってたより汚かったって」
亜美「おやおや、こりゃあ面白い事を聞いてしまいましたなぁ」ニタァ
律子「あんのモヤシッ、秘密にしろって言ったのに!」
亜美「で、実際鬼軍曹の部屋は汚いのでありますか!?亜美たちにはすごいうるさいのに」
律子「いつもは汚くないわよ!けど最近仕事が溜まっててそれで……」
亜美「それでイケメンの後輩を自分の家に招いてシッポリやってしまったと」メモメモ
律子「……どこで覚えてきたのよ?」ピキピキ
亜美「ピヨちゃんが持ってた薄いマンガ!」
律子「小鳥さん!!」クワッ
小鳥「ご、誤解ですっ!」
美希「あ、台本見直そ」
千早「最近仕事熱心ね」
美希「ん?そお?」
雪歩「うん、現場でも凄いし……なんて言うんだろう?オーラとか?」
貴音「そうですね。私も一緒に舞台に立っている時に肌で感じます」
美希「それってミキが成長してるって意味だよね?だったら嬉しいの」エヘヘ
律子「確かに美希は評判凄いわねぇ……何か特別なトレーニングでも始めたの?」
美希「うーん、別に何もしてないけど……あ、お仕事頑張る理由が変わったからかも」
千早「頑張る理由?」
美希「うん。ミキ、最初はミキがキラキラするように頑張ってたの。でも最近はハニーの為に仕事してるんだー」
小鳥「そこはファンの人達の為じゃないのね……」
美希「もちろんファンの人達は大切だし出来るだけキラキラしてるミキを見てもらいたいの!でも今の一番はハニーなの」
真美「兄ちゃんを有名にさせる為に頑張る的な?」
美希「ううん、違うよ。ミキはハニーにキラキラした景色を見せてあげたいの」
律子「どういうことよ?」
美希「ハニーはここに来た時と比べてすっごい笑ってくれるようになったよね?」
亜美「亜美たちと一杯喋ってくれるようになったしねー」
春香「遠慮もなくなったね」
美希「うん、もうハニーは765プロの一員ってカンジ」
やよい「みんな家族ですー!」
千早「……」
美希「でも、それでもハニーは時々すごい暗い表情するの……みんなもそれは分かるよね?」
貴音「そうですね……」
美希「ミキね、ハニーのそういう顔見ると胸がキュウッてなっちゃうの。ミキはハニーが笑っててくれなきゃヤなの」
美希「だからミキお仕事頑張ってハニーをキラキラした、明るい所に連れてってあげるんだ!」
真「美希……」
律子「なるほどねぇ、何であんたが飛ぶ鳥を落とす勢いなのか納得がいったわ」
春香「あ、だから学校の勉強も頑張ってるの?けど美希は元々頭が良い子じゃなかったよね!?テストも勘でしょ!?」
雪歩「は、春香ちゃん……」
真美「うわぁ……」
美希「勉強?勉強は別にお仕事とは関係ないかな。これは単純にハニーの好みになる為の努力なの」
貴音「というと?」
美希「うん、ハニーがね頭の悪い女は嫌いなんだよって言ってたの。だからミキは勉強もちょっと頑張ったんだ。あはっ☆ミキは好きな人には尽くすタイプなの!」
真美「え、それ本当……?」
美希「そうだよ。あんまり頭悪いとハニーに愛想尽かされちゃうかもね、ミキは平気だけど」
真美(これからちゃんとやろ……)
小鳥(みんなの学力上がりそぉ……ま、私は大人だから関係ないわよね!)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数週間後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
一方通行「沖縄だァ?」
高木「うむ。我那覇君が沖縄の親善大使に選ばれてね、その講演が沖縄であるから一方通行君は同行してくれたまえ」
一方通行「にしたって二泊三日かよ?日帰りで出来る仕事だろ」
響「そうだぞ、一方通行がそんなに休んでこの事務所は大丈夫なのか?」
高木「まぁこれは休暇のようなものだ。一方通行君にはゆっくり羽を伸ばしてもらいたい」
あずさ「あらぁいいわねぇ、お土産は泡盛がいいかしら〜」
一方通行「あンた酒強くねェだろ……」
あずさ「大丈夫よぉ小鳥さんと一方通行君がいるし」
一方通行「でもなァ……」
小鳥「泡盛かー、しばらく飲んでないなぁ」
高木「いいねぇ、飲む時は私も一緒に頼むよ」
一方通行「はァ……」
響「二泊かー、水族館は行くとして……海も行く?」
一方通行「あァ?」
響「沖縄の海に行けばその真っ白い肌も1日で自分みたいになれるさー!」
雪歩「ダメだよっ!!!!!!」
響「!?」ビクッ
雪歩「一方通行君は白い肌だからこそ赤い瞳が映えるんだよ?それに肌が黒くなったらせっかくの中性的な印象も薄れちゃうし銀髪にも合わないよ一方通行君の服装はモノトーンのものが多いからその魅力を引き出すのはやっぱり白い肌だと思うし……」ペラペラ
響「ちょ、冗談さ雪歩……は、離して」
雪歩「あっ、ご、ごめん響ちゃん」
一方通行(ハム蔵震えてンじゃねェか……)
響「あ、はは……大丈夫さーちょっと驚いただけだから」
一方通行「つゥかおめェが心配しねェでも肌なンて焼けねェだろ。今、秋だぞ?」
響「そうでもないぞ、沖縄はやっぱり内地に比べて陽射しは強いし……日焼けしたくないなら日焼け止め持ってった方がいいかもね」
一方通行「あァー平気平気、そンなもンなくても日焼けしねェから」
伊織「確かにアンタみんなで海行った時も全く日焼けしなかったわねぇ。何か対策してるわけでもないんでしょう?」ペタペタ
一方通行「……日焼け止めは塗ったりしてねェな。てか触ンな!なンかベタベタしてンぞてめェの手!」
伊織「あぁ、ボディクリーム塗ったばっかだったわ」
一方通行「しかもこれニオイ付きじゃねェか」クン
伊織「そりゃあね。良かったじゃないスーパーアイドル伊織ちゃんの体と同じ匂いしてるのよ、光栄でしょ?」
一方通行「アホか余計落ち着かねェよ」ゴシゴシ
伊織「ふぅん、一方通行は私の匂いがすると落ち着かなくてドキドキしちゃうの。にひひっ」
一方通行「うっぜェ」
小鳥(あぁっ、美希ちゃん。あなたのハニーが同い年の女の子にマーキングされてるわよ)
一方通行「にしても泊まりか……用意、はいいか別に。アレ?お前いぬ美とかどォすンだァ?」
響「うーん、ブリーダーの人にお願いしようかな」
一方通行「ワニのブリーダーとか居ンのか?……そォいや泊まるホテルとかもォ決まってンのかよ社長?」
社長「あぁ先方から用意されたところはあるが……」
響「ウチに泊まりなよ一方通行!自分の家族を紹介するさー!」
一方通行「そォいやお前ンち民宿だったか」
社長「ふむ、では先方にもそう伝えておこう。2人とも楽しんできたまえ」
響「はーい」
一方通行「ふン」プイ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜空港〜〜〜
響「誰も見送りに来てくれなかったぞ……」ズ-ン
一方通行「当たりめェだろォが。たかが3日間いなくなるぐれェで見送りに来るかよ……」
響「それはわかってるけどさー、最近みんなが集まるの自体少なくなってきたし」
一方通行「嬉しい悲鳴ってやつか?」
響「そりゃ一方通行は自分たちをトップアイドルにする為にここに来たんだからそうなんだろうけど……最近どっちが良かったのかなって考えちゃうぞ」
一方通行「ン?」
響「いやだからさ……あんま忙しくないけどみんなで居られるのと、今みたいな状況とどっちがいいんだろうって」
一方通行「お前らそンなに話せてねェの?」
響「メールぐらいはする……けど」
一方通行「ならいいじゃねェかよ」
響「良くないぞ!一方通行は冷たい奴だなぁ。面と向かって喋らないと喋った気にならないぞ」
一方通行「そォいうもンかね」
響「そういうもんだよ……このまま離れ離れになったらどうしよう」
一方通行「はァ?」
響「みんなで居ないのが平気になってそのまま会わなくなるなんて自分は絶対嫌だ」
一方通行「大げさじゃねェの?」
響「大袈裟なんかじゃない!自分、もう誰かとサヨナラするのは嫌なんだ……」
一方通行「それって沖縄に居た奴らの事か?」
響「うん……」
一方通行「お前がペット飼いまくってる理由わかったわ。相当な寂しがり屋なンだな」
響「一方通行だって寂しがり屋だろ!?」
一方通行「はァ?オレの何処がだよ?」
響「顔見たら大体わかるぞ。あぁ、この人は寂しがり屋だなって」
一方通行「変な特技持ってンなァお前」
響「けど一方通行は結構平気そうだよね、なんかコツでもあるの?」
一方通行「まァ、オレが百歩譲って寂しがり屋だとしてよォ、今のオレの状況は奇跡みてェなもンなンだよ。だから寂しいと思うのもおこがましいっつゥか」
響「奇跡?」
一方通行「あァ……本当にこンな事になるとは思わなかった」
響「じゃあ一方通行は今が幸せなんだ?」
一方通行「完璧にでは無いけどな。迎えに行かなきゃならねェ奴がいる」
響(美希が言ってた暗い理由ってこれか?次会った時に教えてあげよう)
響「でもその人と離れ離れなわけでしょう?不安じゃないの?」
一方通行「別に平気なわけじゃねェけど不安でもねェなァ」
響「なんで?もう会えないかもしれないんだぞ?」
一方通行「そォならねェことを知ってっからだ」
響「え?」
一方通行「人なンてもンは好きな奴もクソみてェな奴も一度知り合っちまえば、そォ関係が崩れるもンじゃねェンだよ」
一方通行「お前気にし過ぎなンだよ。お前が会いたいと思えば会いに行けンだろ。そいつが何処にいよォがなァ」
響「そうかな……」
一方通行「そォだろ、あっち着いたらお前の友達も一杯来るンじゃねェの?」
響「でも行く時間とか教えてないし」
一方通行「なら会場に来ンだろ」
響「でも、来なかったら!?」
一方通行「そン時は家まで押し掛けちまえばいいンだよ」
響「それ嫌われる奴だぞ……」
一方通行「来なかった理由が嫌いだってンならそれ以上落ちる評価がねェンだから心配いらねェよ」アッヒャヒャ
響「変だぞその理屈」
一方通行「まァ、多分居るだろお前の友達。自分のダチ信じてろよ。さァそろそろ行こうぜ」
響「うん……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜会場〜〜〜
響「みんなー!ありがとうー!!」
ワァーーーーッ!!
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜楽屋〜〜〜
響「ア、一方通行!」
一方通行「あの最前列にいた奴等お前の友達か?」
響「うん!うんっ!」ジワァ
一方通行「ほらだから言ったじゃねェか、人との関係はそォ簡単に切れねェよ」
響「本当良かっだぞぉ〜」ポロポロ
一方通行「な、泣くな」
響「だっでぇでぢゃうんだもん」ダバダバ
一方通行「ほら、これで仕事終わったンだから友達と喋ってこいよ。待っててやるから」
響「・ん」ゴシゴシ
響「一方通行も紹介するぞ!自分のプロデューサーだって」
一方通行「オレはいい。水差したくねェし」
響「そうか?じゃあ行ってくる!待っててね!」ダッ
一方通行「おォ」ヒラヒラ
一方通行(良かったじゃねェか…………友達ねェ、オレにもそンな存在が居たンだよなァ………)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜外〜〜〜
響「待たせてごめんね一方通行」
一方通行「もォいいのかよ?まだ喋っててもいいぞ」
響「大丈夫!あんまーにも早く会いたいし、ウチに行くさー」
一方通行「おォじゃあ行くか、ちょっと待ってろタクシー呼ンでもらうから……」
響「あっ待ってその前にコンビニ行ってくる!」ダッ
一方通行「あァならついでにコーヒーも……オイッ!てめっ待てや!!…………チッ、行きやがった」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
響「一方通行ァ!!」ハァハァ
一方通行「なンだよ?おめェはホント騒がしいよなァ、一応聞くけどオレのコーヒー……」
響「そ、そんなことより…ハァ…ハァ……これ」スッ
一方通行「あァ?週刊誌ィ?………………如月千早血塗られた過去……」
響「ね、ねぇ何これ?なんでこんな」
一方通行(千早の胸につかえてたのはこれか……)パラパラ
一方通行「これ出たのいつだ?」
響「昨日みたいだぞ」
一方通行「チッ、出たばっかだから騒ぎになってなかったのか……」
響「これ……事務所のみんなも見たよね?」
一方通行「電話してみる……」ポパピ…トゥルルルッ
一方通行「……おォ律子か?週刊誌見たか?……おォ…あァ!?病院だァ!?ンだよそれ…おォ…………チッ、わかった。あァ」ピッ
響「び、病院って何かあったのか!?」
一方通行「…………なったってよ」ボソ
響「え……?」
一方通行「千早が歌えなくなったってよ……声が出ねェらしい」
響「そ、そんな……」ジワ
一方通行「……」
響「事務所に帰ろう一方通行」
一方通行「いいのかよ、家族に会うの久し振りなンだろ?それに友達だって……」
響「今は家族より千早だぞ!それに……会わなくたって終わりじゃないって言ったのは一方通行じゃないか」
一方通行「そォだな……わかったすぐチケット手配する」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
一方通行「帰ったぞ!!」バァンッ!
響「千早は!?」
律子「ア、アンタ達なんで……」
響「千早が心配で飛んで来たんさ」
小鳥「千早ちゃんなら自分のお家にいるわ」
響「そうなんだ……」
一方通行「……つゥか全員揃ってンだな」
真「うん、久し振りにみんないるのにね……こんな理由でなんて」
全員「…………」ドヨ-ン
一方通行「千早の容態はどォなンだ?医者はなンて?」
律子「…………精神的なものだから治る見込みは無いそうよ」ギュウ
一方通行「アイツに来てる仕事は断わンのか?」
律子「今それを話してたとこなの」
美希「ミキがやるよ」
伊織「私もやるわ」
律子「あなた達……」
一方通行「わかった、任せる」
真美「ね、ねぇ兄ちゃん……このままアイドル辞めるとか……ないよね?」
一方通行「千早はなンて言ってンだ?普通に喋る事は出来ンだろ?」
律子「とりあえず今きてる仕事は全部断るって……」
亜美「けど別に大丈夫だよね!?歌わないアイドルだっているじゃん!」
一方通行「千早はあの顔とキャラだから歌わなくたって仕事はくる」
真美「じ、じゃあ……」
一方通行「本人が納得しねェよ。アイツは歌を歌いたくてここにいンだから」
亜美「そう、だよね……」
春香「私、千早ちゃんの家に行ってくる!」ダッ
あずさ「あ、春香ちゃん!?」
一方通行「この記事書かせたのは961プロか?」
高木「黒井の差し金とみて間違いないだろうね……」
一方通行「またか」
一方通行「……ククッ……クカカッ」
雪歩「一方通行君?」
一方通行「ハハッ、たまンねェなァ!なァおい?今回の件どォ思ってンだよ社長」
高木「?」
一方通行「てめェらのくだらねェ因縁が何も関係ねェ千早を傷付けたンだ!!それもこれもアンタが向き合わねェで先延ばしにしてたからだろォがッ!!」
高木「……」
小鳥「ちょっと、一方通行君そんな下らないだなんて……」
一方通行「そォだろォが!てめェらの因縁にオレ等は関係ねェンだろ?だったら2人でやってろよクソがッ!それを関係ねェ奴まで巻き込みやがって」
一方通行「おォ、アンタらにとっては下らねェ問題じゃねェのかもしれねェ。嫌がらせすンのもされンのも仕方ねェのかもしれねェ……だがなァ、千早が傷付いていい理由にはなンねェンだよッ!!」ガァンッ!
やよい「ひぅっ」ビク
伊織「一方通行!」
一方通行「…………悪ィ」
高木「ア、一方通行君」
一方通行「外出てくる……」バタン
美希「あっ……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜外〜〜〜
一方通行(もォ学園都市とか法律とか関係ねェよ……!黒井を殺して速攻で打ち止めンとこ行って向かってくる奴みな殺しにすりゃあいいンだろ?)
一方通行(そン時千早も連れてくか……冥土帰しならなンとかすンだろ……事務所の奴らには悪ィがもォ我慢できねェ……殺してやるよ黒井ィ)
一方通行「あ?」ピタ
貴音「……」
一方通行「何してンだ、どけよてめェ」
貴音「早まってはなりませんよ一方通行」
一方通行「しらねェ失せろよ邪魔すンな……もォ疲れたンだよ。やっぱりオレはこっち側の人間じゃねェ。早く楽になりてェンだ……だから、どけ」
貴音「なにを甘えているのです!!」ピシャリ
一方通行「!」
貴音「961ぷろのやり口に気付いていながら何も出来なかった自分が許せませんか?自罰的な貴方の事です。どうせ今からやろうとしてる事を後悔すると確信しながら行う気だったのでしょうね」
一方通行「……」
貴音「逃げてはなりませんよ一方通行、あなた様は私達を統べる存在。そんなあなた様がその体たらくでどうするのです!」
貴音「この優しくも暖かき手は血塗られるべきものではなく、私達を支える手であるべきです」ギュッ
貴音「いい加減に自覚なさい。あなた様は日向にいるべきお方。なにも無理して自ら陰鬱は場所に身を投じる必要などないのですよ」ニコ
一方通行「貴音……」
貴音「それとも私達全員を泣かせるおつもりですか?女の涙は高くつきますよ」ギュウウウ
一方通行「いってェ!分かったから離せ!もォ黒井ン所に行くのはやめた!」グググ
貴音「……」ギュウウウウウウ
一方通行「ッ!ほ、本当だって……信じろ!」
貴音「ふふっ……ならば良いのです」パッ
一方通行「チッ、乱暴な奴」サスサス
貴音「そう仰らないで下さい。私としてもあなた様が我々の前から消えるかどうかの瀬戸際だったのですから」
一方通行「もォ心配いらねェよ……」
貴音「はい、私はあなた様を信じております」ニコッ
貴音「さて、では事務所に戻るとしましょうか」
一方通行「いや、そこら辺歩いてく。オレがやるべき事を整理しねェとなァ」
貴音「私もお邪魔しても?」
一方通行「邪魔だ」
貴音「は、はい……それでは」シュン…トボトボ
一方通行「……貴音、ありがとな。お礼にお前が食いたいもンなンでも奢ってやる」
貴音「……」パァアッ
貴音「で、ではあなた様と料理を作ってみたいです!それを二人で食したいです!朝昼晩でですよ!」
一方通行「あァ?そンなンでいいのかよ?」
貴音「はい、それがよいのです!」
一方通行「わかった。次のお前のオフにオレも休日もらう事にする」
貴音「はい!」
一方通行「事務所の奴になンか聞かれたらオレは対策でも考えてるとでも言っといてくれ。じゃあな」スタスタスタ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「さて……」ポパピプペ…トゥルルル
一方通行「……よォ冥土帰し、久し振りだなァ……おォ…そォか、アイツは元気にやってンのか」
一方通行「けど違ェ、今日はその話じゃねェ……歌が歌えなくなっちまった奴が居るンだがどォすりゃ治る?…あァ?なンで知ってンだよ?…ハッ、まさかアンタがアイドルに興味あるとは思わなかったぜ」
一方通行「で、方法は…………おいおい死人以外はなンでも治すンじゃねェのか?…あ?周りが下手な事して余計悪化したらどォすンだよ?」
一方通行「どォしよォもなくなったら連れてこいって…………チッ、わかったよ。マジでヤバくなって治りませンでしたじゃあ許さねェからな!!…おォ、じゃあな」ピッ
一方通行(トラウマは自身で、または親しい間柄の奴と一緒に乗り越えた方が再発の危険も減るし患者の精神も安定する、か)
一方通行(まァ冥土帰しが治すっつった以上千早が歌えないまま終わるっつゥ未来は無くなった。後はどれだけハッピーエンドに近づけれるかだ)
一方通行(春香が千早ンち行くって言ってたなァ。取り敢えずは春香に任せるか……オレはその間にいつでも動けるよォに仕事を片付けとかねェと)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
ガチャ
一方通行「あ……」
高木「あ……」
一方通行「……」
高木「……」
一方通行「……他の奴等は?」
高木「全員、今日の所は帰ってもらったよ」
一方通行「そォか……」
高木「あぁ……」
一方通行「……怒鳴って悪かった」
高木「え?」
一方通行「悪ィのはアンタだけじゃねェ。オレだって961プロを止めようと思えば止められたンだ……八つ当たりだった。だから、すまねェ」
高木「君が気に病む事じゃない。君の言う通り今まで放置していた私が悪かったんだ」
高木「今回の一件で私は君を落胆させてしまったかな?」
一方通行「…………正直な。アンタはオレにとって数少ねェ尊敬できる大人なンだ。だから……あンま失望させねェでくれよ」
高木「そうか……君に嫌われるのは私としても御免被りたいとこだからね。私も立ち向かわねばならないよ」
一方通行「?」
高木「今夜、黒井と決着をつけてくる」
一方通行「マジか」
高木「あぁ、少し挑発したら直ぐに誘いに乗ってきたよ。私はそこで自分の過去を清算するつもりだ」
一方通行「オイオイ……」
高木「ん?あぁ、勘違いしないでくれたまえ。何も刺し違えようって訳じゃない。真正面から話すだけさ」
高木「黒井の事は私に任せてくれたまえ。だから……」
一方通行「分かってる。千早はオレ達の任せろよ」
高木「うむ、では行ってくるとしよう」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
深夜
高木「……」ガチャ
一方通行「よォ」
高木「おや……まだ起きていたのかい?」
一方通行「今日はアンタが戻ってくるよォな気がしたからなァ」
高木「ふっ……そうか」
一方通行「で、どォだった?過去の清算とやらは出来たのかよ?」
高木「どう…なんだろうね。いや、この年にもなると以前のように仲良しこよしとはいかないようだ」
一方通行「そォか」
高木「あぁ、だが黒井はもうウチに嫌がらせする気はなくなったようだよ。如月君の記事を書かせる事ももうないだろう」
一方通行「だが黒井は所詮は種火だろ?このゴシップがなくなるわけじゃねェ」
高木「扇動者のいない騒動なんてたかが知れてる。如月君が復活すれば直ぐに収束するさ」
一方通行「……アイツにはさっさと元気になってもらわねェとなァ」
高木「彼女には本当に悪い事をした……」
一方通行「……社長、千早はオレらに心を開いているよォに見えるか?」
高木「ん?完全に心を開いてくれてるとは言えないが……」
一方通行「オレもそォ思う。そンでその原因はこの記事に書いてある過去だろ?つまりいつかはアイツが立ち向かわなきゃならねェ事だったンだよ」
高木「……」
一方通行「良い機会だと思おうじゃねェか……まァ、流石に荒療治すぎるけどなァ」
高木「……もしかして、慰めてくれてるのかい?」
一方通行「気持ち悪ィこと言ってンなよおっさン……ただの事実だ。それに助ける側が前向きじゃねェと助けられるもンも助けらンねェだろォが」
高木「ははは、確かに一理あるなぁ」
一方通行「だったら社長もいつまでもショボくれてンなよなァ」
高木「あぁ、そう振る舞おう。実は1人で飲もうと思ってビールを買ってきたんだが一緒にどうだい?」
一方通行「オレは仕事の片付け最中だ。勝手に飲ンでろ」
高木「まぁまぁ、そう言わずに」
一方通行「うるせェ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
翌々日
春香「ただいま戻りました……」ガチャ
一方通行「おォ、今日も千早ンち寄ってきてたのか?」
春香「うん……」
一方通行「どォしたンだよ?」
春香「いや、その…千早ちゃんにおせっかいって言われちゃって……はは、流石に堪えたっていうかその通りっていうか」
一方通行「ヘコンでンのか?」
春香「うん……このまま私が踏み込んでいいものなのかなって」
一方通行「そンなのはお前の好きにしたらいいのさ。オレもそォしてきたし」
春香「え?」
一方通行「オレ達は家族なンだろ?だったら思うままに行動したらいいンだよ。なァに心配いらねェ。例えなンかやらかしたとしても他の家族がどォにかしてくれるさ」
春香「ア、一方通行……」
一方通行「ということでオレは行くぜ千早ンとこ。なンか言伝はあるか?」
春香「あ、これ!」
一方通行「ン?スケッチブック?」
春香「うん、これ優君の物なんだって。さっき表で千早ちゃんのお母さんが千早ちゃんに渡してくれって」
一方通行「母親が?チッ…母親なら直接渡してやれよなァ。まァいいわかった。持ってく」
春香「うん……千早ちゃんの事お願いね一方通行」
一方通行「……なァ春香、千早はお前の事を心の底から疎ンでる訳じゃねェよ」
春香「え?」
一方通行「ただ、お前みてェに明るくて自分の心をさらけ出してくる相手にどォ対応していいか分かンねェから突き離すだけなンだ。だから迷惑なンかじゃねェンだよ」
春香「そうなのかな……?」
一方通行「あァ、オレにはその気持ちが良く分かる。だから元気出せよ春香。お前が笑ってねェとこっちが調子狂う」
春香「え、えっと……こうかな」ニ…ニコ
一方通行「まだ駄目だなァ……ま、お前の笑顔は千早が復活した時にでも見してもらうとするわ。じゃあな」バタンッ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜千早宅〜〜〜
一方通行『おォ千早ァ、起きてっかァ〜』
千早(この声……一方通行?誰とも話したくないのに……)
一方通行『オレは春香みてェに優しくねェからよォ、無理矢理こじ開けさせてもらうぞ』
千早「?」
ガチャガチャ……ガチャンッ
千早「!?」
一方通行「よォ、ひでェ面してンなァ千早」スタスタ
千早「ど、どうやって……」
一方通行「超能力?」
千早「出てって…………ほっといてっ!!!」
一方通行「ほっとかねェよ」
千早「お願いだから……1人にして……」
一方通行「1人で居たら事態が好転すンのか?しねェだろ?だからお前を1人にしねェ」
一方通行「今日はお前と喋る為にたっぷり時間取ってきたからなァ、ほっといて欲しかったら力付くで退かしてみろよ」ストンッ
千早「……」
一方通行「にしてもお前の部屋なンもねェなァ。もォ少し家具置けよ」キョロキョロ
一方通行「あ、あいつ等からの見舞いの品捨ててなかったのか。春香がドアの前に置いといたとか言ってたが、わざわざ取りに行くあたりおめェらしいよ」ガサゴソ
一方通行「ふゥン……全員役に立つンだか立たねェンだか微妙なもンばっかだなァ」アハギャハ
一方通行「おっ、お茶っ葉あンじゃねェか……特別にオレが茶ァ淹れてやろォか?とっ、急須もねェか……」
一方通行「……お前がキャンセルした仕事の事なら心配すンな。美希と伊織とかが張り切って穴埋めしてっからよォ、今度お礼言っとけ」
一方通行「あァお前それと春香になンか言ったンだって?アイツあれで結構気にするタイプなンだからちゃンとフォローしてやれよ?どォせお前も言った事後悔してンだろ?」
千早「…………」
一方通行「おい、いい加減相づちくれェ打てよ。流石に空しくなってくるぜ」
千早「……」
一方通行「ハァ……あン?お前なンか髪がやたらベッタリしてねェか?まさか風呂入ってねェのか」
一方通行「チッ、おいおいおいおい頼むぜェ、おめェはウチのアイドルなンだからよォ……動くな?ちょっと体触るぞ」チョン
千早「?」
一方通行「……」キィィンッ
千早「!?」
一方通行「どォだ、スッキリしたろ?」
千早「え、どうやって……」
一方通行「今お前の体に付着してた汚れを吹っ飛ばした。おめェらには言ってねェがオレはそォいう事が出来る力を持ってンだよ」
千早「…………それで私の喉を治す事はできないの?」
一方通行「言うと思った…………まァ出来る出来ねェで言えば出来るぜ。ただしおめェが歌ってる間中オレがお前の体に触れてるって条件が付くがなァ」
千早「それでも……!」
一方通行「歌えるなら、ってか?それはお前が望むもンじゃねェだろ。それにそンな状態治ってるなンて言えねェし」
千早「……」
一方通行「そンな手間掛かる事やるよりお前が過去の事全部乗り越えた方が早ェしお互いにとってもいいだろォ」
千早「簡単に言わないで……」
一方通行「まァ、オレは当事者じゃねェからなァ……そォいやパパラッチされた内容がいつだったかお前が言ってた昔の話か?」
千早「……」コク
一方通行「そォか……悪ィな。お前が話す前に知っちまったよ」
千早「何よそれ……あなたにいつかは話そうと思ってた。本当よ」
一方通行「なら今聞かせてくれよ」
千早「え?」
一方通行「雑誌に書いてある事なンて殆どあっちに都合良い事ばっかだろ?お前の口から聞きてェンだ」
千早「上手く話せるかどうか……」
一方通行「別に上手く話す必要なンざねェよ。ゆっくり、お前の言葉で聞かせてくれ。その時どンな気持ちだったかとかな」
千早「えぇ……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
千早「これが私が話したかった事よ」
一方通行「そォか……」
千早「私は歌を歌っていなければならないのに……」プルプル
一方通行「……そンな心づもりだから声が出ねェンじゃねェのか」
千早「え……?」
一方通行「これ見ろ。お前の弟のなンだろ?春香がお前の母親から渡されたみてェだ。千早に届けてくれって」スッ
千早「これ……」パラ…パラ
一方通行「そこに描いてあるのお前と弟だろ?」
千早「そうよ」
一方通行「そォか。お前……笑えンじゃねェか、歌ってる時でも。反吐が出る程月並みな言い回しで申し訳ねェが、お前の弟が好きだったのは笑ってる千早だったンじゃねェか?」
千早「優ッ……!」ギュ
一方通行「オレよォ、お前に自己投影してンだわ。勝手な話だがな……」
一方通行「オレも前まで仲間だの絆だの家族だの自分には関係ねェもンだと思ってた。こンなクソみてェなオレがそンなもン持つ資格ねェって思ってた」
一方通行「けどよォ、そォじゃなかった。こンなオレでも仲間だって言ってくれる奴はいて、そンでそこの居心地はすげェ良い所だった」
一方通行「だからオレはもォ1人で平気なフリをすンのはやめる。お前ももォ自分の殻に閉じこもンのやめろ……出来るなら明るい所を歩いて行きてェじゃねェか。なァ、お前もそォ思うだろ?」
千早「……」
一方通行「これ」スッ
千早「CD?」
一方通行「アイツ等がお前の為に作詞した曲だ……お前次の定例ライブまでに歌詞覚えとけ。出番開けとくから」
千早「待ってまだ……」
一方通行「ここにはもォこねェ……お前がオレたちンとこまで来い」
千早「一方通行……」
一方通行「待ってるからな千早……じゃあな」スタスタスタ
ガチャン
千早「優……私は……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜ライブ会場〜〜〜
律子「来ないわね……千早」
全員「…………」
春香「ねぇ、円陣組も……」
ガチャッ!!
全員「!?」クルッ
千早「すみません……遅れました」ハァ…ハァ
春香「千早ちゃん!!」
律子「千早!!」
ワイワイガヤガヤ
一方通行(千早……)フッ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
千早『ーーーッーーーァ』
律子「あの子まだ……!?」
一方通行(ちきしょう……!どォする、どォするっ!?……1秒で考えろ、その為の頭だろォがよ!!)
春香「ッ!」ダッ
律子「春香!?ちょっ、みんなも……!」
一方通行「待て律子!止めンな!!……曲もそのまま続けてくれ」
一方通行(そォだ……別にオレ1人で解決する必要なンてねェンだ。頼ンだぞ……お前ら)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
千早(ありがとう……みんな……)スッ
千早『歩こう〜果てない道歌おう〜天を超えて・』
律子「!」ブワッ
一方通行「よしッ!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜舞台袖〜〜〜
ワァーーーーッ!!!
美希「千早さん!」ダキッ
千早「み、美希……みんな、ありがとう」ボロボロ
春香「おかえり千早ちゃん」ポロポロ
千早「うん…………あなたも、泣いてくれるのね……一方通行」グス
一方通行「……あ?」ツ-
一方通行「うォッ!?なンだこれ!?」ゴシゴシ
亜美「あぁ〜兄ちゃん男のクセに泣いてる〜」
真美「はっずかちぃ〜」
一方通行「あァ!?てめェらだって泣いてンだろォが!!」
真「いやいやこれはレアだよ」
伊織「もぉ〜、こんな時に笑わせないでよね」
一方通行「てっめェらこっちみンな!死ね!ぶっ殺すぞ!?」クル
律子「って出番出番こんなことしてる場合じゃないわよ!!」アタフタ
ワイワイギャーギャー
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜外〜〜〜
一方通行(さて、荷物はこれで全部トランクに入れたかな)バタン
冬馬「よぉ」
一方通行「お前ら……」
冬馬「如月千早、もう大丈夫みてぇだな」
一方通行「心配してたのか?」
冬馬「別に違ぇよ」
翔太「違わないことないでしょう〜あんなに気にしてたクセにぃ。あ、冬馬君もしかして恥ずかしいの?」
北斗「別に恥ずかしがる事ないぞ冬馬。エンジェルたちを心配するのは男の義務みたいなものだから」
冬馬「だからそういうんじゃねぇって……」
一方通行「でェ?結局なンの用だよ?」
冬馬「……アイツのあのゴシップ、オッサンがやったんだろ?それだけじゃねぇ……今までも裏でコソコソやられてたんだろ?」
一方通行「そォいう卑劣な真似すンのは765プロのお家芸なンじゃなかったのか?」
冬馬「流石に気付くぜ……」
翔太「冬馬君たら大変だったんだよ、黒ちゃんと取っ組み合いのケンカまでしちゃうし」
一方通行「マジか」
北斗「大事になる前に止めたけどね」
一方通行「所属事務所の社長にンな事して居場所あンのかよおめェら?」
冬馬「あんなとこコッチから辞めてやったよ」
一方通行「はァ?」
翔太「そうそう、おかげで僕たちフリーター?」
冬馬「嫌なら戻ってもいいんだぞ?」
北斗「ははは、それが出来る程度の仲なら苦労しないさ」
一方通行「………黒井はもォ卑怯な手を使わねェってウチの社長が言ってたぜ?だったらお前らが辞める理由なンて……」
冬馬「だからって許されるわけじゃねぇだろ」
一方通行「まァな……」
冬馬「俺は一度でもそんな事した奴の所には居たくねぇ…………それから」
一方通行「?」
冬馬「黒井のおっさんの代わりに謝らせてくれ……すまなかった!」バッ
翔太「ごめんなさい」スッ
北斗「すまなかった」バッ
一方通行「……なンでてめェらが謝る?」
冬馬「あんな奴とはいえ仲間だったんだ。だったら尻拭いをすんのは当然だろう」
一方通行「……ハッ、前のオレならそのままてめェらぶっ殺しちまうとこだが、今はその青臭ェノリは嫌いじゃねェ。オラ、てめェらさっさと頭上げろよ」
冬馬「アイツ等にも、ちゃんと謝るからよ……」
一方通行「まァそこは好きにしろよ……つゥかよ、お前ら次の事務所決まってンのか?」
冬馬「いや……まだだ」
一方通行「ならウチに来いよ。てめェらなら社長も大歓迎すンだろ」
冬馬「いや、それはねえな」
一方通行「なンでだ?」
冬馬「ライバルと同じ事務所じゃ本気で戦えないだろ?俺らは俺らでアンタ等みてぇに団結っつぅのを大切にする事務所を探してみるよ」
一方通行「そォかい……頑張れよ、応援してるぜ」
冬馬「おう、アイツ等にも言っといてくれ。すぐに追い付いてやるからな、って」
一方通行「あァ、伝えとく」
冬馬「それじゃあな」
一方通行「あァ」
一方通行(ジュピターか、これからどォなるか見ものじゃねェか。オレ達も気を引き締めねェとなァ)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数週間後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
千早「一方通行」
一方通行「ン?」クルッ
パシャッ
一方通行「…………なに勝手に撮ってンだてめェ?」
千早「ふふっ、昨日買ってみたのよ」
一方通行「買ってみたのよ、じゃなくてよォ……」
千早「色々自分の世界を広げてみようと思って……まだ上手に撮れないんだけど」
一方通行「ふゥン……つかなンでカメラなンだ?」
千早「大切な事を忘れないように。だから撮っていいでしょ?ほら、笑って?」
一方通行「撮るのは別に構わねェが楽しくねェのに笑えねェよ」
千早「……」ピカッ!パシャパシャパシャ
一方通行「てめッ、フラッシュ焚いてンじゃねェ!」
千早「ふふっ」ニコニコ
一方通行「カメラ寄越せ!てめェのその腑抜けた面撮ってやる」
千早「嫌よ」
美希「ハニィィィィィ!!」
一方通行「うォっ!?……なンだよ?」
美希「ハニーは千早さんに甘過ぎると思うな!美希には勝手に写メ撮るなとか言うくせに!」
一方通行「別にそンな事ねェだろ」
美希「そうなのぉっ!」プリプリ
千早「そんなに怒らないで美希……ほら、一方通行との写真撮ってあげるから」
美希「ホントに!?ハニーほら早くこっち来て!」グイグイ
一方通行「あァー?」
美希「千早さんオッケーなの!」ギュウ
一方通行「オイ、腕組むなよ……」
千早「いくわよ……」
パシャッ
千早「現像したらあげるわね」
美希「わぁ!千早さんありがとなの!」キラキラ
千早「一方通行もいるでしょ?」
一方通行「いらねェよ」
美希「えぇー!?お財布に入れて仕事先の人にこれオレのコレ、って紹介して欲しいの!」
一方通行「お前それ絶対やンなよ!!」
千早「そういえばそろそろ行かないとまずいんじゃない?」
美希「え、でもまだみんな揃ってないよ?」
一方通行「現地集合だからな」
美希「そっか……それにしても社長、みんなをバーに招待してくれるなんて太っ腹だね」
一方通行「太っ腹かァ?どォせならパーティ会場でも貸し切……いいや、もォ行こうぜ?」
千早「え、その恰好で?」
一方通行「あ?スーツじゃダメなのか?指定されたのはフォーマルな服装だろ」
美希「ミキそれじゃあダメだって思うな!みんな折角オシャレしてくるんだからハニーもやらなきゃダメってカンジ」
一方通行「つっても替えの服なンて……」
美希「ミキ買ってきてあるの!」
一方通行「なンでだよ」
美希「今日はオシャレするって分かってたから用意しておいたの。恋人の服装を決めるのは女の楽しみだもん」
一方通行「オレがいつてめェの恋人になったよ……」
美希「あはっ☆時間の問題なの」
千早「取り敢えず着替えてきたら?時間も無いんだし」
一方通行「おォ、ちょっくら着替えてくる」スタスタ
美希「…………千早さん、カメラ貸して欲しいの」
千早「盗撮はダメよ」
美希「盗撮じゃないよ?ミキはいつでも直球勝負なの」パシッ
千早「あ、ちょっと……」
ハニーーー!!
てめェ!入ってくンじゃねェよ!!!ガシャーンッ!!
キャーー!!ドォン!!ガラガラ!
千早「カ、カメラが……」オロオロ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜バー〜〜〜
美希「みんなー」
亜美「あ、ミキミキだ!」
真「もー、遅いよ」
千早「ごめんなさい、事務所で戸惑ってしまって」
一方通行「社長は?」
律子「あれ?さっきまで居たんだけど……」
伊織「まったく、アンタ達来るのおそっ///!?」
真美「兄ちゃん私服カッコよ!!」キラキラ
あずさ「ホントねぇ〜、チラリと見える鎖骨がセクシーよぉ?」
春香(あずささん鎖骨フェチなのかなぁ)
一方通行「あァ、美希が買ってくれてよォ」
響「ははっ、ヒモだぞそれぇ〜」ケラケラ
一方通行「……」グググ
響「ハ、ハム蔵……助け…て」
貴音「似合っていますよあなた様」ニコ
一方通行「おめェらも今日は大人びてンなァ」
雪歩「そうかなぁ///」テレテレ
やよい「わたしもですか?ちゃんと大人っぽく見えてますか!?」
一方通行「今までで一番な」ナデ
やよい「うっうー!良かっですー」ペカッ
一方通行(つゥか小鳥さンもいねェし)キョロキョロ
春香「え?壇上に居るのって……」
一方通行「ン?……!?」
一方通行(小鳥さンがなンで……マイクとピアノ……おいおいマジかよ小鳥さンが歌うのか!?)ニタァ
高木「あ、一方通行君来てくれたか……すまないがちょっと私に着いてきてくれないか?」コソコソ
一方通行「……」シカト
高木「ア、一方通行君?」
一方通行「今……話し掛けンな」
高木「まぁまぁ、そう言わずに」グイ-
一方通行「ッ!離せッ!!オレは小鳥さンの歌を聴くンだ!!」ジタバタ
高木「シィー、静かに……ここで騒げばここにいる全員に迷惑が掛かることになる。もちろん音無君にもね」
一方通行「!」
高木「さぁ、行こうか」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「で、用件はなンだ?」
高木「いやぁ、黒井の奴が君と話させろとうるさくてね」
一方通行「……ここにいンのか?」
高木「カウンター席に座ってる……ほら、アイツだ」
黒井「ほぉ、貴様が一方通行か」
一方通行「そォいうアンタは黒井か?」
黒井「ウィ、まぁ楽にしたまえ」
一方通行「……」
黒井「……」
高木「……」ハラハラ
黒井「何をしている?私を殴らんのかね?」
一方通行「あァ?」
黒井「高木からは貴様と話すのなら1発殴られる覚悟をしておけと言われたものでねぇ。貴様の方も私が憎いだろう?」
一方通行「別に許したわけじゃねェ……が、アンタのお仲間から謝罪は受けたしなァ……あァ、元お仲間か?」
黒井「なにぃ?…………ふん、あいつらめ余計な事を!」
黒井「まぁいい、話というのは……一方通行、貴様我が961プロに来る気はないか?」
一方通行「……なンだ?今オレは喧嘩売られてンのか?」
黒井「ノン、これは純粋なヘッドハンティングだ。優秀な人材は幾らいても無駄にはならんからな」
黒井「貴様の仕事ぶりは拝見させてもらっていた……率直にいって良い腕だ。765プロに置いておくには惜しい」
一方通行「オレがお前みてェな手口を使う奴の下に就くと思うか?」
黒井「貴様がそういうなら貴様等がいうところのその卑怯な手口とやらは多少は譲歩しよう。だが完全には無くさん。これが私の信じるやり方だからな」
一方通行「ハッ、そンなものが?」
黒井「何か勘違いしているようだが私の目指す者は圧倒的強者だ。その為には手段を選ばん、と言っている」
一方通行「……」
黒井「そうは思わんか?団結ぅ?絆ぁ?ハッ、確かにそれも良いのかもしれんなぁ!?だがな、それを維持する方法はなんだ?簡単な話だ。地位!権力!富だ!それらが一つでも備わっていないのなら話にならんよ」
黒井「貴様の目はそれを分かっている目だろう。競争が強さを生み出すと知っている目だ」
黒井「では何故お前は765プロにいる?さぞ居心地が悪かった事だろう。貴様は私のいうところの強者だからなぁ!悪いようにはせん。さぁ、私のとこに来い一方通行。共に頂点に君臨するぞ」
一方通行(なるほど……社長とはまた違ェベクトルで人を惹きつける男だなァ。冬馬達が信頼してたのも頷けるかもしンねェ)
一方通行「確かにオレにはアンタのとこの方があってるかもなァ……アイドルの売り出し方、演出、オレ好みだと思ってたぜェ?961プロ所属の奴も嫌いじゃねェし」
黒井「ならば……」
一方通行「だがアンタのとこにはいかねェ……」
高木「……」ニッコリ
黒井「な、何故だ!?」
一方通行「アンタの事務所にはアイツ等がいねェからだ……アイツ等以外のアイドルを面倒見ても面白くねェよ。それがオレが765プロにいる理由だ」
一方通行「もォいいかい?話は終わりだ。オレは戻る」スタスタスタ
黒井「……」
高木「……」
黒井「くく……フハハハハハッ!!聞いたか高木ィ!裏を返せば!貴様のアイドルを抱き込めばあの男も私の下に来るということだ!そうなれば貴様は終わりだなぁっ!!」
高木「ははっ、ははははは!!!」
黒井「貴様ァ!!何を笑っている!?」ダンッ
高木「ははは、これが笑わずにいられるか。彼はね、強制的に765プロに所属させられているんだよ」
黒井「ほう……」
高木「それを理由に断ると思っていたが……まさか彼女達がいるから辞めないとは…くっく、はははは!」
高木「こんなに嬉しいことはない!!飲もう黒井、私の奢りだ!!」
黒井「馬鹿か貴様は!セレブの私がど庶民の貴様から施しを受けるわけないだろう!逆にこの私が貴様に施しを与えてやろう。乞食のように感謝しろ」
高木「もう飲めればなんでもいいさ」
ギャーギャー
小鳥(うるさいのよねぇ…あの人たち)イライラ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数ヶ月後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
真美「あっ!違うって兄ちゃん!そこは……」
一方通行「イインだよこれで!黙って見てろよ」ピコピコ
貴音「おや?げぇむ、ですか?随分熱中していますね」
一方通行「おォ、亜美にスコア抜かれちまってなァ今抜き返してるとこなンだよ……チッ、クソッ!」ピコピコ
真美「じゃあ次真美の番ねー」
美希「ハニー!ちょっとこっち来て〜」
一方通行「ン?」
真美「ダメだよ!兄ちゃんは今真美とゲームやってんだから!」
美希「ハニーと、って今真美がやってるんでしょ?」キョトン
真美「待ってる人は隣りで見ててなきゃダメなの!!」
美希「え〜よく分かんないの。ちょっとの間だけだから……ね?」グイ-
真美「ミキミキはこの前仕事一緒に行ってたじゃん!だから今日は真美の番!」グイ-
美希「ミキ、悲しいけどそういうこと言う子は大人になれないと思うな」グイグイ
真美「大人は兄ちゃんを無理矢理引っ張ってはいかないっしょー」グイグイ
一方通行「どォでもいいけど引っ張ンのやめてくンねェか?痛てェンだけど」
あずさ「駄目よぉ2人とも?一方通行君が困ってるじゃない」
一方通行「いやだから困るじゃなくて痛いンだよ」
美希「……」ググググ
真美「……」ググググ
あずさ「……そう言えばこんな寓話あったわねぇ。痛がる息子を想って先に手を離した方が本当のお母さん……」
美希「!」パッ
真美「!」パッ
一方通行「ふゥ……」
あずさ「あら〜2人とも一方通行君のお母さんになりたいの?じゃあ私はお嫁さんになりたいから隣り座るわね」ストン
美希「わっ」ドサ
貴音「では私は反対側を……」スッ
真美「うわぁっ」ドサ
あずさ「一方通行君、最近飲み会の頻度減ってない?お姉さん寂しいなぁ」
一方通行「いや、ンな暇ねェだろアンタ」
貴音「料理も作ってくれなくなりましたね……」
一方通行「お前ンちでだろ?事務所では作ってンだから許せよ」
美希「……」ポカ-ン
真美「き、汚いよ!汚い大人だ!」
あずさ「そうよ真美ちゃん。大人はね、汚いのよ」
真美「くぅ……」
美希「真美、こっちに来るの!ハニー強奪作戦を計画するの!」タッタッタ
真美「アイアイサーだよミキミキ!」タッタッタ
あずさ「まぁ、強奪ですって……どうしましょう?大切なものはやっぱりしまっておくべきかしらね」
一方通行「冗談なら笑いながら言えよ怖ェから」
貴音「どのような策を練ってくるか楽しみですね」
一方通行「そォいやお前珍しく悪ノリに乗ってきたじゃねェか」
貴音「……全員ではありませんが事務所で皆と会うのは久しぶりですしね、胸が躍っているようです」
あずさ「そうねぇ、みんな揃って会うのなんて生っすかの時ぐらいだものね」
一方通行(確かに、響が嘆いてた時の比じゃねェくれェこいつら集まってねェよなァ……)
一方通行「まァ一週間後に全員集合するじゃねェか」
貴音「あぁ、そういえば……高木殿のお話とは一体……?」
一方通行「大方次のライブの事じゃねェか?」
あずさ「ライブ!?」
一方通行「シィー、静かに…アイツ等に聞こえねェよォにしろよ」
あずさ「ご、ごめんなさい……けどそれ本当?」
一方通行「他に多忙なお前等を無理矢理集合させる理由が思いつかねェ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一週間後
高木「なんと!二ヶ月後に765プロセカンドライブが行われる事に決定した!!」
律子「えぇ!?」
小鳥「本当ですか!?」
春香「やったぁ!!」
ワイワイキャッキャッ!!
一方通行(やっぱりな……)
高木「ふっふっふ、驚くのはまだ早い。場所は何と学園都市だ!今回の為にスタジアムも建設してくれるようだよ」
亜美「うっそ!?学園都市!?」
真美「じゃあ中に入れるの!?」
高木「はっはっは、もちろんだとも」
やよい「うわぁ……!」キラキラ
伊織「え……」チラッ
一方通行「ふざけンなッ!!!!」ダァンッ!
シィーーーーーン
一方通行「学園都市にコイツ等を連れてくだと?オイオイなンだそりゃ?ホラーアトラクションか何かかよ?あァッ!?」
千早「一方通行?」
高木「学園都市からこの話を受けてね」
一方通行「だから!!アレイスターのクソ野郎が呼ンだンだろ!?……あの野郎どれだけ人を虚仮にしやがったら気が済むンだよ。絶対ェコイツ等には手を出させねェぞ……手ェ出す奴は皆殺しにしてやる……!」
雪歩「……」ゴク
高木「安全には細心の注意を払うと言っていたよ」
一方通行「…………ハハッ、お、おいマジかよ?まさかあンな奴のこと信用してンじゃねェだろォな?」
高木「しているさ。友だからね」
一方通行「なッ……」
高木「これは決定事項だ。君には学園都市との交渉役に……」
一方通行「黙れッ……黙ってくれ……」
真「ちょ、ははっ、どうしたのさ一方通行〜なんだか凄い怖いよ?」
一方通行「………………外に行ってくる」
バタンッ!!
小鳥「え、えっと社長〜、我が社のホープが学園都市でライブをするのは反対みたいですけど……」
高木「こ、怖かったね」
律子「いや、怖かったねってそんな事言ってる場合じゃないですよ!アレをどう説得するんですか!?」
高木「あぁ、そこは心配いらない。アレイスターがこうなる事を予測していたみたいでね、手は打つと言っていたから」
響(誰……?)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜夜道〜〜〜
一方通行(学園都市は何が狙いだ?…………オレ?)
一方通行(いや、だとしたらこンな周りくどい真似しねェで速攻で殺してくるはず……まさかアイツ等の中に学園都市に利用価値があるよォな奴がいンのか?)
一方通行(伊織を拉致って水瀬財閥を掌握?いや、学園都市が金銭に困るとは思えねェ……水瀬財閥は極秘裏に何かしらの研究を進めてンのか?)
一方通行(それとも貴音か?アイツの体は普通じゃねェ……モルモットとしての価値はあるか。もしくは……)
?「動くと刺す……」
一方通行「……」ピタッ
一方通行「……あァー、別に刺してもイイがそン時死ぬのはお前だぜ?オレの能力は知ってンだろォ?学園都市の犬っコロォ」
土御門「ふっ、同僚に対してその言い草は無いんじゃないか一方通行?」
一方通行「ケッ、周りくどい登場しやがって」
土御門「だがお前反射切ってたろ?背後も簡単に取れるし、予告無しだったら刺せたぞ。随分俗ボケしたな」
一方通行「…………ここじゃそォいう能力は必要ねェンだよ」ポリポリ
土御門「ほぉー、変わったなぁお前」
一方通行「チッ、用件は?殺しにきたンじゃねェンだろ?」
土御門「あぁ、今日お前の社長から話されたろ?ライブの話だ」
一方通行「…」ピクッ
土御門「安心しろ一方通行。学園都市はお前や765プロに敵意は無い」
一方通行「信用できねェ」
土御門「お前がこっちに移ってから学園都市は大きく変わった……良い方向にな」
一方通行「あァン?」
土御門「非人道的な研究の永久凍結、レベル制による経済格差の排除、暗部の解体、etcだ」
一方通行「!?」
土御門「言っとくがマジだぜ?」
一方通行「そンな夢物語みてェな事が起きるはずねェだろ!」
土御門「起きたんだよ実際に。学園都市の治安も今はかなり改善されてな、夜道を女の子が1人で歩いていても安心だ」
一方通行「待てよ、じゃあなンでてめェは上の使いっ走りみてェな事してンだ!もォ暗部はねェンだろ?」
土御門「暗部の、取り分け力がある奴らは学園都市のゴミ掃除をしてるのさ。何分人材不足でな」
一方通行「?」
土御門「アレイスターは自分に逆らう奴を片っ端から潰していった。新たな学園都市には不必要な連中だ。もちろん、その中には統括理事会も含まれている」
一方通行「組織体制がグジャグジャじゃねェか。そっちの方がよっぽどやべェンじゃねェか」
土御門「これがそうでもないのさ。それに……元暗部の連中が束になっても敵わないなんて奴なんてそういないしな」
一方通行「束って……マジでお前ら仲良しこよししてンのかよ?」
土御門「暗部にいるような奴なんて大抵俺やお前のように弱味を握られていた奴等なんだ。それをゴミ掃除くらいで無くしてもらえるなら安い話だろ?人も殺す必要もないんだし」
一方通行「打ち止めは……?まだ解放されてねェンだろ?」
土御門「まぁまだ人質扱いといったらそうだが、あの子の監視役は俺に代わったよ。証拠も見せるか?ほら、この前打ち止めと撮ったツーショットだ」パカッ
一方通行「!?」
土御門「これだけ言えばもう分かったろ?一方通行、生まれ変わった学園都市は中々良いとこだぞ」
一方通行「待てよ、一番オレが気にしてるとこがまだだ……なンでわざわざアイツ等を学園都市に呼ぶ?」
土御門「……………………」
一方通行「おい……?」
土御門「……アレイスターがお前等のファンなんだよ……学園都市を整備した理由も765プロを招いてライブをしてもらいたかったからだ。こう考えると、お前のトコのアイドルは学園都市にとっての救世主だな」
一方通行「は、はァ?悪ィが冗談に付き合う余裕は……」
土御門「聞き返すなよ!俺だって無理矢理納得しているんだ」
一方通行「にしたって……」
土御門「もう学園都市ではお前等のライブの告知が大々的に行われてるよ……会場だってまだ建設途中なのに」
一方通行「…………」
土御門「とにかく!お前は大人しく学園都市に来い。アレイスターはアイドルの中でも特に765推しだからな。学園都市のアイドルマーケットを独占できるんだ、そちらに取っても悪い話では無いだろうプロデューサー?」
一方通行「……条件がある」
土御門「言ってみろ、可能なものなら全て許可しろとアレイスターから言われているからな」
一方通行「社長が言うには、今回のライブで学園都市側と打ち合わせや交渉するのはオレになるらしい」
土御門「だろうな」
一方通行「でだ、学園都市の交渉役はお前がやれ土御門」
土御門「馬鹿かっ!今俺がどれだけ忙しいと思っている!?舞夏に会う時間を削ってさえいるんだぞ!?」
一方通行「知らねェよ。出来ンだろ?」
土御門「貴様ッ」
一方通行「他の奴等は信用なンねェ……てめェなら、少しくらいは信頼してやる」プイ
土御門「一方通行……」
土御門「お前、随分気持ち悪くなったなぁ……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
一方通行「……」ガチャ
雪歩「一方通行君!」
高木「その顔は、どうやら話はついたみたいだね」
やよい「もう怒ってませんか?」
一方通行「あァ。ンだァもしかしてまた怖がらせちまったかァ?」
やよい「いえ、大丈夫です!ただ……みんなで喜んでる時に一方通行さんだけ笑ってないのは嫌だなぁって思ってたんです」
千早「高槻さん……」キュンッ
一方通行「クソ野郎と話てきたばっかだから心が洗われるぜ」ナデ
高木「ふむ、では先程の続きだが先方との打ち合わせは君に任せる」
一方通行「おォ」
高木「ライブの演出や衣装、セットリストの順番などその他諸々の事も全て君に任すよ」
一方通行「は?」
高木「学園都市側としてもかなり力を入れている大プロジェクトのようだからねぇ、こちらとしてもそこにリソースを使いたいんだよ」
一方通行「だからってオレ1人かよ!?衣装なんかは律子とも相談しながら決めるべきだろ」
律子「私はアンタがいない間にこの子達を見ててなきゃいけないからそこまで首回んないわよ。それに、アンタの選ぶものだったら文句はないわよ私。失敗もないでしょうし」
真美「うあうあ〜っ、じゃあ兄ちゃん真美たちの仕事について来てくれなくなんの〜!?」
律子「かなり減るでしょうね」
雪歩「そんな……今でも少ないのに……」
美希「そんなのってないの……」
伊織「しょうがないでしょ仕事なんだから……まったく、このぐらいの事で騒いじゃって」
亜美「んっふっふ〜、言いのかなぁいおりん〜そんな事言っちゃって〜」
伊織「はぁ?何がよ?」
亜美「兄ちゃんが忙しくなるって事はいおりんが兄ちゃんが着た後のスーツのニオイを嗅ぐ機会も減っちゃうよ〜」
伊織「なっ!?」
一方通行「えっ」
小鳥「おやおや」
伊織「ちがっ、し!してない!しないわよ!そんな事してないわよっ///!!」
真美「いおりんじゃなくてむっつりんじゃんw」
伊織「失礼ね!怒るわよ!?」
高木「うぉっほん!!」
高木「今話したように一方通行君も律子君も多忙の身だ。今までのようにレッスンの様子を見る余裕もないだろう」
高木「そこで、アイドルの誰かにライブに向けたレッスンの指揮を執ってもらいたい。私は天海君が良いと思うんだが……どうかね?」
春香「わ、わたしですか!?」
一方通行「異論はねェ、むしろ適役だ」
律子「私もです」
千早「私も、春香が良いと思います」
私も!私もー!賛成ー!!はるるんに決定っしょー!ワイワイキャッキャッ
春香「みんな……」
高木「よし、決定だね。ではみんな、ライブまで後2カ月頑張って行こう!……765プロォ……」
春香「765プロー、ファイトォーッ!!」
全員「オォーッ!!」
高木「お、おー!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一ヶ月後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
一方通行「……」ムス…カタカタカタカタ
ガチャッ
真美「おっはよー」
小鳥「あら、真美ちゃん!おはよっ」
真美「ピヨちゃんおはー」
小鳥「お茶淹れてきてあげるわね」
真美「ピヨちゃん大好きっ!」
真美「兄ちゃんもおっはろー!」ピョンッ
一方通行「…………おォ」カタカタカタカタ
真美「あれ、もしかしてオヤスミの方があってる?」
一方通行「あァ、いつ寝たかオレにはわからねェ」カタカタ
真美「えぇっ、それヤバイじゃん!ちゃんと寝なよ」
一方通行「終わらねェンだよ……!いくらやっても……!!」カタカタカタ
真美「けどちょっとは休憩しないとダメっしょ〜」
一方通行「そォだな」ボ-
真美「10分くらい寝たら?今なら真美が特別に兄ちゃんだけの抱き枕になってあげる…………なーんて……」
一方通行「そォだな」ダキッ
真美「え///?」ドサッ
真美(に、兄ちゃんが壊れたーーっ!!!)
真美「に、兄ちゃん。ヤバイよ流石に……」
一方通行「……」ス-ス-
真美「……」
真美「お疲れ兄ちゃん」ナデナデ
真美「ふふ」
真美(なんだか兄ちゃん真美より子どもみたい)
真美「おぉーよしよし」ナデナデ
小鳥「キ、キャーッ!!何してるの2人とも!?」ガチャ-ン
一方通行「うォッ!?」ガバッ!
真美「もぉーピヨちゃん!!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「そンでェ?どォした?お前も暇じゃねェだろ」
真美「うんちょっと相談したいことが」
一方通行「あン?」
真美「ライブでやるソロ曲ってさ、真美達が選んでいいんだよね?」
一方通行「おォ」
真美「だったらさ、新曲でもいいの?」
一方通行「別に構わねェが……今から誰かに新曲作ってもらうってことか?」
真美「うん、ていうか曲だけ……真美、作詞してみたい!」
一方通行「作詞ィ?どォいう風の吹き回しだよ」
真美「最近興味あってね、やってみたいな〜って」
一方通行「ふゥン、分かった。なら歌詞書いて寄越してくれ。作曲家に渡してみっから」
真美「えぇっ!?ダメだよ!兄ちゃんにはまだ秘密だもん!」
一方通行「はァ?」
真美「実は律っちゃんと前もって話は進めてたんだ。そんで実現しそうだから兄ちゃんにも報告しとかなっきゃって」
一方通行「そォか。ま、分かった。真美は新曲でいくンだな」
真美「うん!楽しみにしててね兄ちゃん!」
一方通行「おォ…………練習の調子はどォだ?順調か?」
真美「……ううん、微妙」
一方通行「そォなのか?」
真美「うん、はるるんもめっちゃ頑張って予定立ててくれるんだけど、みんな収録押しとかで中々出来ないんだ」
一方通行「……」
小鳥「そういえば、ちょっと前に春香ちゃん事務所に来てたわね」
一方通行「え?今全員直行直帰ですよね?」
小鳥「うん、そうなんだけど。一方通行君いる?って……」
一方通行「メールとかは来てませンでしたけど」
真美「はるるんもみんなみたいに兄ちゃんに会いたかったんじゃん?」
一方通行「そォいうタイプかァ?」
一方通行(なンか相談事か……?)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜空港〜〜〜
一方通行「悪ィな見送りがオレだけで」
千早「何言ってるのよ、一方通行が見送りに来てくれただけで嬉しいわ。あなたもすごい忙しいんでしょ?」
一方通行「別に平気だよ。忙しくねェプロデューサーなンてやべェだろ?」
千早「ふふっ、それもそうね」
一方通行「にしてもニューヨークか。イイのか?本当に着いて行かなくて?」
千早「まぁ、それは次の機会に取っておくわ。レコーディングであなたを独占するのもみんなに悪いし」
一方通行「次ってェと……ニューヨークでライブとかか?」
千早「いいえ、世界ツアーよ」
一方通行「ハッ、大きく出たなァ」
千早「目標は大きい方がいいから……あ、もう行かなきゃ」
一方通行「おォ、じゃあ気を付けてな」
千早「えぇ……そうだ、一方通行」
一方通行「ン?」
千早「春香の事、気に掛けておいてくれない?」
一方通行「どォいうことだ?」
千早「最近すごい悩んでるみたいなの」
一方通行「あァ、全体練習できてねェンだろお前等?」
千早「それもあるんでしょうけど……直接の原因はそれではないと思うのよ。私の思い過ごしだったらいいのだけど……」
一方通行「お前が言うンだ、思い過ごしじゃねェンだろォ。お前は春香の親友だろ?」
千早「そう、呼べる関係だとしたら嬉しいけど///」モジモジ
一方通行「わかった。アイツの事は気に掛けておく、だからお前はレコーディングに集中しとけ」
千早「えぇ、信頼しているわ。じゃ行ってくるわね」
一方通行「おォ、またな」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜765プロ事務所前〜〜〜
春香(はぁ……私どうしたらいいんだろう?一方通行、今日はいるかな)
キィッ
一方通行「あァ!?」
春香(いた!)
一方通行「だァから!!そォじゃねェッて言ってンだろォがァ!いいか!?ウチはアイドルとファンとの一体感を大事にしてンだよ!そのやり方じゃそれが薄まンだろォがッ!!」
春香「……」
春香「……」コツン
パタン
春香(なに弱気になってたんだろう……一方通行が頑張ってるんだから私も頑張らなくちゃっ!)ヨシッ
バァンッ!!
春香「ヒッ!」ビク
一方通行「てめェなに黙って出て行ってンだ。オレに用があンだろ?入れよ」クイ
春香「う、うん」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「確かに……ひでェ面してンなァ」
春香「え……?」
一方通行「千早の奴がよ、お前の様子が変だって言っててな……」
春香「そっか、千早ちゃんが……」
一方通行「どォしたンだ春香?練習が上手く出来てねェから焦ってるってだけじゃねェンだろ?」
春香「うん…………なんか怖くて」
一方通行「?」
春香「このままみんな離れ離れになっちゃうんじゃないかって」
春香「生っすかも終わっちゃってみんな全員で会える機会がなくなっちゃった……」
一方通行「あァ、そォだな」
春香「私は……本当は、今の仕事を辞めてでもみんなと一緒に練習したい……一緒の時間を過ごしたい」
春香「みんなにもそうしてほしい……けどっ、それって私のワガママで、みんなの足を引っ張る事になるんじゃないかって……」
春香「私のみんな楽しく、がみんなの迷惑になるんじゃないかなって……!」ポロポロ
一方通行「そォか、それをずっと悩ンでて、アイツ等にも言えなかったのか……」
春香「うん……」ポロポロ
一方通行「すまねェ……お前にそンな思いをさせたのはオレと律子が不甲斐ねェからだ」ペコ
春香「なっ、そんな事ないから頭なんて下げないでよ」
一方通行「そンな事あンだよ。プロデューサーなンだからスケジュール調整に気を付けなきゃ駄目だ」
一方通行「オレも前から仕事取り過ぎじゃねェかって思ってたンだよ。もォ少し待っててくれライブ練習の時間取れるように……」
春香「そんなの駄目だよ!!」
一方通行「なンでだよ……?」
春香「だってそれじゃあみんなの仕事を減らすって事でしょ?そんなの……」
一方通行「むしろお前等の為になると思うぜ?」
春香「え?」
一方通行「765プロの色っつったらやっぱりお前等の仲の良さだ。そォいう空気はお前等にも良い影響を与えてる。ま、事務所は家でオレ等は家族みてェなもンだろ?」
春香「うん……」
一方通行「今お前等はそォいう心の支えとか拠り所が無くなりつつある。それはやべェだろ?今は成功続きだから良いが、1人で失敗した時誰が助けてくれる?誰が側に居てくれる?全員仕事の予定がぎゅうぎゅうだってのに」
春香「……」
一方通行「このままの状態じゃいずれお前等の中の誰かが潰れるなァ。お前等の誰にも気付かれずにな……」
一方通行「な?現状の方がやべェだろ?」
春香「そう、だけど……」
一方通行「それによォ、お前等まだ大半が未成年なンだから今のウチにガンガン仕事しねェでもっと色ンな事やった方がいいンじゃねェの?」
春香「でもアイドルは人気商売だし、仕事もらえるうちに頑張んなきゃ……」
一方通行「別に全部辞めろとは言ってねェンだから平気だよ。それによ、なンの為のプロデューサーだ?」
春香「けど、みんな納得するかどうか……」グス
一方通行「さっき聞いてて思ったけどよォ、お前のそのみんなに迷惑って言い分はお前しか765プロの事を大切に思ってないって言い分だろ?」
春香「っ!そんなこと……!」
一方通行「なら信じろよ………信じてアイツ等に言ってやれ、今のお前のその気持ちを」
春香「!」
一方通行「大丈夫だ。オレ達は家族だろ?思いは一緒さ」ギュ
一方通行「オレもやっぱ、お前等全員揃ってねェと収まり悪ィンだよ……」ポリポリ
春香「うん……一方通行、みんなと話したい。スケジュール調整してくれる?」
一方通行「あァ、任せろよ」
春香「でも、どうするの?そんな簡単に断れるの?謝りに行くにしても一方通行だって忙しいのに」
一方通行「そこはまァ……頭下げてもらおうや。ウチの家長に」ニィ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜日焼けサロン〜〜〜
高木「?」ゾクッ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ライブ前日
〜〜〜学園都市〜〜〜
亜美「着いたーーー!!」
やよい「うわぁ!」キラキラッ
一方通行「じゃあ今日仕事入ってる奴等着いてこい。入ってないのはホテルに行ってくれ」
数人「はーい」
あずさ「そういえば今日泊まるホテルってエステとかプールとかあるらしいですよ」
律子「わぁ!楽しみですね!」
真美「ねぇねぇ!前ノリしたって事は学園都市を探検していいってことっしょ!?」
一方通行「ダメだ、大人しくホテル行け」
やよい「えぇー!?それはちょっと残念かなーって」
一方通行「……」
伊織「別にちょっとくらい良いじゃないの」
一方通行「お前は分かってンだろ?」
伊織「ウチのSPを何人も忍ばせてるから平気よ」コショコショ
一方通行「なンかありそォだったらすぐ電話しろよ?」
伊織「分かってるわよ」
一方通行「よし、ならくれぐれも離れて行動すンなよ?特に双子!分かってンなァ?」
亜真美「アイアイサーだよ兄ちゃん!」
響「ちぇー、いいなぁ伊織たち」
雪歩「しょうがないよ今日は高校生組だけの仕事だし」
春香「"学園"都市だもんねぇ」
美希「むー、だったらミキがここに居るのはおかしいの!」
真「まぁ美希は中学生には見えないしなぁ」
貴音「私に至っては学生ですらありませんが……」
千早「でも、もし学校に通っていたとしたら高校生3年生ですよね?」
一方通行「おら、くっちゃべってねェで行くぞォ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜ホテル〜〜〜
亜美「でさー!そん時やよいっちがね」
やよい「あー!言わないって約束したのに」
真美「ねぇ兄ちゃん聞いてるー?」
一方通行「…………いや、今書類チェック中なンだけど、どっか行けよお前等」
亜美「えぇー酷くなぁい?」ガシ
真美「そんな事言うと邪魔しちゃうよ〜ん」ガシ
一方通行「お・り・ろ!」
亜真美「やだよ〜ん!!」ケタケタケタ
一方通行「……お前等はプール行かなくていいのか?」
やよい「プールですかぁ?」
一方通行「おォ、このホテルプールあンだよ。真達は行ったみてェだぞ?」
真美「水着は?」
一方通行「フロントに言えばくれると思うぞ」
亜美「マジで!?じゃあ行こうよ!」
やよい「うん!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜外〜〜〜
伊織「で、なんで私だけ外に連れ出されたのよ?」
一方通行「お前の事だからどォせアイツ等の事心配してずっと気ィ張ってて満足に楽しンでなかったンだろ?」
一方通行「オレの隣りに居ンならそンな心配もいらねェ。だからそこら辺歩こォぜ?」
伊織「あら、随分でかい口叩くじゃない」
一方通行「当たり前だろ。オレの隣りが世界で一番安全だぜ?」
伊織「プッ、何よそれw!まぁいいわ、それじゃあエスコートして下さる?」
一方通行「かしこまりました……お嬢様?」ペコ
伊織「にひひっ、中々様になるじゃない。本当に私の執事にしちゃおうかしら」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
伊織「学園都市って本当に道端にロボットがいるのねぇ」
一方通行「あァ清掃用ロボットか?確かに便利かもしンねェが結構うぜェよ」
伊織「ふ〜ん、一台幾らかしら?」
一方通行(ザッと歩いてみた感じ不穏な気配はしねェ、マジで土御門の言った通りか……)
一方通行「ノド渇かねェか?そこの自販機でなンか買ってやろォか?」
伊織「学園都市の自販機って他にはない銘柄ばっかなんでしょ?オレンジジュースある?」
一方通行「あァー、どれどれ……お、これが一番近いンじゃ……」
?「ア、アンタは……!?」
一方通行「あァ?」クルッ
一方通行「……てめェ、オリジナルか……?」
美琴「なんでアンタみたいなのがこんなとこに……っ!!その子に何するつもり!?離れなさいよ!!」
伊織「な、何よ?一方通行の知り合い?」オドオド
美琴「え、水瀬……伊織?」
美琴「本当だったんだ、アンタがアイドルのプロデューサーやってるって噂……」
一方通行「……」
美琴「ねぇ?どの面下げてそんなことしてんの?次はその子達を殺すんだ?その子達殺せば無敵になれるの?」
一方通行「そンなンじゃねェ……」
美琴「じゃあなんでアンタみたいのがプロデューサーなんてやってんのよ!!最低の大量殺人鬼のくせに!!なにのうのうと生きてんのよ!?私はまだ許してない!」
一方通行「……許されようなンて思っちゃいねェよ。一生な」
美琴「……」ギリィッ
伊織「ちょっとちょっと、なんなのよアンタ!!こいつの事大して知りもしないくせに好き勝手言ってんじゃないわよ!!」
美琴「知らないのはそっちでしょ!?コイツはただの学園都市が生んだ化け物よ!……アンタこそ関係ないんだからすっこんでてくれる?」
伊織「化け物ですって?アンタごときが一方通行を語るんじゃないわよ!!今のアンタの目の方がよっぽど化け物じみてるじゃない!」
美琴「なんですってぇ……」
一方通行「オイ、伊織……」
伊織「言わせなさいよ!アンタが悪く言われてんのに黙って見過ごせないでしょ!?」
美琴「あぁ、そうなんだ……アンタ、立派に表の世界の住人やってるんだ?」
伊織「?」ゾク
美琴「あの子達を……散々痛めつけたアンタが」パチッ……パチパチ
伊織「な!?」
一方通行「下がれ伊織、オレの前にぜってェ立つな」グイ
美琴「……」バリバリバリィッ
一方通行「……」
おーーーいビリビリー!何処言ったー!?
美琴「!?」
一方通行(この声……?)
美琴「…………二度と、その顔見せないで」タッタッタッ
一方通行「ふゥ……」
伊織「あれが……超能力ってやつなのね……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「悪ィな、せっかくの埋合せがあンな事になっちまって」スタスタ
伊織「別にいいわよ……」トコトコ
一方通行「……」スタスタ
伊織「……」トコトコ、キュッ
一方通行「どォしたいきなり手なンざ握ってきて、さっきの怖かったか?」
伊織「違うわよ……アンタが心細そうにしてるからよ」
一方通行「………………まァ、間違ってはねェよ」
伊織「絶対能力進化実験って本当だったのね……」
一方通行「!?……社長から聞いたのか?」
伊織「ううん、お父様から……」
一方通行「そォか…………怖くないのか?」
伊織「怖くないわよ、むしろ悲しくなった……アンタの事を思うと泣きそうよ」ギュウ
一方通行「?」
伊織「一方通行が私達の考えてる事が分かるように、私達だってアンタの考えてる事くらい大体想像つくわよ」
伊織「もう一度自分が居た場所に戻りたかったんでしょ?自分と敵対するのが馬鹿らしいくらい強くなれば、また楽しい世界に戻ってこれると思ったから実験に手を貸したんでしょ!?」
一方通行「…………」ギュウ
伊織「なのに……っ、なのにっ!!なんでアンタばっかりこんな目に合わなきゃいけないのよ!!アンタは幸せになりたかっただけじゃない!それがそんなにいけないことなの……?」ボロボロ
一方通行「それだけの事をしたンだよオレは……」
伊織「知らないわよ!私は事務所に来てからのアンタしか知らないんだからアンタの肩持つのは当然じゃない!!他の奴らの気持ちなんて知りたくもないわよ!!」フ-フ-
一方通行「なンでお前がオレの事で泣くンだよ」
伊織「アンタが泣かないから代わりに泣いてやってんのよ!!」ポロポロ
伊織「認めないわよ……?アンタが幸せになれないなんて私は絶対認めない!アンタはこれだけ私達に沢山のモノをくれたのにそれが報われないなんて嘘じゃない!」
一方通行「……」
伊織「私に出会った事を後悔しなさい一方通行」
一方通行「はァ?」
伊織「見逃さないから……アンタが幸せになるまで絶対に私は離れない!一生つきまとってやるから」
一方通行「……ハハッ、なンだよそりゃァ?プロポーズかなンかか?」
伊織「それで一方通行が幸せになるっていうなら結婚でもなんでもしてあげるわよ!」
一方通行「お、おい……そォ自暴自棄になンなよ」
伊織「なってない!」
一方通行「幸せ、ねェ……なァ伊織、オレはこれでも充分幸せなンだよ。たまらねェくらいに……」
一方通行「今のオレは昔のオレじゃ有り得ねェ台詞連発してるしよォ……ホンット、どォしてこォなったンだか、ククッ」
一方通行「お前等がオレを変えてくれた。感謝してる。オレも今じゃ人並みの人生を送りてェって思えるよォになったしな」
伊織「それじゃあ足りないって言ってんのよ!」
一方通行「そォか?」
伊織「そうよ!」
一方通行「ふゥン、そォかい……まァ、お前がオレをどォ幸せにしてくれンのか楽しみにしてるぜ?」
伊織「ふん、過去の事を思い出す暇なんて無いくらい幸せにしてあげるわ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ライブ当日
〜〜〜ライブ会場〜〜〜
一方通行「あァ、それはあっちに運ンどいてくれ」ドンッ
一方通行「っと、悪ィ平気か?」
麦野「ってぇなぁ!!……ん?白髪?まさかアンタが第1位?ふぅん、中々良い男じゃない♪」
一方通行「誰だ……?」
麦野「メルトダウナー、って言ったらわかるかにゃ〜ん?」
一方通行「お前第4位か……確か麦野沈利だったか?」
麦野「ご明答〜」
一方通行「なンでこンなとこいンだァ?」
麦野「会場警備だよ。外か客席は男が……楽屋周りなんかは女が守るってわけ」
一方通行「暗部の奴が使われてるとは聞いてたがレベル5も使われてンのか……」
絹旗「麦野ーなにサボってるんですか!?」
麦野「あー悪い悪い」
一方通行「こいつも暗部か?」
絹旗「一方通行!?」ギリ
麦野「ほーら、今はお前の因縁晴らす状況じゃねぇだろうが」ポン
一方通行(因縁?こンな奴覚えねェぞ……?)
麦野「コホンッ、そ、そんな事より真様いないの?」
一方通行「は?」
麦野「だぁから真様だよ!!まだリハしないの?」
一方通行「しねェよ。てかお前真のファンなのか?言っとくが節度は持てよ?警備員なンだろ?」
真「あっ、一方通行〜。ボクの衣装にスカート無いみたいなんだけどどうかしたのかなぁ〜?」
一方通行「あ、馬鹿ッ……」
麦野「ま、真様っ!!あの、その貴方のファンです!!握手して下さい///!!」スッ
絹旗(超誰ですかこの乙女は?浜面あたりに写メでも送ってやりましょうか)
真「え、はい!ありがとございます!」ニカッ、ギュッ
麦野「〜〜ッ///」ジュンッ
真「それにしても光栄だなぁ。貴女みたいに綺麗な人にファンだって言ってもらえるなんて!ボクが男だったら絶対ほっときませんよ」
麦野「はぅっ……///」バタンッ
絹旗「うわぁぁぁ!!麦野が超倒れたー!?」
真「うわぁどうしよう、一方通行!き、救急車!救急車ぁ!!」
一方通行「いや、いいほっとけ」
真「で、でも」
一方通行「いいから……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行(ったく、土御門の野郎どこ行きやがった?まだ打ち合わせ済ンでねェってのに)キョロ
シュンッ
結標「へぇ、本当にプロデューサーやってるのねえ。スーツ似合ってるわよ?」
一方通行「……」キョロキョロ
結標「ちょっと!なに無視してんのよ!」
一方通行「うぜェな忙しいンだよ!土御門連れてこい!」
結標「まったく、久し振りに会ったっていうのにご挨拶ね」
美希「あ、ハニーこんなとこにいたの?」
結標「ハニィー?」ニヤニヤ
美希「あっ」ビクッ
一方通行「気にすンな、コイツは知り合いだ」
結標「そうよ?"彼"とは何もないんだから気にしないで?」
美希「む」カチンッ
美希「……どんな知り合い?」
一方通行「あ?別にどォでもいいだろ?」
美希「どんな知り合い!?」
一方通行「どンなって……元同僚?」
結標「あら、素っ気ないのね。人には言えない事を沢山してきた仲じゃない」
美希「なっ!」
一方通行「はァ?」
結標「あなたは大丈夫?この人って凄く乱暴にするでしょう?私も初めてあった時に乱暴にされてね、血が凄い出っちゃって大変だったわ。何日かずっと痛かったし……」ハァ
美希「///」パクパクパク
一方通行「お前……なンでそォいう言い方しか出来ねェの?」
結標「あら、事実は事実でしょ?」
美希「ハニーの馬鹿ぁ!!」バチンッ
一方通行「いってェ!」ドサッ
結標(こいつ……女の子に叩かれて倒れちゃってるわww)プルプル
美希「……」ガシ
一方通行「?」
美希「んっ」チュウッ
一方通行「んむっ!?……ぷはァ、てめッいきなり何して///」ゴシゴシ
美希「……」キッ
結標「ふふっ、なにかしら?」
美希「事務所の誰かならまだしも……どこの馬の骨かわかんない人には負けないの!」
結標「へぇ?」
美希「ハニー!早くこの人との話を終わらして"私"の所に帰ってきてね!?」ドスドスドスドス
一方通行「てめェ……どォいうつもりだよ!?」
結標「アイドルとキス出来たんだからいいじゃない」
一方通行「良いわけねェだろ!!」
結標「まぁ、私もあんな事になるとは思ってなかったわ。最初はなんだかあなた達が仲睦まじいようだからチョロっとからかうつもりだったんだけど」
結標「ふふ、一気にあの子のファンになっちゃたわ」
一方通行「美希にとっちゃありがた迷惑だろォな」
結標「ま、良い暇つぶしになったしそろそろ行くわ。じゃあせいぜいプロデューサー業務頑張りなさい?あ、美希ちゃんとも仲良くしてあげなさいよ、ハニー?」シュンッ
一方通行「……」
一方通行「何をイイ女ぶってやがンだショタコン女がよォ……!」イライラッ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「あァーさっきはすげェ目に会ったなァ」ポリポリ
一方通行(チッ、まだ感触が残ってやがる……)
海原「お久しぶりです一方通行。何やら疲れていら……いったぁ!?」
海原「なんでいきなり殴りかかってくるんですか!?」
一方通行「うるせェなァ!!ぜってェくると思ったぜこのストーカー野郎がァ!!」ブォン
海原「ち、ちょっと!」バッ
一方通行「消えろ今すぐ消えろじゃねェと……」
貴音「一方通行、振り付けの確認をして欲しいのですが……」
一方通行「こォなるから……」
貴音「あっ、申し訳ありません。お話の最中でしたか」
海原「いえ、僕の事はお気になさらず」
一方通行「振り付けチェックつってンだぞ?てめェがいたら貴音の気が散ンだろォが消えろ」
貴音「おや、お知り合いですか?随分砕けた態度をとっているようですが……」
海原「そうですねぇ……一方通行はかけがえのない仲間です」
一方通行「反吐が出るなオイ」
海原「ははっ、僕もですよ」
貴音「なるほど、一方通行の仲間というだけあってあなたも中々不思議な力を持っているご様子」
海原「え?」
貴音「そこで疑問なのですが……何故、仮面を被っているのですか?」
海原「なっ!?」サ-
貴音「?」キョトン
海原「四条さんは魔術師か何かですか!?」クル
一方通行「さァなァ?てめェの変装が下手なンじゃねェの?」ケラケラ
海原「そんなわけないでしょう!」
貴音「あ、あなた様、もしや私は何か余計な事を言ってしまったのでしょうか?」オロオロ
一方通行「あっ」
海原「あなた様……ですか」ニタ
一方通行「……」
海原「四条さん、もしやあなたは一方通行に好意を?」
貴音「はい、四条貴音という一個人として一方通行を慕っておりますが……」
海原「そうなんですか?この人極度のロリコンですよw?」
貴音「ろり……こん、はて、確か亜美と真美がそのような言葉を使っていたような……」
一方通行「あァー貴音、ちょっと待っててくれこのクソ野郎捨ててくっから」ガシ
海原「みなさーん!一方通行はロリコンですよー!!」ズルズルズル
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「ったく、てめェらは人の邪魔しかしねェな」
海原「ははっ、まぁ僕等なりの愛ということで」
一方通行「ハッ、気味悪ィよ」
海原「で、僕の用件ですが……昨日のあの御坂さんの発言、そう気にしなくても良いと思いますよ?」
一方通行「……この際なンで知ってンのかは聞かねェ、何故そォ思う?」
海原「御坂さんの耳にも、あなたがどれだけ打ち止めさんと妹さんたちを助けてるか伝わってるんですよ。妹さんの口からね……あぁそれに御坂さんのお母様を助けた事も」
一方通行「……」
海原「御坂さんからしたらあなたという人にどんな感情を持っていいかわからない。真っ直ぐなあの人の事です。憎もうにも憎めないわけですからね」
海原「ですから昨日は、やり場の無い怒りからつい思ってる事以上に辛辣な言葉が出てしまったんでしょう。本心ではあなたを許すのかどうか葛藤していますよ」
一方通行「……なンでそンな事わかンだよ?」
海原「何故って……僕は御坂さんの事ならなんでも知っていますから」ニコッ
一方通行「うわっ……気ッ持ち悪ィ……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行(よし、リハも問題なかった。後は本番を待つだけだ……アイツ等に一声かけにいくか)
土御門「一方通行」
一方通行「なンだ?アイツ等ンとこ行きてェンだけど」
土御門「アレイスターから伝言だ」
一方通行「…………なンだ?」
土御門「任務達成だとさ。良かったな、これでお前も打ち止めも自由の身だ」
一方通行「まだ全員がトップアイドルになったわけじゃねェ」
土御門「ふっ、今の765プロを見て誰がそんな事を言うんだ?」
一方通行「…………」
土御門「もうここに居る理由も無いんだ。嬉しくないのか?」
一方通行「……なンで本番直前に言うンだ。死ねよてめェ」
土御門「今このタイミングだからこそだろう?丁度学園都市にいることだしな」
一方通行「……今日学園都市に帰れって言ってンのか?」
土御門「なんだ?お別れパーティでも開いてもらう気だったのか?」
一方通行「てめェ……」ギリッ
土御門「それに、別に急にじゃないだろ。今までこの事を考えてこなかった訳じゃないんだろう?」
一方通行「……もし、オレがここに残るって言ったらどォなる?」
土御門「別に?なにも起きないし変わらないさ。だから……お前の好きにすると良い」
一方通行「……」ウツムキ
土御門「じゃあ、俺はもう行く。ライブ、楽しませてもらうぞ」スタスタスタ
一方通行「オレは……」
ガタッ
一方通行「誰だ!?」
小鳥「あ、あのハハハ……」
一方通行「小鳥さん……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
小鳥「ごめんね、盗み聞きする気はなかったの」
一方通行「まァ、別に……」
小鳥「……どうするの?」
一方通行「……分からないです」
小鳥「そう」
一方通行「…………オレは、ここに残った方がいいですか?」
小鳥「そりゃあそうよ!……けど、学園都市にもそう思う人がいるんでしょ?」
一方通行「……」
小鳥「一方通行君が決めた事なら誰も反対はしないわよ。文句は言うだろうけどねっ」
一方通行「はは、そっちの方が気が楽ですよ……」
小鳥「……」
一方通行「……」
小鳥「私行くわね?ライブ頑張って!……ライブ終わった後は事務所で打ち上げしましょうね!って言うのは流石に卑怯かしら?」
一方通行「小鳥さン……」
小鳥「どっちにするにしても社長にはちゃんと言わなきゃダメよ?……それじゃあ!」タッタッタッ
一方通行(もしかして……泣いてたか今?)
小鳥(・ぅ〜行がないで〜一方通行ぐうん)ゴシゴシ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「……」ボ-
一方通行(もォすぐライブの時間か……アイツ等に声掛けらンなかったな)
一方通行「どォするべきか…………ハッ、分かってンだろォ?一方通行ァ。……オレ以外の誰がアイツを守ってやンだよ?」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
真「あ、遅いよ!一方通行!もう始まっちゃうよ!?」
一方通行「あァー悪ィ、小便してた」
伊織「ったく、緊張感のない奴ね」
春香「それじゃあ、円陣組もうか?」
一方通行「あァそれ、オレも入っていいか?」
響「それはいいけど……」
千早「どういう風の吹き回し?」
一方通行「別になンとなくだ……おい、律子も来いよ」
律子「えぇっ、私はいいわよ!」
あずさ「まぁまぁ、そう仰らずに〜」グイ-
貴音「……」
真美「もう兄ちゃん達もステージで歌っちゃえば?」
一方通行「アホか。ほら、時間ねェだろ……春香、頼む」
春香「うん……765プロォ……ファイトー!!」
全員「オォー!!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜舞台袖〜〜〜
一方通行「ソロのトップバッターはお前だな」
貴音「……」
一方通行「思えば、お前がオレが一番最初にプロデュースしたアイドルなンだよなァ……感謝してるぜ、こンなオレに着いてきてくれてありがとうな」
貴音「やめてください……それではまるで、別れの言葉のようではありませんか」
一方通行「お前に隠し事はできねェからな……」
貴音「……どうあっても覆らないのですね」
一方通行「もォ決めたンだ……」
貴音「……スゥ、ハァ、今日の四条貴音を髪の毛一本から爪の先に至るまで、その全てを焼きつけなさい一方通行!決して忘れる事の無いように!」バッ
一方通行「あァ、そのつもりだ」
貴音「では、参りましょうか」
一方通行「行くのはお前1人じゃねェか」
貴音「ふふっ、言わせたいのですか?何処にいようが何をしようが、心はあなた様と共に在ります」スタスタスタ
一方通行「……」
ワァァァァァアアッッ!!
一方通行(四条貴音……嘘はバレるわ、心は読み取られるわ、アイツは本当びっくり人間だったなァ……)
一方通行(いつか使命も終わって、ただの貴音としてアイツ等と付き合えるよォになるといいな……大丈夫さ、アイツ等ならきっと受け入れてくれる。怖がる必要なンてねェンだよ)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
真美『コドモ扱いしないでっすぐ上から目線・ちゃんと話を聞いてよマジメなんだぞっ・』
ーーーー
ーー
真美『本当に美しいもの探してね、まだまだ、輝く力弱いけど・ダイヤモンドが最高じゃないんだよ可能性は未知数・』
真美『ただ君が手に取るの待ってる・見っつけたっ?』
ーーーーーー
ーーーー
ーー
真美「兄ちゃん!ちゃんと見ててくれた!?」ハァ、ハァ
一方通行「あァ、ずっと見てたぜ」
真美「ど、どうだった!?」
一方通行「あのステージに立ってる女は誰だよ?って思ってみてた」
真美「んっふっふ〜、それって兄ちゃんが真美の事1人の女として見てるってことっしょー?」
一方通行「ステージから下りてきたら急にガキンちょになって帰ってきたけどなァ」ケラケラ
真美「もぉー何さそれ!年だって2つ3つしか変わんないのに!ふふ〜ん、まぁいいや。兄ちゃんなんて後3年ぐらいしたら真美のスーパーボディでメロメロにしちゃうもん!」
一方通行「スーパーボディはともかく、お前にならメロメロになっちまうかもなァ」
真美「んっふっふ〜、覚悟しててよね?……あっやば!?衣装着替えなきゃ!じゃね兄ちゃん」タッタッタッ
一方通行(双海真美……自己って奴に人一倍悩ンでる奴だった。けど、自分を見つけたアイツはすげェ魅力的だ。自然に目が奪われるくれェに……)
一方通行(応えてやる事はできねェが……あン時言ってた新しく出来た亜美と違う所、ちゃンと見つけたからな真美)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
真「よし……」スタ
一方通行「ぶはッ!お前かっけェなその衣装!」ケタケタ
真「何言ってんのさ一方通行が選んだくせに」プク-
一方通行「まさかこンなにハマるとはなァ……不満か?」
真「ううん!すっごく気に入ってるよ!」
一方通行「お前の好きなフリフリじゃねェぜ?」
真「まぁ、そこはいいよ。そういうの着れる機会は増えたし……お姫様扱いしてくれる人もちゃんといるし?」
一方通行「ご要望があればなンなりと……」スッ
真「そうだなぁ……じゃあ跪いて手の平に口づけをしてくれるかな?」
一方通行「……お前それ女王様じゃねェか?」
真「え、そう?ハハッ、けどそれもいいね!いつも偉そうな一方通行を従えられるんだから」
一方通行「お前にそンな素質があるとは知らなかったぜ」
真「やだなぁ冗談だよ……あ、そろそろかな?じゃあ行ってくるよ」
一方通行「おォ、失敗しないよォにな。王子様?」
真「へへーん!まっかせといて!」タタタタッ
一方通行(菊地真……見た目は男みてェな女だが中身はただの少女マンガに憧れるような普通の女だった)
一方通行(もォ、自分が男っぽいっつゥコンプレックスは無くなったみてェだなァ。最近じゃ男のファンも女ファンと同じくれェの人数なンじゃねェか?きっとアイツはこの先すげェ良い女になってくンだろォなァ……中身はどォなるのか知らねェが)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
雪歩「……」スゥ、ハァ-
一方通行「出番前にビビンなくなったよな」
雪歩「あ、一方通行君。うん……最近はちょびっとだけど自信ついてきた気がするの」
一方通行「結構な事じゃねェか」
雪歩「一方通行君のおかげだよ?いっつも私の事を見ててくれたから……1人じゃないっ、て安心するの」
一方通行「それはお前がそォ思ォうとしてるだけさ……お前なら別にオレがいなくても大丈夫だろ」
雪歩「そうなのかな……でもだとしたら、今度は私が一方通行君を助けてあげるね?今までは助けられてばかりだったから」
一方通行「ククッ、本当に頼もしくなったよお前は」
一方通行「じゃあ早速助けてくれ。昨日もろくに寝てねェから体の疲れがやべェンだ。だからオレの疲れが吹っ飛ぶくれェのステージ魅せてくれよ」
雪歩「えへへ、一方通行君はノセるのが本当に上手いよね。わかった!精一杯やってくるね!」タッタッタ
一方通行(萩原雪歩……アイドルのくせに男が苦手な引っ込み思案な女だった)
一方通行(雪歩が多分一番成長したンだろォな。最近のアイツは自信で満ち溢れてる感じがする、その分笑顔が多くなった。泣き顔もまァ、悪くはねェけどお前はやっぱり笑顔が一番だと思うぜ)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
伊織「あ、一方通行」
一方通行「ン?」
伊織「私のソロで歌う曲変えたから」
一方通行「はァッ!?お前なに勝手に……」
伊織「うっさいわね!律子とスタッフには許可取ったわよ!……アンタは黙って聴いてなさい」スタスタ
一方通行「……なンだってンだァ?」
一方通行(最後にDIAMOND聴いておきたかったンだが……)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
伊織『ボクがチカラになってあげるよ・キミの全てはここで終わりじゃない〜・』
伊織『以前の自分はリライトしよう〜・嬉しいことで。楽しいことで〜・』
一方通行(伊織……)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
伊織「ま、そういう事よ。いつまでも過去に囚われるんじゃないわよ?」ポン
一方通行「フッ、これがお前が言ってたオレを幸せにする方法ってやつか?」
伊織「この私がアンタの為に曲まで変えてあげたんだから光栄過ぎて震えちゃうでしょ?」
一方通行「ククッ、そォだな」
伊織「でもこんなのまだまだ序の口よ。これから先、もっともっと私がアンタを喜ばせてあげるんだから!だから……その度に笑いなさい。馬鹿みたいに、私の前でね」
一方通行「想像つかねェな」
伊織「にひひっ!笑顔のアンタなんてみたら気持ち悪くて私まで笑っちゃうわよ」
一方通行「ハンッ、勝手な事ばっか言いやがって」
伊織「ふふ、そうね……じゃあ私次の準備あるから行くわね」スタスタスタ
一方通行「おォ」
一方通行(水瀬伊織………最初はなンて小生意気なクソガキだと思ってたが、フタを開けてみりゃあ気高い良い女だった)
一方通行(アイドルとしての在り方なら、ウチの奴等ン中で伊織が一番好きなンだろォなァオレは。昨日、それでもオレの肩を持つっつってくれて嬉しいかったぜ……?)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
あずさ「あ、そうだ一方通行君?」
一方通行「ン?」
あずさ「えい!」ギュギュゥゥ
一方通行「いへェッ!?」
あずさ「……」ギュウウ…パッ
一方通行「いってェ……なンでいきなり抓ってくンだよ!」
あずさ「あら〜、このぐらい良いじゃない。みんなはそれ以上に心を痛める事になるんだし〜」
一方通行「?」
あずさ「辞めちゃうんでしょ?プロデューサー」
一方通行「話、聞いてたのか……?」
あずさ「いいえ、何となくよ?」
一方通行「……」ポカ-ン
あずさ「あぁ〜あ、でも残念だなぁ……あ、そうだわ!私も一緒に連れてっちゃうのはどうかしら?」
一方通行「どこに?」
あずさ「学園都市によ〜」
一方通行「嫌だ、アンタのファンに恨まれたくねェ」
あずさ「釣れないわねぇ……あっ、だったら私が連れ去ってしまえばいいのかしら?」
一方通行「アンタに連れ去られたら何処向かうか分かンねェなァ」ケタケタ
あずさ「あら、最近は目的地には着くようになったのよ?」
一方通行「移動時間はアホほど掛かってるがなァ」
あずさ「うふふ、一方通行君への道はどれくらい掛かるかしらね?」
一方通行「そンな道は存在しねェと思うけどな」
あずさ「大丈夫よ〜、私どんなに迷っても最後にはいつも良い結末が待ってるのよ」
一方通行「ふゥン」
あずさ「それじゃ、行ってくるから待っててね?」スタスタ
一方通行(三浦あずさ……のほほンとした女だと思ってたが、まさかバレてたとはなァ。流石は最年長って奴かァ?)
一方通行(にしてもあずさは本当人の肩の力を抜くよな……あァ、いつだったか律子があずさは幸運の女神だとか言ってたっけかァ?……確かに、アイツと居りゃ悪ィ事なンて全部良い事に変えてくれそォだよな)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「やよい、髪留め取れ掛かってンぞ」
やよい「え?どっちですかー?」
一方通行「動くな……オレがやってやる」スッ
やよい「……」
一方通行「ン」
やよい「ありがとうございます!誰かにこういうのやってもらうのって新鮮ですね!いつもは私が妹にやってあげてるので」
一方通行「そォなのか?なら今度からアイツ等にやってもらったらどォだ?やってもらうの悪くは無かったンだろ?」
やよい「……一方通行さンはやってくれないのかなーって?」カシゲ
一方通行「……」ガシガシ
やよい「うわぁ、髪のセット崩れちゃいますよぉ〜」
一方通行「あ、悪ィ……長介はどォだ、元気してっか?」
やよい「はい!家のお仕事、最近は結構任せたりしてるんですよ。なんだか長介、頼もしくなってきたかなーって!」
一方通行「フッ、そォか……長介によォ、これからは男なンだからお前が姉ちゃンを守れって伝えてくれねェか?」
やよい「長介にですか?あっ!どうせだったら一方通行さんが直接伝えてあげてくれませんか?兄ちゃんは次いつ家に来るんだ、ってうるさいんですよぉ」
一方通行「…………悪ィが、しばらくは無理だ」
やよい「そうなんですか、残念です……じゃあ次に一方通行さんが来てくれる時はもやしパーティする準備して待ってますね!」ニコッ
一方通行「あァ、そン時はまた肉を馬鹿みてェに買ってくよ」
やよい「うっうー!今から楽しみですね!じゃあ私、行ってきますね!」
一方通行「あ、やよい!……あァ、その、なンだ……」
やよい「?……!」
やよい「一方通行さん!ハイ……ターッチ」
やよい「イェイッ!!」パチ-ン
やよい「一方通行さんのお陰でやる気が出て来ました!今度こそ行ってきまーっす!!」タッタッタッ
一方通行(と、年下のガキに思いっきり気遣わせちまったッ///)
一方通行(高槻やよい……底抜けに明るいだけじゃなく、強さも兼ね備えたすげェ奴だ)
一方通行(オレも事務所の奴等もその笑顔にどれだけ救われたことか……だからこそアイツは自分より他人の事を優先しやすい。お前だってまだまだ甘やかされる側の子どもだろォに。頼ンだぞ……長介?)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
亜美「ふぃ〜、お疲れちゃん、兄ちゃん君!元気に馬車馬のように働いてますかな?」
一方通行「おォ、てめェ等の為に必死になァ」
亜美「兄ちゃんは働き者だねぇ〜、ウチの事務所って兄ちゃん居なくなったら回らなそうだよね〜」
一方通行(分かってるわけじゃねェンだろォが、こいつたまに核心つくっつゥか、鋭いっつゥか……)
一方通行「ンなヤワじゃねェだろお前等は……ほら、水」スッ
亜美「えっ?」
一方通行「ン?ノド渇いてたんだろ?お前ノド渇くと襟引っ張る癖あるからなァ」
亜美「……兄ちゃん便利ぃ!一家に一、一方通行だね!」
一方通行「オレは一点物だからなァ、それは難しいンじゃねェの?」
亜美「んっふっふ〜、そこはお姉ちゃんの活躍に期待ってとこかな」
一方通行「……」ギョッ
亜美「いくら何でも姉妹なんだから気付くっしょー」
亜美「けど兄ちゃんも大変だねっ、プロデューサーなのに何人ものアイドルに好かれちゃって」
一方通行「贅沢な悩みじゃねェか……」
亜美「それでも好意に応えられないっていうのは辛いもん。良く耐えてるね、えらいえらい」ナデナデ
一方通行「……さっさとお前に相談すりゃ良かったわ」
亜美「えぇー、兄ちゃんのグチは別に聞きたくないっしょー」
一方通行「薄情な奴だなァオイ」
亜美「亜美は面倒臭そうな事には首突っ込まない主義だもん」
一方通行「トラブルメーカーがなに言ってンだか」
亜美「あ、やばっ出番だ!んっふっふ〜亜美のステージを見て惚れるなよ一方通行?じゃねっ!」シュタタタタ
一方通行(双海亜美……オレが気付かなかっただけで、良い意味でも悪ィ意味でもウチの事務所の一番の曲者はアイツなのかもな)
一方通行(亜美にはなンつゥかガキ特有の浮遊感っつゥか、自由さっつゥか、そォいう魅力がある。この雰囲気は作ろォと思って作れるもンじゃねェ、亜美が大人になってもその魅力はなくして欲しくねェなァ)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
律子「……」グス
一方通行「お前結構涙脆いよな」
律子「しょうがないでしょ、あの子たちの晴れ舞台なんだから」
一方通行「ライブの度に泣く気かよ?」
律子「アンタだって、私が泣いてる理由が即座に分かるんだからその気持ちが分かるってことでしょ?」
一方通行「ふン……」
律子「泣きなさいよ〜」ウリウリ
一方通行「泣かねェよ……あァでも、お前がアイツ等と同じステージに立ってたら泣くかもなァ」
律子「しっつこいわねぇ、私はやんないわよ」
一方通行「イイじゃねェか、もォ一回ぐれェお前のステージ見てェンだよ」
律子「はぁ……そんなに見たいんなら今度カラオケでやってあげるわよ。それで満足しなさいよ?」
一方通行「クカカカッ、今度かァ……そりゃあ待ち遠ォしくて狂っちまいそォだなァ」
一方通行「律子、オレなりに考えたプロデュースマニュアルをパソコンの中に纏めてある。こン中にはお得意先の扱い方とか、アイツ等の売り出し方とか書いてあっから困ったら見ろ」
律子「?」
スタッフ「律子さ〜ん!」
律子「あ、はーい!ちょっと行ってくるわね!」スタスタスタ
一方通行「おォ」
一方通行(秋月律子……頼りになる同僚だった。これで19だっつゥンだからよく出来た奴だよな)
一方通行(多分オレが居なくなる事で一番負担掛かるのは律子だ。正直悪ィとは思うが律子ならまァ平気だろ。欲を言えば、いつかテレビでアイツが歌ってる姿が見れればいいな)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
美希「……」
一方通行「なンだよ、まだ怒ってンのか?」
美希「だって……ハニーが美希達以外にあんなに親しそうにしてたの初めて見たんだもん」
美希「それに、あの人美人でスタイル良かったの」
一方通行「アイツが美人w?あンなのただの露出狂のショタコンだぞ」
美希「そういう遠慮のない言い回しが仲良さそうでムカッとくるの!」
一方通行「ンな事言われてもなァ」
美希「ねぇハニー……ミキとあの人どっちが好き?どっちが大切?」
一方通行「はァ?なンだよそのくだらねェ質問。お前に決まってンだろ。アイツよりお前の方が百倍イイ女だしな」
美希「ホント!?」パァッ
一方通行「ホントだよ」
美希「ホントにホント!?」
一方通行「ホントにホントだ」
美希「結婚するなら!?」
一方通行「お前だ」
美希「じゃあ結婚する!?」
一方通行「しねェよ馬鹿か」
美希「むー、勢いで言ってくれると思ったのに」
一方通行「オイ、そろそろスタンバイしとけよ」
美希「はーいなの……ねぇねぇハニー最後の質問。ミキはハニーの一番?」
一方通行「どォかな」
美希「あはっ☆いつか絶対ミキのものにしてみせるの!じゃあ行ってくるね!ちゃんとミキを見ててくれなきゃヤだからね!?」タッタッタッ
一方通行「分かってる」
一方通行(星井美希……規格外の才能を持った女だ。最初は持て余してたみてェだけど、その才能も無事開花したみてェだな)
一方通行(アイツが一番ストレートに好意を寄せてきた奴だったなァ。オレはいつもはぐらかしてばっかだったのに……正直、お前に纏わり付かれる日々は、口では悪態ついてたが……悪くなかったぜ美希)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
響「……」
一方通行「どォした?」
響「いや、何か胸騒ぎがするっていうか……もしかして自分に何か隠してる?」
一方通行(……動物的カンってやつか?)
一方通行「いや?ただ単に自分のソロの出番が来たから緊張してるだけじゃねェのか?」
響「う〜んそうなのかなぁ〜」
一方通行「気合い入れろよ、今日はお前の地元のダチも来てくれてンだろ?」
響「うん!いつも以上にやる気出しちゃうさー!」
一方通行「親も来てンのか?」
響「ううん、アンマーは来れなかったみたい……でも、いいさー。沖縄に届くくらいに頑張って歌うから!」
一方通行「へェ?」ニタニタ
響「あっ、今馬鹿にしたな!?空は続いてるんだからきっと届くぞ!」
一方通行「…………」
響「一方通行?」
一方通行「そォだな、お前等の歌はどこにいよォが届くよな……」
響「?……!?うぎゃー、ヤバイ出番が!!なんで言ってくれないんだ一方通行の馬鹿ぁ!!」ダッ
一方通行「あ、悪ィ」
一方通行(我那覇響……1人でなんでも出来るのに、そのくせ人一倍寂しがりやな女だった)
一方通行(本人にはもちろンそンなつもりはないンだろォが……すげェ励まされちまったなァ。空は続いてる、か。ホント、太陽みてェな女だよお前は)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
千早「……」
一方通行「気負い、みてェなのが無くなったよなお前」
千早「一方通行……あ、もしかして気が抜けた様な顔をしてたかしら?」
一方通行「いやそォじゃなくてよ、良い意味で肩の力が抜けたよなお前は」
千早「そうかしら……そうね、うん。最近は自分でも色々なモノが見えてる気がするの。みんなのおかげね」
一方通行「お互い、貴重な奴等に出会えたよなァ……」
千早「あら、今言った"みんな"にはあなたも入っているのだけど?」
一方通行「オレの"奴等"にもお前が入ってるぜ?」
千早「……」
一方通行「……」
千早「ふふふっ」
一方通行「クカカッ」
千早「クス、まさか自分がこんな風にこんな事で笑えるようになるとは思わなったわ」
一方通行「あァ、オレもだ」
千早「楽しいわね、前を向いて生きるっていうことは」
一方通行「そォだな……」
千早「そろそろ出番ね……じゃあ、行ってきます」スタスタ
一方通行「あァ」
一方通行(如月千早……765の歌姫。また歌えるようになって本当に良かったな)
一方通行(アイツは本当良く笑うよォになった。事務所でもリラックスした表情みせるよォになったし……これから先、千早には楽しいことが一杯待ってンだろォなァ)
一方通行(そォじゃねェ時でも大丈夫だ。お前はもォ自分は1人じゃねェって分かってンだから)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「よォ、ハルシュタイン閣下。パフォーマンスの調子は良さそォだな」
春香「ち、ちょっと止めてよそれ!」
一方通行「何を照れてンだかこのリボンは」
春香「いや照れとかじゃなくて……」
一方通行「ライブももォ後半だな」
春香「うん……ライブの終わりにはいつも考えるけど、終わって欲しくないなって思っちゃうよね」
一方通行「あァ……」
春香「この次のライブはやっぱりドームかな?」
一方通行「……さァなァ」
春香「ちょっと、プロデューサーなんだからちゃんと目標決めてもらわなきゃダメだよ」
一方通行「……」
春香「もしもーし、聞いてますかー?」
一方通行「アイツ等をお前がドームまで引っ張ってってやれ春香」
春香「え?」
一方通行「お前がセンターやれっつってンだ。おら、分かったらさっさと行けよ765プロの屋台骨!」バシッ
春香「痛っ!?もぉーなんなの?……はぁ、行ってくるね!」タッタッタッタ
一方通行(天海春香……無個性な女、って思ってンのは本人だけだ。一皮剥けたアイツのオーラは半端じゃねェ。閣下呼びが定着してンのも納得だ)
一方通行(春香は誰よりも連帯感を好む。時にはそれが諍いを生む一因にもなるンだろォが……別にお前等なら平気さ。いくらケンカした所でどォせ元の鞘に戻る。だから、いつまでも"みんな楽しく"を大切にしとけよ春香?)
一方通行「さて……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜連絡口〜〜〜
高木「どうしたんだいこんな所に呼び出して、まさか何か問題でも!?」
一方通行「いや?ライブは予定通り順調だぜ?」
高木「ではなんだい?まだライブの最中だというのに」
一方通行「なァ社長、アイツ等はもォトップアイドルって言えるよな?」
高木「?」
一方通行「竜宮とフェアリーはランクA、他の奴等はまだBだが……まァぶっちゃけランクアップすンのは楽勝だろ」
高木「まさか…………辞める気なのかい?」
一方通行「あァ、オレは今日ここを出て行く」
高木「そんな……」
一方通行「今までの給料、使ってねェ分はオレのデスクの引き出しに入ってる。オレはいらねェからアイツ等の為に使ってくれ」
高木「ま、待ってくれ!まさかアレイスターに何か言われたのかい?だったら私が……」
一方通行「違ェ、自分の意志で帰るンだ」
高木「そうか……ライブには最後までいるんだろう?」
一方通行「いや、ライブも後数曲だ。オレがいなくても平気だろ。社長と話し終わったら消えるさ」
高木「な!?ちょっとくらいいいじゃないか、切羽詰まった状況というわけでもないんだろう?」
一方通行「これ以上ここにいたら決心が鈍りそォなンだよ」
高木「……みんな悲しむだろうね、無論私も」
一方通行「アンタ等には悪ィと思ってる」
高木「いや、仕方がないさ。元々そういう契約だったしね……あの子達に何か伝言はあるかい?」
一方通行「そォだな、すまね……いや、お前等と付き合うのも疲れたし飽きた。だから後は勝手にやってろって伝えてくれ」
高木「ははは、そんな風に言っても誰も君の事を嫌いにはならないだろうが、分かった伝えておこう」
一方通行「じゃあそろそろ行くぜ?」
高木「一方通行君、学園都市にもあるんだろうが、ウチの事務所も君の立派な家の一つだよ」
一方通行「……家が2つって変だろ」
高木「別に変じゃないさ。帰れる所なんて多ければ多いほどいい……だから一方通行君、いつでも帰ってきなさい。私達は待っているよ」
一方通行「……社長、今まで世話になった。感謝してる」ペコ
一方通行「それじゃ……」スタスタスタ
高木「"またな"一方通行君!」ブンブン
一方通行「……」スタスタスタ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜スタジアム出口〜〜〜
一方通行「……」スタスタ…クル
一方通行「またn……あばよ765プロ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜黄泉川宅〜〜〜
一方通行(何も考えずに来たが、アイツ等家に居るンだろォな……?)ポチ
ピンポーン
一方通行「……」
黄泉川「はーい、どちらさんじゃん?」ガチャ
一方通行「よ、よォ久しぶりだなァ」
黄泉川「ア、一方通行!?」
打ち止め「えっ!?どこどこ!?本当にあの人なの!?」ダッダッダッ
一方通行「打ち止め……」
打ち止め「ア、一方通行ァってミサカは、ミサカはぁ……!」ジワァ
黄泉川「ばかやろっ!」ガツン
一方通行「ガッ!?…………て、てめェ何しやがンだ?」
黄泉川「今までどこほっつき歩いてたんじゃんこの馬鹿息子が!」ムギュウウ
一方通行「お、おいっ!?」
打ち止め「ちょっ、流石にその役目はミサカじゃない?ってミサカはミサカは思わなぬ伏兵に驚愕してみる!」
芳川「あら、本当に帰ってきたのね。もしかして背が伸びた?」ポリポリ
一方通行「てめェは相変わらずみてェだなァ……取り敢えずこいつをどォにかしてくれ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
黄泉川「ほぉー、アイドル事務所のプロデューサーねぇ」
芳川「シュールなギャグかしら?」
一方通行「ただの事実だ」
打ち止め「ミサカ達も知ってるアイドル?」ピョコ
一方通行「765プロ」
打ち止め「765プロ!?あんな可愛い人達があなたみたいな凶暴な人と一緒にいたんだねってミサカはミサカは有り得たかもしれない惨劇に震えてみる」ブルル
一方通行「てめェにその惨劇を披露してやろォか」ビシッ
芳川「ん?けど765プロって今学園都市でライブしてるわよね?あなたは何でここにいるの?」
一方通行「あァー、辞めてきた」
芳川「あら、勿体無い。アイドルの子と接する機会なんてそうそうないわよ?」
黄泉川「お前さては〜……」ニタニタ
一方通行「違ェぞ」
打ち止め「どういうこと?ってミサカはミサカはこの弛緩した空気に一石を投じてみたり」
黄泉川「一方通行も男だったって事じゃん?」
一方通行「だァから違ェつってンだろォがぶっ殺すぞ!?」
打ち止め「う〜ん、良くわかんないけど一方通行はこれからはミサカ達と一緒に居られるって事だよね!?」
一方通行「あァ、だからまた世話ンなるぜ黄泉川」
黄泉川「それは構わないじゃん」
芳川「この家にニートが増えるわね」
黄泉川「そう思うなら働くじゃん桔梗……」
打ち止め「あっ、そうだ!あなたがいつ帰ってきてもいいようにこの家には缶コーヒーが常備されてるんだよ!飲むでしょ?ってミサカはミサカは仕事が出来る女アピールをしてみる」
一方通行「それはありがてェンだけどよ、お茶はねェのか?」
打ち止め「え、お茶?ってミサカはミサカは予想外の反応にきょとんとしてみる」キョトン
芳川「珍しいわね、あなたがコーヒー以外の飲み物を口にするなんて」
一方通行「まァなァ」
黄泉川「ほらお茶じゃん、ペットボトルのやつだけど」コト
一方通行「さんきゅ」ズズッ
全員「!?」
黄泉川(え、今お礼言ったかコイツ!?)
芳川(誰よこの白いのは……そういえば杖もついてないし)
打ち止め(アイドル事務所って礼儀にうるさいのかな)
一方通行(不味い……やっぱお茶が好きになった訳じゃなくて雪歩が淹れた茶が好きだったンだなァ)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜数週間後〜〜〜
一方通行「……」ジ-
打ち止め「もぉーまたテレビ見てるの?ってミサカはミサカはもっとミサカに構ってよって遠回しに言ってみる」
一方通行(オレが居なくなってもアイツ等ちゃンとやってるみたいだな)
打ち止め「聞いてる!?」
一方通行「うるっせェなァ、耳元で叫ぶな」
一方通行「ほら、お前も見ろよ。生っすか好きなンだろ」
打ち止め「うん!……そういえば生っすかサンデーって一回打ち切りになっちゃったけど何でなの?ってミサカはミサカは芸能界の闇に触れてみる」
一方通行「打ち切りっつゥか、まァアイツ等の需要が最高点に達して、未成年が多い日曜の765プロのスケジュール独占すンのはやめてくれって事で潰れたンだよ」
打ち止め「へぇ、そうなんだ。けどじゃあなんで今復活してるの?」
一方通行「そりゃあオレと律子が努力したからだ。まァ、オレは途中で抜けたからほぼ律子のお陰だけどなァ」
打ち止め「律子?」
一方通行「あァ、同僚だ」
打ち止め「へぇ!あなたにも友達が出来たんだねってミサカはミサカは一方通行の人間的成長に感動してみたり」
一方通行「はいはい」
打ち止め「♪」ルンルン
一方通行「そォいやお前765プロなら誰が一番好きなンだ?」
打ち止め「う〜ん、みんな好きだけど選ぶとしたら千早ちゃんかなってミサカはミサカは断腸の思いで宣言してみる」
一方通行「へェ、千早か。意外だなァ」
打ち止め「だって綺麗でカッコいいもん!頭も良さそうだしってミサカはミサカは惜しみない賞賛を浴びせてみたり」
一方通行「頭良いねェ……アイツたまに真面目過ぎて馬鹿みてェな時あるけどな」
打ち止め「えぇ、どんな!?ってミサカはミサカは興味津々!」
一方通行「おォ、コーヒー一緒に飲み行った時の話なンだけどよォ、アイツもオレと同じブラックコーヒー頼ンでて、すげェ苦そォにしてたンだよ」
打ち止め「ふんふんそれで?」
一方通行「だから苦ェンならミルクか砂糖入れろよって言ったらアイツよ、『私の勝手な都合で作り手の想いを歪めたくないから……私も自分の歌がそんな扱いを受けたら嫌だもの』とか言ってよォw」
打ち止め「ww」
一方通行「な、馬鹿だろ?コーヒーと歌は全然違ェだろォが!素直にミルク入れろよって話だよなァwww」アハギャッハ
打ち止め「www」ケタケタケタ
打ち止め「ねぇねぇ他には?他のアイドル達の面白エピソードも知りたいな」
一方通行「いいぜ、誰から行く?アイツ等アイドルとは思えねェくれェに奇怪な行動取るからなァ、話題に事欠かねェよ」
黄泉川「お前は随分明るくなったじゃん一方通行」
一方通行「そォか?」
打ち止め「ていうか社交的になった?」
黄泉川「けど、今のお前は心底退屈そうだな。鬱憤が溜まってるって感じじゃん」
一方通行「そりゃあな」
黄泉川「そこで提案なんだが、お前私の学校に来る気ないか?」
一方通行「なンだと?」
黄泉川「もうお前等が誰から狙われる心配も無いんだし、そもそも、子どもは学校に通うものじゃん?」
一方通行「…………それもいいのかもしンねェな」
黄泉川「本当にお前は変わったな。もちろん良い意味で」ガシガシ
打ち止め「はいはーい!だったらミサカも学校に行きたい!って前々からの嘆願を叩きつけてみる」
一方通行「はァ?ダメだろ」
黄泉川「なんでじゃん?お前だって肌で感じてるだろ?学園都市にはもうお前が考えてるような悪意は存在しないじゃん」
一方通行「だからって……」
黄泉川「だからって打ち止めを1人にさせる訳にはいかないか?だったらどうする?お前がいつでも側にいるつもりか?お前だって自分の人生があるだろうに」
黄泉川「一方通行、お前のそういうのは"守る"とは言わないじゃん」
一方通行「……」
打ち止め「そうだよ!ミサカはあなたが居ない間に1人で色々出来るようになったんだから!ってミサカはミサカはチクりと嫌味を言ってみる」
一方通行「勘弁してくれ……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
夜
一方通行(確かにくまなく学園都市歩いた感じ、まったく不穏な気配はねェ。打ち止めの心配はしなくていいのかもな……)
芳川「あ、一方通行、テレビ見てみなさい」
一方通行「あ?」
黄泉川「765プロが生中継やるみたいじゃん」
一方通行「別に生中継なンて珍しくね……あン?」
一方通行(事務所で生中継?どォいう事だ?)
芳川「学園都市に向けてのメッセージらしいわよ?放送局も学園都市のものだし……」
一方通行「あァ?」
春香『学園都市のみなさん!こんばんわ!天海春香ですっ!私たちのライブ楽しんでもらえましたか?』
美希『あはっ☆今回のライブ、学園都市ですっっごい評判みたいだったからまたやる事に決定したのっ』
千早『それがいつになるかは分かりませんが、その時は765プロ一丸となって頑張ります』
真美『あれあれ〜?ウチのメンバーが1人足りませんな〜』
全員『……』ミアワセ
全員『一方通行ァ!!』
真『休暇ならもう充分でしょ!?』
雪歩『一方通行君がいないとみんなてんてこまいだよ〜』
やよい『早く来てくださーっい』
伊織『みんな待ってるんだから!』
真美『クレープの約束、まだ終わってないよ!』
亜美『兄ちゃんがいないとエッグいイタズラが仕掛けられないじゃんか〜』
響『ハム蔵も寂しがってるぞ!』
貴音『無論、私達もです……』
あずさ『ふふ、私達にはまだまだ君が必要なのよ?……ほら、律子さんも』グイ
律子『わぁっ!ちょっとっ……何で私まで、オホンッ、アンタが居なくなってどれだけ大変だったか分かってるんでしょうね!?戻ってきた時覚悟してなさい!』
美希『ずっと、待ってるから……!』
千早『私たちの場所で』
春香「"みんな楽しく"でしょ?だから……せーの」
全員『早く帰ってこい!プロデューサー!!』
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「……」ギュ
黄泉川「ヒュー!名指しのラブコールとは……これは応えてやらなきゃ男が廃るじゃん?」ヘラヘラ
芳川(アクセラレータっていう個人名を知らない人は何の話かと思ったのかしらね)
打ち止め「お風呂上がったよー!ってミサカはミサカは湯船によって生まれ変わった自分を主張してみる」
一方通行「外行ってくる……」スタスタ
打ち止め「え?こんな時間に?」
黄泉川「……打ち止め、一方通行がどんな選択をしてもワガママ言っちゃダメじゃん?」
打ち止め「?」
芳川(今夜はネットが面白くなりそうね……)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜公園〜〜〜
一方通行「どォしたらいいンだよクソが……」ボ-
一方通行(自分で逃げ出しといて今更未練かよ?我ながら女々しくて嫌ンなるぜ……!)
一方通行「……ノド渇いたな」
一方通行「……」チャリンチャリン、ピッ
一方通行「……」
一方通行「……」ピッピッピッピッ
自販機「……」
一方通行「なンだっつゥンだよどいつもこいつもォォォッ!!!」
上条「あー、その自販機はここを叩くんだよ」ガンッ
ゴトンッ
一方通行「あァ悪ィ……な!?」
上条「ん?……ぶっ!?ア、一方通行!?」
一方通行「てめェはあン時のヒーロー……」
上条「ヒ、ヒーローって……俺はそんな大層なもんじゃねぇよ」
一方通行「なら三下か?」
上条「せめて名前で呼んでくれよ……」
一方通行「オレはてめェの名前なンざ知らねェよ」
上条「あぁ、そうだったか?俺の名前は上条当麻だ。よろしくな一方通行」
一方通行「よろしくだとォ?人のことぶっ飛ばした奴が吐いていいセリフじゃねェなァ」
上条「あ、あん時はほらアレだ!お前が間違ってたし、それに……」
一方通行「もォーいい。今更てめェをどォにかする気はねェ」ドサッ
上条「ふぅ、安心したよ」ドサ
一方通行「…………なンでオレの隣りに座ってンだ?」
上条「いや、何となく……?」
一方通行「そォか、消えろ。こっちは誰かと話す気分じゃねェンだ」
上条「そんな事言うなよ、家に帰りたくないんだ俺は……」
一方通行「はァ?」
上条「実はスーパーの特売逃してな?晩飯の材料が買えなかったんだ……あぁ、暴食シスターが発狂する未来が見える」ブルブル
一方通行「…………暴食シスター?……!?てめェがトウマか!!」
上条「インデックスを知ってるのか?」
一方通行「前にアホ程飯を奢らされた事があンだよ」
上条「お前が?ははっ、案外優しいとこあるんだな」
一方通行「ハッ、オレが何やったか知っておいてその発言かよ?」
上条「そりゃあ前のお前は最悪だったけど、今は違うだろ?目を見ればわかるよ」
一方通行「……」
上条「そうだ!お前765プロのプロデューサーやってるんだろ!?……どうにかあずささんのサインを戴くことは出来ないでせうか?」
一方通行「もォ辞めた……」
上条「そうなのか?」
一方通行「つゥか誰から聞いたンだよ?お前もあの生中継見てたくちか?」
上条「俺?俺はビリビリから……あぁ、御坂な」
一方通行「オリジナルか…………ン?待てよ、お前あのシスターと一緒に暮らしてンだよな?」
上条「おぅ」
一方通行「オリジナルはその事についてなンもいわねェのか?」
上条「は?何で御坂に何か言ってもらう必要があるんだ?」キョトン
一方通行「おっ前アイツの人生救っといてそれかよ?お前、アレだろ?自分は女どもから嫌われてると思ってンだろ?」
上条「思ってもなにも事実です……」ズ-ン
一方通行(なンつゥ鈍感野郎だ……まァいいか、関係ねェし……そォだ、こいつならオレの迷いを振り払ってくれるかもしンねェ)
一方通行「オイ上条、オレが誰かと協力してオリジナルとシスターを今からぶっ殺すっつったらてめェどォする?」
上条「は、はぁ?」
一方通行「助けられるのはどっちか1人だけだ。お前は誰にも協力を得ることはできねェ。この状況だったら、お前はどっちを選ぶ?」
上条「お前何言って……」
一方通行「答えろッ!!」
上条「選ぶまでもねぇよ」
一方通行「へェ……?」
上条「俺は両方助ける」
一方通行「頭湧いてンのか?」
上条「じゃあお前だったらその状況誰を選ぶんだ?」
一方通行「……」
上条「頭湧いてるのはそっちだろ?」
一方通行「なに……?」ギリ
上条「まだやってもないのにどっちか1人だけしか助からないなんて分からないじゃねぇか」
上条「そんな事を悩む時は、俺が限界を越えてぶっ壊れちまった時だけだ。そうならない限り俺はもがき続けるぞ……お前は違うのかよ?」
一方通行「オレは……」ウツムキ
上条「いいぜ……?」ギリィ
上条「てめぇがどっちかしか選べねぇって本気で思ってんなら、まずは……そのふざけた幻想をぶち殺すッ!!!」ブォン
一方通行「……」パシィッ
一方通行「いきなり、なに殴り掛かってきてンだァてめェ?」ギロ
上条「あっ……いや、あの、ここかな?って。一応決め台詞みたいなものだし……すみませんでした!」
一方通行(真のトレーニングに付き合った甲斐があったなァ)
上条「まぁ、けど……お前みてぇな頭良い奴が悩んでる事なんだ。こんな答えじゃダメか……はは」
一方通行「なンだと?」
上条「え?自分が悩んでるから俺に相談してきたんだろ?」
一方通行「……チッ」
上条「で、誰が狙われてるんだ……?俺にも協力させてくれ」
一方通行「いや、心配いらねェ……もォ解決した。悪ィがもォ行くぜ」スタスタ
上条「お、おい……!?」
一方通行「あ、そォだ……」クルッ
一方通行「おい上条、お前やっぱヒーローだわ。あばよ」スタスタスタ
上条「な、なんだったんだ……?」
ーーーー
ーー
一方通行(そォだ!オレは何をやりもしねェで馬鹿みてェに考えてたンだ!別にどっちか一つを選ぶ必要なンてねェ……!)
一方通行(学園都市はもォ安全だ。だからオレが付きっきりでアイツに付いてる必要はねェ。黄泉川たちもいる事だしな。家でのアレは、多分もっと周りを信用しろって事だろう)
一方通行(もし打ち止めが駄々こねやがったら……構わねェ、765プロと学園都市を毎日往復してやるよ。オレの能力がアレば不可能じゃねェだろ。残業だって黄泉川の家でやりゃあいい)
一方通行(いいぜェヒーロォー?オレがぶっ壊れるまでやってやろォじゃねェか……!だが、まずは)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜常盤台女子寮前〜〜〜
御坂「二度と顔見せないでって言ったわよね?」
一方通行「心配すンな、もォ来ねェよ。今日はお前に聞いてもらいてェ事があってな」
御坂「なによ……?」
一方通行「オレは学園都市を出て行く」
御坂「…………打ち止めはどうするのよ?」
一方通行「アイツは置いて行く……」
御坂「ふっ、何それ?やっぱりアンタはそういう奴なんだ。あの子達も何でアンタみたいなのを信用してるんだか」
一方通行「勘違いすンなよ、別に見捨てるわけじゃねェ」
御坂「一緒じゃない!」
一方通行「全然違ェよ」
御坂「それで?まさかそれを言いに来たの?」
一方通行「違う……オレは学園都市を出る。勿論打ち止め達の危機には駆け付けるつもりだ。だが今まで通りとは行かねェ。即座に動けるわけじゃねェからな」
御坂「それで?」
一方通行「だから、お前にはアイツ等をオレがいねェ間守って欲しいンだ。今の学園都市が安全って事は分かってる。だが、いつどンな馬鹿が出てくるか分からねェ」
御坂「……」
一方通行「それとよ……」
御坂「?」
一方通行「オレの事は一生許さなくて構わねェし許して欲しいとも思わねェ……ただよォ、打ち止めの奴とは仲良くしてやってくンねェか?アイツはお前の事が大好きなンだよ」
一方通行「頼む、この通りだ……」ペコ
御坂「…………頭上げなさいよ。アンタにわざわざ言われなくてもあの子達は守るし、打ち止めとは仲良くするわよ。みんな私の大切な妹なんだから」
一方通行「あァ……」
御坂「話はこれで終わり?」
一方通行「あァ……あ、そォだ。オレなりにお前に礼がしてェ」
御坂「?」
一方通行「上条に惚れてンなら外堀埋めてから告白するより告白してから外堀埋めた方が絶対効果的だぞ」
御坂「な……なっ///」
一方通行「あばよオリジナル、アイツ等の事頼ンだぜ?」ドヒュンッ
御坂「ふっざけんなぁぁぁぁあああっっ///!!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜黄泉川宅〜〜〜
一方通行「帰ったぜ」ガチャ
打ち止め「あっ、こんな時間まで出歩いてるなんて不良だよ?ってミサカはミサカは見た目通りの行動を取る一方通行に苦言を呈してみる」
一方通行「打ち止め……それと黄泉川」
黄泉川「ん?」
一方通行「話してェ事があるンだ……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
打ち止め「こっちに帰ってきてからあなたの表情が冴えなかった理由ってもしかしてそんな事が原因だったの?」
一方通行「そ、そンな事だと?」
打ち止め「だって冷静に考えてみてあなたのスペックなら学園都市を行き来する事くらい簡単だよね?今はバッテリーによる時間制限も無いんだしってミサカはミサカは鋭い洞察力を発揮してみる」
一方通行「簡単に言いやがって……オレにとっては気持ちの問題もあンだよ」
黄泉川「ま、男ってのはそういう筋ってもんに縛られる生き物じゃん?」
打ち止め「ふーん、男の人って大変だねってミサカはミサカは女性社会の到来を肌で感じてみたり」
一方通行「つゥかお前はいいのかよ?オレはまたここから居なくなるぞ?」
打ち止め「う〜ん、寂しいけど……前みたいにずっと帰ってこれないわけじゃないんでしょ?」
一方通行「ちょくちょく帰ってくるよォにはするけどよ」
打ち止め「だったら許す!ってミサカはミサカは女として成長した自分を誇ってみる!」
一方通行「…………わかった。じゃあそォいう事だ黄泉川、オレはここを出る」
黄泉川「そうか。私も寂しいけど、まっ!仕方ないじゃん!それで?あっちにはいつ行くんだ?」
一方通行「今から」
黄泉川「今から!?」
一方通行「アイツ等が事務所で待ってる気がすンだよ……」
一方通行「取り敢えず明日の朝にはまたこっちに戻ってくる」
黄泉川「そうか」フッ
一方通行「それじゃあ行ってくる。打ち止め、何かあったらメールでも電話でもして来い」
打ち止め「案外あなたの方が先に連絡してくるかもねってミサカはミサカは小悪魔的に笑ってみる」
一方通行「ハッ、そォかもな」
黄泉川「一方通行、好きな時に帰ってこいよ?ここもお前の家なんだからな」
一方通行「あァ……じゃあまたな、芳川にもよろしく言っといてくれ」スタスタスタスタ
バタンッ
打ち止め「……」ポロ、ポロ
打ち止め「うわぁ〜ん!よみがわぁ〜!」ギュウウウ
黄泉川「よしよし、アイツが出てくまで良く泣かなかったじゃん」ナデナデ
芳川「あら?一方通行はまた出掛けたの?駄目じゃない愛穂。教師なんだから未成年の深夜徘徊は注意しなくちゃ」
黄泉川「お前は少しは打ち止めを見習え……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜765プロ事務所前〜〜〜
ビュオッ……ダァンッ!
一方通行(やっと着いたぜ。事務所に明かりは……着いてる)
一方通行「……」ゴクッ
一方通行(冷静に考えたらどの面下げて来たンだよって話だよなァ)
一方通行(いやいや、ここまで来て何をビビってンだ……よし、3秒数えたら……)
ガチャ
一方通行「あ」
小鳥「え?」
小鳥「ア、一方通行君!?」
一方通行「ひ、久しぶりです小鳥さン」
真美「えぇっ!?本当に兄ちゃんなの!?」ガバッ
一方通行「よ、よォ」
真美「……ぅ、ぁ……兄ちゃぁぁぁあん!!」ギュウウウ
亜美「マジで兄ちゃんだ!みんな!兄ちゃん帰ってきた!!」
やよい「ア、一方通行さん。帰ってきてくれたんですね?うっうー……うっうー!」ピョン!ピョン!
小鳥「取り敢えず中に入りましょ?」
一方通行「はい」
ーーーーーー
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ーー
全員「……」
一方通行「勝手に居なくなっちまってすまなかった」ペコ
高木「……」ウンウン
千早「許せないわね」
一方通行「……どォすりゃ許してくれる?」
春香「土下座?」
雪歩「えっ」
一方通行「………………」スッ
春香「わぁー!!冗談冗談っ!」
一方通行「冗談なのか?」
真「でも怒ってるのは本当だからね!?何もライブの途中で抜け出さなくても」
一方通行「返す言葉もねェ」
雪歩「本当あの時、大変だったんだよ?」
一方通行「あァ……けどお前等、オレの予想よりダメージ少なかったみてェだからこォいっちゃなンだが安心してテレビ観てたよ」
真美「あーそう見えた?真美達は頑張ってたけど大人組がね〜」
一方通行「あン?」
小鳥「律子さんは多忙の極みで一方通行君が居てくれたらってよくボヤいてたし」
律子「ち、ちょっと小鳥さん!?」
伊織「あずさは朝一で会うとお酒の匂いを残してたわね」
あずさ「だってぇ〜」
響「貴音なんて毎日自分の家に来て泣いてたぞ」
貴音「響!それは皆には内密にと約束したではありませんか///!」
一方通行「そォだったのか……」
亜美「亜美的にはミキミキがあんま騒がなかったのが驚きなんだけど……」
雪歩「そうだね。一方通行君がいなくなった時は敢えて聞かないようにしてたんだけど、何でだったの?」
美希「ん?ハニーが学園都市に居る事は分かってたからその時迎え行けばいいかなって。だからミキ、学園都市のお仕事一杯入れてもらったの!でもハニーが帰ってきたからアレかな」
律子「ん?アレ、何?何を言おうとしたの?」ピキ
美希「が、頑張らなきゃってカンジ」
律子「そうね!仕事をキャンセルする事なくキッチリこなして来なさい!」
やよい「伊織ちゃんも学園都市に行く計画立ててたんだよねー」
伊織「あっ、そんな事言わなくていいのよやよい」
一方通行「……」ポリポリ
千早「自分がどれだけ必要とされてるか分かった?もう絶対に勝手に消えないで一方通行」
全員「……」コク
一方通行「もちろンだ……お前等に誓う。だから社長、都合良い事言ってるってのは分かってる。それでももォ一回オレを雇ってくれねェか」ペコ
高木「ふむ……しかしぃ、実は新しいプロデューサーをもう雇ってしまったんだよねぇ」
全員「!?」
小鳥「なっ、社長!ここに居る全員を敵に回すつもりですか!それに一方通行君の代わりのプロデューサーなんて!その人にとっても不幸ですよ、絶対イジメられますよ!?」
亜美「いじめる」
真美「なつかない」
伊織「仲良くは出来ないわね」
やよい「私もちょっと嫌かなーって」
一方通行「頼む社長!雑用でも何でもここに居る為だったら何だってやる!だからオレをここに置いてくれ!」
律子「……」ニタァ
高木「何でも……かね」ニタ
一方通行「あ、あァ……」
高木「実はウチもそろそろ男のアイドル業界に進出しようと考えていてねぇ……だがいかんせん中々ピンッとくる人材が居ないんだ」
高木「しかし君が何でもやるというのなら話は早い、ウチのアイドル兼プロデューサーになりたまえ一方通行君」
一方通行「なっ!?」
美希「ハニーが……」
春香「アイドル……?」
小鳥「最っっっ高ぅぅ!!」
伊織「……」キラキラ
響「う、歌って踊るのか?一方通行がぁ?」プルプル
あずさ「あらあら〜すっっごい楽しみねぇ」
真「ていうか結局プロデューサーもなんだ」
千早「一方通行って歌上手いの?」
雪歩「私達とも一緒にライブしたりするのかな!?」
やよい「早く見てみたいですーっ!」
真美「これからは一緒にレッスン出来んだね!」
貴音「なんと、文字通り共に参れる日が来ようとは……」
亜美「からかい甲斐ありそう〜」
一方通行「律子、てめェ……」
律子「言ったじゃない、先に仕掛けてきたのはアンタよって」
ワーワーキャーキャー!
高木「うぉっほん!ま、そういう事だ。改めてよろしく頼むぞ一方通行君?」
一方通行「あァ……こちらこそよろしく頼む」
春香「もぉー何でそんな他人行儀なの!?私達はそういうのじゃないでしょ?」
春香「実はね、一方通行が来たらなんて言うか私達決めてたんだ……せーの」
全員「「お帰り!一方通行っ!!」」
一方通行「……」ポカ-ン
一方通行「……」ポリポリ
一方通行「///」
一方通行「ただいま」ニコッ
おわり
転載元
【アイマス】一方通行「アイドルをプロデュースだァ?」【禁書】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434772073/
【アイマス】一方通行「アイドルをプロデュースだァ?」【禁書】
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コメント一覧 (90)
-
- 2015年06月21日 18:09
- 一方さんはプロデュース系向いてそう
-
- 2015年06月21日 18:19
- イイね!イイねェ!さいっこォだねェェ!!
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- 2015年06月21日 19:27
- 一方通行がプロデュースて言うからてっきり薫や仁奈やこずえ辺りのガチロリ勢の話かと思った(小並感)
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- 2015年06月21日 19:30
-
うーん
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- 2015年06月21日 20:14
- クロスでハーレムって大概面白くない法則
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- 2015年06月21日 21:25
-
一歩通行はなんだかんだ言って面倒見良さそう
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- 2015年06月21日 21:26
- 以前「学園都市に765プロが」ってSSあったの思い出したがこれはこれで
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- 2015年06月21日 21:26
- 765より346のロリ勢と組ませたほうが面白かったはず
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- 2015年06月21日 22:10
- 素晴らしい。この一言に限る
-
- 2015年06月21日 22:15
-
面白かった!インなんとかさんの出番がここでもないっていう不遇には笑ったわw
1乙!
-
- 2015年06月21日 22:55
- アイドル愛は感じたが一通さんのほうは心情描写に多分に違和感
原作読んだことなさそう
そしてぐだぐだなげぇ
-
- 2015年06月21日 23:06
-
これで面白いとかラノベしか読んでない奴は脳みそダメになってるな
-
- 2015年06月21日 23:25
-
面白かったわ
長かったけどいい暇つぶしになった
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- 2015年06月21日 23:27
- かなり良い感じ!キャラも崩れてないし、なにより楽しかった!
-
- 2015年06月21日 23:43
- 一方通行のキャラがぶれぶれだろ
-
- 2015年06月22日 00:01
- いいんだが一方さんがモテモテだったのがとてもムカついた、もう恋愛物見れねえな俺
後1番の問題だがJupiterの「恋をはじめよう」の歌詞間違ってんぞ
「僕は今でも」ちゃう、「いつか未来で」やで
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- 2015年06月22日 00:07
- 俺は好きだけど賛否両論あるとは思ったわ
一方さんマジで丸くなりすぎィ!!
-
- 2015年06月22日 00:41
-
学園都市でライブやる話とは別か。でもこっちも面白かった!!
上条さんのあずさファン設定は何気に共通だったな。
-
- 2015年06月22日 01:12
- ほのぼのしてて良かった
丸くなった一方なんてSSでしか見られないしな
-
- 2015年06月22日 01:29
-
ンあ~^いいっすねェ^~
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- 2015年06月22日 02:00
-
スラスラ読めて面白かったよ
-
- 2015年06月22日 02:06
- 米18
上やんは年上寮母さんタイプが好みって公式発言があるからな
あずささんはまさにだろう
-
- 2015年06月22日 02:47
- こういうボリューム多めのアイマスss読みたかったんだよな
面白かったよ
-
- 2015年06月22日 03:01
- よかったんだけど上条さんでもよかったんじゃ?ってくらいマイルド一方通行。
-
- 2015年06月22日 03:33
-
一方通行って、作品的には悪役なんだね。原作を見て、作品的には???って思ったんだけど今回のSSを、読んでいると少し印象が違って見えてなかなか味わい深くて良いと感じる。元の原作ファンからしたら、読んで納得出来んと感じるだろうが創作与噺なんだから、こんな展開もアリなんじゃね!!って思った(*´▽`*)
書けと言われても、俺は無理…色々と読んで見たけど、正直賛辞を遅れど非難や中傷を偉そうに言えんよ(^。^;)
-
- 2015年06月22日 04:06
- 禁書いいっすね〜
-
- 2015年06月22日 04:46
- 面白かった
けどまぁ批判する人はそりゃいるだろなw
-
- 2015年06月22日 04:46
- 泣いた
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- 2015年06月22日 06:55
-
SSとしては面白かったんだけど俺も※24と同意見
こういうの一方通行だと違和感ある
-
- 2015年06月22日 07:10
- 読み終わったあと、時間を無駄にしたと感じてしまったので、私には合わなかった
-
- 2015年06月22日 08:15
-
好みが分かれると思うけど俺は好きだよ
続きが読みたいと思った
-
- 2015年06月22日 10:45
-
いやいや……別にどちらかの作品をネガキャンするわけじゃないが
なんというかすげー違和感あるよ、どっちの面も
-
- 2015年06月22日 11:19
- 最後は、一方通行と離れたくない打ち止めが765プロにってオチかと思ったけど違った。
あと、美琴があの段階でまだあそこまでブチ切れるのがちょっと違和感。
-
- 2015年06月22日 11:42
- 思ったより絶賛されてるんだな
無理だったわ
-
- 2015年06月22日 12:15
- で、結局貴音は何者だったんだ?
てっきり風斬氷華みたいな存在かと思ってたが。
別に人外に設定する必要なかったんじゃね?
一方通行がいる時点で異能の力は存在しているわけだし。
-
- 2015年06月22日 12:22
- ※33
いや、まだ中学生だぞ。それも、上り詰めてちやほやされてる。
その後の本文で解説もされてるし、読んでから文句言えってやつだ。
-
- 2015年06月22日 12:24
- もういっそ打ち止めもアイドルデビューさせたらいいんじゃね?
お隣も9歳とか10歳ぐらいの子が居るし
千早とかやよいとか痴早とか千早とかが面倒見てくれそう
-
- 2015年06月22日 14:32
-
良かった!
アレイスターにはガッカリだよwww
-
- 2015年06月22日 14:59
- どしょっぱなから一方通行のコレジャナイ感が半端ない
-
- 2015年06月22日 16:38
-
良かったが、もっと落ち着いた一方さんでもいいと思った
-
- 2015年06月22日 17:01
- 一方通行じゃなくて上条さんとかでも良いって、逆に一方通行が丸くなっていくのも面白いんじゃないの?まあ上条さんとかでも違和感は感じないだろうけど
どっちもにわかだけど面白かった
-
- 2015年06月22日 17:34
- ※37
よし、秋月・如月・響・弥生・霞を引き連れて参戦だ。
-
- 2015年06月22日 18:33
- ※41
上条さんにやよいのサインをねだる一方通行の姿が見えるようだ。
上条さんだと、奈落転落事故は確実だろうなぁ…
ってか、上条さんは車の運転ができません。アレイスターが裏から手を回しても、上条さん自身が納得しないでしょう。仮に同意しても、事故を起こす未来しか見えない。鈍感な上条さんに女心がわかるわけもなし。
そもそも主要な人物のほとんどが合法的に運転できる年齢じゃないし。一方通行以外だと、海原、土御門あたりしか適役がいないような気がする。バカの浜面では務まらないだろうし。
-
- 2015年06月22日 18:35
- 超仕事できるPが出てくるアイマスSSって昔から大量にあるけど、それを一方通行に置き換えただけかなーって
-
- 2015年06月22日 19:09
-
面白かった。番外個体が出てこないから旧約15巻後19巻前なのかな。だとしたら、かなり一方通行は丸くなってるなー
-
- 2015年06月22日 19:27
-
「○○屋さン」シリーズ
「お兄様…」シリーズ
「おいあわきン」シリーズ
とか、
"一方さんはSSだと丸くなっている事が多々ある"、って事を禁書SSを読んで知っている自分としては、そこまで違和感は無かったかな…
"禁書SSはよまねぇ、原作しかしらねぇ"
って人は違和感あって当たり前だと思う
続きも見たいかな
-
- 2015年06月22日 19:52
-
なんというアイドル屋さン……
一方通行より☆のキャラ崩壊がひでぇwww
-
- 2015年06月22日 22:05
- ※47
SSのアレイスターなんてこんなもんだろ。
コーヒー屋さンに出前頼んで水槽にコーヒー入れてもらったりしてるし。
-
- 2015年06月22日 22:25
-
皆幸せになって何より。
特に一通さんが良い意味でいじられキャラになったのがグッドだね。
-
- 2015年06月23日 00:01
- これが嫌なやつは一通SS読むのやめたら良いんじゃね
一通さんは原作の反動かしらんがSSではこれがテンプレだし、このキャラの方が良作多い気がする
一通さんも不器用だけど本当はこんな風な生活もやりたかったんじゃねーか?と思うんだけど
アニマスとはPと一通の違いの分だね心情は差別化されてるのにストーリーはきちんとなぞってるからよくまとめたと思うわ
-
- 2015年06月23日 01:44
- 自分は原作とSSも読むけど、一方通行はそこまで言うほど丸くなってないよ(これが、旧約の時系列なら尚更)。原作をSSを読むときの基準にしている人にとっては、違和感は多かったと思う(チョーカー型デバイスの設定や心理描写など)。ただ、純粋に楽しむ分には支障はないと思う。
-
- 2015年06月23日 05:13
- アイマスとクロスさせるのはなんか途中からぶれるんだよな
もうPを「俺」にでもしたらいい
あ、ガクトのは割とおすすめ
-
- 2015年06月23日 06:48
- ※48
まろみがすごいな
>やよいはやよいは一方通行さんに話しかけます
これには一方通行さんもご満悦
-
- 2015年06月23日 08:04
- プロデュースしてた部分に関しては面白いとこもぼちぼちあったけど、学園都市辺りからなんか釈然としないんだよなー
特に伊織と美琴のやりとり
計画を知ってるなら一通がオリジナルって呼んだ時点で美琴の立場わかるだろうに
一通のこと信頼してるからってあんな言い方するかね、伊織は
-
- 2015年06月23日 09:00
-
一方通行もプロデューサライズされてしまった…w
禁書儲はカオマッカだろうけど面白かったよ
渡されたチョーカーに社交性付与とか付いてたんだよきっと
-
- 2015年06月23日 10:09
- MNWで実況されてそう。
-
- 2015年06月23日 23:05
-
すげー面白かった!
-
- 2015年06月24日 06:18
- 両方って落ちが禁書らしくて良いわー
すげー感動した宇宙人かわいすぎ
アイマス見てみるわ
-
- 2015年06月24日 07:12
-
よかった。とてつもなくよかった。
-
- 2015年06月25日 00:43
- こう描かれると赤羽根Pの有能さが半端じゃないことが分かる
-
- 2015年06月26日 00:33
- めっちゃ面白かったわ
このSS大好き
-
- 2015年06月26日 04:53
-
他にも原作勢でこのssも好きという人はいる筈
-
- 2015年06月26日 20:35
-
すばら
-
- 2015年06月27日 02:25
-
いやあ面白かった
丸い一通さんはSSの風物詩だな
-
- 2015年06月27日 10:26
-
禁書SSとしてもアイマスSSとしても駄目
そもそも、一方通行が完全に作者の自己投影キャラすぎて読めたもんじゃない
一方通行の皮被った別人を崇めてる連中も気持ち悪すぎる
これを一方通行と思いたくないわ
-
- 2015年06月27日 10:28
-
禁書SSとしてもアイマスSSとしても駄目
そもそも、一方通行が完全に作者の自己投影キャラすぎて読めたもんじゃない
一方通行の皮被った別人を崇めてる連中も気持ち悪すぎる
これを一方通行と思いたくないわ
-
- 2015年06月27日 20:46
-
二回書いた分中和しときますねー
-
- 2015年06月27日 22:39
-
おつん
-
- 2015年06月27日 23:07
-
禁書とアイマスの雰囲気をちゃんと保ってて面白かった。
ぶれてるとか雰囲気ぶち壊しとか言ってるけど、
クロスなのに両方の作品の雰囲気を100%求めてるだけじゃん。
それならクロスの意味無いし。
-
- 2015年06月29日 07:50
- 速報の禁書スレであらぶってたアンチ一方がコメだと一人しかいなくてワロタ
-
- 2015年06月29日 13:11
-
SSもコメ欄も臭すぎ!
作者か信者か知らないけど同じ人が何回もコメントしてるな、恥ずかしいね
-
- 2015年06月29日 20:21
- ちょっと長いけど…まぁまぁ良かった
※71お前みたいな感想も何も無い、ただ批判したいだけのアンチが一番臭くて恥ずかしいわ
(^^)
-
- 2015年07月02日 11:16
-
おもんない
なんとも程度の低いSSだ
-
- 2015年07月12日 00:28
- 面白かったぞ、前に同じようなの読んだけど遜色ない
-
- 2015年07月22日 04:00
-
すっげぇ力作だな、作者さん本当に乙
-
- 2015年07月24日 02:13
- 二度見するとは思わなかった。 さいこうだった
-
- 2015年07月27日 13:23
-
普通に良くできてました。キャラが多いにもかかわらず、一人ひとりを丁寧に描いていて、作者の愛が伝わってきました。
-
- 2015年08月08日 21:42
-
実際765プロのプロデューサーって一方通行レベルの処理能力無いと無理なんじゃない?
346はツリーダイアグラムじゃないと無理だけどw
-
- 2015年08月08日 21:45
- ※50
同感
確かに原作が好きな人からすると違和感しかないと思うけど、SSではその反動でこういう作品多いからね。
こういう作品が多いというのはある意味一方通行に救われて欲しいって読者の心の表れだよね。それだけ魅力的なキャラだよ
-
- 2015年08月14日 14:47
-
めちゃ面白かった。理想的なクロス
-
- 2015年08月18日 20:34
- 最後は完全に関係絶って欲しかった
-
- 2015年09月16日 22:48
- 今まで読んだSSでベスト5には間違いなく入る作品だったな
-
- 2015年10月26日 17:59
- 久々に読んでも面白かった!
上条Pだと奈落に墜ちても打撲程度で済みそうな気がするなwもしくは「不幸だああぁぁ…」って言いながらドリフっぽく墜ちそう。
-
- 2015年11月14日 13:40
- 御坂さんくずすぎ
-
- 2015年11月21日 08:55
- 普段から一方さんのSS(屋さンシリーズなど)を読んでいる俺としては丸い一方さんは違和感ないかな。
あとクロスSSに両作の雰囲気両立を求めるのが前提としておかしい。クロスだとどうしても片方に寄ったり、違うところに走ってしまうこともある。そんな中でここまで再現したのは充分氷華に値すると思う。
-
- 2017年08月12日 23:03
- 結構面白かったけど運動会編ないのな
-
- 2018年02月10日 09:37
- これくらいのほんわか話大好き
-
- 2018年04月06日 12:30
- ※71、73
面白くないのはお前らだわ
臭いコメばっかすんなよカス
-
- 2020年03月17日 09:01
-
一方さんの性格が云々書いてる奴ちゃんと読んだか?
徐々に丸くなっていく描写あったろ
-
- 2021年04月04日 22:17
- まあ貴音と一方通行の関係性はどこまでやりようがあると思うわ