モバP「俺の妹がこんなに25歳児なわけがない」
凛「プロデューサー。それじゃ、また明日ね」
P「ああ。気をつけて帰るんだぞ」
卯月「お疲れ様でした!」
未央「バイバイ、プロデューサー!」
P「おう。2人も気をつけてな」
バタン
P「さてと、俺もぼちぼち帰る準備するか」
楓「あ、プロデューサー。もう帰るんですか?」
P「ええ。やることはやったんで」
楓「なら、一緒に帰りましょう」
P「そうですね」
帰り道
P「………」
楓「………」
P「ふう。今日も疲れたな」
楓「ふふっ。兄さんはいつも疲れていますね」
P「大人数のスケジュールを管理するのって大変なんだぞ? しかも全員女性だし」
楓「でも、仕事に充実感は感じているんですよね?」
P「そりゃあな。アイドルのプロデューサーは、一応天職だと思ってる」
P「それでも、身体や精神がこたえるのとは別問題だしな」
楓「愚痴なら聞いてあげますよ。お酒と一緒に」
P「そんなこと言って、理由つけて飲みたいだけじゃないのか?」
楓「あ、ばれちゃいました?」
P「おい」
P「まあ、今日は飲みに行ってもいいかな。もうすぐ給料日だし」
楓「現金をもらって元気に……ふふっ」
P「さ、今日はどこの店に行く?」
楓「反応がないと寂しいです……」
女性にしては高身長。すらりとした大人っぽいスタイルから繰り出される寒いギャグ。
彼女――高垣楓は、何を隠そう俺の妹である。年はひとつしか違わないが、間違いなく実妹である。
半年前。アイドルのプロデューサーとして働いていた俺は、モデル業で悩んでいた楓に対して、半ば冗談でアイドルへの転身を勧めてみた。
そうしたら思いのほか食いついてきて、今にいたるというわけだ。
兄妹関係を隠しているわけではないが、一応職場ではアイドルとプロデューサーという関係を前提に接している。
ちなみに、現在は兄妹2人で仲良く同居中。
とある日の朝
P「……ぐう」
楓「おはようございまーす……(小声)」ガチャ
P「……すぴー」
楓「起きてますかー……?」
P「……すう」
楓「……ふふっ」スッ
楓「(静かに枕元まで移動して……)」
楓「ふう~~っ」
P「ぬわおっ!? な、なんだ!?」
楓「おはようございます、兄さん♪」
P「楓か……お前、何したんだ」
楓「兄さんの耳に息を吹きかけました」
P「理由は」
楓「喜んでもらえるかと思って」
P「びっくりするだけだわ!」
楓「そうですか? 気持ち良かったりとかは?」
P「そんなもん……!」
P「……ちょっとゾクッときた」
楓「素直な兄さんは好きです」
楓「もう一度してあげましょうか」
P「結構です。ほら、さっさと出てけ。着替えるから」
楓「残念」ショボーン
朝食中
P「楓」
楓「なんでしょう」
P「お前はもっと兄に対して敬意を持つべきだ」
楓「敬意? いったいどのような経緯でそんなことを」
P「頻繁に行われる今朝のようなイタズラを経験してそう感じた」
楓「乙女のかわいいイタズラですよ?」
P「25にもなって自分を乙女と言うのはどうなんだろうな」
楓「では、少しだけ敬意をもって接してみましょう」
P「おう」
楓「……コホン」
楓「さすがはお兄様です」
P「はい?」
楓「この目玉焼き。一切形が崩れていませんし、塩コショウの塩梅も絶妙」
楓「まさに目玉焼きづくりの天才です」
楓「なかなかできることじゃないよ(裏声)」
P「よくわからんが馬鹿にしてないか?」
楓「いいえ。事実おいしいじゃないですか、兄さんの作る目玉焼き」
楓「あと、だし巻き卵もおいしいですよね。おつまみに最適です」
P「食べ物のことばっかりだな……」
P「他にないのか? 顔がかっこいいとかさ」
楓「……え?」
P「真顔でその反応はちょっと悲しくなる」
とある休日
楓「2人で並んで買い物だなんて、まるでデートみたいですね」
P「そう思うか?」
楓「兄さんは不満ですか? 私がデートの相手だと」
P「そういうわけじゃないが……今日の買い物リストを朗読してみてくれ」
楓「ええと……マイナスドライバー、洗濯ばさみ、スポンジ、トイレットペーパー、あとは夕食の材料ですね」
P「恋人と一緒に買いに行くにしては所帯じみていると思わないか」
楓「なるほど……そうですね。これは夫婦で買いに行くものですね」
P「妹よ。そんなに俺とデートしていることにしたいのか」
楓「あら。私は兄さんとなら結婚してもいいと思っていますよ?」
P「嘘だろ」
楓「はい。でも、今日は甘えたい気分なので」ギュッ
P「お、おい。さすがにアイドルが街中で腕をからめるのは」
楓「大丈夫ですよ。最低限の変装(帽子と眼鏡)はしていますし、たとえバレても兄妹同士のスキンシップです」
P「まったく……」
楓「悪い気分ではないでしょう?」ニコニコ
P「……まあ、見た目だけなら美人が相手だからな」
楓「む。なんだか引っかかる言い方ですね」
P「中身が激寒ダジャレお姉さんじゃなければなあ」
楓「そんなこと言う人には……えいっ。こちょこちょ~」
P「うおっ!? ば、ばかやめっ、はははっ!」
P「この、お返しだ!」
楓「きゃっ、ふふっ、ちょ、ちょっと兄さん、それやりすぎ、ふふふっ」
凛「………」←たまたま近場にいた
凛「休日の街中で何やってんの、あのふたり……」
とある日の夜
美優「どうも、お邪魔します」
P「どうぞどうぞ。狭い部屋ですけど」
楓「今日は3人で宅飲みですね」
楓「ここでならいくらでも酔い潰れて大丈夫なので、遠慮なく飲みましょう」
美優「いえいえ、さすがに潰れるまでは飲まないようにします」
楓「迷惑とか、気にしなくてもいいんですよ?」
美優「……Pさんに、はしたないところを見せたくないので……」ボソリ
P「さて、早速酒を用意っと……あれ、美優さんどうかしましたか?」
美優「い、いえっ……! なんでもないですから……!」
楓「………」
楓「兄さん、兄さん」チョンチョン
P「ん?」
楓「今日のお酒、強いのを選んでください」ゴニョゴニョ
P「いいけど、どうして」
楓「ひょっとすると、美優さんの本音が聞けるかもしれないので」
しばらく経って
楓「うーん……あぅ~」グッタリ
P「あんなこと言ってたくせに、自分が先に潰れるのか……」
美優「結構ハイペースで飲んでられましたから……」
美優「でも、珍しいですね……普段なら、楓さんが一番アルコールに強いのに」
P「ああ、店で飲む時はそうですね。でもこいつ、うちで飲む時は大抵先に潰れるんです」
美優「そうなんですか? へえ……こちらで飲むのは初めてなので、知りませんでした」
楓「……すう」
P「おっと、ついに眠り出した」
P「とりあえず、毛布でもかけておこう」
美優「………」チビチビ
P「どうしました? そんなに遠慮せず、もっと飲んでいいですよ」
美優「いえ、その……楓さんが寝てしまったので、ふたりきりだなって、思いまして……」
P「そういえば、美優さんとふたりで飲むっていうのは初めてですかね」
美優「はい……」
美優「あの、Pさん」
P「なんですか」
美優「わ、私達……同い年ですよね」
P「ええ、そうですけど。それがなにか」
美優「えっと……まあ、それはあまり関係ないんですけれども」
P「関係ないんですか」
美優「その……私、Pさんのことが、その――」
ガシッ
P「ん?」
楓「………」ジー
P「なんだ楓、起きたのか。寝るんなら自分の部屋に」
楓「おんぶ」
P・美優「えっ」
楓「兄さん。おんぶして連れてって」トロン
P「あー、またいつものが出たな」
美優「いつもの?」
P「こいつ、家で酔い潰れると子供みたいに甘えてくるんですよ。普段の数倍レベルで」
楓「ねー、いいでしょう? いっつもしてくれてるんだから……ね?」ギュー
P「わ、いきなり抱きつくなっ。まったく、なんでお前はうちで飲むといつもそうなるんだ?」
楓「だって、私と兄さんの家だもの……落ち着きすぎて、つい酔いに負けちゃうの」ダキッ
楓「ほら、はやくぅ」
P「今日は我慢しろ。美優さん来てるんだから」
楓「……みゆさん?」
楓「………あ」
P「お前、酔って美優さんの存在忘れてたな?」
楓「……ええと、その」
楓「お、お見苦しいところをお見せしまして」
美優「うふふ、いいんですよ。楓さんのかわいらしい一面も見られましたから」
楓「さ、さすがに恥ずかしいです……」
P「楓のうろたえる姿は珍しいな」
飲み会も終わって
美優「すみません。泊まらせていただくことになってしまって……」
P「問題ないですよ。ちょうど空き部屋もありましたし」
P「それじゃ、おやすみなさい」
美優「はい。おやすみなさい」
P「さて、美優さんの案内もすんだし」
P「おーい楓。お前も部屋行って早く寝ろよー」
楓「……はあ。今日は失敗しちゃいました」
P「美優さんは他人に言いふらすような人じゃないし、安心していいと思うぞ」
楓「それはそうですけど」
楓「………」
P「どうした。ぼーっとして」
楓「兄さん……兄さんは、いつかいい人を見つけて結婚しますよね」
P「……なんだ? 急に」
楓「酔っ払いの話に脈絡はないものです」
P「自分で言うのか……」
P「まあ、いつかは結婚したいと思ってる。でも、それは楓も同じだろう」
P「アイドルを引退して、どこかの男と結婚する。そんな日が多分やってくる」
楓「そうですね……でも」
楓「その日が来るまでは、こうして兄さんと一緒にいたいです」
P「……ああ。俺もそう思う」
楓「ふふっ」
楓「それじゃあ、おやすみなさい」
P「おやすみ」
おしまい
楓さんは成人してるけど25歳児だし、ちょっとくらい妹にしてもバレへんか
短いですがお付き合いいただきありがとうございました
次はおそらく未成年のアイドルを妹として描くと思います
転載元
モバP「俺の妹がこんなに25歳児なわけがない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433932382/
モバP「俺の妹がこんなに25歳児なわけがない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433932382/
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コメント一覧 (45)
-
- 2015年06月10日 21:46
- ウサミンが妹だったら…?
-
- 2015年06月10日 21:54
- あれ?姉キャラが入ってないやん?
-
- 2015年06月10日 21:54
- ※2
妹(47)
-
- 2015年06月10日 21:54
- 楓さんが妹だったら溺愛だわ。
後割と成人した後の方が妹は甘えてくれる(笑)
-
- 2015年06月10日 21:54
- あぁ!
コレ書いたの、シスプリ世代か!!
-
- 2015年06月10日 21:55
- ダメだ。中の人のイメージが強くて、ヤンデレに思ってしまう
-
- 2015年06月10日 21:58
- 中の人ネタと最新巻ネタ
ダブルでぶち込んできたな
なかなかできることじゃないよ
-
- 2015年06月10日 21:59
- 中の人ネタなら中身がつるこな楓さんが見たい
冷たく見下されたい(ゆきあつ感
-
- 2015年06月10日 22:06
- さすおに
-
- 2015年06月10日 22:23
- ※5
甘えるつか、タカってくるようになるなぁ…(トオイメ)
-
- 2015年06月10日 22:30
- さすおに
よさかえ
-
- 2015年06月10日 23:03
- ウサミンは幼少の砌に出会った初恋の相手だな。再開しても変わらなすぎて気付かないパターン。
-
- 2015年06月10日 23:35
- くそう、なんでオレはあと3年早く生まれてこなかったんだ
-
- 2015年06月10日 23:53
- 25歳児に妹属性と来るか・・・
新しい・・・惹かれるな
-
- 2015年06月11日 00:01
- プロデューサー CV:中村悠一
-
- 2015年06月11日 00:02
- 全くお兄さんは変態ですね、通報しますよ?
-
- 2015年06月11日 00:02
- 業が深いタイプの楓Pだけどこれは違和感半端ないわ
-
- 2015年06月11日 00:18
- 凛「10歳、年上の義妹かぁ…。」
加蓮「9歳、年上の義妹かぁ…。」
菜々「8歳、年上の義妹かぁ~。」
奈緒「…いや、アタシのセリフ…いやいや、えっ…?8歳、年…上…?えっ…?えっ…?」
-
- 2015年06月11日 00:26
- ※19
神谷さんはウサミン星へと連れていかれました。
-
- 2015年06月11日 01:14
- 楓さんは恋人感が強いからなんか新鮮
-
- 2015年06月11日 01:18
- ※21
その恋人に、「フリーハンドだとなんか危ないので会話するときは手錠をつけさせてもらいます」って言われたらどうする?
-
- 2015年06月11日 01:52
- さすおにネタわろた
-
- 2015年06月11日 02:07
- 楓さんに麻雀楽しまされたら廃人になる気がする。
-
- 2015年06月11日 02:34
- ロザミィに絡まれるカミーユの気持ちが分かった。
-
- 2015年06月11日 03:04
- 一瞬声優ネタかと思ったらよくよく考えたらあやせだった
-
- 2015年06月11日 03:45
- ちゃまP「12歳、年下の母親かぁ…。ママー」
-
- 2015年06月11日 04:01
- モバPは真面目キャラなら武内、軽いキャラだと赤羽根で再生余裕だけど、このPは普通に中村悠一だったなwwwさすおに。
-
- 2015年06月11日 05:19
- ※27
情けないヤツ!!
-
- 2015年06月11日 06:38
- 何でさすおになのかと思ったら中の人か、アニメ見てないから最初分かんなかった。
つか20過ぎて兄妹二人暮らしとか……家庭の事情か
-
- 2015年06月11日 06:48
- 今までの作品も全部中村悠一で再生されるようになった
-
- 2015年06月11日 06:53
- あー成る程な、Pが26なら楓さんが妹でもアリだな
さすおに
-
- 2015年06月11日 12:13
- ※13
ただのりぜるまいんじゃねーか!
-
- 2015年06月11日 12:42
- ※33
懐かしいなりぜるまいん
-
- 2015年06月11日 13:11
- モバP「俺の妹がこんなに世界レベルなわけがない」
-
- 2015年06月11日 18:27
- ※35
吹いたじゃねーかw
-
- 2015年06月11日 18:47
- さすおにと思ったらやっぱりさすおにだった
-
- 2015年06月11日 19:57
- さすがですお兄様、はいかんやろ!
中の人的に!w
Pが中村悠一になってしまうw
-
- 2015年06月11日 21:27
- 妹シリーズ流行ってんの?ハッ
いいぞ、もっとやれ
-
- 2015年06月12日 01:45
- 「俺の妹がこんなにボンバーなわけがない」
友情出演:松岡修造で誰か
-
- 2015年06月12日 01:49
- モバP「俺の妹がスカイダイビングに挑戦するはずがない」
-
- 2015年06月12日 13:17
- 楓さんで「さすおに」は反則www
-
- 2015年06月14日 05:40
-
こんなの妹じゃねぇよ…
-
- 2019年08月06日 20:46
- コメ欄もカオスだな
サーダナにシャアにアムロにあやせに…
-
- 2021年02月01日 05:24
- フィリップ・ヒューズ中尉「やだやだ、いい子ちゃんは!」(Gジェネレーション時の台詞)
はぁとの嫁入り「…」