千早「お鍋が食べたいわ」
- 1:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:30:43.61 ID:8Q2MAta5o
長さの割には内容が無い感じの、ただただグダグダする話です
千早「お疲れ様で‥‥あら?
誰もいないのかしら。音無さんまでいないなんて、珍しいわね。
鍵もかけないなんて、少し無用心だわ‥‥まあ、今回は助かったけれど。
‥‥テレビでも見ていれば、きっとすぐに帰ってくるわよね‥‥」ピッ
『失業率が2ヶ月ぶりに』
千早「‥‥‥‥」ピッ
『今話題の最新エステサロンに潜入』
千早「‥‥‥‥」ピッ
『カネの雨が降』
千早「‥‥‥‥」ピッ
『アカーン!』
千早「どうにも、いまいちピンとくる番組が‥‥あっ」
『「あずさと春香の、あの町この町うまい町」のコーナーです! 行き先は全て三浦あずさに託される、このコーナー。前回は○○県でギョウザを食べていましたが、今日は、どんな美味しい物に出会えるのでしょうか? そして、おとも兼、進行役の春香ちゃんは、日本に留まれるのでしょうか?』
千早「そういえば、先月から新しい仕事が始まったって言っていた気が‥‥ワイドショーの中のコーナーだったのね」
春香『みみみみみなさん、こんにちは! きょきょきょ今日はなんと、○○道までやってきちゃいました!‥‥寒いよぉー!』ガタガタ
あずさ『おかしいわねぇ。寒くなってきたから、暖かい場所に行こうと思っていたのに』
春香『だだだから、船に乗るのはやめましょうって言ったのに~! 私、厚手の上着なんて持ってきてな‥‥ヘックチ!』
あずさ『あらあら、大変。風邪をひいちゃう前に、どこかで温かい物でも食べましょうか~』
春香『そ、そうしましょう!』
千早「ふふっ。あずささんが先陣を切る旅番組だなんて、春香もスタッフも大変ね」
あずさ『あら、春香ちゃん。ここのお店なんて、落ち着いてて素敵じゃない?』
春香『そそそ、そうですね! ここにお邪魔しましょう! すみませ~ん、テレビなんですけど、カメラ入っても‥‥はい! ありがとうございます!』
千早「それは店の人も、ガタガタ震える女の子見て、追い出すなんて出来ないわよね‥‥」
春香『はあ‥‥あったか~い‥‥』
あずさ『こちらのお店は、何がおすすめなんでしょう~』
店員『そうですね‥‥これからの季節ですと、やっぱり鍋物がよく出ますね。それから、この店の魚介類は、市場に直接仕入れに行ってますんで、是非食べてみて欲しいですね』
春香『お鍋! いいですね!』
あずさ『そうねぇ。せっかくだし、お刺身も頂きましょうか~』
店員『はい。では、少々お待ちください』- 2:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:32:28.61 ID:8Q2MAta5o
千早「お鍋‥‥そういえば、全然食べてないわね。1人暮らしだとなかなか‥‥」
社長「オールライ、今日がるーるーるーららーっと‥‥おや、如月君。帰っていたのかね。お疲れ様」
千早「あ、社長! いらしたんですか? お疲れ様です」
社長「うむ。少々書類を溜め込んでしまってね。朝から缶詰だよ。ははは」
千早「それは大変そうですね‥‥あ、コーヒーでもいかがですか?」
社長「ん? いや、すまないねえ。では、お言葉に甘えようか」
千早「たしか、ブラックですよね? 少し待っていてください」
社長「ありがとう。‥‥ん? ほう、天海君と三浦君か」
千早「はい。地方の美味しい店をあずささんが探して、春香が付いて行く、という内容らしいです」
社長「三浦君が? それはなかなか‥‥思い切った事をする企画だねぇ」
千早「ふふっ、私もそう思います。はい、お待たせしました」
社長「おお、ありがとう。いただくよ」
春香『わあ! すごいですよ! 貝やエビがこんなにたくさん!』
あずさ『本当ねぇ。では早速‥‥』
春香『いただきます!‥‥ん~! ダシがすっごく出てますね!』
あずさ『お野菜も、香りと味がとてもよくて』
店員『ありがとうございます。野菜は契約農家から、その日収穫した物を‥‥』
社長「ほほう。なかなか、いい思いが出来る番組のようだね」
千早「‥‥‥‥」ジーッ
社長「‥‥如月君?」
千早「‥‥あっ、す、すみません! 実は今日、お昼を食べ損なってしまって、つい‥‥」
社長「なんと! 食べ盛りに、それはいかんよ。今日はもう帰って、何か食べるといい」
千早「それが、新曲のデモテープが届いている筈なんです。明日から数日はオフを頂いてるので、今日中にプロデューサーか律子か、音無さんから受け取らないと‥‥」
社長「それは悪い事をしたねぇ。先ほど、音無君に少々お使いを頼んでしまったのだよ。そろそろ帰る頃だとは思うが‥‥」
千早「いえ、気にしないでください。それに、この時間に食べてしまうと、今度は夕飯がずれ込んでしまいますから」
社長「ふうむ。それにしてもだ‥‥この辺りに何か、軽くつまめる物は無かったかな」ガサガサ
千早「しゃ、社長! そんな、気を遣わないでください」
社長「無さそうだねぇ。今度、補充しておかなければ。君達は成長期なのだから、お腹を空かせていてはいけないよ」
千早「永久に成長しなさそうな部分もありますけどね」
社長「なんでそういう事を言っちゃうのかね。自分で」
- 3:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:35:00.03 ID:8Q2MAta5o
千早「それはそうと、社長はお鍋をよく召し上がりますか?」
社長「うむ。特にこれからは、機会も増えるだろう。行きつけの店で一杯やりながら、なんて、こたえられんね」
千早「そうですか‥‥」
社長「まあ、今日は鍋どころじゃないがね。さっさと書類を片付けて、夜には夜行列車だ」
千早「出張ですか?」
社長「うむ。君達もメキメキと力を付けているし、それを発揮できる場所を確保しなければね」
千早「あ、ありがとうございます。ご期待に応えられるよう、力を尽くします」
社長「頼もしい返事だ。だが、決して無理はしないようにね。では、私は仕事に戻るとしよう。コーヒー、美味しかったよ。ごちそう様」
千早「社長こそ、無理はなさらないで下さいね」
社長「ははは。これは一本取られたねぇ」ガチャ バタン
千早「‥‥社長と一対一で話すなんて、事務所に入った初日以来かも知れないわね。あんなに気にかけて下さっているんだから、結果を出して恩を返さないと‥‥
‥‥それはそうと、お店に食べに行くっていう手もあるのね。言われてみれば、そもそも春香とあずささんは店で食べてるんだったわ。
‥‥ひぃ、ふぅ、みぃ‥‥くっ、ちょっと厳しいわね。プレミアの付いたレコードを3枚も見つけて、衝動買いしてしまったのが痛いわ。再生できる機械もないのに」
春香『はふっ、はふっ‥‥ん~、幸せ~』
あずさ『こうして美味しい物が食べられるなら、冬の寒さにも我慢できるわねぇ』
千早「‥‥仕方がないわ。帰りにどこかで、アルミ容器の1人前鍋セットでも‥‥あら?」
響「だからさぁ、伊織が500人くらいいれば、反射熱で事務所をポッカポカに」
伊織「なるほどね。夏は逆に日光の進入を食い止められるしね。そうなったら真っ先にあんたを焼き殺す事から始めるわ」
千早「なんて会話しながら帰ってくるのよ」
響「あ、ただいま」
伊織「あら? 千早だけ?」
千早「社長室に社長が」
響「そうなんだ。あっ! 千早、温かそうな物飲んでる!」
伊織「1人で。1人だけで」
千早「わ、わかったわよ。お湯はまだあるから、淹れてあげるわ。コーヒーでいいの?」
響「コーンポタージュ」
伊織「濃い甘酒」
千早「はいどうぞ。砂糖とミルクは自分で入れてね」
響「わーい」
伊織「いただきます。‥‥ふう、暖まるわ」
千早「一緒の現場だったの?」
響「うん。握手会」
伊織「もう、途中から手が悴んじゃって。後半のファンには、ブログなんかで「いおりん超手冷たい。きっと心も冷たい」とか書かれるんじゃないかしら」
響「千早は今日、なんだったっけ」
千早「雑誌のインタビューと、記事用の写真撮影」
響「屋内?」
千早「もちろん」
響「いいなー!」
伊織「不公平だわ」
- 4:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:36:44.29 ID:8Q2MAta5o
千早「もっといい仕事してる人達もいるわよ」
響「ん? ああっ! 鍋食べてる! 鍋!」
伊織「あ。これ知ってるわ。たしかこの後、温泉で1泊して帰ってきたって言ってたわね。あずさ」
響「ずーるーいーぞぉー!」ブンブン
千早「まあ、仕方ないわよ。こういうのは、この2人が似合いそうだもの」
響「自分だったら、鍋に入ってる具材でダジャレとか言えるのに」
千早「だから呼ばれないんだと思うわ」
伊織「私だったら、行く先々で会う人にツッコミ入れられるのに」
千早「永遠に呼ばれないと思うわ」
響「うー、それはともかく、これ見てたら、お腹空いてきたぞ」
千早「あ、そうだわ。我那覇さんって、お鍋食べたりするの?」
響「鍋? 家で1人の時にって事?」
千早「ええ」
響「いやぁ、食べないぞ。そもそも、卓上コンロも電気鍋も持ってないし」
千早「やっぱりそうよね」
響「どうしても鍋っぽい物が食べたくなった時は、鶏肉と白菜茹でて、味ポンかけて食べたりするけどさ、やっぱり味気ないぞ。冷めるし」
千早「そう。我那覇さんに聞けばどうにかなるかもって思ったんだけれど」
響「ん? どうにかって?」
千早「恥ずかしい話だけど、この番組を見てたら、どうしてもお鍋が食べたくなっちゃって‥‥」
響「あー、あるよね。自分この間、夜中にたまたまテレビ付けたら、ちょうどラーメン食べてて」
伊織「きついわよね」
響「もう日付け変わってたからさ。「これは朝ごはん! これは朝ごはん!」って暗示かけながら、インスタントラーメン作った」
千早「ふふっ」
響「結果的に朝ごはん2回食べる事になったんだけどね」
伊織「まあ、レッスンしてるんだし、たまにならいいんじゃない?」
響「あっ、まずいぞ」
千早「え?」
響「千早の話聞いたら、自分も鍋の口になってきた」
伊織「テレビの中では、相変わらず幸せそうにモグモグしてるしね。尺大丈夫なのかしら」
- 5:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:38:09.56 ID:8Q2MAta5o
響「どうする? 帰り、どっかで食べてく?」
千早「私もそうしようと思ったんだけれど、店で食べると、結構いい値段するでしょ? 今月はちょっと、財布が軽めなのよ」
伊織「何か買ったの?」
千早「土地」
響「んふっ」
伊織「土地は買えるのに鍋は食べられないっていう」
千早「本当のところ、レコードをつい買ってしまって。好きな歌手のものだったから、思わずね」
響「レコード? 千早の家、レコード聴けるんだ」
千早「‥‥‥‥」
響「あ、これ、後の事考えないで買った顔だ」
伊織「‥‥今度、うちに持ってきなさいよ。蓄音機貸してあげるから」
千早「本当!?」
響「うわっ、すっごくいい笑顔」
伊織「持っててよかった蓄音機」
響「それはそうとさー、どうする? 鍋」
千早「そうね‥‥」
響「最悪、買ってもいいんだけどさ。まー使わないよね」
千早「共同購入して、私か我那覇さんの家に置いておくとして‥‥誰かが遊びに来る時以外は箱の中ね」
響「今更だけど、伊織は持ってないの? 卓上鍋」
伊織「うちって、テーブルが無駄に大きいのよ」
響「うん」
伊織「鍋をこう、真ん中に置くでしょ? 届かなくなるわね」
千早「煮え立つ鍋を見守る会」
響「なんの儀式?」
伊織「それか、1人1人に小さい鍋が。って形になるわね。旅館とかで出てくる感じの」
響「あー‥‥なんか違うなー」
千早「たしかに‥‥それはそれで、嫌いではないけれど」
伊織「でしょ?」
響「こうさ、上向いて口開けてたら、降ってこないかな」
千早「降って‥‥鍋が?」
響「うん。汁と具が」
伊織「ある程度満足したら、すぐ後悔するわね」
響「泣きながら掃除したりお風呂入ったりすんの。体中ヤケドしてるし」
伊織「ふふっ」
千早「流石に、そこまで全てを投げ打って食べたくはないわね」
響「って事は‥‥やっぱり買うかー。謎の出費だけど」
千早「そうね‥‥まるっきり無駄になるっていうわけではないし‥‥」
伊織「なんなら、遊びに行く回数増やしてあげても‥‥あら?」
- 6:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:39:19.38 ID:8Q2MAta5o
小鳥「うーっ、寒い! 寒い寒い!」
響「お、ピヨ子だ。おかえりなさーい」
千早「お疲れ様です」
伊織「お疲れ様」
小鳥「あらみんな。戻ってたのね。お疲れ様。‥‥あっ、そうだ。千早ちゃんに渡す物が‥‥はい、これ」
千早「ありがとうございます」
小鳥「‥‥あっ! ひょっとして、待たせちゃった!? デスクの上に出して置けばよかったわ‥‥ごめんなさいね」
千早「あ、いえ、大丈夫です。お陰で、逆に少し、いい事もありましたから」
小鳥「そう? なんだかよくわからないけど‥‥あ、これ、あずささん達の番組ね?」
響「うん。実に羨ましい番組」
小鳥「ふふっ。確かに美味しそうねぇ。あー、私も今日は久々のお鍋にしよっかな」
千早「!? お、音無さん、1人暮らしでしたよね?」
小鳥「え? え、ええ。そうだけど‥‥」
響「鍋、持ってるの? テーブルの上で使うやつ」
小鳥「ええ。実家を出る時、貰ってきたから‥‥」
伊織「サイズは?」
小鳥「元々は家族で使ってたから‥‥このくらいかしら」
千早「これは‥‥」ヒソヒソ
響「渡りに船というか‥‥」ヒソヒソ
伊織「鴨が‥‥いえ、小鳥が鍋背負って帰ってきたというか‥‥」ヒソヒソ
小鳥「みんなー?」
千早「音無さん。今日、帰りは何時くらいになりそうですか?」
小鳥「え? そうねえ。んーと‥‥他の子は直帰するみたいだし、プロデューサー2人への連絡事項も特になし‥‥書類と伝票がこれだから‥‥2時間もすれば帰れると思うわ」
響「ちなみに聞くけど、デートの約束とかは?」
小鳥「え、なんでいきなり胸をえぐってくるの?‥‥当然、ないけど」
伊織「他に用事は?」
小鳥「それも今日は、これと言ってないけど‥‥」
千早「‥‥音無さん。材料費は私達が持ちます。音無さんの家で、お鍋を一緒に食べさせてくれませんか」
小鳥「はい? え、ちょっと待っ‥‥はい?」
響「まあ、そりゃわけわかんないよね」
伊織「いきなり「お前んち連れてって鍋食わせろ」って、普通は一生聞かない要求よね」
- 7:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:40:40.07 ID:8Q2MAta5o
千早「あ、すみません。実は、かくかくしかじかで」
小鳥「まるまるうまうま、ってわけね。ふふっ、千早ちゃん、可愛い」
千早「か、からかわないでくださいっ。自分でも、みっともないと思ってるんですから‥‥」
小鳥「たしかに、今日はまた一段と寒いし‥‥そんな時に、テレビで見せられたらねぇ。うん、別にいいわよ」
千早「本当ですか?」
響「やったー!」
伊織「なかなか話がわかるじゃない!」
小鳥「じゃあ、パパッと終わらせるから、待っててちょうだいね」
千早「はい。あ、まだお湯が残ってるんですが、飲み物でもどうですか?」
小鳥「あら、いいのよ~? お鍋を食べられるからって、そんなに気を遣わなくって」
千早「そ、そういうわけでは‥‥!」
小鳥「ふふっ、冗談。頂くわ」
- 8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:41:26.83 ID:8Q2MAta5o
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響「この間、家で本読んでてさ」
伊織「ん」
響「上下巻に分かれてるやつだったんだけどさ、上巻読み終わってね」
千早「ええ」
響「ご飯食べたり、お風呂入ったりして、さあ続き読むぞーって読み始めて。3分の1くらいかな。読んだところで、何か違和感があったんさー」
千早「どうしたの?」
響「間違って、もっかい上巻読んでた」
千早「ふふっ!」
伊織「バッカねぇ」
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・
伊織「‥‥昨夜ね」
千早「ええ」
伊織「ふと思い立って、おでこに10円玉が何枚乗るか試してみたんだけど」
響「‥‥1人で?」
伊織「ええ」
響「何やってんの?」
伊織「んふっ‥‥まあ、それはいいんだけど。で、割とたくさん乗って、満足して、やめようと思ったんだけど」
千早「ええ」
伊織「バランス崩しちゃってね。その時、なんでか知らないけど「落としちゃダメだ!」って思って、耐えようとしたの」
響「あるよね。理由もないのに「今○○したら負けだ!」って気がする時」
伊織「そしたら、首に変に力が入って、クキッってなって」
千早「大丈夫だったの?」
伊織「今でも鈍痛が」
響「何やってんの?」
伊織「結局小銭も全部落としちゃって。泣きながら拾い集めたわ。夜中に」
響「だから何やってんの? 夜中に」
- 9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:42:44.99 ID:8Q2MAta5o
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響「千早ってさ」
千早「何?」
響「初恋の思い出とかあるの?」
伊織「あら、突然の恋バナ」
千早「初恋‥‥とは違うけれど、初めて男性をかっこいいと思ったのは、中学生の頃かしら」
響「おっ」
伊織「相手は? 同級生?」
千早「マーシー」
響「シャネルズ?」
千早「そっちじゃないわよ!」
伊織「あんた、仮にも業界の大先輩捕まえて「そっち」呼ばわりすんじゃないわよ」
・
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・
小鳥「ふう‥‥こんなものかしら。細かい部分は、見積もり出てから手直しして‥‥うん、今日のところはここまでね」
響「あ、終わったの?」
小鳥「ええ。お待たせ」
伊織「お疲れ様。けど、伊織ちゃんの可愛い声を聞きながらだったから、楽しかったでしょ?」
小鳥「そうね。基本的に、アイドルっぽい会話は1回も聞こえてこなかったけどね。じゃ、出ましょうか」
響「そうだね。じゃ、伊織。またね」
千早「水瀬さん、お疲れ様」
伊織「え、嘘でしょ。ここまで付き合って、追い返されるパターンってあるの? 嘘でしょ」
響「だって伊織、家でご飯用意してあるんじゃないの?」
伊織「メールしたわよ! 割と早い段階で!」
千早「お鍋、食べたいの?」
伊織「食べたいわよ!」
響「んふ‥‥ど、どのくらい?」
伊織「どのく‥‥世界中を敵に回してでも食べたいわよ」
千早「ぷふっ‥‥わ、私と鍋が崖から落ちそうになってたら、どっちを助ける?」
伊織「散々迷って千早を助けるけど、その間ずーっと鍋見てるわ」
響「あははは! 未練がましく?」
伊織「そう。で、千早に「あんたは鍋の代わりに助かったんだから、その分強く生きるのよ!」って」
千早「ふふっ! ひ、ひとっつも重さを感じないわ」
小鳥「ほらほら、早く支度しちゃいなさい」
千早響伊織「はーい」
小鳥「では社ちょ‥‥電話してるみたい。お先に失礼します」
千早響伊織「お疲れ様でした」ゾロゾロ
- 10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:43:35.93 ID:8Q2MAta5o
響「くぁーっ! 寒い!」
千早「また気温が下がったみたいね」
伊織「眼球に痛みがくる寒さね」
響「鼻の中がヒリヒリするぞ」
小鳥「途中で買い物していかないとね。スーパーでいいかしら」
響「そうだね。あれ? ピヨ子、そのコート、おニュー?」
小鳥「これ? ええ。こないだ、3割引になってたから、つい買っちゃった」
伊織「割といいじゃない。‥‥それに引き換え」
千早「‥‥な、何? 私?」
伊織「あんたそれ、ずっと着てるわよね。ずーっと着てるわよね」
千早「え‥‥こ、これ‥‥一応、今日初めて着てきたんだけれど‥‥」
伊織「えっ?」
響「え?」
小鳥「え‥‥」
千早「‥‥え?」
響「ご、ごめん千早! 自分もそれ、前からずっと着てるやつだと思ってた!」
千早「そ、そう‥‥たしかに、あまり変わり映えしないデザインではあるけれど」
小鳥「でも、あるわよね。好みの服買ったら、持ってるのと似ちゃう事」
伊織「にしても、千早のは前のと似すぎでしょ。もっと、毛色の違う感じのも着てみたら?」
千早「私、こういう地味なもの以外は、あまり似合わないから」
響「そんな事ないぞ。千早ならもっと」
千早「例えば?」
響「ピンクのラメラメとか」
伊織「唐草模様とか」
千早「それを着て、あなた達と一緒に歩いていい?」
響「襟元にフサフサ付いた可愛いやつとかがいいんじゃないかな!」
伊織「同じような色でも、ダウンジャケットとかにすれば感じが変わると思うわ!」
千早「急に的確なアドバイスになったわね‥‥じゃあ、今度は少し違う系統の上着にしてみようかしら」
小鳥「ふふっ、千早ちゃんなら、色々似合うと思うわ。あ、ここが私のいつも買い物してるお店よ」
千早響伊織「はーい」ゾロゾロ
小鳥「さて‥‥お鍋とは言っても、何入れようかしらね?」
伊織「汁の味によっても変わるんじゃない?」
千早「出来れば、あまり変り種のものより、オーソドックスなものが食べたいわ」
響「だね。塩味とかそういう」
小鳥「塩味なら、割かし何を入れても大丈夫そうね」
伊織「じゃあ、二手に分かれて、パパッと買い物済ませちゃいましょ。私と小鳥はあっちの方見てくるから、千早と響は逆の方から」
千早「わかったわ」
- 11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:44:29.21 ID:8Q2MAta5o
響「こっちは、お肉とか大豆製品とかのエリアみたいだね。何入れよっか」
千早「お肉‥‥あ、お鍋セットっていうのがあるわ。豚バラ、鶏もも、鶏団子のセットみたい。これ、便利なんじゃない?」
響「ちっちっち‥‥そんな事じゃ、買い物上手にはなれないぞ」
千早「そ、そうなの?」
響「例えばこれなんかは、合わせて500グラムのセットでしょ? これに入ってるのを、バラバラに買ったとしたら‥‥ほら、同じくらいの重さで、こんなに値段変わるんだぞ」
千早「本当だわ‥‥2割くらい違うわね」
響「それに、よく見たら、半分くらいは鶏団子でしょ? この中で1番安いから、それを考えると、もっと違ってくるぞ」
千早「なるほど‥‥勉強になるわ」
響「あと、今日は豚バラはいらないんじゃないかな。あっちは多分、魚とか買うでしょ? あんまり脂が浮くと、味がブレちゃうと思うぞ」
千早「っていう事は、鶏ももと鶏団子に絞ったとして、こう買うと‥‥我那覇さん! すごいわ! 同じ値段で、セットの倍くらいの量が買えちゃうのね」
響「でしょ? でも実際はそんなに量いらないから、浮いたお金で鶏肉のグレードを上げるっていう手も出てくるさー」
千早「買い物も奥が深いのね」
響「あっ! 千早、それ戻して!」
千早「えっ? あ、はい」
店員「失礼しまーす」ペタッ ペタッ
響「ラッキー! ちょうど割引きシール貼って回る時間だったぞ!」
千早「なるほど‥‥あ、だから高槻さんが、なかなか帰らずに事務所で時間を潰している日とかがあるのね」
響「そうそう。でもあんまり欲張ると、値引きの前に全部買われちゃったりするから大変だぞ」
千早「なかなか難しいものなのね‥‥それじゃあ、鶏肉はこっちの、国産のものに変更でいいかしら」
響「うん、いいんじゃないかな。後は、豆腐とか白滝とか買って‥‥こんなもんかな?」
千早「そうね」
- 12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:48:05.77 ID:8Q2MAta5o
伊織「私達は、野菜売り場と鮮魚コーナー担当みたいね」
小鳥「野菜は、白菜とキノコでいい?」
伊織「キノコ、いいわね。シイタケ、エノキ、舞茸‥‥へえ、こんな黄色いキノコも売ってるのね」
小鳥「あまり味の濃いキノコを入れちゃうと、全体がキノコ味に支配されるから、今日は無難にシイタケとエノキにしておきましょうか」
伊織「そうなの?」
小鳥「ええ。舞茸なんか、特に強力よ」
伊織「それはそれで美味しそうだけど、今日はやめときましょうか」
小鳥「それじゃ、次はこっちね。伊織ちゃん、何か食べたい物ある?」
伊織「うーん‥‥基本的に、小鳥に任せるわ。向こうも多分、響が仕切ってる気がする」
小鳥「ふふっ、そうかもね。それじゃあ、魚も無難に、タラ辺りを‥‥あっ」
伊織「何?」
小鳥「タチが安く売ってたわ。それも真ダチ! ラッキー」
伊織「うわ、キモッ。肝だけにキモッ‥‥それ、美味しいの?」
小鳥「美味しいわよ~。お鍋に入れても美味しいし‥‥あ、そうだ。2つ買って、1つはタチポンにしちゃおっと」
伊織「へえ、こんなのがねえ」
小鳥「あと伊織ちゃん。これ、肝じゃないわよ」
伊織「‥‥あ、小鳥。私これ食べたい」
小鳥「何? あ、カキね。美味しいわよねぇ。入れましょ入れましょ」
伊織「そういえば、ダシの元とかは買わなくていいの?」
小鳥「そうねえ。スープ買ってもいいけど‥‥せっかくだし、これ入れましょうか」
伊織「あら、カニ? 贅沢ね」
小鳥「そうでもないわよ? こうやって、ぶつ切りで冷凍してあるやつなら、ほら。300円しないもの」
伊織「あら、本当だわ」
小鳥「その割には、強烈に味が出るから、結構重宝するのよ。身はあって無いようなものだけどね」
伊織「へえ。そういえば、さっきのテレビであずさ達、カニだのエビだの食べてたわね。少しは近くなるかしら」
小鳥「エビねえ‥‥こういうのもあるけど、入れる?」
伊織「エビ入りのすり身? 美味しいのかしら」
小鳥「どことなくジャンキーな味がするけど、これはこれで美味しいわよ」
伊織「そう。じゃ、入れましょ」
小鳥「後は‥‥いけないいけない。こんなところにしておきましょうか」
伊織「あっちも色々買ってるしね」
小鳥「ええ。じゃ、合流しましょうか」
伊織「オッケー」
- 13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:48:53.87 ID:8Q2MAta5o
響「あ、いたいた」
伊織「いい物あった?」
千早「こっちはこんな感じで‥‥」
小鳥「結構、オーソドックスな寄せ鍋になりそうね。じゃ、会計を‥‥」
千早「あ、音無さんはいいです。ここは私達が」
伊織「そうよ。場所提供してもらうんだし」
小鳥「そういうわけにはいかないわよ。こう見えてお姉さんなんですもの」
響「いやいやいや、いいからいいから」
小鳥「いやいやいや、本当に」
千早「いやいやいや、大丈夫ですから」
小鳥「いやいやいや」
伊織「いやいやいや」
客1「あれ? あそこにいるのって、765の‥‥」
客2「マジで。すげえ」
客1「なんか知らんけど、見た事ないキレーな人もいる」
客2「マジで。すげえ」
小鳥「あ、気付かれちゃったわ! ほら、早く済ませないと!」
伊織「あっ! ちょ、ちょっと! 待ちなさいよぉ!」
千早「結局、音無さんにも払わせてしまったわ‥‥」
伊織「散々粘って、全奢りだけは回避したけど」
響「大人とご飯食べると、こういうのがあるんだよね」
小鳥「だから、気にしなくていいのよ。忙しい独り身って、案外小金持ちなのよ?」
伊織「そうは言っても‥‥」
千早「‥‥あ、そういえば、音無さんの家って、食器とかあるんですか?」
小鳥「いっけない。すっかり忘れてたわ!」
千早「じゃあ私、ちょっと戻るわね。深い紙皿とかでいいかしら?」
響「そうだね」
千早「‥‥‥‥」チラッ
響伊織「!‥‥」コクリ
- 14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:49:38.85 ID:8Q2MAta5o
千早「お待たせしました」
小鳥「あら? 千早ちゃん。なんだか、妙に荷物大きくない?」
千早「ついでに、プライベートな物も買ってきたもので」
小鳥「そうなの? ならいいけど」
響「それじゃ、出発ー」
伊織「遠いの?」
小鳥「そこまで遠くないわよー」
小鳥「さ、ここよ。あまり広くないけど、適当にどうぞ」ガチャ
千早響伊織「お邪魔します」ゾロゾロ
響「わー、わーっ。大人の部屋だ」
伊織「なんか、いい匂いするわね」クンクン
千早「‥‥‥‥」キョロキョロ
小鳥「ちょ、ちょっと。あまりあちこち見られると、恥ずかし‥‥」
伊織「あらっ」
小鳥「何?」
響「パンチーがぶら下がってる。パンチー」
小鳥「きゃっ!? ご、ごめんなさい! しまうの忘れてたわ!」サッ
伊織「パンチー回収されちゃったわ」
千早「結構可愛らしいデザインのパンチーが」
響「タンスにしまわれるパンチー。赤い顔のピヨ子」
小鳥「も、もうっ! この件はおしまい! ご飯作るわよ!」
千早「何をすればいいですか?」
小鳥「そうねえ。切る物が少しあるくらいだし、別にそこまで手間は‥‥」
響「あ、じゃあ自分野菜とか切るから、ピヨ子は鍋のセットしといてよ」
小鳥「そう? じゃ、お願いするわね。包丁は左の戸にしまってあるから。まな板は立ててあるから、すぐわかると思うわ」
響「はーい」
伊織「‥‥ねえ」
千早「何?」
伊織「あんた今、小鳥がまな板って言った時「ここに!」って言おうとしたでしょ」
千早「!? ど、どうしてわかったの?」
伊織「表情が煌いたもの」
千早「そ、そう‥‥」
伊織「ちなみに、やめといた方がいいわよ。すっごい可哀想な目で見られるから」
千早「‥‥やったのね」
伊織「恥ずかしいとかじゃなくて、申し訳なくなるわよ」
千早「肝に銘じておくわ」
- 16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:51:08.98 ID:8Q2MAta5o
小鳥「去年ぶりだけど、使えるかしら‥‥あ、大丈夫そうね」カチッ ボッ
伊織「やっぱり、夏の間は出番がないのね」
小鳥「そうね。あと、ホットプレートなんかも一応あるけど、ほとんど使わないわね。やっぱり、1人だと」
千早「やはりそういうものですか」
小鳥「焼肉やお好み焼きなんて、まずしないしね」
伊織「じゃあ、次は焼肉ね。またお呼ばれしてあげるわ」
小鳥「ふふっ、そうね。その時には、雪歩ちゃんとかにも声かけましょうか」
響「できたぞー」
小鳥「ありがとう。それじゃ、味の出やすい物と白菜を先に入れて‥‥沸くまで時間かかるから、適当にくつろいでてね」
伊織「わかったわ。‥‥あら? あれ、何?」
響「CD‥‥DVDかな? あ、自分達の名前書いてあるぞ」
千早「本当ね」
小鳥「ああ。それは、みんなが出た番組が入ってるのよ」
伊織「竜宮小町と個人が別になってる‥‥どれだけマメな編集してんのよ」
小鳥「ほら、トーク番組なんかに出た時、アイドル活動のVTRが必要だったりするでしょ? そうやってまとめておくと、すぐに提出出来るのよ」
響「へー」
小鳥「まあ、半分以上は自分で楽しむためなんだけどね」
千早「じゃあこっちは‥‥」
小鳥「そっちは完全にただの趣味よ。中古で売ってたから、つい」
響「1作目って、あれだよね。主人公の声が」
伊織「おとこってそーだろ! おとこって‥‥そーだろぉー!」
響「あははは! それそれ! 次からは、何事も無かったかのように声変わってるんだよね」
千早「私は、ライバルチームの総長さんが好きだわ」
伊織「たしか、社長に似た声の人がいるチームよね」
響「だね。呪って書いたマスクつけてる人」
千早「ボクシングの話あったじゃない。あれ、好きだわ」
響「かっこいいよね。「地獄だコノヤロウ! 通さんぜ!」って」
伊織「今度、言ってもらいましょうか。社長に」
千早「どんな場面で言ってもらうのよ」
響「自分達が、例によって961プロに邪魔されてさ、もうダメだ! って時に」
伊織「社長が出てきて‥‥「高木だコノヤロウ!」って」
千早「ふふっ!」
響「社長、元ヤン説」
伊織「次の日から、みんなちょっと社長によそよそしくなっちゃうっていう」
響「名前呼ばれる度に、ビクッ!て」
小鳥「ちょっと、味見てもらえる?」
響「はーい」
- 17:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:52:05.56 ID:8Q2MAta5o
伊織「‥‥あら、いい感じじゃない?」
千早「美味しいです。カニの味がしますね」
小鳥「じゃあ後は、お肉とか、お魚入れて‥‥っと」
響「やっぱり、豚肉いらなかったね」
千早「そうね。流石だわ」
小鳥「みんな、ご飯これくらい食べられる? 大丈夫そうなら解凍しちゃうけど」
伊織「多分いけるわ」
小鳥「はーい」
千早「そう‥‥余ったら、冷凍しておくっていう手があるのね」
響「今まではどうしてたの?」
千早「お湯かけて、無理やり流し込んでたわ。泣きながら」
伊織「そんな事してるのに、その体型? あずさが聞いたら、どんな顔するかしら」
響「あずささんでも助走付けてクローズライン仕掛けるレベルだぞ」
伊織「怖っ」
小鳥「はーい。みんな、おまちどお様」
響「わーい。ご飯だご飯」
小鳥「飲み物は、麦茶でいいかしら?」
伊織「あら、悪いわね」
小鳥「じゃ、そろそろ頂きましょうか」
千早「あ、音無さん。少し待ってください。ええと‥‥あの、これを」
小鳥「えっ? これ、お酒?」
千早「はい。実は先ほど、社長と話をする時間がありまして。その時、鍋と一緒に飲むお酒は格別だと‥‥それで、押し付けがましいとは思いましたが、3人でこれを‥‥あの、ご迷惑、だったでしょうか?」
小鳥「そんな事ない! そんな事ないわ! 私、すっごく嬉しい! みんな、どうもありがとう!」
伊織「ま、何だかんだでいつも裏方で頑張ってくれてるみたいだし、たまにはね」
小鳥「うう、なんだか泣けてきちゃった‥‥ぐすっ‥‥私、これで後10年は戦えるわ」
響「あはは。もー。流石にオーバーだぞ」
千早「喜んでもらえたようで、よかったです。お酒の事はよくわからないので、1番の売れ筋だと書いてある物を選びましたが、お口に合うかどうか」
小鳥「あなた達に貰った物なら、例えそれがガンジス川の下流から汲んできた水でも、絶対口に合うわ!」
伊織「どうして私達がそんな嫌がらせしなきゃいけないのよ」
小鳥「せっかくだし、ちょっと綺麗なグラス用意して、と‥‥じゃあ、念願のお鍋、食べましょうか」
千早「はい」
小鳥「では‥‥いただきます」
全員「いただきます」
響「はふはふ‥‥んー! 暖まるなあ」
伊織「そうね。なかなかいい味出てるし‥‥合格点あげてもいいわ」
小鳥「うふふ、千早ちゃんは?」
千早「はふっ‥‥は、はい。とても美味しいです」
小鳥「よかったわ。それじゃ私も‥‥」
- 18:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:53:57.46 ID:8Q2MAta5o
千早「あ、音無さん。お酒、お注ぎします」
小鳥「あら、いいの? なんだか、至れり尽くせりねぇ。おっととと‥‥んー! 美味しいわぁ!」
伊織「まあ、今日は小鳥に感謝しないといけないしね」
響「そうだね。褒め称えたくなっちゃうぞ」
小鳥「も、もう。そんな事言っても、これ以上は何も出ないわよ?」
響「こ・と・り! あ、それっ! こ・と・り!」ガタッ
伊織「! こ・と・り! こ・と・り!」ガタッ
小鳥「ちょ‥‥」
響「こ・と・り! こ・と・り!」ピッピッピッ ピッピッピッ
伊織「こ・と・り! こ・と・り!」ドンドンドン ドンドンドン
千早「こ‥‥こ・と・り! こ・と・り!」シャンシャンシャン シャンシャンシャン
小鳥「‥‥よっ!」
響「こ・と・り!」ピッ
小鳥「はっ!」
伊織「こ・と・り!」ドン
小鳥「それっ!」
千早「こ・と・り!」シャン
小鳥「はいっ!」
ピーーーーッ ドンドンドン シャンシャンシャンシャン
千早響伊織小鳥「‥‥‥‥」
小鳥「‥‥食べましょうか」
千早「そうですね‥‥」
伊織「着地点も決めないで急に始めるの、やめてくれる?」
響「流石にちょっと反省してるぞ」
千早「あっ、カキ美味しい‥‥」
小鳥「いいわよね。カキ。安いやつは味が相当落ちるけど、炊き込みご飯にすれば、それなりに美味しくなるし」
響「いいね、それ。今度やってみよっと」
小鳥「けど私は、やっぱり生で食べるのが1番好きだわ。味ポンを垂らして、チュルン‥‥そこに、お酒を1口‥‥んーっ! 幸せ!」
伊織「お酒ねえ‥‥私はやっぱり、ご飯が最高だわ。はふはふ‥‥」
響「だよね。ちょっと行儀悪いけど、鍋の汁を、ご飯にこうしてさ。ずずっ‥‥ふはあ‥‥」
千早「こうやって、具材から味が出て、少しずつ美味しくなっていくっていうのも素敵よね」
伊織「私達も、1人1人の持ち味を出しあって、765プロという最高の味を‥‥」
響「2点」
伊織「ちょっと」
千早「ふふっ! あ、音無さん。それは?」
小鳥「あ、コショウよ。少しかけると、風味が変わってまた美味しいの」パッパッ
千早「そうなんですか。あの、私も貸してもらっていいですか?」
小鳥「どうぞ」
千早「では‥‥」パッパッ
- 19:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:56:31.13 ID:8Q2MAta5o
小鳥「あんまりかけ過ぎると、完全にコショウ味になっちゃうから気を付けてね」
千早「わかりまし‥‥っくしゅん!」
小鳥「あら」
伊織「ちょっ‥‥もー! 鍋に千早の汁的な‥‥千早汁的な物が全部入ったじゃないの!」
響「あははは! 千早汁!」
千早「ご、ごめんなさい!」
響「まあ、平気じゃない? 煮立ってるし、多分殺菌とかされるぞ」
伊織「ああ、そう言われればそうよね。ノーカンノーカン」
千早「そ、そうかしら‥‥」
響「平気平気。ほら、全然普通に食べ‥‥苦っ!」
千早「なんでよ!」
伊織「アイドルから出た汁が苦いとか、割と衝撃ね」
千早「苦くないわよ! きっと、パイナップル的な味が‥‥」
響「冗談だってば。っていうか、それはそれで気持ち悪いぞ」
小鳥「というか、そもそも使った箸で鍋の中つつき回してるじゃない。みんな」
伊織「そうよね。だからもう、この辺りには伊織ちゃん汁が」
響「この辺には我那覇汁が」
小鳥「それはそうだけど、改めて言う事じゃないと思うわ。多分」
千早「では、責任を持って、千早汁ゾーンは私が‥‥」
小鳥「千早汁って響き、ちょっと気に入っちゃったんでしょ」
伊織「あ、そうだわ。これ、ビンに詰めて売り出しましょうよ。アイドル汁入り鍋汁」
小鳥「色んなメディアからタコ殴りにされるわよ」
響「飛ぶように売れそうなのがちょっと怖いぞ」
伊織「その内、生産が間に合わなくなっちゃって。アイドル汁の入ってない汁を売ってた事が発覚して」
千早「異物未混入事件?」
小鳥「字面だけ見ると、事件でも何でもないわよね」
伊織「私が発案したのがバレて、律子が泣きながら会見を‥‥あっ! 響! それ、私が食べようと思ってキープしといたお肉じゃない!」
響「いやいやいや! 今、この場にいる人間、誰1人として鍋に興味を示してなかったぞ!」
- 20:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 01:57:20.67 ID:8Q2MAta5o
千早「っていうか、まだたくさんあるじゃないの。お肉」
伊織「だって、1番美味しそうな部位だったんですもの。皮のとこがプリンッ! てしたところ」
小鳥「ああ、もも肉の、皮のとこがプリンッ! てしたところね」
千早「そんな事言っても‥‥ほら、これじゃダメなの?」
伊織「悪くないけど、それは、皮のとこがクニャン‥‥ってしたところじゃないの」
千早「よくわからな‥‥ふふっ」
伊織「どうしたのよ」
千早「いえ、会話に混ざらないで、すごく普通に食事を楽しんでる我那覇さんが、ちょっと面白くて‥‥」
伊織「んふっ!」
響「ぷはーっ‥‥え? なになに?」
千早「聞いてもいないという」
伊織「はふはふ、ずずーっ、ぷはー、じゃないわよ! 混ざりなさいよ! 会話に! さっきまでみんなで楽しく話してたじゃないの!」
響「いや、そういえばお腹空いてたんだよなーって事を思い出して」
伊織「今!?」
響「そんな事より、大発見したんだけどさ」
千早「何?」
響「白菜、超美味しいぞ」
伊織「今!? その情報、今!?」
小鳥「ふふっ」
千早「水瀬さん!」
伊織「何よ」
千早「エノキも美味しいわ」
伊織「今!?‥‥今ぁ!?」
小鳥「あはははは! も、もうやめて!」
- 22:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 02:00:39.67 ID:8Q2MAta5o
響「それでさー、声かけたら、全っ然知らない人で」
伊織「バカねえ」
千早「でも私も以前‥‥あ、お代わりどうぞ」
小鳥「あら、ありがとう。‥‥おっととと」クピクピ
響「‥‥ピヨ子さぁ。さっきから、何か妙に楽しそうじゃない?」
伊織「言われてみればそうね。話に大して参加してない割りには」
小鳥「うーん、うちの子達って、やっぱり仲がいいんだなぁって思ってたら、嬉しくなっちゃって」
伊織「はぁ?」
千早「そ、そうでしょうか‥‥」
小鳥「そうよぉ。やっぱり、みんなが仲良くしていてくれるのが1番だわ」
響「でも自分、千早とはまだ距離を感じるぞ」
千早「え?」
伊織「そうね。呼び方の問題だと思うわ」
千早「急にそんな事を言われても、今までの感じから急には‥‥」
響「でもほら、お試しって事でさ。しっくりこなかったら、今まで通りでいいから」
千早「お試し‥‥そ、それじゃあ‥‥コホン」
伊織「そうやって改められると、見てる方もこっぱずかしいわね」
千早「ええと‥‥我那覇」
響「そっち!?」
伊織「ふふっ! まさかの苗字呼び捨て!」
千早「ところで、ちゃんデコは‥‥」
伊織「あだ名!? しかも妙にフランク! その上何の迷いも無くあっさりと!」
響「あーっと! ここで水瀬選手の3連ツッコミが決まりましたぁ!」
小鳥「‥‥仲良くしてくれるのが1番だけど、あんまりバラエティ色に染まると、お姉さんちょっと悲しいかなーって」
伊織「仕方ないじゃない。今の時代、バラエティ番組はアイドルの重要な‥‥って、あら、もうこんな時間だわ」
小鳥「本当。みんな、もうお腹は大丈夫?」
響「うん!」
千早「おかげ様で、すごく満足出来ました」
伊織「ちょっと食べ過ぎたくらい」
小鳥「そう。よかったわ。それじゃ、タクシーでも‥‥」
- 23:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 02:02:09.12 ID:8Q2MAta5o
響「じゃあ自分、お風呂洗ってくるね」
小鳥「え?」
千早「それじゃあ、私と水瀬さんは‥‥」
伊織「食器でも洗っちゃいましょうか」
小鳥「みんな? 私、自分でやるから、気にしなくていいのよ? あまり遅くなるといけないし」
千早「え?」
小鳥「え?」
伊織「‥‥え?」
小鳥「え?‥‥え?」
響「終わったぞー。ピヨ子、きれいに使ってるんだね。あ、勿論ピヨ子が一番風呂でいいからね」
小鳥「‥‥え?」
伊織「な、何よ。さっきから」
小鳥「‥‥泊まり!?」
伊織「あら? だ、誰も確認してなかったの?」
千早「私はてっきり、水瀬さんか我那覇さんが‥‥」
響「自分も、どっちかが許可取ってるんだなーって」
小鳥「いやいやいや、そんな急に言われても‥‥」
伊織「確かに、確認もせずに勝手に決めた結果になったのは謝るわ。でも、考えてみて」
小鳥「な、何?」
伊織「寒い中、震えながら歩いてきて、美味しい鍋食べて、やっと暖まってね?」
小鳥「え、ええ」
伊織「それなのに、もう1回外行かなきゃならないっていうのは、ちょっとどうかと思うわけよ。こんなに残酷な展開ってあるの? って」
小鳥「でも‥‥寝巻きだってないし‥‥」
千早「ちょうどレッスン用の着替えとジャージを持ってきています」
小鳥「布団だって、来客用を出しても2セットしかないし‥‥」
響「大丈夫だぞ。自分は小っちゃいし、2人は薄いし」
千早伊織「ちょっと」
小鳥「でも、アイドルの外泊は極力‥‥」
伊織「‥‥もう諦めましょうか」
響「だね。小鳥がそう言うなら仕方ないぞ。伊織はともかく、自分と千早は、暖房の入ってない冷え切った家に帰る羽目になるけど‥‥」
小鳥「うぐっ!」
千早「音無さん、ありがとうございました。凍えながらでも、暖かかった記憶を思い出して朝まで‥‥」
小鳥「わ、わかったわ! わかりました! 是非泊まっていってちょうだい!」
響「いえーい」
伊織「悪いわねー」
千早「お世話になります」
伊織「っていうか、今更だけど、響は帰らなくて平気なの? 動物とか」
響「ああ、うん。昨日から検診でお医者さん行ってるから。ハム蔵も今日いなかったでしょ?」
伊織「奇跡的なタイミングね」
- 24:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 02:03:33.40 ID:8Q2MAta5o
千早「水瀬さんこそ、別に必死に残ろうとしなくてよかったんじゃない? 家、ずっと誰かいるんでしょう?」
伊織「昨日から検診でお医者さん行ってるから」
千早「全員!?」
響「実際のところは?」
伊織「うっさいわねー。別になんだっていいでしょ」
響「淋しかったんだろー」
伊織「べ、別にそんなんじゃ‥‥ただ、私がいなくなった後にあんた達が私の悪口で盛り上がるのが嫌だっただけよ!」
千早「どんな目で私達を見てるのよ」
響「それもう、ツンデレとかじゃなくて、思考のおかしな人だぞ」
伊織「まあ実際のところ、明日オフなんだし、何の予定も無く家に帰るよりはいいじゃないって思って」
響「だよね。あ、そうだ。折角だし、夜更かししよっか」
伊織「いいわね。小鳥も休みよね?」
小鳥「え、ええ」
響「んじゃ、お菓子と飲み物でも買いに行ってこようか。道の反対側にコンビニあったよね」
千早「あ、音無さん。洗い物は帰ったらやりますので、そのままにしておいて下さい」
小鳥「そ、そう?」
響「何か欲しい物とかある?」
小鳥「じゃ、じゃあ‥‥お風呂上りのアイスでも‥‥」
響「あ、いいね。自分も買おーっと」
伊織「じゃ。行ってくるわね」ガチャ バタン
小鳥「‥‥あれ!? 結局外に行くの!?」
- 25:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 02:04:07.60 ID:8Q2MAta5o
響「ただいまー」
伊織「うー、寒い。地獄だわ地獄」
千早「家に帰っていたら、本気で凍えていたかも知れないわね」
小鳥「お帰りなさ‥‥また、随分買い込んできたわねぇ。そんなに食べられるの?」
響「余ったら余ったで、ピヨ子が食べればいいと思うぞ。期限の短い物は買ってないし」
千早「冷凍庫、開けてもいいですか?」
小鳥「どうぞー」
伊織「‥‥ダメだわ。ちょっとお行儀悪いけど、失礼して‥‥ふあー、生き返るわね」
響「あのさ、自分別に育ちはよくないけど、お玉で鍋の汁すするって、お嬢様にあるまじき行為だと思うぞ」
伊織「い、いいのよ。あんた達と一緒にいる時は、お嬢様じゃない1人のアイドル、1人の女の子として」
響「アイドルとしても女の子としてもちょっとアレだと思うぞ」
千早「私最近もう、水瀬さんがスエットにサンダル履きでウロウロしてても違和感なく見ていられるようになった気がするわ」
伊織「失礼ね。それより、飲み物でも飲む? さっき買ってきたやつ」
響「だね。お菓子も開けよっか」
千早「じゃあ、私は先に食器を‥‥」
伊織「あ、忘れてたわ。終わらせちゃいましょうか」
小鳥「それじゃ私も」
伊織「いいのよ。これくらい、やらせなさいよ」
小鳥「けど‥‥」
伊織「あんたは響と一緒にファイヤープロレスリングでもやってなさいよ」
小鳥「‥‥それじゃ、お言葉に甘えるわね。ファイプロはやらないけど」
響「っていうかピヨ子、お風呂入っちゃえば? そろそろいい具合だと思うぞ」
小鳥「そうねえ。せっかくだし、とことん甘えちゃおうかしら」
響「一緒に入ってあげよっか。30分5500円で‥‥」
小鳥「そういうふざけ方だけはやめなさい!」
響「あい」
- 26:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 02:06:05.82 ID:8Q2MAta5o
小鳥「ふう‥‥」
伊織「おかえり」
響「湯加減どうだった?」
小鳥「ちょうどよかったわ。ありが‥‥あら? 何これ」
響「あ、それね。冷蔵庫にビール入ってたから、お風呂上りに飲むかと思って。簡単につまめる物作っておいたぞ」
小鳥「うわぁ‥‥もう、響ちゃんお嫁にしたいわ。私。いただくわね」
響「えへへ。ま、こういうのは女子力ってやつが高くないと出来ないからね。ね?」
伊織「むっ‥‥わ、私だってその気になれば‥‥ほら小鳥。伊織ちゃんがマッサージしてあげるわよ。そこに転がりなさい」
小鳥「え? こ、こう?」
伊織「いくわよー」グイグイ
千早「じゃ、じゃあ私は‥‥音無さん! あ、あーんってしてください!」
小鳥「えっ? いや、その状況はすごく幸せなんだけど今は‥‥ふぉご!」
伊織「ちょっと。マッサージで揺れてる時にそんな事したら、結果は見えてるじゃないの」
響「かわいそうに‥‥鼻にチーズ差し込まれるって、人生でそう何回も無いぞ」
千早「す、すみません!」
小鳥「い、いいのよ。大丈夫。伊織ちゃんもありがとう。後は気を遣わないでゆっくりしてくれていいわ。お風呂も順番にどうぞ」
伊織「そうね。それじゃ順番は適当にジャンケンか何かで‥‥」
響「あがったぞー」
伊織「随分長かったわね」
響「4人目ともなると、流石にちょっと冷めちゃってたからなー」
千早「どうぞ。オレンジでよかった?」
響「うん、ありがと。あっ、これ開けようっと」
伊織「ポテチの中で、一生その味しか食べられないってなったら、どれ選ぶ? 私のり塩」
響「コンソメ」
千早「普通のやつかしら。‥‥あら、でもこれも美味しいわ」ポリポリ
伊織「そう?‥‥あ、本当。いけるじゃない」ポリポリ
響「でも、何だかんだで最終的にはオーソドックスなどれかに落ち着くよね」
伊織「そうね。通は塩でお酒を飲むみたいな?」
千早「それは少し違うんじゃないかしら」
響「あははは」
小鳥「‥‥落ち着いて考えれば、あたし今すごく幸せな状況なのよね。お風呂上りにビール飲みながら、視線を向ければ大人気アイドルが3人もいて。全国のファンが羨むポジションよね」ゴクゴク
- 27:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 02:07:43.12 ID:8Q2MAta5o
伊織「小鳥、見て見て」
小鳥「うん?」ゴクゴク
伊織「鼻からカニの脚生えてる星人」
響「がおーっ」
小鳥「ぶーーーっ!」
響「あ、うけたうけた」
小鳥「ひ、響ちゃ‥‥けほっけほっ! 何を‥‥」
響「いや、面白いかなーって思って」
小鳥「‥‥前言撤回。ファンには絶対、何があっても見せられないわ!」
千早「そうですね。せめて、これくらい‥‥耳にポッキー刺さってるマンくらいで抑えるべきかと」
伊織「あっはっはっはっは!」
響「バーカ! 千早バーカ!」
小鳥「か、帰りたい‥‥あ、ここ自分の家だった」
伊織「もうやらないわよ。普通にお喋りでもしましょうよ」
響「そうそう。パジャマパーティでガールズトークだぞ」
千早「ジャージだけれどね」
響「それが残念だよね。こんな事なら、可愛いパジャマとか持ってきたかったぞ」
伊織「っていうか小鳥。あんたもうちょっと女らしいパジャマ着なさいよ。なんで上下灰色なのよ」
小鳥「これが1番楽なものだから、つい‥‥伊織ちゃんはきっと可愛いんでしょうね」
伊織「当然よ。そのまま写真取れる代物だわ」
小鳥「響ちゃんは?」
響「自分はまあ、普通かな。お気に入りは水玉のやつ。千早は?」
千早「私も音無さんと一緒で、特にこだわりは無いわね」
伊織「色気の無い話ねえ‥‥ところで、こないだ銀行の向かいに出来たカフェのケーキが‥‥」
- 28:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 02:10:19.64 ID:8Q2MAta5o
響「あははは! うっそだー」
千早「本当よ。たしかに私も一瞬、自分の目を疑ったけれど」
伊織「やーねぇ。小鳥どう思‥‥あら」
響「お?」
千早「寝てしまったのね」
伊織「幸せそうな顔しちゃって」
響「普段忙しそうだし、疲れてるんだろうなー」
千早「布団、敷きましょうか」
伊織「そうね。押入れ、勝手に開けていいわよね?」
響「何か出てきても、記憶から抹消しようね」
千早「‥‥大丈夫。目に入る場所には問題ないわ」
響「そう? じゃ、布団敷いてー‥‥小鳥はどうする? 1回起こす?」
伊織「3人いれば何とか運べないかしら」
響「やってみよっか。じゃあ自分が頭持つから、2人は両足を」
千早「ふふっ‥‥どういう分担よ。殺す気なの?」
伊織「小鳥折れちゃうわよ」
響「嘘だってば。じゃ、いくぞ。せーの‥‥よっ!」
伊織「くぬ‥‥っ!」
千早「ん‥‥っ!」
響「ゆっくりゆっくり。落としたらいくら小鳥でも律子になると思うぞ」
千早「怒りの表現で律子って言うのやめてあげたら?」
伊織「まあしっくりくるけど‥‥よいしょ」
響「ふう。案外軽かったね」
伊織「そうね。いつも気にしてるから、もっとあるのかと思ってたわ」
千早「布団をかけて‥‥いつもありがとうございます、音無さん」
伊織「おやすみ」
響「いい夢見るんだぞー」
千早「‥‥私達も、もう少ししたら寝ましょうか」
伊織「そうね。今開いてる分食べちゃったら、寝ましょ」
響「だね。‥‥あー、自分、次に体重計乗るの怖いぞ」
伊織「それは言わない約束ってやつよ」
- 29:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 02:11:42.30 ID:8Q2MAta5o
小鳥「う、うーん‥‥キング・ザ・100トンがぁ‥‥はっ! ゆ、夢か‥‥にしては、体が妙に重‥‥あら?」
千早「すー‥‥すー‥‥」
響「むにゃ‥‥」
伊織「くぅ‥‥くぅ‥‥」
小鳥「やばいわこれ。下手な夢より夢みたいな光景だわこれ。強いて言うなら、鳩尾の伊織ちゃんがちょっと辛いけど」
千早「ん‥‥んん‥‥」ムクリ
小鳥「あら、起きた?」
千早「あ、おはようござ‥‥きゃっ!? す、すみません! 音無さんを枕に‥‥」
小鳥「いいのいいの。大変嬉しゅうございました」
伊織「何よぉ‥‥朝っぱらからうっさいわねぇ‥‥」
響「ふあ‥‥あー、眠‥‥」
千早「少し、夜更かしが過ぎたわね‥‥」
伊織「そうね‥‥結局、調子に乗ってもう1袋開けちゃったんだったわ」
響「うー‥‥でも、今日はオフだからな」
伊織「折角だし、どっか出かけましょうか」
響「あ、いいかも。帰っても寝て過ごしちゃいそうだし」
千早「そうね」
小鳥「じゃ、朝ごはん作ってあげるから、食べてから行ってらっしゃい」
伊織「はあ? 何他人事みたいに言ってるのよ」
響「そうだぞ。ピヨ子も一緒にどっか行こうよ」
千早「もちろん、予定が無ければですが」
小鳥「そ、そう? それじゃ、そうしちゃおうかしら。あ、私顔洗って歯みがきしてくるわね」
響「あ、自分達も昨日コンビニで歯ブラシ買ったよね」
伊織「うん」
千早「早めに支度して‥‥」
小鳥「きゃああああ!?」
響「うわっ!」
伊織「騒々しいわねぇ。何だって‥‥あ」
千早「そういえば‥‥」
小鳥「だ、誰!? 私のおでこに、第3の目書いた子はぁ!」
終わりだよ~
- 33:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 02:13:34.95 ID:8Q2MAta5o
長いことすっかり忘れてたのを掘り起こして完成。
書き始めた頃に「あー、誰かお歳暮の住所間違えて、うちに美味しいお酒届かないかなー」って思ってたから、その頃の物だと思う。
時間空きすぎたせいで、書きたかった筈の事から途中で内容変わってるという。
ありがとうございました。
- 43:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/10(月) 10:07:03.54 ID:sq+hqa230
乙
転載元
千早「お鍋が食べたいわ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394382643/
千早「お鍋が食べたいわ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394382643/
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コメント一覧 (39)
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- 2014年03月17日 23:42
- すき焼き食いたくなった
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- 2014年03月17日 23:54
- びっくりするほど読みにくいな
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- 2014年03月18日 00:03
- まったりしてて良い
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- 2014年03月18日 00:19
- 今どき湘爆ネタわかるヤツ、どれくらいいるのかねぇ・・・
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- 2014年03月18日 00:20
- 他にも何か書いてるよなこの人
似た文体を見たことあるけど思い出せない
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- 2014年03月18日 00:23
- 永久に成長しなさそう…
身長かな?(真顔)
-
- 2014年03月18日 00:43
- ※5
千早響伊織真美で休日に料理するやつじゃない?
同時進行で春香真律子がドライブ、ミキ雪歩あずさ小鳥が買い物、貴音亜美やよいがBBQしてたやつ
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- 2014年03月18日 00:47
- いいねぇ、お鍋みたいにほっこりしたよ
あとプロレス好きだろ
-
- 2014年03月18日 00:58
- ※7
kwsk
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- 2014年03月18日 00:58
- 千早は権田さんがタイプか
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- 2014年03月18日 01:00
-
あー…なんかいいなあ…こういうの…
それぞれ、公式とかSSの方向性からちょびっとズレた方に向いてるのも面白かった
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- 2014年03月18日 01:14
- ※9
探してきた
高木社長「全員に休みを与えたいと思う」
多分これだと思う
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- 2014年03月18日 01:44
- 酒買ったらスキャンダルだろ
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- 2014年03月18日 02:08
- 和む。
時折入るプロレスネタが気に入った。
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- 2014年03月18日 02:31
- タチって言ってる作者は北海道出身か?
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- 2014年03月18日 02:56
- ああーいいわこれ
すごくいいわ
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- 2014年03月18日 03:25
- 日常のやりとりが面白い、乙!
酒は流石に買えないだろうけど。
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- 2014年03月18日 05:32
- レインメイカーがテレビに映るってことは土曜深夜のハズ…
ってことは……どういうことだってばよ?
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- 2014年03月18日 06:25
- アイドルのかけあいも面白かったけど社長とのかけあいも良かった。
徳丸完さんの声で脳内再生したら少し泣きそう。
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- 2014年03月18日 08:13
- ※5、9
春香「ドッキリ企画」もたぶん同じ人だと思う。
生っすかで765メンバーがドッキリに引っかけられるやつ。あれもちょくちょくプロレスネタが入ってたし。
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- 2014年03月18日 09:45
- ※7 12 20
ありがとう見てくる
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- 2014年03月18日 11:57
- この人の書くアイドル達のしょうもない雑談が大好きだ
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- 2014年03月18日 14:30
- 何気ない会話やノリが凄くいい、内容もすごく「ぽい」し雰囲気が好きだ
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- 2014年03月18日 17:21
- こういうのはとても良いです
ずっと読んでたくなる
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- 2014年03月18日 17:40
- クッソ俗っぽいいおりんすき
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- 2014年03月18日 19:43
- なんかいいなぁ
こういうどうでもいい雑談やってるようなのってすごく好き
それにしてもここで湘爆の、それも『10オンスの絆』の話が出るとは…が、あれは単行本のほうがいいと思う
作者は30後半以上か?
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- 2014年03月18日 21:15
- 全員中身おっさんやないか!
面白くていいと思います
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- 2014年03月19日 01:03
- ※26
湘爆ダイレクト世代だったら40半場越えのハズ・・・。
で、このだら~りとした感じ好きです
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- 2014年03月30日 10:22
- ボケるいおりんがかわいいてすぅ!
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- 2014年03月31日 02:34
- この人のは千早や伊織がボケに回るのと毎回アイドルとは思えないダラけたトークがあるから特定しやすいな。
このゆる〜い空間が大好きだ
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- 2014年04月06日 23:53
- 500人の伊織が窓辺で太陽光を反射してるシーン想像しちゃって笑いが止まらなくなった
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- 2015年01月12日 09:20
- おもぉおまおまぉこもぉこぉこもおもおもおもしろいぜ
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- 2015年10月12日 20:50
- もっと評価されるべき
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- 2016年03月07日 20:34
- ドッキリのひとか
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- 2016年07月09日 06:22
- 平和な気持ちになれた
もっと読みたい
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- 2016年09月28日 21:12
- 中身オッサンくさいな
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- 2016年11月15日 00:05
- ひびきんの下ネタをしっかり叱る小鳥すき
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- 2018年09月28日 10:56
- 定期的に読みたくなる好き
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- 2020年05月24日 19:59
- 会話が凄い面白い、この作者さんの。
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