雪ノ下「もしも由比ヶ浜さんが奉仕部に入部しなかったら……」
- 2014年01月30日 07:10
- SS、やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
- 39 コメント
- Tweet
- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 20:26:27.39 ID:j8S957Dd0
奉仕部
ガチャ
八幡「うっす」
雪ノ下「こんにちは、引きニート君。相変わらず目が腐ってるわね」
八幡「お前は相変わらずの罵倒だな……ほら、この前お前に借りた本返す」
雪ノ下「あら?もう読んだのね」
八幡「お前が他人に勧めるだけあるな。良かったよ」
雪ノ下「詳しい感想は紅茶でも飲みながらしましょうか。待ってて、いま淹れるわ」
八幡「ああ、悪いな」
雪ノ下(比企谷君が奉仕部に入部して半年、か……)
雪ノ下(彼と過ごす時間が、こんなにも自分を満たしてくれるなんて、最初は全く思いもしなかったわね)
- 12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 20:45:06.77 ID:j8S957Dd0
雪ノ下(私と同じように独りで、群れるのを拒み、嘘を嫌う。似ているようで……でも全く違う。それが比企谷君)
雪ノ下(彼が入部して以来、いくつもの依頼が奉仕部に寄せられた。その中には私では解決出来なかった依頼もあった)
雪ノ下(でも彼は、比企谷君は私には出来ない方法で、それらの依頼を解決していった)
雪ノ下(決して誉められた方法ではなないものも、中にはあった……でも、だからこそ、彼は解決できた)
雪ノ下(私に似ているのに、私にはないものを持ってて……それでいて、私を理解してくれる)
雪ノ下「……比企谷君」
八幡「あっ? どうかしたか?」
- 14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 20:56:59.32 ID:j8S957Dd0
雪ノ下「いえ……ただ呼んでみただけよ」
八幡「なんだそりゃ……」
雪ノ下「それより……紅茶淹れたわよ。はい、どうぞ」
八幡「おっ、サンキュー」
雪ノ下(最初は互いに離れていた定位置も、今では隣り合わせね)
八幡「ふぅ、相変わらずお前の淹れた紅茶は旨いな」
雪ノ下「そう……ふふっ」
- 17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 21:16:39.66 ID:j8S957Dd0
――――
――
雪ノ下「今日はそろそろ終わりにしましょうか」
八幡「今日も依頼こなかったな。まあ、その方がいいがな」
雪ノ下(ええ、だって比企谷君とずっと二人きりで居れるもの)
八幡「ふぁあ、ねみぃ……」
雪ノ下「あら? 寝不足かしら?」
八幡「お前に借りた本ずっと読んでたからなあ……帰ったら、寝るわ」ウトウト
雪ノ下「……ねぇ、比企谷君」
八幡「なんだ?」
雪ノ下「その……そんなに眠いのなら、少し寝ていったらどうかしら」
- 22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 21:30:10.52 ID:j8S957Dd0
八幡「寝ていくって……ここでか?」
雪ノ下「他にどこがあるのかしら」
八幡「寝る場所がねえだろ……硬い机に伏して寝るなら帰ってふかふかのベッドで寝るわ」
雪ノ下「……硬くなければ、いいのかしら?」
八幡「言っておくが鞄を枕に、ってのはなしだぞ? あれ結構かてえんだよなあ……」
雪ノ下「あ、安心しなさい……硬くはないわ」
八幡「鞄じゃないなら何を……」
雪ノ下「……」ポンポン
八幡「えっ……」
雪ノ下「膝枕じゃ……だめ、かしら」
- 30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 21:50:08.33 ID:j8S957Dd0
八幡「いや、だが……」
雪ノ下「嫌、なのかしら」
八幡「ち、ちげえよ……別に嫌では……」
雪ノ下「なら、問題ないわ」
八幡「……いい、のか?」
雪ノ下「何度も言わせないで。ほら、早く」ポンポン
八幡「あ、ああ……なら、少し、膝借りるぞ」
- 33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 21:58:58.97 ID:j8S957Dd0
雪ノ下「んっ……少し、チクチクするわ」
八幡「わ、悪い……」
雪ノ下「気にしないで、あなたは眠りなさい」ナデナデ
八幡「お、おい! なんのつもりだ?」
雪ノ下「こうすれば、眠りやすいと思ったのだけど……」
八幡「ガキじゃねえっつうの……ったく」ウトウト
雪ノ下(そう言いながらも、今にも寝そうじゃない。素直じゃないわね)ナデナデ
八幡「……Zzz」
雪ノ下「おやすみなさい、比企谷君」ナデナデ
- 37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 22:10:57.60 ID:j8S957Dd0
雪ノ下「……比企谷君」ナデナデ
八幡「……Zzz」
雪ノ下(普段は腐っている目のせいで気付きにくいけど、改めて見るとやはり整った顔立ちをしてるわね)
雪ノ下(もし……目が腐っていなければ、見た目だけであなたに好意を寄せる人も、いたのかもしれない)
雪ノ下「……良かったわ、比企谷君の目が腐っていて」
雪ノ下(比企谷君を本当に理解していない人なんかに、渡したくないもの)
- 41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 22:24:22.93 ID:j8S957Dd0
雪ノ下「……あなたの側にいるのは、あなたを理解している人だけでいい」ナデナデ
雪ノ下「ねえ、比企谷君。前にあなたが私に友達になろうと言った時、何故私がそれを断ったか、分かるかしら?」
八幡「……Zzz」
雪ノ下「私もあなたも、群れるのを拒み、嘘を嫌う……だから、友達だなんて、そんな曖昧な関係にはなれない」
雪ノ下「……いえ、違う」
雪ノ下「私は……あなたとそんな曖昧な関係になりたくない」
八幡「……」
- 48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 22:36:35.65 ID:j8S957Dd0
雪ノ下「私にとって、あなたは特別なの……初めてなのよ、私をこんなにも理解してくれる人は」
雪ノ下「だから、友達なんて関係じゃ不安なの。足りないの……もっと、深く、絶対で、壊れない関係を……」
八幡「……」
雪ノ下「ねえ、比企谷君。あなたは私をどう思っているの?」
雪ノ下「私とあなたは似ているけど、違う」
雪ノ下「でも、独りで、群れるのを拒む私たちが、こうして今日まで一緒に過ごしてこれたのは……共通する想いがあるからだと、私は思う」
雪ノ下「もし、もしも、私のあなたに対する想いが共通するものなら……私は」
- 56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 22:49:18.03 ID:j8S957Dd0
八幡「……共通する想い、だなんてものこそ、お前の嫌う曖昧な関係と同じだろ」
雪ノ下「 ひ、比企谷君!? あ、あなた、起きて……」
八幡「頭撫でながら独り言、言われ続けて寝れる訳ないだろ」
雪ノ下「ご、ごめんなさい……睡眠を邪魔してしまったわね」
八幡「別に気にしてねえよ。寝心地は良かったし……」
雪ノ下「そ、そう……」
八幡「……」
雪ノ下「……」
- 62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 22:57:38.79 ID:j8S957Dd0
雪ノ下「その、比企谷君……」
八幡「なんだ」
雪ノ下「さっきの言葉は、どういう、意味かしら」
八幡「どうもこうもないだろ。そのままの意味だ。互いに認識していない想いなんて曖昧だろ」
雪ノ下「……っ!」
雪ノ下(そんな、比企谷君……あなたは……)
八幡「その、だからなんだ……曖昧だから、言葉にして、はっきりさした方がいいだろ」
雪ノ下「!?」
- 69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:12:08.47 ID:j8S957Dd0
八幡「……雪ノ下」
雪ノ下「……な、なにかしら」ビク
八幡「俺は……その、お前が、す、好き、だ」
雪ノ下「……っ」
八幡「こ、これで、その、はっきりしたな」
雪ノ下「……まだよ」
八幡「なに?」
雪ノ下「まだ、私があなたの想いを言葉にしていない。これでは曖昧なままよ」
八幡「も、もういいだろ。こっちは言ったばかりで恥ずかしいんだよ、いま言われたら……」
雪ノ下「そ、そんなの、私だって同じよ。だから、あなたは黙って聞きなさい!」
八幡「ぐっ……」
雪ノ下「比企谷君、私も、あなたが――――」
- 76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:22:27.86 ID:j8S957Dd0
――――
――
八幡「な、なあ、雪ノ下」
雪ノ下「なにかしら、比企谷君」
八幡「お前なんで俺の膝の上に座ってんの?」
雪ノ下「いいじゃない。この前は私があなたに膝を貸したのだから」
八幡「そういう問題じゃねえだろ……」
雪ノ下「でも嫌じゃないでしょ?」
八幡「……うっせ」
雪ノ下「素直じゃないのね」
八幡「お前が積極的すぎんだよ……接し方変わりすぎだろ」
雪ノ下「はっきりとした方がいいと言ったのはあなたでしょ?」
八幡「まあ、そう、だが……」
- 80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:34:12.71 ID:j8S957Dd0
雪ノ下「ねえ、比企谷君」
八幡「んだよ」
雪ノ下「好きよ」
八幡「だ、だから積極的すぎるだろ!
」
雪ノ下「あなたは?」
八幡「…………俺も好きだよ」
雪ノ下「ふふっ、なら問題ないじゃない」
八幡「ぐっ……やっぱお前には敵わねえな」
雪ノ下(さらに一歩踏み出した私と彼とのこの関係は、この奉仕部があったからだと思う)
雪ノ下(私と彼が二人きりで過ごし、互いに認識し、理解できたからこそ、築けた唯一無二の関係)
雪ノ下(そこに第三者はいない。私と彼だけ。それだけで十分な関係、それだけで成り立つ関係)
雪ノ下(他者から見れば、特異な関係かも知れない。二人だけしか許容できず、他の介入を許さないこの関係は間違っているかも知れない。でも……これが私と彼の青春なのだから仕方ないじゃない)
雪ノ下(だから、私と彼の青春は間違っていない)
- 81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:35:04.52 ID:j8S957Dd0
終わりです
支援保守ありがとうございました
転載元
雪ノ下「もしも由比ヶ浜さんが奉仕部に入部しなかったら……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1390994787/
雪ノ下「もしも由比ヶ浜さんが奉仕部に入部しなかったら……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1390994787/
「Amazon」カテゴリのおすすめ
「SS」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (39)
-
- 2014年01月30日 07:17
- 平塚「入りづらい」
-
- 2014年01月30日 07:28
- 先生ェ…
-
- 2014年01月30日 07:36
- H塚「結婚したいよおぉぉぉ!」
-
- 2014年01月30日 07:39
- 素晴らしいSSね
やはり八幡×雪乃が一番需要あると思うのだけれど
-
- 2014年01月30日 07:39
- 平塚先生に救いの手を
-
- 2014年01月30日 08:08
- やっぱり、邪魔ガ浜さんさえいなければすべて丸く収まるんだな。
-
- 2014年01月30日 08:08
- 最近、由比ヶ浜ハブられすぎじゃね?
…まあ、この組み合わせの方が好きだけどさ。
-
- 2014年01月30日 08:12
- タイトルで言わなくてもガハマさん不在のゆきのんSSなんていつも通りだろw
-
- 2014年01月30日 08:26
- ガハマさん派とかがいつも不憫だハブだと言ってるから
実際SSじゃ極端な不憫キャラになっていってるんじゃね?(適当)
-
- 2014年01月30日 08:31
- 誰か先生のこともらってやれよ…
-
- 2014年01月30日 08:33
- 八幡入室→雪の下が名前間違いギャグかます導入はいいかげん飽きた
-
- 2014年01月30日 08:46
- まあ確かに三角関係ってのは一人がいなくなれば丸く収まるよな
ガハマさんは要らない子だってことがこのSSで証明されてしまったね
-
- 2014年01月30日 08:48
- スッキリしてて雪ノ下さんの毒も控え目でよかった
とても素晴らしくて感動した! ってわけじゃないけどあーいいねーみたいな
-
- 2014年01月30日 08:53
- 言うほど三角関係か?はっきりと八幡が好きって分かってるのはガハマさんだけだろ。
都合良く(ハーレム)解釈し過ぎじゃね?
-
- 2014年01月30日 09:10
- まあでも友達になってくれって誘いを2回も断ってるのを見るとそう解釈してもおかしくないだろ
友達にはなりたくないだけのように思える
-
- 2014年01月30日 10:30
- とうとう存在すら無かったことにされたガハマさんェ…
-
- 2014年01月30日 11:16
- わずか半年でデレデレすぎるw
-
- 2014年01月30日 11:34
- 問題解決するときも基本賑やかしだからなぁ…
-
- 2014年01月30日 11:57
- サキサキはよ
はよ
-
- 2014年01月30日 12:33
- 二人がいい雰囲気になる→やっはろー!
SSではこの流れが多いからすごい説得力や・・・
-
- 2014年01月30日 13:23
- まあ本編だとラブコメしてるのは由比ヶ浜とだけだし
こういう特殊な部活ものって、主人公とヒロインの二人だけの方が面白いよね
俺ガイルは速攻で三人目入って以降増えないからそんなに気にならないけど
-
- 2014年01月30日 14:06
- 原作だとガハマさんの一途さというかいい奴さに心がグッと来るんだよなぁ
何があっても八幡を救ってくれるのはガハマさんだと思うわ
でもやっぱゆきのんがデレデレしてくるならガハマさんは邪魔でしかないな
-
- 2014年01月30日 14:19
- ゆきのんのフィギュアの隣にヒッキーを起きたいんだが発売されんかな
-
- 2014年01月30日 15:08
- H塚先生は俺が貰うから心配ないな!
-
- 2014年01月30日 17:03
- 原作だと川なんとかさんは露骨に惚れてる描写あるけど、
この時だけ八幡って、ラノベ主人公特有の鈍感スキル発揮するんだよなあ
-
- 2014年01月30日 17:18
- 23
ヒッキーのフィギュアって需要あんの(真顔)
-
- 2014年01月30日 17:51
- 俺は欲しいよ、八幡フィギュア
仕方ないから、今はゆきのんの隣にあやせ置いてる
-
- 2014年01月30日 18:16
- 25
もしかしたら、、、いやいやそんなことないな
と自分に言い聞かせてる感じでもある
-
- 2014年01月30日 19:57
- 平塚先生…。
-
- 2014年01月30日 23:50
- ゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよゆきのんかわいいよ
-
- 2014年01月30日 23:54
- ※4
雪乃乙
-
- 2014年01月31日 00:00
- ※28
そういえばこうやって騙され続けてきたみたいなことが原作には書いてあった気がするな
-
- 2014年02月01日 07:56
- ※32
八幡は鍛え抜かれたファッションボッチですし
クリスマスに予定聞かれた果てにバイト代わって言われたなんてのはお約束だろシネくそ女(体験談)
-
- 2014年02月01日 09:42
- ガハマさん居なくてもこう上手く行ってるとは思えないけどな、ゆきのんの性格は厄介すぎるし
もっと前段階の八幡に悪口言いまくっても逃げ出さず一緒に部活動を続けてくれるって段階で
満足してそれ以上の進展はなさそうな気がする
卒業まで八幡の精神が保てばハッピーエンド、それ以上発展なく高校時代の良き思い出になる
途中で保たなくなれば破綻して仲違い、あの二人だけだと修復は不可能っぽいので悪しき思い出になって終わりそう
-
- 2015年05月19日 19:08
- そうかなあ?意外とうまくやりそうな気もしないではないけど。
-
- 2015年12月06日 22:17
- ※35
原作読んでない情弱は黙ってろゴミ屑
-
- 2016年03月11日 03:17
- とりあえず他人任せビッチ(由比ヶ浜)がいなけきゃ平和
-
- 2016年05月22日 17:31
- まぁここまで距離は縮まってないだろうな、八幡はあんなだし、ゆきのんもあんなだし
多少は仲良くなってるとしても、絶対に付き合うまではいかない
いったらいったで、厄介な依存関係になってそう
ってことで、ガハマさんは必須だと思うし
-
- 2016年07月13日 20:42
- ※36
いや、そんな7か月もたった後で発狂してレスされてもねえ。
八幡と雪乃って意外と二人でもうまくいくと思うよ。