妹 「お兄ちゃん！ あたしのプリン勝手に食べたでしょう！」
- 1 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 19:33:50 ID:P.h3H3M6
- 兄 「……そういや、台所にプリン置いてあったな」
妹 「あれあたしのプリン！ 返してよあたしのプリン！」
兄 「返せったって、プリンはもう胃袋の中だぞ？」
妹 「じゃあ買ってきてよ！」
妹 「買ってきてくれるまでお兄ちゃんとは口聞いてあげないんだから！」 - 2 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 19:35:12 ID:P.h3H3M6
- 兄 「……」
母 「こら二人とも、喧嘩しないの」
妹 「あ、お母さん聞いてよ！ お兄ちゃんがあたしのプリン勝手に食べたの！」
兄 「……」
母 「それはいけないわね、兄君が悪いわ」
母 「悪いことをしたんだからちゃんと謝りなさい、兄君」
兄 「……母さん、悪いのは妹だけじゃないぞ！」
母 「……どういうこと？」
妹 「……」 ｷﾞｸｯ - 3 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 19:36:23 ID:P.h3H3M6
- 兄 「コイツはな、俺がとっておいたおやつを盗み食いしやがったんだよ！」
妹 「……」 ｷﾞｸｯ
母 「……本当なら、話は変わってくるわよ？」
妹 「だ、だって、お腹空いてたんだもん」
兄 「俺はお前のことを思って、わざわざ見逃してやったのによ」
妹 「そ、それとこれとは話は別でしょ！」
母 「こらこら、喧嘩両成敗よ？」 ﾆｺﾆｺ
妹 「お兄ちゃんだって、お母さんのへそくり盗んだくせに！」
兄 「……」 ｷﾞｸｯ
母 「……話、聞かせてもらおうかしら」 ﾆｯｺﾘ - 4 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 19:37:43 ID:P.h3H3M6
- 兄 「ど、どうしても金が必要だったんだよ……」
兄 「か、金がなきゃ、友達がみんないなくなっちまう……」
兄 「そうなったら俺は、俺は……！」 ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ
妹 「カモ兄ちゃんのへタレ！ 意気地なし！」
兄 「な、なんだと……！」
母 「手をあげるのはやめなさい、兄君！」 ﾊﾟｼﾝ
兄 「……っ」 - 5 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 19:39:12 ID:P.h3H3M6
- 母 「……兄君は、仕方なしにやったのよね」
兄 「……」 ｺｸﾘ
母 「……でも、盗んじゃだめよ？」
兄 「……」ｺｸﾘ
母 「わかればよろしい」
母 「妹にもほら、ちゃんと謝って」
兄 「！」 - 6 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 19:39:58 ID:P.h3H3M6
- 兄 「あ、あれはアイツにだって非があるだろ！」
母 「……お母さんは貴方を許してあげたわよ？」
兄 「……は？」
母 「だから、兄君も妹ちゃんを許さないといけないの」
兄 「……そ、そんな理屈！」
妹 「……ふふん」
「こらこら、なんの騒ぎだ」 - 7 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 20:10:49 ID:P.h3H3M6
- 妹 「あ、お父さん？」
父 「どうした、可愛い可愛い娘よ」
妹 「お兄ちゃんがね、あたしのおやつとお母さんのへそくりを勝手に盗んだの！」
母・兄 「！？」
父 「……へそくり？ お前、どういうことだ」
母 「……いいじゃないの、少しぐらい」
父 「よかない、夫婦間での隠し事はしないと、昔決めただろう」
母 「そんな昔のこと、忘れちゃったわ」
父 「……」 ｲﾗｯ
兄 「……」
父 「……お前は歯を食いしばれ！」 ﾄﾞｶｯ
兄 「ギャアッ！」 ﾊﾞﾀﾝ - 8 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 20:41:36 ID:P.h3H3M6
- 兄 「な、なにすんだよ親父！」
父 「お金というのはな、大人が汗水垂らして働いてやっと手に入れられるものなんだ」
父 「それを楽して手に入れようとするとは不届き千万！ 恥を知れ！」
兄 「……」
父 「まったく、お前という奴は……」
男 「汗水垂らすような仕事につかなきゃならなかったのは、アンタの学歴が足りないせいだろうが！」
父 「……なんだと？」 - 9 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 20:42:48 ID:P.h3H3M6
- 兄 「ああ、何度だって言ってやるさ！」
兄 「俺の学校での成績はいつも首位！ 大学の推薦だってもらってる！」
兄 「俺はアンタみたいに昼も夜もなく体を動かし続ける仕事に就く気はねえ」
兄 「エリート街道まっしぐらの、将来バラ色なんだよ！」
父 「お前と言う奴は……！ 仕事を舐めるな！」 ﾄﾞｶｯ
兄 「はっ、負け犬がなに喚いてやがる！」
兄 「アンタみたいなバカはなぁ、せいぜいほかの頭の緩い女と遊んでりゃいいんだ！」
父 「！？」 - 12 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 21:05:48 ID:P.h3H3M6
- 母 「……言い過ぎよ、兄君」
兄 「母さんはこのロクデナシの味方をするのかよ！」
兄 「こいつが母さんの知らないところでなにをしてるのかも知らないくせに！」
母 「……え？」
父 「……まさか、兄……！」
妹 「や、やめてお兄ちゃん！ あれはあたしたちだけの秘密って約束だったはずだよ！」
兄 「お前は黙ってろ！」
妹 「……おにい、ちゃん」 - 13 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 21:13:18 ID:P.h3H3M6
- 兄 「これを聞いてくれ、母さん」 っボイスレコーダー
母 「……」
父 「や、やめろ！ やめるんだ兄！」
母 「貴方は黙ってなさい」 ｷﾞﾛｯ
妹 「ご、ごめんお兄ちゃん！ 全部あたしが悪かったの！」
兄 「黙ってろ！ これは俺の問題なんだよ！」
父 「ヤメロォォーーーッ！！」
ピッ
ザザーッ - 14 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 21:20:25 ID:P.h3H3M6
- ピッ
「今日も可愛いな、不倫子」
「そんなぁー、やめてくださいよぉー」
「どうだ、今夜も楽しもうじゃないか」
「いいんですかぁー？ 奥さんが悲しみますよぉー？」
「あんな臭う家内なんてな、もう女じゃないさ」
「ひっどーい！」
「はっはっは！ それに引き替え君は本当に魅力的だ……」
「やーん、父さんのエッチー……」
ピッ - 15 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 21:25:14 ID:P.h3H3M6
- 母 「……」 ｽﾀｽﾀ
父 「ま、待ってくれ！ これは……」
母 「問答無用よ、私達はもう終わり」
父 「そ、そんな……！」
母 「さようなら」 ｽﾀｽﾀ
父 「……ご、誤解なんだ、誤解」
母 「さわらないで、ゴミ」 ｽﾀｽﾀ
父 「……ま、待って、くれ……」 - 17 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 21:37:41 ID:P.h3H3M6
- 兄 「へっ、どんなもんだい」
妹 「……」
父 「……お前が」
兄 「あ？ なんだよクズ」
父 「お前が、あんなものを聞かせたりしなければ……！」
兄 「はっ、逆ギレかよ！」
父 「逆ギレだと……？」
兄 「ああそうだよ！」
兄 「アンタは母さんをこの家に縛り付けていたくせして」
兄 「アンタ自身は、母さんの知らないところでほかの女と遊んでやがった！」 - 18 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 21:40:40 ID:P.h3H3M6
- 父 「……家族が家族でいるためにはな、目をつぶるべきところはつぶらなければならんのだ！」
父 「俺はいつも苦労している、これぐらい許されてしかるべきはずだ！」
兄 「浮気は悪だと親に教わらなかったのかよ！」
父 「一夫多妻が許される国もある！」
兄 「ここは日本だ！」
父 「親に飯食わせてもらってる青二才の分際で、親に意見する気か！」
兄 「自分のことを棚に上げるようなゴミクズが親ぶるな！」
妹 「け、喧嘩はやめてよ二人とも！」
兄・父「お前は黙ってろ！」
妹 「……」 ｸﾞｽﾝ - 19 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 21:50:19 ID:P.h3H3M6
- その後、お母さんとお父さんは離婚してしまいました
あたしとお兄ちゃんの親権は裁判の末、お母さんの手に渡りました
裁判を終えてからというもの、あたしはお父さんの姿を見かけていません
今も知らない女の人と仲良くしているのでしょうか？
でも、それをお兄ちゃんやお母さんに聞くことはできません
だって、聞こうとすると殴られちゃいますから - 20 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 21:52:35 ID:P.h3H3M6
- あたしは、時々考え込んでしまいます
もしあの時、あたしがプリン一つで喚いたりしなければ
もしあの時、あたしがお兄ちゃんに泣き寝入りしていれば
あたしは、こんなにも多くのものを失わずにいられたのでしょうか？
表面上は、今まで通りのそれなりに仲のいい家族でいられたのでしょうか？
……考えるだけ無駄なんですけどね
だって過ぎ去ってしまった時間はもう、元には戻らないのですから - 21 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 21:57:27 ID:P.h3H3M6
- でも、この経験を未来に生かすことはできました
というのも、あたしはあの出来事を経て、どんなことがあっても泣き寝入りすることを学びました
理不尽な暴力を振るわれても、意地悪されても、無茶苦茶にされても
あたしは、なにもいいません
言わなければ、あたしのせいでそれ以上事が悪いほうに進むことはなくなりますから
あたしのせいでなにもかも壊れてしまうのは、怖くてたまりませんから――
20XX年 ○月×日 ある精神科医のカウンセリング記録より
おしまい - 23 ：以下、名無しが深夜にお送りします 2014/01/13(月) 22:59:12 ID:iMsPhR72
- 乙
転載元
妹 「お兄ちゃん！ あたしのプリン勝手に食べたでしょう！」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1389609230/
妹 「お兄ちゃん！ あたしのプリン勝手に食べたでしょう！」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1389609230/
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コメント一覧 (18)
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- 2014年01月14日 10:59
- これはいいバッドエンド
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- 2014年01月14日 11:06
- 何か恥ずかしくて読めなかった
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- 2014年01月14日 11:28
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どうしてこうなった…
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- 2014年01月14日 11:46
- 自分も父親の似たような秘密握ってるので
奴が本格的に俺を怒らせるようなことしたら
スムーズに糾弾に移る予定
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- 2014年01月14日 11:55
- すげぇ・・・無駄にリアリティあってなんか怖かった。
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- 2014年01月14日 12:12
- リアリティ…？
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- 2014年01月14日 13:01
- 最近BAD END多すぎィ！！
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- 2014年01月14日 13:09
- 地元のCMで私のプリン食べたでしょ！！ってのあったな。食べた奴が宙に浮くやつ。
-
- 2014年01月14日 15:13
- 思春期こじらせちゃったような文章だな
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- 2014年01月14日 17:46
- ※８
あたしのふわとろプリン食べたでしょう！？
食べてないよ
うそばっかり！あたしのふわとろプリン食べたでしょう！？
のやつだろ？俺もそれだと思った
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- 2014年01月14日 20:09
-
よくあるよくある
テツトモの『なんでだろう？』の手の動かし方で喧嘩して離婚した俺が言うんだから間違いない
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- 2014年01月14日 21:19
- プリンって聞いてポケモンを連想したのは俺だけのようだ！
……疲れてんのかな……
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- 2014年01月14日 23:20
- ｶﾅｼｲﾊﾅｼｶﾅｰ？
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- 2014年01月15日 13:06
- エリート街道まっしぐらなほど昼夜問わず汗水垂らして働かなきゃならないんだよなぁ
肉体労働じゃなくても体力削られるレベル
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- 2015年09月05日 12:02
- 新井理恵のマンガでよくある風景
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- 2016年02月09日 08:47
- 嘘つけ、食べたゾ
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- 2016年03月12日 19:45
- エロ展開ﾏﾀﾞｧ？
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- 2019年01月21日 22:58
- この話で悪くないのは母親だけだよね？
一応旦那に浮気され、息子にへそくり盗られた被害者だし
旦那は浮気したからアウト、息子もへそくり盗んだからアウト、娘も一応兄とはいえ人のおやつ食べたからアウトだな
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