少年「え、今日テスト?やべー全然勉強してねーわー(赤目)」
- 1:名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 19:10:43.90 ID:r8cpol0lI
少女「……眼、真っ赤だよ?」
少年「は?これちげーし。一晩中ゲームしてただけだし」
少女「……そのわりには、ノートびっしりだね」
少年「は?ちげーし。急いで友達のコピーしただけだし」
少女「手書きに見えるけど……」
少年「だからちげーし!徹夜でテスト勉強とかやってねーし!」
少女「……」
少年「あーやべー。マジやべーわー」
- 3:名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 19:19:48.58 ID:6SrGJmdf0
ちょっとかわいい
- 4:名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 19:20:50.52 ID:r8cpol0lI
~ 一週間後 ~
少女「……学年一位取ってるし」ボソッ
少年「は?そんなのたまたまだし。勘で答えたら当たっただけだし」
少女「……やけに嬉しそうだね」
少年「は? べ、別に嬉しくねーし!」
少女「……そう」
少女「……わたしだって、頑張ってるのにな……」
- 5:名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 19:30:45.29 ID:r8cpol0lI
~ 二週間後 ~
少年「あー、マラソン大会とかマジだるいわー」
少女「どうしたの?そのテーピング」
少年「は?何でもねーし」
少女「サポーターまで付けて。怪我してるなら休めば……」
少年「だから怪我なんてしてねーし!こっそり走り込みとかしてねーし!」
少女「……」
少年「あーやべー。マジだるいわー」
- 6:名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 19:32:12.62 ID:WUV5ylPT0
こんなやついるよな
- 9:名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 19:40:21.48 ID:r8cpol0lI
~ 一時間後 ~
少女「……校内一位取ってるし」ボソッ
少年「は……?そ、そんなの……たまたま……だし……」ゼェハァ
少女「……息切れてるよ?」
少年「は……?そんなこと……ねぇし……」ゼェハァ
少女「……そう」
少女「……すごいな……くんは……」
少女「……それに比べて私は……」
- 11:名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 19:50:03.41 ID:r8cpol0lI
~ 二週間後 ~
少女「うぐっ……ひっく……」
少年「……」
少女「うぇえっ……うぇぇぇ……」
少年「……」
少女「……! ……くん!?」
少年「げっ……」
- 12:名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 19:56:55.06 ID:r8cpol0lI
少女「ど、どうしたの、こんな所に」ゴシゴシ
少年「は?夕飯のおつかい頼まれただけだし」
少女「……こんなスタジアムに?」
少年「は?ち、ちげーし!買い物の帰りだし!」
少女「そのわりには、袋の中身が小さいような……」
少年「だ、だからそんなんじゃねーし!お前の試合見に来たとかじゃねーし!」
少女「……!」
- 16:名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 20:02:15.85 ID:r8cpol0lI
少女「……そっか……見に来てくれたんだ……」
少年「だからちげーし!勝手に納得すんなし!」
少女「そっか……じゃあ、カッコ悪いところ見せちゃったね……」
少年「だ、だから……」
少女「……ごめんね……せっかく……見に来てくれたのに……」
少年「……」
- 19:名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 20:06:54.61 ID:r8cpol0lI
少年「ん」
少女「へっ……?」
少年「ん」
少女「何これ……?」
少年「アイスだし」
少女「……くれるの?わたしに?」
少年「は?他に何の意味があるんだし」
少女「で、でも……これっておつかいのなんじゃ……」
少年「~~~~~~~~っ!」
- 22:名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 20:11:29.96 ID:r8cpol0lI
バサッ!
少女「わっ!」
タッタッタッタッタッ…
少年「……」
少女「ちょ、ちょっと!……くん!?」
タッタッタッタッタッ…
少年「……」
少女「ね、ねぇ!待ってってば!」
タッタッタッタッタッ…
- 23:名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 20:16:24.37 ID:r8cpol0lI
クルッ
少年「おい!!」
少女「え……?」
少年「……ぁ……」
少女「……?」
少年「……ぁ……あし……」
少年「明日は笑って学校に来いよ!!」
少女「……!!」
少年「へへっ……じゃあな!」
- 25: 忍法帖【Lv=37,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/13(土) 20:24:24.11 ID:i3IIE6iB0
なんかいいなぁ…こういうの
- 27:名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 21:16:03.98 ID:YV3oXue00
甘酸っぱいなぁ
- 34:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 09:44:30.91 ID:GM8UaKGGI
~ 一週間後 ~
少年「……」
少女「あっ、いたいた……くーん!」パタパタ
少年「ぉ……」
少女「ごめん、まさかこんなに早く来てるとは思わなくて……」
少年「は?今日はたまたま早起きしただけだし」
少女「そっか……って!すごいクマだよ!大丈夫?」
少年「は?マンガ読んでて夜更かししただけだし」
少女「よくそれで早起きできたね……」
少年「べ、別に! 今日が楽しみすぎて眠れなかったとかじゃねーし!」
少女「ぇ……」
- 35:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 09:54:52.58 ID:GM8UaKGGI
少女「……そ、そうなの?」モジモジ
少年「だ、だからちげーし!ヘンな勘違いすんなし!」
少女「……そっか、ふーん……」
少年「おい!だから勝手に納得すんなし!」
少女「……」
少年「お、おい……」
- 36:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 10:01:16.17 ID:GM8UaKGGI
少女「……今日はごめんね、急に誘ったりして」
少年「……は?」
少女「このあいだのね、お礼をしようと思ったの。あのアイスの……」
少年「は?あんなのメッチャ安いやつだし」
少女「ううん、そうじゃなくて……」
少年「……?」
少女「……な、なんでもない」
- 37:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 10:17:08.59 ID:GM8UaKGGI
少年「……?」
少女「だからその……迷惑じゃなかった? わたしなんかに誘われて……」
少年「は?お前バカかし」
少女「えっ……」
少年「本当に迷惑なら、はじめっから来てねーし」
少女「……!」
少女「……ふふっ」
少年「な……何だし」
少女「じゃあ行こっ!」ギュッ
少年「お、おい!勝手に手つなぐんじゃねーし!」
少女「へへ……今日はいっぱい楽しもうね!」
- 40:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 16:03:01.51 ID:GM8UaKGGI
~ 七時間後 ~
少女「ふわぁ~~……いっぱい遊んだねぇ!」
少年「……も、もう限界だし……」
少女「うわ!すごい、もうこんな時間だよ!」
少年「だから、さっきからそう言ってるし……お前はしゃぎすぎだし」
少女「えー、だって楽しかったんだもん……」
少年「……」
少女「あ、そっか……くん、寝不足だったんだっけ?」
少年「……」
少女「……ごめん、やっぱり楽しくなかった?」
- 41:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 16:06:00.61 ID:GM8UaKGGI
少年「……そ、そんなこと一言も……」
少女「あっ!見てほら!夕陽!」
少年「…………人の話を聞けし」
少女「わぁ……きれい……」
少年「ん……まぁ、悪くはねーし……」
少女「……」
少年「……」
少女「……」
少年「……」
- 42:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 16:13:11.19 ID:GM8UaKGGI
少年・少女「「あ、あのっ……!」」
少女「あ……」
少年「……! な、何だし……」
少女「……くんこそ、何?」
少年「お……オレはあとでいいから、お前が先に言えし」
少女「わ、わたしの方こそ、あとでいいからさ!」
少年「……」
少女「……聞かせて」
- 43:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 16:18:12.15 ID:GM8UaKGGI
少年「……じゃあ、言うし」
少女「うん……」
少年「……」
少女「……」
少年「あ、あの……」
少女「……うん」
少年「オレ……オレさ……」
少女「……」ゴクリ
少年「オレ……」
少年「オレ…………引っ越すことになったんだ」
- 45:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 16:25:18.96 ID:GM8UaKGGI
少女「……………………え?」
少年「な……何だし」
少女「ひ、引っ越す……って……くんが!?」
少年「は?だからそう言ってるし」
少女「な、なんで!? 聞いてないよ!」
少年「……だって今言ったし」
少女「……そ、そんな……」
少年「……」
- 46:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 16:31:10.90 ID:GM8UaKGGI
少女「…………いつ、引っ越すの?」
少年「来週の日曜にはもう……」
少女「ええっ!?急すぎるよ!」
少年「べ、別に急じゃねーし!前々から先生や友だちには言ってあるし!」
少女「ぇ……」
少年「……な、何だし」
少女「……じゃあなんで……わたしには言ってくれなかったの……」
少年「……そ、それは……」
少女「……」
少年「……なんで、お前に言わなきゃいけないんだし」
- 47:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 16:35:35.05 ID:YStsmq2/0
うわああああああ
- 49:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 16:41:38.52 ID:GM8UaKGGI
少女「……っ!」
バッ!
少年「おわっ!?」
ダッダッダッダッダッ…
少年「お、おい!ちょっと待てし!」
ダッダッダッダッダッ…
少年「おい!さっきお前は何を言いかけたんだし!」
少女「知らないッ!」
ダッダッダッダッダッ…
少女「……くんなんか……くんなんか……」
少女「……くんなんか、どこへでも行っちゃえ!」
- 53:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 18:52:53.49 ID:GM8UaKGGI
~ 一週間後 ~
少年「……」
姉「……こんな所にいたか」
少年「……!」
姉「電車、そろそろ出るよ」
少年「……まだ十分以上あるし」
姉「父さんと母さんも待ってる」
少年「……」
姉「……」
- 54:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 18:56:17.06 ID:GM8UaKGGI
姉「……あんた」
少年「……」
姉「もしかして、まだ例の子のこと……」
少年「……」
姉「……まぁいいけどさ」
少年「……」
姉「五分前には、ちゃんと来るんだよ」
- 55:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 19:03:07.48 ID:GM8UaKGGI
~ 五分後 ~
少年「……」
少年「……」
『……くんなんか、どこへでも行っちゃえ!』
少年「……」
少年「……」
ー○○行きの電車が、まもなく出発しますー
ーご乗車の方は、一番ホームへお急ぎくださいー
少年「……」
少年「……」
少年「……あのバカ」
- 57:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 19:08:03.82 ID:GM8UaKGGI
少女「……くん!!」
少年「……!!」
少女「はぁ……はぁ……」
少女「……ま、間に合ったよ……」
少年「お、お前……」
少女「……へへっ」
- 58:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 19:11:46.54 ID:GM8UaKGGI
少女「ん」
少年「……へ?」
少女「ん」
少年「い、いきなり何だし……」
少女「アイスだし」
少年「は……?」
少女「あげる。メッチャ安いやつだけど」
少年「で、でも……お前……」
少女「……」
- 59:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 19:14:35.09 ID:GM8UaKGGI
バサッ!
少年「おわっ!」
タッタッタッタッタッ…
少女「……」
少年「お、おい!」
タッタッタッタッタッ…
少女「……」
少年「ちょっと待てし!なんで……」
タッタッタッタッタッ…
少年「なんで……お前……」
- 60:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 19:23:30.13 ID:GM8UaKGGI
クルッ
少女「ねえ!!」
少年「え……?」
少女「…………すーっ、はーっ……」
少年「……?」
少女「……っ」
- 62:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 19:32:52.11 ID:2LgCMoPCI
少女「ありがとう!!」
少年「……!!」
少女「あのとき慰めてくれて、ありがとう!」
少女「あの日は付き合ってくれて、ありがとう!」
少女「すっごく……すっごく嬉しかった!」
少年「……な……」
少女「わたし……わたしね!」
少女「……くんのこと、だーいすき!!」
- 64:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 19:39:33.18 ID:2LgCMoPCI
プロロロロロロ……
少女「……だからね、さよならじゃないよ」
少年「……!」
少女「絶対……」
少女「絶対、また会おうね!」
少年「……」
少年「……」
少年「……おう!」
- 65:名も無き被検体774号+:2012/10/14(日) 19:43:08.02 ID:2LgCMoPCI
姉「……行くよ」
少年「……うん」
少女「……くん、約束だよ」
少年「絶対……絶対……」
少年・少女「「絶対……また会おう」」
- 80:名も無き被検体774号+:2012/10/21(日) 10:03:45.67 ID:W03qTS6HI
~ 数年後 ~
少女「……」
少女「……」
少女「……」
少女「……」チラッ
少女「……」
少女「……そろそろかな」
- 81:名も無き被検体774号+:2012/10/21(日) 10:14:36.82 ID:W03qTS6HI
少年「……よう」
少女「……!」
少年「……な、なんだし」
少女「ぁ……」
少年「……まるで幽霊でも見たような顔だし」
少女「そ……そんな顔してない!」
少年「……っていうかすごいクマだし」
少女「えっ……」
少年「どっちかっていうとお前が幽霊だし」
少女「……」
- 82:名も無き被検体774号+:2012/10/21(日) 10:25:12.53 ID:W03qTS6HI
少女「……ふふっ」
少年「……な、なんだし」
少女「相変わらずだね……くんは」
少女「ちょっと安心したよ」
少年「……」
少女「ふふっ……それにその喋り方」
少女「もう大学生にもなるのに、ヘンなの」
少年「べ、別に!いつもこんな喋り方なわけじゃねーし!」
少女「ウソばっかり」
少年「ほ……本当だし!なに疑ってるんだし!」
少女「……ふふ」
- 83:名も無き被検体774号+:2012/10/21(日) 10:38:22.95 ID:W03qTS6HI
少女「……」
少年「……」
少女「……今日はありがとね、来てくれて」
少年「は? 俺から行くって言ったんだし」
少女「うん、まぁそうなんだけど……」
少女「……ありがと」
少年「……」
- 84:名も無き被検体774号+:2012/10/21(日) 10:44:11.94 ID:W03qTS6HI
少女「実はわたしね……」
少女「あの時……くんに、伝えきれなかったことがあるの」
少年「……」
少女「だから今日、伝えようと思って」
少女「新生活が始まる前に……」
少年「……奇遇だな、オレもだし」
少女「……そうなんだ」
少年「……」
少女「……じゃあ、ちょっと移動しよっか」
少女「それを伝えるのに……ふさわしい場所があるから」
- 90:名も無き被検体774号+:2012/10/21(日) 12:53:40.30 ID:Fl8vJCQ1I
~ 一時間後 ~
少年「……なぁ、まだ着かないのかし」
少女「もうちょっと」
少年「もう結構歩いたし……」
少女「あっ、もしかして疲れちゃった?」
少年「べ、別に……んなことねーし!」
少女「本当かなぁ~?」
少年「本当だし!」
少女「……ふふふっ」
- 91:名も無き被検体774号+:2012/10/21(日) 13:00:11.17 ID:Fl8vJCQ1I
少女「……」
少年「……」
少女「……あのさ」
少年「ん?」
少女「その場所に着く前に……聞いておきたいことがあるんだけど」
少年「は?何だし」
少女「うん……」
少年「……?」
少女「……くんが……」
少女「……くんがT大受けたのってさ」
少年「……?」
少女「その……わたしもT大を受けるって知ってたから?」
- 92:名も無き被検体774号+:2012/10/21(日) 13:05:29.53 ID:Fl8vJCQ1I
少年「は?んなわけねーし」
少女「……」
少年「っつーか、連絡をとったことすら数年ぶりだっていうのに」
少年「お前がどこの大学行くかなんて、知りようがねーし」
少女「……」
少女「……そっか」
- 94:名も無き被検体774号+:2012/10/21(日) 13:11:00.05 ID:Fl8vJCQ1I
少年「……?」
少年「それがどうしたし?」
少女「ううん……なんでもない」
少年「……」
少女「でも……」
少女「それを聞いて安心した」
少年「……?」
少女「その答えが聞きたかったの」
- 95:名も無き被検体774号+:2012/10/21(日) 13:18:26.03 ID:Fl8vJCQ1I
少年「は?」
少女「……ふふ」
少年「な、なに笑ってるんだし」
少女「なんでもなーい」
少年「おい、一体何を……」
少女「あっ!ほらあれ!見えてきたよ!」
少年「だ、だからお前は人の話を……」
- 96:名も無き被検体774号+:2012/10/21(日) 13:22:48.78 ID:Fl8vJCQ1I
少年「……!!」
少女「……ふふっ、思い出した?」
少年「えっ、あれって……」
少年「まさか……」
少女「そうだよ」
少女「わたしが……」
少女「……くんを初めて好きになった場所」
- 107:名も無き被検体774号+:2012/10/23(火) 04:08:07.71 ID:b0UfPe7HI
うおおおおおおおおおおおおおおおお!!
いけーーーー!!
ワー!ワー!ワー!
少女「おー!やってるねー!」
少年「……なんでちゃっかり観客席に座ってるんだし」
少女「いいじゃんいいじゃん!せっかくだから見ていこうよ」
少年「話があるんじゃなかったのかし……」
少女「……あっ、ほら!今戦ってるのわたし達の母校だよ!」
少女「いけーー!おせー!!」
少年「……」
- 108:名も無き被検体774号+:2012/10/23(火) 04:15:02.92 ID:b0UfPe7HI
~ 十分後 ~
少女「……はぁ」
少年「……負けたし」
少女「惜しかったなー……いいところまでいったのに」
少年「……お前、泣いてるのかし?」
少女「だって悔しいじゃん!」
少女「あの子たちすごく頑張ったのに……」
少年「……」
- 109:名も無き被検体774号+:2012/10/23(火) 04:20:33.68 ID:b0UfPe7HI
少年「……なんか、あの日を思い出すし」
少女「えっ……」
少年「ほら、忘れたのかし」
少年「お前がここでボロ負けした試合」
少女「……!」
少年「試合のあと、お前はあいつらみたいに大泣きしてて……」
少年「……オレはそれを、ちょうどこの辺から見てたんだし」
少女「……」
- 110:名も無き被検体774号+:2012/10/23(火) 04:32:03.45 ID:b0UfPe7HI
少女「……くん」
少年「ん?」
少女「……あのさ……」
少年「……?」
少女「実はね……」
少女「あの時のわたし……」
少女「……そんなに一生懸命じゃなかったの」
- 111:名も無き被検体774号+:2012/10/23(火) 04:38:28.27 ID:b0UfPe7HI
少年「えっ……」
少女「……わたしってさ」
少女「勉強はそれなりにできるけど、スポーツは全然ダメで」
少女「それがかなりのコンプレックスだったんだ」
少年「……」
少女「あの部活に入ったのも」
少女「そんなコンプレックスを克服するためだったんだけど……」
少女「……でもやっぱりダメだった」
- 113:名も無き被検体774号+:2012/10/23(火) 04:47:40.30 ID:b0UfPe7HI
少女「みんなの足は引っ張るし、コーチからは怒鳴られるし……」
少女「……正直言って、全然楽しくなかったよ」
少年「……」
少女「人数が少なかったから、わたしもレギュラー入りできたんだけど……」
少女「……それでも練習は、ほとんど投げやりにやってた」
少年「……」
少女「……だからね」
少女「あの時泣いてたのは試合に負けたからじゃない」
少女「……自分の情けなさに、泣いてたんだ」
- 114:名も無き被検体774号+:2012/10/23(火) 06:12:38.49 ID:b0UfPe7HI
少女「……そんな時だよ」
少女「スタジアムの廊下で……くんを見かけたのは」
少年「……あの時のお前」
少年「メチャクチャ驚いてたし」
少女「うん、だって本当にビックリしたもん」
- 115:名も無き被検体774号+:2012/10/23(火) 06:17:59.62 ID:b0UfPe7HI
少年「……オレがお前の試合を見にきたのが」
少年「そんなに意外だったのかし……」
少女「うん、それもあるね」
少年「……?」
少年「じゃあお前にアイスをやったのが……」
少女「もちろんそれもあるよ」
少年「……?」
少女「でもね……」
少女「わたしが本当に驚いたのはそこじゃない」
少年「は……?」
少女「わたしはあの時の……くんを見て」
少女「世界が180度変わったんだよ」
- 120:名も無き被検体774号+:2012/10/25(木) 16:42:17.57 ID:3pntJE++I
少年「何言って……」
少女「……気付いてた?」
少女「あの時の……くんさ」
少女「……眼、真っ赤だったよ?」
少年「えっ……」
少女「目の下にすごいクマもできてた」
少女「テスト前でもないのに」
少年「……」
少女「それに……なぜか足のテーピングも増えてた」
少女「マラソン大会は終わったのに」
- 121:名も無き被検体774号+:2012/10/25(木) 16:46:52.51 ID:3pntJE++I
少女「……それを見たときね、思ったの」
少女「ああこの人は……わたしとは違う次元で生きてるんだなって」
少年「……」
少女「この人が頑張ってるのは、定期テストのためじゃない」
少女「マラソン大会のためでもない」
少女「もっと大切な何かのためだって……」
- 122:名も無き被検体774号+:2012/10/25(木) 16:56:23.39 ID:3pntJE++I
少年「……」
少女「……だからわたしね」
少女「……くんの後ろ姿を見ながら、誓ったの」
少女「今はまだ敵わないけど」
少女「いつか絶対に追いついてみせる」
少女「そしていつか必ず……」
少女「……くんと同じレベルで勝負してやるんだって」
- 123:名も無き被検体774号+:2012/10/25(木) 17:03:44.63 ID:3pntJE++I
少年「……」
少女「それからわたしは頑張った」
少女「……くんがいなくなったあとも」
少女「勉強、部活、オシャレや家の手伝い……」
少女「全てにおいて全力を尽くした」
- 124:名も無き被検体774号+:2012/10/25(木) 17:09:50.83 ID:3pntJE++I
少年「……」
少女「今回わたしが最難関のT大を選んだのも」
少女「そういうわけなの」
少女「……くんならそれくらいやるって思ったしね」
少年「……」
少女「……くんが自分の意志で選んだ大学に」
少女「わたしは自分の力でそこに入って」
少女「そこで一緒に勝負する」
少女「……それがわたしの目標だったんだ」
- 125:名も無き被検体774号+:2012/10/25(木) 17:12:05.47 ID:3pntJE++I
少年「……」
少女「だからね……くん」
少女「わたし、負けないよ」
少年「……」
少女「……ちょっと長くなっちゃったけど」
少女「それがわたしの伝えたかったこと」
- 126:名も無き被検体774号+:2012/10/25(木) 17:58:02.89 ID:PrEl2Fhk0
感動してなんかねーし
- 127:名も無き被検体774号+:2012/10/25(木) 19:17:10.36 ID:gKWTGgzv0
何にも伝わってねーし
- 128:名も無き被検体774号+:2012/10/25(木) 19:26:10.15 ID:eH76Bzpe0
これは涙じゃなくて汗だし
- 129:名も無き被検体774号+:2012/10/26(金) 20:57:53.41 ID:yo6wv1+S0
こんな青春したいとか思ってねーし
- 130:名も無き被検体774号+:2012/10/27(土) 22:03:55.23 ID:fk9/uV/L0
次まだかし?
- 131:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 09:26:53.00 ID:h48O0hcBI
少年「……」
少年「……そうだったのかし」
少女「うん」
少年「……」
少女「……」
少年「……だったら」
少女「……?」
少年「だったら……お前は少し勘違いしてるし」
- 132:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 09:34:28.17 ID:h48O0hcBI
少女「えっ……」
少年「……オレはお前と違って」
少年「もともと勉強もスポーツも」
少年「どっちもダメだったんだし」
少女「……!」
少年「……でも」
少年「あの学校に入学して、初めてお前を見た時……」
少年「……オレは、頑張ろうって決めたんだし」
- 133:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 09:42:16.24 ID:h48O0hcBI
少女「……? どうして?」
少年「……お前に……」
少女「……?」
少年「お前に……」
少年「……振り向いてほしかったからだし」
少女「……!!」
少年「……お前は」
少年「成績トップクラスだったから」
少年「こんなバカ男……相手にされないと思ったんだし」
- 134:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 09:43:38.05 ID:h48O0hcBI
少女「……」
少年「だから頑張って……」
少年「頑張って頑張って……」
少年「初めてお前を追い抜いて……話しかけられた時」
少年「……オレは、飛び上がるほど嬉しかったんだし」
- 136:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 09:51:15.17 ID:h48O0hcBI
『……眼、真っ赤だよ?』
『……学年一位取ってるし』
『……やけに嬉しそうだね』
少女「……!」
少年「……だから」
少年「あの日誘ってくれたことも」
少年「大好きって言ってくれたのも」
少年「ぜんぶ……」
少年「ありがとうだし」
少女「……」
少年「……これが、オレの伝えたかったことだし」
- 137:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 10:04:44.40 ID:GzarGAMyO
なんで俺は手に汗握ってんだし...
- 140:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 13:18:31.70 ID:wB/iLktA0
胸が締め付けられるし
- 141:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 15:50:44.82 ID:h48O0hcBI
~ 十分後 ~
少女「うわ……もうこんな時間なんだ」
少年「……結局、閉館時間で追い出されたし」
少女「はは……」
少年「……」
少女「あの話……」
少女「係のおじさんに聞かれちゃったかな?」
少年「……知らねーし」
- 142:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 15:53:01.62 ID:h48O0hcBI
少女「……」
少年「……」
少女「……!」
少年「……? どうしたし?」
少女「しっ」
少年「……?」
少女「見て……あれ」
- 143:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 15:56:04.51 ID:h48O0hcBI
女の子「ひっく……えっぐ……」
女の子「うえぇぇぇ……」
女の子「うえっ……ひっく……」
男の子「……おい」
女の子「!」
男の子「……」
女の子「……くん!?」
- 144:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 16:00:41.50 ID:h48O0hcBI
女の子「き……奇遇だねっ、こんな所で」ゴシゴシ
男の子「……別に」
男の子「奇遇じゃねーよ」
女の子「えっ……」
男の子「……」
男の子「……その……」
女の子「……?」
男の子「……見に、来たんだ」
男の子「お前の、試合」
- 145:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 16:03:56.98 ID:h48O0hcBI
女の子「ぇ……」
男の子「……っ」
女の子「……」
女の子「……そっか」
女の子「そうだったんだ……」
男の子「……」
女の子「……じゃあ私……」
女の子「……くんに……あんなカッコ悪いところ……」
- 146:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 16:09:28.97 ID:h48O0hcBI
男の子「ん」
女の子「えっ……?」
男の子「ん」
女の子「なに……?」
男の子「肉まん」
女の子「……?」
男の子「腹、減ったろ?」
女の子「え……」
男の子「……これ食べてさ」
男の子「早く、元気になれよな」
- 147:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 16:15:31.46 ID:h48O0hcBI
少年「……」
少女「……ふふっ」
少年「な、なんだし……」
少女「おかしいよね」
少年「……?」
少女「だってわたしたちってさ……」
少女「結局、全部相手のために頑張ってたんだもんね」
少女「……我ながら不器用だよ」
少年「……」
- 148:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 16:17:20.83 ID:h48O0hcBI
少女「……」
少女「……ねぇ」
少年「ん?」
ちゅっ
少年「!?」
少女「へへ……」
少年「なっ……!」
少年「お……おおおお前……」
- 149:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 16:20:22.69 ID:h48O0hcBI
少女「……続き」
少年「は!?」
少女「あの日の続きだよ」
少女「こんなに夕陽が綺麗なんだから」
少年「……」
少女「……わたしのファーストキス」
少女「この日のためにとっておいたんだからね」
- 150:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 16:21:18.20 ID:vv3xfB+A0
うおおおおおおお
こ、興奮してねーし!
- 151:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 16:23:01.62 ID:h48O0hcBI
女の子「……ありがとう……くん」
男の子「……おう」
少女「ありがと……くん」
少年「……!」
少女「帰ろ?」
少年「……」
少年「……おう」
- 152: ◆JN2nHBtqjw :2012/10/28(日) 16:25:23.24 ID:h48O0hcBI
おしまい
ここまで見てくれた方、ありがとう
- 153:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 16:26:51.06 ID:GzarGAMyO
ああああ
ハンカチいらねえとか言わねえし°・(ノД`)・°・
- 154:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 16:37:55.38 ID:NYgCWNNZ0
泣いてなんかいねーし
- 158:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 19:56:46.42 ID:aWsjzqW10
感動なんかしてねーし
まず読んでねーし
>>1乙とか思ってねーし
- 160:名も無き被検体774号+:2012/10/28(日) 20:43:54.71 ID:OzV54JfV0
泣いてねーし
>>1乙じゃねーし
本当に面白かったし
転載元
少年「え、今日テスト?やべー全然勉強してねーわー(赤目)」
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1350123043/
少年「え、今日テスト?やべー全然勉強してねーわー(赤目)」
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1350123043/
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コメント一覧 (42)
-
- 2013年05月17日 22:23
- はんにゃのアイツで脳内再生された
-
- 2013年05月17日 22:28
- ししししししししししししししししし(ししし感)
-
- 2013年05月17日 22:35
- いいなあ
-
- 2013年05月17日 22:37
- これ結構前に同じもの見たことあるんだがし
-
- 2013年05月17日 22:55
- ~し、という語尾はなつかしき甲州弁を思い出す
-
- 2013年05月17日 22:55
- 感動してねーし
んせい青春送りたかったとか思ってねーし
-
- 2013年05月17日 22:57
- はんにゃの金田かな?
-
- 2013年05月17日 22:57
- ※1
やめろし
-
- 2013年05月17日 23:01
- もうはんにゃで脳内再生されてしまうw
-
- 2013年05月17日 23:22
- トトロのカンタ思い出した
-
- 2013年05月17日 23:35
-
よし、元気でたし明日のデート頑張るわ
-
- 2013年05月17日 23:41
- は?感動なんかしてねーし
-
- 2013年05月17日 23:44
- 池田ァ!
-
- 2013年05月17日 23:49
-
別に面白かったとか思ってねえし、こんなSS別に普通だし、胸が暖かくなんてなってねえし。
星5つなんて間違えて付けただけだし。
-
- 2013年05月17日 23:50
- 俺の場合、「テスト?いいよダブる寝る」だったなー。
-
- 2013年05月18日 00:04
- ツンデレしまくった結果本当に彼女にフられた知り合いを思い出した。
あの時は苦笑いしたがコレ読んだ後だと妙にせつないなぁ
-
- 2013年05月18日 00:08
- 帝京大学ですねわかります
-
- 2013年05月18日 00:08
- はんにゃのアイツがチラチラと浮かんじゃって感動が半減したし
おのれはんにゃし
-
- 2013年05月18日 00:36
- べ、別に感動して泣いてるわけじゃねーし(`;Д;)
-
- 2013年05月18日 00:39
- なんだし、ドラマだし、良い話しだし
-
- 2013年05月18日 00:46
- おもろかったでしかし
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- 2013年05月18日 01:25
- ほんわかしたし なんなんだし
-
- 2013年05月18日 02:29
- 感動したし
※欄のせいで完全に金田で再生されるし
どうしてくれんだし
-
- 2013年05月18日 02:33
-
別に面白くなかったし、こんな青春したかったとか思ってねーし、感動なんかしてねーし。
…え?泣いてるって?
ちげーし、これは汗だし、乙とか思ってねーし
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- 2013年05月18日 02:46
- この※欄しーしー言い過ぎだし、どうなってんだし
-
- 2013年05月18日 04:58
- 池田ァ!
-
- 2013年05月18日 06:09
- ただのSSだし
泣かねーし
泣かねーし……
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- 2013年05月18日 08:36
- 感動なんかしてねーし。
明日から頑張ろうとか思ってねーし
-
- 2013年05月18日 08:38
- はんにゃ?田村ゆかり?
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- 2013年05月18日 08:47
- ツンデレいいね!もっとやれんだろし!
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- 2013年05月18日 08:52
- 別にちょっと切なくなんかなってねーし
本当だし
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- 2013年05月18日 11:23
- 直前に読んだ咲SSのせいで邪魔な猫がちらついてるけど悪くなかったし
ちょっとほっこりとかしてねーし
-
- 2013年05月18日 11:36
-
なんだこのSSはこんな青春おくればよかったと思わせるんだよ
-
- 2013年05月18日 12:45
- かんたはこれの紀元。
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- 2013年05月18日 14:28
- >少年「……お前、泣いてるのかし?」
古文かよクッソワロタ
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- 2013年05月18日 17:57
- しーしーしーしーうるせーし!あっ・・これは違うし!爪楊枝使ってるだけだし!しーしー!
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- 2013年05月18日 23:35
- 東京大学じゃないかし?
1乙とか思ってねーし
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- 2013年05月21日 20:30
- 俺はミサワに見えかけたし
-
- 2013年05月21日 22:39
- ミサワで脳内変換可能だし
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- 2013年07月21日 03:43
- やなやつやなやつやなやつ!
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- 2014年10月19日 23:58
- 俺「やっべwwwww全然勉強してないわーwwwww」→ 落第点
-
- 2018年07月16日 09:40
-
映画化決定だし!