長門「……綾波レイ?」
- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 22:44:35.63 ID:5n7PTLy90
長門「…………」
長門「……ここは、どこ」
ミーンミーンミーン……
長門「私は自室で待機モードに入っていたはず」
長門「……コンクリート剥き出しの壁。薄暗い部屋。私の部屋が変化した訳ではない。空間そのものに変化が生じたと考えざるを得ない」
長門「気温、約28.5℃。おかしい。今は2月のはず」
長門「重大なエラーが発生した可能性が大きい。統合思念体とコンタクトできない」
長門「…………」
長門「……ここは、どこ」
レイ「あなた、誰」
長門「…………」
レイ「どうしてここにいるの」
長門「…………」
- 5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:16:52.77 ID:5n7PTLy90
レイ「NERVの関係者?」
長門「違う。NERVという組織には属していない」
レイ「じゃあどうやって入ったの?」
長門「…………」
レイ「関係者以外の人間が立ち入ろうとすれば、保安部と諜報部が動くはずよ」
長門「私にもわからない」
レイ「あなた、誰?」
長門「私は長門有希」
レイ「そう」
長門「あなたは私を知らない。しかし私はあなたを知っている」
レイ「何を知っているというの」
- 6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:20:45.49 ID:5n7PTLy90
長門「綾波レイ。エヴァンゲリオン零号機のパイロット。ファーストチルドレン」
レイ「……あなたは、誰なの」
長門「私は長門有希」
レイ「……そう」
長門「何故私がここに存在しているか不明。世界が改変されたか、空間そのものが転移した可能性もある」
レイ「ごめんなさい、あなたが何を言っているかわからない」
長門「…………」
レイ「…………」
長門「涼宮ハルヒに手渡された本」
レイ「?」
長門「その本に書かれてあった情報を参考にすると、ここは第三新東京市」
レイ「そうよ」
長門「そして、ここはあなたの部屋」
レイ「そうよ」
長門「…………」
- 7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:23:25.38 ID:5n7PTLy90
レイ「なぜ」
長門「…………」
レイ「その本を参考にして、何故私のことがわかるの」
長門「それは……」
レイ「それは?」
長門「……情報を言語化できない。伝達が不可能。強いプロテクトがかかっていると思われる」
レイ「話せないの?」
長門「解除は困難」
レイ「そう」
長門「…………」
レイ「暑くないの」
長門「暑い」
レイ「そう」
長門「…………」
- 9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:27:04.03 ID:5n7PTLy90
レイ「どうして厚着なの?」
長門「私のいた場所では、まだ冬だった」
レイ「冬?」
長門「そう、冬」
レイ「冬……知らない」
長門「この世界の日本は常夏。四季が存在しないということは把握している」
レイ「…………」
長門「温感を遮断できない。暑さを感覚として捉えることには慣れていない。とても暑い」
レイ「脱げばいいのよ」
長門「把握した。着替えを要求する」
レイ「私、こういう時なんて言えばいいか知っている。図々しいのね、あなた」
- 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:30:30.74 ID:5n7PTLy90
長門「……大きい」
レイ「私のサイズだもの」
長門「…………」
レイ「?」
長門「現在の綾波レイという個体の年齢は14歳だったはず」
レイ「そうね」
長門「世界が違うとはいえ、不公平だと思う」
レイ「あなたが何を言っているかわからないわ」
長門「私の肉体は高校一年生ということになっている。なのにこの差は不公平であると言わざるを得ない」
レイ「そう。あなた、年上なのね」
長門「…………」
レイ「そう。こういうとき、笑えばいいのね」
長門「やめてほしい」
- 13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:32:24.68 ID:xB9TLScL0
負けるな長門さんのちっぱい
- 14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:33:27.66 ID:5n7PTLy90
レイ「あなた、これからどうするの」
長門「とりあえず現状を把握したい。そして、一刻も早く元の場所に戻る必要がある」
レイ「どうして?」
長門「私の役目は観測だから」
レイ「そう」
長門「しかし、この世界に私の居場所は無い。よって、ここを拠点とする」
レイ「私の意見はどうなるの?」
長門「これより待機モードに入る」
レイ「どうして私のベッドに入ろうとするの」
長門「待機モードだから」
レイ「寝る気でしょう」
- 16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:36:33.63 ID:5n7PTLy90
長門「狭い」
レイ「もしもし、保安部ですか」
長門「我慢する」
レイ「そうして」
長門「…………」
レイ「…………」
- 18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:39:10.42 ID:5n7PTLy90
チュンチュン……
長門「朝」
レイ「知ってる」
長門「朝食は」
レイ「…………はい」
長門「……これは何」
レイ「栄養剤」
長門「…………」
レイ「不満なら、何か買ってくるといいわ」
長門「……この紙幣が使えるかどうかわからない」
レイ「カードは?」
長門「無い」
レイ「そう」
長門「…………」
- 19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:40:06.17 ID:5n7PTLy90
レイ「どうしてついてくるの」
長門「少しでも多くの情報を得たい」
レイ「そう」
長門「…………」
レイ「…………」
- 22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:42:55.38 ID:5n7PTLy90
アスカ「グーテンモーゲン!」
長門「…………」 プススッ
レイ「あなた、今笑った」
長門「笑っていない」
レイ「いいえ、笑ったわ」
アスカ「朝から何をぶつくさやってんのよ!……って、誰よその子」
長門「…………」
レイ「知らない」
アスカ「はぁ?」
レイ「いつの間にか私の部屋にいた」
アスカ「何言ってんのよ、保安部の目を潜り抜けて潜入してきたっての?このちんちくりんな子が?」
長門「…………」
- 25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:46:04.99 ID:5n7PTLy90
アスカ「ふーん……なんか、雰囲気がファーストに似てるわね」
レイ「…………」
アスカ「いつの間に産んだの?」
レイ「何を言うのよ」
長門「その言葉の意味することが把握できない」
アスカ「何よ、軽い冗談でしょうに……」
レイ「……碇くんは?」
アスカ「ああ、バカシンジならゴミ捨てに行ってるわよ」
レイ「碇くんのゴミ捨て当番は火曜と水曜、金曜と土曜だったはず」
アスカ「なんでアンタがそこまで知ってんのよ」
レイ「…………」
長門「…………」
- 27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:49:35.37 ID:5n7PTLy90
シンジ「お待たせー……あ、綾波も来てたんだ」
レイ「…………」
アスカ「遅いわよバカシンジ、ゴミ捨て場まで何分かかってんの!?」
長門「この理不尽さ、予想通り」
レイ「そう、あなた碇くんを脅したのね」
シンジ「ち、違うんだよ綾波。今日の当番はミサトさんだったんだけど、遅くまで残業だったみたいで」
アスカ「だから、どっちが代わりにやるか公平に、紳士的に、ジャンケンで決めただけよ!」
シンジ「酷いよアスカ、僕がジャンケン弱いって知ってるくせに……」
レイ「……行きましょう」
アスカ「って、ちょおーっと待った!」
レイ「なに?」
シンジ「どうしたのさ」
- 29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:53:14.13 ID:5n7PTLy90
アスカ「まだはっきりしてないことがあるでしょうが!」
レイ「……?」
アスカ「シンジもどれだけ鈍ちんなのよ、この状況に違和感を感じないの!?」
レイ「違和感は覚えるもの。感じるものではない」
アスカ「あんたも揚げ足とってんじゃないわよ!」
シンジ「な、何なの?何をはっきりさせるのさ」
アスカ「そこの!ファーストの陰につっ立ってる、ちんちくりんな子のことよ!」
シンジ「え?綾波の後ろって……あれ」
長門「…………」
シンジ「……は、はじめまして」
長門「…………」 コクリ
アスカ「何を律儀に挨拶してんのよこのウスラトンカチ!」
長門「罵り言葉が前時代的だと言わざるを得ない」
レイ「そうね」
- 35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 23:57:53.06 ID:5n7PTLy90
シンジ「えっと、綾波の知り合い?」
レイ「…………」 フルフル
アスカ「何でも、いつの間にかファーストの部屋にいたんだってさ」
シンジ「いつの間にか、って……保安部の人たちはどうしたんだろう、休憩でもしてたのかな」
アスカ「そんな暢気な話のはずないでしょうが!」
レイ「…………」
長門「…………」
シンジ「あ、そろそろ行かないと遅刻しちゃうよ」
アスカ「あんたって、鈍いのか図太いのかたまにわかんなくなるのよね……」
レイ「……どうしてついてくるの」
長門「他に行くあても無い。当面は行動を共にしたい」
レイ「そう。好きにすれば」
- 38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 00:01:21.34 ID:5n7PTLy90
レイ「…………」
長門「…………」
レイ「…………」
長門「…………」
アスカ「ぬ、ぬぬぬ」
シンジ「アスカ、どうしたの?」
アスカ「あーもう!空気が重いったらありゃしないわ!あんたたちどれだけ三点リーダ使えば気が済むのよ!!」
シンジ「ま、まあまあ」
アスカ「はぁー、なんかファーストが二人になったような気分だわ……」
長門「その言われ様は不本意」
レイ「私たちは似てなんかいないわ」
- 42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 00:08:19.74 ID:PxJSDl2H0
レイ「……どこまでついてくるの」
長門「…………」
レイ「……そう。お腹が空いてるのね」
長門「…………」
レイ「じゃあ、カードを……」
スッパァン!
レイ「……痛い」
アスカ「このおバカ!どこの世界に昨日会ったばかりの人間にカード貸す馬鹿がいるのよ!」
レイ「いけないの?」
シンジ「うーん……別に、悪い人じゃなさそうだけど」
アスカ「本当にウルトラお人好しなんだから、こいつらは」
長門「…………」
レイ「……じゃあ、一緒に行けば問題無いのね」
アスカ「はぁ?」
- 43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 00:11:28.52 ID:PxJSDl2H0
テレレレテレーテレレテレー♪
長門「……ここにもファミリーマートがあるとは予想していなかった」
レイ「……別に珍しくないわ。どこにでもあるもの」
長門「そういう意味では無いが、今はこの食料を処理したい」
レイ「そうね」
シンジ「あ、綾波ー……」
レイ「なに?」
シンジ「が、学校は?」
レイ「…………」
長門「…………」 モグモグ
レイ「美味しい?」
長門「…………」 コクリ
レイ「……そう、良かったわね」
シンジ「ああ、もう」
- 45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 00:14:20.02 ID:PxJSDl2H0
シンジ「アスカは呆れて先に行っちゃったし……」
レイ「問題無いわ、学校は明日もあるもの」
シンジ「そりゃそうだけど」
長門「…………」 モグモグ
レイ「……お茶」
長門「…………」 コクコク
レイ「…………」
シンジ「まあ、綾波がそうしたいならいいんだけどさ……」
- 48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 00:17:19.99 ID:PxJSDl2H0
・
・
・
アスカ「……そ、れ、で」
レイ「なに?」
アスカ「なに?じゃないわよ!なんでここまでついて来てるわけ!?」
長門「…………」
レイ「他に行く場所が無いもの」
アスカ「だからって!まさかNERV本部の中まで連れて行く気じゃないでしょうね!?」
レイ「……碇くん、駄目なの?」
シンジ「え?い、いやぁ……どうなのかな」
アスカ「なんで馬鹿シンジに聞くのよ!駄目に決まってんでしょうが!!」
長門「…………」
レイ「…………」 ピピッ
シンジ「綾波?」
- 51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 00:22:29.88 ID:PxJSDl2H0
レイ「……もしもし、司令ですか」
アスカ「ちょっ、ファースト!?」
レイ「はい……はい、知人を一人……はい」
アスカ「まさか司令にお願いとはね……まあ、駄目に決まってるけど」
レイ「はい……立ち入りは許可できない、はい……そうですか」
アスカ「ほら見なさい」
レイ「……初号機のコア。彼女の魂。ばーさんと赤木博士。報告。修羅場」
アスカ「は?」
レイ「…………許可がおりたわ」 ピッ
シンジ「なんか途中で呪詛みたいなの呟いてなかった?」
レイ「気のせい」
- 53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 00:24:41.54 ID:PxJSDl2H0
レイ「これで入れるわ」
長門「…………ありがとう」
レイ「いいの」
長門「…………」
シンジ「……ねえ。ねえ、アスカ」 ヒソヒソ
アスカ「何よ?」
シンジ「今日の綾波、ちょっといつもと違うよね」
アスカ「はぁ?どこが?」
シンジ「うーん、僕にも言葉にしにくいんだけど……」
アスカ「ファーストが、ねぇ」
- 63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 00:34:27.80 ID:PxJSDl2H0
ミサト「はぁーあ……寝不足の上にアルコール不足だわぁ」
アスカ「二日酔いならいざ知らず、アルコールが足りなくて具合が悪くなる奴なんてはじめて見たわ」
ミサト「あらアスカじゃない、どったの?」
アスカ「どったも雪駄も無いわよ、今日はシンクロテストの日でしょうが」
ミサト「あーあーあー、そうだったわねー」
アスカ「しっかりしなさいよね、まったく」
ミサト「へいへい……あら、レイ?」
レイ「はい」
ミサト「その隣の子は?」
レイ「…………」
ミサト「ま、まさか部外者を入れたんじゃないわよね?」
レイ「問題ありません。司令の許可もあります」
ミサト「そうなの?」
レイ「はい」
長門「…………」
- 64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 00:38:55.91 ID:PxJSDl2H0
長門「…………」
ミサト「うーん、まあいっか。司令が良いって言ったんなら良いっしょ」
シンジ「ミサトさん、相変わらずアバウトですね」
ミサト「じゃあ、えーっと……」
長門「長門有希」
ミサト「有希ちゃんね。あたしは葛城ミサト、よろしく」
長門「…………」 コクリ
ミサト「あはは、大人しい子ねー。レイみたいだわ」
アスカ「ミサトもそう思うでしょ?なんかファーストが二人になったみたいだわ」
レイ「…………」
ミサト「とりあえずここで待ってて、リツコから説明があると思うから」
レイ「はい」
- 67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 00:44:46.24 ID:PxJSDl2H0
リツコ「……全員、揃ってるかしら?」
ミサト「ちょっち予定より増えてるけど、まあ問題無しねん」
リツコ「来てもらって申し訳ないのだけれど、今日のシンクロテストは中止になったの」
アスカ「はぁ?なんでよ?」
リツコ「本当なら司令が立ち会うはずだったんだけどね」
シンジ「父さん、どうかしたんですか?」
リツコ「……ケージでね。初号機に向かってぶつぶつ謝ってるのよ」
アスカ「何それ、気味悪いわね」
リツコ「レイ、心当たりは?」
レイ「何もありません」
リツコ「……そう」
レイ「…………」
リツコ「定期テストが中止になった以上、またスケジュールを立て直さなきゃいけないわね……はぁ、頭が痛いわ」
- 70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 00:51:12.73 ID:PxJSDl2H0
リツコ「とにかく、今日はもう解散していいわよ……お疲れ様」
プシューッ
ミサト「あーあ、リツコの奴も大変そうねー」
アスカ「なんで他人事なのよ」
ミサト「そうそう、有希ちゃん?」
長門「…………?」
ミサト「あんまり見かけない制服よねー。どこの学校かしら?」
長門「……北高校」
ミサト「んー?この辺りにそんな学校あったかしら……って」
アスカ「はぁ!?高校生!?」
長門「…………」 コクリ
アスカ「……サバ読んでんじゃないでしょうね」
長門「その言葉は心外」
- 73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 00:55:06.68 ID:PxJSDl2H0
レイ「……葛城三佐」
ミサト「んん?なーに?」
レイ「今日は、もう帰宅してもよろしいでしょうか」
ミサト「そーねー、どうせ今日はテストだけのつもりだったし」
アスカ「なに?アンタ、早く帰りたいわけ?」
レイ「…………」
ミサト「それじゃあ、今日はもう上がっちゃって良いわよ。シンちゃーん、今日のご飯も楽しみにしてるからねー」
長門「…………」
レイ「帰りましょう」
長門「…………?」
レイ「…………」
長門「……了解した」
レイ「…………」
- 74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 00:59:25.18 ID:PxJSDl2H0
長門「…………」
レイ「……そう、空腹なのね」
長門「……私は何も言っていないのに、何故」
レイ「わからない。わからないけど、わかるの」
長門「…………そう」
レイ「ここ」
長門「……?」
レイ「このお店。碇くんが、美味しいと言っていたわ」
長門「…………」 ジッ
レイ「カードを貸すのはよくないことだから」
長門「一緒なら、問題無い」
レイ「そういうこと」
- 76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 01:02:19.09 ID:PxJSDl2H0
レイ「……どこに、そんなに入るの」
長門「……?」
レイ「たくさん食べるのね」
長門「…………」 コクリ
レイ「袖が汚れそうよ」
長門「…………」 モゾモゾ
レイ「……ええ、それなら大丈夫ね」
長門「…………」 モグモグ
レイ「…………」
長門「…………」 モグモグ
レイ「美味しい?」
長門「…………」 コクリ
レイ「そう……良かったわね」
- 80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 01:08:00.90 ID:PxJSDl2H0
長門「貴方とは昨日会ったばかりのはず」
レイ「ええ、そうね」
長門「…………」
レイ「不思議ね」
長門「…………」
レイ「もっと、ずっと前から、あなたを知っている気がする」
長門「私という個体もそう感じている」
レイ「…………」
長門「…………」
レイ「……もういいの?」
長門「デザートの追加を所望する」
レイ「……どうぞ」
- 83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 01:11:38.75 ID:PxJSDl2H0
・
・
・
長門「……狭い」
レイ「どうして、そういうこと言うの」
長門「狭いと感じているから」
レイ「このベッドはシングル。仕方ないわ」
長門「…………」
レイ「どうしたの」
長門「自分以外の何者かと寝るという行為に、私は慣れていない」
レイ「私もそう」
長門「…………」
レイ「窮屈ね」
長門「…………」
レイ「でも……嫌じゃない」
- 87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 01:15:23.80 ID:PxJSDl2H0
長門「…………」
レイ「きっと、あなたはすぐにいなくなってしまうのね」
長門「ここは私のいるべき世界ではない。私には観測という役目がある」
レイ「そう」
長門「…………」
レイ「…………」
長門「あなたの役目は……」
レイ「……?」
長門「……何でもない」
レイ「……そう」
長門「…………」
レイ「おやすみなさい」
長門「……おやすみなさい」
- 89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 01:16:24.44 ID:PxJSDl2H0
チュンチュン……
レイ「…………」
レイ「……そう」
レイ「もう、行ってしまったのね」
レイ「…………」
- 92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 01:18:53.89 ID:PxJSDl2H0
シンジ「おはよう、綾波」
レイ「……おはよう、碇くん」
シンジ「あれ?長門さんは?」
レイ「帰ったの。元いた場所へ」
シンジ「そうなの?あっという間だったね」
レイ「……そうね」
シンジ「そういえばさ、長門さんと一緒にいる綾波って」
レイ「?」
シンジ「なんだか、お母さん、って感じがした」
レイ「…………」
シンジ「綾波って、案外主婦とか似合ってたりして」
レイ「……な」
シンジ「?」
綾波「……何を言うのよ」
- 93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 01:21:12.62 ID:PxJSDl2H0
チュンチュン……
長門「…………」
長門「ここは私の自室。日付、2010年2月14日早朝。情報統合思念体とのコンタクト、全て異常なし」
長門「問題なく元の空間へ戻って来たものと思われる」
長門「…………」
長門「……問題なく」
- 95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 01:27:23.54 ID:PxJSDl2H0
ハルヒ「うーん、私はやっぱり似てると思うのよねー」
キョン「お前の言わんとしてることもわかるがな」
ハルヒ「ほらほら、有希もそう思うでしょ!?」
キョン「まさかハルヒ、お前はそれが言いたいがためにDVDを長門に押し付けたのか!?」
長門「…………」
ハルヒ「?」
長門「少し、似ているかもしれない」
ハルヒ「でしょでしょ!」
長門「でも」
キョン「でも?」
長門「……同じでは、なかった」
- 96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 01:28:50.17 ID:PxJSDl2H0
結局何がやりたかったのか、途中から自分でもわからなくなったけど
とりあえずおしまい
- 98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 01:29:42.06 ID:oAs12oXy0
乙
よかったよ
- 104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 01:42:35.12 ID:8EylenWu0
おっつー
よかったよん
- 105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 01:45:21.40 ID:wzgFn69M0
短いけど綺麗にまとまってて良かった
乙!
- 116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 04:06:53.94 ID:KvbHf1l50
>>1いいぞ、このSS好きだ
またやっておくれ
転載元
長門「……綾波レイ?」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1266068675/
長門「……綾波レイ?」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1266068675/
「Amazon」カテゴリのおすすめ
「涼宮ハルヒの憂鬱」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (31)
-
- 2012年12月06日 00:40
- なんだか切ない
-
- 2012年12月06日 01:04
- 不思議な読感、だが嫌いじゃないわ
-
- 2012年12月06日 01:12
- この2人+ルリルリが姉妹で一つ屋根の下で暮らしてるってスレ思い出した
-
- 2012年12月06日 01:16
- ロボットとロボットの邂逅か…恐ろしい程の無機質さだな
-
- 2012年12月06日 01:22
- 悪くない
-
- 2012年12月06日 01:26
- 僅差で長門のほうが好き
-
- 2012年12月06日 01:27
- 素晴らしい…がもうちょっとサービスサービスゥ!して欲しかった
-
- 2012年12月06日 01:34
- いい性格したレイは面白いなぁ
-
- 2012年12月06日 01:49
- 新旧無口キャラ対決の軍配はレイにあがったか…
-
- 2012年12月06日 01:51
- 転校レイと消失長門は180度別人なのにな
-
- 2012年12月06日 01:59
- タバサを仲間外れにするなよ
-
- 2012年12月06日 02:30
- ニコ動であった閉じ込めてみたを思い出した
どっちが先か知らんが
-
- 2012年12月06日 02:32
- ファミマの擬音に納得いかないww
-
- 2012年12月06日 02:40
- 長門の方が可愛いな。一緒に会話してると綾波は性格悪そうに感じる
-
- 2012年12月06日 02:45
- やっぱ本家の方が上か
-
- 2012年12月06日 03:37
- ※14
事実むちゃくちゃ性格悪いしな
赤木ナオコ博士にばーさんってばらして殺されたガキレイは、殺されてもしゃーないと思ったもん
-
- 2012年12月06日 04:42
- お、久しぶりに読んだわこれw
コンパクトにまとまってて読みやすいよな
-
- 2012年12月06日 06:28
- 綾波ってこんな感じだっけ?
-
- 2012年12月06日 08:03
- 長門が相手じゃ綾波がツッコミに回らざるを得ないのか…
しかしアスカのセリフじゃないが、ホント三点リーダの多いSSだなw
-
- 2012年12月06日 10:06
- 淡々としていたが嫌いじゃない
-
- 2012年12月06日 18:42
- 二年前のSSなのか……
淡々としていて、でも、雰囲気の良い内容だった
-
- 2012年12月06日 21:43
- やっぱり綾波はお母さんって感じがする
-
- 2012年12月07日 22:28
- もう少しアホなノリで滅茶苦茶やって欲しかったw けど
いい雰囲気で 悪くない
ちなみに俺はどっちも観て どっちも全部読んでて どっちもあんまし好きじゃないけど
このSSは良いと思えた
-
- 2013年04月08日 11:17
- ハルヒとアスカも性格が似てる
だがアスカのほうがツンが強いぜおい
-
- 2014年03月19日 17:45
- 長門有希の胸が小さいという設定は存在しないんだけどな
-
- 2014年05月25日 04:58
- そういえばハルヒはエヴァをオマージュしたとか言われてたな
-
- 2014年07月22日 21:21
- 最近になってやっと綾波は元々残酷な性質があるって知った
二人目だけは情緒芽生えかけてるけど
-
- 2015年03月20日 08:19
- そういや、長門も軍艦の名前だったか……
-
- 2016年05月17日 14:02
- 良い感じだった!もう少し読みたかった
-
- 2018年08月18日 17:27
- つーか両人とも由来は宇宙人だからな。シンパシーを感じるのは当然か……
-
- 2020年03月10日 17:29
- バレンタインに投稿したんだから少しそのネタも絡めて欲しかった
だが面白かった
修正不要