王様「お主には辺境村の再興を頼む」隊長「なにそれこわい」
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- 2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 19:25:19.07 ID:XJyH3XPk0
王様「最近魔王軍との交戦が激しくなっておるのは知っておるじゃろ」
隊長「……まあ」
王様「勇者がおるとはいえ 油断は出来ぬ状況じゃ」
隊長「それもわかりますけど」
王様「だから辺境村にお主を送り あそこの土地を守って欲しいのじゃ」
王様「出来たら村の再興もお願いしたい」
隊長「わかりました 頑張ってきます」
王様「これは心ばかりの餞別じゃ」
隊長は50Gを受け取った
⇒クリスマス?なにそれ?美味しいの?- 3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 19:28:10.54 ID:XJyH3XPk0
隊長「50Gとか意味分からない 薬草数個しか買えない」
隊長「ってか辺境村って魔界との国境沿いにあるっていっても辺境で」
隊長「戦略的には全く必要ない土地だから人間も魔族もガン無視で」
隊長「今は完全な廃墟になってる土地だよな……左遷オワタ」ハァ
辺境村
隊長「とりあえず作物の種とか買って来たけど」
ボローン
隊長「かろうじて住めそうな家が二、三軒と荒れ果てた土地」
隊長「無理ゲーすぎ泣ける」
辺境村 現在村人一人
- 4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 19:33:33.64 ID:XJyH3XPk0
隊長「ここから最寄の街まで歩いて二日 食料はポケットマネーで買い足すとして」
隊長「今日は家の掃除と畑を耕すか」
ザックザック
隊長「これなら鬼教官にしごかれていたあの頃の方が幾分かマシだよね」ザックザク
隊長「戦友と仲良く話したりとか」ザックザク
隊長「一人とかマジで心折れそう」ザックザク
隊長「とりあえずこれでいっか 芋とか人参 それに麦の種を植えてと……」パラパラ
隊長「どれぐらいで芽が出るのか……次は家の掃除だな」
隊長「前に住んでた人の家 中はボロボロだけど掃除すればなんとか……」
隊長「一体 どうすれば住人が増えるのか」フキフキ
隊長「というより 俺はいつになったら国に帰らせてもらえるのか」サッサッ
隊長「……寝よう」
- 7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 19:37:48.32 ID:XJyH3XPk0
ガタガタッ
隊長「――!?」ビクッ
隊長「風の音? 一人とか本当に心細いんだけど」
????「」グッタリ
隊長「なんか髪の長い女の人が倒れてる」
隊長「幽霊か 幽霊なのか?」
隊長「特徴的な犬歯 目は血のように真っ赤」メアケ
????「」クパァ
隊長「どう見ても吸血鬼の魔族です どうもありがとうございました」
隊長「傷だらけだしどう見てもわけありっぽいんだよなぁ」
隊長「」
- 9: 忍法帖【Lv=17,xxxPT】 【18.3m】 :2011/11/07(月) 19:40:04.59 ID:IO7zr8nK0
クパァやめれwww
- 10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 19:40:39.58 ID:XJyH3XPk0
???「おい! この家に明かりがついてるぞ」
???「失礼する!!」
隊長「どうしたんですか?」
???「この辺りに女が来なかったか?」
隊長「先ほどこの家に迷い込んできましたけど……」
???「こちらに渡してもらおうか」
隊長「そちらの人 なにかしたんですか?」
???「キサマには関係ない 大人しく渡せばそれですむ」
隊長「そうですか ……五人 丁度いいかな」
???「なんだキサマ……おい!?」
隊長「」
- 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 19:44:54.00 ID:XJyH3XPk0
謎女「」ガバッ
隊長「あっ! 起きましたか?」
謎女「ここはどこだ!?」スカッ
隊長「辺境村です それと刀は没収しました」
謎女「そうか……いや! ここに追っ手が来なかったか!?」
隊長「追っ手?」ハテ
謎女「五人ぐらいの屈強な男たちだ!!」
隊長「さあ? 来なかったけど」
謎女「……そうか」ハァ
謎女「家主 世話になった」ペコリ
隊長「いいですよ 困ったときはお互い様だし」
謎女「私はこれにてしつれ――くっ!」バタリ
隊長「酷い怪我なんだから寝ていてください」
- 13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 19:47:47.90 ID:XJyH3XPk0
謎女「重ね重ね失礼をかける」
隊長「いいですよ それとこの村 俺一人しか住んでないですから」
隊長「いたかったらいつまででもいてくれていいです」
謎女「そういうわけには……」
隊長「吸血鬼が追われてるってことは相当なんでしょ」
謎女「――!?」
隊長「あぁ! 別になにかしようってわけじゃないですから!!」
隊長「ただいきなり背中から襲ってくるのはなしで」
謎女「……」
隊長「それじゃあ俺は畑に行って来ます」
隊長「丁度いい肥料が手に入ったんで」
- 16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 19:52:05.32 ID:XJyH3XPk0
隊長「大変なことになった マジヤバイ」
隊長「昨日植えた種から既に野菜が出来てる」
隊長「初心者の俺でもわかるよ おかしいって」
隊長「しかもなんか人の顔っぽいのが浮かんでて叫んでるし」
人面人参「ギャーーーギャーーー!!」
人面芋「グェーーーーッ!!」
隊長「やっぱり肥料が駄目だったのか」
隊長「これ食えるのかな……」
隊長「」
- 19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 19:55:50.88 ID:XJyH3XPk0
隊長「お昼ごはんです」
謎女「これは……」
隊長「野菜スープ それ以上でもそれ以下でもない」
謎女「家主の分がないようだが」
隊長「俺は後で食べるから先にどうぞ」
謎女「重ね重ね感謝します」ズズズー
謎女「美味しい この村で採れた野菜を使ってるんですか?」ズズズー
隊長「まあ……(味は問題なしと)」
謎女「それと先ほど外で他の人の声が聞こえた気がするんですが」
謎女「他にも人がいるんですか?」
隊長「きっとそれは野菜の精霊的ななにかです」
- 21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 19:59:35.60 ID:XJyH3XPk0
隊長「ところで提案なんだけど」
隊長「もし行くところがないならこの村で住んでみない?」
謎女「流石にそこまで世話になるわけには……」
隊長「もちろん 仕事はしてもらうし家はどこか適当な家を掃除して使ってもらうけど」
隊長「今は猫の手も借りたい状況だしさ」
謎女「それだったら……お願いします」ペコリ
隊長「じゃあ君は今日から副官ちゃんで」
謎女「副官……?」
隊長「俺一応軍属だからさ 隊長の傍らには副官でしょ」
副官「そういうものなのでしょうか?」
隊長「そういうものです」
- 25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 20:05:18.85 ID:XJyH3XPk0
隊長「それと刀は返しておくね」
副官「……いいんですか? こんな素性も明かさない女に武器なんて返して」
隊長「いいんじゃない どうせ畑仕事なんかしたら邪魔なだけだし」
副官「わかりました よろしくお願いします隊長」
隊長「とりあえず 吸血鬼って外歩いても平気なの?」
副官「フードを被っていれば特には 直接日光を浴びるとマズイですけど」
隊長「それなら大丈夫か これ桑ね 張り切って畑耕そう!!」
副官「わかりました」ギュッ
副官「これでいいですか?」フゥ
隊長「吸血鬼のパワー侮ってた 俺の半分の時間で耕し終わるとは」
- 26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 20:08:27.10 ID:XJyH3XPk0
隊長「じゃあ今日の作業は終了で」
隊長「副官の家を選びに行こうか」
副官「それについてですけど……隊長の家に置いてくれませんか?」
隊長「なん……だと……?」
副官「別にやましい気持ちがあるわけではないんです!!」
副官「ただ一人は苦手で……」
隊長「まあ俺も一人は寂しいって思ってたし プライベートは0だけどそれでいいなら」
副官「ではよろしくお願いします」ペコリ
辺境村 現在村人二人
- 30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 20:15:13.11 ID:XJyH3XPk0
隊長「副官ちゃんも作業に慣れて来たよね」
副官「いえ 隊長の指導がいいので」
隊長「そんなことないよ 作業効率的には副官ちゃんには勝てないし」
副官「いえいえ」
隊長「こうやって土砂降りだとやることないけどねー」
パシャパシャ
隊長「とりあえず 明日あたり晴れたら雨漏りの補強をしないと」
副官「凄い雨ですね」
隊長「このあたり雨が多いから村人も増えないんだけどね」ハァ
トントントン
隊長「お客さん?」
副官「敵かもしれません」チャキ
隊長「雨宿りしにきただけじゃないの」ガララ
???「いやありがとう 急に雨が降り出してしまってね」
- 33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 20:22:16.39 ID:XJyH3XPk0
???「おっと 夫婦二人の仲を邪魔してしまったかな」
副官「ふ! 夫婦だなん――」
隊長「違うんで安心してくつろいでください」
???「いや ありがとう 私の名前は弓という 職業は何でも屋だ」
隊長「何でも屋?」
弓「基本は弓を使った狩りや傭兵業 後はまあ色々やるよ」
副官「こちら野菜スープです」
弓「ありがとう」ズズズー
弓「へぇ こんな美味しいスープは初めて飲んだ」
副官「この村で採れた野菜なので……」
弓「しばらくこの村に滞在するのもいいかもしれないね」
副官「なっ!?」
- 35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 20:25:01.65 ID:XJyH3XPk0
隊長「それはいい! っていうかずっといていいよ」
副官「隊長! この人がスパイだとしたらどうするんですか!?」
弓「こんな辺境の村にスパイなんて来てどうするというんだね」
副官「それは……」
弓「それに生きていく上で肉は必要になるだろう」
弓「家畜がいないのなら しばらくは私が肉を狩って来てもいいしね」
隊長「副官 彼は即戦力だ」
副官「隊長がそれでいいならいいんですけど」
弓「それではよろしく頼む それと誤解があるようだが私は女だ」
隊長「」
副官「」
- 39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 20:30:11.08 ID:XJyH3XPk0
隊長「土砂降りだからどうかと思ったけど」
隊長「母さん 今日も畑は無事です」
弓「無事というより 水はけもしてないのに全く野菜が死んでいないとは……」ヒクッ
副官「それと昨日あなたが食べた野菜はこれです」
人面人参「ギャーーーギャーーー」
弓「これは珍しい野菜だね 売り出すなら加工して売り出すのがいいか」ブツブツ
隊長「それと弓さんも早めに家を選んでね 雨漏りの補強をするから」
弓「わかったよ 私は早速狩りに行ってくるがね」
副官「では私も着いて行きます」
隊長「副官は畑のほ――」
副官「」ギロッ
隊長「いってらっしゃい」ガクガクガク
- 40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 20:33:46.28 ID:XJyH3XPk0
弓「狩りは一人気ままにやるものだと思うんだがね」
副官「監視の意味も込めてますから」
弓「随分と嫌われたものだ 私が君になにかしたかい?」
副官「あなた 魔族ですね」
弓「……」
副官「それも獣系統の」
弓「そういう君も吸血鬼じゃないか」
副官「私は……ッ!!」
弓「別にいいだろう 姿形は人間なんだし」
弓「それに危害を加えようとしているわけじゃない」
弓「なにかしたら君の剣で斬ればいいさ」
副「……くっ!!」
- 42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 20:38:35.36 ID:XJyH3XPk0
弓「それとも愛しの隊長さんと二人になれなくて怒ってるとか?」
副官「なっ!?」チャキ
弓「照れ隠しで斬るのは止めてくれよ」
副官「斬りません!!」
弓「さて 狩りを続けようか」スッ
弓「弓を射るのに必要なのは風を読み取る力だ」
弓「それさえあれば……」バシュッ
ピヨーーーーー!!
弓「こうして飛んでいる鳥を落とすのも難しくはない」
副官「やたら弓の使いが上手いんですけど 軍にいたことがあるんですか?」
弓「それはお互い様だろう」
- 44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 20:44:16.40 ID:XJyH3XPk0
隊長「お帰り! どうだった!?」
弓「野鳥が二匹に鹿が一匹 血抜きまですませてきたよ」
隊長「ありがたいありがたい 干し肉だけの生活とはこれでおさらばか」
弓「調理までは私がやろう これでも野宿生活には慣れてるからね」
隊長「おねがいしゃーっす!!」
副官「……」ブスー
隊長「副官ちゃんどうしたの? 機嫌が悪そうだけど」
副官「なんでもありません」ザクッザクッ
隊長「痛い!? 刀で刺さないで!!」
副官「薄皮一枚なので死にません」
- 46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 20:48:15.09 ID:XJyH3XPk0
隊長「ご馳走様でした!!」
弓「お粗末様 それでは私はそろそろ家に帰らせてもらうよ」
隊長「火はそこから取ってって」
弓「ありがとう なにしろ鳥目でね 夜道が苦手なんだ」
弓「それにあまり居過ぎると誰かに刺されかねないからね」
副官「」ギロリ
弓「ではまた明日……」
ガラッ
隊長「それで副官ちゃん 今日は機嫌が悪いみたいだけどどうしたの?」
副官「隊長は……私にも弓さんにもここに来た経緯を聞かないんですね」
隊長「まあそんなに気にしてないから 俺も色々な事情があったわけだし」
副官「もう少し興味をもってくれてもいいじゃないですか」ボソリ
隊長「じゃあ副官ちゃんはどうしてここに来たの?」
- 48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 20:53:56.57 ID:XJyH3XPk0
副官「私は魔王軍の吸血鬼部隊に所属していました」
副官「そこでの私はかなりの出世頭で」
隊長「上の人間に嫉妬されたとか?」
副官「私の元隊長から更に上の人間と寝るようにいわれました」
隊長「」
副官「それを拒否したら仲間から追われてこの村に……」
隊長「えっとなんていうかさ……」
副官「いえ これはすべて私が撒いた種――」
隊長「良くある話だね」
副官「」ザクッ
隊長「だから痛いよ!!」
- 52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 20:58:19.80 ID:XJyH3XPk0
隊長「まあ副官ちゃんの今の隊長は俺だし」
隊長「俺はまあそんな命令しないからいいんじゃない」
副官「……そうですね つまらない話をして申し訳ありませんでした」
隊長「いいよいいよ 副官ちゃんのことが知れたんだし」
副官「ありがとうございます」
隊長「それじゃあ寝よっか」
副官「隊長 つまらないついでに一つお願いがあるんですが」モジモジ
隊長「どうしたの?」
副官「吸血鬼の主食がなにか知っていますか?」
隊長「血だったっけ」
副官「ここに来てからずっと血を吸ってなくてその……」
隊長「俺の血が吸いたいって?」
副官「」コクリ
- 55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 21:03:22.11 ID:XJyH3XPk0
隊長「血を吸われたからって死ぬことはないんだよね」
副官「少しチクリとくるぐらいです」
隊長「それならいいよ」スッ
副官「では……」カプッ
副官「」チューチュー
隊長「」
副官「」チューチュー
隊長「」
副官「ありがとうございました」
隊長「うん 美味しかった?」
副官「……はい
- 56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 21:06:37.76 ID:XJyH3XPk0
隊長「じゃあお休み」
隊長「すぅすぅ」zzzz
副官「隊長 ありがとうございます」
副官「あなたは私の剣に代えて守りますので」
副官「今は安心して休んでください」
翌日
隊長「そろそろ野菜を売りに行こうと思います」
弓「この人面野菜 毎日ペースで収穫出切るからね」
隊長「でもこのままだと恐らく売れません」
副官「変な喚き声あげてますし それに切ると悲鳴をあげますから」
隊長「だから上手く売る方法を各自考えてください!!」
- 61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 21:13:04.13 ID:XJyH3XPk0
弓「見た目はともかく 味は悪くないからね」
副官「加工して街まで運ぶ方法ですかね」
弓「それなら漬物がいいかな」
隊長「いくつか在庫があるからそれを売ってもいいし」
弓「それに私が少しなら冷凍の魔術を使えるからあちらに持って行って料理にしてもいいしね」
隊長「そういえば 俺は魔法の才能ないけど二人は使えるの?」
弓「私は初級呪文を少々ね」
副官「私は才能自体ないので」
隊長「まあ今のところは魔法を使う機会がないからいっか」
隊長「いつか魔法使いを呼べたらいいんだけど」
弓「そのためには野菜を売り込まないとね」
- 65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 21:21:52.83 ID:XJyH3XPk0
隊長「とりあえず弓さんの魔法で野菜を保存しながら運ぶと」
副官「私が前を守りましょう」
弓「私が後ろだね」
隊長「俺は台車係りと まあ野菜なんて盗まれようがないんだけどねー」
盗賊「その荷台の荷物を置いていけ!!」
隊長「なにそれこわい」
副官「全く 隊長がフラグを立てるから」チャキ
隊長「えっ! 俺の責任なの?」
弓「20人ぐらいか まあなんとななるかな」スッ
隊長「ならないよね 相手盗賊だよ」
盗賊「なにごちゃごちゃ話してんだ!! 行くぞ!!」
副官「来い!!」
弓「蜂の巣になりたい人から来るんだね」
隊長「挑発しないでお願い」
- 68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 21:29:55.47 ID:XJyH3XPk0
副官「隊長忘れたんですか? 吸血鬼は一人で人間十人分は働くんですよ」チャキン
隊長「マジ速い 一瞬で五,六人倒すとか」
弓「私の弓からは逃れられませんよ」バシュッ
隊長「しかも打ち漏らしなく弓さんが残りを撃ってくし」
副官「盗賊程度で私たちが止められると思っているんですか?」
弓「せめて勇者ぐらいは連れてきてくれないと」
盗賊1「おい! お頭呼んで来い!!」
盗賊2「お頭!! 超ヤバイ連中です! お頭!!」
???「なんだてめーら そんな小さい奴も倒せないのかよ」ヌッ
副官「」
弓「」
隊長「身長二メートルはある筋肉隆々の女の人出てきた」ガクガクガク
- 71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 21:34:02.15 ID:XJyH3XPk0
副官「鬼族の魔族なんでしょうけど……」
弓「確かに鬼族は巨体が多いけど あれは規格外だろう」
鬼「おっ! 良い女がいるじゃねえか」ジュルリ
副官・弓「「」」ゾクゾクッ
鬼「俺が勝ったらこの二人は俺のもんだ」
副官「なにを勝手なことを!!」
鬼「盗賊は奪ってなんぼ 嫌がっても無理矢理やらせてもらうぜ」
副官「戯言を!!」チャキン
鬼「威勢がいいな 来いよ」ブォン
隊長「軽く振っただけで木が真っ二つに圧し折られるとか」
- 74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 21:40:47.79 ID:XJyH3XPk0
副官(速い!?)キィン
鬼「おいおい最初の威勢はどうした!!」ブォンブォン
盗賊1「流石お頭!!」
盗賊2「頭は緩いけど実力は凄いぜ!!」
隊長「弓さんは参戦しないんですか?」
弓「あの筋肉だと恐らく私の弓はマトモに刺さらないからね」
弓「副官さんが勝てたらいいんだけど」
鬼「もらったぁああああああ!!」ブォン
副官「くっ!!」
ドゴォオオオオン
鬼「おいおいもう終わりかよ」
副官「やはり昼だと万全の力が出せない……」
弓「まあこうなるよね」
- 76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 21:47:42.91 ID:XJyH3XPk0
鬼「アンタは抵抗しないのかよ」
弓「私は勝てない戦いはしない主義でね」
鬼「それでアンタは?」
隊長「俺は非戦闘要員なので」
鬼「そうか とりあえず男はいらねーや」
隊長「えっ!? 俺の戦いはこれまでだってやつ?」
隊長「ちなみに聞くけど女の子二人はどうするの?」
鬼「二人とも俺のもんだからな 壊れるまでは使ってやるよ」
隊長「それは困るんだけど 二人とも大切なウチの子だし」
鬼「今から死ぬ人間がなに言ってんだよ」
隊長「だよねえ」ハァ
副官「隊長には手は出させません!!」チャキ
- 79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 21:53:34.61 ID:XJyH3XPk0
鬼「吸血鬼か……確かに回復能力は高いが」
副官「」ハァハァ
鬼「こんな太陽がサンサンと照りつけている中じゃ その自慢の回復能力も半減以下だろ」
副官「」キッ
鬼「いいね その顔!!」
隊長「あの~一ついいですか」
鬼「なんだよ! 今良いところだから邪魔すんな!!」
隊長「腕が落ちてましたよ」ホラ
鬼「ありがと――なんじゃこりゃああああああ!?」ポタポタ
隊長「今度は鬼の肥料か 良い野菜が出来そうだ」チャキ
- 87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 22:01:21.94 ID:XJyH3XPk0
鬼「いつ俺の腕を切り取った!?」
隊長「さっき話している時だけど」
弓「隊長さん 一つ聞きたいんだけど」
隊長「なにー?」
弓「その……短刀であの鬼の腕を切ったのかい?」
隊長「まあ短刀なんだけどね 家の家宝なんだ」
隊長「曰く勇者のスプーンと魔王の短刀 スプーンは魔王領にあるらしいけど」
隊長「短刀はこうして俺が使ってるわけ」
鬼「伝説の武器がどうした! そんなもの当たらなきゃ」
隊長「当たるよ 少なくとも魔王親衛隊の一人 空戦姫ぐらい速けりゃ別だけど」
隊長「まあわかってることは これで畑が潤うってことだけど」
- 93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 22:06:32.94 ID:XJyH3XPk0
鬼「許してください」ドゲザ
隊長「案外速かったね 副官ちゃん どうしようか?」
副官「持ち運びが面倒なので許してもいいかと」
隊長「まあ副官ちゃんが言うならいいか」
隊長「それと腕とか足はくっつけとけば治るんじゃない」
隊長「鬼族って結構頑丈だし」
盗賊1「お頭! 足を!」
鬼「すまねぇ」
隊長「ところで君たち 頼みがあるんだけど」
鬼「……なんだよ」
隊長「街までこの野菜運んでくれない?」
鬼「」
- 95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 22:11:18.52 ID:XJyH3XPk0
街
隊長「行きは楽に着いたね」
弓「私たちは荷台に乗ってるだけだったから楽さ」
鬼「隊長さん! アンタに頼みがある!!」
隊長「盗賊の新しい頭になって欲しいって方向ならなしで」
鬼「」
副官「当たり前です! 隊長は私たちの隊長なんですから私たちの」
弓「何気に私たちを二回言ったね」
隊長「でも……村人としてならいーよ 男手が欲しかったし」
鬼「お願いします!!」
盗賊‘S「「お願いしやーっす!!」」
隊長「一気に村人が21人+された」
辺境村 村人24人
- 99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 22:17:55.65 ID:GSuYSMm50
鬼の性別はどっちなんだ?
筋骨隆々の女って言ったり、男手が欲しいって言ってたり
- 103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 22:27:17.86 ID:Z21xYLO60
>>99
頭は女で手下は男なんじゃね
- 100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 22:18:25.36 ID:XJyH3XPk0
隊長「じゃあ俺たちは野菜を売ってくるから他の人は自由行動で」
副官「では行きましょうか」
弓「あぁ」
鬼「よっしゃ行こうぜ!!」
副官「なぜあなたも着いてくるんですか?」チャキ
鬼「いいじゃねえか 用心棒としては申し分ないだろ」
鬼「アンタにも勝ったんだし」
副官「チッ!」
隊長「いいんじゃない 荷台引いてくれる人が欲しかったし」
鬼「おう! 任せろ!!」ガラガラ
副官「全く 隊長も少しは危機感というものを……」
弓「それが彼の良いところじゃないか」
弓「そこに君も私も惹かれたんだろう?」
副官「まあ……私も?」
- 102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 22:25:17.10 ID:XJyH3XPk0
店主「それをすてるなんてもったいない!!」
隊長「どうしても駄目? 結構美味しいんだけど」
店主「それをすてるなんてもったいない!!!!」
隊長「買取拒否が三軒目か」
副官「最後の店主は明らかに頭がおかしかったですけど」
弓「まあ漬物や野菜の売り込みは難しいからね」
鬼「ったく なにが原因なんだ」
副官「一割ぐらいにあなたの巨体があると思いますけど」
鬼「なに!? お前のその仏頂面も原因の一つだろうが!!」
副官「なにを!!」
鬼「やるか!?」
隊長「次はあそこにいこっか」
弓「隊長さんは暢気だね」
- 105:>>103 そんな感じ:2011/11/07(月) 22:30:09.90 ID:XJyH3XPk0
商人「野菜の売り込み どこ産の野菜?」
隊長「辺境村です」
商人「あそこまだ人住んどったん?」
隊長「信じられないと思うけど住んでる」
商人「ふ~ん アンタは軍服着てるけど軍人さん?」
隊長「隊長っていうんだけど」
商人「隊長? まあええわ ウチで全部引き取るよ」
隊長「マジですか?」
商人「変な形しとるけど品質に問題なさそうやし」
弓「隊長さん 値段の交渉は私がしてもいいかな」
隊長「いいよ 俺は相場とか知らないし」
- 106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 22:33:33.91 ID:XJyH3XPk0
商人「こんな値段でええかな?」
弓「買い取ってくれる好意には感謝するが 量が多いのだからもう少し多めにしてもらいたい」
商人「だったらこれぐらい?」
弓「まあこれぐらいだろう 隊長さんはこれでいいかな?」
隊長「弓さんがいいと思ったならいいよ」
弓「じゃあこれで取引き成立だね」
商人「まいど!」
商人「ところで兄さん オススメの商品があるんやけどどう?」
弓「オススメ?」
商人「兄さん弓を使っとるみたいやん」
弓「どうしてわかったんだい?」
商人「その指だこ 弓を使ってる人特有のものやからな」
弓「なるほど 良く気付いたね」
- 109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 22:40:32.80 ID:XJyH3XPk0
商人「帝国で採用されとる狙撃銃なんやけど」
弓「へぇ 人間も面白いものを作るね」
商人「最大射程は500mほど お買い得やでぇ」スリスリ
弓「私はいいよ どうも手に馴染んだ武器以外使う気にならなくてね」
商人「勿体無いなあ 今はどこも銃の時代やん 最近は魔族もつかっとる言うし」
弓「私は古い人間でいいんだよ」
隊長「買ってもいいと思うけど」
弓「それよりも私はそこの髪飾りの方が欲しいね」
商人「これ? 安物やけど品質は保障するよ」
隊長「これぐらいの値段なら俺が買ってあげるよ」
弓「いいのかい?」
隊長「弓さんにはお世話になってるしね」
弓「ありがとう 大切に使わせてもらうよ」ギュッ
- 111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 22:46:32.84 ID:XJyH3XPk0
隊長「それと作物の種も頂戴」
商人「また贔屓にしてください」
隊長「おk」
隊長「ところで鬼と副官ちゃんは……」
弓「さっき外で戦ってくるって」
隊長「まあ夕方には帰って来るでしょ」
隊長「先に宿でもとってよ」
弓「あぁ」
宿主「お二人さんですか?」
隊長「団体で 二十四人」
宿主「はい こちら部屋の鍵になるので……」
隊長「おk」
- 115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 22:53:34.23 ID:XJyH3XPk0
弓「ところで隊長さん あなたは私にあんな場所にいた理由を聞かないのだな」
隊長「何でも屋であそこにいたんじゃないの?」
弓「迷い込みでもしない限り あんな村には行かないよ」
隊長「」
弓「少し昔話をしたいんだ 聞いてくれるかな?」
隊長「いいよ 今暇だし」
弓「隊長さんも知っていると思うんだが 私は魔族だ」
隊長「えっ! そうなの!?」
弓「もしかして……今まで知らなかったのかい?」
隊長「いや パッと見人間だし」
弓「まあそれは仕方ない 私は鳥獣族」
弓「いわゆるハーピーなどと一緒の一族なんだ」
隊長「でも鳥獣族って翼がなかったっけ」
弓「それなんだけど……」
- 117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 23:00:10.57 ID:XJyH3XPk0
弓「私の一族は風を読む力」
弓「そして空を制して有利にする力で戦場で力を発揮する一族なんだ」
隊長「まあ空へ飛ばれたら攻撃手段なんて限られるし」
弓「私も戦場に出ていたんだが ある日 銃で羽を撃たれてね」
弓「両羽とも駄目になっていて 医者にどちらも切り取られてね」
隊長「」
弓「飛べなくなった鳥がどういう末路を辿るか知っているかい?」
弓「私の一族は木の上に巣を作るからね 飛べない私は家にも帰れなくなった」
弓「ホント言うと あの日私は死ぬつもりだったんだ」
弓「隊長さんや副官ちゃんに出会って気が変わったがね」
隊長「う~ん まあいいんじゃない 飛べないからといって死ぬわけじゃないし」
隊長「そもそも辺境村の人間 みんな飛べないしね」
弓「全くそうだね つまらない話を聞いてくれてありがとう」
- 122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 23:09:51.63 ID:XJyH3XPk0
弓「じゃあ私は自分の部屋に戻るよ」
隊長「副官ちゃんと鬼の三人部屋か 頑張れ!!」
バタン
弓「でもね あなたが鬼に対して私のことをウチの子って言ってくれたのは嬉しかったんだ」
弓「私の新しい巣はここだって思えてね」
弓「あなたが必要としてくれる限り 私は全力を尽くさせてもらうよ」
副官「」ブスー
隊長「夕飯が済んで いきなり俺の部屋に来て不機嫌とはいかに?」
隊長「もしかしてまた鬼に負けたの?」
副官「」ザクッ
隊長「だから無言で刺すの止めて!!」
副官「それもありますけど なんか弓さんと仲が良いと思いまして」
隊長「そうかなぁ?」
- 125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 23:14:39.57 ID:XJyH3XPk0
弓「隊長さん これも食べてみないかい」ハシ
隊長「じゃあ貰おうかな」
弓「あーん」ヒョイ
隊長「うん 美味しい」モシャモシャ
弓「それは良かった」
副官「」
隊長「普通じゃない?」
副官「普通ではありません!!」
隊長「まあそれはいいけど 血でも飲む?」
副官「…………飲みますけど」ボソッ
- 130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 23:22:37.19 ID:XJyH3XPk0
副官「」カプッ
副官「」チューチュー
隊長「」
副官「プハァ 今日もありがとうございました」
隊長「いいよいいよ」
副官「マーキング」ボソッ
隊長「なにか言った?」
副官「コホン なにも言ってません」
隊長「そう? じゃあお休み」
副官「また明日 起こしに来ます」
翌日
副官「」
弓「」
隊長「すぅすぅ」zzz
鬼「ぐぅぐぅ」ギュー
- 134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 23:30:52.25 ID:XJyH3XPk0
副官「確か鬼さんは昨日私たちと寝ていた気がするんですけど」ピクピク
弓「それがいつの間にか隊長さんの部屋にいるとはね」ピクピク
副官「しかも鬼さんは裸というのはどうかと思います」チャキ
弓「抱きついて寝ているのは倫理的に駄目だと思うんだ」スチャ
隊長「起こしに来てくれるとは言ってたけど まさか暴行を食らうとは思わなかった」
副官「それは仕方ありません」
隊長「仕方なくありません」
副官「それに鬼さんも鬼さんですよ みだりに男の部屋に入ってはいけません」
鬼「えぇーーーッ!! 別に盗賊たちの部屋で一緒に寝たりしてたぞ」
弓「そんな山猿みたいな生活をしているのは君たちだけだ」
弓「普通はそんな風に寝ないんだよ 襲われたらどうするんだ」
鬼「別に俺は隊長になら襲われてもいいけど」
副官「」
弓「」
- 139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 23:38:15.39 ID:XJyH3XPk0
鬼「だって俺より強い男なんてそうはいないし」
副官(そうだった 鬼族は総じて馬鹿ばかり)
弓(ある意味馬鹿なこの人が一番の敵かもしれない)
鬼「ところで男がいないけど?」
副官「」
弓「」
隊長「朝食美味しい」モシャモシャ
隊長「買い物は終わってるし 今日出れば明後日には村に着くな」
隊長「村人も増えたし忙しくなりそうだ」モシャモシャ
- 143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 23:44:19.70 ID:XJyH3XPk0
隊長「じゃあ街を出るよー」
鬼「結構な荷物だよなあ」
盗賊1「俺たちが運んでいくんで安心してください!!」
盗賊2「そうっすよ!!」
隊長「じゃあ荷物は任せてしっぱーつ!!」
隊長「むらついた しょーとかっと」
副官「なにを言っているんですか?」
隊長「なにを言っているもなにも もっと大変なことが起こってる」
人面獣「グォーーーーッ!!」
隊長「野菜が巨大なボスになってる展開」
弓「あれも食べられるのかな」
副官「馬鹿なこと言ってないで戦いますよ!!
- 150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/07(月) 23:52:36.23 ID:XJyH3XPk0
弓「ぶっちゃけ 私の炎魔法で燃やせたんだけどね」
隊長「今度から街に行くときは誰か残していこう」
副官「それでは盗賊さんたちの家を分けていきましょう」
副官「明らかに損傷が激しい家は後で改装ということで」
弓「そうなると私の家も一人で使うのは忍びないね」
副官「全然忍びなくないので他の男と一緒に暮らしてください」
弓「隊長さんさえ良かったらどうだろうか あなたの家に住まわせてもらっても」
鬼「俺も隊長の家でいいぜ」
隊長「別にいいんじゃない」
副官「」
- 157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 00:01:20.33 ID:7ve2sJdN0
隊長「疲れてると思うけど今日は家の掃除なんかをみんな頑張って頂戴」
副官「とりあえず野菜は今なっている分だけは収穫しましょう」
隊長「だよね 後でまたボスになられると困るし」
鬼「俺も手伝うぜ!!」
隊長「期待してる 超期待」
弓「鬼は力強そうだからね」
盗賊1「お頭があんなに良い笑顔を……」
盗賊2「恋をすると女って変わるんっすね 元から顔は美人だし」
盗賊3「まあ統合すると隊長氏ねってことで」
盗賊1「3で終わってた」
盗賊2「3以上に言うことはない」
- 162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 00:05:07.00 ID:7ve2sJdN0
隊長「今日も良い仕事をした!!」
弓「肉もあるし野菜もあるから一応 生活には困らないだろうね」
副官「隊長少し相談なんですが」
隊長「どうしたの?」
副官「辺境で戦略的価値がないとはいえ ここは一応魔界との国境ですから」
副官「物見やぐらを建てて監視を置いた方がいいかと」
隊長「そっか 鬼みたいな盗賊がいないとも限らないし」
鬼「いやあ えっへへ」テレ
弓「別に褒めてないよ」
副官「では明日は人員を割いて物見やぐらを作るということで」
- 168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 00:12:38.37 ID:7ve2sJdN0
副官「そういうわけで 今日は物見やぐらの建造を行います」
みんな「「はーーーい!!」」
副官「とはいえ 人数が多いので家の雨漏り補強 耕し 建造の三チームで」
副官「隊長は雨漏りの補強で 一番経験豊かなので 隊長チームと」
隊長「おk」
副官「弓さんと鬼さんは耕しの方を 経験と力 2000万パワーズです」
弓「欲をいえば隊長さんと同じチームが良かったが仕方ない」
鬼「力仕事なら任せろよ!!」
副官「私は建造です 消去法ですけど」
副官「ですが私は盗賊さんたちの得て不得手がわかりません」
副官「なのでまずは自分に向いてそうなチームに行って そこから人数減らして決めます」
隊長チーム 3人
2000万パワーズ 17人
副官チーム 0人
隊長「深刻なイジメ発生です」
副官「」
- 177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 00:23:16.74 ID:7ve2sJdN0
隊長「はいはい! みんなどうして副官チームに行かないか正直に言って!」
隊長「隊長ここだけの秘密にするから」
盗賊1「正直 仏頂面で怖い雰囲気があるというか 俺前に斬られたし」
盗賊2「失敗したらネチネチと言われそうだよな」
盗賊3「弓さんは仕方ないとして それより絶壁だから」
盗賊1「今日も3が終わらせるとかwwwwww」
盗賊2「3さんの人気に全俺が嫉妬っす」
隊長「3は出来る子だと思ってた」
副官「では2000万パワーズから10人程借りてくると」カキカキ
盗賊1「副官さんは裏表のない素敵な人です」ボロボロ
盗賊2「副官さんマジ優秀!!」ボロボロ
盗賊3「副官さんにならお尻を掘られてもいい」ボロボロ
隊長「なんで俺まで……」ボロボロ
- 184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 00:32:47.15 ID:7ve2sJdN0
副官「角材などは切り落として使ってください」
副官「寸法通りに切らなかったらあなた方が土台になると思ってください」
盗賊1「マジこえーわ あの人本気だぜ」
盗賊2「恐怖で全員が一体になる 胸が厚くなるな 胸だから!!」
盗賊3「正直 副官さんになら切られたい」
盗賊1「3には絶望した」
盗賊2「3はいい加減に氏ね」
副官「黙ってやりなさい」チャキ
盗賊1「しゃーーー!! 気力+10!!」
盗賊2「ふくかんさんまじすてきっす」
盗賊3「副官さん……」
- 193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 00:41:12.27 ID:7ve2sJdN0
鬼「畑仕事も案外面白な!!」ザックザク
弓「君は進行上の岩も壊しながら進んでるから楽だろうね」
弓「ところで一つ聞きたいんだけど」
鬼「なんだー?」
弓「街で言っていた隊長さんが好きだって話 どこまで本当なんだい?」
鬼「好きなら子供作るんじゃないのか?」
弓「まあ君たちの判断基準ならね」
鬼「強い奴の子供を作る その子供は強くなる なにかおかしいのか?」
弓「あー まあそれでいいんじゃないかな」ハァ
鬼「でも今まで男を好きになれなかったから女が好きだったけど」
鬼「男は俺より強いからな 好きだぞ」
弓(眩しいね全く)
- 196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 00:49:18.04 ID:7ve2sJdN0
副官「今日だけでやぐらは半分ぐらいですね」
副官「明日には完成しそうです」
隊長「そっかありがとう」
弓「畑の方も順調だよ 相変わらずどこに埋めても人面野菜しか出来ない謎の土壌は理解出来ないけど」
隊長「ひりょうってすげー」
鬼「俺も頑張ったから褒めてくれよ」
隊長「じゃあいい子いい子」
鬼「えへへ……」
盗賊1「頭を撫でてもらうために屈むお頭……」
盗賊2「涙が出てきた」グスッ
副官「とりあえず鬼は滅せということで」
弓「副官さんが良いことを言った」
盗賊3「副官さんマジ素敵」
- 202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 00:56:58.92 ID:7ve2sJdN0
鬼「ぐぅぐぅ」ギュー
隊長「うぅん」ジタバタ
副官「鬼さん! 隊長に抱きついて眠らないでください!!」バシバシ
弓「全然起きないね まあ抱き枕がいいんだろうね」
副官「弓さんも鬼さんを引き剥がすのを手伝ってください!!」ギュー
鬼「うぅー」バシッ
ドンガラガッシャーーーン
弓「彼女にとって払っても私たちにとっては手痛い一撃になるんだから」
鬼「いったー!! なんであんなところに壁があるんだ!?」ヒリヒリ
隊長「……ファア おはよう」ゴシゴシ
副官「壁……えぇ私の壁の味はどうでした?」チャキ
隊長「朝起きたら良い笑顔で副官ちゃんが刀を抜いていた」
- 205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 01:03:15.24 ID:7ve2sJdN0
副官「全く 共同生活なんですから節度というものを守って――」クドクド
鬼「正座は苦手なんだよー」
隊長「何で俺まで」
弓「いいじゃないか 私も付き合っているんだし」
副官「そこ! 聞いてるんですか!!」
副官「じゃあ今日はやぐら完成を目指すので」
隊長「俺は雨漏り補強の続きかな これは今日で終わりそう」
弓「私たちは収穫と耕しの二班にわけるよ」
鬼「翌日には収穫出来るなんて便利だよなー」
弓「この調子だと漬物が値崩れしそうだけどね」
- 208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 01:11:08.45 ID:7ve2sJdN0
副官「そういうわけで 漬物などで野菜は保存が利きます」
副官「更に弓さんの魔法で冷凍保存も出来るんでいいですけど」
人面野菜‘s「「ギャーーーッギャーーーッ!!」」
弓「前までは気にならなかったけど 畑の面積を広くすると流石にね」
隊長「夜中になるからうるさくて堪らん」
副官「そういうことで 食べる分と別にして全部漬物にして売ってもいいんですが」
鬼「漬物ばかりだと飽きるんだよな」
副官「そうです なので一週間ごとにこの村から街まで野菜を運んでくれる荷運び屋を雇います」
副官「それと街の市場に野菜を流します 悲鳴の方は殺せば出なくなるので問題ありません」
弓「味は保障できるから問題ないんだろうけど」
鬼「誰が街まで行くかってことだよな」
- 211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 01:19:16.88 ID:7ve2sJdN0
弓「副官さんは残って隊長さんは行くべきだろう」
副官「なっ!? いきなりなんですか!!」
弓「指揮官が二人して行くと作業に支障が出るだろう」
弓「それに商人さんと面識があるのは私が隊長さんだけだし」
副官「うっ! それを言われると……」
弓「ということで私が――」
鬼「じゃあ俺が行くってことでいいよな!!」
弓「いやいや なにを言っているんですか」
鬼「弓は正直俺より部下たちを指揮するのが上手いんだから残ればいいだろ」
弓「くっ! 変なところで知恵をつけて……」
弓「わかりました 街まで行くのは鬼と隊長さんで」
隊長「なんか勝手に話がまとまった」
- 213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 01:25:38.92 ID:7ve2sJdN0
隊長「じゃあ行ってくるね」
副官「二日も獣と一緒なんです 気を付けてください」
弓「そうだよ 特に鬼 君はむやみやたらに子作りしないように」
鬼「お前たち 俺をなんだと思ってるんだよ」
盗賊1「お頭も今日で本物の女になるのか」
盗賊2「隊長さんになら任せられる」
盗賊3「お頭の喘ぎ声を想像してみろ」
盗賊1「ないな」
盗賊2「逆レイプしそう」
鬼「それじゃあ行くか!!」ポタポタ
盗賊1「」
盗賊2「」
盗賊3「」
- 215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 01:31:12.67 ID:7ve2sJdN0
鬼「そういえばずっと隊長に聞きたかったんだけどさ」
隊長「どうしたの?」
鬼「隊長って家族とかいるの?」
隊長「……そう言えば自分の過去の話なんて聞かれたことなかったな」
隊長「親父もお袋も健在だよ」
鬼「う~ん それにそのナイフって相当珍しいもんだろ」
鬼「家柄が相当いいんじゃないか」
隊長「良くもなく悪くもなくって感じだよ 上に兄弟一杯いるしね」
隊長「ただ勝手に兵士になったからお袋はカンカンかもしれないけど」
鬼「俺も似たような感じだな 姉ちゃんは魔王の側近やってるぐらい出世してるし」
鬼「でも俺は馬鹿だから偶然であった盗賊たちと意気投合して今に至るし」
- 220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 01:37:14.96 ID:7ve2sJdN0
隊長「でも故郷は魔界なんでしょ 帰りたいとか思わない?」
鬼「う~ん そこらはお袋も寛大だし」
鬼「ぶっちゃけお袋今でも現役だから気にしてないと思うぞ」
隊長「鬼の母さんならやってそう」
鬼「ちなみに俺より強い」
隊長「なんだそれマジ怖い」
隊長「じゃあ今日はここで野宿にしようか」
鬼「あまり進んでないな」
隊長「今日も野菜がかなりあるからね 二人だし」
隊長「ご飯は干し肉と漬物で」
鬼「淡白だけど美味いな」モシャモシャ
- 223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 01:41:17.59 ID:7ve2sJdN0
鬼「隊長は俺のこと好きか?」
隊長「好きだよ 仲間としてだけど」
鬼「ふ~ん 今ここで俺が襲ったら抵抗出来ないよな」
隊長「そこは頑張る」
鬼「まあしないけどな 隊長が自分から求めて来たら別だけど」
隊長「今は辺境村を大きくするので精一杯だからなぁ」
鬼「でも隊長に抱きついて寝ていいだろ」
隊長「それはいいよ 正直夜は冷えるし」
鬼「やっりー!!」ダキッ
- 226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 01:57:12.25 ID:7ve2sJdN0
街
隊長「なんとか街に到着した」
鬼「早く野菜売りに行こうぜ!」
隊長「商人ちゃ~ん!!」
商人「まいどおおきに 今日はどないしたんですか?」
隊長「今日も漬物を売りたいと思って」
隊長「後 野菜取り扱ってくれそうな小料理屋と運送屋も紹介して」
商人「まあ仲介するのはいいけど 仲介料は取りまっせ」
隊長「そこは大丈夫 野菜は腐るほどあるから」
商人「ちなみにお宅の漬物 結構売れましてな」
商人「量にもよるけど今回も良い値で買わしてもらいまっせ」
- 230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 02:03:42.34 ID:7ve2sJdN0
商人「それで運送屋はウチの知り合いで安くやっとる奴がおるから」
商人「そいつに頼んだるわ」
隊長「あざーっす!!」
商人「野菜の方は市場への売買ルート繋げたるから」
商人「店の方は誰かに頼むなりしてくれ」
隊長「盗賊の中に商いとか上手そうな奴いる?」
鬼「何人かいると思うぞ」
商人「それと料理屋の方にも回したいって言っとったな」
商人「それなら打って付けの店がある 別名勇者の料理屋」
隊長「名前がありきたり」
鬼「普通そうだな」
- 233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 02:09:39.11 ID:7ve2sJdN0
商人「まあなんでもそこの娘が今代の勇者になったとかで」
商人「ご利益があるってそこそこ客が入っとる料理屋や」
隊長「へぇー そういえばそんな話を聞いたことがある」
商人「親父が頑固親父で上手いもんしか出さんからな」
商人「気に入られれば直ぐに使ってもらえるで」
商人「おっちゃーん! おっちゃーん!!」
店主「なんだ小娘 久しぶりだな」ガシガシ
商人「おっちゃん久しぶり」
店主「勇者と幼馴染なんだから タダで食わしてやるって言ってるだろ」
商人「それは気が引けるっていうか タダより安いもんはないからな」
店主「それでそっちの夫婦は誰だ?」
商人「野菜売りの人や おっちゃんちょっとみたってや」
隊長「よろしくお願いします」バララ
店主「見た目こわい」
- 235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 02:12:53.74 ID:7ve2sJdN0
店主「言っちゃ悪いが 見た目は最悪だな」
隊長「問題は味ですよ」
店主「まあそうだけどよ」
商人「隊長さん 試食品は?」
隊長「試食品?」
商人「味見用に食べれるようにしたやつや!!」
商人「野菜なんて生で食べてもしゃあないやろ!!」
店主「俺は生でも食えるが せっかくだから飯でも作ってやるよ」
隊長「ではこの野菜をお使いください」サッ
店主「言われなくても使ってやるよ」ガシッ
- 238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 02:19:43.98 ID:7ve2sJdN0
店主「野菜といったら野菜炒めだろ」ドカン
隊長「頂きます」モシャモシャ
商人「ウチは漬物しか食べたことなかったけど これもイケるなあ」モシャモシャ
鬼「美味いぞ!!」モシャモシャモシャ
店主「まあこれだけ美味いなら使ってやってもいいかもな」
店主「とりあえず一週間でこれだけの納品で頼めるか?」スッ
隊長「大丈夫っす! っていうかこれの二倍の量でも全然いける!!」
店主「そんなにはいらねぇよ これからもよろしく頼むな」ガシッ
隊長「こちらこそ」ガシッ
鬼「イイハナシダナー」
- 240:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 02:25:54.12 ID:7ve2sJdN0
隊長「とりあえず当面の目標は達成できたと」
鬼「今日はここに泊まるのか?」
隊長「まあ今から帰ると直ぐに夜になるし」
鬼「久しぶりに布団で寝られるのか……」
隊長「最近は野宿ばっかりだったからね」
隊長「魔物は鬼と一緒にいれば大抵出て来ないし」
宿主「一泊10Gだよ」
隊長「じゃあ二部屋で……」
鬼「隊長 お金が勿体無いから一部屋でいいだろ」
隊長「鬼は……まあいいのか じゃあ一部屋で」
宿主「じゃあこれが鍵だよ」ハイ
- 243:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 02:35:30.93 ID:7ve2sJdN0
鬼「隊長! ここ温泉があるんだって」キラキラ
隊長「入ってくれば?」
鬼「隊長も一緒に入ろうよ!!」グイグイ
隊長「面倒臭い」
鬼「入ろうよー」ギリギリ
隊長「わかった! 入るから!! 腕が千切れるから止めて!!」
風呂
鬼「良い湯だなー」
隊長「出来れば男女別が良かったけどね」
鬼「隊長は人の背中洗うの慣れてたなあ」
隊長「家での妹の世話は俺が見てたから」
鬼「妹に会いたいとか思わないのか?」
隊長「家出るときにガン泣きされたから気まずい」
鬼「そっかー」
- 244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 02:40:01.69 ID:7ve2sJdN0
鬼「隊長拭いてー!!」
隊長「アンタはどこの子供だよ」フキフキ
鬼「えへへー じゃあ先に部屋で待ってるな」ゼンラー
隊長「ちょっと待て 服ぐらい着ていけ」
鬼「どうせ寝るときに裸になるからいいだろ」
隊長「廊下を歩かれると他の人に見られて困るの!!」
鬼「はーい」
部屋
鬼「じゃあ寝るか!!」ゼンラー
隊長「どうせ寝る時は全裸か……」ハァ
鬼「隊長は俺の裸を見ても欲情しないのか ってかしろよ」
隊長「なんか行動が妹っぽい」
鬼「」
- 246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 02:44:38.80 ID:7ve2sJdN0
鬼「肉体は結構いい方だと思うんだけどな」
隊長「確かに引き締まってるよね」
鬼「お尻も良い子供が生まれそうだねって言われてたんだけど」
隊長「そんな会話を日常的にしないで」
鬼「後は喧嘩は強いし」
隊長「戦った相手が死ぬかもね」
鬼「それに胸は大きいほうだろ 少なくとも絶壁よりマシだ」
隊長「副官ちゃんの名前は絶壁ではありません」
辺境村
副官「クシュン!!」
弓「風邪かい?」
副官「どうやら誰かが私の噂をしているらしいですね」ズズッ
- 250:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 02:54:43.83 ID:7ve2sJdN0
鬼「おやすみー」ギュー
隊長「だから抱き枕なしで寝られないのが妹っぽいって」
鬼「ぐぅぐぅ」zzzz
隊長「もう寝てるし……寝よ」
数日後 辺境村
隊長「ただいまー」
副官「お帰りなさい 楽しかったですか楽しかったですよね」
弓「まあ君たちのことだ しっぽりやってきたんだろう?」
隊長「なんで二人ともやさぐれてるの?」
鬼「楽しかったからいいだろ!!」
鬼「二人で一緒にお風呂も入ったしな!!」
副官「」ザクザク
弓「」グサグサ
隊長「だから無言で刺すのはやめっ――痛いから!!」
- 251:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 03:00:38.13 ID:7ve2sJdN0
隊長「とりあえず 今のところ問題は市場への野菜納品だね」
副官「それは盗賊を三人ほど向かわせればいいでしょう」
副官「後から私が見繕っておきます」
隊長「よろしく 申請のやり方は商人ちゃんが教えてくれるってさ」
弓「野菜で辺境村ブランドが出来れば 村人も増えるかもしれないよ」
隊長「増えたらもう少し施設が増やせるかもしれないしね」
鬼「街まで二日っていうのが遠いんだよな」
隊長「しかも一応 魔界との国境近くだから下手なことは出来ないし」
副官「それは追々考えるとして とりあえずお風呂とはなんですか?」
鬼「だから私と隊長が一緒にお風呂に――」
弓「温厚な私でも怒るときは怒る」ギロッ
鬼「なんか弓が怖い」
辺境村 村人24人→21人に減りました
- 253:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 03:06:04.10 ID:7ve2sJdN0
隊長「すぅすぅ」zzzz
副官「隊長隊長」ユサユサ
隊長「うぅん もうあさぁ?」ムクリ
副官「違います それと他の人が起きるので静かにしてください」
隊長「」コクリ
副官「その……最近血を吸ってなかったので吸わせてもらえればと」モジモジ
隊長「」スッ
副官「ありがとうございます」カプッ
副官「」チューチュー
隊長「すぅすぅ」zzzz
副官「チューチュー」
隊長「なんか体が重い気がする」ダルー
副官「気のせいですよ きっと」
- 256:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 03:14:07.36 ID:7ve2sJdN0
副官「そろそろ冬に備えて薪も作らないといけませんね」
隊長「だねー 幸い木は沢山あるから困らないけど」
鬼「伐採なら俺の得意分野だな」ブォン
弓「伐採するならその金棒じゃなくて斧を持っていってね」
副官「それに加えて肉などは干し肉にして保存しておきましょう」
弓「最近は森に入っても動物や魔物をあまり見かけないからね」
盗賊1「お頭と隊長が一緒に風呂に入った件 ソースはお頭」
盗賊2「お頭のエロ画像誰かうqしる!!」
盗賊3「じゃあ隊長と一緒に入れば間接的にお頭と入ったことになる」
盗賊1「3がまた終わらせてくれた」
盗賊2「3はもう少し空気嫁」
- 260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 03:34:50.33 ID:7ve2sJdN0
副官「次に運送屋が来るときに防寒着も頼みましょう」
隊長「ここらも冷えるだろうしね」
弓「どんな季節でも育ってくれる作物には脅威すら感じるね」
隊長「でも冬に収穫出来るのは効率で問題だけどね」
弓「寒いから手も冷たい 最悪凍傷になることもあるか」
鬼「俺は冬でも半袖で問題ないけど」
副官「あなたと人類を一緒にしないでください」
副官「ここは一気に焼畑をやるのも手ですけどね」
弓「焼畑は農地を回復させるのが目的だけど」
隊長「あそこの土地 怖いぐらいに作物がなるしな」
副官「放っておくとまた巨大作物になりますよ」
隊長「だよなぁ 取り合えず焼畑方向で考えるか」
- 263:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 03:41:53.77 ID:7ve2sJdN0
副官「それとお金と人員に余裕があるようなら宿屋を作りましょう」
隊長「宿屋?」
副官「そうです 今は全く人が入らない未開の土地ですが」
副官「野菜が売れれば商人たちが視察に来るかもしれません」
弓「なるほど そんな時に寂れた村の寂れた家に泊まらせるわけにはいかないと」
隊長「それは一理あるね」
鬼「それを今からやるのか?」
副官「いえ それは春になったらやりましょう」
隊長「冬にやるのも厳しいしなー」
鬼「俺は問題ないぞ」
副官「だからあなたを一般基準に考えないでください」
鬼「」
- 266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 03:48:54.13 ID:7ve2sJdN0
【冬】
隊長「寒い! っていうか予想以上の寒さだろこれ」ガタガタガタ
副官「場所ゆえかここはとても寒い地域のようですね」
弓「でもお陰で安定して野菜が採れるからブランドが浸透しやすいだろう」
副官「収穫しに行ってるのは鬼だけですけど」
隊長「この寒さに半袖で生活出来るあいつが羨ましい」
弓「それと薪の消費量が大変だね」
副官「予想以上です それに家が雪で今にも潰れそうだし」
隊長「そこらも春までに考えないといけないみたいだ」
ガララッ
鬼「帰ったぞー」ビュー
副官「なにをしているんですか! 早く閉めてください!!」
- 270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 04:06:22.03 ID:7ve2sJdN0
鬼「怒ることないだろ せっかく良いもの持って来たのに」ガサッ
副官「なんですかそれ?」
鬼「さっきここに兵士風の男が来て隊長に渡してくれって」ハイ
隊長「その人は?」
鬼「あまり時間がないから直ぐに帰るって帰ったけど」
弓「この雪の中を帰るなんて自殺行為だよ」
隊長「でもそれほど大切な手紙だったんじゃない 今更だけど」パラパラ
隊長「……ふむふむ」
副官「なんて書いてあるんですか?」
隊長「う~ん ラブレター?」
副官「」ザクザク
弓「」ブスブス
鬼「」ゴンゴン
隊長「冗談だから止めて!!」
- 271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 04:09:57.31 ID:7ve2sJdN0
隊長「王様からだよ」
副官「王様が何の用なんですか?」
隊長「久しぶりに家族に顔でも見せるって話」
弓「それで顔を見せに行くのかい?」
隊長「まあ王様に直訴があったぐらいだから」スゥー
副官「嘘ですね」
隊長「……はぁ?」
副官「隊長は嘘をつく時に唇を舐める癖があります」
隊長「……マジで?」
副官「マジです」
鬼「嘘をついたってどうしうことだよ」
弓「大方 なにやら危険な任務でも任されたから 私たちは巻き込みたくないとか」
隊長「まあ大体当たり」
- 274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 04:15:33.17 ID:7ve2sJdN0
隊長「どうも空戦姫が俺に会いたがってるらしい」
副官「空戦姫って魔王の側近の?」
隊長「そう 昔一度だけ手合わせしたことがあるんだけど……」
弓「彼女って最強の魔族と称される竜族の一人だろう」
隊長「ぶっちゃけ戦いは俺の負けみたいなもんだよ」
隊長「でも一矢報いたのが彼女の誇りに傷をつけたらしい」
隊長「俺が来なけりゃ一気に攻め入るって」
鬼「じゃあ隊長が行かなきゃいけないってことか」
隊長「なんだよなあ 面倒臭いけど」
副官「それでは荷物を纏めましょうか」
弓「王国に行くのなんて初めてだね」
鬼「春までには帰って来られるかな」
隊長「ってみんな来るつもりなの!?」
- 278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 04:24:42.03 ID:7ve2sJdN0
副官「私は隊長の副官なので当然行きます」
弓「私もあなたとは古い仲だからね」
鬼「俺は王国のお菓子が食べたいから!!」
隊長「正直言って 俺は死ぬと思うんだけど」
副官「大丈夫でしょう いざとなれば名産品の人面野菜をボスに見立てて逃亡します」
弓「それでこの村で生涯暮らせばいいしね」
鬼「そういうことだ 俺たちはみんなついていくぞ」
隊長「あーうん ありがとう」
副官「では明日出発で」
第一部『村おこし編』終了 第二部『王国編』に続く
ちょっと8時ぐらいまで仮眠を取ってきます 落ちてたら諦め
- 325:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 08:14:26.84 ID:7ve2sJdN0
保守ありがとう 再開する
【城塞都市】
副官「大きい城壁ですね」
隊長「王国へと続く最後の砦みたいな感じだから」
弓「この城壁のお陰で魔族は今まで攻め入れてないんだよね」
鬼「これ堅いんだよな」コンコン
隊長「なんでも魔術結界まで張られてるから 並大抵の攻撃じゃビクともしないって」
副官「ここで迎え撃つんですか?」
隊長「姫はここから少しのところに陣地を張ってるんだって」
隊長「逆にいえば こちらも軍を前線に送れないし前線から軍を返すことも出来ない」
弓「だから早急になんとかしろって命令が出たわけだね」
隊長「俺は勇者が帰ってくるまでの捨て駒だと思うけど」ハァ
鬼「そんなに落ち込むなよ 俺たちがついてるだろ!!」
隊長 そうだけど……ハァ
- 327:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 08:19:26.17 ID:7ve2sJdN0
指揮官「なんだ隊長じゃないか!!」
隊長「指揮官さん お久しぶりです」
指揮官「なんだおい! 辺境村に左遷されたと聞いてもう会えないかと思ったぞ!!」
隊長「いえいえ 今でも元気です」
指揮官「まあ直ぐに帰らぬ人になるかもしれないがな」
隊長「そういう冗談は止めてください」
指揮官「ところでそちらの婦人方は 君の奥方かな?」
副官「いやいや! いきなり奥方なんてそんな……」
弓「まあいずれそういう関係になるといっても過言ではないが」
鬼「むしろ今 そうなってもいいんだけどな」
隊長「あの人たちは気にしないでください」
指揮官「うむ それでは概要を説明する」
- 329:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 08:26:18.20 ID:7ve2sJdN0
指揮官「空戦姫はお前との一対一の対談を望んでいる」
指揮官「とはいえあちらも大勢だ 数人と一緒に向かってもらう」
副官「数人と一緒にって! 隊長を見殺しにするんですか!?」
指揮官「空戦姫は義を重んじる武人だ 不意打ちなどという卑怯な真似はしない」
隊長「恐らく一対一ってのも本当でしょうね」
弓「でも魔王軍親衛隊の三人は前線に出たことが一度もないんだろう」
指揮官「だから前代未聞なんだ 彼女たちが前線に出たら戦争は我々の負けで決まる」
指揮官「それをしないのは何故だか検討もつかないが」
隊長「言っておくけど絶対に手を出しちゃ駄目だよ」
隊長「こと戦闘では彼女たちに勝てるのは恐らく勇者ぐらいだから」
鬼「だから隊長に行かせて機嫌を取れって?」
隊長「そういうこと まあ下手に逆鱗を触りでもしたらとんでもないことになりそうだし」
指揮官「すまないな」
隊長「いいですよ 納得していることなんで」
- 330:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 08:31:56.52 ID:7ve2sJdN0
副官「ではその数人の中に私たちを入れてください!!」
指揮官「望みがあればそのつもりだった」
隊長「もしなにかしら戦争の意思を示したら?」
指揮官「我々全員で打ってでる」
隊長「……これは王様の命令なんですよね」
指揮官「ああ そうだ」
隊長「まあ別に負けたわけじゃないからいっか」
隊長「じゃあ早速行って来ます」
指揮官「合図があれば直ぐに出られる準備をしておく」
副官「隊長 大丈夫ですか?」
隊長「こんな大仕事初めてだから胃がキリキリする」キリキリ
弓「胃薬でも飲むかい?」
隊長「ありがたく頂きます」ゴクゴク
- 332:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 08:39:28.96 ID:7ve2sJdN0
隊長「あの村に着てから色々あったよね」
隊長「副官ちゃんが最初に来て」
隊長「次に弓さんが迷い込んできて」
隊長「それに鬼や盗賊たちも来て一気に人口が増えて」
隊長「楽しかったなあ……」
副官「そんな今から死ぬみたいなフラグを立てないでください縁起が悪い」
鬼「そうだって 俺たちが付いてるって言っただろ!!」
隊長「それについてなんだけど 三人とも絶対に手を出しちゃ駄目だよ」
隊長「俺が死んだら合図を出して逃走の方向で」
副官「アタリマエジャナイデスカ」
弓「タイチョウノメイレハゼッタイ」
鬼「メイレイイハンダメゼッタイ」
隊長「わかってくれてるならいいけど」
- 333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 08:43:39.15 ID:7ve2sJdN0
兵士1「おい! ここからは隊長一人で進んでもらう」
隊長「わかりました」
兵士2「武装の許可はされている そのまま私について来い」
隊長「それじゃあ三人とも 変な気は起こさないように」
弓(私は風の流れが読めるからね 多少遠い音でも拾えるよ)
副官(変な空気になったら全員で突撃します)
鬼(勝てはしないだろうが 隊長を逃がす時間ぐらいは稼げるだろ)
兵士1「……?」
隊長「それで兵士さん 姫はどんなお話をされるんで?」
兵士2「さあな 私たちとて聞いてない」
兵士2「それにこれは姫の独断だ」
隊長「……」
- 343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 08:55:24.10 ID:7ve2sJdN0
兵士2「姫 連れてきました」
空「よし入れろ」
兵士2「はっ!」
パサッ
空「久しいな隊長」
隊長「久しぶりです姫(なんというか)」
空「まあ座れ」チマーン
隊長(相変わらず小さいですねなんてツッコミ入れたら殺されるな)
空「おい キサマ今失礼なことを考えなかったか?」
隊長「そんなことありません」
空「それならまあいいんだが……」
空「魔界で採れる葉で入れた希少な紅茶だ 飲め」
隊長「ありがたく頂きます」
- 349:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 09:01:39.12 ID:7ve2sJdN0
空「どうだ美味しいだろう」
隊長「はいまあ(早く本題に入ってくれ ぶっちゃけ味とかしない)」
空「実は我のことを小さいと思っているだろう」
隊長「はい……いいえ そんなこと思ってません」
空「まあいい これでも親衛隊の中では一番古株なんだが」
隊長(他の二人は普通だった気がするけど)
空「今 他の二人は身長が普通だからそうは見えないと思っただろう」
隊長「そんなこと思ってません」
隊長「ところで前に会ったときも俺が敵陣深く潜り込んでた時に偶然出会ったんだけど」
隊長「どうして姫は前線に出ないんで?」
空「今の……いや先代の魔王様から保守派なんでな」
隊長「人間と戦いたくないとか?」
空「そうだ むしろ人間との共存を望んでおる」ハァ
- 353:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 09:06:47.14 ID:7ve2sJdN0
空「今更和平をするにせよ お互いの間の溝はデカイ」
隊長「だから前線に出られないと」
空「我らが出たら戦争なんぞ一瞬で終わるわ」
隊長「誇張なしで言ってるから怖い」
空「そんな中 我に手傷を負わせたキサマの手腕は褒めてしかるべきだ」
隊長「いや……そんなことは」
空「よい 今でも額につけられた傷が消えんぐらいだからな」
隊長「それは悪いと思ってます」
空「よいと言っている あれはあれで存分に楽しめたのだ」
空「それで本題なのだが……」
隊長(来たか……ッ)
- 359:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 09:16:10.47 ID:7ve2sJdN0
弓「本題が来るよ」
副官「戦闘が始まるようなら弓さんが制圧射撃」
副官「鬼さんがここで兵の足止めをしている間に 私が突っ込んできます」
鬼「俺は足があまり速くないからな 文句はないぜ」
空「そう身構えるでない」
隊長「姫は信頼してるけど 血迷った腹心がなにを仕出かすかわからないので」
兵士2「」
空「大丈夫じゃ もし手を出してきたとしても我が全力で止める」
隊長「凄い信頼できる言葉を頂きました」
空「それで本題なんじゃが……」
空「お主のことが気に入った 余の婿になれ」
隊長「」
弓「……だそうだけど」
副官「突撃で決まりですね」
- 364:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 09:26:23.26 ID:7ve2sJdN0
兵士2「姫様! それは!!」
空「別にいいであろう 人生は一度しかないのだ」
空「このような選択もありだ それに……」
ヒュンッ
空「先に血迷ったのはお主の兵らしいな」パシッ
隊長「飛んできた矢を素手で受け止めるとは見事です」パチパチ
空「まあよい 主の危機に立ち向かえるのは良い腹心の証拠じゃ」
副官「お命頂戴!!」チャキン
空「まあ別に答を急ぐことはない 一生のことだ 家族とも話し合って決めるがよい」スッ
副官(素手で刀を打ち払った!?)
鬼「どけ副官!! 俺が押しつぶす!!」ブォン
空「それと先ほどからうるさいぞ 人の告白に口を挟むでない」ドン
鬼「俺の金棒を足で受け止めた……だと……」
空「我は実力だけなら四大貴族の長にまで匹敵する」ググッ
- 365:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 09:31:13.93 ID:7ve2sJdN0
隊長「部下の非礼は詫びますのでそれぐらいに……」
空「まあよい それと魔族だの人間だの文句を言うやつは魔王軍にはおらん」
空「もし気兼ねするようなら我はここにいるからいつでも相談しに来るがいい」クルリ
隊長「だそうです」
指揮官「なにそれこわい」
隊長「受けるにしろ受けないにせよ まずは王様に報告しないと」
指揮官「馬でいけば王国まで半日だからな」
隊長「場合によっては実家に顔を出さなきゃいけないし」ハァ
指揮官「それはまあいいんだが 彼女たちはどうしたんだ?」
副官「これで負けるの二回目とか」ショボーン
弓「まさか私の弓の軌道が見切られるなんて」ショボーン
鬼「パワーで負けたパワーで負けた」ショボーン
隊長「あの人たちは気にしない方向で」
- 368:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 09:41:14.19 ID:7ve2sJdN0
指揮官「とりあえず今日は休んで 明日の朝一で報告に行きなさい」
隊長「はい」
副官「オラァッ!! 酒もってこい!!」ガチャン!!
弓「あひゃひゃひゃひゃ!! 世界が回るぞー」フラフラ
鬼「どうせ俺なんて……矮小でゴミつぶみたいな存在なんだ」グスッ
指揮官「すまない 早急に彼女たちを連れて王国に向かってくれ」アタマイタイ
隊長「あそこまで酒癖悪いとは思わなかった」
隊長「副官ちゃん ほら行くよ」グイグイ
副官「そもそもてめーがハッキリしないのがいけないんだろうが!!」グイッ
隊長「ひぃっ!?」ガクガクガク
副官「なんだ結婚するのかむしろ私と結婚しろオラァッ!!」ブンブン
隊長「頭が揺れますぅぅぅぅうぅぅ」ガクガクガク
- 370:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 09:49:10.15 ID:7ve2sJdN0
隊長「初っ端から酷い目にあった」ハァ
隊長「弓さん そろそろ行きますよー」
弓「あっはっはっは!! あなたはモテて羨ましいなぁ」バンバン
隊長「痛い 背中痛い!!」
弓「でも……隊長さんは五人いるから数的には問題ないかぁ むしろ後一人ぐらい増えろ!!」フラフラ
隊長「それは幻覚です ってか出来れば弓さんはキャラ崩さないで」
隊長「鬼 行きますよ」
鬼「隊長さんは俺みたいな役立たずに声をかけてくれて優しいな」グスッ
隊長「鬼が役立たずとか誰も思ってないから ね!」
鬼「隊長さん! 俺を捨てないでくれ!!」ダキッ
隊長「やめて……その状態でちからをこめ――ないぞうでちゃ……」
副官「どうして私たちは馬車に乗ってるんですか 頭が痛い」ズキズキ
弓「お酒を飲んでいた記憶はあるんだが……」ズキズキ
鬼「ってか隊長さん! その傷どうしたんだ!?」
隊長「うん 気にしてないから」ハァ
- 371:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 09:52:33.27 ID:Juditile0
この話の魔王と勇者って、異世界に飛んだやつか?
- 372:>>371 その少し前の話:2011/11/08(火) 09:56:55.04 ID:7ve2sJdN0
門番「それでは通ってよいぞ」ガララ
副官「門番の人 私たちを見てもロクに検査もなしで通してくれましたね」
隊長「人によっては魔族を奴隷として扱っている人もいるから」
弓「私たちも奴隷だと思われたのかな まあ私はいいんだが」
鬼「俺もいいぜ!!」
副官「なっ! 私だって!!」クワッ
隊長「変なことで争わないで」
王様「報告は聞いておるぞ」
隊長「……はい」
王様「ワシとしてはこの話はありだと思っておる」
副官「ちょっと待ってください王様」
王様「なんじゃ?」
副官「空戦姫は魔王の血筋を要する由緒正しき家の出です」
副官「政略結婚とはいえ 隊長では国内からの反発も大きいのでは?」
王様「それならば問題ない そやつはワシの息子だからな」
みんな「「はぁああああああああ!?」」
- 379:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 10:12:35.15 ID:XHdpjYGOO
前作のURLくだしあ
- 384:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 10:21:11.07 ID:7ve2sJdN0
魔王「勇者に追われている 匿え」男「なにそれ怖い」
http://elephant.2chblog.jp/archives/51803819.html
女「少女を買わないかい?」男「なにそれこわい」 ※未完
http://unkar.org/r/news4vip/1320249375
とりあえずこの二つを先に読めば色々幸せになる
- 376:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 10:03:42.77 ID:7ve2sJdN0
副官「恐れ多きも王様 こんな女ったらしが王様の子供なわけありません!!」
隊長「副官ちゃんって俺のこと そういう目で見てたの?」
弓「玉座に座ってるより桑持って農民をしている方が似合ってるのに」
隊長「せめて兵士ぐらいにして」
鬼「確かに王子って柄じゃねーよな」
隊長「それには賛成する」
王様「とにかくじゃ 話は前向きに進めておけ」
隊長「はい」
副官「どうしてこんな大切なことを黙っていたんですか!?」
弓「道理で私たちの過去を知りたがらないわけだ」ハァ
隊長「だってねえ 王様には妾が二十人近くいて」
隊長「上の腹違いの兄貴が12,3人死なないと継承権が回ってこない日陰の人間だし」
鬼「でもそうなると空戦姫との結婚の話はどうなるんだ?」
弓「家柄が問題なくなっちゃったからね 受けざる得ないさ」
- 381:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 10:14:52.56 ID:7ve2sJdN0
隊長「それに王様だって俺の顔忘れてるレベルだよ」
副官「それはまあ……ご愁傷様と言わざる得ないですね」
隊長「とりあえず俺の実家に行こうか」
隊長「あまり帰りたくないけど」ハァ
隊長「只今帰り――」
母「お帰り隊長! あぁ私の隊長!!」ダキッ
隊長「お母さん苦しいです」
母「王様から話は聞いています」
母「今日はゆっくりしていってくださいね」
母「それでこちらの方々は……」
副官「隊長の部下です」
母「そうですか ではそちらの馬小屋をお使いください」ニコリ
副官「」
弓「」
鬼「」
- 386:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 10:32:13.20 ID:7ve2sJdN0
隊長「母さん ウチに泊まらせてあげて」
母「まあ隊長ちゃんが言うなら……」
隊長「気を悪くしたらごめん」
副官「それは別に構わないんですが……」
隊長「母さん あれで血筋とかに拘る人だから」ハァ
弓「典型的な貴族だね そこからあなたのような人が生まれるのが一番不思議だが」
隊長「俺もあんな母親が嫌で軍属になったようなものだから」
鬼「だから王様の妾なんてやってるのか?」
副官「それはお母様の前では言わないように 即効で追い出されますよ」
妹「お兄様!!」ダキッ
隊長「妹ちゃん 久しぶりだね」ギュー
- 389:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 10:45:55.83 ID:7ve2sJdN0
妹「いきなりなんの話もなく家を出て 妹は寂しかったです」スリスリ
隊長「ごめんね」ナデナデ
妹「結婚したらこの家に帰ってくるんですよね」キラキラ
隊長「いやぁ それはどうかなー」
妹「嫌です! そんなこと言うお兄様は離しません!!」ギュー
隊長「あっはっは! 困ったなぁ」チラリ
副官「……はぁ 妹様 隊長が困っていますので」
妹「お兄様との再開を楽しんでいるのです」
妹「絶壁は黙りなさい」キッ
副官「」
弓「はっはっは! 絶壁とは面白いギャグだね」
妹「男なのになんでナヨナヨしてるんですか?」
弓「」
妹「それと筋肉ダルマは喋らなくていいです」
鬼「なにそれ酷い」
- 392:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 10:59:34.78 ID:7ve2sJdN0
隊長「本当のことでも言っちゃ駄目だろ」
副官「おい」
妹「ごめんなさい お兄様」シュン
隊長「謝ってくれてるならよし」ナデナデ
妹「えへへ……」
隊長「とまあこれが俺の家族編成なんだけど」
副官「最低の一家ですね」
隊長「まああの母の影響を受ければあんな感じになるかな」
弓「ところで鬼がいないようだけど」
隊長「さっきトイレに行くって出て行ったよ」
- 395:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 11:09:39.54 ID:7ve2sJdN0
鬼「おい妹!」
妹「なんですか」
鬼「さっきの言葉はおかしいだろう」
妹「さっきの言葉とは?」
鬼「副官や弓に言ったことだ!!」
鬼「確かに事実だけど!!」
妹「……事実ならいいじゃないですか」
鬼「俺は仲間のことを悪く言われて黙っていられるほど出来てないからな」
妹「……はあ そういうところが庶民と貴族の差なんですよ」
鬼「なに? 俺はお袋からそんなこと教わらなかったぞ!!」
妹「母親が母親なら子供も子供ですね」フン
鬼「」ブチッ
- 400:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 11:25:47.91 ID:7ve2sJdN0
キャアアアアアア
副官「大変です 嫌な予感が……」
弓「奇遇だね 私もそう思ったよ」
母「なにをしているんですかあなたは!?」
鬼「悪いことをしたら尻を叩くのは当然だろ!!」パンッパンッ
妹「痛い! 痛いです!!」
母「隊長!! あなた部下にどんな教育をしているんですか!?」
隊長「う~ん こういう教育としか」
鬼「俺は悪いことをしてないからな」ブスー
隊長「まあこう言ってるんだし」
母「いい加減に怒りますよ!! こんな庶民に……」
隊長「母さん 一つ言うけどさ」
隊長「どんな身分の人間だろうと俺の命を預けられる仲間に違いないんだからさ」
隊長「その侮辱は俺への侮辱と受け取るけど」
母「うぅ……」
- 407:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 11:43:46.69 ID:7ve2sJdN0
隊長「妹もさ 鬼の言いたいことはわかるだろ」
妹「えっと……」
隊長「鬼のやったことは少し暴力的だったけど」
隊長「鬼のしたことは間違ってないよ」
妹「うぅ……お兄様は私をイジメるんですか?」
隊長「違うよ 俺は鬼が間違ってたら怒る」
隊長「今回間違ってるのは妹なの」
妹「ぐすっ」
副官「よろしいのですか?」
隊長「なにが?」
副官「この家での隊長の立場がまた微妙なものになりそうですけど」
隊長「今までも勘当同然だったからいいんじゃない」
- 409:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 11:51:06.73 ID:7ve2sJdN0
妹「お兄様のばかぁ……」グスッ
鬼「あっと妹ちゃん ちょっといいか?」
妹「嫌です!!」キッ
鬼「いや俺も悪かったよ やり過ぎたと思ってるんだ」
妹「許しませんから」
鬼「そこで美味そうな菓子買ってきたけど食べる?」
妹「そんな安っぽい手には乗りませんよ」
妹「私は大人の女ですから……」
妹「まあどうしてもというなら貰いますけど」
鬼「じゃあ一緒に食べようぜ」
- 410:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 11:56:29.06 ID:7ve2sJdN0
妹「鬼さん どうして野菜を避けて食べるんですか?」
鬼「いやだって 村で作る野菜以外はあんまり好きじゃないし……」
妹「私に散々説教したんですから 早く食べなさい」
鬼「へーい」モシャモシャ
隊長「いつの間にか妹が鬼に寝取られていた件」
副官「ああいう固いタイプには鬼みたいな馬鹿と気が合うんじゃないです」
弓「それそのままブーメランだよね」
隊長「まあ二人とも仲良さそうでよかったよ」
妹「今日は一緒にお風呂に入りますよ鬼さん」
鬼「えーーー!! 俺は隊長と――」
妹「いいですね?」ニコリ
鬼「はい」
- 413:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 12:07:36.20 ID:7ve2sJdN0
副官「ここ数日 実家でダラダラしているのはいいんですけど」
隊長「どうしたのー?」ダラダラ
副官「結婚話については忘れてませんか?」
隊長「……忘れてないよ」
副官「今の間はなんですか今の間は」
隊長「当初の目的を忘れてダラダラするほど落ちぶれたつもりはない!!」キリッ
副官「そうですか それで決めたんですか?」
隊長「う~ん……」
副官「私は……」
隊長「ん?」
副官「私は行って欲しくないです」ギュッ
- 416:昼ドラ花嫁のれん続編始まってるとか 見るっきゃねぇ!!:2011/11/08(火) 12:13:09.80 ID:7ve2sJdN0
副官「隊長との村での生活は楽しいですし」
副官「それに隊長がいなくなると村が困ります」
隊長「だよねぇ ようやく村も軌道に乗ってきたんだし」
副官「いえ それは隊長が決めることでした 出過ぎた真似を許してください」ペコリ
隊長「いいよいいよ そこはちゃんと考えるから真面目に」ナデナデ
副官「ありがとうございます」
弓「それで私に相談ね」
隊長「弓さんはなんだかんだで頼りになるので」
弓「喜んでいいのやら悲しんでいいのやら」ヤレヤレ
弓「まあどっちを選んでも姫が激怒して報復するなんてことはないだろうし」
弓「自分のしたいようにすればいいんじゃないかな」
隊長「そうだよね」
- 417:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 12:19:59.75 ID:7ve2sJdN0
隊長「それでは母さん お世話になりました」
母「ちゃんとやってくるんだよ」
隊長「わかってます」
鬼「妹も元気でな」ナデナデ
妹「あなたもまた来て下さいね」
指揮官「それで約束の期日ギリギリに帰ってきたのか」
隊長「もしかして逃げると思ってました?」
指揮官「そう思ったから厳戒態勢を強いているんだ」
隊長「信頼なさすぎワロタ」
指揮官「まあいい お前がどんな選択をしようが関係ないからな」
隊長「その爆発しろみたいな目やめてくれませんか」
指揮官「リア充爆発しろ」
隊長「泣きたくなってきた」
- 419:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 12:26:08.81 ID:7ve2sJdN0
兵士2「逃げなかったんですね」
隊長「なんでみんな俺が逃げると思ってるの?」
副官「それが隊長の人徳なのでは?」
隊長「そんな人徳捨て去りたいです」
兵士2「それでは隊長殿だけついてこい」
隊長「はいはい」
空「一週間ぶりだな」
隊長「寂しかった?」
空「寂しくはないがドキドキはしていたぞ」ズズー
隊長「カウンターが強い」
空「それで返答は?」
隊長「俺は……」
- 427:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 12:37:46.07 ID:7ve2sJdN0
隊長「俺はまだ辺境村を立て直すって仕事の最中だから無理だ」
空「……うむ 恐らく王からは結婚しろだの言われておるのではないか?」
隊長「結婚して魔界に行ったらあの村がまた廃墟になる」
隊長「せっかく軌道に乗りなおしたのにそれは嫌だからさ」
空「ならば仕方ないな」フム
隊長「せっかくのお話 すいませんでした」ペコリ
空「兵士2 荷造りをしろ」
兵士2「……へ?」
空「婿に来るのが嫌なのならば 我が嫁に行くしかなかろう」キリッ
隊長「えっとそういう意味で言ったんじゃなくて……」
兵士2「魔王軍を辞めるのですか!?」
空「魔王様もこれぐらいの我が侭 許してくれるじゃろ」
空「それとも我の命令が聞けぬのか?」キッ
兵士2「はっ! 今すぐ準備を開始します!!」ダッ
- 431:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 12:48:11.15 ID:7ve2sJdN0
隊長「あの……あれよこれよと話が進んでますが」
空「お主が今の我に興味のないことは知っておる」
空「じゃから結婚はお主の気の向いたときでよい」
隊長「えっとそういうことじゃなくて……」
空「それと空を見てみよ」
隊長「空?」スッ
竜「ギャォオオオオオオオオ!!!」バサッバサッ
空「我が子飼いの竜じゃ 人も乗せられるし荷も乗せられる」
空「花嫁道具にはピッタリじゃろう?」ニヤリ
隊長「これで運送業者に頼まなくてすむ……採用」
空「それではこれからよろしく頼む」
辺境村 村人24人
- 434:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 12:58:41.99 ID:7ve2sJdN0
隊長「そういうわけで今日から新しい住人が増えます」
空「元空戦姫だ 元だから敬語とか使わんでよいぞ」
兵士1「姫共々よろしくお願いします」
兵士2「よろしくお願いします」
副官「この第二部 結局嫁候補を増やしただけのような……」
弓「しかも厄介な手合いを……」
鬼「よろしく頼む!!」ギュッ
空「なんだ 話がわかるのはこの鬼だけか」ギュッ
隊長「それじゃあ空を飛んで直ぐに着くらしいから」
兵士1「距離的には半日ほどで到着するかと」
竜「ギャォオオオオオオオオオ!!」
隊長「じゃあ家に帰ろうかみんな!!」
第二部「王国編」終了 第三部「発展する村」へ続く
- 438:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 13:07:03.42 ID:7ve2sJdN0
盗賊1「帰って来たと思ったら女の子が三人増えてた 超スピードだとか(ry」
盗賊2「人口比率としてはまだ男が多いけど 矢印が限りなく隊長に向いてる」
盗賊3「ロリはいいよな ロリで貧乳なら許せる」
盗賊1「全くもってその通り」
盗賊2「しかもロリなのに絶壁より胸があるとかwwwww」
隊長「結局春になってようやく帰ってこられたけど」
隊長「村の様子が結構変わってるね」
副官「どうやら数週間前から家屋の建築に取り掛かり始めたらしいです」
弓「今までは2,3人で一つの家を使っている状態だったしね」
副官「幸い土地は余っていますし 盗賊の中に建築を齧っている人がいたらしく」
隊長「その人家出して武道家やってたりしてない?」
副官「いえ そんなことはないと思いますけど」
隊長「なんだ人違いか」
- 440:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 13:12:39.67 ID:7ve2sJdN0
兵士1「隊長殿 竜を住まわせるための竜舎が欲しいのですが」
隊長「そっか 育てるなら家も欲しいよな」
竜「グルゥゥゥゥゥゥ」
副官「盗賊1 手伝いなさい」
盗賊1「はいはい この竜の家を作るんですか?」
鬼「お前って大工仕事なんて出来たの?」
盗賊1「実家が大工だったんで 簡単なものなら」
副官「では指揮はあなたが取りなさい 人数は幾ら使っても構いません」
盗賊1「わかりました じゃあ兵士さんたちも手伝ってくれ」
兵士1「初めからそのつもりだ」
兵士2「その通り」
- 447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 13:25:02.07 ID:7ve2sJdN0
隊長「それと一度街に行って市場への参入が上手くいってるかどうか見に行きたいな」
副官「それもそうですね まあ私はいつも通り留守番ですけど」ハァ
鬼「じゃあ俺もい――」
副官「鬼さんは残ってください 兼ねてからの宿屋建設などもしなくてはいけませんから」
弓「今度こそ 私も大手を振っていかせてもらおう」
空「じゃあ我も行くかな 人間の街というものにも興味がある」フン
副官「では空さんが行くなら竜と荷物を一緒に運んでもらって」
副官「あちらで運送業者との契約解除も行ってきてください」
隊長「おk 明日朝一で行って来る」
- 449:>>445 大丈夫 やる夫スレの方は一年やってるけどエタってない:2011/11/08(火) 13:31:08.44 ID:7ve2sJdN0
翌日 街
隊長「本当に 竜で行くと楽だよね」
空「そうだろう 幼き頃から我と一緒にいる相棒じゃからな」ナデナデ
竜「グルルルルル」
弓「市場はあっちだよ」
市場
店番「隊長! こっちです!!」
隊長「驚いた……名前が盗賊から店番になってる」
店番「店番なので それよりも見てください」
隊長「売れ残りなし?」
店番「飛ぶように売れるんですよ ウチの野菜!!」
空「見た目は悪そうだが……」
店番「客も最初はそういうんですけどね」
店番「試食を食べてもらうと評価一転 売れるんですよ」
- 454:>>448 眠いし仕事の時間が迫ってたからあれで終了:2011/11/08(火) 13:42:24.54 ID:7ve2sJdN0
店番「それと何人か専属で契約を結びたいって人が何件か」
弓「大口の店もいくつかあるんじゃないかな?」
店番「そうですね 流通ルートの問題で全部は無理ですけど」
店番「いくつかは専属で契約を結べば安定した収入を得られますよ」
隊長「どんどん村の野菜が認められていく(肥料はあれだけど)」
弓「そちらの契約は私が優先して行おう」
弓「とりあえず宿に集合ということで 隊長さんは勇者の料理屋を見に行ったらどうだい?」
隊長「そうだね 親父さんにも挨拶しておきたいし」
空「勇者の料理屋?」
隊長「なんでもそこの娘さんが今の勇者なんだとか」
空「ふむ 三代続いて血縁から出ている魔王とは違うということか」
- 461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 13:52:05.31 ID:7ve2sJdN0
店主「なんだ隊長さん 久しぶりだな!!」
商人「そうやよ ウチも寂しかったんやから」ヨヨヨ
隊長「店主はともかく 商人ちゃんは俺のこと知ってたんだよね」
商人「やっぱりバレとった?」
隊長「あれだけ態度で出してたらね」
商人「昔王族に壷を売りつけるために血縁関係全部調べたからな」
商人「今でも全員の名前空で言えるよ」
隊長「本当に逞しいよね」
店主「隊長さんの方だって前と違う女を連れているじゃねぇか」
隊長「あぁ この人は……」
空「我は将来の嫁(予定)の空じゃ」
店主「こんな嬢ちゃんを見てると娘の昔のことを思い出すなー」ガシガシ
空「頭を撫でるな!!」
- 462:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 13:57:58.89 ID:7ve2sJdN0
店主「お前が持ってきた野菜 好評だぜ」
隊長「ありがとうございます」
店主「これならウチの娘を嫁に出してもいいんだけどな」ガッハッハ!!
隊長「これ以上嫁は必要ありません」
空「そうじゃ 我がおれば十分じゃ」ギュー
商人「お嬢ちゃん可愛いなぁ 飴ちゃんいる?」
空「わーい♪」
空「じゃなくて子供扱いするでない!!」バシンッ
店主「これからもよろしく頼むわ」ガシッ
隊長「こちらこそ」ガシッ
- 464:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 14:03:59.83 ID:7ve2sJdN0
商人「そういや風の噂で聞いたけど」
商人「なんでも魔王軍の親衛隊の一人が出奔したらしくてな」
商人「半年ぐらい休戦するらしいよ」
隊長「それが本当なら久しぶりの休戦だね」チラリ
空「ヒュ~ヒュ~♪」
店主「まあウチの娘も働き通しだからな」
商人「そういう理由もあっての休戦の申し入れや」
隊長「ふ~ん まあウチには関係ないか」
空「そうじゃそうじゃ」
- 469:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 14:14:30.10 ID:7ve2sJdN0
隊長「じゃあ俺たちは宿に行こうか」
空「うむ!」
店主「また来いよ!」
商人「定期的に来てな!!」
空「良い店だったな!!」
隊長「店主も良い人だしね」
空「人間のように暮らすのも案外悪くないかもしれん」
空「尻尾と角を隠すのは少々窮屈じゃが」
隊長「それは諦めてください」
- 474:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 14:21:34.56 ID:7ve2sJdN0
宿主「今日もご宿泊ですか?(また違う女連れ歩いてやがる)」
隊長「今日は二部屋でお願いします」
宿主「ありがとうございます しめて20Gです」
隊長「はい」チャリン
隊長「それでどうして姫は俺の部屋にいるの?」
空「嫁候補が部屋にいて悪いのか?」
隊長「むしろ悪くない理由がわからない」
空「まあお主も女子に言い寄られて悪い気はせんだろ?」
隊長「まあね」
空「ならいいではないか」
空「それと少し膝を貸せ」ヨイショ
隊長「どうしたの?」
空「こうして空戦姫を膝に乗せたのはお主が始めてじゃ」
空「誇ってよいぞ」
- 477:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 14:25:27.25 ID:7ve2sJdN0
隊長「こんなに小さいのに俺より強いんだよね」
空「竜族は魔族の中でも最強の一族じゃ」
空「それに我は先々代の魔王の娘じゃからな」
隊長「それって……」
空「今の魔王の祖父 先代魔王の父親じゃな」
隊長「ってことは魔王の系譜なの?」
空「分家みたいなものじゃがな」
隊長「……あれ? ってことは今いくつ?」
空「女に年齢を聞くでない」ブスー
隊長「それはごめん」
- 481:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 14:30:55.82 ID:7ve2sJdN0
バタンッ
弓「空ちゃん こんなところにいたんだね」ハァハァ
空「どうした そんなにも息を切らせて」
弓「隣の部屋にいなかったからね まさかと思ったら」
空「我と隊長は既に膝に乗せあう仲じゃ」フフン
隊長「どういう仲なの?」
弓「そこをつめたまへ 私も座るから」ギュー
空「いーやーだー!!」ギュー
隊長「狭いし重い!!」
隊長「それで一緒に寝るってことで解決したけど」
弓「部屋代が一つ無駄になってしまったね」ギュー
空「まあいいではないか 寛大な心で許せ」ギュー
- 484:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 14:41:05.65 ID:7ve2sJdN0
弓「こんな美少女二人と一緒に寝ているんだ」
弓「少しは嬉しそうな顔をしたらどうだい?」
隊長「春先だからちょっと暑い」
空「まあ我の恋の炎は暑く燃え上がっているな」
隊長「どうして姫はそんな臭いセリフを堂々といえるの?」
弓「明日にはあの家に帰るのかと思うと寂しいね」ギュー
空「こんな風に寝れる日が続けばいいんじゃがな」ギュー
隊長「」
隊長「じゃあ帰ろうか」
弓「うんそうだな!!」テカテカ
空「十二分に補充は終了じゃ」テカテカ
隊長「なにが?」
- 487:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 14:45:40.13 ID:7ve2sJdN0
辺境村
隊長「たっだいま~!!」
副官「お帰りなさい 竜はあちらへ」
隊長「もしかして竜舎がもう出来たとか?」
副官「いえ もう少し時間がかかりそうなので一時的な小屋を建てました」
隊長「それでも雨水風を避けられれば十分でしょ」
副官「それと王国から使者の方が参っています」
空「もしや我のことが外交問題になったとか?」
弓「ありえるね 普通だったら大問題に発展するべき問題だしね」
副官「いえ どうやらもっと別の話らしいです」
- 488:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 14:49:55.69 ID:7ve2sJdN0
隊長「どうもお待たせしました」
使者「いえいえ 問題ありません」
隊長「それで話とは?」
使者「王様から伝言です 今回の件は特にお咎めなしと」
隊長「それは良かった」
使者「お陰で休戦出来ましたから」
使者「戦争をしているとお互い中々休戦出来ないんですよ」
隊長「それはわかる」
使者「それで休戦の間 勇者を一ヶ月ほど ここで休養させたらどうかという提案がありました」
隊長「マジで?」
使者「マジです」
- 495:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 15:04:07.64 ID:7ve2sJdN0
使者「あなたも王様の子供ですからね」
使者「一応 気になさってはいるんですよ」
隊長「……はあ?」
使者「それに勇者様が療養された土地となれば観光スポットとしても有名になります」
使者「それでなくとも この村の野菜ブランドなども確立してますし」
隊長「王様からの恩赦ってこと?」
使者「そう思って頂いて構いません」
隊長「……ではお受けします」
使者「ありがとうございます では勇者様は一週間後には来られるので」
隊長「とまあそんな話になりました」
副官「確かに 魔族だらけだとか人面野菜がいるとか」
副官「そこをなんとかすれば問題ないですね」
隊長「どうにも出来ない問題な気がするけど」
- 500:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 15:11:16.60 ID:7ve2sJdN0
盗賊2「勇者が来るのか 美少女なんだろwwwww」
盗賊3「夢がひろがりんぐwwwww」
盗賊1「……」
盗賊2「どうしたんだよ1 元気ないぞ!!」
盗賊3「勇者を精一杯持て成すのが俺たちの役目」
盗賊1「言い難いんだけどさ 俺実は兵士1ちゃんと結婚することにしたんだ」
盗賊2「」
盗賊3「」
夫「だから今度から名前が夫になる」キリッ
盗賊2「キリッ……じゃねーよ!! はあ!?」
盗賊2「1がいないと2と3って中途半端な数しか残らないだろ!!」
盗賊3「いい加減に汁 自分がなにを言っているのかわかっているのか?」
夫「ごめんな……」
盗賊2「お前なんてもう盗賊じゃねーよ!! どっか行っちまえ!!」
夫「くっ!!」ダッ
盗賊3「いいのか?」
盗賊2「これから幸せな家族を作る男に盗賊は似合わないだろ」
- 505:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 15:15:33.35 ID:7ve2sJdN0
兵士1「真に身勝手なお願いですが……」
空「よいよ まさか魔族と人間の夫婦一号がお主らとはな」
妻「申し訳ございません」
空「別段悪いことはしておらんのだ 堂々と胸を張れ」
妻「……はい」
空「ところで夫のどこに惚れたのだ?」
妻「えっと……」
空「ほれほれ言ってみい」ツンツン
妻「頼りになるし私を引っ張ってくれるところとか」カァァ
空「お主は本当に可愛いのぅ 絶対に幸せになれよ」
妻「はい!!」
- 510:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 15:21:17.44 ID:7ve2sJdN0
空「ということがあったのじゃ」
隊長「そっか盗賊1と兵士1が……」
副官「狭い村ですから 勇者が来る前に式をあげた方がいいかもしれませんね」
弓「なんせ子供は村にとって未来の戦力だからね」
弓「こういう結婚は多いほうがいいさ」
隊長「じゃあ明後日あたりに簡単な式をあげるってことで」
副官「村のみんなと当人にも伝えて来ましょう」ガタッ
盗賊2「」
鬼「どうしたんだ しけた面して」
盗賊2「お頭……」
- 514:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 15:30:38.22 ID:7ve2sJdN0
鬼「盗賊3から大まかな話は聞いた」
盗賊2「俺わかんないんっすよ 祝福してやらなくちゃって気持ちはあるんですけど」
鬼「1,2,3は初期の頃から盗賊やってたからな」
盗賊2「俺たち三人はずっと一緒でしたから」
盗賊2「食いモンがなかったら三人で分けて 幸せも三人で 辛いことも三等分」
鬼「そうやって生きてきたから 盗られたみたいで嫉妬したんだな」
盗賊2「うぅ……俺自分が情けないっす」グスッ
鬼「いいじゃねえか 祝福したいって気持ちがあるなら」
鬼「今日は泣いて明日はおめでとうって言ってやればいいだろ なっ!」ニカッ
盗賊2「お頭 胸借ります」ウゥ
鬼「おう! 来い!!」
- 519:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 15:35:29.68 ID:7ve2sJdN0
2日後
弓「それでは指輪の交換を……」
夫「」スッ
妻「」スッ
隊長(弓って神父の真似事も出来たんだ)ヒソヒソ
副官(自称何でも屋ですからね)ヒソヒソ
弓「それでは新郎新婦のナコードからの言葉」
空「うむ 我も湿っぽいのは嫌いだから直ぐに終わらせる」
空「妻 お主は今まで良くぞ我が家臣として頑張ってくれた 我は誇りに思っておる」
空「ありがとう そして今度はお主が幸せになれ!!」
妻「……ありがとうございます 姫様」
空「それとぶっちゃけ羨ましいぞー!! 隊長結婚してくれーーー!!」
副官「あんなこと言ってますけど」
隊長「知らないフリしよう」
- 520:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 15:42:46.16 ID:7ve2sJdN0
鬼「夫 お前本当に良かったなあ」グスッ
夫「お頭ぁ!!」グスッ
鬼「おっとぉ!!」
隊長「あれだけで伝わるって凄いよね」
副官「あれが漢の世界なんじゃないですか 私には理解できませんが」
弓「それでは次は二次会です」
隊長「違うよ!! 俺の言葉は!?」
弓「そうでした この村の責任者である隊長から一言」
隊長「……なんかグダグダになりそう」
- 523:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 15:46:35.47 ID:7ve2sJdN0
隊長「この村で始めての夫婦が今日誕生しました」
隊長「この村の発展において子供は宝物です そして宝物を作る君たちは誇っていいです」
隊長「今は人口も少ない村だけど 子供が生まれてまた子供が生まれれば きっと大きな村になると思います」
隊長「おめでとう……白けたね ハイ二次会の開始だ!!」
みんな「「しゃーーーーっ!!」」
隊長「みんなで新郎新婦弄りまくろうぜ!!」
みんな「「おっしゃぁあああああああああ!!」」
夫「それは勘弁して欲しいな」
妻「全くです」
- 527:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 15:51:55.46 ID:7ve2sJdN0
空「いや羨ましいというのは本当だぞ 花嫁姿とか憧れるじゃろ」
兵士2「妻ちゃん綺麗……」
妻「ありがとう」
弓「願わくばずっと幸せでいて欲しいものだ」
空「子供も十人、二十人産め!!」
盗賊3「おめでとう 心から祝福する」ギリギリ
夫「そう言いながら思い切り腕を掴むな!!」
副官「全く 人の悪口ばかり言っていたあなたが結婚とは」
夫「でも絶壁はほんと――」
副官「はぁ?」チャキ
夫「副官さんは裏表のない素敵な人です」
鬼「本当に良かったなぁ」グスグス
盗賊3「誰だよ お頭にお酒飲ませたの」
- 530:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 15:55:46.85 ID:7ve2sJdN0
盗賊2「」カキカキカキ
隊長「間に合いそう?」
盗賊2「もう直ぐ出来ます」カキカキカキ
隊長「そう 頑張れ」
夫「そういえば盗賊1の奴は……」
盗賊3「今日は見てないな」
夫「そうか……」
盗賊1「おい! 真打を忘れるんじゃねえよ!!」ハァハァ
夫「盗賊1……」
盗賊3「真打は新郎新婦だろ」
隊長「盗賊3は空気嫁」
- 532:>>530 盗賊1じゃなくて2だった:2011/11/08(火) 16:02:22.39 ID:7ve2sJdN0
盗賊2「夫婦に今必要なのはなにか?」
盗賊2「なんだと思う?」
夫「愛とか?」
盗賊2「ちげーよ!! 新居だ! お前たちの家!!」
盗賊2「俺が二日かけて設計した新居の設計図だ!!」
盗賊2「地震や雨や寒さにも強い構造だ これなら奥さんも子供も安心して暮らせる!!」
夫「盗賊2……」
盗賊2「もちろん! 俺が監督となって作る!!」
盗賊2「大切な親友の家だからな 絶対に完成させてやるよ!!」
夫「ありがとう 盗賊2」グスッ
盗賊2「泣くなよ こっちまで涙が出てくるだろ」グスッ
盗賊3「おまえらマジ最高!!」
隊長「これが漢の世界だけど 理解できない?」
副官「いえ 少しは理解できました」
- 537:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 16:07:09.09 ID:7ve2sJdN0
翌日
副官「宿屋に家具を入れる 夫婦の家を作る」
副官「むしろ仕事が増えてますね」
隊長「夫婦の家に関しては目出度いんだから考慮して」
弓「昨日のお祭り騒ぎで食材もあらかた使っちゃったからね」
副官「弓さんには狩りをお願いします」
空「我は兵士2と共に家具を回収してくる」
副官「お願いします」
副官「私は宿屋の指揮をとるので 隊長は収穫の方をお願いします」
隊長「おk」
- 540:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 16:16:17.00 ID:7ve2sJdN0
数日後
副官「なんとか勇者が来るまでに間に合いましたね」
隊長「本当になにもない村だけど大丈夫なのか?」
副官「カジノでも作ったほうが良かったんですか」
隊長「そういう不健全なものはいりません」
弓「残念だね そういうのは私の得意分野なんだが」
隊長「そんな得意分野止めて!!」
空「竜は隠さなくても大丈夫だろうか?」
副官「そこは大丈夫でしょう 恐らく」
鬼「勇者って強いのかな」
隊長「なんせ歴代最強とまで言われてるから」
- 549:今の勇者と魔王がカレーの時のヒロインs:2011/11/08(火) 16:27:40.87 ID:7ve2sJdN0
???「すいません ここが辺境村でいいんですか?」
隊長「いいけど 君誰?」
勇者「私勇者っていいます!!」
隊長「えっと……一人?」
勇者「それが他の人たちと途中ではぐれちゃって」エヘヘ
勇者「今日から一ヶ月 よろしくお願いします!!」ペコリ
隊長「うん よろしく」
隊長「ここで困ったことがあったら 弓さんに頼ればいいから」
弓「弓だ ここでの君の案内係りを勤めさせてもらう」
勇者「よろしくお願いします」
- 550:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 16:31:40.30 ID:7ve2sJdN0
隊長「今日の夕飯はみんな外で食べるから」
弓「君の歓迎会だよ」
勇者「ありがとうございます!!」
人面人参「ギャーーーッ!!」
隊長「」グシャッ
人面人参「」ピクピク
勇者「なんだか今 人参が喋っていたような……」
隊長「それは野菜の精霊です」
隊長(野菜は全部回収したんじゃなかったの!?)ヒソヒソ
弓(どうやら一匹狩り忘れていたようだね)ヒソヒソ
- 551:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 16:35:47.50 ID:7ve2sJdN0
弓「それじゃあ宿屋まで案内するよ」
勇者「はい!」
弓「ここが宿屋だ」
勇者「結構大きな施設ですね」
弓「新築だからね 君の部屋は101だ」
勇者「はい……あっ!」バキッ
勇者「すいません ドアノブが壊れちゃいました」グスッ
弓「ドアノブが壊れるぐらい よくあることさ」
勇者「そうですよね それぐら――きゃ!?」バタン
勇者「いった~い」ヒリヒリ
弓「」
- 560:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/08(火) 16:56:06.54 ID:7ve2sJdN0
弓「どうやら君は少し……」
勇者「人よりトロいって言われます」
弓「まあ仕方ないさ 多少はね」
弓「それから何もないところで転ぶこと数回 家具もどんどん破壊されて」
隊長「なにそれこわい」
弓「イマイチ力を制御できてないのかもね 年齢的に成熟してないわけだし」
隊長「そこらはどうなの姫」
空「まあ単純に年齢の問題か 器と力があってないか」
隊長「器と力?」
空「力はあっても器がちゃんとしていないと 力が暴走したりする」
空「過去 魔王勇者両名にあったことが確認されている」
- 48:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 13:17:28.36 ID:/n3s3DMY0
空「まあ今まで大丈夫だったのだから心配することはないと思うが」
隊長「今日は初日だし 精一杯楽しんでもらおう」
副官「つい最近 宴会をした気がしますが」
副官「今日は勇者さんの歓迎会です ハメを外し過ぎないように」
弓「では余興に私が少し芸を見せよう 隊長さん」
隊長「……あれ? 俺の頭にりんごを乗せてなにをするつもり?」
弓「勇者ちゃん 弓を持ってそう……あのりんごを狙ってごらん」
勇者「えっと……こうですか?」
弓「そうそう! そんな感じ!!」
隊長「落ち着いて考えよう!! 弓さんに撃たせるならともかく 勇者ちゃんに任せるのは危険すぎる!!」
隊長「ってか誰か止めてよ!!」
鬼「いいぞやれー!!」
副官「まあ隊長なら大丈夫じゃないですか」
空「万が一変なところに当たったら我が舐めてやろう」
隊長「味方がいない」
- 50:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 13:25:17.55 ID:/n3s3DMY0
勇者「えっと……こうで……」
弓「今だ!!」
パシュッ
勇者「やった! 当たりましたよ!!」
弓「いやあ中々筋がいいね」
みんな「「oh~~~」」
隊長「なんでみんなは落胆してるのさ」
盗賊2「いやだって日ごろから爆発しろって思ってるわけだし」
兵士2「当たった方が盛り上がってた」
盗賊3「むしろアンコール」
みんな「「アンコール!! アンコール!!」」
隊長「やめてください つぎはしんでしまいます」
副官「次は私が隊長を二つにしてみせましょう」チャキン
隊長「二つにしてみせましょうって まんま刀で胴体真っ二つにするんじゃないよね?」
副官「あぁん!? 私のやることに文句あんのかオラァッ!!」ヒック
隊長「誰! 副官ちゃんにお酒飲ませたの!!」
- 52:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 13:35:03.04 ID:/n3s3DMY0
空「ほらやめい」トスッ
副官「」バタンキュー
空「危なかったな」
隊長「ありがとう マジ助かった」
空「お礼はキスでよいぞ」チュー
隊長「この人に酒飲ませたの誰! 体系的にNGでしょ」
兵士2「姫様は酔うとキス魔になる」
隊長「先に言って欲しかったな そういう重要な情報」
弓「勇者ちゃん 楽しんでるかい?」
勇者「はい!!」
弓「それは良かった」
- 53:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 13:40:19.72 ID:/n3s3DMY0
勇者「あの人たちって魔族ですよね」
弓「まあね 君は魔族が憎いのかい?」
勇者「そういうわけじゃないんです!!」
勇者「でも魔族と人間がこんなに仲良く過ごしている場所なんて始めてみたので」
弓「最初から私たちだって心を許していたわけじゃないさ」
弓「ただ隊長さんは私たちに居場所を作ってくれた」
隊長「誰かこの人止めてよ!!」
空「チューするぞ!!」チュー
弓「魔族と仲良くなんて勇者の君には難しいかもしれないけど」
弓「ここを自分の家だと思って楽しみなよ」
勇者「ありがとうございます 弓さん」
- 55:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 13:50:17.57 ID:/n3s3DMY0
夫「勇者様!!」
勇者「勇者でいいですよ」
夫「それじゃあ勇者」テレ
妻「」ゲシッ
夫「痛い!! 足踏みつけるなよ!!」ヒリヒリ
妻「鼻を伸ばしてるからだ」フンッ
勇者「それでどうされたんですか?」
妻「私たちの子供の名前を勇者様に決めてもらおうと思って」
勇者「私に……ですか?」
夫「勇者さんって正義の象徴だからさ 良かったらお願いします」
勇者「本当に私でいいんですか?」
妻「他の人よりマシな名前を思いついてくれそうなので」
隊長「肥料ちゃんって良い名前だと思うんだけど」
鬼「鬼二号……」
空「ドラゴンスレイヤーの良さがわからんとは とんだ夫婦だ」
- 56:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 14:03:28.79 ID:/n3s3DMY0
隊長「今の夫婦は人間と魔族の夫婦でさ」
勇者「そうなんですか!?」
隊長「いつか魔族と人間も手を取り合えっていけるといいなって」
勇者「そう出来たらいいんですけどね」
空「隊長!!」チュー
隊長「誰かこの人引き取って」グー
勇者「フフッ」
翌日
夫「卵が生まれました」
妻「卵を産みました」
勇者「なにそれこわい」
- 57:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 14:14:11.71 ID:/n3s3DMY0
勇者「というより卵が生まれるんですか!?」
空「竜族は種付けして三日もしない内に卵を産むが なにかおかしいか?」
隊長「そういえば竜って卵のイメージあるよね」
空「後一ヶ月もすれば子供が生まれるだろう」
勇者「一ヶ月か……」
隊長「滞在期間が一ヶ月だから微妙なところだよね」
妻「私はこれから一ヶ月 卵に付きっ切りになるんですよ」
勇者「大変なんですね」
妻「だけど可愛いんですよ 私とあの人の子供ですから」ナデナデ
盗賊2「惚気はやめてー!!」
空「胸糞悪いな」
隊長「いきなり柄を悪くするのは止めてください」
- 64:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 19:14:13.42 ID:/n3s3DMY0
????「勇者ちゃーーーん!!」
勇者「あっ! 鉄さん!!」
鉄「鉄さんじゃないっすよ! マジ迷われると困るっす」
勇者「ごめんなさい」エヘヘ
鉄「なんか良い笑顔してるっすね」
隊長「勇者ちゃん そちらの方は……」
勇者「私のツレの鉄ちゃんです」
鉄「フリーの傭兵っす 金払い良ければどんな戦場にでも行くっすよ」
隊長「へー フリーの傭兵ってあんまり儲からないでしょ」
鉄「実力があればそんなことないっすよ」アハハ
弓「」
- 66:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 19:22:39.99 ID:/n3s3DMY0
鉄「ところでさっきからこっちに殺気を送ってくれてやがる人がいるんっすけど」
弓「」キッ
勇者「どうしたんですか弓さん……」
弓「彼女は……私の羽を撃ち抜いた女だ」
隊長「」
鉄「……撃ち抜いた? もしかして魔族の鳥公っすか」
鉄「沢山落としたんで顔なんて一々覚えてないっすけど」
弓「別に恨んでなんかいないさ」
鉄「まあ恨んでも私の銃とアンタの弓では勝負にもならないっすけど」
弓「――ッ!? すまない隊長さん 今日はちょっと休む」
隊長「うん 後は俺がやっとくから」
弓「」ダッ
- 67:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 19:36:03.26 ID:/n3s3DMY0
鉄「全く 未練タラタラじゃねーっすか」
勇者「鉄ちゃん ちょっと言いすぎじゃあ……」
鉄「事実は事実っすよ」
鉄「今の時代 魔族だって銃を使うんっすから」
隊長「でも弓が駄目ってことはないと思うよ」
鉄「別に駄目ってわけじゃないっすよ」
鉄「でも変な意地張って新しいものに目を向けない態度は気に入らねーっすけど」
弓「」グスッ
隊長「大丈夫弓さん」
弓「……いや全然大丈夫じゃない」ダキッ
隊長「」
- 68:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 19:51:57.28 ID:/n3s3DMY0
弓「もう忘れたと思ってたんだけどね」
弓「存外自分は小さい魔族だったみたいだ」ギュー
隊長「」ギュー
弓「翼が動かなくなった時の感覚がまだあるんだ」
弓「医者から翼を切らないといけないって言われた時は目の前が真っ暗になったよ」
弓「人間にしてみれば足を切るような行為だからね」
隊長「……弓さんは俺たちのことを凄い大切にしてくれてるよね」
隊長「絶対に守ろうってどこか一歩引いたところで見ている気がする」
隊長「でもたまには甘えないと」ポンポン
弓「あぁ ありがとう」ギュー
副官「仕事を放ってイチャイチャするのはさぞや気分がいいでしょうね」
隊長「」
弓「」
- 70:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 20:21:39.57 ID:/n3s3DMY0
副官「それで事情はわかりましたけど 勇者さんの世話係りは別の人に代えますか?」
弓「いや 私が最後までやらせてもらうよ」
副官「そうですか 大丈夫だと思いますが……」
弓「変な気は起こさないよ 大丈夫だ」
勇者「鉄ちゃん 特訓したいんですけど」
鉄「この一ヶ月は勇者ちゃんを休ませロッテ命令出てるっすから」
勇者「でも暇ですーーー」ゴロゴロ
弓「だったら少し街にでも行ってみるかい?」
勇者「いいんですか?」
弓「荷物を運ぶついでになるけどね」
- 71:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 20:28:12.82 ID:/n3s3DMY0
弓「兵士2さん」
兵士2「どうしたの?」
弓「勇者ちゃんたちを街に送って言ってあげたいんだけど」
兵士2「いいけど……」
弓「運転なら私がするから問題ないよ」
兵士2「だったらいいよ」
竜「ギャォオオオオオオオ!!」バッサバッサ
勇者「うわぁ 空から見る景色って凄いですねえ」
弓「乗りこなすのは難しいけど 出来ればこういう役得もあるんだよ」
鉄「ぐぅぐぅ」zzzz
弓「こういう景色に全く興味がない人もいるけどね」
勇者「アハハ……」
- 72:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 20:39:08.57 ID:/n3s3DMY0
勇者「お父さんただいま!!」
店主「なんだおい! お前が帰ってくるのは一ヶ月後じゃねえのか」ガシガシ
勇者「弓さんが私を送ってくれて」エヘヘ
店主「弓の嬢ちゃんか ありがとな」
弓「いえいえ 最近良い足が出来まして」
店主「鉄の嬢ちゃんも久しぶりだな」
鉄「久しぶりっす」
商人「ちわーっす って勇者ちゃん帰ってきとったの!?」
勇者「商人ちゃん久しぶり!!」ダキッ
商人「いやーん! ウチがあげた装備宣伝してくれてありがとー!!」
弓「本当に彼女逞しいよね」
- 73:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 21:08:01.72 ID:/n3s3DMY0
商人「今日は隊長さんきてへんの?」キョロキョロ
弓「そりゃいつも来るわけじゃないさ」
商人「そりゃ残念やなあ」ハァ
弓「なにが残念なんだい」ニコリ
商人「冗談やて そんなおっそろしい笑顔で笑わんといて」ヒキッ
商人「それで面白いもん仕入れたんやけど……」
店主「飯ぐらい食ってけよ」
鉄「店主のおっちゃんの飯は美味いから好きっすよ」
店主「おうおう 他の奴に餌付けされてねえだろうな」
鉄「店主のおっちゃんの料理より美味い飯なんてそうないっすよ」
店主「言ってくれるなあ お前も少しは見習え!!」
勇者「お父さんの料理は美味しいですよ」
- 74:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 21:37:12.95 ID:/n3s3DMY0
鉄「これぐらいの距離なら問題ないっすよ」パァンッ
弓「それには同意だね」シュパッ
鉄「とっとと諦めることを進めるっすよ」パァンッ
弓「それはこちらのセリフだ 今の私に精神的失敗はないと思った方がいい」シュパッ
8時間後
鉄「」パァンッ
弓「」シュパッ
商人「一体いつ終わるんや」
勇者「もう無言で撃ち続けるだけですね」
鉄「あぁああああああ!! もう駄目っす!!」バタン
鉄「指一本動かせないっすよ!!」
弓「それはこちらも同じさ」バタリ
鉄「アンタしつこすぎっす」
弓「君もね」
- 75:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 21:59:56.34 ID:/n3s3DMY0
弓「正直すぐに諦めてくれると思ったよ」ハァハァ
鉄「食うもんなくて泥食ってた人間舐めんなっす」ハァハァ
弓「そうか こう見たら弓に拘っていた私も馬鹿なのかもしれないね」
鉄「アンタの弓さばきも綺麗で良かったっすよ」
弓「ありがとう」
鉄「まあここまでしたけど私はやっぱり謝らないっすよ」
弓「いいよ 違ったら私と君の立場が逆かもしれなかったんだし」
弓「そうだったら君も気にしなかっただろ」
鉄「そうっすね」
商人「友情ってええなぁ」
副官「……で それが昨日客人を街に連れ出して帰ってこられなかった理由ですか?」
弓「……すまなかったと思ってるよ」
- 76:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 22:10:02.45 ID:/n3s3DMY0
弓「ところで隊長さん 昨日商人ちゃんから面白いものをもらったんだけど」ハイ
隊長「これは……麦の苗?」
弓「いや コメと呼ばれる食べ物の苗らしい」
空「コメってなんだ?」
隊長「高級な食材だよ パンみたいに主食として食べるんだけど」
隊長「確かに村の土壌が良いから直ぐに量産出来るかもね」
副官「高級食材を安定したラインで作れれば 村の特産品になるかもしれませんね」
鬼「正直 野菜ばかりだと飽きるしな」
隊長「ということで育ててみるか!!」
隊長「育てて出来たはいいけど高級食材だからどうやって食べるか誰も知らない」
副官「これは盲点でしたね」
- 78:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 22:34:34.12 ID:/n3s3DMY0
隊長「前に実家で食べた時はこんな皮 ついてなかった気がする」
鬼「じゃあ剥くんだろ」ムキムキ
副官「中から白いのが出てきましたね」
隊長「これってなんらかの加工をするんだよな」
弓「このままだと固くて食べられそうにないしね」
人面米「ギャーーーッギャーーーッ!!」
空「その前にまず うるさいこれが食べられるかどうかじゃろ」
隊長「かくなる上は……」
勇者「お米の調理方法ですか? 私は知らないですよ」
鉄「私も知らないっす」
隊長「ですよねー」
- 80:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 22:53:48.16 ID:/n3s3DMY0
隊長「ここはまた困ったときの商人ちゃん頼みになりそうだね」
勇者「でもコメは王国でも扱ってる料理人が少ない珍しい食材ですし」
副官「とりあえず保留ということにしましょう」ハァ
空「ここまで加工が難しい食材だと思わなんだな」
隊長「思ったんだけどさ 観光客が来られない理由の一つに整地を行ってないのもあると思う」
副官「確かに街から来ようと思うと一苦労ですからね」
鬼「俺たちみたいなのはともかく 普通の人間なら絶対に迷うよな」
隊長「王様が国家事業として整地してくれれば楽なんだけど」
副官「正直そこまでするメリットがないですから」
- 81:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/09(水) 23:01:15.26 ID:/n3s3DMY0
一ヵ月後
勇者「うわあ 可愛いですね!!」プニプニ
赤ん坊「キャッキャッ!!」
妻「勇者様が帰るまでに抱いてくださってありがたいです」
隊長「血筋的には魔族の方が強いの?」
夫「角や尻尾 それに羽も生えてるからな」
妻「隊長さんも抱いてみます?」
隊長「いいの!?」
妻「どうぞ」ハイ
隊長「あはは」ヨシヨシ
赤ん坊「キャッキャッ!!」
副官「ロリコン」ジトー
弓「姫さんの件もあるし」ジトー
鬼「ないわー」ジトー
空「やはり隊長は我のことが好きだったか」ハッハッハ!!
隊長「俺はロリコンじゃないからね」
- 91:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 14:45:19.83 ID:F+UTwQHa0
昨日の寝オチはないな
勇者「それじゃあ私たちはこれで帰ります」
隊長「もう少しゆっくりしていってもいいんだけどね」
勇者「私もまだ色々な地方を回ったりしないといけませんから」アハハ
副官「平和な世を手に入れられたら また遊びに来てください」
鬼「なんせこの村は来るもの拒まずだからな!!」
勇者「はい!!」
鉄「今度までに銃の腕を磨いておくっすよ」
弓「君も 弓など古臭いと特訓をサボらないように」
鉄「次は弓でもアンタに勝つっすよ」ガシッ
弓「それはこちらのセリフだよ」ガシッ
この後 魔王と出会った勇者がここでの体験で剣が鈍り逃してしまうことになるのだが
またそれは別の話
- 92:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 15:11:52.18 ID:F+UTwQHa0
盗賊2「隊長が女を引っ掛けないなんて珍しいな」
盗賊2「でも勇者ちゃん可愛かったな ああいう子を嫁にもらいたいよな」クルリ
盗賊3「でも兵士2の方が可愛い」ギュッ
兵士2「盗賊3……」ギュッ
盗賊2「なんで二人して手繋いでるの……えっ!?」
盗賊2「うぅ……ぐすっ」
隊長「えっと 泣くなよ」
盗賊2「祝福してはいるんですよ でも独り身になったと思ったら泣きたくて」グスッ
隊長「お 女の子は他にもいるじゃない」
盗賊2「他の独女は全員隊長のことが好きなんですよ!!」
隊長「……ごめん」
盗賊2「謝らないでください」グスッ
- 93:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 15:16:00.34 ID:F+UTwQHa0
隊長「そうだ! たまには街に遊びに行こうよ」
盗賊2「遊びにですか……?」
隊長「明日飛ぶ積荷と一緒にさ 男二人遊び」
隊長「街で女の子を誘ったりしてさ」
盗賊2「…………」
隊長(やっぱり駄目か)
盗賊2「それいいっすね!! 行きましょう是非!!」
隊長「うん」
街
盗賊2「街来るのなんて久しぶりっすよ!!」
隊長「俺もまさか男二人で来るとは思わなかったけどね」
商人「隊長さんやん お久しぶり!!」
隊長「おひさー 盗賊2は初顔合わせだっけ こちら取引先の商人ちゃん」
商人「どうも!!」
盗賊2「」
- 94:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 15:47:45.47 ID:F+UTwQHa0
盗賊2「隊長ちょっとちょっと!!」クイックイッ
隊長「なにどうしたの?」
盗賊2(なんなんっすか あの可愛い子)ボソボソ
隊長(商人ちゃんのこと? 普通の商人だと思うけど)ボソボソ
盗賊2(隊長 手なんて付けてませんよね)ボソボソ
隊長(まあ あっちは客としか見てないと思うけど)ボソボソ
盗賊2「商人さん 折り入ってお願いがあります!!」
商人「なに?」
盗賊2「僕と結婚してください!!」
隊長「」
商人「金持っとったらええよ」
隊長「」
- 95:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 15:59:24.58 ID:F+UTwQHa0
盗賊2「隊長 俺には金がありません」
隊長「知ってるよ 賃金は出してるけど正直 村も開拓で金が出て行くしね」
隊長「ってか出会って1分も経たない内に告白した根性が凄いよ」
盗賊2「恋は常に真っ直ぐにです!!」
隊長「はいはい それでどうするの?」
盗賊2「確か隊長たち 次はコメを作るって言ってましたよね」
隊長「まあ作れても加工の仕方がわからないから後回しにしてるけど」
盗賊2「一生のお願いです!! 俺の男を上げるために俺をコメ修行の旅に行かせてください!!」
隊長「コメ修行?」
盗賊2「そうです! コメは絶対に売れます! だから!!」
隊長「お金がいるよね」
盗賊2「なんせ専門家の人を探すところから始めなくちゃいけないので!!」
- 96:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 16:09:32.98 ID:F+UTwQHa0
隊長「俺があの村に派遣された時 最初は文句ばかり言ってた」
隊長「こんなもん出来るか馬鹿野郎ってさ」
隊長「俺は王様に命令されてやったけど自分の力で頑張ろうとしている盗賊2は凄いと思う」
盗賊2「隊長……俺は……」
隊長「好きな女の子のために頑張るのだっていいじゃない」
隊長「俺は応援するよ 金はとりあえず俺が持ってる分しかないけど」
盗賊2「隊長! ありがとうございます!!」
隊長「それと帰ってきたかったらいつでも帰ってきていいよ」
隊長「あそこはみんなの家なんだから」
盗賊2「では行ってきます!!」ダッ
副官「それで自分の手持ちの金もすべて渡して行かせてしまったと?」
隊長「アハハ……」
- 97:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 16:15:03.83 ID:F+UTwQHa0
弓「いいじゃないか コメが大量生産出来たら利益が出そうなんだろう?」
副官「そうかもしれませんが……」
鬼「あいつが抜けた分は俺がフォローしてやるよ」
空「それに隊長もなにか勝算があったんじゃろう?」
隊長「……まあね」
副官「……ハァ 誰かさんも早く身を固めてくれればいいのに」
隊長「なにか言った?」
副官「なんでもありません!!」
辺境村 村人24人
- 100:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 16:29:33.22 ID:F+UTwQHa0
そして半年の休戦期間も解かれ様としている時 両陣営でも動きがあった
王国
???「なんだなんだ!! 空戦姫を口説き落とした馬鹿がいるらしいじゃないか!!」
王様「年がら年中戦場にいるから気付かんのだろう」
???「アタシだって戦いたかったさ!! だがそいつとはもっと戦いたい!!」
王様「お主は相変わらずじゃな とっとと婿を取り余を安心させてほしいのじゃが」
姫「戦人が恋人で戦場が棺桶のアタシには関係ないね!!」アッハッハ
王様「どうして余と妃の子がこんな性格になるのやら」
王様「それと隊長は主と腹違いの子じゃ 手を出してはならぬぞ」
姫「つーことは兄弟? 親父の子はアタシ以外 ち○こもついてないような奴ばかりだと思ってたけど」
姫「存外面白い奴もいるもんだな へー隊長ね」
王様「なにを考えておる」
姫「いやなに 前線に戻る前に愛しき弟の顔でも見ようと思ってね」ニヤリ
- 101:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 16:36:41.12 ID:F+UTwQHa0
魔王城
大鬼「休戦終了間際に四大貴族召集なんて穏やかじゃねーな」
大吸血鬼「あなたの娘の問題なんじゃない?」ウフフ
大鬼「側近は嬢ちゃんのところで元気にやってるぞ」
大吸血鬼「もう一人の方よ なんでも国境近くで盗賊の真似事をしていたらしいじゃない」
大鬼「お前 そういう所だけ耳が早いよな」
大吸血鬼「それが長生きの秘訣なのよ」
バタンッ
魔王「来ておるのは鬼族と吸血鬼族の二人だけか」
大鬼「ババアは不参加だろ」
大吸血鬼「ババア? 初代魔王の頃から生きてる化け物の間違いじゃないかしら」
九尾「人の陰口を言うぐらいなら堂々と言えばいいじゃないですかぁ」クスクス
大鬼「いつの間に着たんだよ」
- 102:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 16:43:30.60 ID:F+UTwQHa0
九尾「最初からいたですよ」
大吸血鬼「相変わらず不気味な雰囲気は健在ね」
九尾「妾にそれは褒め言葉です」クスクス
魔王「今日の議題は勇者のことだ」
九尾「前回は誰かさんが守ってたのに魔王城近くまで進軍されたしねぇ」
大鬼「ぐっ……!!」
九尾「空戦姫までいなくなって 竜族も今混乱してるんじゃない?」
魔王「だからこそ余たちが各貴族たちに和平の説得をしている間に勇者を――」
九尾「相手は歴代最強 前代の魔王ならともかく あなたに止めるのは無理よ」
大鬼「なんだおい!! 今のは魔王様への侮辱か!?」チャキ
九尾「あら 妾とやるのぉ?」クスクス
魔王「やめい! 今味方同士が戦ってもどうにもならんだろう」
- 104:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 16:56:32.93 ID:F+UTwQHa0
九尾「この城の目の前にまで来てた王国軍が休戦に応じたのは一つ」
九尾「勇者さえいれば時間の問題だぞっていう心理的攻撃でしょうね」クスクス
魔王「お主にはなにか策があるのか?」
九尾「策と言えぬものが一つ 魔王様は魔王の短刀の居場所をご存知ですか?」
八尾「九尾様 此度の会議の程はいかに?」
九尾「辺境村を攻める策を提案したけど却下されちゃった」クスクス
八尾「今そんな場所に兵を割く余裕などありませぬ」
九尾「魔王の短刀にはそれだけの価値があるの」
九尾「恐らく妾の予想が正しければ」
九尾「その持ち主は面白いことになってるわよ」クスクス
第三部「発展する村」終了 第四部「戦乱の中」へ続く
- 105:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 17:02:42.47 ID:F+UTwQHa0
第三部終了です 一つ言っておきたいことがある 主人公は盗賊たちじゃない!!
続いて村人名鑑なんかを出します
- 107:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 17:18:28.32 ID:F+UTwQHa0
辺境村 村人戸籍
隊長 辺境村再興の任を受けた王国の兵士 公式にはこの隊は一人だけなのだが 結構強い
副官 隊長の副官 吸血鬼 枕が嫌で脱走兵に 素直になれない絶壁 略してツンペキ
弓 翼がない鳥獣族 なんだかんだで頼りになるお姉さん でも男に間違われるぐらい格好良い
鬼 超デカイ鬼族 元盗賊団のお頭でもある 俺っこ
空 元空戦姫で強い竜族 年齢は内緒 ロリであるが体型は一族の宿命的ななにからしい
夫 元盗賊で大工仕事が得意 三馬鹿の一人 現在は結婚して所帯持ち
妻 空の側近で竜族 現在は結婚して子持ち 案外家庭的なところがあったり
幼女 夫と妻の子供 記念すべき辺境村子供一号 みんなから猫可愛がりされている
盗賊2 元盗賊で三馬鹿の一人 現在は商人に認めてもらうためにコメ修行に出かけている
盗賊3 元盗賊で三馬鹿の一人 良いことをいって色々終わらせる人らしい 現在は兵士2と結婚している
兵士2 空の側近で竜族 口数が少なかったりするがそこが可愛い 現在は人妻
他に盗賊が17人ほどいるが省略
- 109:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 17:25:22.15 ID:F+UTwQHa0
かつて少年は貴族として育ち 自分に出来ないことはないと信じていた
妹「返してよおにいちゃーん!!」
少年「嫌だねばーか!!」ヘヘーン
弱者は自分の下に這いずるのが当たり前で そんな育てられ方しかされなかった
少年「ここまで逃げれば大丈夫だよな」
少年「ん? なんだこりゃ」ヒョイ
その時少年は短刀を拾い 人が変わったように大人しい性格になった
少年「メイドちゃんありがとう」ニコッ
メイド「そんな! 滅相もない!!」アタフタ
そして家を出て軍に入り異例の速さで出世して小隊の隊長を任せられた頃
指揮官「空戦姫相手に手傷を負わせるとはな」
指揮官「それを上の人間が聞いて揉み消したらしい」
隊長「嫉妬怖い」
指揮官「王様からも呼ばれているぞ」
隊長「多分左遷ですかね」
指揮官「恐らくな」
こうして隊長とは辺境村へといくことになった
- 110:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 17:37:10.45 ID:F+UTwQHa0
隊長「村も最初に比べたらかなり大きくなったよね」
副官「夫の活躍で家も増えましたし 土地なんかは木を伐採すれば増えますしね」
副官「そういうわけで土地も増えたことですし そろそろ家畜などを入れたらと」
弓「私たちの食の中心は肉か野菜だからね」
空「家畜がおれば卵や乳なども食せるしな」
鬼「でも家畜って高いんじゃないのか?」
副官「そこは積み立て金があるので大丈夫です」
副官「更に家畜から取れた食品で野菜の消費量を減らせばそれも売れますし」
隊長「詳しい人間と家畜小屋もいるよね」
副官「詳しい人間は盗賊にいるでしょう……恐らく」
弓「家畜小屋は竜舎を作った経験を生かせば出来そうだね」フム
副官「後は家畜を買いに行く係りですけど」
- 117:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/10(木) 21:23:57.79 ID:F+UTwQHa0
副官「今回は隊長と私が行きましょう」
弓「いや だから指揮官が動くと……」
副官「だから各場所に責任者を決めたんでしょう」
空「最近やたら頑張って仕事をしておると思ったら……」
副官「ずるいです 私は副官なのに隊長の傍にいるのは他のみんなだけ」
副官「公平じゃないです」グスッ
弓「わかったよ 私たちがなんとかするから」
鬼「そうだよ だから泣き止めよ」
副官「そうですかわかりました」ケロッ
弓「」
鬼「」
空「」
仕事行ってくる
- 118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西地方):2011/11/10(木) 23:23:12.66 ID:z3DZAsJoo
いってらー
- 138:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 18:55:31.00 ID:xApvR1Uy0
街
隊長「牛と豚を少々買ったし そろそろ帰らない?」
副官「いいじゃないですか 今日は一泊しましょう」ギュー
隊長「……それはまあいいんだけど あまりくっつかれると動き辛い」
副官「嫌なんですか……」ウルウル
隊長「うっ……!」
隊長「好きにしてください」ハァ
副官「では好きにします」ギュー
副官「隊長は凄いですね」
隊長「いきなりどうしたの?」
副官「だってあの荒廃した土地が今では普通の村にまでなってますから」
隊長「まあみんなが頑張ってくれてるから 副官ちゃんもいるし」
副官「いえ 他の人も隊長でないと付いて来なかったと思います」
隊長「そんなことないよ」
- 139:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 19:08:14.00 ID:xApvR1Uy0
副官「隊長 今日はゆっくり休んでください」
副官「隊長は少し頑張りすぎです」
隊長「……そうかな でも副官がいるなら本当かな」
副官「膝を貸してあげますから」ポンポン
隊長「……ん ありがとう」
隊長「すぅすぅ」zzzz
副官「そう みんな隊長が好きだからついてきているんです」
副官「私も……」ナデナデ
隊長「……もしかして結構寝てた」パチリ
副官「えぇ もう夜なので」
隊長「そっか 最近血を飲んでないけど大丈夫」
副官「出来れば……」モジモジ
- 141:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 19:23:54.31 ID:xApvR1Uy0
副官「」チューチュー
隊長「」
副官「」チューチュー
隊長「」
副官「ありがとうございます」ギュー
隊長「うんいいよ」
副官「」ギュー
隊長「いい加減に離してくれないと動けないんだけど」
副官「隊長 私隊長のことが好きです」
隊長「好きって……」
副官「私を助けてくれたあの時から 追っ手を追い払ったのは隊長ですよね」
隊長「バレてた?(本当は追い払ったんじゃないけど)」
副官「あれだけ強い姿を見れば誰でも予測がつきます」
- 143:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 19:40:40.18 ID:xApvR1Uy0
副官「それに隊長は常に私たちのことを守ってくれていますから」
隊長「……」
副官「恐らく弓さんや鬼さんも隊長のことが好きです」
副官「空さんは……まああの人はそのまま言ってますけど」
隊長「……今は戦争中じゃない」
隊長「あそこの村は相当安全だけど なにが起こるかわからない」
副官「だから待って欲しいと」
隊長「うん ちゃんと考えるからさ」
副官「私に頼らず一人でですか」クスッ
隊長「あの 最近は副官ちゃんに頼りっぱなしな気がするけど これだけは自分でケリをつけるからね」
副官「えぇ 信じていますよ隊長のこと 私は副官ですから」
- 144:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 19:48:17.24 ID:xApvR1Uy0
村
弓「」ジトー
鬼「」ジトー
空「」ジトー
隊長「なんか村に帰ったら三人からの視線がキツイ」
弓「女の勘……というものかな」ハァ
鬼「隊長は押しに弱い気がするからな」
隊長「なにその評価」
空「まあよいさ どんな選択をしようと隊長の勝手じゃからな」
隊長「ありがとう」
副官「それでは真面目な話をします」
副官「家畜の世話は盗賊3こと牧場主に任せましょう」
隊長「早く食べたいよね」
- 146:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 19:59:53.64 ID:xApvR1Uy0
副官「それで観光客なんですが」
隊長「全く来ないよね」
弓「やっぱり道が舗装されてないのが一番の問題なんだよね」
副官「勇者が来たからといってこんな場所に来る物好きなんていませんから」
バタンッ
牧場主「隊長!!」
隊長「どうかした?」
牧場主「観光客の方が……」
隊長「マジで!?」
牧場主「マジです」
隊長「へぇ 何人ぐらい?」
牧場主「100人ほど」
隊長「……はい?」
牧場主「王国軍の指揮官直々に着てます」
- 147:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 20:08:03.96 ID:xApvR1Uy0
隊長「この村を任されている隊長です」
姫「この村へは補給と休息にきただけだ そう畏まるな」
隊長「……こんな村にですか?」
姫「確かになにもない村だが 皆が前に進もうという気力がある」
姫「アタシにとってはそれで十分だ」
姫「それに腹違いとはいえ アタシの弟もいるからな!!」バシバシッ
隊長「痛いです!!」
副官「あれが王国の狂戦士ですか」
弓「王族なのに前線で突っ走ってる人だよね」
空「だがその軍は常勝じゃ 一度たりとも奴の兵を崩したことがない」
副官「常軌を逸してますね」
- 148:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 20:21:40.92 ID:xApvR1Uy0
副長「姫様 野営の準備が出来ました」
姫「良し キサマらは命令あるまで待機」
副長「姫様は……」
姫「アタシは弟と話がある 寝食もそちらでする」
副長「危険すぎます ここには魔族も――」
パチンッ
姫「アタシは無能が嫌いだ アタシの邪魔をするからな」
姫「次はないぞ」
副長「出過ぎた真似をしました」ヒリヒリ
姫「それじゃあ家族水入らずでお話でもしようか」
隊長(ウチの妹の最上級バージョンか……)
隊長(我が侭なのは一緒だけど こっちには実力があると)
姫「ぶっちゃけ親父いらね」
隊長「ぶっちゃけ過ぎです」
- 149:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 20:27:21.20 ID:xApvR1Uy0
姫「親父にはこの戦争が終わったら隠居してもらう」
姫「その後 アタシが王権を握る」
隊長「その話はせめて俺のいないところでして欲しいです」
姫「お前にも一枚噛んでもらうんだ 聞いてろ」
隊長「」
姫「親父の息子は他にもいるがありゃ駄目だ」
姫「権力と居場所に固執した豚しかいない」
姫「アタシだけだぜ こうして戦場に出てくる王族なんて」
隊長「それは姫が特別な――うゅっ!?」
姫「お姉様と呼べ 特別に許す」グニー
隊長「わきゃりましゅた」
姫「よろしい」
- 151:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 20:32:54.54 ID:xApvR1Uy0
姫「更にぶっちゃけるがアタシは政には向かない性格だ」
隊長「でしょうね」
姫「だから代わりにアタシの傍で政をやってくれる従者が必要だろ」
隊長「それを俺にやれって?」
姫「そうだ 領土もやる なんならこの村もなんとかする」
隊長「あの……俺に政なんて……」
姫「それは勉強しろ この村の建て直しなんて困難なことをやってるんだ出来る」
隊長「えっと……」
姫「アタシのことが信用できないか?」
隊長「お姉様ぐらい竹を割ったような性格なら信用できます」
姫「そうだろ? だったら迷うことはない」
隊長「一つ聞いていいですか?」
姫「なんだ」
隊長「俺は将来的には魔族を嫁にするんですけど」
姫「今だと絶対にありえんな」
- 153:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 20:46:22.51 ID:xApvR1Uy0
姫「だがよく考えろ オークのような馬鹿ならともかく 魔族にも優秀な人材はいるだろう」
姫「それをすべて駆逐するなんて親父みたいな考えは気にいらねえだろ」
隊長「もしかして……」
姫「アタシがやりたいのは侵略じゃない 天下統一だ 魔界も飲み込んで一つの国を作る」
姫「その国に差別なんてありようがないだろ」ニヤリ
隊長「凄い魅力的な提案ですね」
姫「だろう? 理想論なんかじゃないぞ絶対にやる!!」
隊長「……少し考える時間をください」
姫「いいぞ 存分に考えろ」
副官「大丈夫ですか? なにやら顔色が悪いようですけど」
隊長「胃に悪い話を聞かされたからね」ハァ
- 154:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 20:49:49.13 ID:xApvR1Uy0
姫「畑仕事か アタシも手伝おう」ザックザク
弓「あの人 中々帰らないね」
空「というより馴染みすぎじゃ」
隊長「まああんな性格じゃなきゃ 無茶な作戦に部下がついてきてくれないし」
姫「なんだ弟 お前も手伝え」ガシッ
隊長「お姉様首を掴まないで苦しいから!!」ズルズル
姫「あっはっはっは!!」
姫「働いた後の飯は美味いな!!」モシャモシャ
副官「一人で何人分食べるんですか」ハァ
鬼「俺もおかわり!!」
副官「張り合わないでください」
- 155:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 20:56:40.17 ID:xApvR1Uy0
副長「姫様 至急お耳に入れたいことが……」チラッ
姫「聞かれても構わん 言え」
副長「勇者様が魔王城に乗り込んだ後 魔王勇者様共に行方知れずとのことです」
姫「――――ッ!?」ガタッ
隊長「それって……」
副長「まさか勇者様の進行速度がそこまで速いとは思いませんでした」
姫「10分以内に出陣させるぞ」
副長「はっ!!」ザッ
隊長「副長さん! 勇者さんの生死は……」
副長「わかりません 前線も混乱しています」
副長「魔王軍の方も同様で恐らく予想外の出来事かと」
- 157:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 21:05:17.18 ID:xApvR1Uy0
姫「最後に隊長 あの話考えておけよ」
隊長「わかった」
姫「じゃあ行くぞお前ら!!」
空「まあ勇者も最強の勇者とまで呼ばれたんじゃ 恐らく大丈夫であろう」
隊長「……うん また遊びに来るって言ってたしね」
副官「私の膝を貸しましょうか あの時みたいに」
弓「あの時? それは興味がある話だね」ザクッザクッ
隊長「痛い!!」
鬼「そこのところ 詳しく聞かせて欲しいな」ギュー
隊長「腕を掴むのやめて!!」
- 158:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 21:13:48.17 ID:xApvR1Uy0
空「……ハァ」
隊長「空ちゃん大丈夫?」
空「我は元気だが……ハァ」
隊長「いや 元気言いながら溜息つかれても」
空「魔王のことが少し心配でな」
隊長「そういえば魔王の叔母だったんだっけ」
空「小さい頃から面倒を見てきたからな」ハァ
隊長「自分がこの村に来なかったから とか後悔してる?」
空「少しはな……いや鬼族の頭領を超えた時点で我がおってもなにか出来たとは思えんが」
隊長「空ちゃんが責任を感じることなんてないよ だって……」
???「自分には生きているのがわかるから……と」
空「キサマは……ッ!?」
九尾「ここ一枚絵でお願いします 妾登場シーンなので」
- 159:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 21:29:50.07 ID:xApvR1Uy0
空「化け狐がなんの用だ」キッ
九尾「おしめまで変えた妾に暴言とは 大きくなって妾嬉しい」
隊長「空ちゃん この人は……」
空「魔界四大貴族 妖魔族の長だ」
九尾「そう 妾偉いの」クスクス
空「なにが偉いだ 一万年以上生きてる化け物だぞ」
九尾「空ちゃん」
空「」ビクッ
九尾「妾これ以上の暴言は許すつもりないですけど」ゴゴゴゴゴ
空「はいすいません」
隊長「あの……」
空「言っておくが絶対にあいつに逆らうなよ」
空「普段は隠しているだけで恐らく実力なら魔王以上じゃ」
隊長「はいわかりました」
- 160:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 21:39:05.06 ID:xApvR1Uy0
隊長「それでなにかお話があるので着たんですよね」
九尾「魔王が行方不明だという話は聞いてますよね」
隊長「……まあ聞いてます」
九尾「現在魔界は先代の魔王であり 空ちゃんの姉である魔王女が指揮を執っていますが」
九尾「この機に乗じて魔界の過激派が反乱を起こそうとしています」
空「それで我に戻って来いと」
九尾「魔王の血筋を持つあなたが指揮をとれば魔界の混乱も収まります」
九尾「ぶっちゃけ妾動くの面倒なのでなんとかしてください」ハァ
空「ぶっちゃけるな」
九尾「それとそちらの御仁も連れてきて欲しいの」
隊長「……おれ?」
空「どうして隊長も!!」
九尾「……それは本人が一番知っているでしょう」
隊長「……」
- 161:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 22:03:40.28 ID:xApvR1Uy0
九尾「魔王の短刀は持ち主に初代魔王の知識を与えます」
九尾「まあ今まで持ち主が現れたことはないですけど」クスクス
空「……本当か?」
隊長「まあね 別に持ってても困るものじゃないから黙ってたけど」
九尾「仕草や言動など初代魔王様そっくりです」クスクス
九尾「初代魔王様は今の魔界を作った建国士ですので」
空「隊長を戦乱に巻き込むつもりか?」
九尾「初代魔王様は人間との共存を望んだお方です」
九尾「既にあなたの意思は固まっているのでしょう」
隊長「俺は……魔界に行くよ」
九尾「ありがとうございます これで魔界は救われました」クスクス
空「おい隊長!! 一言言っておくがあいつは……」
隊長「信用するな……でしょ」
空「そうだ! あいつは魔族でないとも異世界から来たとも言われる……」
隊長「大丈夫だから」
- 163:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/12(土) 22:46:44.18 ID:xApvR1Uy0
隊長「そういうわけで魔界に行くことになりました」
副官「なら私たちも!!」
九尾「これから行くのは戦地で妾の魔法なら二人までなら逃がせるけど」クスクス
隊長「そういうわけで行くのは空ちゃんと二人になりそうです」
弓「まあ遊びに行くわけじゃないから反対は出来ないね」
鬼「それに隊長なら俺たちが危険な目に遭うほうが傷つきそうだし」
副官「……」
隊長「絶対に帰ってくるよ 心配しないで」
副官「わかりました 隊長がいない間の村は私たちに任せてください」
隊長「うん」
九尾「」クスクス
仕事いってくる
- 164:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県):2011/11/12(土) 22:47:51.70 ID:iy/dO98ko
おっつ!
- 166:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/12(土) 23:49:15.31 ID:4PtYo2TDO
いってら
- 176:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/13(日) 20:20:39.37 ID:D03Yi/+J0
九尾「妾沢山生きてるけど馬車での移動が一番嫌いなの」
空「文句を言うな 竜がキサマを乗せるのを嫌がらなければ……」
九尾「尻尾モフモフしてて気持ちいいのにね 隊長さんはどう思う?」モフモフ
隊長「モフモフしてますね」キリッ
空「」ガッ
隊長「それで後どれぐらいでつくんですか?」ボロボロ
九尾「最速で飛ばして一週間というところです」
九尾「ただし……」ポン
隊長「穴って落ちるうぅううううううううう!?」ヒューン
九尾「これから先は空ちゃんだけで行って頂戴な」クスクス
空「なっ!? キサマ!!」
九尾「妾馬車が嫌いゆえ 空間魔法で移動させてもらいます」
- 177:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/13(日) 20:33:14.16 ID:D03Yi/+J0
隊長「ここは……モフモフする……」モフモフ
九尾「妾の尻尾 赤ん坊にも人気なので」クスクス
隊長「それでここはどこ?」
九尾「異次元の狭間です あちらへ行くと異世界へ行けますよ」
隊長「イセカイ? まあなんでもいいや」
九尾「ここにあなたを呼んだのは妾が個人的に話があったからなの」
隊長「……話?」
九尾「あなたは初代魔王に似ているって話を覚えてる?」
隊長「まあ 彼の知識を受け継いでるから」
隊長「子供の頃に短刀を拾って性格がこんな感じになっちゃったけど」
九尾「……そう 初代魔王様も一つの目的をもってして 誰かを助け続けた人でした」
九尾「まだ世界が一つだった頃 人間は大陸に入りきらないほどの数になり 互いに戦争を始めました」
隊長「領土戦争ってこと?」
九尾「そう そしてそんな時に立ち上がったのが当時人間の王だった魔王様なんです」
隊長「確かに知識としては知ってるけど 本当に人間だったの?」
九尾「魔力だけは神がかってありましたので」
- 178:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/13(日) 20:43:06.25 ID:D03Yi/+J0
九尾「食糧問題などもあり 増え続ける人を減らさなければなりません」
九尾「初代魔王様は悩みました」
隊長「だからあの魔法を使ったの?」
九尾「そう あの人は魔法で大陸の隣に全く同じ鏡写しの国 魔界を作り出したんです」
九尾「初代魔王様は魔界へ移り王国の国民も領土問題が解決してウハウハ」
隊長「とはいかなかったんだよね」
九尾「食べ物の問題か はたまた造りものの土地だからいけないのか」
九尾「彼らが産んだ子供はことごとく突然変異した生物でした」
九尾「翼があったり角が生えてたり皮膚が鱗だったり 妾も流石に驚き」
隊長「それが魔族で……」
九尾「何世代かの後に 気持ち悪がった王国側が戦争を仕掛けてくるんです」
隊長「でも魔族と人間じゃ元々の力に違いがありすぎる」
九尾「だから人間側は初代魔王様の妹である勇者様を討伐へ向けた」
- 179:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/13(日) 20:49:10.69 ID:D03Yi/+J0
九尾「最終的に勇者は己の命と引き換えに魔王を倒しましたが」
九尾「両者の恐ろしいまでの魔力は塊となって己の求める所有者へと引き寄せられるようになりました」
隊長「これが後に受け継がれる魔王と勇者の宿命なんだよね」
隊長「ってか今の話に九尾さん出てこなかったけど」
九尾「妾はサボってたゆえ」
隊長「そうっすか」
九尾「妾は今でも初代魔王様に忠誠を誓っています」
九尾「丁度あなたを慕ってくれているあの子たちみたいに」クスクス
隊長「アハハ……」
九尾「だからこれからなにが起ころうとも 妾を信じて欲しいの」
隊長「いいよ」
九尾「即答ですか? 簡単に信じると後悔しますよ」クスクス
隊長「まあ俺の中にある初代魔王の意思みたいなのが信じろって言ってるから」
九尾「そうですか」
- 180:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/13(日) 21:23:21.84 ID:D03Yi/+J0
王国
王様「勇者が死んだとなると ワシらは魔族へは勝てん」ハァ
九尾「その通りです 魔族と人間では生まれ持った能力に差がありますゆえ」クスクス
王様「キサマ! 魔族……と隊長!?」
隊長「どうも」
九尾「警戒を解いて欲しいの 妾別に戦いに来たわけじゃないゆえ」
九尾「逆に和平を持ちかけにきたんですから」クスクス
王様「……和平じゃと? 無理だ 今更人間と魔族が手を取り合おうなどと」
九尾「そう 今まで憎み合って来た両者が仲良くするなんて簡単には無理」
九尾「だからこその提案です 妾は四大貴族の一人 そして隊長さんは王族の一人」
王様「政略結婚か?」
九尾「魔族と人間 仲良く手を取り合いましょう」クスクス
隊長「」
- 184:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/13(日) 21:43:48.03 ID:D03Yi/+J0
王様「だが魔王や勇者が生きていた場合どうするんじゃ?」
九尾「魔王様に異次元移動魔法を教えたのは妾ゆえ」
九尾「当分は戻ってきません」
王様「その間にすべてを終わらせると?」
九尾「妾ならそれが可能であります 同士も沢山いるので」
王様「わかった 魔王城にいるであろう我が部下を退かせよう」
九尾「しばらく魔界でも内乱が起きますが それも四大貴族の名をもってしてなんとかしましょう」
王様「では後は頼む」
九尾「会談の最中 一言も喋りませんでしたが 良いのですか?」
隊長「まあ九尾さんを信じるって言っちゃったしね」アハハ
九尾「それを律儀に守ることないでしょうに お馬鹿な人ですね」クスクス
隊長「それよりも 文書とかにしなくて良かったの?」
九尾「大丈夫ですよ これもすべて妾の策ゆえに」
- 185:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/13(日) 21:58:44.61 ID:D03Yi/+J0
九尾「魔王城までは今度こそゆるりと行きましょう」
九尾「隊長さんも疲れたでしょう 妾の尻尾を貸しますよ」ポンポン
隊長「いいの?」
九尾「先ほどから尻尾ばかりに目がいっていたゆえ」クスクス
隊長「気付いてたの?」モフモフ
九尾「妾の尻尾を味わった者は胸などよりもそちらに目がいくから」
九尾「絶世の美女だというのに失礼極まるでしょう」クスクス
隊長「尻尾がなくとも九尾さんは魅力的だよ」
隊長「ただ この感触はなつか……し……すぅすぅ」zzzzz
九尾「そうですね 初代魔王様も妾の尻尾が好きでしたゆえ」
九尾「」ナデナデ
- 199:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/14(月) 20:41:15.45 ID:3wFge+sZ0
魔王城
隊長「なんか魔王軍と王国軍一触即発の雰囲気だったけど」
九尾「恐らく魔王勇者両名が行方不明ゆえ 最後の総力戦を行おうとしているのでしょう」
隊長「お陰でここまで来るのに時間かかったしね」
九尾「そうですね……隊長さん」
隊長「なんですか?」
九尾「我が忠誠は初代魔王様にあり その言葉を忘れないでください」
隊長「……わかりました」
魔王「久しいな 九尾」
九尾「おや魔王様 お帰りになっていたのですか?」
魔王「白々しいな 余のいぬ間に魔界を掌握しようとしていたのにか」
九尾「…………」
魔王「既にキサマの家に調べは入っておる まあ出るわな」
魔王「今までの魔王を裏から動かして自分のいいように歴史を動かした証拠が」
九尾「」
- 200:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/14(月) 20:50:24.15 ID:3wFge+sZ0
九尾「妾を捕まえるのですか?」
魔王「当たり前だ 抵抗してくれるなよ」
九尾「……しませんよ しかし一つだけ……」
九尾(変な話に付きあわせてすいませんでした)ボソボソ
九尾(なにか問われてもなにも知らないで通してください)ボソボソ
九尾「最後にあなたと話が出来て本当に楽しかったですよ」ナデナデ
隊長「」
魔王「お主らなにをしておる?」
九尾「彼にかけた洗脳を解いていたのです さあ抵抗はしないのでどうぞ」スッ
側近「失礼します」ガチャ
九尾「ところで妾は死刑ですか?」
魔王「恐らくそうなるだろうな」
九尾「そうですか……それは良かった」
隊長「」
- 201:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/14(月) 21:05:01.68 ID:3wFge+sZ0
九尾は初代魔王を本当に慕っていた 人の上に立つのはあんな人間だと 魔界で永遠に生きる存在だとしてもそれは一片も変わらぬと
初魔「ははっ! 死ぬときは勇者に殺されると思ったんだけどね」
初魔「まさか臣下に刺されるなんて」
九尾「魔王様 恐らくあなたは……」
初魔「魔力が全然沸いて来ないんだ もう駄目だよ」
九尾「」
初魔「そんな顔をしないでよ 俺はこれでも楽しかったんだから」
初魔「でもまあ 最後に人間と魔族が手を取り合うような関係を見たかったってのもあるけど」アハハ
九尾「妾に頼みたいことはありますか?」
初魔「俺が死んで戦争も加速するんだろうね」
初魔「そんな世界でもしかして 人間と魔族の平和を願う王がいたら手伝ってあげてほしい」
九尾「わかりました魔王様」
それが九尾が受けた最後の命令で 彼女は今までずっとその命令を忠実に実行してきた
- 202:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/14(月) 21:20:13.14 ID:3wFge+sZ0
そして先代魔王 今の魔王の母親が初めて人間との対話を望む人間だった そして召喚術に長けた魔王である彼女の
術に干渉して異世界から何も知らない男を呼び出した
魔王女「なんだお主」
男「カレー作ってたら異世界に呼ばれた なにこれこわい」
実際 彼の存在は魔王女にとって大きくなったし 最強である彼女の手でなら平和は実現出来ると思っていた しかし誤算だったのは
呼び出した男が勇者になってしまい そして彼が彼女の父親であり先代の魔王を殺してしまったことだろう
結局 彼は元の世界に帰り 魔王女は心の平衡を失いとっとと許婚と結婚して子供まで産んでしまった それが今の魔王である
九尾「隊長さん 今まで憎み合っていた二つの種族が分かり合うのは難しいのです」
九尾「魔王か国王 どちらかが死ぬまでその憎しみの連鎖は続きます」
九尾「ただし 黒幕がいれば話は別です 今まで魔王を裏から操っていた女狐とか」クスクス
九尾「妾の役目はこれで終わりです 後はお若いものに……」
隊長「おはよう 一ヶ月ぐらいぶり?」コンコン
九尾「」
隊長「鍵を探してたけど見つからなくてさ 魔王の短刀って便利だよね」スパッ
隊長「鉄格子も豆腐みたいに切れるし」
九尾「……なにをしに来たんですか?」
- 203:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/14(月) 21:30:13.38 ID:3wFge+sZ0
隊長「いや文句をいいに」
九尾「文句?」
隊長「取調べだって3週間も拘束された上に帰ったら副官ちゃんから大目玉食らうでしょ」
隊長「俺が悪いわけじゃないのに聞く耳もってくれないし」ヤレヤレ
九尾「」
隊長「それは建前で本音は九尾さんを助けにきたんだ」
九尾「妾は脱走する気などサラサラないよ」
隊長「助けに来たっていうか 魔王様からはもう許可貰ってるから」
九尾「……そういう変な行動力まで初代魔王様に似ることないでしょ」ハァ
九尾「どんな言質をとったか知りませんが 妾の罪は明白です」
隊長「それは捏造した歴史でしょ 少し考えればわかることだし」
九尾「だとしても誰かが犠牲にならねば平和にはならぬのです」
隊長「実際 もう戦争は終わったんだけどね カレーさんのお陰で」
- 204:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/14(月) 21:35:53.55 ID:3wFge+sZ0
数時間前
魔王「余に謁見したいという人間がおるので見てみたら……」
隊長「九尾さんの罪を軽く……出来れば死刑だけは止めてほしいです」ドゲザ
魔王「ならん!!」
空「叔母である我が頼んでも駄目か? いや出奔した身でいうのもなんだが」
魔王「そもそもキサマらはどうして村人全員でやって来ているのだ!!」
副官「隊長がいるところに私がいなくてどうするんですか?」
弓「彼のやることには基本ついていくことにしてるからね」
鬼「面白そうだったから」
夫「隊長さんあっての村だからな」
妻「私たちは隊長さんのやることについていくだけです」
牧場主「俺たちの気持ちだけは誰にも止められない」キリッ
牧場妻「牧場主……」
魔王「アホだな キサマら……」アタマイタイ
- 206:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/14(月) 21:45:37.36 ID:3wFge+sZ0
姫「そうか そういうことならアタシもあっちにつくかな」
魔王「なっ!? お主までついて また戦争でもやりたいのか!?」
姫「アタシが求めてるのは優秀な奴と面白い状況だ」
姫「アンタより弟の方が面白いそれだけだろ」ニヤリ
隊長「お姉様……」キュン
姫「それに弟に恩を売っておいた方が後々楽だしな」アッハッハ
隊長「キュンとした気持ちを返してください」
姫「親父はどうするんだ? まさかアタシと敵対なんてしないよな」ゴゴゴゴゴ
王様「ワシが自分の子供の手伝いをしてやらずにどうする」
王様「だからワシと敵対するのだけはやめて」ドゲザ
隊長「俺の親父がお姉様に土下座しているわけがない」グスッ
- 207:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/14(月) 21:54:07.18 ID:3wFge+sZ0
商人「だったらウチもこっち側や」
隊長「商人ちゃんいたの?」
商人「いたよ!! 隊長さんウチに影薄いとかいいたいん!?」
隊長「それは……ごめん」
商人「まあええわ ウチは商業連合の元締めや つまり商人の元締めやな」
商人「魔界に食料支援しようと思ったけど止めるわ」
隊長「いいの? 魔王様に恩を売っておいた方が後々得だと思うけど」
商人「こんな明日をもしれん土地より隊長さんに賭けた方が余程堅実的や」
隊長「商人ちゃんありがとう……」
魔王「」
店主「娘が婿を見せてくれるなんて行ったから着てみれば面白いことになってるじゃねえか」
店主「俺たちも隊長さんの側に入るだろ」バンバン
勇者「はい 隊長さんは胸を張って良いことを言ってますから」
勇者「それを私個人が応援するのは当然です!!」
隊長「二人ともありがとう」
- 208:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/14(月) 21:57:36.14 ID:3wFge+sZ0
大鬼「じゃあアタシもこっち側だな」
魔王「なぁっ!? お主はこちら側だろう!!」
大鬼「すまねぇな でも娘が惚れた男守ろうとしてるんだ」
大鬼「親不幸もんでも家族は守るのが一族の結束の力でな そうだろ側近」
側近「すいません魔王様 私も妹が可愛いのでこればかりは……」
魔王「側近 お主まで……」
鬼「お袋 姉ちゃんありがとう」
大吸血鬼「じゃあ私もこっちで」
魔王「お主は関係ないだろう!!」
大吸血鬼「だって面白そうだし……」
魔王「」
坊主「では私もこちら側に入りましょう」
坊主「彼らには私も大恩がありますから」ニコリ
みんな「「誰!?」」
- 214:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/14(月) 22:24:13.60 ID:3wFge+sZ0
坊主「私は元盗賊2と名乗っていたものです」
隊長「違う違う!! 盗賊2はそんな一人称私じゃなかったし悟りきった顔してなかったよ!!」
夫「髪も全部剃ってどうしたんだよ! 俺一生髪切らないんだとか言ってただろ!!」
坊主「私はコメの修行をしている最中に気付いてしまったのです」
坊主「コメから発せられる光に その光を見ていたらこんな落ち着いた姿に……」
隊長「なにがなんだかわからない」
坊主「おコメを食べなさい そうすれば救われます」
副官「怪しい宗教にも目覚めましたね」
弓「果たして彼を村に戻していいんだろうか」
坊主「本日はコメのことについて布教しても良いと聞いてきたのですが」
坊主「そういうことなら私も隊長様の側にいきましょう」
隊長「なんだろうこの気持ち 嬉しいようななんというか……」
仕事行くか
- 216:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/14(月) 22:28:11.67 ID:F7dDpzg40
仕事…だとっ
お疲れさん、仕事がんばれな
- 221:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(石川県):2011/11/15(火) 03:03:28.92 ID:S4nT6qwTo
なにこの展開ついて行けない
- 223:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/15(火) 15:48:23.46 ID:rbJdBXeb0
色々わからないという人が多いので産業で表すと
モフ
モフ
サイコーッ!!
猫と一緒にモフモフしてくる 今日は休みだから夜ぐらいからゆっくり投下する
- 224:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/15(火) 15:58:36.45 ID:+aARUmUSO
なるほどよくわからない
つまりカレーにオクラ豆腐は無敵ってことか
- 225:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/15(火) 18:24:55.77 ID:p1ZG0Ww+0
チーズカレーが至高
俺も九尾の尻尾でモフモフしてぇ
- 233:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/15(火) 23:51:52.33 ID:rbJdBXeb0
姫「つーことだ これだけ戦力があればもう一度戦争が出来るだろ」
魔王「そんな下らないことで魔族との同盟を廃棄する気か……」
商人「下らないことやない ウチらは隊長さんのお願いやからこうして集まっとるんや」
副官「誰もいない土地に根を張り一から作り出した村の村人の結束力は強いです」
空「そもそもそんなことをやる隊長になら 我らも一緒にいたいと思うんじゃよ」
魔王女「やれやれ あなたの負けですよ魔王」
魔王「母様!!」
魔王女「そもそも私たちは最初から九尾を殺しはしません」
隊長「えっ!? そうなの?」
魔王女「しかし本人にそのまま言ってもあの女狐は首を縦に振らないでしょう」
魔王女「ちなみにそれを知っていて悪ふざけをした誰かもいましたけど」ギロッ
大鬼「誰だよそれ!!」←忘れてる
大吸血鬼「誰かしらね そんな酷いことをするのは」
側近「すいません 母さんがやったのでつい……」
- 234:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 00:07:25.26 ID:M2T3uurS0
魔王女「なので私が召喚魔法で呼び出した式神を身代わりにし 本人には適当なところに逃げてもらうつもりでした」
魔王女「あの者の知識は死なすには惜しいですから」
隊長「……」
魔王女「彼女の説得は私自ら行こうとしましたが あなたが行きますか?」
隊長「はい!!」ダッ
魔王女「若いですね まるで昔の私たちを見ているみたいです」
カレー「そんな年寄りみたいなこと言っちゃってさ 九尾ちゃんが行かなかったら自分が身代わりになるつもりだったのに」
カレー「それよりもカレー食べる?」
隊長「そんなことがあって 九尾さんは無罪放免 表向きは処刑されたことになるけど」
九尾「……そうですか」
隊長「まだ出たくない?」
九尾「あなたの説得の言葉をまだ聞いてないゆえ」
隊長「……」
九尾(そういえば初代魔王様とも似たようなことをしたことがありましたね)
- 236:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 00:22:00.24 ID:M2T3uurS0
初魔王「どうしたのさ その怪我!?」
九尾「人間如きが妾に触るでない!!」グルルルルル
初魔王「はいはい それは自分の怪我を見て言って頂戴」
九尾「なぜ人間が妾を助ける」
初魔王「困っている人を見かけたら放っておけないから」
九尾「ならば妾が傷を治した時 後ろから刺すやもしれんぞ」
初魔王「ははっ そうしたら屈服させて俺の側近にでもするよ」
九尾「妾を屈服させることが出来ると?」
初魔王「それはやってみなくちゃわからないけどね」
隊長「俺たちの村でモフモフさせてください!!」
九尾「」
- 237:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 00:31:03.17 ID:M2T3uurS0
隊長「いやだって 変なおべっか使えない性格だし!!」
隊長「素直な気持ちを口に出したら……モフモフが忘れられなくて」
九尾「本当に主はアホというかなんというか……」
九尾(初代魔王様に似ておっても内面は違うということか)
九尾「あなたも知っていると思いますが 初代魔王様は臣下に殺されました」
九尾「妾が鍛えるからには そんなことにはさせませんので」
隊長「うん 頼りにしてるよ」
隊長「そういうわけで 新しい村人が増えました」モフモフ
九尾「よろしくね」
副官「あの……どうして隊長は尻尾で包れているので?」
九尾「妾モフモフ要因ゆえ」クスクス
辺境村 村人25人
- 239:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 00:41:40.40 ID:M2T3uurS0
副官「確かに長年生きてた知識は役に立つと思いますけど……」
九尾「副官ちゃん 嫌なことがあったのはいいけど偶には家に帰らないと」
副官「あなた……私の家族のことも知っているんですか?」
九尾「弓ちゃん あなたの一族もあなたのことを案外心配しているのよ」
弓「……」
九尾「鬼ちゃんは昔抱いてあげたことがあるわね」
鬼「そうなのか?」
九尾「妾 すべての魔族のことを知っているゆえ」
隊長「流石魔界建国以来の母」
九尾「空ちゃんはおねしょがいつまで経っても治らなかったこととか」クスクス
空「適当なことを言うな!!」
隊長「なんだかんだで楽しそうで良かったよ」
隊長「国も平和になったし また一波乱ありそうだけど」
第四部「戦乱の中」へ終了 第五部「村から街へ」へ続く
- 242:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 00:50:26.44 ID:M2T3uurS0
隊長「人数はざっと見ただけで百人近くはいるよね」
副官「言っておきますが全員は無理ですよ 食料があっても家屋が足りません」
隊長「……そうだよね」
九尾「とりあえず面接です」
店主「よう! 隊長さん!!」
隊長「おじさんどうしたの!? 店は!?」
店主「あっちは弟子に任せてこの村に二号店を出そうと思ってな」
隊長「勇者ちゃんも?」
勇者「はい 私は今暇なので」
店主「婿殿が修行の旅に出るってんでな 今はこいつも暇なんだ」ガシガシ
勇者「やめーてー!!」
隊長「そういうことなら歓迎します!!」
- 241:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 00:46:31.99 ID:M2T3uurS0
ガヤガヤ
隊長「なんか朝起きたら家の前に行列が出来ていた」
副官「彼らは移住希望者ですよ」
隊長「移住希望者……だと……?」
副官「まあこの村で暮らしたいという人たちですね」
隊長「でも今までそんなこと一度もなかったでしょ」
弓「隊長さんは王国魔界両国が発した声明を聞いてなかったのかい」
九尾「二つの国の首都を国境近くに作ると言っていたでしょう」クスクス
九尾「それでわからない?」
隊長「そうか この辺境村も国境の最南端 首都から比較的近い村になるのか」
副官「それを知った人たちが利を求めて来たんでしょう」
鬼「勇者が来たときでも人は来なかったのにな」
- 243:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 01:01:30.73 ID:M2T3uurS0
八尾「死んだハズの九尾様がここにいると聞いて」
九尾「あら 八尾じゃない」
八尾「九尾様! どうぞご無事で!!」
九尾「隊長様 この子はいれなさい」
隊長「なにが出来る人なんですか?」
九尾「私の代わりが出来るの これで妾働かなくてすむゆえ」ファア
隊長「お願いだから働いてください」
王様「」
隊長「」
王様「娘に王国から追い出されたんだ」
隊長「……そうなんですか」
王様「働かせてくれんじゃろうか 家族のよしみで」
隊長「はい」
- 244:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/16(水) 01:14:35.10 ID:7AuipGdSO
王様wwwwwwww
自分から働くと言うとは偉いな
- 246:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 01:30:10.74 ID:M2T3uurS0
坊主「私は光を求めてきました」
坊主「まだまだ修行の身ゆえ 至らぬことはありますが」
隊長「まあ坊主は元から村人だから拒む理由はないけど……」
坊主「いえ 私の力がこの村の力にならないと分かった時は追い出してもらって構いません」
隊長「まずは元の性格に戻って欲しいんだけど」
坊主「私にはこれが真実であります」
隊長「」
妹「お兄様!!」ダキッ
隊長「妹じゃない どうしたの?」
妹「お兄様が頑張っていると聞いていてもたってもいられず」グスッ
隊長「もしかして一人で来たの!?」
妹「お兄様も私と同じ歳に家出をしたじゃないですか」
隊長「それはそうだけど……」
妹「これからはずっと一緒ですね!!」
- 247:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 01:31:40.15 ID:M2T3uurS0
副官「そういうわけで面接は終わりましたけど」
弓「中々にみんな面白そうな人材ばかりだよね」
鬼「この中から人数を絞るっていうのは難しいんじゃねえのか?」
空「魔族と人間は半々ぐらいじゃが」
九尾「みんな隊長様になにか考えがあるみたい」
隊長「やっぱりさ 全員受け入れられないかな」
副官「いえ だから家屋の問題で……」
隊長「面接してわかったけど 今日来た人は移住のために少しはお金を持ってきている」
隊長「それでテントなんかを買って 前のお姉様の時の兵士さんたちみたいに野営をしてもらう」
弓「確かに 今は夏の終わりだしそれなら外で過ごせるかな」
隊長「それでその間に家を作りながら土地を広げて畑も作る」
隊長「それでどうかな?」
九尾「面白い策だが それでも妾の見立てでは半分は生活に耐えられず逃げますよ」
隊長「ならその半分の人たちを大切にすればいいでしょ」
九尾「最もです」
- 250:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 02:12:14.18 ID:M2T3uurS0
副官「そういうわけで始まった新しい環境ですけど」
隊長「まさか半月で本当に半分いなくなるとは」
弓「でも残りの50人はずっといそうだよ」
鬼「俺たちも急ピッチで伐採 家建てを進めてるからな」
副官「問題は……」
九尾「すぅすぅ……」
弓「仕事をしたくないって言ってたけど 本当にしないなんてね」
空「あれは年がら年中寝ておるような奴じゃからな」
隊長「ただ……」
九尾「」パチッ
夫「九尾さん!! 新しい家に関してだけど!!」
牧場主「牛が餌を全然食べてくれなくて!!」
鬼「アンタが考案した装置の使い方に関してだけど!!」
九尾「一人づつ聞くから 急かさないで頂戴」
隊長「知識は半端なくあるから 起きたら取り合いになるんだよね」
- 251:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 02:16:35.12 ID:M2T3uurS0
九尾「これで良しと……ん?」
幼女「えっとあの……」
妹「そのですね……」
九尾「妾はこれより眠るゆえ お主らも一緒に寝る?」
九尾「今ならモフモフしてもいいよ」クスクス
幼女「いいの!? わーーい!!」モフモフ
妹「気持ち良いです このモフモフ」モフモフ
九尾「妾モフモフ要因ゆえ 遠慮などせずとも良いよ」
九尾「では……もう一眠りしようかな」スゥスゥ
隊長「案外簡単に馴染んでくれてなにより」
空「あれで一万年近く 妖魔族を纏めてきた女狐だからな」
隊長「まあそうだね」
辺境村 村人75人
- 253:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 02:32:00.90 ID:M2T3uurS0
王様「わっはっはっは!! 畑仕事も楽しいものじゃのう!!」
店主「王様もやるじゃねえか!! 城に引き篭もってばかりだったとは到底思えないぜ!!」
王様「これでもワシは昔 戦場を駆け回っておった時もあるからな」
店主「俺も料理屋始める前は戦場にいてアンタの下にいたことがあるぜ」
王様「それでは30年前の国境付近の戦いの時は……」
店主「ありゃ酷かったな 大将含めて泥の中這って回ってよ!!」
勇者「皆さん! お茶にしませんか!?」
王様「勇者ちゃん ありがとうな」オチャー
店主「お前は人様の5倍は働けるんだからもっと頑張れ」
勇者「えへへ」
王様「ワシの娘とは大違いじゃ」
店主「隊長さんが娘をもらってくれると思ってたんだがなあ」ハァ
勇者「今はいないけど 私には心に決めた人がいますから」
王様「なんと健気な ウチの娘に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいわ」
- 254:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 02:41:50.80 ID:M2T3uurS0
王様「だが水田という畑は初めてみる形じゃのう」
坊主「えぇ これはコメを作るのに適した畑ですから」
坊主「水を溜めやすくしておけば枯れることもなし」
坊主「比較的食物が育ちやすい土地とはいえ 環境により味も変わりますから」
店主「このコメってのは保存も出来るんだろう?」
坊主「冷暗所に入れておけばかなり長い間保存できます」
店主「今からコメで新しい料理を作れるかと思うとワクワクするな!!」
坊主「新しい可能性 コメには無限の可能性があるのです」ニコッ
王様「良し! 休憩終わり!! 午後からも頑張るぞ!!」
店主「おぉおーーーっし!!」
隊長「王様はなんだかんだでカリスマ性があるからな 問題なしと」
八尾「あなたはなにをしているんですか?」
隊長「あなたは八尾ちゃんだっけ 九尾さんの元側近の」
八尾「今でもそうです」
- 255:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 02:48:02.12 ID:M2T3uurS0
八尾「あなたのことは気に入りませんが一応 感謝しています」
隊長「えっとなにが?」
八尾「九尾様は前まで笑っていてもどこか笑っていないような顔をしていました」
八尾「ですがこの村に来て あのお方は良く笑われるようになった」
隊長「そうかもね」
八尾「ですから一応 感謝の言葉を……」
隊長「そんな大したことはしてないけどね」
八尾「それと調子に乗って九尾様を寝取ろうなどと考えないように」チャキ
隊長「はいわかってるので刃を収めてください」ガクガクガク
八尾「わかればいいのです」
隊長「この人も怖い」ガクガクガク
八尾「私はこれより森で伐採の作業を手伝ってきます」スタスタ
- 260:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 03:56:27.17 ID:M2T3uurS0
九尾「これこれ 八尾ちょっと来なさい」チョイチョイ
八尾「どうしたんですか九尾様」
九尾「お前たち この姉さんの尻尾も触ってよいぞ」
幼女「わーーーい!!」モフモフ
八尾「こら! やめ……きゅふん!!」ビクッ
九尾「主は相変わらず尻尾が弱いの」
八尾「だってこれは……んっ!」ビクビクッ
九尾「弱点は鍛えろとハゲが言っておったろうに」
幼女「お姉ちゃん なんか苦しそうだよ」
妹「大丈夫ですか?」
八尾「大丈夫です……よ……」ビクビク
九尾「面白いからしばらく観察だの」クスクス
- 261:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 04:03:21.25 ID:M2T3uurS0
隊長「コメが出来たって?」
坊主「既に精米もすませて炊いています」
空「コメを洗わなくてはいけないのか 面倒じゃな」
坊主「そうして美味しいコメが食べられるのです」
坊主「ほら見てください 白いコメは光り輝いているでしょう」
弓「確かに これだけ白い食べ物も珍しいね」フムフム
坊主「作り方は一応レクチャーしたので 皆さんのお家で食べられると思いますよ」
坊主「お漬物や卵と一緒に食べると美味しいらしいです」
鬼「良い匂いがするなぁ~」クンクン
坊主「それでは食べてみましょう 作業をしている人も含めて全員集めてください」
今日はもう寝る それと仮面ライダーオーズで出てきた伊達さんが昼ドラに出てきてワロタ
- 263:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/16(水) 07:09:59.56 ID:JcA6awDg0
おつ
- 269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方):2011/11/16(水) 22:39:45.91 ID:Y17zBzvd0
モフモフッ!モフ!モフフー!
- 270:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 22:53:23.71 ID:M2T3uurS0
隊長「コメウマーーー」モシャモシャ
副官「程よい甘みがなんとも」モシャモシャ
夫「卵かけご飯ってのも結構いけるな」モシャモシャ
王様「自分で作ったものを食べるとは……しかも美味い!!」モシャモシャ
坊主「コメの良さがわかってもらえて嬉しいです」ニコッ
弓「これを上手く売り込めば 収益もかなり増えるんじゃないかな」
九尾「これならば相場の半額でも利益がでるゆえ」
鬼「つまりもっと潤うってことだな!!」
隊長「村人も増えて支出も多くなったけど」
隊長「これならなんとかなりそうだね」
副官「ところで隊長 少しお話があるのですが」
隊長「どうしたの?」
副官「皆に聞かれたくないのであちらで……」
- 272:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 23:06:19.37 ID:M2T3uurS0
隊長「それでどうかしたの?」
副官「あの……その……」モジモジ
隊長「また血が欲しいとか? でも昨日もあげたし……」
副官「違います……あの……」モジモジ
隊長「なんか深刻な事態が水面下で起こってるとか?」
副官「告白の件です!!」
隊長「……告白?」
副官「まさか忘れていたとか?」チャキ
隊長「オボエテルヨー(最近忙しすぎて忘れてたなんていえない)」
副官「ゴホンッ 平和になったら返事を聞かせてくれるという約束だったので」
副官「ですが他の人から告白を受けていない状態で返事を求めるのは酷です」
隊長「他の人って?」
副官「弓さんに鬼さん それに空さんに九尾さんは知らないですけど」
隊長「」
- 273:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 23:14:24.16 ID:M2T3uurS0
隊長「えっと 俺のことが好きですかって一人づつ聞いていくの?」
副官「いえ そこは私が発破かけておくので そのうち告白してくるでしょう」
隊長「……副官ちゃんはそれでいいの?」
副官「隊長が誰を選ぼうと 私は隊長の傍にいられるだけで幸せですから」
副官「ただ隊長が私を一番に見てくれるのが一番の幸せですけど」カァァ
隊長「あーうん ありがとう」
九尾「それでこれから全員に告白を受けると?」
隊長「」
九尾「まあ副官が発破をかけてきたゆえ知った次第よ」クスクス
隊長「ちなみに九尾さんはどう思ってるので?」
九尾「ふむ そうよなあ……」
- 274:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 23:22:21.96 ID:M2T3uurS0
九尾「妾は正直 初代魔王様の子がおるし……」
隊長「えっ! そうなの?」
九尾「子供というより今の妖魔族は殆どが妾の血縁よ」
九尾「最初の子供が孫を産んでその子供がと鼠算式に増えての」クスクス
隊長「なにそれこわい」
九尾「ぶっちゃけた話 隊長様のことは気に入っているけど 結婚まではな」
九尾「妾は隊長様の傍に置いておいてもらえるだけで満足での」クスクス
隊長「九尾さん……」
九尾「しかし妾が発情期になったら頼むよ」
隊長「それは確約できません」
- 275:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 23:33:09.37 ID:M2T3uurS0
隊長「九尾さんは変な悪戯をしてくるから困る」
空「隊長! 結婚しよう!!」
隊長「この子はこれで普段どおりなんだけど」
空「なにをブツブツ言っているんだ 副官から聞いたぞ」
空「なんでもそろそろ身を固めると」
隊長「まあ歳も歳だしね」
空「そんなことを言ったら我もいい年じゃぞ」
空「戦場を駆け回っていて気付いたらこの歳」
空「姉は既に結婚して子持ちじゃしな」
隊長「それはお気の毒に……」
空「戦ってそういう気持ちを誤魔化してきたからな」
空「隊長に負けた時は衝撃的だった」
隊長「」
- 276:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/16(水) 23:46:25.04 ID:M2T3uurS0
隊長「あの……別に負けてないですよね 手傷は負わせたけど」
空「なにを言う 空を飛んでいる我相手に短刀で傷を負わせたんだぞ」
空「それだけで十分に我の負けだ」
隊長「そうなのかな……」
空「そうじゃ それで負けましたと素直に認めただろう」
隊長「そりゃ降りて来て投降するなんて言われたらね」
空「王国では魔族の捕虜は厳しい拷問を受ける それでなくとも殺されるからな」
空「我も覚悟したがお主は『女の子だから捕まえない』といって逃げてしまった」
隊長「偶然敵陣地に迷い込んでただけだから」
隊長「逃げなきゃ他の兵士に殺されてただろうし」
空「正直あの時のお前は……その……王子様みたいだったんだ」
隊長「……プッ」
空「あのまま連れていってくれれば良かったのに」
隊長「はいそれはごめんなさい」ボロボロ
- 280:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/17(木) 02:52:02.90 ID:OlQknfbM0
空「つまりだ! 我はお主が好きなのじゃ!!」
空「最初に告白した時や一緒に寝た時だって恥ずかしかったんじゃぞ」モジモジ
隊長「なにこの可愛い生物」
空「まあお主が誰を選ぼうと自由じゃからな」
空「我は……まあ我を選べ とりあえず安牌じゃ」
隊長「そこらは考えます」
鬼「隊長さん 話があるんだ!!」
隊長「順番的に来ると思ってた」
鬼「副官から話を聞いたんだけどさ」
隊長「……うん」
- 281:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/17(木) 03:00:48.12 ID:OlQknfbM0
鬼「アタシさ こんなナリだから昔から男と一緒に遊んでたんだ」
隊長「まあ男だけの盗賊団やってたしね」
鬼「でも周りの男も俺より弱い奴ばっかで恋なんてマトモにしたことなかった」
鬼「いや こんな俺を好きになってくれるわけないって諦めてたのかもしれねえや」
隊長「」
鬼「でも隊長さんは俺をいとも簡単に倒して しかも俺に情けまでかけてくれた」
隊長「なんかデジャブ」
鬼「隊長さんは俺のこと嫌いか?」
隊長「どっちかというと好きかな 妹も懐いてるし」
鬼「俺もこんな気持ちになったのは初めてなんだ」
鬼「みんなと違ってがさつで野蛮で男っぽいけどさ」
鬼「もし隊長さんが良かったら俺を選んで欲しい」
隊長「……うん 真面目に考える」
- 282:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/17(木) 03:11:08.67 ID:OlQknfbM0
隊長「おかしい……いや俺がモテてること自体が既におかしいけど」
弓「それじゃあ私は狩りに出かけてくるよ」ザッ
隊長「副官ちゃんの話では弓さんも俺を好きだとかそんな話があったけど」
隊長「一向に本人からその話が出て来ない」
夫「それを俺たちに相談したいと?」
隊長「それと結婚生活とか色々」
牧場主「確かに俺たちは結婚してるけど……」
王様「ワシとかその娘と嫁に追い出されたんじゃが」
隊長「まあまあ話を聞くだけですって」
夫「俺の家はまあ俺から告白したからな」
牧場主「それで結婚生活の方は?」
夫「そこまで上手くいくもんじゃないなぁ」
隊長「例えば?」
- 283:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/17(木) 03:16:12.82 ID:OlQknfbM0
夫「最近村人が増えただろ それで女の子も増えたわけだ」
王様「ふむ 案外可愛い子が多いからの」
夫「で 俺が大工仕事をしてるとお茶を持ってきてくれるんだよ」
夫「お茶をどうぞ 汗を拭いてあげますね とかさ」
牧場主「」
隊長「」
王様「」
夫「それに妻が怒ってな 帰ったら無言で喋りかけても反応なしとかザラよ」
隊長「それは夫が悪い」
夫「なんで!?」
王様「くそったれめ ワシが王だったら死罪にしたものを……」
牧場主「というかその子は確実に糞野郎に惚れてる氏ね」
夫「まっさか~ 俺妻子持ちだぜ」
王様「王族にも浮気不倫はあるからの氏ね」
隊長「外で汗水流して働いてる男に憧れるってのはあるかもしれない氏ね」
夫「なんで語尾が氏ねになってるの?」
- 287:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/17(木) 04:03:46.45 ID:OlQknfbM0
隊長「牧場主はそこらはどうなの?」
牧場主「俺のところは畜産だからな 女の子も多いけど恋愛に発展するような臭いじゃないし」
隊長「……ふぅ 相変わらず良いことをいう男だぜ」
王様「ワシが王だったら召し使えて貴族の位をやってもいいのにッ!!」
夫「なんか明らかに俺の時と反応が違うよな」
牧場主「告白はあっちからだったかな 俺は告白されるまで全然意識してなかったし」
夫「俺鈍感アピールとかあざとい 流石牧場主あざとい」
隊長「わかる 夫は氏ね」
王様「わかる 夫は氏ぬんじゃ」
夫「なんだこれ わけがわからないよ」
牧場主「顔を真っ赤にしながら口下手な嫁が好きですなんて言った日には……」
牧場主「不覚にも○起しちゃいましてねぇ~」
夫「キモイなお前」
隊長「キモイな夫氏ね」
王様「黙れ夫氏ぬんじゃ」
夫「もうノリでやってるだろアンタら」
- 288:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/17(木) 04:16:12.55 ID:OlQknfbM0
隊長「王様は?」
王様「ワシは政略結婚じゃったからな その後も嫁を何人かとったが……」
王様「お主は知っておるじゃろ?」
隊長「まあ俺みたいなのが生まれてるわけだし」
王様「それと最初に気の強い嫁をとると後々ロクなことにならんぞ」
隊長「肝に銘じておきます」
隊長「それで八尾さんって結婚してないんですか?」
八尾「なんだあ!? 結婚してなくて悪いんですかねえ!!」ギリギリ
隊長「ごめんなさいごめんなさい 痛いんで止めてください!!」
隊長「ゲホッゴホッ 尻尾一本増えるのに3,400年かかるって聞いたから」
八尾「フンッ 私は九尾様の世話が出来ればそれで本望なのだ」
隊長「女の子同士は結婚できないよ?」
八尾「き・さ・まに言われんでもしっとるわ!!」ギリギリ
隊長「ギブッギブッ!!」バンバンッ
- 289:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/17(木) 04:26:03.17 ID:OlQknfbM0
八尾「まあ同僚後輩が結婚しているのを間近に見ていたから言わせて貰うが」
八尾「結婚とは必ずしもいいものではない 喧嘩もするだろうし意見が合わないこともある」
八尾「だがその分 良いことも二人で分け合えるのだ」
隊長「……一つ聞いてもいい?」
八尾「良い話だったろう 今度演説にでも使っていいぞ」
隊長「結婚してないのに知ったかぶりして楽しいの?」
八尾「ぶっ殺す!!」
九尾「それでそんなにボロボロなのか……」ナデナデ
隊長「モフモフすると傷が回復します」モフモフ
九尾「まああれも出世頭なんだが……尻尾が八本まで増える妖孤など今まで三人ほどしかいなかったし」
九尾「あのキツイ性格で婚期逃してからは妾に一生尽くすとか強がりを言い始める始末」ナデナデ
隊長「一応 結婚願望はあるの?」モフモフ
九尾「長く生き過ぎて変に理想は高くなっておるがの」ナデナデ
九尾「でもあれで容姿の方は妾より少し下ぐらいだろ?」
隊長「自分に自信ありすぎっすね」モフモフ
九尾「暗い美人より明るいブスじゃて」クスクス
- 291:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/17(木) 04:33:33.95 ID:OlQknfbM0
隊長「この村 男が選り取り緑 なんとか出来ないかな」モフモフ
九尾「お前さんは……今は弓のことをなんとかしたら?」
九尾「そんなお節介してると……」
隊長「してると……?」
九尾「なんでもない」ハァ
隊長「溜息ついてどうしたのさ」
九尾「変に自覚させるともうお主が甘えてこん気がしてな」
隊長「俺は一生モフモフするけど」モフモフ
九尾「婚期を逃した女の嫉妬は凄まじいぞ」
妹「兄さん! 私にもモフモフさせてください!!」モフモフ
幼女「幼女もーーーッ!!」モフモフ
九尾「ほれほれ 妾は二人と一緒にモフ寝するゆえ」シッシッ
隊長「……モフ出された」
もう寝る
- 292:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/17(木) 05:05:26.82 ID:yK8Q3oRSO
乙カレー
- 298:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/17(木) 21:38:41.61 ID:OlQknfbM0
冒険者の町を……の方は更にエロに魅力がないよ エロCG使い回しだし
八尾「それでどうして私の家ににいるんですか?」
隊長「いや男の人を紹介しようと思って……」
八尾「えっ? 死ぬんですか?」シュッシュッ
隊長「違います」
八尾「まあ話だけなら聞いてもいいですけど」フリフリ
隊長(尻尾が頻繁に揺れてる 興味がある印だ)
隊長「ってか俺の未婚で知り合いってそうはいないんだけど」
坊主「私です」
八尾「」
坊主「隊長さんに義理立てして来ましたが 私はコメを愛しています」
坊主「なので今 コメ以外に浮気することが出来ないのです」
八尾「」
坊主「だからごめんなさい 私はあなたと付き合うことが出来ません」
隊長「なんか告白してすらいないのにフラれてた」ガクガクガク
- 299:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/17(木) 21:44:06.40 ID:RmDEZYUDO
こいつ悟りきってやがる…
- 302:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/17(木) 21:53:52.56 ID:OlQknfbM0
隊長「はい! 次行きましょう!!」ボロボロ
八尾「次失敗殺す」
隊長「では超怖いのでお次の人どうぞ!!」
店主「なんでぇ一体」
八尾「おい」ガシッ
隊長「奥さんに先立たれて未婚 ダンディ 言うことなしでしょ」
八尾「良く考えれば……」
店主「なんだ 話ってそっちのことか」
隊長「そうなんですよ どうか前向きに……」
店主「嬢ちゃん 色々問題があるぜ 最終的には本人の問題だしな」
八尾「いえ 愛の前には障害など……」
店主「そうか まあ俺は覚悟さえあれば別に問題ないけどな」
八尾「じゃあ……ッ!!」
店主「勇者のことよろしくな」
八尾「」
- 303:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/17(木) 21:59:55.39 ID:OlQknfbM0
店主「勇者の奴も彼氏がいるって行ってたが」
店主「まさか寂しくて女に走るとはなあ……」シミジミ
八尾「」
隊長「」ガクガクガク
店主「世間の目は冷たいけどよ 俺はそういうこと気にしないからよ」ポンポン
八尾「なぜ私が坊主好きのレズキャラというレッテルを貼られてるんですか?」
隊長「……さあ?」ガクガクガク
八尾「これから更に男が近づかなくなる気がするんですが」
隊長「気のせいです きっと尼さん的なキャラが出てきます」
隊長「しかも男の娘です」キリッ
八尾「氏ねよクズ」ゴッ
- 306:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/17(木) 22:15:41.00 ID:OlQknfbM0
八尾「どうして私に関わるんだ 放っておけばいいだろう」
隊長「いやだって結婚出来ないの可哀想だと思って」
八尾「同情するならブチコロス」
隊長「待って待って!! もっとモブ的な村人探せばいるから!!」
八尾「もしかしてお前……」
隊長「50人も村人増えたのは伊達じゃない!!」
八尾「私のことが好きなのか?」
隊長「」
八尾「これまで色々世話を焼いてたのもすきゆえに」フリフリ
隊長「駄目だこの人 羊水から脳味噌まで腐ってる」
八尾「……確かにこの村の長だし家柄も問題ない」フリフリフリ
隊長「もしもーし!!」
八尾「末永くお願いします」フリフリフリフリ
隊長「たいへんなことになった」
- 310:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/17(木) 22:28:27.84 ID:OlQknfbM0
隊長「助けて九尾モ~~~ン!!」モフモフ
九尾「だから止めろと言ったのに」
九尾「それとモンはカタカナではなく”もん”で」ナデナデ
隊長「ってか一体なにがどうなったらあんな思考になるのか理解できない」
隊長「超スピードだとかそんなチャチなもんじゃないよ」
九尾「あれは思い込みが激しいタイプゆえ」ハァ
隊長「これ以上修羅場無理 助けて」
九尾「助けてやりたいのは山々なのだが」
九尾「ぶっちゃけお主らがくっつけば妾楽出来るゆえ」
隊長「止めて そんな一時の感情が俺を駄目にする」モフモフ
八尾「隊長様!!」
隊長「ヒィッ!!」
八尾「モフモフするなら私のでお願いします」モフモフ
隊長「たーすーけーてー」ズルズル
九尾「親離れしていく子供を見送る気分だの」
仕事行くか
- 311:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(奈良県):2011/11/17(木) 22:29:23.72 ID:xSoZNmQdo
がんばってら
- 326:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/19(土) 15:09:43.85 ID:OlQknfbM0
麦ならきっと食材に使ってるよ多分 尻尾モフモフモフ
副官「」モシャモシャ
弓「」モシャモシャ
鬼「」モシャモシャ
空「」モシャモシャ
八尾「主様 あーん」アーン
隊長「あ あーん……」モシャモシャ
八尾「美味しいか?」
隊長「……うん」
八尾「それは良かった」フリフリ
隊長(みんなが俺を好きだって手前)
隊長(いきなり女連れ込んでイチャコラしてたらなあ……)
- 327:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/19(土) 15:33:47.50 ID:OlQknfbM0
八尾「主様 添い寝でもどうですか?」
隊長「なにそれこわい」
八尾「夫婦となれば添い寝ぐらい普通です」
みんな「「」」ピクッ
隊長「落ち着いて これ以上は俺の命が危ない」
八尾「大丈夫です 私が守るので」スリスリ
隊長「殺される……」ガクガクガク
八尾「主様! タオルをどうぞ!!」
隊長「ありがとうってか仕事しよう」
八尾「私の仕事は主様のお世話ですので」
隊長「それは違います」
九尾「隊長になら八尾を任せられると思ってたが」
九尾「あそこまでくると逆に可哀想になってくるゆえ」
九尾「妾が動いてやるか」
- 328:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/19(土) 15:58:55.79 ID:OlQknfbM0
九尾「のう 八尾ちょっと」チョイチョイ
八尾「どうしたんですか九尾様」ニコニコ
九尾「お主 ここに来た頃は文句タラタラ言ってしかめ面だったのに」
九尾「今は良い笑顔をしてるの」
八尾「私は今 幸せを手に入れましたから」
九尾「だがその幸せも相手のことを想わんと――」
八尾「それに毎日主様との幸せを感じることが出来ますし」イヤンイヤン
九尾「」
八尾「昨日も私があげたご飯を美味しいって食べてくれたんですよ」
八尾「主様ってご飯を食べたときの平均噛み数が20回って知ってました?」
八尾「特に私が食べさせてあげた時は噛み数が上がるんです」
八尾「私が尻尾をモフモフさせてあげるって言った時なんかは最初は断るんですよ」
八尾「でもチラチラと見てて 私が触らせてあげましょうかっていうと嬉しそうに触ってくれるんです」
八尾「素直じゃない主様も可愛いですよね」
八尾「ところでところで 主様が労働した後に出す汗の匂いが良い匂いだということに気付きまして」
八尾「私が匂いフェチだと初めて気付きました 主様の発見だけでなく私の新しい発見まで出来るとは」
八尾「恋とはいいものですね」
九尾「うん そうじゃな!!」
- 330:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/19(土) 16:21:32.22 ID:OlQknfbM0
九尾「妾にはもうどうにも出来ん」
九尾「というより初代魔王様についでやたら女難の相が出ているというか」
九尾「……ハァ」
副官「隊長」
隊長「副官ちゃんどうしたの」ゲッソリ
副官「八尾さんとの関係に一々文句は言いませんが」
副官「せめて私たちの返事をハッキリしてからにして頂きたいんですが」
隊長「あぁうん ごめん」
???「そこまでだ!!」
隊長「……誰?」
親衛隊1「俺たちは八尾様親衛隊のものだ!!」
隊長「親衛隊? ってかそんなのいるの?」
親衛隊2「当たり前だ あのお方でモフモフしたいという願いを叶えるべく」
親衛隊3「俺たちは存在しているんだからな」
隊長「なんかデジャブ」
副官「まんま盗賊さんのかつてですね」
- 332:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/19(土) 16:33:05.46 ID:OlQknfbM0
隊長「人が増えたからファンも出来るってことか」
親衛隊1「ちなみに人数的に一番多いのは九尾様だ」
親衛隊2「あの人はモフ王様だからな」
隊長「モフ王とか惹かれるネーミング」ハァハァ
親衛隊1「次に多いのが空さんだな あれで強気ロリだし」
親衛隊2「次は弓さんと鬼さんが同じぐらい」
隊長「なるなる」
親衛隊3「八尾様は今はそこまで人気はないが」
親衛隊1「いつかはきっと素晴らしいモフ様になると信じて疑わないのだ」
隊長「もしかして八尾さんを奪ったみたいな俺が憎いとか?」
親衛隊2「いや あのお方の新しい面が見られたのだ 感謝している」
隊長「そうなんだ」
副官「ところで私にはいないんですか? その……ファン的ななにか」チラチラ
お前ら「「HAHAHAHA~~~!! 絶壁にファンとかねーよ!!」」
副官「…………」
副官「」
隊長「」ガクガクガクガク
- 333:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海・関東):2011/11/19(土) 16:39:48.57 ID:KNaSZUYAO
流石俺らだわ
- 336:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/19(土) 16:43:44.60 ID:OlQknfbM0
親衛隊1「テレフォンショッピング~~~!!」
親衛隊2「や~~~!!」
親衛隊1「君たちは野菜なんかを切るとき 中々切れなくて困ったことはないかな?」
親衛隊2「あるある」
親衛隊1「そんな時はこの商品”ZEPPEKI”をオススメするよ」
副官「」
親衛隊2「胸なし価値なしのいらないものを集めたようなものでなにをするんだい?」
親衛隊1「これの上に切りたいものを置いて包丁を入れると……」スッ
親衛隊1「あら不思議!! 綺麗に切れました!!」
親衛隊3「おぉ~~~!!」
親衛隊1「これだけじゃあありません 例えばこの石を……」ヒュッ
副官「」バキッ
親衛隊2「おぉ!? 石が粉々に!!」
親衛隊1「強度も抜群! 城壁などに使えば鉄壁の守りを見せてくれるんだ!!」
親衛隊1「”ZEPPEKI”が3人いれば王国軍の勝利になると王様が戦後に言っていたのは」
親衛隊1「君たちの記憶のも新しいよね」
副官「」
- 337:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/19(土) 16:51:10.65 ID:OlQknfbM0
親衛隊2「でもお高いんでしょう?」
親衛隊1「我々も独自のルートを持っています 辺境村で鍛えられたこの商品……」
親衛隊1「なんと1隊長でお売りいたしましょう!!」バンッ
親衛隊3「oh~~~」
親衛隊2「おいおい ちょっとお高いんじゃないですか 凶暴でしょう?」
親衛隊1「いえいえ 今回は更に!! 胸パッドを4つ一緒におつけします」
親衛隊1「それで同じ値段でお売りしましょう!!」
親衛隊2「それは凄い!!」
親衛隊1「ご注文は下記の番号まで!!」
親衛隊2「俺もお母さんに二つ送るよ!!」
親衛隊3「この番組は辺境村のスポンサーの提供でお送りしました」
お前ら「「HAHAHAHA~~~!!」」
親衛隊1「」
親衛隊2「」
親衛隊3「」
隊長「止めて! これ以上は三人が死んじゃう!!」
副官「離してください! こいつらもう生かしておけない!!」ガスッガスッ
- 338:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/19(土) 16:51:24.10 ID:IOfW1mEOo
こいつら命が惜しくないのかwwww
- 340:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/19(土) 17:03:56.69 ID:OlQknfbM0
副官「隊長も胸が大きい方がいいんですか」グスッ
隊長「そんなことないよ 別に胸の良し悪しで決めないからさ」
隊長「ってか副官ちゃんは胸以外にも良いところが一杯あるでしょ」
副官「隊長……」
親衛隊1「恐らく幼女ちゃんよりも小さい胸」
親衛隊2「0は絶望 すべてを飲み込んでいく……」
親衛隊3「胸は置いてきた この戦いにはついていけない」キリッ
副官「コロス……」チャキ
隊長「落ち着いて!! 俺副官ちゃんの胸も愛せるから!!」
副官「隊長……」
親衛隊1「胸じゃない 絶壁!!」
親衛隊1「」
親衛隊2「」
親衛隊3「」
隊長「これ以上は死んじゃうから駄目だって!!」
副官「コロスコロスコロスコロス」ガスッガスッ
- 342:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/19(土) 17:26:58.40 ID:OlQknfbM0
隊長「酷い目にあった」フゥ
弓「疲れた顔をしてるね 水でも飲むかい?」ハイ
隊長「ありがとう」
隊長「……」
弓「……」
隊長「弓さんって副官ちゃんから話聞いた?」
弓「まあね」
隊長「俺のことどう思ってるのかなあ……って?」
弓「恐らく好きだと思うよ 普通なら告白するぐらいにはね」
弓「でも他の人たちを見てると他の人より好きだって自信がないんだ」
隊長「……」
弓「私は見たとおり淡白な性格だからね 付き合って二人で暮らして」
弓「つまらない人間だと思われて捨てられるのが怖いんだと思うよ」
隊長「」
- 343:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/19(土) 18:04:35.49 ID:OlQknfbM0
隊長「俺は弓さんのこと結構好きだけどな」
隊長「色々物知りだしなんだかんだで纏め役だし」
隊長「この村にも俺にも必要な人だと思ってるよ」
弓「隊長さん……」
隊長「誰を選ぶかはもうちょっと待ってて欲しいんだけどね」アハハ
弓「私は隊長さんが誰を選ぼうと納得するつもりだよ」
弓「もちろん 私を選んでくれるのが一番いいけどね」
九尾「それでまた相談しに来たのか」
隊長「はいそうです」モフモフ
九尾「ただモフモフしに来ただけではなく?」
隊長「やはり毛並みが違う……」モフモフ
九尾「変に八方美人をしておるからこうなるんだ」
九尾「まあお主の場合は完全に無自覚だろうが」ハァ
隊長「モフモフ」モフモフ
九尾「耳を貸せ 良い方法を伝授してやる」ゴニョゴニョ
隊長「」
- 348:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/19(土) 19:03:34.28 ID:OlQknfbM0
隊長「みんなに話があるんだけどさ」
弓「どうしたんだい 改まって」
隊長「みんなからの告白を聞いて悩んだんだけどさ」
隊長「やっぱり俺には一人は選べない だってみんな好きだし」
隊長「だからみんなと結婚するとか……駄目かなあ……?」
みんな「「…………」」
副官「まあ隊長ですし」
弓「隊長さんだし仕方ないんじゃない」
鬼「隊長だしなあ」
空「仕方ないだろう」
隊長「俺だから仕方ないってなに? 傷ついちゃうよ」
副官「いえ ずっと隊長と過ごして来てみんな隊長のことが好きですから」
弓「そんな選択でもいいんじゃないかな 王族なら重婚も問題ないし」
鬼「まっ! 結婚してから一番にしてもらえばいいしな!!」
空「誰を差し置いていっておるんじゃ」
八尾「」
- 364:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/20(日) 23:41:28.00 ID:tN5Taqm70
八尾「私は嫌です」
副官「嫌とは……」
八尾「私は他の人に隊長様を盗られたくありません!!」ガシッ
隊長「えっ!? ちょっと!!」ズルズル
副官「連れて行かれましたね」
弓「そうだね」
鬼「まあ大丈夫なんじゃないか」
空「隊長じゃしな」
隊長「ねえここどこ?」
八尾「私の巣です」
隊長「確かに藁とかで作ってあるもんねー」
八尾「隊長様は私のことが好きなんですよね」
隊長「嫌いじゃないけど」
八尾「だったら問題ないですね!!」
- 366:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/21(月) 00:01:03.18 ID:7nvKwgtI0
隊長(誰か助けに来てくれないかなぁ)
隊長「ねえ 俺は帰りたいんだけど」
八尾「帰ったらあの人たちと結婚するんですよね」
隊長「まあ……」
八尾「だったら嫌です」キッパリ
隊長「俺のお願いでも嫌?」
八尾「駄目です 隊長様は私とここで一生暮らすんです」
隊長「」
隊長(手を縛られてるけど 短刀は回収されてないから逃げられないこともない)
隊長「俺は八尾さんと結婚しても良いと思ってるけど」
八尾「私以外の人は?」
隊長「結婚します」キリッ
八尾「それは駄目です」
隊長「」
- 367:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/21(月) 00:18:58.53 ID:7nvKwgtI0
隊長「俺はまあみんなが好きとか言っちゃう駄目男だよ」
隊長「でもそれで良いって言ってくれたみんなの期待には答えたいと思う」
八尾「」
隊長「俺はみんなと結婚したからって 誰かを重点的に愛すとか誰かを蔑むとか」
隊長「そんなことはしないよ」
八尾「」
隊長「だから開放して 一緒にみんなに謝ろう」
八尾「嫌です」
隊長「ですよねー」
八尾「それでは脱ぎ脱ぎしましょうか」ワキワキ
隊長「ちょっと意味がわかりません」
八尾「大人しくしてくださいね」ヌギヌギ
隊長「ちょっとやめてー!!」
カラン
- 371:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/21(月) 00:51:27.27 ID:7nvKwgtI0
>魔王の短刀
八尾「こんなものを隠していたんですか?」
隊長「触っちゃ駄目だ!!」
八尾「どうしてです……」ヒョイ
隊長「魔王の短刀は初代魔王の知識を与えるアイテムだ」
隊長「子供の頃の俺がここまで性格を変える程の情報が一気に流れてくるんだ」
八尾「頭が! いたいぃいいいいいい!?」ガンガンッ
隊長「早く縄をなんとかして!!」
ドンドン
九尾「なにさ 人が折角寝ておるのに」ゴシゴシ
隊長「九尾さん! 八尾さんが!!」
八尾「」
九尾「中にいれんさい」
- 375:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/21(月) 01:16:15.15 ID:7nvKwgtI0
隊長「大丈夫?」
九尾「知識を無理矢理詰め込んだからな 魔力が暴走してる」
九尾「ぶっちゃけ妾では全く手がつけられん」
隊長「妾ではってことはなんとか出来る人がいるってこと?」
九尾「……魔界の森にエルフたちが住む里がある」
九尾「そこの女王ならあるいは……」
隊長「だったら行ってくるよ!!」ダッ
九尾「ちょっと待ちなされ!! 場所もわからんだろうに」
隊長「そうだった」ストン
九尾「聞けばこれは八尾の自業自得と聞く」
九尾「妾は正直 このまま放っておいても良いと思っておるが」
隊長「確かにやったことは色々問題があるけど」
隊長「でも八尾さんが俺を好きって気持ちが本当ならその想いに答えてあげなくちゃ駄目でしょ」
九尾「……ハァ 面倒な性格だのう」
隊長「結構昔からそういわれてます」
- 376:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/21(月) 02:49:24.39 ID:7nvKwgtI0
九尾「確か村に妖精が来ておったろ」
隊長「木こりさんの嫁とかなんとかいう?」
九尾「そやつなら場所がわかるかもしれん」
隊長「ってか九尾さんは場所知らないの?」
九尾「エルフの一族は自分たち以外の種族は魔族含めて嫌いゆえ」
九尾「魔王軍に入っていなかった珍しい種族でもある」
隊長「もしかして遭遇したら殺されることも……」
九尾「流石にそこまではされんよ 精々記憶を消されるぐらいだが」チラリ
九尾「魔王の短刀を持っておればそれも避けられよう」
隊長「じゃあ早速行ってくるね」
寝る
- 378:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区):2011/11/21(月) 03:02:58.93 ID:MrEzqrwj0
エロフさんを期待しても良いよね
- 382:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/21(月) 12:23:10.34 ID:5nWC09pk0
エルフのお姉さん・・・・
- 394:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 01:34:54.78 ID:HCJaTxsG0
隊長「木こりさーん!!」ドンドン
木こり「えっと隊長さん どうしたんですか?」
隊長「ちょっと妖精ちゃんに用があって……」
木こり「妖精ちゃーん!! 隊長さんが用事だって」
妖精「なによ 人が折角ご飯食べてる時に……」
隊長「実はちょっとしたお願いがありまして……」
妖精「……?」
妖精「絶対に嫌!! あんな野蛮な連中となんて関わり合いになりたくもないわ!!」
隊長「そこをなんとか……」
妖精「そもそもアタシたち妖精だってあいつらに薬の材料あげてるぐらいなんだから!!」
隊長「そこを曲げてくださいお願いします」ドゲザ
木こり「八尾さんは村の仲間だし 僕からもお願いするよ」
妖精「まあアンタが言うならやってあげてもいいけど……」モジモジ
隊長「ありがとう妖精ちゃん!!」ダキッ
妖精「なんでアンタが抱きついて――離れろ!!」
- 395:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 01:46:28.04 ID:HCJaTxsG0
隊長「じゃあ妖精ちゃんを借りていきます」ヒリヒリ
妖精「行き帰りで一週間ぐらいかかるから」
妖精「まあ順調にいったらの話だけど」
木こり「じゃあ頑張ってきてね」
隊長「そういうわけでエルフの里にいってきます」
副官「それでは今回も私たちが同伴ということで」
弓「戦力は多いほうがいいだろう」イソイソ
妖精「なに言ってんの? アタシと隊長の二人で行くわよ」
みんな「「あぁん!?」」
妖精「ひぃっ!?」ビクッ
鬼「隊長さんが無差別なのは知ってるけど30cmの妖精は駄目だろ」ギリギリ
隊長「違う! やましいこと――痛い! 痛いから!!」バンバン
空「確かに二番目以降でいいとはいったが こうも平然と新しい女を連れてこられるとな」ザクザクっ
隊長「刺されるのは洒落にならないから!!」
- 396:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 02:07:38.18 ID:HCJaTxsG0
妖精「あいつらは他種族 特に別々の種族が一緒にいるのが嫌いだから」
妖精「少数精鋭で行かなきゃ駄目なの!!」
副官「そういうことなら早く言ってくれれば良かったのに」
弓「みんなして無駄に攻撃しちゃったからね」アハハ
隊長「体以上に心が痛い」シクシク
妖精「急ぐんでしょ 幸い場所はここから近いから」
隊長「それじゃあ行ってきます」
みんな「「行ってらっしゃい!!」」
妖精「それとアタシはアンタの口説き文句には落とされないから!!」
隊長「口説き文句って……妖精ちゃんは木こりさんが好きなんじゃないの?」
妖精「なっ!? なんでアタシがあんな奴好きにならなくちゃいけないのよ!!」ガーッ
隊長「いやだっていつもいるし 一緒に暮らしてるから」
妖精「それはあいつがアタシなしだと何にも出来ない下僕のような存在だからよ!!」
隊長「そうなんだ」
- 400:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 02:42:01.66 ID:HCJaTxsG0
妖精「言っておくけど エルフが襲ってきでもしたらアタシは逃げるからね」
隊長「それでいいよ それよりも2日ぐらい歩くつもりだから今の内に寝たほうがいいよ」
妖精「じゃあアンタの鞄の中に入れなさい そこで我慢するから」
隊長「はい」パカッ
妖精「うぅん……」ガバッ
隊長「起きた?」
妖精「えぇ 今は……」
隊長「食事休憩中 これが終わったらまた歩くつもり」
妖精「……そう」
隊長「スープ飲む?」
妖精「もらうわ」ゴクゴク
隊長「」モシャモシャ
- 402:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 03:04:26.40 ID:HCJaTxsG0
隊長「妖精ちゃんは木こりさんとどうやって出会ったの?」
妖精「アタシが怪我をしてたところを助けてくれたのよ それで」
妖精「そうでもなくちゃ 人間の前には滅多に姿を現さない妖精と人間が一緒にいるわけないでしょ」
隊長「だから木こりさんが好きなんだね」
妖精「そう――なに言ってんのよアンタ!?」
隊長「違うの?」
妖精「だから違うって言ってるでしょ!!」
隊長「木こりさんが嫌いなんだ可哀想……」
妖精「嫌いとまでは言ってないでしょ!!」
妖精「えっと……そう! ペットぐらいには可愛がってるわ!!」
隊長「ツンデレ乙」
妖精「アンタは八尾のことが好きなの?」
隊長「……かもね」
妖精「かもねってハッキリしないわね」
- 403:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 03:23:43.81 ID:HCJaTxsG0
隊長「今回のことは俺がハッキリしないから起こった事件だしね」
妖精「確かにそうかもしれないけど 八尾にも悪いところはあったでしょ」
隊長「妖精ちゃんは八尾さんと仲がいいの?」
妖精「まあ色々相談されてたわ 主に恋愛とか」
隊長「あぁなるほど」
妖精「あいつ 真剣にアンタのこと好きだったみたいよ」
妖精「慣れない化粧とかしてたし」
隊長「…………」
妖精「さあ! とっとと戻して告白しなさいよ!!」チクチク
隊長「わかったから針で突かないで!!」
- 404:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 03:27:07.03 ID:HCJaTxsG0
数日後
妖精「ここらで既にエルフの敷地に入ってるわ」
隊長「ふ~ん なにか変わった感じはしなかったけど」
妖精「結界を越えたから奴らにもこっちの侵入は――」
隊長「――ッ!?」ガシッ
妖精「キャッ!? アンタなにすんのよ!!」
ストンッ
妖精「矢!?」
隊長「記憶を消すだけじゃなかったっけ?」
???「全員射れ!!」
隊長「逃げるよ!!」バッ
妖精「ちょっと!?」
隊長「えらく好戦的だね」
妖精「普段は無差別に攻撃なんてしてこないんだけど……」
- 405:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 03:48:09.82 ID:HCJaTxsG0
ヒュンヒュン
妖精「このまま逃げて体勢を立て直すの?」
隊長「それだと八尾さんが間に合わなくなるからね」
隊長「君はそこの木の影にでも隠れててよ」
妖精「隠れててよって アンタはどうするのよ」
隊長「平和的に話し合いをしてくる」クルリ
妖精「はあ!? 矢の中に突っ込んだ!?」
隊長「こういう戦闘での定石は!!」ダッ
???「なんだあいつは! 早く止めろ!!」
隊長「指揮官を先に狙う!!」チャキ
???「なっ!? キサマ……ッ!!」
隊長「さっきから煩く叫んでる君が指揮官だよね」ギリギリ
???「汚らわしい蛮族がこの私の体に……」
???「エルフ長様!!」ギリッ
隊長「攻撃したら殺すよ 割と本気で」
エルフ長「止めろ! こいつは本気だぞ!!」
- 406:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 03:53:40.24 ID:HCJaTxsG0
隊長「エルフの女王様に会わせてもらいたいんだけど」
エルフ長「誰がキサマなんかに……ぐぇっ!」
隊長「話を聞いてもらいたいだけなんだ」
エルフ長「わかった! 話を通す!!」
隊長「ほら妖精ちゃん 平和的に解決したよ」パッ
妖精「」
エルフ長「こっちだついて来い」
隊長「聞きたいんだけど どうしていきなり攻撃してきたの?」
エルフ長「我々にも色々ある 一々それに答える義務はないだろう」
隊長「それともう一つ聞きたいんだけど」
エルフ長「……」
隊長「エルフってみんな胸が小さいの?」
エルフ長「なっ!? どこを見ている!!」バッ
エルフ1「違う! エルフ長様が特別に小さいだけだ!!」
エルフ2「そうだそうだ!! ちっぱいでなにが悪いんだ!!」
- 407:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 03:58:35.88 ID:HCJaTxsG0
エルフ1「」
エルフ2「」
エルフ長「早く行くぞ!!」ザッザッ
隊長「妖精ちゃん」ボロボロ
妖精「なによ……」
隊長「エルフと人間はわかり合えるってことが証明されたよ」ボロボロ
妖精「むしろ印象は最悪だと思うんだけど」ハァ
エルフ長「ここがエルフの里だ」
隊長「外見的には俺たちの村とそんなに変わらないね」
妖精「村なんてどこも同じようなものでしょ」
隊長「そうかな この村はなんというか……もっと落ち着いた雰囲気がある気が」
妖精「エルフは精霊魔法を使うから」
隊長「普通の魔法となにか違うの?」
妖精「自然を味方にする魔法よ その力が働いてるんでしょ」
隊長「なるほど」
- 408:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 04:01:25.85 ID:HCJaTxsG0
エルフ長「女王様 人間と妖精を連れてきました」
エルフ女王「入れなさい」
隊長「こんにちは」
エルフ女王「隊長 あなたは下がりなさい」
エルフ長「はい」
隊長「はい」
妖精「ちょっとちょっと!! アンタは下がっちゃ駄目でしょ!!」
隊長「いやだって 隊長は下がれって」
妖精「あいつは”エルフ隊長” アンタは普通の隊長でしょ!!」
隊長「なるほど」ポンッ
エルフ女王「それで話を聞きましょう」
隊長「えっと……かくがくしかじかで」
- 409:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 04:04:31.90 ID:HCJaTxsG0
エルフ女王「魔王の短刀を掴んだら意識がなくなったと」
隊長「そうです なんとか出来そうですか?」
エルフ女王「まあ私ならなんとか出来るでしょう」
隊長「良かった」ホッ
エルフ女王「しかし なぜ私があなたのような汚らわしい人間と会談の席を持ったと思いますか?」
隊長「俺に一目惚れ」キリッ
エルフ女王「死ね」ヒュン
隊長「ぐぇっ!?」ベタン
妖精「アンタ馬鹿ね」
エルフ女王「エルフの里は今 ちょっとした危機に陥っています」
妖精「それをアタシたちで解決しろってこと」
エルフ女王「そうです」
隊長「」
- 410:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 04:09:46.81 ID:HCJaTxsG0
エルフ女王「妖精 あなたは人間との関わりが強いみたいですけど」
エルフ女王「どうして我々が他種族を嫌っているか知っていますか?」
妖精「自分たちの血統ゆえじゃないの?」
エルフ女王「そうです 他種族との間に子を成せばどちからの血が濃く出ます」
エルフ女王「あなた達にも覚えがあるのでは?」
隊長「確かに幼女ちゃんは竜族と人間のハーフだけど殆ど竜族だ」
エルフ女王「特に人間と魔族の間の子供は魔族寄りになりやすいのです」
妖精「ってことは人間と魔族が子供を作り続けたら……」
エルフ女王「いつか魔族だけの世界になるでしょう」
隊長「」
エルフ女王「それだけならまだいいのです」
隊長「まだなにか問題が?」
エルフ女王「時に人間と魔族の子は人間でも魔族でもない全く別の種族が生まれることがあります」
妖精「なにそれ」
エルフ女王「あなたはそれがなにか知っていますね」
隊長「……初代魔王」
- 411:オクラトウフ復興委員会 ◆fSfU0o85Qo:2011/11/22(火) 04:15:37.40 ID:HCJaTxsG0
エルフ女王「そうです 無限に近い魔力を持ち 殺されでもしない限り不死の存在」
エルフ女王「幸いなのは子を残したら魔族か人間どちらかになるという点ですか」
隊長「もしかして俺たちに頼みたいのって……」
エルフ女王「それに近い存在 我々はダークエルフと呼んでいる者の討伐です」
隊長「えっと エルフの方々がどんなに頑張っても勝てなかったんですよね」
エルフ女王「えぇ ですが初代魔王が使ったとされる魔族の短刀の持ち主であるあなたならあるいは……」
妖精「どうすんのよアンタ……」
隊長「受けさせてもらいます」
エルフ女王「そういうと思いました 護衛には彼女を付けましょう」
エルフ長「……」
隊長「女王様 一ついいでしょうか?」
エルフ女王「なんですか?」
隊長「この里では胸の大きさで身分が決まったりとかしてるんですか?」
エルフ女王「」ボイン
エルフ長「」ペターン
妖精「」フツー
寝るか
- 412:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府):2011/11/22(火) 04:27:31.47 ID:kaTXQuEOo
乙
- 414:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都):2011/11/22(火) 04:55:59.86 ID:bO06+dzTo
八尾ってなんて読むんだもやもやする
- 415:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越):2011/11/22(火) 05:03:35.65 ID:oqD3QnCAO
ハチビじゃね?
- 417:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/22(火) 09:17:34.81 ID:2eWWMi8SO
八尾はヤビって読んでたわ
- 418:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank):2011/11/22(火) 09:38:59.41 ID:z3Wwxet8o
はちおって読んでたわ
- 419:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/22(火) 10:09:26.61 ID:KKJrrmEIO
よめって読んでたわ
- 420:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/22(火) 10:11:38.74 ID:uLqGcEMIO
やおって読んでた
- 422:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/22(火) 10:21:37.19 ID:O7CNHW1Po
はちびって読んでる
- 424:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋):2011/11/22(火) 11:35:43.52 ID:/RuiWoLgo
やつびだろ
- 425:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です):2011/11/22(火) 17:08:07.49 ID:GADIrf+DO
もちろんハオだろ
- 426:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区):2011/11/22(火) 17:16:34.01 ID:3vebwQxA0
はちび
ちっぱいツンエルフのみならず、ダークエルフさんまででてくるとか嬉しすぎて涙がでてきた
息子のだけど
- 439:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(岡山県):2011/11/23(水) 15:14:50.45 ID:3ypt3MuY0
ヒーハー 続きはまだかい?
⇒王様「お主には辺境村の再興を頼む」隊長「なにそれこわい」part2
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コメント一覧 (13)
-
- 2012年04月15日 20:36
- 感動した
-
- 2012年04月15日 20:38
- 書籍化でも狙ってんの?
-
- 2012年04月15日 21:00
- ふえぇ アタシもモフモフしたいよぅ
-
- 2012年04月15日 21:55
- >99
>鬼の性別はどっちなんだ?
>筋骨隆々の女って言ったり、男手が欲しいって言ってたり
>>>99
>頭は女で手下は男なんじゃね
鬼の性別は女で、男手は手下の盗賊の事じゃね?
隊長の「男手が欲しかったし」は鬼も手下もまとめて面倒みるよって事を一行で言ってるんだと思う
-
- 2012年04月15日 22:19
- 随分古いな
-
- 2012年04月15日 22:59
- スレタイでプリンセスフロンティアを思い浮かべた俺はもう駄目だ
-
- 2012年04月16日 03:02
- 乙でありますっwww
-
- 2012年04月16日 04:55
- なつかしすぎwwwwww
続きあったんかー
-
- 2012年04月16日 20:58
- 鬼がコータローまかりとおるってのに出てきたジェイソンにしか見えない…
-
- 2012年07月15日 08:32
- 長い
-
- 2014年03月05日 22:26
- それは、簡単にあなたが持っているものなので、参照することができます。 その上で、影響が霜のアイテムの場合はキャニスターやスーツケースにはドリンクは、他のすべての細目に垂れてくることができる、できないことを明らかに。 あなたは冷蔵庫にグループPKGように、すべての図の上の料理の調理などの追加、ダイニングイベント測定のセクションの周りにすべての店。あなたはそれを得ただけについては、袋を旅行するビデオカメラシステムは、おそらくあなたが得る機器の重要な部分である。 あなたは確かにあなたがお金を出してもよいカメラを守りたい、そしてそれは同様に、安全で長期的なキャリングケースにする必要があります。 それはあなたの旅行バッグはそのようにあなたが実行可能なチャンバーになるためにあなたの写真を同期させる手助けほぼ瞬時に自分のものにアクセスできるようにすることが非常に重要です。
グッチiPhone5ケース http://www.chemical-looping.at/Upload/file/paged-3241067.html
-
- 2016年02月03日 22:39
- もうキャラ名考えて書籍化しろよこれ
その辺の文庫本よりよっぽど面白いんだけど。
-
- 2016年10月10日 15:28
- 俺の脳内では八尾=牛タコだから割とアレな絵面だわ(ナルト読み過ぎ並感)