魔王「今日も平和だ飯がうまい」
- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 01:01:02.87 ID:0ReHhxnt0
側近「働かずに召し上がる食事は、そんなに美味なものですか?」
魔王「何を言う。我が城のシェフの腕は確かだぞ、不味いわけがないだろう」
側近「はあ…」
魔王「……何だ」
側近「いえいえ別にー」
⇒旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。- 3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 01:05:39.01 ID:0ReHhxnt0
魔王「…………明日から」
側近「はい?」
魔王「明日から本気を出す」
側近「……(チッ)」
魔王「……(ビクッ)」
- 4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 01:10:29.36 ID:0ReHhxnt0
魔王「というわけで、見ろ。本気を出してみた」
側近「うわあい綺麗に手入れされていますねえ」
魔王「ふっ……薔薇園の剪定など私にとっては朝飯前…ってどこに行く側近!」
側近「俺は仕事があるんです。下らない用事で呼びつけないでください」
魔王「…………」
- 5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 01:13:32.79 ID:0ReHhxnt0
側近「で、本日は…………」
魔王「うむ。部屋の掃除だ」
側近「……」
魔王「このように骨が折れるものだったのだな。メイド達の苦労がよく分かった…って、どうした側k」
側近「いい加減にしろこの駄目魔王があああ!!」
魔王「?!(ビクッ)」
- 6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 01:17:21.44 ID:0ReHhxnt0
側近「あんたの仕事は魔王だろうが!どこの世界に薔薇愛でて爽やかに汗流して掃除する魔王がいる?!」
魔王「ここに」
側近「うるせえ黙れ」
魔王「魔王に何だその言い種は。ちゃんと敬え」
側近「ちゃんと魔王らしい仕事をすればな」
- 7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 01:23:35.29 ID:0ReHhxnt0
側近「ったく……先代様は人間の村を焼いたり国を乗っ取ったり、色々手広くこなしておられたのに……跡継ぎのあんたがこれじゃあな」
魔王「父上はやり手だったからな」
側近「あんたも先代様を見習って、しっかり魔王を勤め上げろよ!」
魔王「嫌だ。手広くやり過ぎたせいで、父上は人間に討たれたのだぞ?」
側近「だからって何もしないのもどうかと思うがな」
魔王「む……」
- 8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 01:27:34.42 ID:0ReHhxnt0
側近「いいか魔王城警備員。あんたがそんなんじゃ、下に示しがつかない」
魔王「警備員……」
側近「今はまだ安心だが、その内魔王の座を狙う奴だって出てくるかも知れん。俺とか」
魔王「くっくっく……側近は面白いことを言うな」
側近(若干マジなんだがなあ……)
- 10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 01:31:43.65 ID:0ReHhxnt0
側近「……三日やる」
魔王「?」
側近「何か、魔王として名が通るようなデカイ仕事を考えろ。実現可能な範疇でな」
魔王「……私がか?というか、そもそも何でお前に命令され」
側近「出来なかった場合、ご自慢の薔薇園は焦土と化す」
魔王「くっ……人質とは卑怯な!!」
- 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 01:37:17.02 ID:0ReHhxnt0
夜─
魔王「そう言われてもな……」
ペラッ
魔王「外に出るのは面倒だし」
ペラッ
魔王「かといって城で出来ることなどたかが知れている」
ペラッ
魔王「人質さえ取られていなければ、こんな無茶な要求……人質?」
ペラッ
魔王「…………?!」
魔王「これだ!」
- 12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 01:43:55.08 ID:0ReHhxnt0
朝─
魔王「早速良い案が浮かんだぞ側近!!」
側近「うわあ」
魔王「何だその目は。夜を徹して策を練った私に、労いの言葉はないのか」
側近「いや、だって早すぎるだろ…信用ならねえって」
魔王「ふっ…その減らず口、いつまで持つかな」
- 13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 01:46:04.87 ID:0ReHhxnt0
側近「一応聞いてやるわ。どんな案だよ」
魔王「おお。さる国の王族は特別な力を持っていてな。それが我等魔物には少々厄介故、この際潰してしまおうかと」
側近「そいつらを皆殺しにするだけか?そりゃ、派手だし魔王らしいが」
魔王「まあ最終的にはそのつもりだがな」
側近「?」
- 15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 01:50:12.10 ID:0ReHhxnt0
魔王「現在の国王には、まだ幼い一人娘がいるらしい」
側近「おう」
魔王「その姫を攫って来い」
側近「却下!!」
魔王「何故だ?!」
- 16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 01:54:19.50 ID:0ReHhxnt0
側近「確かにそれは犯罪だ。だがな!俺はロリペド野郎の邪な性癖には付き合ってられん!」
魔王「何を勘違いしているかは聞かぬが…姫は人質だ」
側近「…人質?」
魔王「餌とも言うな」
側近「性欲処理じゃ…」
魔王「そのような趣味はない」
- 19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 01:56:38.20 ID:o9rnhC+zO
見てるよ
- 20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 01:58:29.69 ID:0ReHhxnt0
ありがとう。頑張る。
魔王「姫を大々的に攫えば、きっと国軍は取り返そうとやっきになるだろう」
側近「まあ…そうだろうな」
魔王「姫はすぐには殺さず、人間どもをこちらに誘い出す餌とする」
側近「……で、俺たちはそいつらを」
魔王「私の悪名が各地に轟き、国が疲弊した頃を見計らい徹底的に叩き潰す」
側近「おお………」
- 22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 02:02:29.22 ID:0ReHhxnt0
魔王「長期戦にはなるが、魔王対人間という図式を作るには良い案だと思うのだが。どうだ?」
側近「…あんたが考えたにしてはまともだな。いや、正直見直したわ」
魔王「ふっ……私は魔王だぞ。見くびるな」
魔王(…『父上の遺した日記にあった計画を丸々拝借した』、などとは言えんな)
- 24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 02:08:42.22 ID:0ReHhxnt0
側近「よし!俺はこの計画、乗った!」
魔王「では……姫の件、頼まれてくれるか。」
側近「おう、折角あんたが出した計画だ。頓挫しねえよう、慎重に準備を始めるよ」
魔王「頼んだぞ」
側近「任しとけって!じゃあな!」
- 25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 02:14:07.71 ID:0ReHhxnt0
魔王(…誘拐が成功しなければ、そこでこの計画は終わり)
魔王(成功したとしても、城で人間どもが来るのを待つだけでいい)
魔王(あの国の軍がどれほど強大かは知らぬが、姫ばかりにそう力を裂けるはずもない)
魔王(すなわち……たまに来る人間を相手にするだけで、私の名は広まる)
魔王(どうせ側近が誘拐に成功するのも先の話だろう)
魔王(それまでは………警備員も悪くはない)
- 26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 02:19:03.65 ID:0ReHhxnt0
次の日─
側近「攫ってきたぞ」
魔王「なん、だと………?」
側近「いやあ、何かあの計画を聞いたら興奮しちまって。昨日の夜に行って来たんだ。早いほうがいいだろ?」
魔王「あ、ああ………」
側近「もう国中大騒ぎだぜ。近日中に軍が送られるって話だ」
魔王(あああああああああ)
- 28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2009/05/24(日) 02:24:16.11 ID:0ReHhxnt0
魔王(ま…まあ、あの国からこの城まで、人間の足では一月は掛かる……つまりまだ私には暇が)
側近「いやー、あんたも早速仕事ができて良かったな」
魔王「は?」
側近「は、て。姫の面倒はあんたの仕事だから」
魔王「な、何だと?!」
側近「俺らは色々忙しくなるから、最悪餓死させかねん。計画じゃ、姫を殺しちゃまずいんだろ?」
魔王「ぐ……ぐぐ」
側近「客室に丁重に閉じ込めてるから、適当に飼ってくれ。じゃあまたなー」
魔王「お、おい側近!待て!」
- 29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 02:29:15.39 ID:0ReHhxnt0
魔王(側近は本気か…)
魔王(魔王が子守とはな……)
魔王(ああしかし!姫に死なれるとこの先色々と利用できなくなる!)
魔王(私の平和なニートタイムのためだ!少しの苦労は買ってやろうではないか!)
魔王(姫が何だ!人間など、適当に餌をやっていれば死ぬことはないだろう!)
- 30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 02:32:30.46 ID:0ReHhxnt0
客室─
ギィッ……
姫「ひ」
魔王「……?」
姫「あ、あ……」
魔王「お前」
姫「うう……」
魔王「姫か?」
姫「うあ……はい…」
- 32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 02:36:24.23 ID:0ReHhxnt0
魔王「そうか、姫か」
姫「あ、……あなた、は」
魔王「魔王だ」
姫「まお、う…?!」
魔王「…私が、恐ろしいか」
姫「こ………こわく、なんか、ないです!」
魔王「ふっ…そうか」
姫「ひっ」
- 35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 02:40:51.82 ID:0ReHhxnt0
魔王「では後ほど食事を運ばせる」
姫「……?」
魔王「よく食い、よく眠り、よく生きろ」
姫「…??」
魔王「またな」
- 36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 02:43:56.73 ID:0ReHhxnt0
ギイッ……
魔王「………」
魔王「あれは影武者か。王族の力が全く感じられん」
魔王「あの様子では、側近は気付いてはいないな」
魔王「……面白いし、気付くまで黙っているか」
- 37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 02:47:29.42 ID:0ReHhxnt0
次の日─
魔王「結局側近は気付かぬままか」
魔王「回りの者は多忙にしているが、私は姫の飼育だけ」
魔王「案外楽なものだな。餌を与え生死を確認するのみというのも」
魔王「さてと、姫は生きているかな」
- 39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 02:54:23.81 ID:0ReHhxnt0
ギィッ……
姫「ひっぐ……えう」
魔王「?!!」
姫「う…えぐ、あ、う」
魔王「お前…全く食事に手をつけていないではないか!」
姫「ひっ………!」
魔王「あ、ああすまん。そんなに怯えるな、寿命を縮めてしまうだろう」
- 40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 02:56:16.46 ID:0ReHhxnt0
魔王「…ほら、食え。口を開けろ」
姫「……(フルフル)」
魔王「くそ……どうすれば」
姫「………」
魔王「そうだ!」
姫「……?」
- 41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 02:59:17.07 ID:0ReHhxnt0
魔王「ほら、これならどうだ」
姫「…え」
魔王「わざわざ持ってきてやったのだ。ケーキなら、食えるだろう?」
姫「……」
魔王「食わんのか?子どもなら、甘いものが好きなはずだろう」
- 42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 03:01:17.39 ID:0ReHhxnt0
魔王「食ってくれ。お前に食ってもらわねば、私が困る」
姫「………(グー)」
魔王「ほれ」
姫「……(パク)」
魔王「よしよし、もっとあるぞ。沢山食え」
姫「……(コク)」
- 44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 03:04:08.75 ID:0ReHhxnt0
魔王「平らげてしまったな。これなら、普通の食事も食えるだろう」
姫「あ、あの」
魔王「何だ」
姫「あ……ううん」
魔王「変な奴だな」
姫「……」
- 45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 03:07:49.68 ID:0ReHhxnt0
眠いけどもうちょっと頑張る…
次の日─
魔王「昨夜気付いたのだが、食事だけではまずいな」
姫「…?」
魔王「今日は部屋から出してやる」
姫「え」
魔王「勘違いするな、適度な運動をしないと体に障るだろう」
姫「え、え?」
魔王「ほら、行くぞ」
姫「う、ん」
- 47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 03:12:08.57 ID:0ReHhxnt0
魔王「……」
姫「……(キョロキョロ)」
魔王「……お」
姫「……(ビクッ)」
側近「……何をやってるんだあんたは」
魔王「仕事だ」
- 48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 03:14:19.11 ID:0ReHhxnt0
側近「俺には仲良く散歩してるようにしか見えないんだがなあ」
魔王「運動をさせなければ、弱ってしまうからな」
側近「で、手を繋ぐ必要は?」
魔王「逃げられると面倒だからだ」
側近(………まさか、こいつ本当に、ロリ…)
姫「………(コソコソ)」
- 50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 03:17:44.49 ID:0ReHhxnt0
魔王「さて、運動は終わりだ」
姫「……うん」
魔王「ちゃんと夕食を取ること。分かったな」
姫「……(コクコク)」
魔王「よし。では、また明日」
姫「あ、あの!」
魔王「何だ」
姫「ほ、ほんとに……まおう、なの?」
魔王「…?何を今更」
- 51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 03:20:15.29 ID:0ReHhxnt0
次の日─
魔王「それでな、側近が馬鹿なことに……」
姫「うん」
魔王「私は止めたのだが、あいつは致命的に頭が」
姫「うん」
ギィッ
側近「…何やってんだあんた」
魔王「む」
- 52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 03:25:11.90 ID:0ReHhxnt0
魔王「見ての通り、仕事だ」
側近「俺には仲良くお茶してるようにしか見えんが」
魔王「適度に間食を与えれば、より一層健康が保てるだろう」
側近「なんか釈然としねえ……」
魔王「こいつは昨日の夕食を残していた。全く…ちゃんと見張っておかねばな」
姫「…」
- 56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 03:28:26.59 ID:0ReHhxnt0
すみません。書き溜めがなくなった上限界です…
明日もし残っていたら再開します。支援して下さった方々、ありがとうございました
- 58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 03:41:46.33 ID:rjFm85xQ0
>>1 乙
- 59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 03:49:11.77 ID:WQfeRQLTO
おやすー
- 73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 10:07:24.67 ID:DYU3O7cDO
おはようございます。1です。
ワンピースが終わったので、携帯から再開です
- 74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 10:10:12.34 ID:DYU3O7cDO
保守ありがとう!
次の日─
側近「で、とうとうあんたの部屋で飼うことに……」
魔王「一々客間に行くのが面倒でな」
側近「じゃあ膝に乗せる意味は」
魔王「逃げないよう…こら、菓子をこぼすな」
姫「……ごめんなさい」
- 76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 10:15:41.24 ID:DYU3O7cDO
魔王(案外楽なものだな)
姫「……♪」
魔王(姫も健康そのものだし、人間の動きの知らせも入ってこない)
姫「……?」
魔王(一応仕事をしているから側近も文句を言わんし、これは良い)
姫「どうか……したの?」
魔王「いや。お前、ずっと元気でいろよ」
姫「う、うん!」
- 78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 10:24:24.63 ID:DYU3O7cDO
次の日―
魔王「側近!大変だ!」
側近「うわ?!な、なんだどうした」
魔王「姫が……姫が!」
側近「ま、まさか死んだのか?!」
魔王「熱を…………出した」
側近「はあ?」
- 80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 10:29:24.01 ID:DYU3O7cDO
魔王「なんだその反応は?!」
側近「…そんな取り乱すことか?」
魔王「私の飼育は完璧だったのだぞ!それが……それが!!」
側近「知らん知らん。あんたの魔法でぱっぱと治せばいいだろ」
魔王「…人間の治療など、やった試しがない」
側近「ああ……なるほど」
- 83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 10:33:29.63 ID:DYU3O7cDO
魔王「このままでは死んでしまう。どうすれば……」
側近「どうせ風邪か何かだろ。そんな悲観するなよ。人間用の薬とか探して来てやるから」
魔王「……すまん」
側近「いいってことよ。あんたは姫の看病を頼んだ」
魔王「勿論だ」
- 86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 10:39:35.74 ID:DYU3O7cDO
魔王「調子はどうだ?」
姫「う……ん」
魔王「果物は欲しいか?」
姫「……(フルフル)」
魔王「………そうか」
姫「……」
- 89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 10:44:47.82 ID:0ReHhxnt0
やっぱパソコンの方がやりやすい
魔王「……」
姫「……(ケホケホ)」
魔王「……」
姫「……」
魔王「……」
姫「……(スゥ)」
- 90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 10:49:22.04 ID:0ReHhxnt0
魔王(人間とは…脆いものだな)
魔王(お前がそんな調子では、私は暇で仕方がない……)
魔王(死ぬなよ)
魔王(死なないでくれ)
魔王(頼む……)
- 92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 10:54:52.94 ID:0ReHhxnt0
次の日朝─
姫「……ふぁ」
魔王「……(スゥスゥ)」
姫「………あ」
魔王「……」
姫「……えへへ」
- 93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:00:47.39 ID:0ReHhxnt0
魔王「…う…ん」
姫「あ……」
魔王「なんだ…お前、もう起きていたのか」
姫「うん…お、おはよ」
魔王「お早う。調子はどうだ?」
姫「げんき」
魔王「そうか良かった。しかし油断するなよ、今日一日はまだ寝ておけ」
姫「うん」
- 96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:04:25.11 ID:0ReHhxnt0
姫「て」
魔王「?」
姫「ずっと、にぎってて、くれたの?」
魔王「ああ。それがどうかしたか?」
姫「ううん。なんでもない」
魔王「変な奴だな」
姫「えへへ……ありがと」
魔王「何故感謝する?」
- 98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:10:25.53 ID:0ReHhxnt0
魔王「そうだ。一つ聞いておきたいことがある」
姫「なに?」
魔王「お前の名は?」
姫「……ひめ」
魔王「違う。お前の、本当の名は?」
姫「………にせ、ひめ」
魔王「偽姫か。良い名だ」
- 99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:18:21.63 ID:0ReHhxnt0
偽姫「……しってたの?」
魔王「ああ」
偽姫「………」
魔王「まあ、どうでもいいんだ。人間の反応を見る限り、『姫を攫う』という目的は達成されているのだし」
偽姫「……ここに」
魔王「?」
偽姫「いても、いいの?」
魔王「そうでなければ、私が困る」
- 101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:24:20.37 ID:0ReHhxnt0
次の日─
魔王「すっかり元気になったな」
偽姫「うん!」
魔王「では、今日は久々に散歩でも」
バンッ!!
側近「大変だ魔王!!」
魔王「何だ騒がしい」
側近「あの国の奴等…姫を見捨てやがった!!」
魔王「……何?」
偽姫「え………」
- 104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:30:55.79 ID:0ReHhxnt0
側近「…姫の様子は?」
魔王「泣き疲れて眠っている」
側近「そりゃそうだろうな…実の親どころか、国自体に捨てられたんだし」
魔王「……姫は、我等に殺されたと、そう公表されたのだったな」
側近「ああ。一応攻め込む予定らしいが…あまり本気でもなさそうだ」
魔王「………」
- 105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:35:23.07 ID:0ReHhxnt0
魔王「実はな…あれは影武者だ」
側近「何?!先に言えよ!」
魔王「私も、つい先日知ったばかりだ」
側近「本当かあ…?」
魔王「影武者故、助け出す必要もないのだろう」
側近「つっても同族だろ…そんな簡単に見殺しにしていいのかよ」
魔王「人間とは……厄介な生き物だな」
- 107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:39:32.05 ID:0ReHhxnt0
ギィッ…
魔王「……目が覚めたか」
偽姫「ひっく……えぐ…」
魔王「ああ、泣くな泣くな」
偽姫「うぐっ…………う、ん」
魔王「よしよし、いい子だ」
- 110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:42:47.39 ID:0ReHhxnt0
偽姫「あの、ね」
魔王「ああ」
偽姫「ほんとの、おひめさまはね、ちょっとまえにね、なくなったの」
魔王「…ああ」
偽姫「かわりにね、そっくりなわたしが、かわれたの」
魔王「そうか。話してくれて、ありがとう」
- 111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:47:17.21 ID:0ReHhxnt0
偽姫「でも、もう……どこにも、かえれない」
魔王「国に帰りたければ…返してやるぞ」
偽姫「ううん。あんなとこ、もういや…」
魔王「…そうか」
偽姫「ここが、いい」
魔王「……」
偽姫「まおうと、いっしょが……いい」
- 113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:51:11.85 ID:0ReHhxnt0
魔王「……私は、魔王だぞ」
偽姫「しってるよ」
魔王「恐ろしくはないのか?」
偽姫「やさしいから、すき」
魔王「お前は本当に…変な奴だな」
偽姫「えへへ……」
- 119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 11:59:35.70 ID:0ReHhxnt0
とりあえず今回はここまでです。バイト行ってきますorz
続きは夕方か夜になります。残ってますように!
- 140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 14:31:28.34 ID:sxUWhjB5O
( ФωФ)保守なのである
- 146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 15:35:37.35 ID:y06pBdLy0
ほほほほほしゅであります
- 158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 17:46:02.31 ID:0ReHhxnt0
夕飯前に書き溜め投下。支援ありがとう!
魔王「眠ったか」
偽姫「……(スゥスゥ)」
魔王「もうお前に、人質としての価値は無くなった」
魔王「帰る家も、帰りを待つ家族も、お前にはない」
魔王「………ならば」
- 159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 17:49:14.91 ID:0ReHhxnt0
側近の部屋―
魔王「……どうだろう」
側近「ああ」
魔王「分かってくれ。頼む」
側近「…本当、最近あんたは冴えてるな。俺は何の異論もねえよ」
魔王「では」
側近「いいんじゃね?他の魔物も、姫に同情的だしな」
魔王「……感謝する」
- 162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 17:51:46.68 ID:0ReHhxnt0
次の日─
魔王「起きたか」
偽姫「うん……」
魔王「それでは、お前の処遇についてだが…」
偽姫「………ぅぐ」
魔王「聞く前に泣くな」
偽姫「ご…ごめんなさい……」
- 163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 17:53:13.85 ID:0ReHhxnt0
魔王「悪い話ではない。まあ、聞け」
偽姫「う、うん」
魔王「ここにいたいと、昨夜言ったな」
偽姫「……(コクリ)」
魔王「ならば、お前…魔王になる気はないか」
偽姫「…え」
- 164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 17:55:14.73 ID:0ReHhxnt0
ここまで。また書き溜めて夜に来ます
魔王「私には後継者…つまり、子供がいない」
偽姫「……」
魔王「お前さえ良ければ……私の跡継ぎとして、城に迎えてやろう。どうだ?」
偽姫「そ、それ…って」
魔王「魔王の父親は、嫌か?」
偽姫「う………ううん、すき」
魔王「決まりだ。よろしく、娘」
偽姫「よ、よろしく!」
- 166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 17:59:01.12 ID:vQfd2oQT0
ほしゅぅぅぅぅぅうううううううう
- 171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 18:22:47.06 ID:oWUnwQzM0
物書きとしてどうのこうの
幼稚な文章がなんたらかんたら
続き早くしろ
下半身が風邪引いたらどうしてくれる
- 179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:28:52.43 ID:0ReHhxnt0
>>171
下関連の疾病は責任持てません><
数日後─
偽姫「……(キョロキョロ)」
側近「お、偽姫ちゃん」
偽姫「そっきんさん、おはようございます」
側近「一人でどうしたんだ。魔王は一緒じゃないのか?」
偽姫「さがしてるの。そっきんさん、みなかった?」
側近「ああ…薔薇園じゃねえかな。あいつ他に行くとこねえし」
偽姫「ありがとー」
- 181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:32:56.08 ID:0ReHhxnt0
メイド「あら。お早うございます、姫様」
偽姫「おはよーございます」
メイド「魔王様はご一緒ではないのですか?」
偽姫「これから、むかえにいくの」
メイド「そうですか。お気をつけて」
偽姫「うん。いってきます!」
- 182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:33:51.11 ID:aalxSCbpO
まさかのメイド登場
- 183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:35:21.73 ID:0ReHhxnt0
>>182
一回限りなんだ…すまん
魔物「よう、姫さん」
偽姫「おはよーございます!」
魔物「今日は珍しく魔王様を連れてねえんだな」
偽姫「まおう、まいごなの」
魔物「そりゃ大変だ。魔王様を見つけたら、オレが捕まえておいてやるよ」
偽物「ありがとう。またねー」
- 184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:41:58.38 ID:0ReHhxnt0
薔薇園─
偽姫「まおう!」
魔王「む」
偽姫「おはよ!」
魔王「お早う。もう少し寝ていても良かったんだぞ」
偽姫「はやくおきたら、いっぱいあそべるもん」
- 186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:46:24.34 ID:0ReHhxnt0
偽姫「すごいねー。きれいだねー」
魔王「薔薇か」
偽姫「うん!おせわ、おてつだいしてもいい?」
魔王「では、このジョウロで水をやってくれ」
偽姫「わ、わわ…」
魔王「重いか?やめるか?」
偽姫「がんばる!」
魔王「そうか。頑張れ」
- 187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:49:32.38 ID:0ReHhxnt0
側近「よう。やっぱここか」
魔王「何か用か?」
側近「いや偽姫ちゃんの様子を見に来ただけだ」
魔王「あの子は向こうで水遣りに燃えている」
側近「へー……(ニヤニヤ)」
魔王「何か言いたそうだな」
側近「いや。あんた、この薔薇園他の誰にも今まで弄らせた事ねえよな」
魔王「あの子は特別だ」
- 190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:52:36.80 ID:0ReHhxnt0
側近「しかし偽姫ちゃんは人気者だねー。皆、あの子の話で持ちきりだ」
魔王「最近、すっかり魔物にも慣れてしまったしな」
側近「いやー、もうあんたより求心力あるんじゃね?」
魔王「ふっ…当然だ。私の娘だぞ」
側近「あ、今の褒め言葉で捉えるんだ」
- 193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 19:57:04.20 ID:0ReHhxnt0
偽姫「まおう!」
魔王「おお、終わったか」
偽姫「うん!がんばった!」
魔王「よしよし、偉いぞ(ナデナデ)」
側近「偉いねー」
偽姫「えへへ」
- 197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:01:13.34 ID:0ReHhxnt0
偽姫「わたしね、ここ、だいすき」
魔王「そうか。気に入ってもらえて、良かった」
偽姫「ばらえんも、おしろも、みんなも、まおうも、ぜんぶすき」
魔王「そうかそうか(ナデナデ)」
偽姫「でも、いちばんすきなのは、まおう!」
魔王「ははは、そうか(ナデナデナデナデ)」
側近(うわあ)
- 202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:06:30.07 ID:0ReHhxnt0
一月後─
魔王「とうとう、この時が来たか」
側近「ああ。遂に昨日軍が出発した」
魔王「……」
側近「俺らの準備は既に万端だ。いつ攻められても」
魔王「いや」
側近「?」
魔王「『攻められる』のではない。我等も、『攻める』」
側近「…ほぉ」
- 203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:11:36.48 ID:0ReHhxnt0
側近「随分とやる気だな」
魔王「奴等は魔王の娘を虐げた。その報いを、受けねばならん」
側近「じゃあ…」
魔王「軍を潰してから、直にあの国を攻める。明日より、我等も出るぞ」
側近「了解。こりゃ忙しくなるな!」
魔王「ああ……」
- 206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:19:24.94 ID:0ReHhxnt0
側近「浮かない顔だな。どうした」
魔王「偽姫としばらく会えなくなると思うと…な」
側近「なあに、たかが人間だ。俺らが本気になりゃ数日で片がつくだろ」
魔王「む……それもそうだな」
側近「ま、気楽にやろうぜ、魔王様」
魔王「うむ」
- 210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:25:34.00 ID:0ReHhxnt0
魔王の部屋─
ギィッ…
魔王「ただいま」
偽姫「おかえりなさい!おはなし、おわったの?」
魔王「ああ……先に、寝ていても良かったのだぞ」
偽姫「だめ!いっしょにねるの!」
魔王「全く…頑固だなお前は」
偽姫「こればっかりはゆずれません!」
- 212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:28:18.47 ID:0ReHhxnt0
魔王「少し話がある」
偽姫「なあに?」
魔王「明日からしばらく、私は帰らない」
偽姫「………たたかう、の?」
魔王「ああ」
偽姫「……」
- 213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:32:30.95 ID:0ReHhxnt0
魔王「心配するな。お前を苛めた奴等に、少し灸を据えるだけだ」
偽姫「けがとか……しちゃ、やだよ」
魔王「私は魔王だ。怪我などせん」
偽姫「ちゃんとかえってくる?」
魔王「できるだけ、早く」
偽姫「やくそくだよ」
魔王「ああ。約束だ」
- 214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:35:42.32 ID:0ReHhxnt0
偽姫「おやすみ、おとーさん」
魔王「お休み、娘」
偽姫「おしごと、がんばってね」
魔王「お前のために、父は頑張るよ」
……────
- 216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:43:28.38 ID:0ReHhxnt0
───………
魔王「………ふああ」
側近「随分と余裕ですねー、居眠りとは」
魔王「…昨夜も戦略を練っていて、寝不足なのだ。仕方あるまい」
側近「いくら眠くても、敵の軍隊と睨み合う最中で寝ますか」
魔王「構わんだろう。あちらは攻めあぐねているのだから」
- 218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:48:08.94 ID:0ReHhxnt0
魔王「しかし睨み合って既に数日か」
側近「流石に、これだけの魔物を連れてちゃ人間どもも必要以上にビビリますよ」
魔王「ほぼ全戦力だからな。しかし、あちらも数が多い…」
側近「ところで、いい作戦は思いつきましたか?」
魔王「む……難しいな、こういう事は」
側近「まー、ゆっくりやりましょう。時間はあるんですし」
魔王「………」
- 246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:39:27.97 ID:0ReHhxnt0
魔王「……おい」
側近「何でしょう、魔王様」
魔王「お前、普通に喋っても良いのだぞ」
側近「俺が魔王様にタメ口きいてちゃ、士気に関わりますからね」
魔王「そうかもしれんが………正直慣れんな」
- 219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:53:08.75 ID:0ReHhxnt0
側近「まあ、俺もあんたを魔王と認めているんです」
魔王「……」
側近「俺だけじゃない。皆、魔王様を信じて、ここまで来たんです」
魔王「……ありがとう」
側近「ははは、礼は全部終わった後に頼みますよ」
- 223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 20:59:02.19 ID:0ReHhxnt0
魔王「そうだ、一応作戦は出来たんだ」
側近「おーおー。どんなのです?」
魔王「幸い、私は見た限りでは人間と区別がつかない」
側近「………はあ」
魔王「というわけで、私一人敵軍に潜り込み、機を見て一暴れ」
側近「却下!!」
魔王「何故だ?!」
- 227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:05:07.11 ID:0ReHhxnt0
側近「あんたにそんな危ない真似させられるか!」
魔王「私は魔王だぞ、心配はいらぬ」
側近「怪我でもされちゃ俺の株が落ちるんだよ!!第一、他の魔物も認めねえからな!」
魔王「む………過保護だな」
側近「いいから大将は大将らしく、頭だけ使ってくれ。頼むから」
魔王(…思わず素になる程、嫌なのか)
- 228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:09:15.67 ID:0ReHhxnt0
側近「てめえ!!結局一人で叩き潰しやがって!!!!」
魔王「…上手くいったのだから、良いだろう」
側近「いいから反省しろ!二度とこんな危ない真似するんじゃねえぞ?!!」
魔王「確かに……私にも至らぬ点はあった」
側近「お、珍しく殊勝じゃねえか…」
魔王「油断して、少し服が汚れてしまった。今後の反省点だな」
側近「てぇんめええええええええええ!!!!!」
- 230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:11:22.62 ID:/rXib7FX0
強ぇwwwwwwwwwwwww
- 232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:12:26.43 ID:TDqOWP540
ほんとに強いのかよwwwwwwwwwwwww
- 236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 21:14:13.72 ID:0ReHhxnt0
一時間ほど休憩&書き溜めタイムに突入します。後は任せた!
魔王「しかし、これであの国までの障害物は取り払われた」
側近「ま……まあ、そうだがよ」
魔王「我等が悲願の成就のためだ、少しの無茶は許せ」
側近「………無茶っつーか…単に頭に血が登ってるだけだろ」
魔王「……」
- 253:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:09:55.68 ID:0ReHhxnt0
ゆっくり再開
側近「焦るのも分かる。あんたが、魔物を傷つけたくない気持ちも分かる」
魔王「……」
側近「だがな、俺たちもあんたに何かあったら、後悔どころじゃあ済まん」
魔王「………ああ」
側近「分かってくれよ。あんたは俺達の王なんだからな」
魔王「王……か」
- 257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:15:56.59 ID:0ReHhxnt0
側近「まあ、ここまで来たら勝利は目前だ。もうちょっと気楽に行こうぜ、って話だよ」
魔王「うむ」
側近「なあ。全部終わったら、したいこととかあるのか?」
魔王「ふっ……聞いて驚くな」
側近「何だよ勿体ぶって」
魔王「一緒に、歩く」
側近「……」
- 259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:19:18.22 ID:0ReHhxnt0
魔王「一緒に茶を飲む」
魔王「一緒に食事を取る」
魔王「一緒に薔薇園を眺める」
魔王「一緒に眠る」
- 264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:24:23.81 ID:0ReHhxnt0
魔王「どうだ」
側近「それはまた……『日常』だな」
魔王「ふっ……素晴らしいだろう」
側近「ああ。早く叶うといいな」
魔王「そのための戦いだ」
- 266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:30:50.98 ID:0ReHhxnt0
魔物「よお、魔王様」
魔王「おお。調子はどうだ?」
魔物「万全ですよ。とっととオレらも戦いに参加させてくださいよ」
魔王「まだ時期ではない。焦らず機を待て」
魔物「魔王様にゃ言われたくないね」
魔王「む……」
- 267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:36:26.26 ID:0ReHhxnt0
魔物「しかし魔王様も立派になったもんだね」
魔王「そうか?」
魔物「オレはあんたがちっちぇえ頃から知ってるからな。よく分かるよ」
魔王「ああ………」
魔物「先代様も、今のあんたを見れば喜んでくれるはずさ」
魔王「…そうだと、良いのだがな」
- 269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:42:14.51 ID:0ReHhxnt0
某国王都付近─
魔王「ふむ…静かだな」
側近「一般の住民は移住したって話だ」
魔王「では、中にいるのは」
側近「兵士と……国王だよ」
魔王「国王か………」
- 270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:46:38.69 ID:0ReHhxnt0
魔王「……っく」
側近「?」
魔王「く……く…ふははははははは!!!」
側近「お、おいどうした」
魔王「これが笑わずにいられるか側近よ!」
- 272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:52:06.93 ID:0ReHhxnt0
魔王「我が復讐が!我が悲願が!目と鼻の先にあるのだぞ!!」
側近「へいへい……落ち着けよ。ったく…不安だ……」
魔王「安心しろ。ちゃんと、私の役目と皆の役目はわきまえている」
側近「本当だろうな?流石にこればっかりは、あんたに任せるしかないんだからな」
魔王「分かっている。失敗は、許されないのだから」
側近「……最後の仕上げだ。頼む」
魔王「ああ」
- 274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 22:58:46.73 ID:0ReHhxnt0
魔王「聞け!魔物達よ!!」
魔王「遂にこの日がやって来た!」
魔王「我等が目的はただ一つ!」
魔王「我等が願いはただ一つ!」
魔王「我等が誇りを汚した人間どもに死を!!」
魔王「そして………我等が誇りを取り戻すために!!」
魔王「行け!!!」
ウォオオオオオオオォオオオッ──!!
- 275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:03:37.70 ID:0ReHhxnt0
側近「……全面戦争の開始、か」
魔王「ああ。しかし、それもすぐ終わる。終わらせる」
側近「気をつけろよ」
魔王「任せておけ」
側近「………一緒に行ってやれなくて、すまない」
魔王「気にするな。魔物のお前を連れてはいけないからな」
- 276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:04:37.17 ID:cxPzjX44O
>>274の部分はちょっと苦しいな・・・
- 277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:08:08.03 ID:0ReHhxnt0
>>276
自分でもそう思う
??「た、たすけて!助けてください!」
兵士1「な!まだ住民が残っていたのか?!」
??「ま、魔物が来る!!早く中に!中に入れて下さい!!」
兵士1「待ってろ!今門を開けさせる!!」
兵士2「ま、待て早まるな!!本当にあれは人g」
王城─
魔王「ご苦労」
- 282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:14:59.02 ID:0ReHhxnt0
兵士29「ぐあ?!」
兵士30「ぎゃあああああ!!」
兵士31「た、たすけ」
兵士32「ひ、ひあああああああ?!!!」
魔王「………」
- 283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:18:41.12 ID:0ReHhxnt0
謁見の間─
ギィ……………
国王「……貴様が、魔王か」
魔王「ああ」
国王「随分と、好き勝手に……やってくれたものだな」
魔王「貴様等の罪に比べれば、生ぬるい」
国王「………」
- 286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:23:44.60 ID:0ReHhxnt0
魔王「さあ、国王よ。あまり貴様に時間を掛けていられないのだ。死んでもらおうか」
国王「……お前は、魔王なのだろう」
魔王「それがどうした」
国王「我が一族の力を、知らぬわけではないだろう」
魔王「………知っているとも、嫌というほどな」
- 290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:29:33.26 ID:0ReHhxnt0
魔王「魔物を封じる、奇跡の術」
国王「生涯に数体のみだがな……だが幸いこの老いぼれでも、お前一匹を封じるのならば、可能だ」
魔王「ふっ………くっ…くく」
国王「何がおかしい!!」
魔王「私に、その術は効かない」
国王「何?!」
魔王「嘘ではないぞ。試しに、やってみろ」
国王「舐め………るな!!」
- 291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:32:25.71 ID:0ReHhxnt0
国王 は 呪文 を 唱えている!
魔王「………」
魔王「………」
魔王「長かった……」
国王 は 呪文 を 解き放った!!
- 293:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:37:01.95 ID:0ReHhxnt0
国王「な……に?」
魔王「ほら、な」
国王「な、何故だ!!何故貴様は封印できない?!!」
魔王「………」
国王「呪文は完璧だったはず!それが!何故!!」
魔王「私は…」
国王「貴様は何者だ?!」
魔王「人間だ」
国王「?!!」
- 295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:41:05.35 ID:0ReHhxnt0
魔王「まあ、今となっては元人間だがな」
国王「で、でたらめを言うな!人間が魔王などと!馬鹿げたことを!!」
魔王「……貴様、私の顔に覚えはないか?」
国王「は…………」
魔王「まあ…かなり昔の話故、覚えておらぬのも無理はないだろうが」
国王「…………あ」
国王「あ、あ、」
- 299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:42:40.97 ID:0ReHhxnt0
国王「ああああああああああああああああああああ!!!!」
ザンッ──………
魔王「ああ、全く。煩い爺だった」
- 302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:46:50.21 ID:0ReHhxnt0
魔王「………ここか」
地下─
魔王「このような薄暗い場所で……」
魔王「何年も、何年も………」
魔王「………」
魔王「………え、ぐ」
- 307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:50:29.53 ID:0ReHhxnt0
魔王「だ、駄目だ。まだ、駄目だ」
魔王「……どこだ」
魔王「どこに………ある」
魔王「………」
魔王「………」
魔王「………」
魔王「あ」
魔王「あった……宝玉」
魔王「この、中に……」
- 308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:54:52.26 ID:0ReHhxnt0
……───
『………』
『あ、そっきんさん!』
『………偽姫、ちゃん』
『おかえりなさい!おとーさんは?おとーさんも、かえってきたんでしょ?』
『……ん』
『え?』
『ごめん……ごめんよ………俺は…あいつの力には……』
- 312:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/24(日) 23:59:32.89 ID:0ReHhxnt0
『あいつはあの国王の力を知っていた』
『知っていて、俺達に隠していたんだ』
『自分で、偽姫ちゃんの復讐をしたかったんだろう』
『それがこの……ザマだ』
『すまない………』
- 317:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:03:30.76 ID:LILcjzcc0
『本気か、偽姫ちゃん』
『うん』
『いっぱい、べんきょうする』
『いっぱいがんばって、つよくなる』
『おとーさんのかわりに、ばらのおせわをする』
『わたしが、おとーさんをたすける』
『わたしが………まおうになる!』
- 321:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:07:06.68 ID:LILcjzcc0
魔王「お父さん」
魔王「私はやったよ」
魔王「お父さんの代わりに、仕事も薔薇園のお世話も……復讐も」
魔王「それにね、私ね、あんまり泣かなくなったんだよ」
魔王「強くなったんだよ、私」
魔王「だから……褒めてくれるよね」
魔王「昔みたいに」
(魔王改め)魔王の娘「よしよしって、して……くれるよね!」
魔王の娘 は 宝玉 を 砕いた!!
- 327:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:10:54.88 ID:LILcjzcc0
魔王「ここは……?」
娘「…………あ」
魔王「ん…………お前は……」
娘「あ、あ」
魔王「私の娘……か?」
娘「あ………う、う……」
- 333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:13:32.11 ID:LILcjzcc0
魔王「いやしかし……何だか大きくはないか、お前。一体何が」
娘「うわあああああああん!!」
娘 は 魔王 に 抱きついた!
魔王「うお」
魔王 は 動揺している!!
- 336:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:15:26.99 ID:LILcjzcc0
魔王「どうした。これは一体何なのだ、何故お前が成長している」
娘「お、おとーさん………おとーさんだ。ほんものだ…」
魔王「ああ、父だ。だから、一体これは」
娘「封印されてる間のこと……知らないんだね」
魔王「ああ。全く分からない…………って、封印?何だそれは?」
娘「それでも………いい」
魔王「良くはないだろう」
- 341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:17:28.10 ID:LILcjzcc0
側近「おーおー、片付いたようだから見に来てやったが」
魔王「ああこら泣くな。全く…大きくなっても変わらんな、お前は(ナデナデ)」
娘「ひっく………」
側近「いやー、いいね。久々の『日常』っていうのは」
魔王「おい側近…」
側近「何だ?」
魔王「三行で……頼む」
側近「ああ?三行もいらねえよ」
- 344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:19:20.71 ID:LILcjzcc0
側近「『ハッピーエンド』。それ以外に何がある」
魔王「なるほど……?」
娘「おとーさん……」
魔王「何だ」
娘「お帰りなさい」
魔王「……ただいま」
娘「えへへー………」
【完】
- 353:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:20:25.30 ID:LILcjzcc0
長らくお付き合い下さり、ありがとうございました!
正直書くの初めてで緊張しっぱなしでした。
>>216から時代が変わっていました。
娘は頑張りました。頑張ったので強くなりました。努力です。
- 352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:20:15.50 ID:Jph+AazRO
今日も平和だ飯が美味いッ!!
- 355:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:20:34.61 ID:/hey4oDW0
>>1
おつかれさん!
- 360:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:21:11.85 ID:p/pvhj8w0
>>1乙ー!
あったかいな。ありがとう
- 365:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:21:52.70 ID:sReDIdHa0
>>1
おもしろかった、お疲れ様!
- 375:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:23:51.43 ID:M/e3WzEzO
やべえ超おもしろかった
>>1乙!!
- 380:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:25:49.40 ID:gCpCjweh0
乙面白かったぜ
- 406:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 00:41:46.01 ID:4D6f88qUO
>>1乙!!
面白かった!!
- 456:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 08:22:36.73 ID:nivcPvppO
おはようございます。1です
携帯からですが、後日談が出来たので上げていこうかと思います
需要無い?蛇足?知らんな!あとオチとかないよ!
いらない方はスルーして下さい
- 457:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 08:25:04.77 ID:nivcPvppO
魔王の部屋―
魔王「………ふああ」
娘「(スゥスゥ)」
魔王「……また、こいつは…」
娘「むにゃ……う」
魔王「こら、起きろ娘」
娘「ん…………おはよー、おとーさん」
- 459:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 08:29:38.66 ID:nivcPvppO
魔王「お前、またいつの間に入って来たのだ」
娘「お父さんが寝静まった隙に!気配は殺しました!」
魔王「全く……嫁入り前の娘がはしたない真似をするな」
娘「お父さん、私をお嫁に出したいの?」
魔王「断固拒否する」
娘「じゃあ構わないじゃない♪」
魔王(何か、違うような……)
- 460:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 08:29:41.19 ID:WxNS026oO
昨夜もいちおつしたのに朝からいちおつとは!
体壊さないようにね
- 461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 08:36:27.65 ID:nivcPvppO
>>460
ありがとう。講義中寝るから大丈夫
娘「それでね!並み居る軍隊を一人で蹴散らしたんだ!」
魔王「ほ、ほう……」
娘「凄いでしょ?私すっっっごく強くなったんだよ」
魔王「は…はは……それは、凄いな」
娘「えへへー…あ、そろそろ自主トレの時間だ。また後でね、お父さん」
魔王「お、おう………」
- 462:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 08:39:44.75 ID:nivcPvppO
魔王「おい、側近」
側近「言いたいことは分かるが、一応聞いてやる。何だ?」
魔王「あの子は………その、たくましくなったな…」
側近「そりゃ、あんたを助け出すために強くなるって努力したからな」
魔王「しかしあれは少々桁外れだろう……」
側近「元々才能あったんだろ、魔王として」
魔王「釈然とせぬな……」
- 464:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 08:44:35.25 ID:nivcPvppO
魔王「ところで、最近気付いたことがあるのだが」
側近「ん?」
魔王「何と言うか、ごく稀に魔物…特に雄の魔物達から妙な殺気を感じるような気がする」
側近「ああ、そりゃ娘ちゃんに惚れてる奴等だろ」
魔王「何?!!」
- 465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 08:49:42.79 ID:nivcPvppO
側近「ああ、心配すんな。あいつらもう、娘ちゃんに手酷く振られてるはずだから」
魔王「な、何だ驚かせるな……しかしそやつらが、何故私を敵視する?」
側近「ああ。娘ちゃん、毎回『好きなタイプはお父さん』って言って振るんだよ」
魔王「…………」
側近「ニヤニヤするんじゃねえよ、気色悪い」
- 470:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 09:14:43.71 ID:nivcPvppO
リプトンロイヤルうめえ
娘「ふう、終わった……よ」
魔王「おお、お疲れ(モグモグ)」
娘「それ………そのケーキ」
魔王「お前が先ほど残して行った物だ………が」
娘「………楽しみに」
魔王「?!ま、待て!早まるな!!今すぐ代わりの物を用意させる!」
娘「楽しみに取っておいたのにいいい!!」
- 471:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 09:17:41.23 ID:nivcPvppO
娘 の 渾身の一撃!
魔王「ぐふあ」
魔王 は あっさり 力尽きてしまった!
娘「あ…!ご、ごめんなさいお父さん!ついちょっとだけ本気出しちゃった!!」
側近「うっわあ」
娘「お父さん!お父さーん!!死んでしまうとは情けないよ!」
側近「娘ちゃんが殺ったんだろ」
- 473:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 09:22:01.13 ID:nivcPvppO
夕食―
娘「いただきます!」
魔王「頂きます」
娘「おいしいね、お父さん」
魔王「そうだな」
娘「一緒だと、もっとおいしいね」
魔王「ああ」
娘「でもやっぱり、仕事を終えた後のご飯は格別だね!おいしいね!」
魔王「………そう、だな」
- 474:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 09:26:28.34 ID:nivcPvppO
魔王の部屋―
娘「今夜は堂々と参上しました!」
魔王「仕方ないな………ほら、来い」
娘「うん!」
魔王「全く………」
娘「えへへー…お父さん大好き」
魔王「よしよし……お前は変わらんな(ナデナデ)」
娘「お父さんも昔と変わらないね」
魔王「当たり前だろう」
- 476:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 09:28:07.51 ID:nivcPvppO
娘「お父さんがいない間ね、ここで一人で寝てたんだよ」
魔王「……ああ」
娘「寂しかったよ。いっぱい泣いたんだよ」
魔王「すまない…」
娘「ぎゅってしてくれたら、許してあげる」
魔王「分かった分かった(ギュッ)」
娘「えへへ」
- 477:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 09:30:07.04 ID:nivcPvppO
娘「お休みなさい、お父さん」
魔王「お休み、娘」
娘「明日も明後日も、ずっと、ずーっと一緒だよね」
魔王「勿論だ」
【終】
- 478:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 09:33:01.23 ID:fUHww3xf0
>>1乙
良いハッピーエンドだった
結局ニート魔王は弱いのね
- 480:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 09:34:49.13 ID:nivcPvppO
>>478
一応強い方。ただ娘が桁外れ
- 481:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 09:39:55.98 ID:a8//tTnsO
>>1乙
娘の結婚式を脳内変換しとくよ
- 483:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 09:47:48.00 ID:SH8/X4gm0
おおぅ、起きたら後日談が
>>1乙であります!
- 507:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 16:34:23.56 ID:N3M5rkki0
>>1お疲れ様
すごく楽しませてもらったよ
SS書きとして尊敬するぜ
- 512:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 18:18:13.46 ID:nivcPvppO
まだ残ってるw嬉しいw皆ありがとう!
落ちる前に折角だから聞いとこうかな。次の三つなら、どれが読みたい?
参考までに頼みます。本当に書けるか分からんけどww
1
魔王破産→財産は給料未払いの魔物達に分配→魔王『納得できるか!取り戻す!』
2
十何周も倒されて、キレた魔王がゲーマー倒しに出てくる
3
勇者に殺られた魔王が転生→側近探しに→幼女………だと?
警察他に邪魔されつつ、幼女に近付こうと努力する日々
- 515:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 18:26:33.63 ID:OBkgpC4x0
>>512
全部書けばいいじゃない
- 517:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 18:29:27.46 ID:nivcPvppO
分かった。とりあえず形になるよう頑張るわ
また会えたらよろしく。
- 518:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/25(月) 18:40:12.16 ID:84UcMnPvO
帰って来たら後日談がおろろろろ
>>1本当乙!次も期待してる
続編:魔王の娘「今日も平和でご飯がおいしい」
『Fate/Zero』 Blu-ray Disc Box Ⅰ 小山力也,川澄綾子,あおきえい アニプレックス 2012-03-07 売り上げランキング : 2 Amazonで詳しく見る by AZlink |
「勇者・魔王」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (17)
-
- 2011年11月06日 13:55
- 懐かしいな
久々に読んだがやはり面白かった
-
- 2011年11月06日 14:02
- ※1あれ、ヒマッピーとこの掲示板に書かれたやつだからここで話すの御法度じゃね?
まとめようにもまとめられないし
-
- 2011年11月06日 14:28
- 名作だよな。やる夫化もされたし
※3
そうなん?知らなかった
ヒマッピーと仲良いしまとめてくれんじゃね?
-
- 2011年11月06日 15:05
- (つд`)懐かしいなぁ~これはかなり好きなSS
-
- 2011年11月06日 15:36
- 乙
偽姫どこいった?
-
- 2011年11月06日 15:51
- 昔VIPで読んだな。
あれから2年が過ぎて未だにニートですw
-
- 2011年11月06日 17:03
- 何回読んでも名作だわ
-
- 2011年11月06日 19:47
- む、どこから父魔王が娘魔王になってるんだろう?
>>216からでいいのか
-
- 2011年11月06日 23:01
- もう2年経つのか…そうか…
-
- 2011年11月07日 05:43
- 娘に戻る瞬間がたまらん。゚(ノд`)゚。
-
- 2011年11月13日 02:16
- あのまじめな男が・・・と思うと泣けてくるから過去編先に読んどくべきかもしれん
-
- 2012年01月11日 17:52
- 良作、しかし一般兵士カワイソス
-
- 2012年07月09日 11:16
- 最後何で自分から封印されたんだ?
-
- 2012年07月17日 11:06
- このシリーズ面白いよなぁ
-
- 2012年11月22日 22:42
- 剣士のやつ先に見たら魔王のキャラが…
剣士との別れはなんだったのかと
あれとは別物として考えたい
あと蛇足がもったいない
でも面白かった
-
- 2016年01月11日 16:12
- この作品定期的に読みたくなるなぁ
過去編の魔王「どうか、***」と合わせて読むと泣ける