佐天「あらゆる穴をゆるくする能力かあ」
- 2011年07月24日 01:20
- SS、とある魔術の禁書目録
- 25 コメント
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- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 14:53:09.30 ID:a/GL8Abe0
佐天「なにこの能力?」
初春「さあ?」
- 3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 14:54:38.13 ID:a/GL8Abe0
佐天「使い道に困るんだけど…」
初春「そんなの私に言われても…」
- 5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 14:56:13.75 ID:a/GL8Abe0
佐天「百歩ゆずって『あらゆる穴』ってとこまでは良いわ」
初春「いいんですか?」
佐天「『あらゆる』って響きが好きだから」
初春「そうですか」
- 7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 14:59:46.09 ID:a/GL8Abe0
佐天「でも『ゆるくする』ってなに、『ゆるくする』って」
初春「さあ?」
佐天「いくら、超能力はなんでもありだからってこれはひどいと思う」
初春「佐天さんだけの現実が『穴をゆるくする』だなんて」
- 10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:01:25.27 ID:9agig0Bk0
一方通行の能力にも穴はあるんだよな…
- 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:01:30.33 ID:a/GL8Abe0
佐天「……ねえ、初春」
初春「なんですか、佐天さん」
佐天「せっかくあたしも能力手に入れたしここは一つ…」
初春「わたしの穴は貸しませんよ?」
佐天「っち」
- 14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:03:14.23 ID:a/GL8Abe0
初春「やっぱりわたしの穴をゆるくするつもりだったんですね?」
佐天「あたし達、友達じゃん」
初春「友達でもやって良い事と悪い事があります」
- 16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:05:13.32 ID:a/GL8Abe0
佐天「穴をゆるくするのは悪い事なの?」
初春「少なくても良い事ではないでしょう」
佐天「っち」
初春「舌打ちしないでください」
佐天「っち」
初春「怒りますよ?」
佐天「っち」
- 20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:08:03.18 ID:a/GL8Abe0
初春「あ、もう怒りました。プッツンです」
初春「わたし佐天さんとはもう友達じゃないです。近寄らないでください」
佐天「初春それ本気で言ってんの?」
初春「本気です。本気と書いてマゾと読みます」
佐天「くそう」
- 23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:09:54.95 ID:a/GL8Abe0
初春「分かったらどっか行ってください。間違ってもどっかに逝かないでくださいよ?」
佐天「初春のくせに」
初春「なんですか、そのたいど」
初春「これ以上プッツンさせるつもりですか?」
- 27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:12:10.46 ID:PjIOW7E+O
性的な意味じゃなくても尻穴ゆるくされたらだだ漏れだしな……
- 28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:12:46.20 ID:a/GL8Abe0
佐天「ふーんだ、友達じゃない初春なんて、いくらプッツンさせてもいいんだもん」
初春「なんですか、その理屈は」
初春「人に迷惑かけるのなら、ジャッジメントとして拘束しますよ?」
- 30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:14:41.71 ID:a/GL8Abe0
佐天「あ、あたしを捕まえる気なんだ」
初春「必要とあれば、いくら佐天さんでも」
佐天「ふ~ん、なら仕方ないわね」
初春「え?」
- 31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:16:28.56 ID:a/GL8Abe0
佐天「初春にそういう態度をとられちゃあ仕方ない」
佐天「あたしもあたしを守るために戦わざるを得ないわね」
初春「え?ええ?」
佐天「逝くよ!初春!」
初春「さ、佐天さん!字が!」
佐天「問答無用!え~~~い!!!」
- 32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:18:34.08 ID:a/GL8Abe0
初春「きゃああああああああああああああああ!?」プシャー
佐天「ふっ、またつまらぬものを逝かせてしまった」フキフキ
初春「ひ、ひどいですよう佐天さん」バタッ
- 33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:21:10.77 ID:a/GL8Abe0
佐天「ははははははは、この能力に目覚めてしまったあたしに敵うやつなんざいないのよ!」
初春「佐天さん、なにげに気に入ってるんじゃないですか、その能力」
佐天「!」
佐天「初春、まだ息があったのね?」
- 35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:24:27.08 ID:a/GL8Abe0
初春「そりゃおもらししただけで、別に怪我したワケじゃないですから」ムクリ
佐天「くっ!?」
初春「にしても危険な能力ですね」ポタポタ
初春「安易に能力を使わさせないためにも、ここはお仕置きが必要です」ボタボタ
佐天「くそう」
- 38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:34:04.01 ID:a/GL8Abe0
佐天「こうなったら…」
ここで佐天は思わぬ行動に出る。
まず手始めに先程と同様、初春の膀胱、および尿道をゆるくした。
ちなみに佐天はこの時はまだ気付いていないが、この能力、実はただ穴をゆるくする
能力ではなく、穴があいていれば例えホースのような長い管状のものでも金属などの
硬いものでも、関係なくゆるくさせる事が出来るのだ。
これは非常に戦略を考えるにおいて大きいと言える。
なにせ、穴さえあいていればゆるく出来るのだから。
さて、佐天が膀胱と尿道をゆるくした瞬間、初春の動きが若干鈍った。
そのわずかな動作の遅れを今の佐天は見逃さない。
ほんの数瞬、佐天は自分のたくらみが成功したと確信し、すぐに次の行動
に出た。
- 39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:37:24.21 ID:a/GL8Abe0
佐天「ここよ!」
間髪いれずに佐天がとった行動、それは……。
初春「きゃ、きゃああああああああああああ!?」
人間を一個の穴の開いた器としてとらえ、ゆるくしたのだった。
すなわち……初春自身をゆるくしたのだ。
- 40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:38:00.02 ID:k2KyoDjG0
えっ
- 42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:38:47.60 ID:a/GL8Abe0
初春「こんな、バカな…」
初春にはなにがなんだか分からない。
ただ、自身がゆるくなったとしか認識できていない。
佐天「ごめんね、初春。あんたにはあたしを捕まえられない」
- 43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:39:16.97 ID:zH3vrAdy0
え…ゆるく…何?
- 46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:43:06.97 ID:a/GL8Abe0
佐天が放った台詞に他意はない。
なぜなら佐天自身がそう感じているからだ。
あたしはだれにも捕まらない……と。
確かに先程の佐天の能力を見れば多くの人が納得するだろう。
いくら口から肛門まで一本通った穴があるからといって、まさか人体そのもの
をゆるくするなんて。
- 47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:45:37.26 ID:c2M8CCvi0
何が起こったんだ・・・
- 50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:46:45.99 ID:8Thcs3NJ0
誰か図解して
- 52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:47:46.10 ID:a/GL8Abe0
佐天「じゃあ、あたし逝くよ」
そうかつての友に言い残し、佐天は一人陽炎の中に消えていった。
初春「あ、あうぅ、あぁ」
そんな佐天の後ろ姿を見ながら、初春の意識は薄れ、まどろんでいく。
自分じゃ、友達を止められない。
そんな悲しみと苦しみを抱きながら。
- 53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:49:02.96 ID:Q7EKi9MK0
- ,ー、───、
(○ ) ) < 佐天さん!
`ー'───'
- 55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:50:12.60 ID:a/GL8Abe0
初春「はっ!?」
初春「知らない……天井」
- 56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:51:33.66 ID:a/GL8Abe0
美琴「あっ、初春さん。目が覚めた?」
初春「ココは…」
黒子「病院ですの」
初春「白井さん…」
- 58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:53:47.65 ID:1maUkLub0
まさに人間オナホ
- 61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:55:04.15 ID:a/GL8Abe0
初春「そうですか……って!」
初春「佐天さんは!?」ガバッ
美琴「あっ動いちゃ!」
初春「へ?」グニャン
初春「あ、あぁ、あぁぁぁぁぁ」
黒子「だめですわ、初春。あなたゆるくなってるんですから。急に起き上がっちゃあ」
- 64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:57:08.62 ID:a/GL8Abe0
初春「夢じゃ……なかったんですね」
黒子「…」
美琴「……ええ」
- 66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 15:59:34.05 ID:a/GL8Abe0
美琴「一応、あたしの電気で初春さんの身体の電気信号にアクセスして
元には戻そうとしたんだけど」
黒子「想像以上にゆるくなりすぎていて、まだ頭の部分までしか固定出来ていませんの」
初春「そうだったんですか」
- 68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:01:30.96 ID:a/GL8Abe0
美琴「で、でも心配しないで!ここのゲコ太に似たお医者さんは凄腕らしいから
きっと治るよ!」
初春「……」
黒子「……初春、こんな状態になったあなたに聞くのも酷だとは思いますが」
黒子「いったい何があったんですの?」
- 69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:07:54.56 ID:a/GL8Abe0
初春「それは……」
初春は言葉に詰まった。
どう説明すればいいのか分からなかったからだ。
「友達が能力に目覚めて、ゆるくさせられてしまった」と一言で片づけられそうな
ものだが、いくらゆるくさせられてしまったとはいえ、友達をこんなにもあっさり
売っていいのか?
初春の良心がさい悩む。
- 70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:10:04.89 ID:a/GL8Abe0
初春「わたし、わたし……」
黒子「つらいかもしれませんが、初春。わたくしたちはジャッジメントですの」
黒子「学園都市の平穏を脅かすものは排除しなければいけません」
黒子「あなたも分かっているでしょう?」
初春「……」
- 71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:14:28.15 ID:a/GL8Abe0
黒子が何気なく放った「排除」という単語。
それが初春に重くのしかかる。
初春(佐天さんが……排除される?)
初春(あんなにいっぱい苦労して、あんなにいっぱい落ち込んで、あんなにいっぱい
泣き崩れていた佐天さんが……やっとの思いで穴をゆるくするという能力を
手に入れた佐天さんが、排除される?)
初春の脳裏に過去の佐天との記憶が甦る。
- 72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:15:57.87 ID:a/GL8Abe0
初春(佐天さん佐天さん佐天さん!)
初春の頭は佐天の事でいっぱいだ。
黒子「……」
美琴「ねえ、黒子」
黒子「分かってますわ、お姉さま」
- 73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:18:18.79 ID:a/GL8Abe0
黒子「初春、わたくしたちは一旦支部に戻ります」
美琴「またお見舞い来るからね」
初春(佐天さん佐天さん佐天さん…)
美琴「聞こえてないわね」
黒子「ですの」
美琴「やれやれ」
- 74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:20:33.74 ID:a/GL8Abe0
~~~支部~~~
黒子「さて、初春のあの表情からも分かったように」
美琴「犯人は佐天さんね?」
黒子「ええ、そもそも初春の親友の佐天さんがお見舞いに来ていない事からも
おかしいとは思っていましたが」
美琴「初春さんの様子みちゃったら、やっぱそうなのよね」
- 75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:22:21.42 ID:a/GL8Abe0
美琴「まさか、この間までレベル0だった佐天さんがねえ」
黒子「人はなにか大きな力を手にした時、それを使ってみたいと思うものですから
仕方ないと言えば仕方ないですけど」
美琴「でもあれはやりすぎよ」
黒子「ええ、わたくしもそう思います」
- 76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:24:56.87 ID:a/GL8Abe0
美琴「で、どうするの?」
黒子「言わずもがなですわ、お姉さま」
美琴「じゃあやっぱり…」
黒子「はい。佐天さんには、捕まえてお説教してさしあげる必要がありますの」
- 77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:27:01.10 ID:a/GL8Abe0
美琴「そうね」
黒子「お姉さまはどうするおつもりですか?」
美琴「そんなの決まってんじゃん」
美琴「もし佐天さんが間違った道進もうとしたら、連れ戻してあげるってのが、本当の友達よ」
美琴「たとえそれが、力づくでもね」
黒子「ですね」
- 79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:31:38.90 ID:a/GL8Abe0
黒子「そうと決まれば!」
美琴「行くわよ!決選のバトルフィールド!!!」
- 82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:35:57.28 ID:a/GL8Abe0
そこには、一人の少女が佇んでいた。
足元に転がるのは、無数の人の形に似たナニか。
否。
無数の人の形を保てない、人、だった。
「ふふっ」
少女は笑う。まるで愛玩物を愛でている小さな女の子のような表情で。
「うふふふ」
少女は笑う。まるでこの世界が自分を中心に回っているとでも言いたげな表情で。
「うふふふふふふふふふ」
少女は笑う。新しいおもちゃが二つ、自分の目の前に現れた事に対して。
- 84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:42:11.39 ID:a/GL8Abe0
美琴「佐天……さん」
黒子「随分、変わられましたね」
呟きながら、二人はすぐに臨戦態勢を取った。
目の前にいる少女は、確かに自分達の友人の佐天涙子に違いない。
……だが。
だが、この威圧感はなんだ?
美琴はこれまで数々の強敵を目の当たりにしてきたが、ここまで強いプレッシャー
を放った敵と相対するのは初めての経験だった。
当然……
黒子「ううぅ」
白井黒子も例外ではない。
いくら日常的にジャッジメントとして危険と隣合わせの生活を送っているとしても
それはあくまで、普通の風紀委員の仕事としての範疇に収まる相手だ。
こんな化物を相手にしているわけではない。
- 85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:44:59.12 ID:a/GL8Abe0
黒子「うぅ、うぅぅぅぅぅぅぅ」
美琴「黒子!しっかりしなさい!」
黒子「わ、分かってますの!」
美琴の激が黒子に飛ぶ。
- 86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:47:27.65 ID:a/GL8Abe0
佐天「ふうん、御坂さんに白井さんじゃないですか」
その激に反応するかのように、佐天が口を開く。
佐天「どうしたんですか?」ボゥッ
美琴「くぅっ!?」
黒子「あぁぁぁぁぁぁぁ」
美琴「な、なんてプレッシャー?」
黒子「こっちをにらんだだけで、砂埃が舞い上がるなんて…」
- 87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:50:49.61 ID:a/GL8Abe0
美琴と黒子は気付かない。
佐天にそこまでのプレッシャーなど無いという事に。
気合で砂煙を巻き上げる芸当なんて出来ないという事に。
佐天「ねえ、どうしたんですかって、聞いてるんですよ?」
この時の二人は気付かない。
美琴「っち」
黒子「あ、ああああ、あなたを捕まえに来ましたの!」
すでに佐天の手の中に自分達が誘いこまれているという事に。
佐天「捕まえる?あたしを?」
- 88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:52:27.44 ID:a/GL8Abe0
黒子「ええ、初春の敵!とらせていただきますの!」
佐天「ふうん、そうなんだ」
美琴「……」
- 89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:56:13.53 ID:a/GL8Abe0
佐天「じゃあ、仕方ないよね」
美琴「……」グッ
佐天「壊しちゃっても!!!」グアッ
美琴「黒子!逃げて!!!」
黒子「へ?」
- 91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 16:59:41.08 ID:a/GL8Abe0
美琴が叫び終える暇もなく、白井黒子はゆるくなっていた。
黒子「あ、あぁぁぁ、ああああぁぁぁ」
黒子は驚きのあまり言葉も出ない。
まあ、声を出そうにしても、口も喉もゆるくなっているので出せるものでも
ないのだが。
美琴「黒子!!!」
美琴が、きっと佐天をにらみ返す。
美琴(こいつ、今、何をしたの?)
- 93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:03:56.78 ID:a/GL8Abe0
美坂は疑問に感じていた。
黒子がこんなに早くやられるとは想像していなかったからだ。
いくら相手の能力が未知数でも、瞬間移動能力を持つ黒子ならば、不意を突かれでも
しない限り攻撃をよけれると思っていたのに、こうもあっさりやられてしまうものなのか?と。
美琴(攻撃に何のモーションもなかった)
美琴(なんなの、この能力!?)
- 95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:08:06.39 ID:a/GL8Abe0
佐天「な~んだ、レベル4って言っても大した事ないですね」
佐天は意に介さない。
佐天「レベル5の御坂さんはもうちょっと、強いですよね?」
美琴「っく!?」ダン
美琴は戦慄からか、距離を取る。
結果、これが功を制す。
佐天「えい☆」
美琴「なっ!?」
グニャンと、地面が音を立ててゆるくなった。
- 96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:09:08.74 ID:a/GL8Abe0
佐天「あっ、失敗しちった」
美琴「ゆ、ゆるくなった!?地面が!?」
佐天「あ~あ、かわされちゃった」
- 98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:14:58.17 ID:a/GL8Abe0
そう、美琴と黒子が先程まで立っていた箇所、それは佐天によって穴を
掘られていた個所だったのだ。
穴さえあれば、ゆるくできる。
初春の戦闘でそれを理解した佐天は応用した。
つまり、穴がなければ、作ればいいじゃん!とう発想で。
結果、見事にこれは白井黒子を封殺するのに一役買う。
地面に穴を掘っておき、そのゆるさを自身でコントロールする事によって、
白井黒子の座標軸の転換にわずかなブレを造り出し、瞬間移動する暇も与えずに
彼女をゆるくしたのだ。
さきほど、砂埃を舞い上げたのは二人が穴の上に立っているのを確認する為の
所作である。
- 99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:18:14.47 ID:a/GL8Abe0
美琴「これが、あなたの能力!」
対象をゆるくする能力だとは分かっていた美琴だが、これには驚きを隠せない。
地面までゆるくできるとは想像だにしていなかったからだ。
美琴「地面までゆるくするなんて、お構いなしね!」
佐天「そんなに褒めないでくださいよう、照れるじゃないですか」
- 101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:22:40.74 ID:c2M8CCvi0
強すぎだろ
- 102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:22:40.95 ID:a/GL8Abe0
だが、この時の美琴はまだ気付かない。
佐天が対象に触れる事によって、はじめてゆるく出来るという事実に。
佐天の能力は確かに強大だが、大きな能力ゆえに、制約もまた存在するという事に。
美琴(どうしよう?ノーモーションでゆるく出来るなんて、効果範囲は?どこまで?半径なんメートル?)
佐天「どうしたんですか、御坂さん!?そんなに離れてないで、近くでお喋りしましょうよぅ」
- 103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:24:51.36 ID:a/GL8Abe0
美琴「いやよ!ゆるくされるなんて死んでも御免だわ!」
佐天「まさか~、ゆるくなるってのも、意外といいもんですよ?」
美琴「冗談は、休み休み言ってよ!」ブアッ
美琴によって作りだされた砂鉄の槍が、佐天めがけて飛来する。
- 105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:26:38.23 ID:TjjAwOlP0
穴をゆるくするってことは若干広げることだろ?
↓
ああ、人間として欠陥があるという意味で穴が開いたとして~でういはるが
↓
地面をゆるくって泥みたいなってことかなと思ったけど穴をゆるくするんだよな?
だれかわかりやすく説明してくれ
- 106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:29:39.96 ID:a/GL8Abe0
佐天「効きませんよ、こんなの」
グニャンと、佐天の身体に当たったと思われた瞬間、砂鉄の槍は無残にも霧散する。
美琴「そ、そんな?」
次に美琴は電撃を放つ。
普通の闘いでは決して使わないであろうレベルの電撃を。
しかし、
佐天「だから無駄ですって」
やはり電撃も砂鉄同様、霧散して消えてしまう。
- 108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:30:56.48 ID:a/GL8Abe0
佐天「分かってないみたいですね、御坂さん」
佐天「あたしの能力は穴さえあれば、どんなものでもゆるく出来るんですよ?」
佐天「こんな穴だらけの武器なんか、あたしには効きません」
- 112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:37:57.78 ID:a/GL8Abe0
美琴「あ、穴をゆるく?」
佐天「そーですよぅ!こんな風に、ね☆」
佐天は先程まで佇んでいたビルに手をついた。
美琴「ま、まさか!?」
佐天「そのまさかですよ、御坂さん」
ビルは、音を立てて、ゆるくなった。
- 113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:39:48.18 ID:a/GL8Abe0
美琴「そんな、こんなのって?」
20階はありそうなビルがゆるくなりながら、御坂めがけて降ってくる。
美琴「くぅ!?」
美琴は砂鉄と電撃をビルに放つ。
- 120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:43:47.27 ID:a/GL8Abe0
だが……
ゆるくなったビルに多少のダメージは与えたものの、完全には破壊しきれない。
美琴「なんなのよ、もう!」
美琴は、対象を破壊しきるのはムリだと悟り、その場を離れる。
- 121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:46:12.00 ID:a/GL8Abe0
佐天「あれ~良いんですか。御坂さん?友達をほったらかしにして」
美琴「!?」
美琴はハッと自分がさっきまでいた位置に目をやる。
そこには、ゆるくなっている白井黒子が横たわっている。
美琴「黒子ぉぉぉおぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!」
美琴は叫んだ。
- 123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:48:42.80 ID:FyNjN2800
え、なに、原子の結合力をゆるめてるってこと?
- 124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:49:18.21 ID:a/GL8Abe0
佐天「えいっ☆」
ゆるくなったビルは一転、美琴から黒子へとターゲットを変える。
美琴「あぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!!!」
懸命に、人類のスピードを能力によってはるかに超えるであろうスピードで
美琴は黒子に駆け寄った。
美琴「あたしのスピード!なめんじゃないわよ!!!!」
これがいけなかった。
- 127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:54:43.05 ID:a/GL8Abe0
佐天「かかりましたね、御坂さん!!!」
美琴はギョッとする。
なぜなら、そこには。
そこには、今まで見た事もないくらい大きな性器が、口を開けて待ち構えていたからだ。
美琴「な、ナニこれ?なんなのいったい!?」
佐天「見て分かりませんか?マ○コですよ、あたしの」
佐天「ゆるくなってますけど」
美琴「きゃああああああああああああああああああ!?」
- 128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:55:39.30 ID:hEZR/RHc0
まさかの超展開
- 129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:56:13.87 ID:a/GL8Abe0
佐天のユルマンは、まるで自分の意志でも持っているかのように、美琴と黒子
を飲み込んだ。
佐天「ふふふふふふ、あっけなかったですね、レベル5も」
佐天はうれしそうにほくそ笑む。
実験の成果は上々だ。
- 130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 17:59:30.83 ID:a/GL8Abe0
美琴は気付くべきだったのだ。
佐天がビルをゆるくした時、少なくとも気付ける要素は揃っていた。
佐天はビルをゆるくするのに手をついていた。
つまり、美琴が最初に危惧したとおりモーションは存在したのである。
にも関わらず、黒子をゆるくした時にそのモーションは確認されていなかった。
この点にあのとき気付いていれば、少なくとも今のような結果にはならなかっただろう。
- 135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 18:03:49.95 ID:a/GL8Abe0
ふたを開けてみれば単純なもので、佐天は自分の性器を極限までゆるくしていた。
ただそれだけである。
ちなみに性器は佐天から切り離されてはいない。
あくまで繋がっている。
美琴と黒子が気付かなかったのは地面の下に佐天が隠していただけだ。
そもそも、佐天が戦闘の最中において、まったく立ち上がらずに
佇んでいる状態のままというのにも、二人はもっと気を配るべきだった。
- 136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 18:07:10.12 ID:a/GL8Abe0
とにもかくにも。
今となっては、もう遅い。
佐天「さーてと、どうなったかな?」
ゆるくなった性器からグポォという卑猥な音をかきたてて二人を吐きだす。
美琴「」
黒子「」
二人は、佐天の足元に転がっていた他の人間ともなんともつかないモノと
大差ない『モノ』になっていた。
- 138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 18:12:04.83 ID:a/GL8Abe0
佐天「本当は白井さんといっしょに美琴さんもやろうと思えばやれたんですけど」
佐天「レベル5がどんなもんか気になってたんで戦いましたが、こんなもんなんですね」
美琴「」
美琴は口をきけない。ゆるくなっているから当然だ。
佐天「さて、と」
佐天は自分の性器のゆるさを元に戻しながら呟く。
- 140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 18:14:27.22 ID:a/GL8Abe0
佐天「次は、ナニしようかなあ?」
佐天「あらゆる穴をゆるくする能力かあ」 完
- 141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 18:16:55.12 ID:a/GL8Abe0
終わりです
支援してくれた人ありがとう
おかげで猿にならずに完結で来ました
- 143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 18:19:30.25 ID:3iupY/7S0
良作だった。乙
- 144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 18:19:34.92 ID:TjjAwOlP0
まさか完結するとはおもわなんだ
おつ
- 145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 18:22:13.59 ID:EFERMPej0
いい感じのぶっ壊れで面白かった、乙乙
- 150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/23(土) 18:40:00.33 ID:CO6A/F8WO
乙
コメント一覧 (25)
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- 2011年07月24日 07:06
- 日本語が所々変なんだよ
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- 2011年07月24日 08:30
- おまむこゆるゆるにするキチ系エロSSだと思ったら……
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- 2011年07月24日 10:13
- 変な名前欄が言葉遣いに触れるって面白いな
どうでもいいけどfinをフィンって読んでそうな名前欄だ
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- 2011年07月24日 12:45
- >>3
え?違うのかよ?!
フィンじゃないなら何って読むんだよ?!
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- 2011年07月24日 12:57
- 途中意味が分からなかった
あと普通に地面掘らなくても緩く出来るんじゃない?
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- 2011年07月24日 12:59
- ファンでしょ
よくフィナーレやファイナルとかの略みたいな感じに思われがちだけどfinはフランス語
意味としては英語のendと同じ
だからthe endはフランス語でla finとなる
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- 2011年07月24日 14:05
- ※5
確かに地面って小さい穴いっぱい開いてるもんな
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- 2011年07月24日 18:06
- ゆるゆりの展開を期待した負け組参上
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- 2011年07月24日 22:17
- いったい何なんだww
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- 2011年07月25日 13:18
- ガバ春さん初マンなんですか?
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- 2011年07月26日 09:14
- 構造を緩くするって事か?
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- 2011年10月03日 22:48
- SSの佐天さんどれも強すぎ!!
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- 2012年02月04日 22:27
- 穴に対する認識だろ
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- 2012年02月19日 23:55
- 本気とかいてマゾっておい
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- 2012年07月03日 10:27
- 全身の毛穴をガバガバにして相手を瞬殺出来ますね
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- 2013年03月17日 14:43
- 戻せるなら便利だな
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- 2013年06月06日 01:31
- 毛穴ガバガバにして「角栓があああああああ!!」となる話だと思ったら違った
起訴(そしょう)
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- 2013年07月25日 18:08
- くそ…くそ…!
序盤で、折角好みのエロかと期待したのに…!
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- 2013年11月24日 14:02
- 見事な基地外度合いだったおwwwwwwwwwwww
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- 2015年02月24日 23:20
- 人間が裏返るSF思い出した…懐かしい
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- 2016年07月06日 15:23
- ゆるくなったら呼吸できなさそうだけど
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- 2016年12月17日 03:04
- 普通にエロキチssかと思ったら…なにこれ?
タイトル見た瞬間に目玉とかも落とせるだろうし危険だと思ったらそれ以上だったw
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- 2018年02月06日 14:49
- 本気と書いてマゾで笑った
そしてその後の流れは真顔で読み進めた
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- 2018年06月04日 20:17
- 強い…な
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- 2024年11月01日 16:39
- このSS未だにたまに思い出すんだけど、どんな能力でも出力に制限がなかったら最強になっちゃうんだよな