シェリル「八百屋さん、今日のお買い得は何?」 ランカ「ニラッ☆」
- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 14:27:48.39 ID:iWmWeavL0
~ランカ青果 朝10時~
ランカ「ん~っ!今日も良い天気だね、お兄ちゃん!」
ブレラ「あぁ」
ランカ「よーし、今日も頑張ってお野菜売るぞぉ~」
OPテーマ:青果ん飛行
大根が安い お客さんが取り合う
触れ合った爪先の 跡が付いちゃう
見切り品漁る お得な品物は
一瞬に嗅ぎつける あなたが好きよ
透明な真珠のように 真っ白なえのき(エノキ♪)
しめじだってお買い得 あなたに売りたい
ニラッ!☆
発注を間違って 売上げ急降下 oh oh
けし粒の利益でも 私たち瞬いてる
ゴミ箱に見切り 雪崩れてく
ゴミ箱に見切り 雪崩れてく
ランカ「というわけで、開店!」
- 4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 14:32:49.79 ID:g7sYGkYzO
イラッ☆
- 6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 14:35:36.98 ID:iWmWeavL0
ランカ「さて、お客さんはいるかな~」
ブレラ「・・・・・」 ガラガラ
シェリル「おはよぉ~」フリフリ
アルト「おっす」
ランカ「あっ、シェリルさんにアルトくん!開店するの待っててくれたの?」
シェリル「今日は午前中が暇だからお話でもしよう、ってね」
ブレラ「いらっしゃいませー」
アルト「(相変わらず無愛想な奴だなブレラ・・・)」
ブレラ「何をお求めですか」
アルト「えっと・・・。きゅうりと、みょうがと・・・」
ブレラ「きゅうりとみょうが・・・」 ガサガサ(袋に入れてる)
アルト「あと・・・、おっ、じゅんさいがあるじゃん。珍しい、それ2つ」
ブレラ「じゅんさい・・・」 ガサガサ
シェリル「ねぇ、『じゅんさい』って何?」
ランカ「う~ん、口で説明するのは・・・。食べてみます?」
- 15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 14:43:31.83 ID:iWmWeavL0
シェリル「食べる、食べる♪」
ランカ「じゃあ、ちょっと待っててくださいね~。酢抜きしますから」
アルト「おい、あんまり御馳走になるなよ。恥ずかしい・・・」
シェリル「うるさいわね、アルトのくせに!これは好意よ。こ・う・い!」
~しばらくして~
ランカ「出来ました~♪醤油で味付け!」 [じゅんさい+醤油]
シェリル「(えっ・・・?これ食べるの・・・?なんかグロい)」
シェリル「ど、どうやって食べるのこれ・・・?」
ランカ「・・・? そのまま、チュルチュルって」
シェリル「チュルチュル・・・」 ドキドキ
シェリル「・・・・・」チュルッ
シェリル「・・・・・」コリコリ
ランカ「・・・どうですか?」
シェリル「うん、美味しい!なんだぁ、美味しいじゃない♪」
ランカ「良かったぁ~、口に合って」
- 21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 14:51:55.46 ID:iWmWeavL0
シェリル「これ全部食べていいの?」 [じゅんさい]
ランカ「えぇ、どうぞ~」
シェリル「ありがと。ランカちゃん良いこ良いこ」ナデナデ
ランカ「えへへ~♪」
アルト「(ったく・・・、シェリルばっかりズルいよな)」
アルト「(珍しい物見れば『ナニコレナニコレ?』って、はしゃぎ過ぎなんだよ・・・。はしゃげば貰えると思って・・・)」
シェリル「♪」チュルチュル
アルト「(ちくしょう・・・、美味そうに喰いやがって・・・)」
アルト「(俺だってじゅんさい喰いたいのに・・・)」
アルト「(ランカもランカだろ・・・。『アルトくんも食べる?』って言えよ)」
アルト「(以前のランカは言ってくれたのに・・・)」
ブレラ「アルト・・・、お前も喰うか?」
アルト「えっ!?(ブレラ、俺のためにじゅんさい用意してくれたのか・・・?)」
ブレラ「ほら、黒くなったバナナだ。見切りにしても売れないから喰え」 [黒くなったバナナ]スッ
アルト「・・・お気遣い、ありがとよ」
- 22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 14:58:29.45 ID:iWmWeavL0
ブレラ「・・・ん?」
客のおばちゃんA「くださいな~」
客のおばちゃんB「今日は何が安い?」
ブレラ「いらっしゃいませー」
ランカ「いらっしゃいませ!今日はニラが安いですよ!」
客のおばちゃんC「ニラねぇ・・・」
ランカ「ニラは冷凍も出来ますよぉ~、いかがですか?」
アルト「客が増えてきたな。一応、客が少ない時間だと思ったが」
シェリル「ほうねぇ・・・」チュルチュル
アルト「シェリル・・・。ちょっとくれないか・・・?じゅんさい」
シェリル「・・・ごくん。あっ、ごめん食べちゃった」
アルト「くぅ・・・。 おいっ!ブレラ、お会計!」
ブレラ「毎度あり」
ランカ「あっ、2人とも、またね!バイバイ!」
シェリル「えぇ、また来るわね」
- 23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 15:04:04.34 ID:iWmWeavL0
~お昼過ぎ~
ランカ「ふぅ・・・。なんとか第一波は終わったね!」
ブレラ「少しの間、暇になるな・・・」
ランカ「じゃあ、今のうちに魚屋さんと肉屋さんに挨拶に行こうかなぁ・・・」
ブレラ「あぁ」
ランカ「今日の夕食も買ってくるね」
ブレラ「わかった」
ランカ「お兄ちゃん、解ってるよね?お客さんが来なくても『いらっしゃいませ』は言わなきゃ駄目だよ?」
ブレラ「わかってる」
ランカ「じゃあ、行ってくるね。・・・ちゃんとニコニコしてね?」
ブレラ「わかってるって」
ランカ「いってきまーす」タッタッタ
ブレラ「・・・・・」
ブレラ「いらっしゃいませー」
ブレラ「・・・・・」
- 24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 15:14:08.41 ID:iWmWeavL0
ブレラ「いらっしゃいませー」
キャシー「こんにちは」
ブレラ「キャサリンか・・・」
キャシー「相変わらず無愛想ねぇ」
ブレラ「何をお求めですか?」
キャシー「枝豆ある?」
ブレラ「こちらにあります」 [枝豆](一袋298円) ※金に関しては良くわからかったので、めんどいから円で
キャシー「(高っ!絶対一袋じゃ足りないのに298円とか・・・)」
ブレラ「・・・袋に入れるか?」
キャシー「ちょ、ちょっと待って!やっぱり長芋にするわ。いくら?」
ブレラ「一本298円だ」
キャシー「(それなら・・・)じゃあ、長芋一本と、とんぶり2袋」
ブレラ「毎度あり」
キャシー「そういえば、オズマから伝言があるわよ?いつものヤツだって」
ブレラ「・・・わかった」
- 25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 15:16:24.14 ID:jIqWg4daO
ランカの中の人をダイコンとかいうのはやめろ
- 26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 15:21:41.22 ID:iWmWeavL0
~今日の夕食の時間~
ランカ「今日もお疲れ様!」
ブレラ「いただきます」 モグモグ
ランカ「今日もお客さんいっぱい来たね!」
ブレラ「そうだな・・・」
ランカ「えへへ・・・、物を売るのって楽しいねぇ」ニコニコ
ブレラ「・・・・・」モグモグ
~20分後~
ブレラ「ごちそうさま」
ランカ「あっ、待って。最後に茹でた枝豆があるから」
ランカ「今日の売れ残りだけどね~」
ブレラ「悪いが、オズマに誘われてる。もう行かなければならない」
ランカ「お義兄ちゃんに・・・?あっ!もしかして、またお酒の付き合い・・・?」
ブレラ「まぁ、そんなところだ」
ランカ「もう、しょうがないなぁ・・・。それなら枝豆持って行って。タッパーに入れるから」
- 28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 15:30:14.44 ID:iWmWeavL0
~しばらくして~
ランカ「ふぅ・・・」
ランカ「(お兄ちゃんも出かけちゃったし、TVでも見ようかなぁ・・・)」
ぴんぽ~ん(インターホンの音)
ランカ「んん?お兄ちゃん、忘れ物でもしたのかなぁ・・・?」
ランカ「はーい!今出ま~す」タッタッタ
ガチャ
ランカ「どなたぁ・・・?」ソロ~
キャシー「こんばんは」
ランカ「あっ、キャシーさん。どうかしたんですか?」
キャシー「ふふっ、『ランカ青果』もうすぐ1周年記念でしょ?」
キャシー「早いけど、そのお祝い!ワイン持ってきたから一緒に飲みましょう?」
ランカ「は、はぁ・・・。でも他にも理由があるんじゃ・・・?」
キャシー「あっ、わかっちゃった・・・?」
キャシー「実は2人のシスコン話を聞くのが辛くて出てきちゃったのよ・・・・」
- 32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 15:39:48.09 ID:iWmWeavL0
~リビング~
キャシー「それでねぇ、オズマったら・・・」
ランカ「は、はぁ・・・」
キャシー「(おっと・・・気づいたら私ばっかり喋ってる・・・)」
ランカ「あはは、キャシーさんも大変ですねぇ・・・」
キャシー「は、話を変えましょう!」
キャシー「そういえば最近どう?八百屋さん始めて・・・」
ランカ「はいっ!凄く楽しいです!」
ランカ「知らない野菜とか果物って、実はいっぱいあって・・・」
ランカ「お兄ちゃんと一緒に調べたり、試しに注文してみたりして・・・毎日楽しいです」
キャシー「うふふ、それは良かったわ」
キャシー「あなたが地位も財産も捨てて八百屋を始めるって言った時は、気でも狂ったのかと思ったけど」
ランカ「『物を売る』って言うのをやってみたかったんですよ。誰かと一緒に・・・」
キャシー「・・・頑張ってね。私もオズマも、応援してるから」
ランカ「ありがとうございます。頑張りますねっ!」 ピョン
- 33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 15:50:08.14 ID:iWmWeavL0
~次の日 朝~
ランカ「よーし、今日も開店!・・・したけど・・・」
ブレラ「・・・・」
ランカ「お客さん来ないねぇ・・・?」
ブレラ「そうだな・・・」
し~ん
ランカ「(ま、いっかぁ。こういう日がたまにあっても)」
~しばらくして~
ランカ「・・・暇だねぇ・・・」ダラー
ブレラ「いらっしゃいませー」
ランカ「えっ!?お客さん!?」
ブレラ「いや、来たわけではない・・・」
ランカ「なんで急に来なくなっちゃったんだろ?今日雨降るわけじゃないのに」
ブレラ「・・・・」
- 34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 16:00:09.14 ID:iWmWeavL0
クラン「おーい!ランカとブレラ、いるかー?」
ランカ「あっ!ミシェルくんにクランさん」 ピョン
ミシェル「やぁ。・・・・元気?」
ランカ「うん、元気だよ!今日は何をお求め?」
クラン「・・・・・」
ランカ「んん・・・?どうしたの・・・?」
ミシェル「その様子だと、知らないみたいだな・・・」
ランカ「・・・・?何の話?」
クラン「このチラシ・・・、お前の家には入ってなかったのか?」 [チラシ]スッ
ランカ「これって・・・、近くのスーパーの・・・」
ミシェル「そのチラシの、青果、鮮魚、精肉のところを見て欲しい」
ランカ「えっとぉ・・・。えっ!?凄く安い!! しかも品目も多い・・・」
クラン「・・・今日からの特売だそうだ。しかも1か月続けると書いてある」
ミシェル「明らかに潰しに来てるな・・・。これは・・・」
ランカ「そ、そんなぁ・・・・」
- 35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 16:12:07.51 ID:iWmWeavL0
ランカ「こ、このチラシ、今日の朝入ってたの?」
ミシェル「あぁ、今日の朝、そして今日からだ」
クラン「奇襲をかけられたな」
ランカ「で、でもっ!1か月だよね・・・?1か月耐えれば大丈夫だよね・・・?」
ブレラ「・・・・・」
ミシェル「厳しいことを言うようだが・・・、そうはいかないと思う」
ランカ「えっ・・・?」
クラン「ハッキリ言って、スーパーは便利だ。何でも揃うし、面倒がない」
ミシェル「1か月もその便利に触れてしまったら、わざわざ八百屋なんか来なくなってしまう」
クラン「多少安かったり、サービスが良い、ってくらいじゃ・・・」
ランカ「う・・・・うぅ・・・ぐすっ・・・・」ポロポロ
クラン「す、すまない!泣かそうとかそんなつもりじゃ・・・」
ブレラ「・・・・・」スッ
ミシェル「・・・?どこに行くんだ?お前?」
ブレラ「・・・偵察に行ってくる」
- 38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 16:26:02.96 ID:iWmWeavL0
~スーパー~
ブレラ「・・・・・」
ブレラ「(青果はどこだ・・・?)」キョロキョロ
~青果コーナー~
ブレラ「(ここか・・・・)」
ブレラ「(キャベツ、キャベツ・・・)」キョロキョロ
[キャベツ] (1玉68円!)
ブレラ「や、安い・・・・」
ブレラ「しかも箱6玉のキャベツ・・・だと・・・?」
ブレラ「(ランカ青果は箱8玉のを98円で売ってるのに・・・)」
ブレラ「(こうなったら・・・)」
ブレラ「・・・・」[キャベツ]スッ
ブレラ「・・・・・」 ブチブチ
ブレラ「・・・・・」 ブチブチ
ブレラ「(皮を剥いてやれば、サイズは小さくなる)」 ブチブチ
- 39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 16:31:22.65 ID:iWmWeavL0
ブレラ「・・・・」 ブチブチ
ざわざわ ざわざわ
ブレラ「・・・・」 ブチブチ
店員「あの・・・お客さん」
ブレラ「!?(しまった!)」
店員「皮向かないでいただきたいんですが・・・」
ブレラ「(くっ・・・ここで退いてしまっては・・・!!)」 ブチブチ
店員「お、おい!やめろ! 営業妨害か!?」
ブレラ「先に営業妨害してきたのは貴様らの方だ!!」 ブチブチ
店員「な、何言ってんだお前!!」
ブレラ「(ここまでか・・・ッ!!)」 ブチブチ
ブレラ「・・・・・」ダッ
店員「あっ、逃げた!」
ブレラ「・・・・・」タッタッタ
店員「くっそぉ・・・・逃げられた・・・」
- 40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 16:39:19.64 ID:iWmWeavL0
~ランカ青果~
ミシェル「その・・・、なんだ。気を落とさないように・・・」
クラン「私たちは応援しているぞ。もちろん、SMSの皆も、オズマも・・・」
ランカ「うん・・・。私こそ泣いたりしてごめん」
ランカ「こういう時に気休めとか言われる方が、ためにならないよね」
ランカ「ありがとう。ミシェル君、クランさん」
ミシェル「じゃ、また来るから・・・・」
ランカ「うん、バイバイ・・・」
~しばらくして~
クラン「おいミシェル、なんか方法はないのか?あれじゃランカが可哀想だ」
ミシェル「お前もわかってるだろ?こうなったら、かなり厳しいんだよ」
ミシェル「スーパー側が諦めるか・・・、ランカちゃんが折れるか」
クラン「・・・・・」
クラン「これから・・・野菜買いに来ような。毎日・・・」
ミシェル「あぁ・・・。それくらいしか俺達には出来ないしな・・・」
- 41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 16:47:18.32 ID:iWmWeavL0
ランカ「・・・・・」ボケー
ランカ「(まさか・・・、お客さんが全然来ない日が来るとはなぁ・・・)」
ランカ「はぁ・・・」
シェリル「どうしたの?溜息なんてついちゃって」
ランカ「うわぁっ!シェリルさんいたんですか!?・・・じゃなくて、いらっしゃいませぇ」
アルト「結構前からいたんだがな・・・。ランカがボケっとしてたから声かけづらくて」
ランカ「うぅ・・・。ごめんねアルトくん・・・・」
シェリル「何かあったの?悲しい顔して・・・」
ランカ「・・・シェリルさんの家にもチラシ入りました?」
シェリル「チラシ・・・?」
アルト「チラシがどうかしたか?」
ランカ「は、入ってないなら・・・いいの」
シェリル「ウチのチラシは見る前に、全部アルトの紙飛行機になっちゃうのよ」
アルト「お、おい!そういうこと言うな!」
ランカ「ふふっ、アルトくんらしいや・・・」
- 43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 16:56:59.51 ID:iWmWeavL0
アルト「今日はあんまりお客さんいないんだな・・・?」
ランカ「うっ!・・・そ、そうなんだよ、なんでだろうね・・・あはは・・・」
シェリル「まぁ、そんな日もあるわよ。気にしない、気にしない」ニコニコ
ランカ「シェリルさん・・・・(今日は人の優しさが効くなぁ・・・)」ウルウル
シェリル「じゃあ久しぶりにお話でもしましょ!」
ランカ「はいっ!シェリルさん!」
TEL<とぅるるるるる
ランカ「・・・と思ったけど、ちょっと待っててください。電話が・・・」
ランカ「はい、もしもしランカ青果です」
ランカ「あっ、いつもの・・・?えっとぉ・・・、はいっ!大丈夫です!」
ランカ「はい、はい。じゃあすぐお届けしますね~、はい失礼します・・・」 ガチャ
シェリル「お仕事?」
ランカ「はい。配達の依頼が・・・」
アルト「あぁ、いつもブレラがやってる奴か・・・。って、今日はブレラがいないな?」
ランカ「ど、どこ行っちゃったんだろうねぇ?お兄ちゃんったら・・・・」
- 45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 17:09:12.10 ID:iWmWeavL0
アルト「ん・・・?ブレラがいないなら、誰が配達やるんだ?」
ランカ「大丈夫。私がやるから!」
シェリル「それだと、お店が空っぽになっちゃうじゃない」
ランカ「そ、それは・・・・」チラッ
アルト「・・・・・?」
ランカ「アルトくんとシェリルさんが店番やってくれたらなぁ・・・って・・・・////」
アルト「はぁ!?」
ランカ「だ、だめぇ?」
シェリル「もちろんやるわ!」ビシッ
アルト「お、おい!」
シェリル「たまには八百屋をやるってのもいいじゃない?」
ランカ「ありがとうございます!シェリルさん・・・」
シェリル「ふふっ、安心して配達行ってきなさい」
ランカ「はいっ!いってきまーす!」タッタッタ
アルト「ったく・・・しょうがないな・・・」
- 47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 17:14:20.01 ID:iWmWeavL0
~しばらくして~
シェリル「・・・・・」
アルト「・・・・・」
シェリル「ちょっと、アルト?」
アルト「ん~?」
シェリル「お客さんが来なくて暇じゃない」
アルト「客が来ないから店番任せたのかもな」
アルト「『もしかしたら来るかも?』って感じで」
シェリル「つまんないわね・・・」
シェリル「・・・アルト、あんた客やりなさいよ」
アルト「えぇ・・・・」
シェリル「何よぉ、文句あるの?」
アルト「チッ・・・わかったよ・・・」
アルト「くださいな・・・」
シェリル「いらっしゃいませぇ~」ニコッ
- 49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 17:22:34.90 ID:iWmWeavL0
シェリル「ようこそ、ランカ青果へ!」ニコッ
アルト「(デパートの案内係みたいだな・・・)」
シェリル「何をお求めでしょうか?」
アルト「それじゃあ、人参・・・・」
シェリル「・・・・」 [人参]スッ
アルト「・・・・?」
シェリル「それだけぇ・・・?ケチねぇ・・・」
アルト「じゃあ、じゃがいもを1袋・・・・」
シェリル「あっ!じゃあ後は玉葱ね!」 [じゃがいも][たまねぎ] スッ
アルト「な、なんで玉葱も買わせるんだよ!?」
シェリル「決まってるじゃない。『カレー』だからよ」
アルト「(なんだそれ・・・。勝手に決めやがって・・・)」
アルト「(でも・・・こういう店って、こうやって上手く口を回して売らないとやっていけないのかもな・・・)」
シェリル「はぁ~い、お会計で~す」 チーン
アルト「えっ!?『ごっこ』じゃないのか!?」
- 51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 17:32:35.97 ID:iWmWeavL0
シェリル「なによ、お金払いなさいよ」
アルト「わ、わかったよ・・・・」シブシブ
シェリル「はいっ、確かに! お品物で~す!」 [人参じゃが芋玉葱入り袋]
アルト「はいはい・・・。満足したか?」
シェリル「お肉はお肉屋で!カレー粉はスーパーで!」
アルト「はいはい・・・・」
アルト「って・・・、それじゃあスーパーで野菜と肉買った方が早いじゃないか」
シェリル「・・・・・・」ジトー
アルト「・・・・・・」
シェリル「・・・・・・」ジトトー
アルト「うっ・・・・」
シェリル「野菜はランカ青果で買いなさい!」
アルト「わ、悪かったよ。失言だった・・・」
アルト「(でも・・・わざわざ分けて買うならスーパーで買った方が楽だよな・・・?)」
アルト「(ランカの店だから来るけどさ・・・)」
- 56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 17:41:10.12 ID:iWmWeavL0
ランカ「ただいまぁ~」
シェリル「あっ、おかえり」
ランカ「お客さんきましたぁ・・・?」
シェリル「えぇ、来たわよ」
ランカ「えっ!?・・・ほ、本当ですか!?」
アルト「その『お客さん』って俺の事だがな・・・」
ランカ「(なんだぁ・・・お客さん来てくれたと思ったのに・・・)」
ランカ「で、でもありがとうねアルトくん」
アルト「あ、あぁ・・・(なんか今日のランカ変だな・・・)」
ランカ「何買ってくれたの・・・?」
アルト「人参とじゃが芋と玉葱。半ば強引に買わされた」
シェリル「私の実力よ」フフン
ランカ「あ、もしかしてカレー?」
アルト「えっ・・・・?」
ランカ「ふふっ、実はカレー粉も売ってるんだよ?ここに」 [カレー粉]
- 57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 17:50:23.86 ID:iWmWeavL0
アルト「えっ!?本当か?」
ランカ「ほらぁ~、カレー粉!」 [カレー粉]
シェリル「はは~ん。スーパーにお客さんを盗られないようにね」
ランカ「はいっ!その通りです! シチューもありますよ~」
シェリル「賢いじゃないランカちゃん。良いこ良いこ」ナデナデ
ランカ「えへへ・・・///」
ランカ「(シェリルさんに褒められちゃった・・・///)」
ランカ「(でも、今は『野菜の方』の問題でお客さん盗られちゃってるんだよね・・・)」
ランカ「(情けないなぁ・・・。八百屋さんなのに・・・)」
シェリル「これでスーパー行く必要ないわね~」
アルト「・・・・・・」
アルト「(でも良く考えたら・・・・結局『肉』は無いんだよな・・・)」
アルト「(今は近所に肉屋があるけど・・・、もし肉屋が潰れたらどうする?同様に魚屋も・・・)」
アルト「(肉や魚がスーパーでしか買えなくなったら・・・?)」
アルト「(スーパーに行って・・・・、ついでに野菜も・・・・)」
- 61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 17:58:59.19 ID:iWmWeavL0
シェリル「じゃあそろそろ御暇するわね」
ランカ「あっ、また来てくださいね!」
アルト「あぁ、必ず来るから・・・・」
ランカ「ありがとアルトくん・・・。バイバイ!」
~アルトとシェリル帰り道~
シェリル「今日はじゅんさい無かったわね~」
アルト「そうだな・・・」
シェリル「・・・・?どうしたの?元気無いわね」
アルト「いや何でも無い」
シェリル「なら、いいけど・・・」
アルト「・・・・ん?」
ブレラ「・・・・・」トコトコ
アルト「おーい!ブレラ!」
ブレラ「・・・・?仲良し夫婦か」
- 62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 18:09:38.21 ID:iWmWeavL0
アルト「な、なんだよ、仲良し夫婦って・・・///」
シェリル「ま、悪い響きじゃない・・・かしらね」
ブレラ「で、何か用か?」
アルト「『何か用か?』じゃないだろ!店にランカ1人置いてきて・・・危ないだろ!?」
ブレラ「・・・・客は来たか?」
アルト「客ぅ・・・?」
アルト「・・・正直言って、客入ってなかったぞ」
ブレラ「そうか・・・」
アルト「お前・・・・、客入ってないからって遊んでていいのかよ!?」
シェリル「ちょ、ちょっと!落ち着きなさい!」
ブレラ「・・・・・」
ブレラ「チラシ・・・見たか?」
アルト「・・・・?」
シェリル「チラシって・・・?ランカちゃんも同じこと言ってたけど・・・」
ブレラ「実は・・・・」
- 63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 18:12:16.36 ID:CgNGvKrRO
前にリアル百姓は居たがリアル八百屋は居ないのか
- 65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 18:17:47.39 ID:iWmWeavL0
~一週間後~
ランカ「・・・・・」
ブレラ「・・・・・」
ランカ「はぁ・・・・」
ランカ「(仕入れも減らしたけど・・・)」
ランカ「(厳しいなぁ・・・)」
ランカ「(なにより、お客さんが来ないのが寂しい・・・・)」
ランカ「(いつも来てたおばさん達・・・、どうしてるのかなぁ・・・?)」
ランカ「・・・・・」
ブレラ「ランカ・・・、おやつでも食べるか?」
ランカ「え・・・?」
ブレラ「もしランカが食べたいなら用意する」
ランカ「ありがとう・・・」
ランカ「お兄ちゃんがいなかったら・・・私、寂しくて耐えられないよ・・・・」
ブレラ「・・・今、用意するから」
- 67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 18:25:56.56 ID:iWmWeavL0
ブレラ「・・・・」イソイソ
ランカ「(ありがとう、お兄ちゃん・・・どんな時も味方でいてくれて・・・)」
ランカ「(落ち込んでばかりいないで、私も頑張らなくちゃ!)」
ランカ「いらっしゃいませぇー!」
ランカ「今日は桃がお買い得ですよぉ!」
ランカ「いらっしゃいませぇー!いらっしゃいませ・・・」
ランカ「(頑張れ! 頑張れ、私!)」
ランカ「いらっしゃいませぇ!今日は桃が・・・」
ナナセ「ハァハァ・・・」タッタッタ
ランカ「あれ・・・?ナナちゃん・・・?」
ナナセ「ハァハァ・・・ランカ・・・さん・・・」
ランカ「どうしたの・・・?何かあったの・・・?」
ナナセ「最近、魚屋さんと話しました?そこの曲がり角を曲がったところの魚屋さんです・・・」
ランカ「えっと・・・3日前・・・くらいかな・・・?」
ナナセ「さっき話したら・・・、もうすぐ閉店するって・・・」
- 69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 18:33:58.55 ID:iWmWeavL0
ランカ「え・・・・?嘘・・・・?」
ナナセ「元々、ギリギリだったみたいで・・・」
ナナセ「今回のスーパーの特売が痛かったみたいです・・・」
ナナセ「お肉屋さんも・・・今月いっぱいかも、って・・・・」
ランカ「そ、そんなぁ・・・・」
ナナセ「ランカさんは・・・!」ガバッ
ランカ「!?」
ナナセ「ランカさんはお店を閉めたりしませんよね・・・?」
ナナセ「私・・・スーパーなんかよりランカさんのお店で買いたい・・・!!」
ナナセ「閉めたりしちゃ嫌ぁ・・・・」ポロポロ
ランカ「な、泣かないで、ナナちゃん・・・」
ランカ「泣いてるの見たら・・・私も・・・」ポロポロ
ランカ「うぅ・・・・うぅぅ・・・・」ポロポロ
ブレラ「・・・・・・」
ブレラ「(ランカ・・・)」
- 71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 18:42:36.71 ID:iWmWeavL0
~ランカ青果 ナナセが帰ったあと~
ブレラ「で、どうするんだ・・・?」
ランカ「どうする、って・・・?」
ブレラ「この店を閉めるかどうか、の話だ」
ランカ「・・・・・」
ブレラ「魚屋だけじゃなく、肉屋まで潰れてしまったら・・・」
ブレラ「おそらく、この店も・・・」
ランカ「・・・・・」
ブレラ「その前に身の振り方を考えれば・・・」
ランカ「お兄ちゃんは・・・どうしたいの?」
ブレラ「俺はランカに従う。もし路頭に迷う事になっても・・・」
ランカ「じゃあ・・・続けたい・・・」
ランカ「買いに来てくれる人が・・・いるなら・・・」
ブレラ「わかった・・・。もし辞めたくなったら、辞めていいからな?」
ランカ「ごめんね・・・・。我が儘ばっかり言って・・・・」
- 72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 18:50:49.36 ID:iWmWeavL0
~さらに一週間後 ランカ青果~
ランカ「(魚屋さんは閉店しちゃった・・・)」
ランカ「(お肉屋さんはどうしてるかな・・・?)」
ブレラ「いらっしゃいませー」
ランカ「お兄ちゃん、私お肉屋さんに挨拶してくるね」
ブレラ「1人で大丈夫か・・・?」
ランカ「うん・・・。大丈夫」
ブレラ「なんだったら俺が・・・・」
ランカ「大丈夫だって!お話するだけだから」
ランカ「お店番よろしくね?」
ブレラ「あぁ・・・」
ランカ「いってきまーす!」タッタッタ
ブレラ「(嫌な予感がする・・・)」
ブレラ「いらっしゃいませー」
ブレラ「(何も無ければいいが・・・)」
- 73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 18:59:15.16 ID:iWmWeavL0
~肉屋までの道~
ランカ「え~っと・・・」キョロキョロ
ランカ「こっちだよね・・・?」タッタッタ
ランカ「・・・あっ!」
客のおばちゃんA「わいわい」
客のおばちゃんB「がやがや」
客のおばちゃんC「わやわや」
ランカ「(いつもお店に買いに来てくれてた人達だ!)」
ランカ「(声・・・かけた方がいいよね・・・?)」
ランカ「お久しぶりで・・・えっ!?」
おばちゃん達の装備:スーパーのビニール袋
ランカ「(あれって・・・、あのスーパーで買ってるってことだよね・・・・?)」
ランカ「(ネギがはみ出してるし・・・野菜もスーパーで買ってるんだ・・・)」
ランカ「(あぁ・・・、わかってたのに・・・辛い・・・・)」ウルウル
- 74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 19:00:41.48 ID:wmLwfY/aO
こればかりはどうしようもないのかな…
- 75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 19:10:52.26 ID:iWmWeavL0
おばちゃん達「わいわい」
ランカ「(何話してるんだろう・・・・?)」コソーリ
客のおばちゃんA「いやぁ~、やっぱスーパーはいいわねぇ~」
客のおばちゃんB「安いし、わざわざ回らなくていいしねぇ~」
ランカ「(やっぱり・・・、そうだよね・・・)」コソーリ
客のおばちゃんC「そういえば、お肉屋さんも潰れちゃうんだって」
客のおばちゃんA「あぁ~、並んでるお肉誰も買ってないしねぇ・・・」
ランカ「(・・・・・)」コソーリ
客のおばちゃんB「そういえば、八百屋さんどうなったのかしらねぇ?」
客のおばちゃんC「あぁ、あの若い子がやってるところ?潰れたんじゃない?」
ランカ「(がーん!!)」コソーリ
客のおばちゃんA「まぁ、行く意味ないしねぇ・・・。この前、遠くからチラッと見たら、見切りいっぱいだったわよ?」
客のおばちゃんB「可哀想に、あんな若いのに・・・」
客のおばちゃんC「いいじゃない、またアイドルに戻れば。むしろ潰してあげた方があの子のためよ」アハハ
ランカ「(そ、そんなぁ・・・・ひどいよ・・・・ひどい・・・)」コソーリ
- 78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 19:17:42.10 ID:iWmWeavL0
~ランカ青果~
ブレラ「いらっしゃいませー」
ランカ「・・・・・」フラフラ
ブレラ「!? どうしたランカ!?」バッ
ランカ「・・・・・」ドサッ
ブレラ「しっかりしろ!何があった!?」
ランカ「もう・・・嫌だ・・・・」ウルウル
ブレラ「!?」
ランカ「もう嫌だよ・・・・」ポロポロ
ランカ「もう私・・・八百屋さんやれない・・・」ポロポロ
ブレラ「ら、ランカ・・・・?」
ランカ「ごめん・・・お兄ちゃん・・・もうやりたくないぃ・・・・」ポロポロ
ランカ「我が儘ばっかりで・・・ごめんね・・・・」ポロポロ
ブレラ「いいんだ・・・。辞めていいんだ・・・ランカは悪くない・・・・」ぎゅっ
ランカ「うわああああん!!」ぎゅっ
- 81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 19:21:05.39 ID:OTMdKths0
ランカかわいそすぎだろ・・・
- 83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 19:25:42.41 ID:iWmWeavL0
~ランカの部屋~
ランカ「・・・・・」グッタリ
ブレラ「大丈夫か・・・?何か欲しい物はあるか?」
ランカ「大丈夫・・・・」
ブレラ「わかった。何かあったらすぐ呼んでくれ」
ランカ「うん・・・・。ありがと・・・」
ガチャ バタン
ランカ「・・・・・」
ランカ「(私・・・何やってんだろ・・・?)」
ランカ「(お義兄ちゃんに言ったら・・・、なんて言われるかな・・・)」
ランカ「(アルトくんや、他の皆に言ったら・・・怒るかなぁ?)」
ランカ「(そりゃそうだよね。あのままアイドル続けてりゃ良かったのに、って思うに違いないよ)」
ランカ「(アイドル時代の貯金も全部募金しちゃったし・・・。これも皆に反対されたっけ・・・)」
ランカ「(でも、あの時は戦いに被災した人のためだから・・・・)」
ランカ「(って、今更何考えてるんだろう・・・?過去に戻れるわけでもないのに)」
- 84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 19:35:09.23 ID:iWmWeavL0
~数時間後~
ランカ「・・・・・」
ランカ「・・・・あっ!」ガバッ
ランカ「って・・・・、寝ちゃったのかぁ・・・」
ランカ「(最近、ストレスであんまり寝れなかったから・・・)」
ランカ「(お兄ちゃんに・・・ちゃんと『ありがとう』しなきゃ・・・)」ムクッ
ランカ「あっ・・・・」
携帯<シェリルさんからメール
ランカ「なんだろう・・・?」ピッ
[調子はどう?最近忙しくてランカちゃんのお店に行けなくてごめんね!]
[今日はランカちゃんのお店の1周年記念の日でしょう?だからお祝いしてあげようと思って]
[アルトは用事で来れないから2人きりだけど、良かったら会えない?返信待ってるわね]+[シェリルの顔文字]
ランカ「そっかぁ・・・。今日は1周年記念だったんだぁ・・・」
ランカ「そんな日に閉店なんて・・・・」
ランカ「とりあえず、返信しないと・・・。気を使ってくれてるのに・・・」
ランカ「返信遅れてすみません・・・と」ポチポチ
- 86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 19:44:46.58 ID:iWmWeavL0
~良い感じのレストラン~
シェリル「・・・・・」
ランカ「シェリルさぁ~ん!」タッタッタ
シェリル「おっ、来たわね。待ってたわよ」
ランカ「も、もしかして私にメールくれた時から待っててくれたんですか?」
シェリル「あはは!まっさかぁ、ランカちゃんからメールの返信が来てからよ」
ランカ「よ、良かったぁ・・・」ホッ
シェリル「まぁまぁ、リラックスして」ポン
ランカ「は、はいっ!じゃあ失礼して・・・」スワリッ
シェリル「何でも頼んでいいからね?」
ランカ「あ、ありがとうございます」
ランカ「(どうしよう・・・。ちゃんと言わなきゃなぁ・・・)」
ランカ「(『ランカ青果は今日閉店しました』って)」
シェリル「あ~、ランカちゃんの顔見たら久しぶりにじゅんさい食べたくなっちゃった♪」
ランカ「(ごめんなさい・・・、じゅんさいももう食べさせてあげられません・・・)」
- 87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 19:52:32.01 ID:iWmWeavL0
~しばらくして~
シェリル「どう?美味しい?」
ランカ「はいっ!とっても・・・・」パクパク
シェリル「良かった・・・」
ランカ「(どうしよう・・・とても言える雰囲気じゃないよ・・・)」
シェリル「あっ、そうそう。これ・・・・」
[封筒]スッ
ランカ「えっ・・・?なんです、これ・・?」
シェリル「1周年の・・・お祝いよ」
ランカ「(なんだろう・・・?)」カサッ
ランカ「!? 小切手!?しかも・・・・(0がいっぱい・・・)」
ランカ「こ、こんなの受け取れません!!」
シェリル「何言ってるの。ここまで八百屋をやってきたあなたへのご褒美よ」
ランカ「だって・・・・、だってぇ・・・・」
ランカ「ランカ青果は・・・もう閉店したんです!!」
- 90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 20:05:34.02 ID:iWmWeavL0
ランカ「だから、これは・・・」
シェリル「知ってるわ」
ランカ「え?」
シェリル「あなたが傷ついて、お店を閉めることになったこと」
シェリル「全部・・・ブレラに聞いたわ。あなたが寝てる間にね・・・」
ランカ「それじゃあ尚更・・・」
シェリル「あなた・・・この先どうするか決めたの?」
ランカ「こ、この先・・・・?」
シェリル「嫌になったから辞める・・・それもいいわ」
シェリル「でもその後のこと考えないと・・・」
シェリル「立ち止まるために辞めるのは絶対駄目」
シェリル「もし辞めるなら・・・代わりに何かを目指しなさい」
シェリル「何かを目指してた時のあなたが・・・一番輝いていたわよ」
ランカ「シェリルさん・・・・私・・・」
シェリル「ふふっ、ここまで私が目をかけてあげたのは、あなたが初めてなんだからね!自信を持ちなさい」
- 94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 20:12:50.82 ID:iWmWeavL0
~次の日 ランカの家~
ブレラ「・・・・・」
ブレラ「今日から毎日休みか・・・」
ブレラ「朝食出来たし、ランカを起こさないと・・・」
~ランカの部屋の前~
ブレラ「ランカ・・・起きてるか?」 トントン
し~ん
ブレラ「朝ごはん出来たぞ?」 トントン
し~ん
ブレラ「昨日シェリルと何を話したか聞かせてくれ」 トントン
し~ん
ブレラ「・・・・?入るぞ?」 ガチャ
[手紙]
ブレラ「ランカがいない・・・?それに手紙が・・・?」
ブレラ「・・・・・・」ピラッ
- 96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 20:26:56.75 ID:iWmWeavL0
ブレラ「・・・・・」ヨミヨミ
[大好きなお兄ちゃんへ]
[いきなりこんな形でごめんね。]
[昨日シェリルさんに言われるまで、わたし何も考えてなかったの。]
[閉店した後、生活はどうするか、やりたいことはあるのか、とか]
[正直、お兄ちゃんがなんとかしてくれる、って思ってたの]
[いつも、こんな私を支えてくれたから・・・今回もなんとかしてくれるって]
[でも、それじゃあ駄目だよね。いつもお兄ちゃんに甘えてちゃ大人になったって言えないよね?]
[だから私、自分に責任持てるように勉強するね]
[お兄ちゃんについてきてもらうと、また甘えちゃうから・・・独りで行くね]
[お金はシェリルさんに頂いたのがあるから安心して!]
[もちろん、半分はお兄ちゃんのために置いていくね]
[私、頑張るから!]
[だから・・・待ってて]
ブレラ「・・・・・・」
- 98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 20:35:43.82 ID:iWmWeavL0
~元ランカの家 ランカが家出してから1年後~
アルト「お~い、ブレラ、生きてるか~?」ズカズカ
ブレラ「アルトか・・・。勝手に家に入るな」
アルト「インターホン鳴らしてもシカトだろ?なら勝手に入るさ」
アルト「ほらっ、昨日の夕食の残り。食えよ」 [夕食の残り]
ブレラ「必要ない」
アルト「必要ないわけないだろ!早く喰えよ」
ブレラ「・・・・・」パクパク
アルト「それにしても・・・明日で1年か・・・・ランカが家出してから」
ブレラ「そうだな・・・」
アルト「シェリルの予想ではさ、明日なんだよ」
ブレラ「予想・・・?」
アルト「明日、ランカが帰ってくるって」
ブレラ「・・・連絡は入っていない」
- 99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 20:44:49.76 ID:iWmWeavL0
アルト「う~ん、もしかしたら帰って来づらいとかじゃないか?」
ブレラ「帰って・・・来づらい?」
アルト「シャッター、閉まったまんまだろ?開けられないのかよ?」
ブレラ「店はいつでも再開出来るようにしてあるが・・・」
ブレラ「ランカが辞めたいと言った店だ。それに今は別の事をしてるかもしれない」
アルト「だからぁ、もしかしたら行き詰ってるかもしれないだろ?」
ブレラ「・・・・・」
アルト「明日1日だけ開店したらどうだ?名目も2周年ってのがあるだろ」
ブレラ「・・・・・」
アルト「久しぶりに・・・ランカ青果を見たいしさ」
ブレラ「・・・・・」スッ
アルト「お、おい?何処行くんだよ」
ブレラ「発注だ。パソコンは俺の部屋にある」
アルト「それじゃあ・・・・!!」
ブレラ「明日・・・1日だけだ」
- 100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 20:52:38.52 ID:iWmWeavL0
~ブレラの部屋~
ブレラ「・・・・・」カタカタ
ブレラ「(もやし、長芋、パセリ、小ネギ、生姜、大葉、里芋、玉葱、じゃが芋、人参)」
ブレラ「(長ネギ、白菜、ピーマン、茄子、トマト、ミニトマト)」
ブレラ「(ほうれん草、小松菜、水菜、春菊、チンゲン菜、サラダ菜、キャベツ、大根)」
ブレラ「あとキノコと、果物と・・・」
ブレラ「あと・・・」
ブレラ「・・・・・」
ブレラ「(1年ぶりに・・・ちゃんと来るだろうか?)」
ブレラ「(閉店してるのに、って思われて・・・)」
ブレラ「(注文通り来ないかもしれない)」
ブレラ「・・・・・」カタカタ
ブレラ「・・・これで良し」
- 102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 21:00:50.19 ID:iWmWeavL0
~次の日 フロンティア市場~
わいわい がやがや
ブレラ「(ここも2年ぶりか・・・)」
ブレラ「(気のせいか、2年前より活気があるな)」
ブレラ「・・・・・」トコトコ
男「おっ、アンタあまり見ない顔だね」
ブレラ「俺のことか・・・?」
男「ホストが道に迷ったのかと思ったよ。ガハハ」
ブレラ「2年ぶりなんだ」
男「こりゃ失礼。同業者の顔を忘れるとはなぁ」
ブレラ「小さな、八百屋だから・・・」
ブレラ「ん・・・・?」
ランカ「~♪」テクテク
ブレラ「あ、あれは!?」
- 104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 21:08:09.54 ID:iWmWeavL0
男B「おはようランカちゃん」
ランカ「おはようございます!」
男C「今日も可愛いな!」
ブレラ「あ、あれは・・・?」
男「ん・・・・?」
ブレラ「あの娘は!?」
男「御存じ、無いのですか?」
男「彼女こそ八百屋からチャンスを掴み、フロンティア市場長へと就任した、」
男「超時空シンデレラ、ランカちゃんです!」
ランカ(フロンティア市場長)「ニラッ☆」
ブレラ「なん・・・だと・・・?」
ランカ「あっ・・・」
ブレラ「ら、ランカ・・・」
ランカ「お兄ちゃん!?」
- 108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 21:14:14.65 ID:te1y1iEp0
まさかの展開
- 109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 21:16:15.41 ID:iWmWeavL0
ランカ「ど、どうして・・・?」
ブレラ「ランカこそ、まさか市場長になっているとは・・・」
ランカ「もぉ・・・バレちゃったよ・・・」
ランカ「ビックリさせようと思ってたのに・・・」
ブレラ「ビックリも何も・・・・」
ランカ「とりあえず・・・、心配かけてごめんね。・・・あと、ありがとう」
ブレラ「それについては構わないが・・・・」
ランカ「お兄ちゃんはどうして市場に?注文するだけならネットで出来るのに」
ブレラ「今日、ランカ青果を開けようと思う」
ランカ「えっ!?」
ブレラ「昨日、久しぶりに発注したからな・・・。滞らないように直接来たんだ」
ブレラ「その旨もちゃんと連絡してある」
ランカ「そ、そうなんだ・・・・」
ブレラ「ランカも・・・来ないか?」
ランカ「!」
- 111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 21:23:39.33 ID:iWmWeavL0
~ランカ青果前~
アルト「もうすぐ開店の時刻だな」
シェリル「懐かしいわねぇ、この感じ・・・」
アルト「えっ・・・?」
シェリル「2人の休みが被った時は、こうやって朝から開店を待ってたじゃない」
アルト「あぁ・・・、そうだったな」
ガラガラ
シェリル「!! シャッターが開いていく!」
アルト「そうそう。こうやってシャッターが開いて・・・」
シェリル「開き切ると・・・・」
ランカ「・・・あれ?」
アルト・シェリル「えっ!?」
ランカ「あっ、シェリルさんにアルトくん!開店するの待っててくれたの?」
アルト「ら、ランカ!お前・・・・」
シェリル「帰ってきてたのね・・・・やっぱり」
- 114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 21:41:11.34 ID:iWmWeavL0
シェリル「久しぶりね、ランカちゃん。ちょっと大きくなったかも?」
ランカ「えへへ、シェリルさんのおかげです!」
シェリル「で、今日は何がお買い得なの?」
ランカ「ニラッ☆!・・・なんちゃって////」
アルト「ん・・・?これは・・・?」 [ヤーコン]
ランカ「それはね~、ヤーコンだよ!」
シェリル「このクルクル巻いてるのは?」 [くるくる巻いてるの]
ランカ「それはね~、こごみです!」
シェリル「ナニコレナニコレ!?」
ランカ「これはですね~」
アルト「なんか食べたことない物がたくさん追加されてるな・・・・」キョロキョロ
シェリル「ねぇ、どんな味なの?」
ランカ「食べてみます?すぐ用意しますから・・・」
ブレラ「(余り物処理係にちょうどいいかもな・・・アルトとシェリル・・・)」
~終わり~
- 117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 21:49:09.54 ID:iWmWeavL0
ここまで見てくれた人ありがとう
近所に八百屋さんあったら行ってあげろよ
- 121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 22:13:02.06 ID:9hk5jnJ0O
震えながら八百屋の入り口に立つ
想い届けるまで 閉めない~
- 122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 22:13:23.31 ID:te1y1iEp0
アルトならおいしく料理してくれるはずだから問題ない
- 127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 22:38:56.63 ID:eiKA8nxH0
結局、スーパー打開策は見つからないままなのか・・・?
もうすこし、もうすこし何か欲しいところ・・・
- 128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/13(水) 22:40:58.31 ID:oVi24RBg0
>>127
現実は厳しいな
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コメント一覧 (25)
-
- 2011年07月13日 23:58
- この人前モンハンのSS書いたような…
-
- 2011年07月14日 00:18
- ていうかアマガミのSSいいなんか今日は仕事が速いな・・・
-
- 2011年07月14日 00:34
- 前にシェリルが米作ってたSSの人か?
-
- 2011年07月14日 01:32
- 青果ん飛行やめいwww
-
- 2011年07月14日 06:07
- なんつ~か涙ぐましいな。いままで、八百屋なめてたわ。(;___;) 奥様方、たまにわ買ってってつかあさい。
-
- 2011年07月14日 07:01
- ランカちゃんは俺の嫁
-
- 2011年07月14日 08:05
- 歌詞が後半にいくにつれネガティブむき出しでワロタ
-
- 2011年07月14日 09:25
- シェリルがスーパー買収か
-
- 2011年07月14日 17:34
- スレタイで吹いた
最近つかれてんのかな
-
- 2011年07月14日 23:27
- ランカには不幸が良く似合う
-
- 2011年07月15日 16:43
- ※9 俺もだよ。暑いけどお互い頑張ろうぜ。
-
- 2011年07月18日 20:50
- 何故か赤塚不二夫の『もーれつア太郎』を思い出した。乙
-
- 2011年07月18日 22:33
- 肉屋は柿崎だな
-
- 2011年07月22日 22:34
- よく考えたら八百屋なのに”パインサラダ”ネタはなかったぞ?
『マクロス』といえばパインサラダは外せないだろう
-
- 2011年10月13日 11:05
- ランカ可愛い
不幸はシェリルの方が似合うだろ
嫌みとかじゃなくって、ランカが希望の歌姫、シェリルが絶望の歌姫って言われてたじゃん
-
- 2011年10月29日 15:24
- タイトルがやりたかっただけかと思ったら違った
-
- 2012年05月26日 12:21
- バカだから「あおかんひこう」って読んでた
-
- 2012年11月10日 16:12
- 黒くなったバナナ…(意味深)
-
- 2012年11月30日 20:42
- 青果ん飛行いいな 今見てもキチンと脳内再生された
-
- 2012年11月30日 20:50
- そう言えばブレラって間の一年間何やってたんだ?
-
- 2012年11月30日 20:51
- そう言えばブレラ一年間何やってたんだ?
-
- 2013年05月01日 08:57
- スレタイのみ面白かったよ
-
- 2013年11月06日 22:47
- 歌えばいいと思うんだ
-
- 2014年02月07日 00:23
-
不幸ってゆうか苦労して結果成功に恵まれる感じがランカらしい。
-
- 2014年03月09日 12:12
- ランカは希望の歌姫って名で利用されたリトルクイーン。ランカもシェリルも結局どっちも可哀想なんだけどランカも戦争に利用された悲劇のヒロインだよね。このssは好きだけどあの作品なんかなんか嫌い