ハルヒ「キョン、私を保健室に連れていきなさい!」
そう言わずに頼むよ
ハルヒ「ありがとー」
キョン「ついたぜ」
ハルヒ「ありがとー」
~Fin~
楽しかったw
乙!
っておい!
誰か真面目に頼むよ
http://beebee2see.appspot.com/i/agpiZWViZWUyc2VlchQLEgxJbWFnZUFuZFRleHQYyMgeDA.jpg
ハルヒ「ち・・・違うのよ。ちょっと気分が悪いの・・・」
いつもなら「察しなさいよバカキョン!いいからさっさと連れていきなさい!」
などのセリフが返ってくるところだが。これはひょっとすると緊急事態かも
知れないな。
キョン「先生!」クラスの皆の耳目が一斉に集まる。「涼宮具合悪いそうです、
保健室・・・」
そう言い終えないうちに、ハルヒが椅子から崩れ落ちた。
騒然となる教室-----
キョン「おい!ハルヒ!大丈夫か!ハルヒ、ハルヒ!!!」
-----------
-------
待ってた
ありがとう
いつもなら休み時間になれば一目散にどこかへと出かけるか、あるいは
満面の笑みで俺のネクタイを思い切り引っ張ってどこぞへと強制的に連行
していくようなハルヒが、
ここ数日は気怠そうに窓の外を見ているだけだったり、あるいは放課後の
部室へ来るなり「今日は休みでいいわよ」とだけ言って去ってしまうという
ことが続いた。
俺はその度にいつもの笑みを浮かべる古泉と静かにゲームを片付け、
物静かな読書好きの宇宙人は本をカバンに仕舞うと同時に席を立ち、
そして我が愛しのマイエンジェルは着替えのために微笑んで手を振る・・・。
そんなことに何の疑問も抱かず、いやむしろ
「ふう、今日も無事平穏で何よりです、か」
などと呆けた感想を漏らしつつ、ちょいとコンビニで立ち読みをして帰る
など、いわゆる「開放感」などに浸っていたのだった。
今にして思えば、そうだな、俺はどうしよもない鈍感野郎であり、そして
団長である以前に友人でありクラスメイトの女子の微妙な変化にさえ気を
配ることのできない、デクノボウだったということなのだ。
------------
-----
教室で倒れたハルヒを抱きかかえ、騒然となった教室で俺は
「誰か、救急車!」
と叫んでいた。
ハルヒは顔面蒼白といった様子で、俺の腕の中で弱々しい呼吸を
繰り返していた。そう、まるで眠っているように。
救急車のサイレンが近付いてくるまで、5分といったところだったか。
いや、俺にはそれが30分にも1時間にも感じるほど長かった。
校内は突然の救急車の到着に騒然となり、教師たちが廊下に出て
「静かに!教室から出るな!」と怒鳴っていた。
俺はその時授業を担当していた数学の教師と、応援に駆けつけた
岡部と一緒に、ハルヒを抱きかかえて玄関まで走った。
そう、コワレモノを運ぶように繊細に、かつ迅速に。
岡部は救急隊がストレッチャーを用意している間、俺に向かいこう
言った。
岡部「キョン、涼宮のご家族に連絡がつかないんだ、付き添えるか?
もし無理ならここは別の先生に頼んで俺が」
キョン「大丈夫です、付き添います。同じ部活ですしクラスメートですから」
岡部「すまんな、すぐ保険の先生を後で行かせる」
岡部はグッと俺の肩を揉むように掴むと、職員室の方向へ駆けて
行った。見上げると校舎の窓という窓から生徒たちの顔が覗いている。
救急隊員「ご家族の方か先生は・・・」
キョン「あ、担任から付き添いを任されたものです」
わがままなど言わんよ
救急隊員にハルヒが倒れた時の様子を細かく聞かれつつ、救急車に一緒に
乗り込む。
隊員A「バイタル・・・血圧・・・呼吸は・・・」
隊員B「××病院、緊急搬送お願いします。北高から、女生徒一名・・・」
そんなやりとりを聴きながら、救急車がスピードを上げて校舎から走り出す
揺れを、俺はハルヒのストレッチャーに手をかけて凌いでいた。
ブー。
携帯がメールの着信を知らせる。
古泉からだ。
『倒れたのが涼宮さんだとお聞きしました。
機関の病院へ向かうよう、もう手配してあります。
あとで皆で向かいますので』
冷静で簡潔で、そして迅速な手配。
部室でいつもニヤケ面を浮かべながら、俺に完膚無きまでにゲームで負けている
普段のコイツからは想像も出来ない頼もしさだ。
そう、イザという時は頼りになるヤツなんだ。
救急車に揺られながら、ハルヒの顔を見て思わず声が出た。
キョン「お前・・・顔色真っ白じゃねえか・・・」
救急車は、あの冬の日に俺が担ぎ込まれた・・・といっても俺は病室で目覚めた
わけで憶えてはいないのだが、救急搬送口へと到着した。
すでに救急のスタッフが医師を含めて数名待機しており、俺は一旦降ろされて、
ハルヒは処置室へと搬送されていった。
キョン「あの・・・ハルヒはどうなんですか」
看護師「まだ何も解りません、これから検査をして、必要な処置をしますから」
俺が所在なげに近くにいた看護師に問うと、優しく微笑みながらそう返された。
看護師「身内の方・・・ではなさそうね。彼氏かな?患者さんのご家族は」
キョン「連絡が取れないそうで・・・ええと、同級生です」
看護師「そう、じゃああそこでしばらく待っていて下さいね」
そう指さされたのは、ソファが3つほど並んでいる控え室というより、一角だった。
周りを慌ただしく看護師や医師が動いている。
俺はとりあえず、ソファの一つに腰を静めた。
フウ、と深い溜息が一つ出た。
ハルヒ、お前具合が悪かったのか。だったらもっと早くそう言ってくれなかった?
いつから? というかどこが悪いんだ?
いくら考えても、今は医師の検査を待つしかない。
そう考えるとまた溜息が漏れた。
キョン「・・・あ、カバン置いてきちまった・・・」
晒すところだろう。けれど、ここは病院で。ハルヒは教室で倒れて。
そして俺は何も出来ずにここに居る・・・。
ああ、ダメだ何も出来ないし考えても仕方ない・・・。
古泉「こちらでしたか」
救急の待合の背後にあったドアから、知った声が聞こえた。
振り向くと、ドアのノブを持って開いた位置に古泉、その奥には朝比奈さんと、
長門の姿もあった。
こんな時、知った顔を見ると心底ホッとするものだ。そしてそれが友人なら尚更。
古泉「涼宮さんは・・・」
キョン「ああ、今検査中だ。何も出来ないし、解らない」
みくる「キョン君・・・大変でしたね」
キョン「いえ。俺は何も。それよりみんな授業は
長門「・・・それどころではない」
ああ、そうだな、それどころじゃないよな。
なんたってあの、殺しても死にそうにないこの世の元気を全て独占したような
アイツが倒れたんだからな。
古泉「僕はちょっと病院の方と話してきます」
古泉の顔からは、いつもの笑みは消えている。
キョン「あ、じゃあ俺も・・・」
古泉「いえ、お気持ちは解りますが、今は。それにこの病院には僕の方が」
キョン「あ。そう、そうだったな。すまん、頼む」
古泉「わかりました。戻ってきたら報告します」
古泉はそう言うと、ちょっとだけ笑みを作ってきびすを返した。
朝比奈さんはその後ろ姿に「お願いしますね」と言って頭を下げる。
キョン「長門、何かわk」
長門「ない。情報操作も世界の改変も観測されていない」
キョン「つまり」
長門「今は何も解らない。涼宮ハルヒが昏倒した理由は不明」
みくる「ふぇぇえ・・・だいじょうぶなんでしょうか、涼宮さん・・・」
ああ、朝比奈さんの目尻にはダイヤのような水滴が早くも一粒浮揚している。
それを見た俺も何だか胸が締め付けられる思いだ。
キョン「と、とにかく今は待つしかなさそうですね。
古泉が何か解ったらすぐ教えてくれるでしょうから・・・」
俺はそう言って二人を待合の椅子に招き、3人並んで腰を落とす。
長門は部室で読書をしている時と同じように行儀良く腰掛けており、違うのは
その手に本が無いということだけだ。
朝比奈さんはうつむいて、その愛らしい両の拳をぎゅっと結んでいる。
俺は・・・。
俺はその二人の様子と、目の前に新たに運ばれてきた別の患者のストレッチャー
や行き交う人の慌ただしい動きをただ、見つめているしかなかった。
1時間後-----
じっと待っているうちに不覚にも睡魔に襲われ、船を漕ぎかけたところで
古泉が出て行ったドアを開けて、待合に戻ってきた。
古泉「涼宮さんの検査は一通り終了しました」
キョン「どうだった?ハルヒは・・・何の病気だ?」
古泉「それが・・・」
キョン「どういうことだ?」
古泉「こちらで今行われた検査というのは、全身のMRIをはじめ一通りの
ことはなされました。もっと詳しい検査をするには時間がかかるのですが」
キョン「ぶ、無事ではあるんだよな」
古泉「もちろんです。いわゆるバイタルと言われる測定数値、血圧や心拍数、
その他の状況は平常値とほぼ変わりません。脳波も。ただ」
キョン「ただ何だ早くいえ」
古泉「むしろ安定しているというか。つまり睡眠に非常に近い状態です」
は?何だって?寝てる?ハルヒが?授業中に倒れて?何を言ってるんだ?
ヘナヘナと膝の力が抜ける。
キョン「おいおい、寝てるってこたぁ・・・」
古泉「待って下さい、睡眠に近い状態とは言いました。けれど私たち一般の
健康な人間の睡眠ということとは違います」
古泉「我々が眠るのは眠いから、身体が睡眠を欲するからであり、普通はあ
のように突然に意識を失うというように眠ることはないでしょう」
キョン「・・・ん、ああ、そうか、そうだな。それで」
古泉「目が醒めるのを待つしかありません」
そう言うと古泉は少しだけ笑顔を浮かべ、両手を腰のあたりで開くように
した。そう、「どうしようもありませんね」というポーズだ。
みくる「涼宮さんは、じゃあ、あの、時間が経てば目を・・・」
古泉「そうかも、知れません」
キョン「かも?」
古泉「そうじゃないかも知れ」
キョン「おい!それじゃ寝たきりってことじゃねえか!」
思わず怒声が出てしまった。すまん、ここは病院だった。
キョン「とにかく、何も出来ないってこと、か」
古泉「閉鎖空間も出来ていませんし、外傷もなくデータは正常。もう・・・」
キョン「そうだな・・・。いや、すまなかったな」
古泉「いえ・・・。われわれに出来ることは今のところありません」
キョン「そうか。・・・あ、あいつのことだからきっとすぐ目を醒まして
あらっアンタたちどうしたの? なんて・・・な。ははっ」
長門「・・・・・・・・・」
みくる「・・・そ、そうですよぉ。きっとすぐ目を醒ましますよねっ」
古泉「今日のところは、僕たちも帰りましょう。涼宮さんは個室へ入って貰う
ことにしてあります。森さんがついてくれるそうですし、念のため警戒も万全
にしてあります」
キョン「森さんか・・・これ以上の人材はないな。個室ってのは」
古泉「ええ、あなたもご存知の」
古泉はそう言うとまた少しだけ微笑んだ。さすがにウインクはしなかったがな。
俺はこの世界を選び、戻ってきたとき。
この病院の、あの病室で目を醒ました。そのベッドの脇では、あいつが寝袋に
収まって、そう、ずっと俺を待っていてくれたんだ・・・。
キョン「俺は付いていた方がいいんだろうか」
古泉「・・・ご自由に、と言いたいところなのですが。明日も学校があります。
それに」古泉はチラと腕時計に目をやり
古泉「そろそろ涼宮さんのご母堂が病室に到着される頃合いですから」
キョン「そ、う、か・・・。じゃあ引き上げた方がいいんだな」
みくる「キョン君、ここは心配だけどわたしたち・・・」
キョン「そうですね、朝比奈さん。いったん帰りましょう」
長門「・・・・・・・・・・・」
古泉「そうしましょう。何かあればすぐに連絡が来るようになっていますし、
もちろん皆さんへお知らせします」
キョン「ああ、すまんな。頼りにしてるよ」
古泉「いえ、何も出来ないことに関しては僕も同じです」
病院から機関の車でそれぞれの自宅へと送ってくれるということだった。
病院に横付けされた黒塗りの車に乗り込む際、俺だけはいったん学校へ寄って
貰えないかと声をかけた。
運転席を見ると見覚えのある銀髪に口髭をたくわえた顔があった。
新川さんは助手席から俺のカバンを持ち上げ、手渡してくれた。正直非常にあ
りがたかった。
古泉と朝比奈さんの車が先に出て、俺は長門と一緒に新川さんの運転で送って
貰うことになった。
長門は車中もじっと黙って前方を見つめていた。
相変わらず車の中でも微動だにせず、姿勢のいい座り方を保っている。
キョン「な、なあ長門」
長門は静かにこちらへ顔を向ける。
長門「なに」
キョン「ハルヒはその・・・。大丈夫なんだ・・・よな?」
長門「・・・・・」
液体ヘリウムのような双眸が俺を見つめる。その瞳には俺の情けない薄ら笑い
が映し出されていて、それは、何というか、とても頼りなく。。。
長門「わからない。と、しか言えない。申し訳ない」
キョン「あ、そうか。そうだよな、何でもお前に聞けば答えてくれるってのも
おかしな話だよな、いやまあ、すまん」
長門「・・・いい。」
長門「・・・あなたの気持ちも理解できる。涼宮ハルヒが突然昏睡に陥ったこと。
そのことに泰然自若としていられる精神状態の方が、異常」
キョン「あ、まあ、そう・・・だな」
長門にも解らないと言われてしまったら、もう俺に出来ることはないし、考えて
も仕方のないことだ。などと考えてしまうことも、長門に丸投げをしているよう
で情けない自己嫌悪を軽く感じる。
|・ω・`) そ~~・・・
|o?o
|―u'
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' ?
| ミ ピャッ!
| ?
御礼を言い、重い足取りで家の柵を開ける。
振り返って見上げると、すっかり空は夕焼けが夜空と鬩ぎ合っていた。
「・・・やれやれ」
いつものように玄関を入ると妹が抱きついてきてまとわりつくのを引きはがす。
それから自分の部屋で着替え、夕飯を食べ、風呂に入り、明日の準備をする。
それらの「日常」のルーティンワークと、今日の午後教室から帰宅までの
出来事、非日常との乖離が気分を陰鬱なものにする。
寝る前の歯磨きのとき、鏡に映った自分の顔を見ると、眉間に皺が寄った、
困り顔になっていることが解る。そう、今日はずっとこんな顔をしていたに
違いない。
翌朝、妹による起床時の愛の洗礼よりも前に目が醒め、というよりはあまり
深く寝られずに薄い睡眠を繰り返し、レム睡眠の間にたくさんの夢を見た。
けれどそれらは目が醒めて、「日常」が開始されると同時に雲散してしまう。
と、いうことはハルヒの今の状態の手がかりになるような夢も見なかった・・・
のだろう。そしてそれはハルヒの状況に変化のないことの証明でもある気が
する。
実際、夜中に携帯へはメールも着信も無かった。
キョン「変化無し、か・・・」
谷口は・・・まだか。
キョン「よう」
国木田「ああ、キョンおはよう。昨日は大変だったね。どうだった?」
キョン「あの後・・・」
気が付くと、自分の周囲には遠慮がちな数名のクラスメートの輪が出来ている。
皆なんとなく、俺を取り巻く格好になった。
キョン「ええと、病院へ行った。いろいろ検査したみたいだが、結局まだ何も
解らないんだ。俺たち・・・SOS団のみんなも合流したんだけど、親御さんが
来るのと交替で引き上げた」
国木田「そうか・・・。じゃあ意識はまだふ・・・」
キョン「意識不!? いや、あ、ハルヒはまだ『寝ている』」
周囲がざわざわとしている。
俺はまだ何か聞きたそうで、しかし何となく俺を察してくれたのか黙った
国木田の視線を感じながら、1時間目の教科書の用意をするふりをする。
ハルヒは「意識不明」・・・そう呼ばれる状態なのか。
教室に居ると休み時間のたびに遅刻してきた谷口が何かを話しかけて来るし、
国木田はそれを察してとめようとしてくる。
俺は腫れ物か。
とにかくこの陰鬱な表情が何となく周辺に近寄りがたい空気を醸し出している
のだろう。
自分でもそれが解る、居心地が悪いので昼休みは部室へ行くことにしよう。
長門「・・・・・」
キョン「何か、その。解ったことはあるか」
長門「ない・・・
キョン「そうかすま
長門「とは言えない。かといって明確な原因・解答でもない」
キョン「どういうことだ」
長門「涼宮ハルヒは突然昏倒した。しかし外傷も見られず、脳波その他の数値
にも、生命維持器官含め臓器などにも異常は見られない」
キョン「え」
長門「今日の午前中までに病院で必要な検査はほぼ終了している」
キョン「それはどうやって」長門「データを転送した」
キョン「そうか。やはりそれは昏睡状態ってことか」
長門「そういう言い方もある」
キョン「原因は不明なんだよな」長門「そう」
いつの間にか部室の背後に人の気配がした。
古泉「・・・いわゆる意識不明という状態ですね」
キョン「おいおい驚かすな」
古泉「すみません。話し声が聞こえたのでそのまま入室しました」
古泉「さて涼宮さんには何も『症状』がありません。
寝ている、ということ以外に。つまり病気と呼ぶには余りに健康です。
しかし明らかに、普通の状態ではありません。なぜなら」
キョン「起きねえからだろ」
俺はこういう時のまわりくどい説明があまり好きではない。
古泉「そういうことです。ではその原因を推理してみましょう」
キョン「・・・聞かせてもらおうか」
二人ともいつものようにテーブルを挟んで向かい合う。ゲームは当然無しだ。
古泉「涼宮さんが突然倒れるまでの間に、何か変化はありましたか?」
キョン「そういえば、ここ数日元気が無かったと言えなくはないな」
古泉「放課後もすぐに帰られましたね」
キョン「ああ、そういえばそうだった」
古泉「しかし我々はそのことをあまり重視しませんでした」
キョン「・・・そうだった」
古泉「言うまでもありませんが、涼宮さんには特殊な能力があります」
キョン「願望実現・・・ってやつか」
古泉「そうです。まあ我々はそれを神の力に喩えていますが」
古泉「涼宮さんはここ数日元気がなく、覇気を失っていたという
あなたの報告を伺いました。その上でのこれは一つの推測ですが」
古泉「涼宮さんが今の状況を『自ら望んだ』ということは考えられませ
んか」
キョン「・・・何だって?」
古泉「目を醒ましたい、と思わないか。言い方を変えれば」
キョン「ずっと寝ていたい、と思った、と?」
古泉「そうです。同じ意味ですがね」
古泉はそこまで言うとテーブルの上に両肘をついて目を閉じてから一息
ついてこう言った。
古泉「それが願望だとしたら・・・我々はとても残念ですけれど」
ええと、何だ、ここよく解らない。いや解りやすいのか?
ここ数日ハルヒは元気が無かった、俺は「あの日か」とか、そうだ、
たまにはこんな静かな放課後もいいな、なんて呑気なことを。
古泉「・・・つまり、涼宮さんは退屈な日常に飽き飽きしていた。
その退屈な日常に、我々も含まれているんですがね」
キョン「ああ、俺たちにとっての安寧な日々はすなわちハルヒにとって」
古泉「何も起きない、退屈で仕方のない日々、ですから」
これが最後の支援になるけど帰ったら絶対読むから頑張ってくれ!
俺が命に代えても保守する
古泉「どうぞ?」
キョン「俺たちは飽きられたってことか」
古泉「だとしたら、とても残念です」
ふう、と溜息が出た。
確かに、1年の時は色々あった。自分の周囲にこいつらを含めてトンデモな
連中がいつの間にか集まっていて、朝倉に襲われて閉鎖空間でハルヒと・・・
それから孤島へも行ったな、カマドウマ事件もあっった、夏休みを死ぬほど
ループしたり長門が世界を改変しちまったり雪山事件にヴァレンタイン・・・
って俺は死ぬ前の走馬燈を見ているんじゃねえ、つーの。
キョン「でもここ一ヶ月ほどじゃないか? そこそこ平穏に、普通に」
古泉「確かに」
キョン「そんな短い間さえも日常の平凡な暮らしに絶望してしまうのかよ!」
古泉「いやそれは僕に言われても・・・」
古泉が困惑したように微笑を少し曇らせる。その愛想笑いのような顔をやめ
長門「・・・・・おでまし」
それまでじっと俺たちの会話を聞いていた長門が突然、部室の入口を指さした。
そこに立っていたのは、一人の男。そう、忘れもしない。
キョン「お前ッ!」
藤原「・・・ちょっと今回の件については解りやすかったかな」
藤原「お前のような現地人にお前呼ばわりされるのは不愉快だが、まあいい」
フンと鼻を鳴らし、口角をちょいと上げてニヤリと笑う、そう、こいつはあの
マイエンジェル朝比奈さん誘拐事件の実行犯、悪の未来人って野郎だ。
藤原「前回は手荒い真似をした分、結果も造作の悪いことになってしまった。
反省しているよ」
古泉「・・・」
長門「・・・」
キョン「てめえ、ハルヒに何をしやがった」
藤原「何も。フン、強いて言えば・・・夢を見させてやったかな」
キョン「夢だと?」
長門「・・・・理解した」
キョン「長門ッ?」
長門「今まで情報が遮断されていたため収集・分析が不可能だった。しかし
今彼がこの世界へ現出したことによって可能になった」
藤原「おやおや理解が早くて助かるね」
長門「彼らは涼宮ハルヒに『現状が退屈』『この世に探索しても不思議などな
い』という情報を繰り返し与え続けた」
キョン「どうやって!?」
古泉「・・・・睡眠中に、ですね?」
藤原「ご名答」
キョン「てめえ、ハルヒが寝てる間に睡眠学習させたってことか?」
藤原「すいみんがくしゅう?知らんなそんな幼稚な単語はフフフッ」
こいつ・・・!
たまには俺とハルヒのキャッキャウフフを読んでみたいもんだ
深く信じていた願望を繰り返し否定した」
長門「毎日が平凡で退屈で仕方がない、
涼宮ハルヒは次第にそう思うようになった」
キョン「でもなぜそれで」
古泉「平凡で変化のない退屈な毎日だけではなかったのですね」
長門「そう。いっこうに進展しない人間関係にも」
キョン「え?」
長門「あなたは稀代のフラグクラッシャー。朴念仁。唐変木。解りやすく言うと
鈍感」
キョン「・・・・・・」
長門「涼宮ハルヒは最後の望みをかけて、あなたに自分が退屈していること、
そして自分の好意になかなか気付かないことを訴えた」
キョン「でもなぜ突然授業中に昏倒するようなことで・・・」
古泉「しまった!!!!」
古泉が突然、普段のトーンからは信じられない音量で叫んだ。
キョン「なんだ?どうした!?」
考えてみれば、藤原はなぜわざわざ種明かしに現れた?
今のこの俺たちの推理を引き出すように。
そして今のんびりと空気のようにそれを黙って聞いている?
それも、ニヤニヤと薄気味悪い笑みをたたえて・・・。
キョン「そうか・・・。時間稼ぎってやつか」
藤原「はっはっは! いやーいくら知能の低いこの時代の連中でもさすがに
ここまでヒントをあげれば理解できるよなあ」
古泉「涼宮さんは睡眠中に脳の情報を操作、書き換えられていたんです」
古泉「そして昨日、授業中に最後の力を振り絞ってあなたに具合が悪いと
訴えて倒れた」
長門「その間にも情報の書き換えが進行していた」
藤原「そう。そしてたった今、終了したってわけさ、くっくっく!!!」
長門「ぬかった」
キョン「くそう、天蓋…領域…」
古泉「長門さんが今まで気付かなかったのは彼女のせいだったんですね」
SOS団の副団長にして超能力者がそう声を絞り出したと同時に、部室のドア
前、藤原の背後に突然小さな影がひょこりと顔を出した。
橘「そう、そして涼宮さんの『能力』を佐々木さんに移行させることも、
完了しちゃいました」
そう、ツインテールの超能力者、橘京子。
長門「・・・・・確認した・・・・」
キョン「ええっ? 何をだ?」
長門「涼宮ハルヒの能力は、完全に消失した。消失というより、佐々木側
への転送が完了した・・・」
キョン「何だと・・・」
古泉「完全に我々の敗北、ですか・・・」
立ち上がり、二人を睨んでいた古泉がガクリとパイプ椅子へ腰を落とした。
キョン「閉鎖空間はなぜ出来なかった? なぜ気づけなかった? なぜ」
長門「睡眠中ということと、最初は弱く夢を見させた。
徐々に強くしていくことで、涼宮ハルヒは非日常的な世界を自ら否定する
ようになっていった」
周防「―夢―現実――反復―暗示」
キョン「てめえら、ハルヒを・・・あんなにしやがって」
藤原「別に命まで取ろうって話じゃないんだ。我々も無益な殺生はしたく
はない。それに仮にも君たちが神とあがめた存在だ、それなりの敬意は払
うつもりさ」
かったのだ。
みくる「他のみんなはお昼休みね。放課後までわたしが涼宮さんの側にい
ますから・・・」
携帯のメールで古泉にその旨送信し、ハルヒの居る病棟に重い足取りで入
っていく。
受付で涼宮ハルヒの友人だと名前を告げると、すぐに通してくれた。
ナースステーションに顔を出すと、ナース姿の森さんが軽く会釈をして
立ち上がり、こちらへ向かってくる。
森「ご苦労様、朝比奈さん」
みくる「・・・こ、こんにちはっ。あの・・・すず」
森「・・・変化なしです、まだ」
みくる「そうですか・・・あの、病室へは」
森「もちろん、どうぞ」
みくるは森さんに会釈をして、ハルヒの病室のスライドドアを開けた。
ベッドはICUと同じ状態で保たれている。
自力呼吸と心臓の鼓動は自らの力で行われているが、あらゆる微細な動き
も逃さぬよう、さまざまな計器に取り囲まれていた。
みくる「涼宮さん・・・」
ハルヒ「・・・・」
みくる「・・・目を・・・覚まして・・・くすん」
ハルヒ「・・・・」
みくる「ぐすっ、すずみやさぁん・・うっ」
ハルヒ「・・・みくる・・・ちゃん?」
期待してなかったが引き込まれてる
ハルヒ「なんで・・・泣いてるの? ここ・・・」
ハルヒはそう言うと
「ふわあああぁ~!」
と大あくびをした。
みくる「涼宮さん・・・良かった、目を覚ましてくれたんですね、
よかったぁ、ほんとうに・・・わたし・・・うわあああああん!」
ハルヒ「ちょ・・・みくるちゃん、どうしたのよぉ」
ハルヒ「ど、どういうことなのよ?」
ハルヒは傍らで大泣きするみくると、自分がたくさんのコードに繋がれ
病院に居ることをなかなか理解できないでいる。
病室のドアを開けて入って来たのはナースの森さんと数名の医師。他の
ナースがどこかへ電話をかけたり、走り回る様子。
みくる「すぐキョン君たちに連絡します~!」
ハルヒ「え?ええ・・・と。私は・・・あ、教室で・・・?」
―――数日後
キョン「・・・そろそろ時間だな」
日曜の午前中、早春の鈍い陽射しを受けて街がぼんやりと光っている。
自転車を出してまたがり、ゆっくりとこぎ出す。ハルヒの自宅へ。
あれからの、部室での顛末を話そう。
で会談を持った。
それぞれ俺、長門、古泉が向かい合う形で座り、なぜか橘が茶を淹れている。
おかしな光景だよ、本当に。朝比奈さんではなく橘が茶を淹れていることも
そうだが、向かい合って座る我々の間・・・というより部室のドアを背にし
て佐々木が立っていたんだからさ。
橘「湯飲みが足りないです。本当なら客用も買っておくべきですよ」
橘はぶつくさ言いながら、自分で淹れた茶を自分ですすっている。おいその
湯飲みは俺のなんだが。
古泉「おやおや遠慮のない方ですね。緊迫感にも欠けます」
周防「――――茶―いい匂い――」
長門「……お茶請けがない…」
藤原はいつもの皮肉たっぷりの不愉快な笑顔ではなく、なぜか満面の笑みで
座っている。おい何がそんなに楽しいんだよ。
――――――
このおかしな空間を演出したのは、「種明かし」の終わった直後に部室に
現れた佐々木のひと言だった。
佐々木「おやおや、何やら不穏な雰囲気じゃないか。キョン、ここはわざわ
ざ赴いた親友のために落ち着いて話をして欲しいのだが」
キョン「さ、佐々木!これはお前の仕業なのか!?」
佐々木「まあまあ。ゆっくり話をするからまずは落ち着いてくれないかな。
久しぶりに会う僕の顔も少しは立ててくれないか」
キョン「!・・・落ち着けと言われても」
佐々木「くっくっ、それはそうだね。まあにらみ合っていても仕方ないだろ
う。涼宮さんは無事なんだし、もう『コト』は終わったのだから、お茶でも
飲もうじゃないか」
――――――
背を向けて立っている佐々木が、橘が着席したのを見て口を開いた。
佐々木「『コト』の顛末はだいたい理解して貰えたんだよね、キョン」
キョン「・・・受け入れたくはないがな」
佐々木「ふうん。まあいいよ、君のその仏頂面は理解はしたが承服しがたい
と語るには充分過ぎる。けれどもう結果は動かせないんだ、キョン」
佐々木「涼宮さんの『能力』は完全に僕のものになった」
キョン「・・・・そうなのか」
長門「・・・・そう」
周防「――そう――」
お前は黙ってろというか瞬きをせずにまっすぐ俺を見据えるな呪われそうで
怖い。
佐々木「この結果はもう事実として受け入れて欲しいものだね。覆水は盆に
は戻らない」佐々木はそう言ってチラと橘がさっき使った急須と茶器に目を
やった。
橘「戻らないのです」
うるさいお前は黙ってろまったくお前の茶をすする音が緊張感を台無しにす
るよ。
キョン「そこの藤原さんも、さぞかしご満悦ってとこか」
藤原は堪えきれなくなったという体で、ブワっと吹き出した。
藤原「ぶわっははは! いや、ははは失礼・・・。それにしてもうまく行き
過ぎて笑っちゃうよ」
長門「・・・涼宮ハルヒが覇気を失ったことは我々の油断に繋がった。
申し訳ない」
キョン「お前が謝ることはないさ、俺がハルヒのサインを見逃していたこと
が原因だ。まったく、朴念仁だよ俺は」
藤原「しかし、はっはは、いや、涼宮ハルヒはもうただの・・・」
佐々木はそれまで俺に向けていた、あの柔和で可憐な笑顔を一転させ、藤原
を一喝した。橘がズズっとすすった茶碗を口から離せずに、そのまま佐々木
の方を向く。
藤原「・・・へ?何だって?」
佐々木「涼宮さんはもう、ただの少女だと言いたいのだろう?」
藤原「そうさ、見事俺が描いた計画通り」
佐々木「僕のもとにその『力』が移動した」
藤原「そう・・って?」
佐々木「元の時代に帰り二度とこの時代、空間へ戻って来ないで欲しい」
そう言って佐々木がグイと強い表情で睨むと、その瞬間、藤原は驚愕の表情
を浮かべると共に、頭を抑えながら立ち上がった。
藤原「ぐ、ぐわっ・・・頭が! 何だ・・・どうし・・・て・・」
次の瞬間、藤原の姿が部室から消えた。
掻き消えるように、とよく言うがそんな感じではない。
テレビのスイッチを消した時のように、ブラウン管に映し出された映像が瞬
時に消えるように、藤原は、消えた。
橘は藤原の方を向いてぽかんと口を開けたままだ。右手の湯飲みからは茶が
ぽたぽたと落ちている。
それからゆっくりと俺に視線を移し、さらに佐々木へと顔を向けた。
佐々木は一転してまた天使のような微笑みを浮かべている。
佐々木「橘さん。君は僕の能力についてよく知っているはずだね。閉鎖空間
にも出入りできるのだし」
橘「・・・・へい?」
ぽかんと開いた口からマヌケな相づちが漏れる。
佐々木「君も、普通の女子高生に戻ればいいじゃない」
橘「・・・・ほ?」
それから佐々木は俺に向き直った。
詫びなければいけないね。ごめんなさい」
そう言うと、ほんの少し、頷くように俺に頭を下げて目を伏せた。
佐々木「それから古泉君、長門さんも」
古泉「・・・・ええと」
長門「・・・・・」
佐々木「僕はね、キョン。君たちが羨ましかった。いや、はっきり言うよ。
涼宮さんが羨ましかったのさ。学校でも、休日も、君たちを振り回して
好き勝手をする彼女がね」
キョン「おまえ・・・そんなことで」
佐々木「ふう。相変わらずだね、さっき自分で反省したばかりなのに。
でははっきり言おう。君のことが、好きなんだよキョン」
キョン「な、なんですとおおお!」
長門「なぜ」
橘「今まで・・・」
古泉「・・・彼は・・」
周防「―フラグ―クラッシャー―――」
佐々木「正確には、好きだった・・・かな。いや、今でも気持ちに変わり
はないよ。キョン、君が好きだ」
キョン「・・・そうだったのか佐々木」
長門「・・・(鉄筋入り)・・・」
移そうと画策していた。彼の組織もそう。朝比奈さんとは対立軸にある」
佐々木「けれどね、僕は世界を改変しうるような『神の力』を欲しいとは
思わなかった。ほんの少し前までは」
佐々木「ただ、涼宮さんの力に振り回され、彼女が神であるがゆえに翻弄
されるキョンたち・・・いやキョン、君を見ていられなくなったのさ」
キョン「・・・それはつまり・・・」
佐々木「だから彼女の力を僕に移動させ、君たちの世界を平穏なものにし
てあげようと考えたのさ。ただ、これは僕だけの思いだけどね」
橘「じゃあこの後は、その」
佐々木「そうさ、涼宮さんとキョンは普通の高校生に戻って、平穏な生活
をすればいい」
佐々木「観測が目的の長門さんは僕を観測すればいい。閉鎖空間で神人を
暴れさせるつもりはないから、橘さんや古泉君の組織も、過酷な労働から
解放される」
古泉「・・・確かに、もう超能力を使って戦闘する場も相手も無くなりま
したが・・・」
佐々木「そうだろう。くっくっ、古泉君だって高校生活を満喫したいだろ
う」
キョン「でも、ハルヒは」
佐々木「元々彼女は自分の力に気付いていなかったんだから、問題なかろ
う?それに、そろそろ」
古泉の携帯がブーと唸った。
佐々木「目を、覚ましたはずだよ」
キョン「お前、でもおまえは」
佐々木「いいじゃないか。このままたくさんの人が不幸になるより、僕一
人が思いを抱えて、この能力が悪用されないように生きていくさ。君は涼宮
さんと――」
そこまで言うと、佐々木の目からはぼろぼろと涙があふれ出した。
佐々木「うっ、ご、ごめん・・・。泣くつもりは・・・無かったんだよ。
君のことを・・・君と涼宮さんが幸せになるのを・・・明るく祝福・・・
したかった・・・の・に」
佐々木はまっすぐに俺を見据え、微笑みながら、そして泣いていた。
キョン「ささきぃい!俺のために、そんな、おまえがなぜ犠牲に!!」
俺は立ち上がって佐々木の元へ・・・
その瞬間、佐々木はゆっくりと部室のドアを・・・すり抜けた。
佐々木「さようなら、キョン。
・・・『力』を私利私欲に使うのはこれが最後・・・」
キョン「佐々木ーーー!」
俺の足はスローモーションのように歩みが遅く、佐々木がゆっくりとドア
の向こうへ消えるのをただ、見ていることしか出来なかった。誰も、立て
なかった。皆が、佐々木が部室を出るのを止められなかった。
・・・次の瞬間、呪縛から解き放たれた俺は部室のドアへ駆け寄り、廊下
に飛び出した。
・・・誰もいなかった。いた気配すら、無かった。
「佐々木ーーーー!!」俺の声だけが、ひんやりとした廊下にこだました。
自転車を漕ぎ、着いたのはハルヒの家。
実際にはたった一日「昏倒」していたハルヒは、覚醒した後の各種検査を
終えて翌日に退院し、一日大事を取って学校を休んだ。
週末の休みに入ったこの日、俺は朝からハルヒの家へ向かっていたというわ
けさ。
ハルヒの家の前に向かう道路を軽快に自転車が走る。
早春の日曜。柔らかな陽射し。角を曲がってすぐが、ハルヒの家だ。
その手前で自転車を停める。
施錠をし、鍵を外す。
そして、角を曲がる。顔を上げる。
佐々木「・・・・やあキョン。早かったね」
キョン「・・・おまえこそ」
佐々木「くっくっ、今来た、ところだよ」
佐々木「本当にいいのかい。僕を選んで」
キョン「ああ、今日はっきりあいつに告げようと思う。
ハルヒとはこれからも『親友』でいたい。それから・・・」
道路の向こう側から、三人連れが歩いてくるのが見える。
背の高い少年は柔和な笑みを浮かべて、花束を持って。
背の低い少女は満面の笑みで手を振って。
そしてもう一人の小柄な少女は、まっすぐにこちらを見つめながら。
俺は佐々木の手をギュッと握りしめて、続けた。
キョン「あいつら、SOS団の仲間ともずっと、な」
おしまい
読んでくれてありがとう、支援ありがとう。
ネタカブリとかあったらすまん、両腕がパンパンだ、腹も減った。
じゃあまた機会があったら
乙ww
できれば続き頼む
途中でハルキョンかと言われたので佐々木ENDにしたよ
>>57
ありがとう 腹が・・・じゃなくて腕がもうパンパンだ
キョンの佐々木への好意が有り得ない
明らかに二次創作で許される範囲を越えている
佐々木はハルキョンの当て馬くらいしか役目の無いキャラだろ
批判もあるのは理解している
二次創作、って時点で何でもアリとは言わないよ
ただハルキョンとかキョン長とか佐々木にしても何を許せて
何が許せないか決める権利を持ってるのは谷川先生だけじゃない。
ハルヒシリーズが原作から全て好きな上で、>>1
のリクで即興で書いてるんだし。
君も自分の望む、許すSSを書いて問えばいいと思うよ。
このひとは佐々木関係のスレに出没する名物だから
気にしなくてもいいよ。
なるほど、ありがとう。
では続けたい人がいたら続けて貰ってもおkで。
乙!
続きが気になる結末じゃないか