男「やった! ミニスカサンタの召喚に成功したぞ!!!」
ミニスカサンタ「メリークリスマス!」
男「うっひょー召喚成功だ! 本物のミニスカサンタだ! エッロっ///」
先輩「……つ、遂に成功だ。見てみろ、あの体のラインが浮き彫りとなった衣装、こんなに美しいものがかつてあっただろうか(いやない)」
男「ところで、先輩。どうして俺たちは、ミニスカサンタを召喚してたんでしたっけ?」
先輩「この阿呆め、そんなこともわからず手伝っていたのか」
先輩「男よ。普通、願望を叶えたいと思ったら何を召喚する?」
男「あ、悪魔とかですか?」
先輩「そう常人が思いつくのは、生足、生腕、最低限の布面積に尻尾、角、羽を持った悪魔だ!」
男(生足、生腕は悪魔でなくても持っているのでは……?)
先輩「だが、悪魔は願いの代償に魂を持っていく! いくら願望を叶えるためとはいえ代償が大きすぎる」
男「確かに」
先輩「しかし、世の中には願望を叶えるだけで代償を要求しない存在がいるのだ」
男「つまり、それこそが……」
男「なるほど……サンタに、プレゼントの代償は必要ない!」
先輩「しかし、サンタが来てくれるには条件がある……」
男「そ、それは?」
先輩「サンタはいい子のところにしか来ない!」
男「!?」
男「ま、まさか……先輩……」
先輩「あぁ、その通りだ……響子の日の為に俺はこの一年、良い子であり続けた。思い出してみろ……」
ほわんほわんほわ~ん
上司「おい、何帰ろうとしてるんだ。仕事は山ほどあるんだ、サービス残業していけ」
男「え、でも今日は入院している彼女のお見舞いに……」
上司「口答えするな!」
先輩「男……ここは俺に任せて行ってこい」
男「せ、先輩!」
上司「ほぅ……そういうことなら、お前には男の分と合わせて二倍分働いてもらおうか!」
先輩「ふん、そんなの俺にとっちゃご褒美だぜ」
先輩「おい、男。煙草を買ってきてくれないか?」
男「先輩、吸い過ぎですよ。節制しないとお体に障りますよ」
先輩「こう寒い日が続くとな……心まで凍てついちまうのさ」
先輩「俺が煙草を吸うのは、それを溶かすためさ」
男「それにしても、吸い過ぎっす。絶対、肺が深刻なダメージおってるっすよ」
先輩「深刻なダメージが……考えただけで絶頂してしまいそうだぜ。痛みは俺にとっちゃ喜びなのさ」
男「……先輩っ!わかりました。コンビニに走ってきます!」
先輩「これで、お前の分のコーヒーでも買ってこい」ヒグチー
男「先輩、野口はないんすか? お釣り貰ってくるのだるいっす」
先輩「馬鹿野郎。釣りは全部、募金箱に突っ込んで来い」
男「せ、先輩っ!」
男「あれは、全てこの日のために!?」
先輩「そういうことさ……さあ、男。あんまりサンタを待たせるもんじゃない。願いを言うんだ」
ミニスカサンタ「いやマジで、寒いんで。早くしてもらえます?」
男「え、でも、願い事って何個もできるんですか?」
先輩「……」
ミニスカサンタ「願いは一つだけよ。一人一つじゃないわよ。二人で一つだけ」
男「じゃ、じゃあ先輩が願い事をするべきです! この一年いい子でいたのも先輩じゃないですか!」
先輩「馬鹿野郎!」パンチ!
男「ぐあーっ! な、何故殴るんです!?」
先輩「お前が、苦しんでいることを俺が知らないとでも思っているのか? 彼女さん、大変なんだろう?」
男(不治の病で苦しんでいる俺の彼女のこと、先輩は知っていたのか……!)
先輩「俺が、何のためにサンタを召喚したと思っているんだ」
男「っ先輩……わかりました。感謝します!」
男「サンタさん、俺の彼女を健康にしてくれ。俺は彼女とクリスマスデートがしたいんだ!」
ミニスカサンタ「わかったわ。ん~~~はいっ! これで彼女さんは健康そのものよ」
ミニスカサンタ「おっと、願いは彼女とクリスマスデートがしたいだったわね」
ミニスカサンタ「ちょっと時間がかかるけど、デートに相応しい格好でココにテレポートさせてあげるわ」
男「ありがとうございます!」
ミニスカサンタ「ふふふ、さあ、次の願いはあなたの番よ」
先輩「なに? 願いは一つだけじゃなかったのか?」
ミニスカサンタ「特別サービスよ。貴方は近年まれにみる良い子だからね?」
先輩「それじゃあ……俺の願いは―――」
彼女「ここはどこ? それにいつのまに、こんなお洒落な服を……?」
男「彼女!」
彼女「え、なんで男君がいるの!?」
男「もうキミは健康なんだ、病気に苦しむことはない。さあ、クリスマスデートに行こう!」
彼女「うれしい……もしかして私、死んじゃったのかな? そしてここは天国……」
先輩「あぁ~~~~っっっ! もっと! もっと強く絞めて! そして罵って!!!」アヘアヘアヘ
ミニスカサンタ「豚の癖に、私に命令するなっ! 豚は豚らしくブヒブヒ喚きなさい!!」
先輩「あああああああああああああああ~~~~~っつっつつつ ???」
彼女「いや……やっぱり地獄だ」
メリークリスマス!