コナン「警察まで敵に回してしまった」
目暮「本日、政府からの命令で正式に決まった」
高木「そうですか……」
佐藤「となると、あの件は」
目暮「これ以上、殺人事件の増加を食い止めるには」
目暮「命令どおり毛利君たちを暗殺するしかないようだ」
千葉「そ、そんな……」
白鳥「毛利小五郎、毛利蘭、江戸川コナンの他に」
白鳥「阿笠博士、灰原哀、小嶋元太、円谷光彦、吉田歩美」
白鳥「以上、八名全員の抹殺を命じられました」
高木「コナン君の関係者を皆殺しっていうわけですね」
目暮「ああ」
目暮「その二人もすでに大阪府警に暗殺指令が下っている」
目暮「とにかく今までの毛利君たちへの情は全部捨てるんだ」
目暮「奴ら死神を皆殺しだ」
目暮「いいな?」
高木・佐藤・千葉・白鳥「はっ!」
蘭「それじゃ、お父さん。学校に行ってくるわね」
小五郎「おう」
蘭「戸締りには気を付けてよ」
小五郎「わあってるって」
蘭「ほら、行こ。コナン君」
コナン「はーい」
高木『毛利探偵事務所の前で張り込み中』
高木『たった今コナン君と蘭さんが出てきました』
高木『学校へ向かう模様です』
目暮『よし、二人を人気のない場所へ誘導して殺害しろ』
高木『はい!』
蘭「あれ、高木刑事」
コナン「こんな朝からどうしたの?」
高木「いや、この前の事件についてちょっと二人に聞きたいことがあって」
蘭「この前の事件って何の事件ですか」
高木「詳しくはあっちで話すよ」
高木「大丈夫、そんなに時間を取らせたりしませんから」
蘭「はあ」
コナン(おかしいぞ、今日の高木刑事)
コナン(いつもと違って強引というか高木刑事らしくない)
コナン(それに目も若干血走っている……)
コナン(まさか)
蘭「はい、わかりました。事件のことなら仕方ないよ、行こうコナン君」
コナン「蘭姉ちゃん、逃げて!」
蘭「えっ?」
高木「チッ」
高木「動くな! 止まれ!」
バン!! バン!!
蘭「きゃあああっ」
コナン「らああああん!」
コナン「平気? 蘭姉ちゃん」
蘭「うん、何とか。でも、どうして高木刑事が拳銃を……」
コナン「今はいいから、早く走って! 急いで!」
蘭「う、うん」
高木「しまった。逃げられたか」
高木『こちら、高木。目標に逃げられた』
高木『千葉の張り込んでいるルートへ逃走した模様』
千葉『了解。こちらで仕留める』
チラ
コナン(あの停車してる車に乗ってる人物)
コナン(千葉刑事! 待ち伏せか!)
コナン「蘭姉ちゃん。逃げる方向変えて! こっち」
蘭「え?」
千葉「気づかれた! コナン君め、逃がすか!」
ブロロ キイイイィィー
蘭「きゃああ! 歩道に車が突っ込んでくるわ!」
コナン「逃げろ! らあああああん!」
コナン「蘭姉ちゃん、早くこっち!」
蘭「はあはあ」
タッタッタッタ
千葉「くそっ!」
千葉「路地裏に逃げられた。仕方ない」
千葉「車から降りてそのまま追跡するしかない」
小学校
小林先生「あら、白鳥警部」
白鳥「お忙しいところすみません」
小林「いえいえ。本日は学校にどういったご用件で」
白鳥「もちろん、あなたに会いに来たんですよ」
小林「そ、そんな。ご冗談を」
小林「ほ、本当ですか?」
白鳥「おっといけない。お互い職務中でしたね。それはまた別の機会ということで」
白鳥「本題ですが、本日はあなたが担当しておられる1年B組の生徒たちに用があって参りました」
小林「私のクラスの生徒?」
白鳥「はい。元太君、光彦君、歩美ちゃん、哀ちゃんを今すぐこちらへ渡してくれませんか」
白鳥「はい。もう学校へ登校しているはずですよ」
小林「突然どうしてですか……?」
白鳥「あの四人を我々警察の手で始末します」
小林「えぇ! 始末!?」
白鳥「わかってください。これはもう上で決定したことなんです」
白鳥「あの探偵団たちのせいで一体、幾人の人たちが事件の犠牲になったか」
白鳥「子供とはいえ死神は死神。これ以上、生きたまま野放しにする訳にはいきません」
小林「あの子たちのためにも、できるだけ楽に死なせてあげてください」
白鳥「約束しましょう」
小林「では、今からうまく理由を話してその四人を呼んできます」
白鳥「ありがとうございます」
白鳥「実はいつも活躍してる探偵団の君たちに表彰状を送りたくてね」
光彦「本当ですか!?」
歩美「やったー!」
白鳥「できるだけ早く君たちの喜ぶ顔が見たくて、こうして学校まで来てしまったんだ」
元太「白鳥、おめえいいとこあるなー!」
白鳥「さあ、署まで送るから。僕の車に乗ってくれたまえ」
灰原「……」
光彦「表彰状、楽しみですねー」
歩美「コナン君も遅刻しなければ一緒にもらえたのに」
元太「きっと悔しがるぞ、あいつ」
白鳥「車が署に着くまで退屈だろ。丁度人数分の飲み物を買っておいたから」
白鳥「みんなで飲むといいよ」
元太・光彦・歩美「はーい」
灰原(今日の白鳥警部の行動)
灰原(一体何を企んでいるの?)
ゴツ
灰原「えっ」
灰原(シートに小瓶が転がってる? これって、まさか!)
灰原「みんな、待って! 飲んじゃダメよ!」
歩美「え?」
灰原「その飲み物全部に毒が入っているわ」
光彦「えっ! 本当ですかー!?」
白鳥「お、おいおい、そういうことは冗談でも言ってはいけないよ」
白鳥(そういえば、コナン君の他にこの子も頭がキレる方だった)
白鳥(しくじったな……)
元太「な、なんだよ。それ」
灰原「大きい方のペダルよ! 急いで!」
白鳥「お、おい、何を言ってるんだい……」
元太「なんだかしらねえけど、わかった!」
灰原「みんな、どこにつかまって!」
ガシッ
白鳥「危ないからよしなさい、う、うわああぁ!」
キイイイィィィ
光彦「急ブレーキがかかったようですね」
灰原「白鳥警部に殺されたくなければ」
灰原「すぐに車から降りて逃げるのよ」
元太「お、おう!」
ガチャ タッタッタッタッタ
白鳥「く、くそ、私としたことが……」
ピンポーン
阿笠「はーい」
阿笠「誰じゃろう。お客さんかのう」
ガチャ
佐藤「お忙しいところすみません」
阿笠「おお、佐藤刑事か。一体、わしに何か用かね」
佐藤「はい。実は阿笠さん、今日はあなたに死んでもらおうと思いまして」
阿笠「何じゃと!」
ドスッ
阿笠「うぐぉ」
阿笠「こほこほっ、い、いきなり何をするんじゃ」
阿笠「年寄りに向かって」
佐藤「言ったはずよ。あなたには死んでもらうって」
阿笠「正気か!」
佐藤「当然でしょ。はあぁ!」
ガスッ
阿笠「ぐわあぁっ!」
佐藤「次の一撃で確実に仕留めてあげる」
佐藤「悪く思わないでくださいね、阿笠さん」
阿笠「ええい……」
佐藤「てやあぁ!」
阿笠「今じゃ!」
プシュ チク
佐藤「あっ」
佐藤「……」ドサッ
阿笠「ふぅ、もし予備の麻酔銃がなかったら危ないところじゃったわい」
目暮「なにっ? コナン君と蘭君に逃げられただと!」
高木『申し訳ありません』
高木『千葉と協力して殺るつもりでしたが、まんまと』
高木『今、千葉が二人を追ってるようなので自分も合流して』
目暮「いや、二人は千葉に任せて高木君は探偵事務所の張り込みに戻ってくれ」
高木「ということは警部」
目暮「ああ、今から私が毛利君に引導を渡す」
高木『了解しました』
目暮「くそっ」
目暮「白鳥君の方も皆逃げられたと言うし、佐藤は一向に連絡がつかん」
目暮「ええい、敵に回すとなんて厄介な連中なんだ」
目暮「せめて毛利君だけでも始末しなければな
コンコン
目暮「おい、毛利君。いるかね」
目暮「目暮だ」
目暮「ちょっと話があるんだが、入れてくれんか」
目暮「……」
目暮「留守か。いや、そんなはずは」
目暮「お、おお、毛利君。今戻ったところか。事務所にいたのではないんだな」
小五郎「ええ。さっきまで一階の喫茶ポアロにいたんですよー」
目暮「そうだったのか。遅めの朝食といったところかね」
小五郎「いえいえ。ちょっと妻に電話を、と」
目暮「英理さんにか? 珍しいな。何の用事だったんだね」
小五郎「いやなに。警察に殺されたくなければ、急いで遠くに逃げろってね、ナハハ」
目暮「も、毛利君……」
目暮「おいおい、一体君は何を言っているんだね」
小五郎「警部殿、下手な芝居はやめにしましょうや」
目暮「……」
目暮「いつから気づいてたのかね……」
小五郎「なぁに。前々から薄々感づいてはいたんですが」
小五郎「警部殿がアポなしで事務所にやって来たところを見て確信しました」
小五郎「職業柄、殺意には敏感なんでね」
目暮「そうか」
バン!! バン!! バン!!
小五郎「はっ、よっ、はっ!」
バン!! バン!! バン!!
小五郎「なんのっ」
目暮「ええいっ、全弾よけるとは。往生際が悪いぞ、毛利君」
目暮「もはや君は全警察を敵に回しているんだ」
目暮「もう逃げ場なんてない。大人しく、ここで死ぬんだ」
小五郎「いくら警部殿の頼みでもそれは聞けませんな」
目暮「これは政府の決定事項なんだ」
目暮「君は探偵なんかじゃない、単なる死神に過ぎん」
目暮「君自身もいい加減わかっているだろう」
目暮「君がいるだけで一人また一人、殺人事件の犠牲になるんだ」
目暮「いわば君たちの存在そのものがみんなの迷惑だ」
目暮「だから警察官の一員としてこれ以上、君を生かしておく訳にいかんのだよ」
小五郎「やれやれ、警部殿も落ちぶれたもんですな」
小五郎「政府だの警察だの、そんなのが行動原理で」
小五郎「一つの組織に縛られてるだけのしょうもない人間になり下がってしまったとは」
目暮「黙れ」
目暮「これまで君のせいで死んでいった被害者たちの苦しみを」
目暮「君自身が今ここで味わうんだ」
パン!! パン!!
小五郎「くっ!」
高木「はい!」
小五郎「高木、お前もか」
高木「毛利さん、死んでください!」
バン!! バン!! バン!!
小五郎「どこを撃ってる、高木。こっちだ、おらあああ!」
高木「え、う、うわああぁぁ!!」
ドシンッ
小五郎「簡単に距離を詰められて相手に一本背負いを食らわされるなんて」
小五郎「まだまだだな」
小五郎「では警部殿。失礼します」
目暮「何をやっとるんだ、高木!」
目暮「逃げられてしまったぞ」
高木「す、すみません」
目暮「発令されて標的をまだ一人も始末できんとは!」
コナン「もしもし、服部か」
平次『おう、工藤。安心したで、まだ生きておったか』
コナン「あたり前だ。お前の方は大丈夫なのか?」
コナン「電話の向こうで銃声みたいな音が鳴ってるみたいだが」
平次『ああ、たった今和葉連れて、警察の親父と大滝ハンら相手に』
平次『警察から何とかパクったハジキつこうて銃撃戦の真っ最中や』
『バン!! バン!! バン!!』
平蔵『平次、ええかげん観念せえや!』
大滝『へいちゃん、なぶり殺しされとうなかったらはよ出てきー』
怖すぎる
平次『警察なんぞの肩書き優先して息子に手をあげるような』
平次『ボケナス親父の言うことなんぞ誰がきくか、ドアホ!』
和葉『平次、大丈夫なん……』
平次『安心せい。俺がなんとかしてやるさかい』
平次『せやから絶対俺のそば離れるんやないぞ』
和葉『う、うん』
平次『そういう訳や、工藤。交戦が厳しゅうなってきおったから』
平次『一旦、電話切るで』
コナン「ああ、死ぬなよ」
平次『あったりまえやろ。お前も気ぃつけるんやで、工藤』
ブツ
コナン「思った以上にヤベーことになってそうだな」
蘭「コナン君」
コナン「あ、蘭姉ちゃん。見張りありがとう。何か変わったことは?」
蘭「ううん。どうやらまだ誰にも見つかってないみないみたい」
コナン「そっか」
蘭「今の電話、服部君?」
コナン「う、うん」
コナン「べ、別になんともないってさ」
コナン「和葉姉ちゃんも元気だって言ってたよ」
蘭「そう、よかった」
千葉「見つけたぞ、二人とも」
コナン「千葉刑事!」
バン!! バン!!
蘭「やめてください、千葉刑事!」
千葉「聞かない方が身のためだよ」
千葉「僕だって本当はこんなことしたくない」
バン!! バン!!
蘭「きゃっ!」
コナン「今まで色々協力してあげてきたのに随分じゃない?」
千葉「こんなときにも減らず口なんて相変わらず生意気だね、コナン君!」
バン!! バン!!
コナン「言ってわからないなら」
コナン「このキック力増強シューズで千葉刑事の脳天ぶっとばしてやる!」
キュイイン
コナン「ふっとべー!」
ガス ゴオオォォォ
千葉「うぐああぁ! しまった、拳銃が」
千葉「うわっ?」
ドス ドス ガス ボカ
千葉「うぐ、あが、がはっ!」
千葉「や、やられた……」
千葉「……」
蘭「ハァハァ、ごめんなさい、千葉刑事」
コナン「千葉刑事に見つかったとなると」
コナン「ここも安全じゃないみたいだよ」
コナン「急いで別の場所に移ろう」
蘭「ええ」
目暮「そうはいかんよ」
コナン「くそっ、今度は目暮警部か!」
目暮「少しやり方を変えることにしたよ」
パン!! ピュル…
蘭「いたっ」
コナン「蘭!」
目暮「蘭君を人質に取ればさすがの毛利君もじっとしてはいられんだろう」
目暮「なぁに、すばしっこいコナン君の相手はあとでゆっくりしてあげるよ」
目暮「さあ、蘭君。パトカーに乗ってもらおうか」
目暮「さもなくば……」
ジャキ
蘭「た、助けて……」
蘭「しんいちいいいいいいいいぃぃ!!」
コナン「らあああああああああああああぁぁん!!」
バン!!
おわり
「SS」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (18)
-
- 2020年09月13日 09:37
- 先ずは原作者を殺るべきだろ
-
- 2020年09月13日 09:41
- 続くんかい
-
- 2020年09月13日 10:23
- いや流石に悪いのは犯人やろ(マジレス)
環境関係なくな。
-
- 2020年09月13日 10:44
- 逆に考えるんだ
「コナン達がいるからこの程度の件数で済んでいる」と……!
-
- 2020年09月13日 10:50
- これがすでに劇場版じゃないんですかね…
-
- 2020年09月13日 10:52
- でも外出先でコナンを見つけたら真っ先に逃げるよな?
-
- 2020年09月13日 11:11
- >>6
コナン「妙だな、あのお兄さん動きが不自然すぎるぞ。追ってみるか」スケボーキュイーン
-
- 2020年09月13日 14:43
- おっちゃんチートすぎるだろw
-
- 2020年09月13日 16:41
- いうて、目暮警部達も死神扱いに十分ではないか?
-
- 2020年09月13日 18:39
- これだけキレる政府なら戦力も把握できてるだろうから、逆にコナンたちを米花町に閉じ込めて犠牲者を米花町民のみに限定させるでしょ。抹殺なんてやろうものならコナン経由で赤井秀一(安室透は公安だから逆に敵対する可能性あり)、蘭経由で鈴木財閥と園子繋がりで京極真が敵に回るぞ
-
- 2020年09月13日 23:20
- 小林先生の理解が超速すぎる
-
- 2020年09月14日 12:19
- これ前にもまとめられてた(もしかしたら別サイトかもそれんが)けど、書き手が続編を書いたから再掲ってわけじゃないんか
-
- 2020年09月14日 14:44
- 江戸川コナンと金田一一はマジでこの世から消すべき
こいつらは何か殺人事件を誘発させる妙な因子を持ってるとしか思えん
うっかりこいつらと同席したら被害者として命を散らすか、何故か殺人衝動に駆られて犯人になるかの運命しか見えん
-
- 2020年09月14日 17:33
- ※9
警部たちは事が起こってからしか登場出来ないから…
例外はあるし数も少なくはないけど飲み込めよ…
-
- 2020年09月14日 17:54
- こいつらと敵対するだけで
FBiと公安局が関わってきそうなのヤバいな
-
- 2020年09月15日 10:19
- 面白ったよ
マジキチ要素がなくコメディ風味のシリアスって
-
- 2020年09月16日 19:10
- 広げすぎた風呂敷を畳みきれなかったから
-
- 2020年09月22日 05:40
- 米花町の殺人件数はホンジュラスを周回遅れにするほどだからね。仕方ないね。
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