283P「歯医者のタオルってエ口くないですか?」
前半は台本形式で、後半一部地の文アリです。
全年齢です。
シャニP(以下P)「いえ、大丈夫です」
はづき「そうですか~。でも言ってる内容は大丈夫じゃないですからね~?」
はづき「う~ん……書類しながらでいいなら聞きますよ~」
P「はづきさんは優しいなぁ……」
はづき「もちろんです~。たしか、親知らずを抜きに行ったんでしたっけ~?」
P「そうです。当日歯医者さんに歯を見て貰って、ついでだから歯石も除去しとこうって話になったんですよ」
P「その時に、こんなタオルを顔にかけられまして……(スマホを差し出す)」
P「で、このタオルなんですけど」
はづき「はい~」
P「なんでしょう、はづきさん」
はづき「ドン引きです」
P「はい…………」
P「そうでしょうか。口だけ見えてるの、すごくエ口いと思いませんか?」
はづき「ちょっと何言ってるかわからないです~」
はづき「それは確かにそうですね~」
P「タオルによって顔の他の部分を隠して口だけを露出した状態になると、そのセクシャルさがぐっと強調されるんです。露出度の少ない服を着た状態で見える太もものチラリズムに通じるものがありますよね」
P「はい」
P「はい…………」
P「そう、ですね。確かに好きです」
はづき「じゃあこの際聞いちゃいますけど~、どのアイドルのお口がお気に入りなんですか~?」
P「え、いやっ、それはさすがに……」
P「ん、んんっ……それでも……ほら、みんな同じくらい可愛いですから……」
はづき「ん~……それじゃあ、そのタオルを使ってもらうとしたら、どの子がいいですか~?」
P「……そうですね、それなら――」
P「そこで始まる『抜き打ち歯磨きチェック』。朝から事務所に来た甜花は焦ります。そういえば今日は自分一人でレッスン……寝坊しそうになって慌てて電車に乗った……どうせ事務所の人しか見ないんだし、と朝の準備も手を抜いたかもしれない……それなら当然歯磨きも……? 心の中で不安を募らせる甜花。しかしチェックを拒否すればやましいことがあると言っているのと同じ。甜花は観念して平静を装いながら口を開けます。そして下された判決は、残念ながらアウトでした」
P「その判決を下した俺はこう言います――『自分じゃ上手くやれないんだろ。よかったら俺が磨いてやろうか』。甜花は悩みます、確かに今日は慌てて歯磨きをしたせいでチェックに引っかかってしまった、例えば甘奈が時間をかけてやってくれていたらもっと綺麗に磨けていただろう……だけど男のプロデューサーさんに顔と口の中を間近で見られて磨かれるのは……悶々と悩み続ける甜花に、俺はカバンを漁りながらこう切り出すわけです――『見られるのが恥ずかしいなら、こういうタオルがあるんだけど』、と」バサッ
はづき「なんで持って来てるんですか~?」
はづき「なるほど~」
はづき「そうですね~」
はづき「すごいです~」
はづき「アイドルの育成も、プロデューサーさんの大事なお仕事ですからね~」
はづき「本日のログインボーナスはこちらです~」
はづき「プロデューサーさん」
P「はい」
P「はい(開き直り)」
P「うーん……言われてみればそうなのかもしれません。歯医者のタオルは《目隠し》と《口》、両方の要素を併せ持ちますから……♠」
はづき「へえ~……それなら、プロデューサーさんは――」
P「っ!!」
はづき「……………………」
P「……………………」
P「…………………………………………はい」
P「いっつもアイマスクをして、仰向けで床に寝転んで……時々、疲れてるからか、ほんのちょっと口が開いていて」
P「乾いた口が気になったのか、もにょもにょ動かしたり……」
P「楽しい夢を見てるのか、小さく笑ったり……」
P「その柔らかそうな唇が、動くたびに」
P「色っぽいなあって、思って、いました…………」
P「…………」
はづき「……プロデューサーさん~」
P「………………っ、はい」
P「はづきさんは優しいなぁ……」
P「あ……すみません。仕事こっちに寄越してください、俺のせいですし」
はづき「それじゃあ、お言葉に甘えて~……わたしはちょっと、仮眠を取りますね~」
P「どうぞどうぞ、ごゆっくり」
P「えっ……」
はづき「困りましたね~……わたし、アイマスクがないと眠れないんですよ~」
はづき「誰か、アイマスクの代わりになるものを持ってる人居ませんかね~……?」
P「!」
P「…………」
はづき「わあ~、助かります~」
P「それじゃあどうぞ、使ってくだ――」
はづき「ん~……」
P「っ――」
「……本当に、床で寝るんですか?」
こんな暴露話をはづきさんに振ったのは、今日ははづきさんと自分以外誰も来ないと分かっているからだ。それなのにはづきさんは、わざわざソファではなく床で仮眠を取りたいという。
「こっちの方が慣れてますから~」
朗らかに笑うはづきさん。……普段の彼女の生活が心配になる。
「それじゃあタオル、お願いできますか~?」
「は、はい」
お腹の上で手を組んで目を閉じるはづきさん。その顔の上にタオルをかけるとなると……なんだか、遺体みたいだ。これが普通の四角いタオルだったら、不謹慎すぎて笑っていたかもしれない。
指三本くらいは優に入りそうな穴が口元に合うように、そっとはづきさんの顔に置く。さっきはあんな妄想をしていたけれど、実際に女性の顔にタオルをかけるのは……背徳感というか、妙な緊張を覚えた。
そうやって悶々としていると、あっという間にはづきさんの顔がタオルに覆われ、口だけを覗かせる。
「っ……!!」
例えるなら、果物の一番甘い部分だけを食べて残りを捨てるような……極上の贅沢。言い知れぬ高揚感が、タオルをかけ終えた俺の指先を震わせる。
実際に目にしたタオル越しの唇はあまりにも――ただひたすらに魅力的で、目が離せない。
「んっ……」
じっと見つめていると、はづきさんの口が呼吸を求めて小さく花開いた。
(う、わ……っ)
思わず生唾を呑む。
艶めかしく蠢く唇。
甘い香りを感じさせるほどに柔らかそうな舌先。
タオルによってこれでもかと強調された、はづきさんの口という器官――その存在の何もかもが愛おしく、どこまでも妖艶だった。
理想を遥かに超えた現実が、そこにあった。
唇を尖らせるはづきさん。ああ、けれど、その桃色の突端の、なんと柔らかそうな事だろうか。見ているだけで人肌の温度が伝わってくるようだった。
「……すみません」
上の空だった。はづきさんの言った内容が頭に入ってこなくて、なんとなく責められている気がしたから謝った。それだけだった。
「も~……」
はづきさんは、ちょっと怒ったような声を出して……それから。
「――あ~ん……♡」
その声は、まるでセイレーンの誘い。男の正気を奪う魔性の歌声。前頭葉がじりり、と紅く焦げ付いて目の前がぼやける。
――触れたい。
胸の奥から生まれたその衝動が脳に届くより早く、俺の指ははづきさんの唇に触れていた。
俺の親指に押されて、ふに、と形を歪める唇。ささくれ立った指と繊細な唇の、絶妙なミスマッチが繰り広げる天上のセッション。柔らかさと36.5℃の体温が脳の全てを駆け巡り、桃色の足跡を残していく。
想像以上、いや、現実以上? 快楽中枢を直接刺激する、麻薬のような喜び。快感。夢よりも夢のよう。
もっと触れたい。この口の、全部が欲しい。
「んっ、ぃぁ、あぅ、っ、ひっ、ひぉっと、まっへくらはいっ……♡」
唇と歯茎の間に男の指を四本突っ込まれて、はづきさんの口は不格好に広げられている。そんな口さえも愛らしい、けれどそれよりも、もっと――ただ、官能的。胸や尻とも違う、身体のナカの熱、湿り気、脈動。引き込まれるように、惹きつけられるように、火傷しそうな愛撫へとのめり込んでいく。
はづきさんの感触を、はづきさん自身よりも深く知りつくしたい。
その欲望を満たすには、ただ、もっと奥へと踏み入る以外になかった。
そう言うはづきさんの手にぎゅっと力がこもる。黒タイツに包まれた足が恥ずかし気に擦れ合う。けれど、俺の手を遮る事も、口を閉じる事もしなくて。
やめ時が見つからない。こんなに柔らかい口なのに、まるで逆棘が付いているかのように逃げられない。
俺ははづきさんの舌の上で指を滑らせ、喉の奥までまっすぐに迷い込んだ。
「んっく、かふ……っ」
はづきさんが小さく咳き込む。その時の軟口蓋の動きが、喉から漏れる空気が、身体のわずかな震えが……指先に全部伝わる。俺がはづきさんを押さえ込んでるのか、はづきさんが俺を飲み込もうとしているのか……もうわからない。
もっと、もっと――はづきさんの心の奥まで、見たい。不道徳な衝動が、心臓を痛いほどに鼓動させる。
間違っても怪我をさせないように細心の注意を払って、はづきさんのナカを指で擦り上げていく。
ぬるり、じゅぷ、じゅぷっ――意識がトびそうになるほどの熱量を持った水音。
「あっ、んむっ、やっ、ら、め……っ」
はづきさんの手が、自分の制服をクシャクシャにした。スカートから伸びる足は、溺れてるみたいに無意味なバタ足を繰り返す。
「ん、ぷっ! うっ、やらっ、ひっ、や、ぁ……っ」
そして――
「んっ、ふ……うぅぅ~~~~っ……♡」
はづきさんは何かが満ちたように身体を仰け反らせ、掠れた声を上げた。
それを見て俺も、ずるり、と指を引き抜く。淫猥な体液の糸が、数秒間だけ未練がましく俺たちの間を繋いだ。
タオルを剥ぎ取る。一瞬だけ呆けた顔を晒したはづきさんは、慌てて自分の顔を覆った。
「あっ、待っ――はっ、はっ、ふっ、ふぅ……なん、ですか~……?」
「……キスしても、いいですか」
「ふぅ、ふぅ~っ……も~、そんなの、わざわざ聞かないでください……」
曖昧な答えだった。けれどはづきさんは目を覆ったままこっちに顔を傾けて、控えめに唇を差し出してきた。
(……まあ、いいか)
これはこれでエ口いし。
はづきさんの腕にのしかかるようにして、その柔らかな唇に、自分の唇で触れた。
柔らかくて温かいその感触は、重力から解き放たれたように頭をふわふわさせる。
その多幸感は、程良い固さのムースが舌の上で蕩けていく時と似ていて。
ああ、たしかに――口づけは、甘いのだと知った。
P「……立てますか?」
はづき「……無理です~。わたし本当に寝ますから、邪魔しないでくださいね~?」
P「わかってますよ」
はづき「ならよかったです~。ふわぁ~……では、おやすみなさい~」
P「はい、おやすみなさい」
P&はづき「「………………」」
P&はづき「「……………………」」
P「…………今日、仕事終わったら……続き、しませんか」
はづき「……………………」
P「……………………」
P「!」
P「…………」
P「……………………」
P「………………………………頑張ります」
はづき「…………ふふ~♪」
【モバマスSS】志乃「Pさん、本当はお酒苦手なんでしょう?」
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コメント一覧 (22)
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- 2020年06月27日 09:26
- 読みにくい
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- 2020年06月27日 09:31
- デレマスssでよくあるネタをそのまんまシャニに置き換えてやってる感じ
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- 2020年06月27日 22:04
- >>2
所詮は後追いしか出来ない敗北者じゃけぇ!
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- 2020年06月27日 10:36
- ドン引きです~
-
- 2020年06月27日 11:24
- これはこれで好き
-
- 2020年06月27日 12:35
- ※2
そうだよな
デレでアイマスクが印象的なアイドルでやれって感じだよな
-
- 2020年06月27日 20:32
- >>5
そんなのいたっけか
検索したけどぴにゃこら太しかヒットしなかったわ
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- 2020年06月27日 22:03
- >>11
デレにはアイマスクが特徴的なアイドルはいないからシャニじゃなきゃ出来ないっていう皮肉じゃない?
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- 2020年06月30日 00:35
- >>13
デレステでなら一応相葉ちゃんがアイマスクのイメージあるかな(ぴにゃアイマスク)
それはさておき※2の言いたいことも分かるけど「〇〇でやる必要なくね?」的な感想は飽くまで個人の感想でしかないからなぁ
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- 2020年06月27日 15:35
- 素晴らしい文章力によって紡がれる生々しいフェチシズム
最高でした
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- 2020年06月27日 15:37
- ロクに読んでもいないのに読みにくいと難癖をつける…読書してないんだろうな
技巧を感じさせる、とても読みやすい文章だったよ
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- 2020年06月27日 16:47
- 言われてみればグローリーホールやんけ
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- 2020年06月27日 18:55
- いやどうみたって読みやすくはないやろ
技巧(笑)だかなんだか知らんがそもそもおもんないという
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- 2020年06月27日 20:51
- >>9
前半は上手くギャグを取り入れつつ面白さを出し後半でエロに傾くこの構成をおもんくないとかいう陳腐な一言で否定するのはなぁ
幅広い表現と地の文があるssは総じて読みづらいとか思ってそう
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- 2020年06月27日 19:37
- これ前半だけ読んでるのと最後まで読んでるかで感想わかれてるんじゃない?
前半は読みにくいけど後半はそんなことなかったし
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- 2020年06月28日 03:08
- 本編はよかったんだけどそれ以上に米欄が愉快
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- 2020年06月28日 04:08
- 読みにくさは感じなかったなー
えっちだとは思ったけど
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- 2020年06月28日 12:34
- 誰だ収容所から解放したのは
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- 2020年06月29日 01:36
- えっちでよかった
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- 2020年06月30日 00:41
- 読みにくさ云々言ってるのは多分tnkちゃんやらmmmに対して触れている早口で言ってそうな台詞のことを言ってるんでしょ?
そこを読みにくいって言ってるのは間違っていないけど、この場合は読みにくいことは必ずしもマイナス点にはならないから的外れではある
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- 2020年06月30日 12:46
- 果穂に見せられる内容にしろ。
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- 2020年08月29日 16:17
- >>21
まず果穂にSSを見せるな、まだ早い