鬼上司「おい!ワイ!!」 ワイ「は、はい」
ワイ「あ、あと少しです……!」
鬼上司「3分はそんなに短い時間か?」
ワイ「…………(汗)」
鬼上司「お前は何秒息を止めていられる?」
ビニール袋ガバー!
ワイ「!?うぐぐぐぐ……!!!!」
鬼上司「この前の奴は5分もったぞ?」
ワイ「うぐぐぐぐ………!!!!!す、ずみまぜ…!!。、」
鬼上司「なに?聞こえないぞ」
ワイ「…ず、ずびばぜん……!!!!うぐぐ!」
鬼上司「よし、俺は優しいんだ。チャンスをやろう」
ワイ「プハッッッ!!ゲホーー!ゲホゲホ!」
鬼上司「あと2分やる、それまでに持ってこい、いいな」
ワイ「ハアッハアッ…!」
ワイ「ううぅ………涙」
ワイ「………涙」
女先輩「上司さん、酷い事するわね……!」
ワイ「い、いいんです、ワイが無能なのが悪いんです…」
女先輩「わたしも手伝うよ」
ワイ「先輩……」
女先輩「何の仕事を頼まれたの?」
ワイ「あ、はい、このマグカップに上司さんのコーヒーを注いで持っていく仕事です…」
ワイ「す、すみません…(汗)ワイ…ダメな奴だから、こんな簡単な仕事も時間がかかってしまって…本当にすみません…!」
女先輩「いいのよ、人にはそれぞれのペースがあるの」
コーヒーコポコポ……
ワイ「…………」
女先輩「ワイ君は…人よりほんの少しだけ、のんびりしてるだけなの、ただそれだけの事よ。」
ワイ「そうですかね…」
女先輩「はい、コーヒー。あとは持っていくだけよ、熱いから気を付けてね」
ワイ「あ、ありがとうございます…」
女先輩「元気だしてね!それじゃわたし行くね」
ワイ「…………」
ワイ(先輩…優しいな…ワイの大好きな人………………。)
ワイ「あちっ!!?」
ガシャン、バリン
ワイ「あ、後輩くん…」
後輩くん「仕事できるし、美人だし、俺好きになりそうっすよ」
ワイ「…そ、そう、後輩くんはモテそうだからデートに誘ってみたらOKしてもらえるんじゃないかな?」
ワイ(ワイは何を言っているんだ…)
後輩くん「ところでコーヒー大丈夫っすか?」
ワイ「まずい!!もう時間がない…!上司さんにブチ殺される…!!(泣)」
ワイ「缶コーヒー!そうか、その手があったんだ!」
後輩くん「ホットだからコップに注いで持っていくだけっすよ」
ワイ「すまない後輩くん!金払うよ!」
後輩くん「いいっすよ、お金なんて。急いだ方がいいんじゃないっすか?」
ワイ「すまない…………」ダダダ…!
後輩くん(…自分より駄目な人間がいるとホント安心するよなー)
自宅
ワイ「ただいまー…」
妹「……………」
ワイ「よ、よう。ただいま」
妹「誰が話しかけて良いと言った」
ワイ「え、その…」
妹「しゃべるな、口を閉じてろ」
ワイ「……………」
母「あ?あんたの分はないよ!どっか外で食ってきな」
ワイ「そ、そんな!なんでいつもワイだけ…!」
母「お前がいると飯が不味くなるんだよ!早くうせな!またビール瓶で頭カチ割られてーか!」
ワイ「わあああああああああ!!」
ワイ「ううう…………涙」
女先輩「あれ?ワイくん」
ワイ「せ、先輩……!」
女先輩「また泣いてるのー?」
ワイ「いや、目にゴミが入ってしまって」
女先輩「何かあった?」
ワイ「………………」
ワイ「す、すみません…おごってもらっちゃって」
女先輩「気にしなくていいよ、どんどん食べな」
ワイ「…すみません……」
女先輩「謝らなくていいってば」
ワイ「どうして先輩は…ワイに優しくしてくれるんですか…?」
女先輩「だってワイくん、なんかほっとけないんだもん」
ワイ「すみません………」
女先輩「ほらまたぁ!」
ワイ「はい……ワイの家庭は壊れかけていて…いつかワイは母に殺されると思っています」
女先輩「一人暮らししないの?」
ワイ「一人で生きていく自身がありません…本当は地元を出たいけど、そんな勇気もないんです」
女先輩「……………」
ワイ「ワイ、おかしいですかね?」
女先輩「おかしくはないけど……なんだか悲しい」
ワイ「…………………」
後輩くん「あれ?ワイ先輩と女先輩じゃないか?なんで二人で飯食べてるんだよ」
後輩くん「……なんかムカツクな」
会社のトイレ
ワイ「いたたた…!神経性の下痢が…」
鬼上司「おい、みんな!誰かウ○コしてるぜー!ww」
ワイ「!!!」
専務「マジかよくっせーwwwww」
社長「会社でクソしてんじゃねーよww家でしてこいwwwww」
バケツ水バシャーー!
鬼上司「はははははーwwwww」
専務「ダセーwwww」
社長「行こうぜーww」
ワイ「………………。」 ポタ……ポタ……
ワイ「……………涙」
後輩くん「また上司さんにやられたんすね…」
鬼上司「うーっす、全員いるなーさっさと仕事にかかれコノヤロ~」
女先輩「上司さん!ワイくんをイジメるのやめてもらえませんか!」
鬼上司「なんだ?オメーあいつに気があんのか?」
女先輩「幼稚な事を言うのはやめてください」
後輩くん「…………」
鬼上司「オレはあいつを人と思ってない(笑)」
女先輩「……!」
ワイ「先輩…もういいですから、慣れてますから…」
女先輩「何言ってんの!」
女先輩「………!」
鬼上司「ゴミ共が!」
スタスタ…バタン!
ワイ「…ワイは大丈夫ですから、女先輩がクビになったらワイは悲しいです」
女先輩「でも!」
ワイ「ワイは本当に大丈夫ですから」
女先輩「でも、悔しい…………!(涙)」
後輩くん「……………………。」
ワイ「はあ……………」
後輩くん「ワイ先輩、ちょっといいっすか」
ワイ「後輩くん、どうしたの?」
後輩くん「女先輩にあまり近付かないでほしいんですよ」
ワイ「えっ…………どうして」
後輩くん「このままだと女先輩が本当にクビになっちゃうじゃないですか!」
後輩くん「クビで済めばいいですけど……鬼上司さん何をするかわかりませんよ」
ワイ「確かに………」
後輩くん「それに…実を言うと、オレ女先輩と最近付き合い始めたんですよね」
ワイ「えっ!!!?」
後輩くん「何回かデートして、最近付き合い始めました」
ワイ「そうだったんだ……………」
ワイ(知らなかった…………。)
後輩くん「だから、お願いします、もう近寄らないでくださいね」
バタン……
ワイ「…………………」
ワイ「……………………」
ワイ「辞めようかな」
鬼上司「最近会社の商品を横領してる畜生がいるそうだ!見つけ次第、俺に報告しろ!いいな!」
女先輩「そんなバカな事する人がいるんだね~サイテーよね、ねえワイくん?」
ワイ「………………」スッ
女先輩「………?」
女先輩「どうしたんだろ……」
女先輩「ワイくんー!みんなで食堂で食べない?今日はワイくんの好きなハンバーグ定食だってよ~」
ワイ「ワイはいいです」サササー!
女先輩「なんなのよ」
後輩くん「どうしたんすか?」ニヤニヤ
女先輩「別に………」
同僚「おつかれー」
後輩くん「女先輩まだ帰らないんですか?」
女先輩「うん、これを終わらせちゃいたいの。先に帰っていいよ」
後輩くん「…じゃあお先っすー」
倉庫
後輩くん「よし、誰もいないな………」キョロキョロ
後輩くん「今日もヤフオクで売りさばくぜーwwwwww」会社の商品紙袋につめこみー
ワイ「ん?」
後輩くん「????」
後輩くん「いや、その………ワイ先輩こそ………」
ワイ「ああ、ぼっち飯する場所がなかったから、倉庫で食べてたんだけど、いつの間にか眠っちゃったみたいだ」
後輩くん「……………………(汗)」
ワイ「後輩くん…それは…会社の商品では………?」
後輩くん「(汗)(汗)(汗)(汗)」
後輩くん「……………黙っててくれませんか」
ワイ「君みたいな真面目な人がどうしてこんな事を…」
後輩くん「そういうのやめてください……これが俺の本性なんです。心底、腐ってるんです………」
ワイ「……………はえー」
ワイ「!!!」
後輩くん「!!!」
鬼上司「こ、これは!会社の商品!!!」
後輩くん「あ、あの……その~…」
ガタガタガタガタガタガタ……!!
鬼上司「………テメーらが犯人だったのか~!覚悟はいいな?」ビキビキ
ワイ「いや、ワイは…その…(汗)」
後輩くん「わああああああ!!勘弁してください!」
ワイ「待ってください!!!」
鬼上司「なんだ?」
ワイ「ち、違うんですよ……!」
鬼上司「あ?」
ワイ「後輩くんは関係ありません、ワ、ワイが一人で………や、やりました………」
後輩くん「…………!?」
ガヤガヤ……
女先輩「なんか騒がしいわね」
同僚「横領犯がつかまったってよ!」
同僚「犯人はワイだってさ」
女先輩「へ~…………」
女先輩「ええ?!!??」
会社
ワイ「荷物をまとめないとな…………」
女先輩「ワイくん」
ワイ「せ、先輩!」
女先輩「クビになったんだって?」
ワイ「は、はい…なんとか腕は切り落とされずにすみました…はは…」
女先輩「……………」
女先輩「うん」
ワイ「その…色々とありがとうございました…どうかお元気で…」
女先輩「もう会うことはないと思うけど…最後にこれ受け取ってくれる?」
女先輩「怒りのパンチ!!」
ドゴォ!!!!!
ワイ「ぐぅおおおぉぉ………!!」
ドサッ………
女先輩「横領だなんて、あなた最低!大嫌いだから!!」
タタタタ……!
ワイ「……………………」
ワイ「…………これでいい……」
オス
ワイ「母さん、じゃあワイ…行くから……」
母「さっさと失せな」
ワイ「………お世話になりました」
母「あんたみたいなダメ人間が家を出て一人でやっていけると思ってんのかい?どっかで野垂れ死にするのがオチだよ」
ワイ「……ワイは生きてみせる」
母「…………」
ワイ「さようなら………」
バタン……
母「ワロタ」
後輩くん「ワイ先輩……」
ワイ「やあ後輩くん、どうしたの?今日は仕事だろ?」
後輩くん「なんで俺をかばったんすか?」
後輩くん「なんだよそれ」
ワイ「後輩くんは女先輩とお幸せに!」
後輩くん「嘘だよそんな話」
ワイ「え?」
ワイ「…………」
後輩くん「すみませんでした……」
後輩くん「あんなのうわべだよ」
ワイ「わかってる」
後輩「www」
ワイ「www」
ボロアパート
ワイ「さて!ハロワ行くか!」
ワイ「あれ?ハロワってどこだっけ?」
ピンポンピンポンピンポン!
ワイ「はい?」
ガチャ
ワイ「あ、どうも初めまして…」
さとる「今夜パーティー開くから来てくれよな!」
ワイ「え!いいんですか?」
さとる「ああ!近所付き合いは大切だからな!」
ワイ「ありがとうございます!何人ぐらい集まるんですか?」
さとる「僕と君だけさ」
ワイ「え?」
さとる「じゃあ23時ね~~?」
バタン
ワイ「……………」
ピンポンピンポンピンポン
ワイ「ま、まだ何か…?」
ガチャ
女先輩「お久しぶり………です。」
ワイ「女先輩?!な、なにしに来たんですか?!」
女先輩「そんな言い方ないでしょ、探すの結構苦労したんだから」
ワイ「……………」
女先輩「仕事サボっちゃった」
ワイ「…………それは」
女先輩「ワイくんの事…つい最低、大嫌いって言っちゃったけど…あれ嘘だから!」
ワイ「そうですか…」
女先輩「ごめんね」
ワイ「……………」
女先輩「それだけ言いたかった」
女先輩「うん」
ワイ「仕事までサボって…」
女先輩「うん」
ワイ「先輩バカですね」
女先輩「うん(笑)」
ワイ「…………………」
ワイ「……………バカはワイか……(涙)」
ワイ
女先輩
後輩くん
母
社長
専務
妹
同僚1
同僚2
同僚3
さとる
鬼上司
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
完
「SS」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (10)
-
- 2020年05月18日 01:33
- 映画化不可避
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- 2020年05月18日 01:45
- これからさとるの情婦になって女先輩にビデオレターを送る第二部が始まるんだろう?
-
- 2020年05月18日 03:24
- ?
-
- 2020年05月18日 03:41
- ワイとか言ってる奴いじめられて当然なんだよなぁ
-
- 2020年06月05日 18:12
- >>4
なんやて!?
-
- 2020年05月18日 05:38
- さとる……
-
- 2020年05月18日 06:04
- 鬼上司はどうやって腕を切り落とそうとしたんだろうか
刃渡り8cm以上の刃物を所持していたならば銃刀法違反だと思うけど
あと社長が会社のトイレでう●こするなってトイレの存在意義を全否定してるよね
-
- 2020年05月18日 09:56
- 登場人物全員女とはたまげたなあ
-
- 2020年05月18日 12:18
- さとるぅ!
-
- 2020年07月05日 10:27
- その後…鬼上司は何者かに殺害され、会社は崩壊した…調べによれば…鬼上司を殺した犯人は俺的ゲーム速報の管理人、jinだった事が発覚し、jinは逮捕された。