夫「妻が……浮気してるですってぇ!?」探偵「浮き輪です」
夫「時折、不審な外出をしてる妻は……いったい何をしていたんですか!?」
探偵「奥さんは……」
夫「……」ゴクッ
探偵「浮き輪をしていました」
夫「妻が……浮気してるですってぇ!?」
探偵「浮き輪です」
探偵「浮き輪です」
夫「つまり……浮き輪と浮気していたと?」
探偵「落ち着いて下さい」
探偵「奥さんはあなたに内緒で、市民プールに通っておりました」
夫「そして……プールと浮気……」
探偵「落ち着け」
探偵「プールに通って……そこで浮き輪をしていたんです」
探偵「さぁ……ダイエットでしょうか」
夫「バカな! 妻のプロポーションは抜群だ! ダイエットする必要などない!」
探偵「たしかに、よく引き締まった体をしておられる」
探偵「私としては、もう少しぽっちゃりしてる方が好みですが」
夫「ハァ? ぽっちゃり? ほっそりしてる方がいいに決まってんだろうがァ!」
探偵「ここは譲らん!!!」
夫「うぐ……!」
夫「はい……」
探偵「だったら今度、一緒に奥さんを尾行しませんか」
夫「ええっ!?」
夫「しかし……それじゃ、まるで妻を信用してないみたいで……」
探偵「私を雇ってる時点でアウトですよ」
夫「分かりました……私も調査に加わります」
探偵「奥さんが出かけましたね。さあ、我々もついていきましょう」
夫「尾行なんて初めてで……緊張するなぁ」
探偵「尾行のコツは、気配を殺すことです」
夫「死ねっ! 気配っ!」
探偵「静かにして下さい」
探偵「ほら、市民プールに入っていきます」
探偵「我々も入りましょう」
夫「男二人でこういうとこ入るって……誤解されないかなぁ……」
探偵「変なこと言わないで下さい」
妻「!」ザブン
妻「もいっちょ」バシャバシャ
探偵「ほら、浮き輪をつけて、一生懸命泳いでます」
夫「本当だ……。しかし、どうして……」
探偵「それにしても何度もひっくり返って……まるでドーナツの化け物に犯されているようだ」
夫「嫌な喩え方しないで欲しい」
探偵「泳ぎがはかどらないので、今度はクラムボンになりきり始めましたよ」
夫「うっ……! 忌まわしい記憶が……!」
探偵「どうしました?」
夫「小学校の頃、クラムボンは何なのかで友達と口論になって、思い切りブン殴ったことを思い出して……」
探偵「少年の日の思い出ですね」
妻「あ……どうも!」
インストラクター「さあ、今日も張り切って練習しましょう」
妻「はいっ!」
夫「!」
探偵「このプールには、インストラクターもいるようですね」
夫「や、やっぱり……浮気じゃないかぁ!」
探偵「声が大きいですよ、落ち着いて」
妻「はい!」
インストラクター「全身の力を抜いて……バタ足して」
妻「……」バシャバシャ
インストラクター「そう、バターのように……バッタのように……バッターのように……」
探偵「なかなか個性的な教え方ですね」
夫「あの野郎、妻の手を握りやがって……!」
探偵「旦那さん!?」
夫「俺は……あのインストラクターを殺します!」
探偵「落ち着いて下さい!」
夫「探偵さん、あなたはこれから起こる殺人事件を名推理で解決してみせて下さい!」
探偵「できれば起こる前に解決したい!」
インストラクター(殺気……!)
妻「どうしました?」
インストラクター「少しの間、一人で泳いでいて下さい」
妻「はい、分かりました」
夫(ゲ、こっち来やがった!)
夫「な……なぜ分かった!?」
インストラクター「奥さんがいつも話して下さる外見的特徴と完全に一致してるので」
夫「嬉しいけど、俺ってそんなに個性的な外見だったのかって不安にもなる……」
探偵「旦那さんがここにいる理由は察しがつくでしょう」
探偵「できれば、事情を説明して頂けないでしょうか?」
インストラクター「分かりました」
夫「俺のため? どういうことです?」
インストラクター「旦那さんの実家は海の近くにあるそうですね」
夫「ええ、そうですが」
インストラクター「実家に帰ると、決まってひと泳ぎするそうですが、泳げない奥さんはいつも付き合えなかった」
インストラクター「それがずっと歯がゆかったそうです」
夫「あ……!」
夫『よーし、ちょっくら泳いでくるか!』
妻『私は砂浜にいるね』
妻『お願いします、今度の夏までに泳げるようになりたいんです!』
妻『そして、夫を驚かせたいんです!』
インストラクター『お引き受けしましょう』
インストラクター「――と依頼されましてね」
夫「そういうことだったのか……」
夫「はい……まさか、泳げないことをそこまで気にしてたとは……」
インストラクター「それと、奥さんの不貞を心配なされてるようですが……ご安心を」
インストラクター「私、ゲイですから!」
夫&探偵(このカミングアウトは別になくてもよかったなぁ……)
夫「お帰り」
夫(プールに行ってることは知らないフリしないと……)
妻「すぐ晩ご飯の支度するわね」
夫「浮き……」
妻「え?」
夫「! う、ウキウキするなー! どんなご飯か楽しみだなー! お昼休みはウキウキウォッチンッ!」
妻「なにそれ」クスッ
夫「おっ、まるで浮き輪みた……」
妻「え?」
夫「ウッキー! ウッキッキー! イカのモノマネ! ウキキキキ……!」
妻「アハハ、それ猿でしょ」
夫(夏までの数ヶ月、知らないフリするの大変そうだ……)
――――
――
夫「さて、海でひと泳ぎするか!」
妻「今日は私も付き合う!」
妻「私ね……実は泳げるようになったの!」
夫(知ってた……けど)
夫「えぇーっ!? 泳げるようになったのかい!?」
妻「なんでそんなマスオさんみたいなの」
夫「ハ、ハハ……驚きすぎてついね」
妻「やったぁ! 内緒でプールに通ってたかいがあったわ!」
夫「うん、だけど安全なところで泳ぐようにな!」
妻「分かってるー!」スイスイ
夫(妻は浮気をしてなかったし、浮き輪も必要なくなった。本当によかった……!)
―おわり―
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コメント一覧 (12)
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- 2020年05月12日 04:53
- 「よーし浮き輪を浮気と勘違いするSS書いたろw」って思うのは自由だけど
そのネタを無駄に広げるな
所詮は一発ネタでしか使えない程度のネタなんだよ
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- 2020年05月12日 11:43
- >>2
そこまで貶すなら素晴らしい作品を発表しろよ大作家様
ss自体は変に捻ってなくて良かったよ
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- 2020年05月12日 21:02
- >>4
そんなこと言うとまーた作者認定するコピペを2週間くらい貼る発狂行動とるぞ
パターン一緒の行動しか取れないガ/イ/ジに構うな
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- 2020年05月12日 06:54
- ぽっちゃりもいい!
ぽっっちょりもいい!!
でっぷりもスゴクイイ!!!!
って嫁さんの体重に合わせて好みを変えてったら
今はデブ専になった俺wwwwwww
嫁さん愛してるぞ!!!!!
さぁ帰宅すっかw
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- 2020年05月13日 15:25
- >>3
それデブ専じゃなくて嫁専なんじゃね
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- 2020年05月12日 11:44
- まさに山なし・落ちなし・意味なし
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- 2020年05月12日 12:22
- の、脳が治りました先生!
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- 2020年05月12日 17:15
- 夫がポンコツ過ぎやしないかwww
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- 2020年05月13日 00:35
- なんかかわいいSSだな
こういうのもいいよね
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- 2020年05月13日 02:14
- スレタイありきで話を考えたっぽい割にはよく膨らませたほうだと思う
少年の日の思い出ですねって返し結構すき
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- 2020年05月13日 07:39
- タイトルの時点でかなり低レベルなのに
その後はタイトルより更につまらない文章が延々と続いていく
無難に終わらせたこと以外に評価点がない
ぽっちゃりっていうかむちむち派だ