彡(゚)(゚)「異世界転移した」
彡(゚)(゚)「すき家にチー牛食べに行こうと歩いとったらトラックに轢かれ、異世界に転移してもうた」
彡(゚)(゚)「転生やなくて転移ってのがミソやな」
彡(゚)(゚)「ワイはワイのまま、異世界に来てもうた。スキルも加護もなんもあらへん」
彡(゚)(゚)「ついでに転移先は地下ダンジョンでした」
グルル…… ギャー!ギャー!
グギアアアア!!
彡(゚)(゚)「………」
彡(゚)(゚)「………詰んだ」
彡(゚)(゚)「アカンアカンアカン!どないすんねんコレ!」
彡(゚)(゚)「慌てて隅っこ隠れたけど、こんなん嗅覚鋭いモンスターでもおったら食われてまう!」
彡(゚)(゚)「普通チート能力かなんかあるんちゃうんか!そうやなくとも現代スキルが通用する村とかに転移するんちゃうんか!」
彡(゚)(゚)「なろう作家を全力でバカにしとったバチが当たった……最悪や……」
コツン
彡(゚)(゚)「ヒッ!な、なんか今、足に当たったような……」
彡(゚)(゚)「! た、宝箱や!!しめた!!」
彡(゚)(゚)「この中に起死回生のアイテムがあるはずや!!」ガチャ
ミミック「キシャアアアアアア!!!」ガバァ
彡(゚)(゚)「ってミミックやんけ!!アカン死んだ!」
ズバン!!
ミミック「ギャアアアアア!?」ドサッ
彡(゚)(゚)「へ、へ……?」
女騎士「無事か?」
彡(゚)(゚)「に、人間か!?助かった……」
女騎士「……貴様、人間か?」チャキ
彡(゚)(゚)「待て待て待て待て!人間や人間!アイムヒューマン!」
女騎士「……丸腰の人間が何故ここに?」
彡(゚)(゚)「ワイが知りたいわ!ワイは元々べつの世界におってやな」
女騎士「ああ、なんだそういうことか」スッ
彡(゚)(゚)「お?なんやエラいすんなりと……」
女騎士「ジッとしてろ、ちょっと濡らすぞ」キュポ
彡(゚)(゚)「へ?なんやその瓶……あbbbbbbbb!?ちょ、やめ!かけんな!何すんねん!!」ビシャビシャ
女騎士「1度ダンジョンを抜けるぞ、リレミト!」
ヒュン!
村
彡(゚)(゚)「ファッ!?なんや!?」
女騎士「ダンジョンを脱出した。すまないな、君たち転移者は病原菌まみれなので服ごと消毒させてもらった」
彡(゚)(゚)「誰が病原菌まみれや!失礼な!」
女騎士「お前はアマゾンの奥地の集落でタンクトップで暮らせるか?」
彡(゚)(゚)「へ?……いや、たぶん何かしら病気になるな」
女騎士「そういうことだ。今の聖水で君の世界の雑菌は消毒したし、一時的だが君はこちらの雑菌にも耐性を得た」
彡(゚)(゚)「あ、ああそう……せやけど、事前に一言くれてもええんちゃう?」
女騎士「すまないが後ろから動く石像が忍び寄っていた。ペシャンコになるよりマシだろう?」
彡(゚)(゚)「はえー、まったく気づかなかった」
女騎士「……しかし、明るいところで見れば見るほど人間離れしてるな」
彡(゚)(゚)「あんま触れんとってや。ワイはそーゆーもんなんや」
女騎士「ふむ、なるほど」
彡(゚)(゚)「あ、意外と柔軟なんやな」
女騎士「ホビットとかエルフみたいなものだろう?」
彡(゚)(゚)「いやまあ、うーん」
女騎士「では元の世界に戻る方法を探そう」
彡(゚)(゚)「ちょ、待て待て。そんなあっさりと」
女騎士「?」
彡(゚)(゚)「あんな?ワイ元の世界やと散々やってん。せやからこっちで一山狙いたいなあ、なんて」
女騎士「じゃあお前はペニシリンでも作れるのか?」
彡(゚)(゚)「ぺに……?ああ、なんやそういう?そら女騎士言うたらコレよなあ」ボロン
女騎士「おい何を出している殺すぞ」チャキ
彡(゚)(゚)「ず、すびばぜん、ペニシリンってだんでづが?」ボロボロ
女騎士「分からないのか?そしたらえーと、お前は芸術的な風呂場とか作れるのか?」
彡(゚)(゚)「イヤそういうのはちょっと……ちょい待ち。さっきからえらい具体的やな?」
女騎士「君みたいにこっちの世界に残りたいって者は多くてね」
彡(゚)(゚)「ファッ!?ワイがはじめてやないんか!?」
女騎士「最近だと2ヶ月に1回は現れるな」
彡(゚)(゚)「」
女騎士「それで、さっきみたいな呪文を唱えると大体諦めて帰るんだ」
彡(゚)(゚)「そ、その呪文ってのは誰が……?」
女騎士「言っても分からないだろう。さ、早くしよう。今日はこの後野球観戦の予定でね」
彡(゚)(゚)「ファッ!?野球あんのけ!?」
女騎士「うん?野球を知ってるのか?」
彡(゚)(゚)「そらもうワイと言えば野球や!頼む!その野球観戦、ワイも連れてってクレメンス!!」
女騎士「そ、そんなにか。あまり周知されているものではないと思っていたが」
球場
彡(゚)(゚)「はえー、この世界にまるで地方球場のような施設があったなんてなあ」
女騎士「この球技は数年前から少しずつ浸透してきてな。今はいくつかのチームでリーグ戦を行っている」
彡(゚)(゚)「ええやんええやん!せや!ワイはこの世界で球界人として名を残せばええんや!」
女騎士「お、両チーム整列だ」
彡(゚)(゚)「……あのー、もしかして、魔物とかベンチ入りしてます?」
女騎士「ああ、4番ピッチャーのギガンテスは当代一の選手だ。速球は200キロを超える」
彡(゚)(゚)「詰んだ」
女騎士「なに、人間側も負けてないぞ。1番セカンド カンダタの塁間タイムは2秒6。昨シーズンの盗塁王だ」
彡(゚)(゚)「とてもやないけど中学の部活でベンチやったワイが入れるレベルやない……」
女騎士「そう落ち込むな。ほら、せっかく来たんだからビールの一杯も飲んでいけ」
彡(゚)(゚)「炭酸はおろかビールまであんのかい。ますますワイごときが一山当てられる世界やないな」
女騎士「最初からそう言ってるだろう」グビグビ
彡(゚)(゚)「世の中そんなに甘くないわな。……しかし誰が野球をこの世界に持ち込んだんやろか……」グビグビ
ウグイス嬢「7番 ショート 二岡」
彡(゚)(゚)「ブッ!?」ブシャアア
女騎士「ひゃっ!?ど、どうした急に!」
彡(゚)(゚)「どうしたもこうしたも二岡おるやんけ!」
女騎士「知り合いか?」
彡(゚)(゚)「知り合いっちゅーかこっちの世界じゃ有名選手や!」
女騎士「……? 誰かと勘違いしてないか?彼の本名はガライ。二岡は登録名だ」
彡(゚)(゚)「へ?……そーいや顔が全然日本人ちゃうな」
女騎士「にほん?」
彡(゚)(゚)「ああ、すまん。気にせんでや……」
彡(゚)(゚)「ところでアイツなんで二岡なんて登録名にしたんや?」
女騎士「どうもこのチームのスポンサーが提案したみたいでな。由来は本人もよく分かってないが気に入ってるらしい」
彡(゚)(゚)「スポンサー……?待てよ?さっきの呪文といい、二岡チョイスといい、なんか共通点が……」
???「気づいたようだな」
彡(゚)(゚)「お、お前は!」
( ´∀`)「そう、私だモナ」
彡(゚)(゚)「モナーやんけ!なんでこんな所におんねん!!」
( ´∀`)「オマエモナー」
彡(゚)(゚)「やかましい!!」
女騎士「モナーさん、知り合いですか?」
( ´∀`)「同種族みたいなものかな」
彡(゚)(゚)「ま、まあ、そう、か?」
女騎士「……失礼ながら、まったく違うように見えるのですが」
( ´∀`)「同じ世界の住人と考えてくれればいいモナ」
彡(゚)(゚)「そうか、お前が野球をこの世界に持ち込んだんやな?」
( ´∀`)「その通り。山本モナは私の由来のひとつとされてるからね」
彡(゚)(゚)「由来のひとつ?……ああ、ンゴ、みたいなもんか」
( ´∀`)「それもネットスラング?」
彡(゚)(゚)「まあな。そもそもなんでお前がこんなとこおんねん」
( ´∀`)「……気づいてないモナ?」
彡(゚)(゚)「なにが?」
( ´∀`)「ここは時代から取り残された者たちの世界。ネットのあの世、とでも言うべきか」
彡(゚)(゚)「ファッ!?」
( ´∀`)「向こうの山を8つ越えればSOS団の世界、そっちの大海を越えれば桜ヶ丘高校の世界モナ」
彡(゚)(゚)「そ、そんなものが……」
( ´∀`)「学園都市と見滝原市も出現すると思ったが、ヤツら意外としぶといモナ」
彡(゚)(゚)「方や三期、方やアプリにパチスロやからな。せやけど、ドラクエは時代に取り残されてないやろ」
( ´∀`)「いいや、ここはドラクエとは似て非なる世界、まおゆうの世界だモナ」
彡(゚)(゚)「な、なるほど」
( ´∀`)「次はこちらの質問モナ。最近、2次元3次元を問わずに様々な人間がこちらに来るが、いったいネットで何が流行ってるんだい?」
( ´∀`)「なるほど、異世界転生。俺TUEEEEEEEE系が日の目を浴びる日がくるとは」
彡(゚)(゚)「なんJおんJじゃおもくそバカにされとるけどな」
( ´∀`)「恐らく『転生』というキーワードのせいでこちらに来る者が多いのだね」
彡(゚)(゚)「ほんでもこっちに来たヤツはこっちの世界で楽しく暮らせばええんやないか?」
( ´∀`)「ムリムリ。こっちとそっち、それに3次元じゃ世界の構成分子が違うから。ウイルスまみれになってネットの海に消えるモナ」
彡(゚)(゚)「はえー、そうなんか?それでこの世界にないアマゾンの奥地なんてワードを出させたんやな?」
( ´∀`)「そういうこと。それでも残りたいってヤツがいたから、じゃあお前に仁先生やテルマエ口マエみたいなことできんのかと小一時間」
彡(゚)(゚)「そういや仁もテルマエ口マエも2000年代やな」
( ´∀`)「私の全盛期モナ」
女騎士(さっきから全然話に入れない……)
彡(゚)(゚)「なるほどなぁ、やっと理解できたわ」
( ´∀`)「それで、ここに来たということは、オマエも時代に取り残されたのかい?」
彡(゚)(゚)「んな訳ないやろ!ワイは今が全盛期や!」
( ´∀`)「なるほど、じゃあそろそろ……」
ピカー
彡(゚)(゚)「な、なんや!?身体が光りおった!」
( ´∀`)「元の世界への転移が始まったモナ」
女騎士「良かったな、これで元の世界に帰れるぞ」
彡(゚)(゚)「そ、そうなんか!」
( ´∀`)「古参の顔文字やAAの連中によろしく言っといてモナ。こっちはこっちで楽しいぞ、って」
彡(゚)(゚)「……分かった。達者でな」
( ´∀`)「オマエモナー」
……ちゃん………兄ちゃん……
彡(゚)(゚)「……ん、んん………?」
(´・ω・`)「あ、やっと起きた」
彡(゚)(゚)「……しょぼん?」
(´・ω・`)「え?」
彡(゚)(゚)「あ、いや、スマン原ちゃん。えーとワイどないしたんやっけ?」
(´・ω・`)「いつも通り死んだんだけど、遺影抜けしてもずーっと寝てたよ」
彡(゚)(゚)「あー、そうやったんか……」
(´・ω・`)「いつもはピンピンして脱糞するのに珍しいね」
彡(゚)(゚)「そんなこともあるやろ。……それに、死んだら死んだで面白そうやで」
(´・ω・`)「? どういうこと?」
彡(゚)(゚)「なんでもないわ。とりあえず、ワイらはこの世界で精一杯生きてこうや」
(´・ω・`)「さっきからどうしたの?キモいんだけど」
彡(゚)(゚)「シバき回すぞ原カスコラボケ」
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コメント一覧 (8)
-
- 2020年04月14日 11:51
- 八頭身のモナーはキモイ
-
- 2020年04月14日 12:01
- 30代には感慨深い内容だった
ギコ猫とかオニギリとか流行ったなぁ…
-
- 2020年04月14日 12:06
- はやくなんjも消滅しねぇかなぁ
-
- 2020年04月14日 12:33
- あ、今2020年代か......
-
- 2020年04月14日 12:51
- 転移と転生の区別付いてるだけで許せるわ
-
- 2020年04月14日 15:54
- たぶんこの世界のギコ猫はマスコットやってるんやろなぁ
-
- 2020年04月14日 23:59
- 結構面白かった
-
- 2020年04月15日 00:38
- 意外と設定が練られてるのがええやね
ただコレお盆の時期にやった方がええんちゃう?