毒使い「今日はお前に最強の毒を教えてやろう」弟子「お願いします!」
弟子(今日も師匠は研究に余念がないな……)
毒使い「弟子よ」
弟子「は、はいっ!」
毒使い「お前も俺のもとに来て、もう半年になる」
毒使い「今日はお前に最強の毒を教えてやろう」
弟子「ホントですか!?」
毒使い「ついてくるがいい」
弟子「はいっ! お願いします!」
弟子「ここは……」
毒使い「フグ料理屋だ」
弟子(そうかなるほど、やはり最強の毒はフグ毒ということか……)
毒使い「入るぞ」
弟子「はい」
毒使い「フグさし」
店員「かしこまりました」
毒使い「フグなんて久しぶりに食べるからワクワクするよ」
弟子「ボクは初めて食べます!」
毒使い「そうだったか。なら、じっくり味わうがいい」
弟子(食べながら、フグ毒について教えてくれるのかな……?)
毒使い「おおっ、透き通ってる……!」
弟子「キレイですね~!」
毒使い「いただきます」パクッ
弟子「いただきます」パクッ
毒使い「どうだ?」
弟子「とてもおいしいです!」モグモグ
毒使い「どうだった?」
弟子「本当においしかったです……! ありがとうございました、師匠!」
毒使い「それはよかった」
毒使い「じゃあ、次行くか」
弟子「は、はい!」
弟子(あれ……フグ毒は……?)
毒使い「次はここだ」
弟子(工場か……)
弟子(化学薬品を扱う工場なら、劇薬も数多く取り扱ってるはず)
弟子(その中に最強の毒があるということか! 勉強させて頂きます!)
毒使い「こんにちは」
弟子「はじめまして!」
工場長「今日は、こちらのパン作りの工程をご覧いただきます」
毒使い「よろしくお願いします」
弟子「え……パン?」
工場長「それではまず、生地作りから……」
工場長「このように、パンはベルトコンベアで流されていき、次々に焼かれていくわけです」
毒使い「おお~……オーブンから焼き立てのパンがどんどん出てくる」
弟子「すごいですね」
弟子(すごいけど、毒要素がまるでない……!)
毒使い「これはどうも」パクッ
弟子「いただきます」モグッ
毒使い「おぉ~、うまい! 外はサクサク、中はフワフワ!」
弟子「ホントですね!」
毒使い「おかわりいただけますか?」
工場長「それはちょっと……」
毒使い「お次はここだ」
弟子「ミニ動物園ですか」
毒使い「ここには小さな生き物が大勢いるんだ。直にふれ合うこともできる」
弟子(毒ヘビだとか、毒のある生き物を教えてくれるのだろうか?)
毒使い「可愛い~!」
犬「ワン!」フリフリ
毒使い「おう、よしよし」
犬「ワンワン!」
毒使い「お手!」
犬「ワン!」サッ
毒使い「賢い~!」
弟子「……」
毒使い「猫可愛い~!」
ハムスター「……」カラカラカラ
毒使い「ハムスター可愛い~!」
ウサギ「……」ピョンピョン
毒使い「ウサギ可愛い~!」
弟子「……」
弟子「……そうですね」
毒使い「ん? お前、動物嫌いだった?」
弟子「いえ、そんなわけではないですけど」
毒使い「そうか。じゃあ、川に行こう!」
弟子(川……!)
弟子(汚れた川には猛毒が垂れ流されてる、だとかそういうことかな?)
弟子「……ええ、とっても」
毒使い「だろ? 子供の頃はここでよく遊んだもんさ」
毒使い「メダカが泳いでる! そーっと覗いてみるか!」
毒使い「ととっ、滑る!」バッシャーンッ
弟子「なにやってんですか、師匠……」
博士「おう、よく来たな!」
毒使い「お久しぶりです」
弟子「こんにちは」
毒使い「この博士は、古くからの知り合いでな。さまざまな研究や発明に取り組んでいるんだ」
弟子(ということは、新しい猛毒の開発をしてるのだろうか?)
弟子(いや、さすがにここまでくると、いい加減ボクも学習してきた)
弟子(きっと――)
毒使い「これはすごい! ものすごく遠くにある物も簡単に取れる!」
博士「ただし、欠点があってな」
毒使い「欠点?」
博士「まず、50メートルも伸びるからメチャクチャ重い! あと距離も調整できんのじゃ!」
毒使い「なるほど!」
弟子「……」
毒使い「はい?」
博士「そちらの若い子がものすごい顔をしとるんじゃが……」
毒使い「気にしないで下さい。日頃からこんな顔なんで」
博士「だったらよいのだが」
弟子「……」ジロー…
弟子「……」
毒使い「どうした?」
弟子「いえ……別に……」
毒使い「なんだよ、奥歯に物でも挟まってるのか」
弟子「……」
毒使い「お前もしかして、俺がなかなか最強の毒を教えないことを不満に思ってるんじゃないか?」
弟子「……」
毒使い「どうなんだ?」
弟子「……その通りです」
弟子「いえませんよ……」
毒使い「なんで?」
弟子「だって……弟子が師匠に意見するなんて、もってのほかですから」
毒使い「だけど、言わなきゃ伝わらないこともあるじゃないか」
弟子「ですけど……なかなか言えませんよ、やっぱり……」
弟子「師弟関係に限らず、世の中そういうものですし……」
毒使い「そう、それだよ! それなんだよ!」
弟子「え?」
毒使い「言いたいことも言えないこんな世の中、だ」
― 完 ―
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コメント一覧 (20)
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- 2020年04月02日 20:27
- こんな展開ファンタスティック
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- 2020年04月02日 20:33
- 以下ポイズン禁止
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- 2020年04月02日 20:39
- 最強の毒って酸素なんじゃないの?
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- 2021年12月15日 12:17
- >>3
卑怯とは言うまいね
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- 2020年04月02日 20:39
- え、つまんな。
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- 2020年04月02日 20:42
- 60点が合格ラインだったら50点といったところ
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- 2020年04月02日 21:15
- 弟子「それなら言いたいこと言ってやりますよ、このダメ師匠!」
毒使い「その毒舌は効くなあ」
というオチはどうだろうか
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- 2020年04月02日 21:25
- それは20点ぐらいかな
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- 2020年04月02日 21:38
- 目にも止まらぬ高速と数多のフェイントから繰り出されるクソみたいな一撃
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- 2020年04月02日 21:57
- 反町隆史…
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- 2020年04月02日 22:08
- 松嶋菜々子…
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- 2020年04月02日 22:59
- 最強の毒はポケモソのどくどくだぞ!
なんたって10ターン経ったら百パーセント相手は死ぬんだからなぁ!
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- 2020年04月02日 23:38
- しょうもないけど評価はしたい
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- 2020年04月02日 23:48
- ???「さて、君たちはこの世で最も強い毒が何かを知っているかね」ぐにゃあああああ
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- 2020年04月03日 00:23
- このSSは目の毒だったよ
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- 2020年04月03日 00:25
- 最初は諸星大二郎の漫画みたいな展開かと予想しとった。
こういう発想もあんのね。
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- 2020年04月03日 00:36
- 俺は俺を騙すことなく生きていく
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- 2020年04月03日 03:55
- 上手いこと言おうとして完全に失敗してるヤツ
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- 2020年04月03日 13:37
- ※2 はえーよw
だけど知らない世代にはクソオブクソなssだな、これ
知っててもまぁ、うん。それね。って感じだけど
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- 2020年04月05日 10:35
- ぽいぞん♪