【モバマス】工藤忍「待ってるから」
忍「はい、どうぞ」
P「お邪魔しまー」
忍「薫ちゃんじゃないんだから。ほら、ちょっとそこで待ってて。タオル持ってくるよ」
P「ん、助かる」
P「...ふぇ、ぶぇっくしょい!」
忍「あーほら早く拭いて拭いて!風邪引いちゃうよ!」
P「かたじけない...」ズビッ
P「いいのか?先に入って」
忍「いいも何も、暖まらなきゃ風邪引いちゃうでしょ?ほら、体拭いたら入ってきなって」
P「じゃあ遠慮なく...」ズズッ
―――――
カポーン
P「ふぃー...っとぉ」ザバッ
P「あ"~あったけぇ...染みるわぁ」バシャッ
忍『Pさーん、着替え置いとくよ?』
P「おーありがとうな。...って、着替えあったの?」
P「おーそうか...北条さんには感謝しないとな」
忍『...いろいろと、ね』ボソッ
P「ん?何か言った?」
忍『な、何でもない!ごゆっくり!』バタンッ
P「...何だったんだ...まぁいいか」
―――――
P「いいお湯でしたよっと」
忍「はーい。軽くご飯作ったから食べてね。ほんと軽くだけど」
P「おー...ありがとう、忍」
忍「どうせ何も食べてないんでしょ?ほら、食べて食べて」
P「鍋...いいな」
忍「Pさん、ここに置いてあるやつ持ってって?」
P「はいはい。よっ...と」カチャ
忍「はいはいどいてどいて。鍋通りまーす」
P「よし、じゃあ火つけるぞ」カチッ
P「いいなぁ生姜。ポン酢と合わせると最強だよ最強」
忍「わかる。冬の鍋と相性最高だよね」
―――――
グツグツグツグツ...
忍「ハフッ...そういえばさ」
P「なんだ?」
忍「Pさん、この後泊まってくでしょ?」
P「ブフッ」
忍「Pさん!?あーもう、ほらティッシュ!」
P「ゴホッゴホッ...あーありがてぇ...喉と心に染みる...」
忍「冗談言う余裕はあるんだね。で、どうするつもりなの?」
P「どうするって、電車乗って家に...」
忍「この嵐の中で?」
P「ぐっ」
忍「はぁ...嵐で電車が止まって帰れなくなって、事務所に泊まるわけにもいかないからウチに来たんでしょ?」
P「むぅ」
忍「今日は泊まってってよ。遠慮せずに、ね?」
P「...お言葉に甘えさせてもらいます」
忍「ん、よろしい。じゃあお鍋食べちゃおうか。ハフッ...んー!ポン酢と生姜やっぱりいいよねぇ」
P「ハフッ...うーむ旨い。ゆず胡椒も案外いけるな...」
―――――
忍「...」カチャカチャ
P「鍋通るぞ」
忍「ありがと。そこ置いといて」
P「よっ...と」ゴトッ
P「洗い物手伝おうか?」
忍「いや、大丈夫。じゃあ...林檎剥いてくれない?野菜室に入ってるから」
P「了解。一個でいいか?」
忍「うん。お願い」
P「えーと...これか」ガタッ
忍「包丁はこれ使ってね」コトッ
P「了解了解」
P「うーん...俺が林檎剥いてる間に、風呂入ってこればいいんじゃないか?」
忍「でもそれだと...」
P「いいからいいから」
忍「...じゃあ、お言葉に甘えて」
―――――
カポーン
忍「...」
忍(...)
忍「っあぁ~...」
忍(やっちゃった!遂に!Pさんを家に泊めちゃった!)
忍(今まで家に入れたことはあったけど、泊めるのは初だもんなぁ...)
忍(お風呂に入れちゃって、ご飯もいっしょに食べちゃって...)
忍「あー...」ブクブクブク...
忍「加蓮ちゃんにアドバイス貰ったアレ、できるかな...」
―――――
忍「お待たせ」ホクホク
P「はいはい、林檎剥いといたぞ」
忍「ありがとう、Pさん」
P「ご飯作ってくれたし、これくらいはな。泊めてもくれるんだし」
忍「泊めっ...」
P「どうした?」
忍「い、いやなんでもない!」
P「お、おぉ、そうか...?」
忍「ん...おいしい」シャリッ
忍「それでいて安いから、こっちでもよく見る。林檎のお菓子なんかは青森産のことが多いよね」シャリッ
P「だよなぁ。あかりには悪いけど、関東で林檎といったら青森のイメージだしなぁ」シャクシャク
忍「あかりちゃんも頑張ってるみたいなんだけどね。だんだん人気も安定してきたみたいだし」シャリッ
P「そうだな。徐々にテレビやラジオなんかの露出も増えてきた。ここからが正念場だよ」モグモグ
忍「そのうちいっしょに仕事することも増えてくるのかなぁ」モグッ
忍「へぇー!楽しみだなぁ」シャクッ
P「まだ計画だけどな。実現すれば、フリルドスクエアとあかりの絡みも増えてくるだろうさ」
忍「あきらちゃんとかりあむさんとも増えてくるのかなぁ」シャク
P「その辺はまだ分からないな。可能性はあるかもしれないが...」
忍「りあむさんかぁ...あんまり話したこと無いんだよね」シャクッ
P「面白いやつだぞ。色々とな」
P「おう」
忍「片付けてくるよ。爪楊枝貸して?」
P「皿に入れてあるよ」
忍「ありがと。よい...しょっと」スクッ
P「じゃあ俺は、歯を磨いてこようかな」
忍「了解。アタシもこれ終わったら磨くよ」
―――――
忍「...でね?その時柚ちゃんがいきなり大きい声で、紬も柚も袖も分かりにくいんだよ!って...」
P「それ、俺も居合わせたかったなぁ...絶対面白かっただろうに。ちょっと悔しい」
忍「でしょ?...っと、もうそろそろいい時間だね」
P「ん、じゃあ寝るか。ちょっとそこ退いてくれ」
忍「なんで?」
P「なんでって...床で寝るからだけど」
忍「あー...うん、そりゃそうだよね」
P「毛布...はあるか。忍、クッションか何か無いか?枕にしたいんだけど」
P「うおっ!」ビクッ
忍「...ちょっと、提案があるんだけどさ」
P「どうしたいきなり」
忍「い...いっしょに、ベッドで寝ない?」
P「...は?」
忍「ほら、床だと風邪引くかもだし、朝体痛くなるだろうし...」
P「...ダメだ」
忍「...何で?」
P「俺はプロデューサー、お前はその担当アイドル。それ以前に、俺は大人でお前は女子高生だ。それ以上の理由なんて必要ないだろ」
P「諦めろ。ほら、早くベッド入った入った」
忍「...はい、クッション」
P「助かる」
忍「...Pさんは、いっしょに寝たくないの?」ギッ
P「...」
忍「...」
P「......」
忍「......」
P「...ノーコメントで」
忍「ちょっと!?」
P「電気消すぞー」パチッ
忍「納得いかないなぁ...」ガサッ
忍「...」
P「おやすみ」
忍「...意気地無し」ボソッ
P「...」
―――――
忍「...Pさん、まだ起きてる?」
P「...起きてる」
忍「Pさんには、いろいろと感謝してるんだよ」
P「...」
忍「青森から一人で出てきたアタシを拾ってくれて、アイドルとして輝かせてくれて」
P「...」
忍「ホント、感謝してもしきれないよ」
P「俺は、元からあった魅力を引き出しただけだ」
忍「それでもだよ」
忍「この間の総選挙でも、高順位に位置付けて...けっこう、悔しかったけど」
P「...」
忍「それもこれも、最初に拾ってくれたPさんのお陰なんだよ」
P「...」
忍「でもそのうち、感謝って感情じゃ表せない気持ちが出て来てね?」
P「...」
忍「Pさんと話してると妙に嬉しくなったり、Pさんが他の子と話してるのをみると胸が苦しくなったり」
P「...」
忍「この気持ち、恋って言うんだって」
P「...それは...」
忍「今日Pさんから、家に邪魔させてくれって電話がかかってきたとき、嬉しかったんだ。やった、Pさんとゆっくり話できるって」
忍「Pさんとご飯食べてるときも、どうでもいい話で盛り上がってる時も、ずっと心臓バクバクしててさ」
忍「さっきいっしょに寝ようって言ったときなんか、心臓爆発するかと思ったよ」
P「...」
忍「じゃあ最後に、寝る前にこれだけ言わせて」
忍「この気持ちだけでも、伝えたかった」
P「忍...」
忍「Pさんは真面目だから、気持ちに答えてくれないでしょ?それくらいは分かるよ」
忍「だから、伝えるだけ。今は答えてくれなくていいよ」
P「...」
忍「うん、それだけ。それじゃあこの話はおしまい。まだしばらく収まりそうにないけどね」
P「...」
忍「じゃあ、おやすみ。...多分、初恋だったよ」ゴソゴソ
忍「...?」
P「よっ...と。お邪魔するぞ」ギッ
忍「えっちょっPさん!?なに入ってきてんの!?」
P「お前が入れって言ったんだろうが。ほら、もうちょい詰めて詰めて」
忍「え、あ、うん...」ゴソゴソ
P「あぁーあったけぇ...床とは大違いだ」
忍「...Pさん」
忍「っ...!」ズキッ
P「でも、いつかは」
忍「...!」
P「いつかは、応えることができるようになる。というか応えてみせる」
P「一年後かもしれないし、五年後かもしれない。もしかしたら、物凄い時間がかかるかもしれない」
P「それでも、いつかは応えてみせる」
忍「...Pさん、ぎゅってしてもいい?」
P「あぁ」
忍「ん...」ギュッ
P「無責任な男で、ごめんな」
忍「ううん。いいよ、いつまでも待ってるから」
P「忍...」
忍「...Pさん、おやすみ」
P「うん。おやすみ」
忍「ふふっ...♪」ギュッ
―――――
チュンッチュンッ、チチチッ
P「ん...ぅ...」ムクッ
P「ここは...忍の家か」
P「忍は...リビング?」ギッ、パタッパタッ
忍「あ、Pさんおはよう。朝ごはん作ってるよ」
P「忍。その...」
忍「待ってるから」
P「...おう」
P「...わかった」
忍「うん♪じゃあ、お味噌汁取り分けてくれる?あとサラダを...」
P「了解。おっ、大根か。味噌汁の大根いいよな」
忍「アタシこれ好きなんだよね。Pさんは?」
P「大好きだよ」
忍「なら良かった。じゃあ、それとそれと...」
―――――
―――
―
加蓮「で、そのあと進展したの?」
忍「進展...したのかな」
凛「デートとかはしたの?」
忍「したよ。いっしょに服買いに行ったり、ネックレス選んでもらったり...」
凛「ネックレスって、今つけてるそれ?」
忍「うん。いいって言ったのに、買ってもらっちゃった」
加蓮「なんだ、忍のPさんも中々やるじゃん。うりうり~」
加蓮「凛も担当Pさんと関係あるんでしょ?」
忍「そうなの?」
凛「言い方はあれだけどね。あんまり表にはだしてないつもりなんだけど...」
加蓮「あれだけイチャイチャしといて、よく言うよ。ずっとPさんの隣に座って、目合わせてさ。よく見なくてもカップルだよ、凛と担当Pさん」
凛「む...それを言ったら加蓮だって...」
忍(今は、応えてもらえないのは分かってる)
忍(それでも、いつかは)
忍「...待ってるから」
深夜テンションで脳内妄想を書きました。
工藤忍をよろしくお願いします
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- 両津「なにい! DQNネームだと!?」
- 渋谷凛「(パフェたべたい……)」
コメント一覧 (9)
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- 2020年03月07日 10:11
- 青森のリンゴなんて許せないんご
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- 2020年03月07日 10:28
- >>1
山形=さくらんぼ これが現実… 山形=リンゴアピールは
木場さんが永遠の17歳でメルヘンデビューするレベルの修羅道… 狂気の沙汰…
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- 2020年03月07日 13:54
- >>1
山形は
主食:さくらんぼ
オカズ:西洋梨
おやつ:将棋の駒
がラーメン好きの一般人の認識
リンゴなんぞは眼中にない…
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- 2020年03月07日 16:09
- ※2
軽はずみに恐ろしい言動はやめろよ!
木場さんの性格からしてノリノリで歌いそうだルォッ!
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- 2020年03月07日 20:06
- ※4
あいさんならどうだろう、とか思ったが、薫がねだったらやってしまいそうだな・・
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- 2020年03月07日 21:56
- あおもりんご先輩かわいいんご
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- 2020年03月07日 21:58
- いいSSだった
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- 2020年03月08日 11:03
- いい話じゃん
※欄でシュバって来るあかり含めて
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- 2020年03月08日 23:11
- ※2
お前はまだ木場真奈美を知らない
あの人はなんでもやるぞ!