俺「どこまで?」女の子「着いてきて」
勝手知ったる足運びで乾いた音を立てながら階段を上がっていく
後から続くこちらが妙な気を起こして、スカートを覗くんじゃあないかとか考えないのか、お前は
女の子「ここ」
俺「ここ」
俺「思ってたよりフツーの…」
女の子「それはどうもありがとう」
俺「嫌味じゃないって」
女の子「知ってるわよ」
俺「一人で住んでんの?」
女の子「勿論」
俺「へぇ…」
女の子「さっさと上がる。寒い」
俺「は、はい」
俺(他人の住まいに上がり込むとまず匂いの情報が強烈に入ってくるよなぁ…)
俺「あぁ、どうする?足」
女の子「気にしないで」
俺「そうは言っても…」
女の子「じゃあそこのスリッパを使って」
俺「っす…」
女の子「そんなに眺めてても何も起きないわよ」
俺「めちゃくちゃ綺麗」
女の子「元々物が少ないから」
俺「…」
女の子「女の子らしからぬ部屋だとか思ってんだろ?」
俺「い、いや?」
女の子「悪かったわね」
女の子「まああんたが女の部屋を知ってるとは思えないけど」
俺「それは…」
女の子「そりゃあね。はい、お茶」
俺「サンキュ」
俺「そこで準備しなくても綺麗にしてあるってのは素直にすげぇなって」
俺「俺の部屋に突然人が来ますってなってさ、はいどうぞなんて言えないからさ」
女の子「でしょうね」
女の子「相変わらずズボラって訳」
俺「まあ…」
俺「割と食べてるよ」
俺「昨日は何だったっけ」
女の子「…」
俺「…」
俺「あー……あ……?」
女の子「…」
俺「ちが、違う」
俺「そう、魚」
俺「魚食った」
女の子「あんたは猫か」
俺「醤油で」
俺「それと野菜」
女の子「漫然と生きてるのね」
俺「何か格下に見られてない?」
女の子「むしろ前評判を覆そうと思ってたの?」
女の子「うん?」
俺「ここに来た目的」
俺「先に済ませとこう」
女の子「ああ、そんなのもあったか」
女の子「はい。貸してくれてたノート」
女の子「ごめんなさい」
俺「別に困っちゃいないけど」
女の子「持って帰っちゃったのはこっちが悪いんだし」
女の子「これじゃ人のこと言えないか」
俺「相変わらず自分に厳しいのな」
俺「え?」
女の子「用事は済んだんでしょ?」
俺「ああ…帰るよ」
女の子「そうは言ってないっての」
俺「この時間にそこ否定したらアレじゃん…」
女の子「…」
女の子「先に済ませとこうって言い方に含みはなかったと?」
俺「…」
俺「あんまり」
俺「クックドゥが便利過ぎて」
女の子「戦力にならないわね」
俺「はい」
女の子「まぁ良いか、借りを兼ねて私が作るから」
俺「マジか」
女の子「……」
俺「そうだよな、合わせ辛いよな」
女の子「しかも簡単な料理じゃない」
俺「おいしいよ」
女の子「…」
俺「……」
女の子「何?」
俺「様になってる」
女の子「上っ面だけ良くてもダメ」
俺「でも中だけ良くても駄目とも言うんだろ」
女の子「そういう事」
女の子「まあ見てなさい」
女の子「…凝視しろとは言ってない」
俺「味見?」
女の子「そ」
女の子「辛くない?」
俺「おいしい」
女の子「何食べさせてもおんなじ事言いそうね、あんた」
俺「悪い気はしないのでは?」
女の子「節操のあるうちはね」
俺「はいよ」
女の子「…暫く寒いなぁ」
俺「そういやおでんの種が売れてたな」
女の子「ふーん?」
女の子「うちは昨日やったばっかりだわ」
俺「良いなあ…」
女の子「…あんた、まず鍋使ってんの?」
俺「…鋭い」
女の子「はぁ…」
女の子「どうも」
俺「皿洗いくらいは」
女の子「食洗機だから」
俺「寂しい時代になったもんだな」
女の子「終わったらちょっと繰り出さない?」
俺「良いよ」
俺「ヒィ…!」
俺「コンビニまでの距離が遠く感じて仕方ない」
女の子「あんた男でしょ、何ふにゃけた事言ってんの」
女の子「シャキッとしなさい」
俺「そういう気の強い所」
女の子「…が?」
俺「別に…」
俺「人間言えない事の1つや2つ」
女の子「1つや2つで済んでない!」
俺「…そっちにもあったりすんの?」
女の子「……ある」
女の子「かな」
女の子「……」
俺「そ、そうなんだ…」
俺「コンビニ?」
女の子「ええ」
俺「…茶化してごめん」
女の子「あながち間違いでもないから良いわ」
女の子「正確に言えば、場所は問わないって意味だけど」
俺「はーっ…」
女の子「私も…」
女の子「……」
俺「ま、まあこれからさ、そういう機会増えるだろ?友達だなんだってさ」
女の子「…あんたも?」
俺「俺はどうかな…そっちと違ってないんじゃないかな」
女の子「そう…」
女の子「憧れてたって、誰とでもって訳じゃなくて…」
俺「……」
女の子「……」
女の子「…」はぁっ…
女の子「…ま」
女の子「また一緒に来て」
俺「…いくら都心って言ったって、夜に女の子一人は危ないからな…」
俺「他に相手が居なかったらな…」
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コメント一覧 (3)
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- 2020年02月04日 21:10
- >>1
言葉すら冷気を伴う天才氷属性の自画自賛
-
- 2020年02月07日 03:43
- スレタイ男と女の子のセリフ逆じゃね
凄い才能だよね