【ガルパン】エリカ「あの頃には戻れない」
- 2020年01月04日 14:10
- SS、ガールズ&パンツァー
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ーあんたホントに鈍臭いわねー
ーそれでも西住流なの?ー
ーあんたのせいで10連覇がなくなったじゃない!!!!ー
ーあんたなんか嫌いよ!ー
エリカ(あの時、酷いことを言ったものだわ。)
エリカ(プロリーグに入って)
エリカ(結婚して)
エリカ(娘が生まれて)
エリカ(娘が成長して、結婚して)
エリカ(孫が生まれて)
エリカ(ついこの間は、夫が死んだ。)
エリカ(いろいろなことがあったけど…)
エリカ(あの子に謝ってないわ…)
ニュースキャスター「度重なる学園艦内での事故や教員や生徒の不祥事、戦車道での死亡事故により入学志願者が激減し、四年前に廃校が決まっていました。」
エリカ(悲しいものね…今でも信じられないわ)
エリカ娘「孫!ご飯食べ終わったら食器を片付けなさい。」
エリカ孫「わかった、じゃあバアちゃんのも片付けるよ。」
エリカ「大丈夫よ、これくらい私が」
ビキ!
エリカ「あたた…」
孫「バアちゃん、大丈夫!?」
娘の夫「お母さん!無理しないでください。」
娘「もう、ただでさえ体が悪くなってるんだから休んでてよ母さん!」
エリカ「わ、悪いわね…」
エリカ(こうなると、嫌でもいつ死ぬのかを考えるようになるわね…)
~数日後~
孫「すげー!戦車かっこいい!」
エリカ「あら、孫ちゃんは戦車好きなの?」
孫「好きだよ。バアちゃんも戦車道やってたんでしょ?」
エリカ「ええ、やってたわ、バアちゃんは強かったのよ。」
孫「え、ホント!?」
エリカ「ホントよ。」
孫「ええ!!!!」
エリカ「そんなこと言っちゃダメでしょ。それにね、私が高校生の頃の戦車道の理事長は男だったのよ?」
孫「それホント?」
娘「…初めて聞いたわ。」
エリカ「だから、男だとか女だとか気にしてはいけないわ」
孫「うん!」
エリカ(あの子も、こういうことを言うのかしら…)
~次の日~
娘の夫「お義母さん、お手紙ですよ。」
エリカ「あら、ありがとう。」
エリカ(誰かしら?今時珍しい…)
エリカ「あっ!」
エリカ「高校時代の友達が写真を送ってきたの、見て。」
孫「へ~、あっバアちゃんこれ!?」
エリカ「そうよ」
孫「小梅バアちゃんもいる!」
エリカ「そうよ、孫ちゃんのお父さんのお母さんとバアちゃんは一緒に黒森峰で戦車道をやってたの。」
孫「なんかみんな強そう!」
エリカ「そう、昔の黒森峰は、強かったのよ」
エリカ(自分の孫にあの日あの時のことを語った。)
エリカ(黒森峰が9連覇を達成したこと)
エリカ(10連覇がかかっていた試合で事故が起き、それで負けたこと)
エリカ(そして)
エリカ(あの子に酷いことを言ってしまったこと)
エリカ(まるで、懺悔するかのように)
孫「そんなことないよ、過去のことをしっかり反省して前に進む人は悪い人じゃないって」
孫「小梅バアちゃん言ってた。」
エリカ(小梅…)
エリカ「そうね、ありがとね。」
エリカ(手紙には、写真だけではなく、同窓会の案内もあった)
エリカ(私は行くことにした。)
エリカ(あの子に会えるかもしれない、そう思ったから)
エリカ「久しぶりね、小梅」
小梅「ええ久しぶり、息子は元気ですか?」
エリカ「娘と仲良くやってるわ。あと…」
孫「小梅バアちゃん!」
小梅「あら孫ちゃん!久しぶりねぇ~」
エリカ「最近会ってなかったから、連れてきたわ。」
小梅「すいませんね。エリカさん」
エリカ(彼女達も私と同じように、子供や孫を連れて来ていた。
)
エリカ(孫はその子たちと仲良くなっていた。)
エリカ(そして…)
まほ「エリカ…久しぶりだね。」
エリカ「まほさん…」
エリカ(私の目の前に現れたのは)
エリカ(かつての私達の隊長で)
エリカ(あの子の姉…)
まほ「?」
エリカ「あの子は…みほは来ますか?」
まほ「…あの子とは最近連絡とってなくて…手紙は送ったんだけど…」
エリカ「そうですか…」
エリカ(やはり…会えないのかしら…)
エリカ「行ってらっしゃい。」
~数分後~
孫(まさかトイレの位置がこんなに遠いとは…)
「すいませーーん!!」
孫「?」
女の子「すいません!そこの銀髪の男の子!」
孫「えっ僕!?」
女の子「そう!あなただよ!」
孫「あ、はい…いいですけど…」
老婆「あそこにある、学園艦のほうに行きたいんですが…」
孫「ああ、じゃあ案内しますよ。僕もそっち行くし。」
女の子「ホント!?」
孫「う、うん///」
老婆「そうだね。こう言う出会いは大切なんだよ。」
女の子「うん、そう言うの何て言うんだっけ…?」
孫「一期一会とかじゃない?」
女の子「そう!多分それ!ダジばあが言ってたやつ!」
老婆「?」
孫「あなたも黒森峰の同窓会に参加するんですか?」
老婆「そうよ、私も黒森峰にいたの。」
老婆「でも、私はあのときの仲間に迷惑をかけて、何も言わずに去ってしまった…」
孫「…」
老婆「あっ、ごめんなさい、重い話しちゃったね」
孫「えっ、いや大丈夫です。」
女の子「もーっ!おばあちゃんまたその話!おばあちゃんは悪くないっていってるじゃん!」
老婆「ごめんね。」
孫(この人…もしかして…)
エリカ「そうね…」
まほ「私が悪いのよ…」
まほ「私が西住流の家元だったときに、黒森峰から手を引いてしまったから…」
エリカ「そんなことないですよ。」
エリカ(数十年前…)
エリカ(黒森峰のOG達が自らの立場を利用して好き放題やっていた。)
エリカ(自分達の子を裏口入学させたり、気にいらない住民、教員、生徒をいじめ、無視し、最終的に学園から降したりした。)
エリカ(しかもそれだけではなく、他の学校の理事長を脅迫したり賄賂を送ったりして、戦車道の試合で負けるように指示したこともわかった。)
エリカ(結果、黒森峰は酷いバッシングを受け、西住流にも飛び火した。)
エリカ(そして西住流は黒森峰から完全に手を引き、OG会は解散、西住流に関わっていた者とその家族は全て学園艦から降りていった。)
エリカ(その中には、まほさんの娘もいたそうだ。)
エリカ(悪いイメージは残り続け、入学者数は激減し、男子を入れて共学校にしても、それは変わらなかった。)
エリカ(戦車道に至っては、黒森峰で戦車道をやっているだけで悪く言われ、全国大会はおろか、練習試合にも勝てなくなり、最近では戦車道は名ばかりで、実際にはなにもやっていない状態だった。)
まほ「いや、黒森峰はいい、私が一番申し訳ないと思ったのは、娘のことよ。」
まほ「私がしっかりしていれば、娘が苦しむことはなかった…」
エリカ「…」
まほ「陰口を言われ、嫌がらせをされて…」
まほ「娘は陰で泣いていたけど、当時の私には何も出来なかった。」
小梅「…」
エリカ「…」
まほ「でも…」
まほ「みほが娘を救ってくれた。」
まほ「みほがいなかったら、娘は生きてなかったかもしれない。」
まほ「みほには、感謝しかない…」
エリカ(そうよ…)
エリカ(あの子は昔からそういう子だった…)
エリカ(人を助けてくれる、優しい子。)
「バアちゃーん!」
エリカ「?」
まほ「小梅の孫か?」
エリカ「私と小梅の孫です。私の娘と小梅の息子の子なんですよ。」
まほ「そうか…私も孫を連れて…!」
まほ「みほ!」
エリカ「!?」
まほ「みほ…連絡ないから来ないかと思った。」
みほ「ごめんねお姉ちゃん。」
女の子「?」
みほ「女の子ちゃんは覚えてないかもしれないけど、この人がおばあちゃんのお姉ちゃんなんだよ。」
まほ「その時はまだ一、二才くらいだったから覚えてないのは仕方がない。」
女の子「…」
女の子「! ダジばあが言ってた人だ!」
まほ「ダジばあ…」
女の子「ダジばあはね、格言とかいろんなことを教えてくれるの!」
まほ「そう。」
まほ(昔があれだったからな…大丈夫なんだろうか。)
エリカ「孫ちゃん、あの人達どうしたの?」
孫「ここまでの道を聞かれたから、一緒に来たんだ。」
小梅「そうなの、いい子だね。」
エリカ「みほ…」
小梅「みほさん…」
みほ「その子は、小梅さんの孫なんですか?」
小梅「私だけの孫じゃありませんよ」
みほ「?」
小梅「私と、エリカさんの孫です。」
みほ「エリカさんの…」
エリカ「そうよ、私達の孫よ。」
孫「こ、こんにちは…」
みほ「おかげで昔の仲間に会えたよ。ありがとうね。」
孫「…///」
女の子「おばあちゃん!」
みほ「この子は私の孫娘よ。挨拶して。」
女の子「こんにちわ!」
小梅「しっかり挨拶できるのね、えらいわ」
まほ「小さい頃のみほにそっくりだね。」
エリカ「行ってらっしゃい。」
みほ「気をつけてね。」
エリカ「…」
みほ「…時間が経つのは思った以上に早いんですよね。」
エリカ「そうね、気がついたらあんな可愛い孫までいる。」
みほ「?」
エリカ「私はあの時、あなたに酷いことを言ってしまったのに、何も謝ってなかったわ…」
みほ「エリカさん…」
エリカ「あの時の私は、酷い子だった、自分のことばっかりで、弱いくせに人を小馬鹿にする嫌味な子。」
エリカ「本当に、ごめんなさい。」
みほ「もう、いいんですよ。」
みほ「一生懸命で、誰にも負けたくないという気持ちが強かっただけ。」
エリカ「…」
みほ「私は自分のことに精一杯で、あなたの気持ちに応えることが出来なかった…」
みほ「だから、エリカさんは悪くないんです。」
エリカ「みほ…」
まほ「もう、いいじゃないか。」
小梅「そうですよ。」
小梅「私達がやることは孫の成長を見守ることで、過去をどうのこうの言うことではないと思いますよ。」
エリカ「まほさん…小梅…」
みほ「…エリカさん」
エリカ(そのとき、私があのときから今まで引きずっていたものが消えたような気がした。)
エリカ(私は純粋に、この子に会ってその変わらない優しさに触れたかっただけなんだと。)
エリカ(それを、過去の嫌味な自分で隠していただけだった。)
エリカ(私も、まだ昔のままだったわ。)
エリカ「…そうですよね…そんなことも知らずにいままでずっと引きずってましたよ。」
みほ「私もそうでしたよ。エリカさん」
エリカ「でも、もうそれも今日で終わりね。」
みほ「そうですね。」
エリカ「久しぶりに見たわ…」
孫「すげー!カッコいい!!」
小梅「これね、ティーガーって言うんだよ。」
孫「ティーガー?」
小梅「そうよ、ドイツ語で虎って意味よ」
孫「へー」
みほ「ダージリンさん、いいんですか?」
ダージリン 「気にしなくてもいいわ、久しぶりに会えたのだから、その手伝いをしただけよ。」
女の子「ダジばぁすごい!!」
まほ「ホントに悪いな、今ウチの戦車が全部使われてたから…」
エリカ「それに、久しぶりにみんなで戦車に乗りたいと言ったのは私ですよ。さあ、乗って。」
小梅「じゃあ言葉に甘えて。」
まほ「みんな乗ったな。いくぞ」
ゴゴゴゴゴ!
女の子「すごい!戦車乗るの初めて!」
孫「僕も!うごいてる!すごい!」
みほ「?」
エリカ「今まで…勝つこと、上を目指すこと、それだけを考えで戦車に乗ってきた。」
エリカ「もっと早く気づけばよかったわ。」
みほ「だったら…この時だけでもこの気分を味わえばいいのよ。」
エリカ「ふふっ…そうね。」
エリカ(青く澄んだ空と)
エリカ(かつての仲間と孫たちと)
エリカ(あのとき酷い言葉を投げ、今になってようやく謝ることができ、和解したあの子だった。)
エリカ(あの頃には戻れない。)
エリカ(でも、まだこれから、死ぬまでの時間)
エリカ(精一杯生きて、素晴らしい思い出を残していこうと思う。)
終わり
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コメント一覧 (10)
-
- 2020年01月04日 18:29
- う〜ん、なんだかなぁ…
-
- 2020年01月04日 18:40
- 小梅「私と、エリカさんの孫です。」 ってなるとレズセで出来た子なのかなあって思っちゃうwww
-
- 2020年01月04日 19:03
- 田尻婆さんまだダージリンって名乗ってんのかい?ダジばあってww
-
- 2020年01月04日 19:35
- エリカのなかなか成長しなさを考えるとそうおかしなお話でもない気がしてくる
-
- 2020年01月04日 21:27
- エリカがこの歳までみほと和解してなかったら、もう開き直って完全にベジータムーヴに切り替えてると思う。
-
- 2020年01月04日 23:37
- ※5
ベジータムーブするには最低限の条件があってだな、素質か実力が並んでないといけないんだ・・・・・・
-
- 2020年01月05日 01:27
- >>6
???
-
- 2020年01月05日 23:00
- 黒森峰のくだりいるか?
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- 2020年01月09日 18:21
- エリカといえばママ爆弾の人がもうSS書かなくなっているのが辛い
あの長編のやつは途中のままだし
-
- 2020年01月15日 15:51
- ダジ婆さんにも孫がいるって信じてる...