【ガヴドロ】ラフィエル「サターニャさんが寝言でガヴリール大好きって言ってました」サターニャ「」
- 2019年12月01日 23:40
- SS、ガヴリールドロップアウト
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サターニャ「ば、馬っ鹿じゃないの。私がガヴリールなんてす、好きなわけないでしょ!」
ラフィエル「あらあら、でも確かにサターニャさんがおっしゃったという証拠がこのボイスコーダーに」
サターニャ「な、なんでそんなもn(ry
『ガブリール、実は私、前からあんたのことがす、好きだったのよ。
いいえただの好きじゃないわ。もう毎日あんたのことばかり考えてると言っても言い過ぎではないくらいに――
そう、つまり最もふさわしい言葉をあなたに贈るなら"愛してる"ってことよ』
サターニャ「」
サターニャ「イイエ。ワタシハソンナコト イッタオボエハ アリマセン」
サターニャ「ソシテ ワタシハ ガヴリールノコトナンテ ナントモ オモッテイマセン」
ヴィーネ「うーん、このへっぽこアクマ」
ラフィエル「グッドポンコツ。略してグッポコですね」
ガヴリール「おまえは何を言っているんだ」
ラフィエル(確かにこれは悪魔通信から取り寄せた、合成機能付きボイスレコーダー)
ラフィエル(魔界ショッピングを夢中で見ているサターニャさんを手刀で倒し、以下略)
ラフィエル(これをサターニャさんがいかにも言わなそうな合成をして、困惑する顔が見るのが今回の目的)
ラフィエル(否! 断じて否です! 私の本意はそこではありません)
ラフィエル(ガヴちゃん。それは下界に舞い降りた一輪の天使)
ラフィエル(そう、私はサターニャさんに鎌をかけたのです)
ラフィエル(私の未来のお嫁さん。ガヴちゃんへの思いを知るために――)
ヴィーネ「まだ一人、空中分解寸前のお方がいるんですけど」
サターニャ「ワ、ワタシハ ガヴノ コトナンテ」
ラフィエル「ふふふ、この取り乱し様からは私たちに隠し通せていたつもりだったようですね」
ヴィーネ「まあ私も薄々感づいてはいたけどね」
ラフィエル「サターニャさんは良くも悪くも素直なお方ですから」
ヴィーネ「気付かないのは当の本人、ガヴだけってオチね」
ガヴリール「てゆーか、」
ラフィエル「はい」
ガヴリール「お前ら私の存在を忘れてない?」
ラフィエル「ガヴちゃんはいつだって私の瞳に、そのうるわしいお姿を現在進行中でロックオンですから」
ヴィーネ「あ、あんたまさか……」
ラフィエル「ご明察。私もガヴちゃんには将来の伴侶としてのお役目を担っていただきたいと思っています」
ヴィーネ「ふっ、まさか敵がもう一人いようとはね」
ラフィエル「ふふふ、まあガヴちゃんの魅力を持ってすればライバルが多くなるのは致し方ありませんね」
ヴィーネ「その点については心の底から同意せざるを得ないわ」
ヴィーネ「なぁに、ガヴ」
ラフィエル「ああ、今日もその可憐なお声で耳が幸せですっ」
ガヴリール「はっきり言って、」
ガヴリール「私は別にサターニャのことなんて好きじゃないんだけど」
ラフィエル「まぁまぁ」
ヴィーネ「ぷっ」
サターニャ「」
ラフィエル「ええ、そうですね。でも最初から勝負は見えていると思いますけど」
ヴィーネ「な、何言ってんのよ。そんなことあるわけn(ry
ラフィエル「あなたなんて所詮ガヴちゃんがこっちにきてから知り合った新参者」
ラフィエル「ぽっと出のヴィーネさんに負ける要素など、ガヴちゃんのお胸ほどもありません」
ガヴリール「」
ラフィエル「天使学校で共にトップを争ったあの輝かしい日々」
ラフィエル「私にはガヴちゃんと過ごした思い出というかけがえのない、そう――」
ラフィエル「時間という圧倒的なアドバンテージがあるのです!」
ヴィーネ「ぐぬぬ」
ヴィーネ「大事なのは今よ、今。こっちにきてから過ごした時間は私が一番長いのよ」
ヴィーネ「だいたい、ガヴにその気があるのならとっくに結ばれてるはずだしね」
ヴィーネ「ガヴからならまだしも、未だに自分から思いを伝えてないってことは薄々可能性がないことに気づいてるんじゃないかしら」
ヴィーネ「これがいわゆる健気な幼馴染アピールってやつ?」
ヴィーネ「あーやだやだ。これが恋に恋するお年頃ってやつかしら」
ヴィーネ「まあそのおかげで今もこうしてガヴが綺麗なままでいてくれてるわけだしね」
ヴィーネ「その点については感謝するわ。このヘタレ天使さん」
ラフィエル「ちょっと表出ろコラ」
ラフィエル「うるさいですよこの泥棒猫」
ヴィーネ「猫かぶり」
ガヴリール「いやだから私を置いて話を進めるなって」
ラフィエル「はい、何でしょうガヴちゃん」
ガヴリール「あのさ、」
ヴィーネ(これは、この微妙に言い淀んだこの感じ…… 間違いない! 今夜のお誘いの予感っ!)
ガヴリール「別にサターニャだけじゃなくお前らのことも好きとかそういうの全然ないから」
ヴィーネ「」
ラフィエル「」
サターニャ「アーハッハッハ! いい気味ね二人とも」
サターニャ「あなたたちは所詮ガヴリールに見合う器じゃなかったってことよ」
ヴィーネ「あぁ、うるさいのが戻ってきた」
ラフィエル(お前ら、とは? ヴィーネさんと私? いえそんなはずはありません)
ラフィエル(私の見立てではガヴちゃんの好感度は婚約の申し出をしても、快く受け入れてくれる段階のはず)
ラフィエル(何故? ガヴちゃんに何が起きたのでしょうか)
ラフィエル(ガブちゃんなりのジョークと考えて、)
ラフィエル(ハッ! まさか私の本当の思いを知って動揺している――?)
ラフィエル「なるほど」
サターニャ「一流のガヴリールには一流のこの私がお似合いってことよ」
サターニャ「っていうか三流同士あなたたち二人で、傷の舐め合いでもしてればいいんじゃないかしら」
ヴィーネ「この子ガヴに振られたことなんて完全に頭から消失してるわね」
ラフィエル「もうガヴちゃんったら相変わらず天邪鬼さんですね」
ヴィーネ「ちょっとラフィ、あなたも現実逃避してないでこの子どうにかしなさいよ」
サターニャ「はーい通ってま~す。いま一流の悪魔がここを通ってま~す」
ヴィーネ「まったくその点だけは認めてあげてもいいのかしら」
サターニャ「ああ、えーっと、こういうのなんて言うんだったかしら」
サターニャ「そうそう、思い出したわ。まさにあなたたちにうってつけの言葉よ」
ラフィエル「何ですか?」
サターニャ「う・れ・の・こ・り」
ヴィーネ「よーしラフィ、こいつ埋めるから手伝って」
ラフィエル「あいあいさー」
ラフィエル「ですねー、汗といえば体育の時間は私の楽しみの一つです」
ヴィーネ「そうよねえ。私もガヴの脱いだ衣類のうち体操着については格別の思いを持ってるわ」
ラフィエル「脱いだ衣類をどうしてるんですか?」
ヴィーネ「おっとこれは禁則事項だったわね」
ラフィエル「……まあいいでしょう。お互いに踏み込まないほうが幸せなことってありますしね」
ヴィーネ「そうね、なんとかの化かし合いになるのが目に見えてるもの」
ラフィエル「ところでガヴちゃんといえば、伝説の下着降臨事件―― 通称"無何有の里"が有名ですね」
ヴィーネ「ええ、度重なるクラス会議の末、私がガブのうちまで下着を届けたんだけど、まさに楽園と呼ぶにふさわしい体験だったわ」
ラフィエル「およそ想像するに忍びないですが、さぞかし幸せな時間を過ごされたんでしょうね」
ヴィーネ「あのときは一週間、ピンクの河童に追いかけられて苦労したわよ」
ラフィエル「下着はその人の全てを包み込んでいますからね、衣類の王様とはよく言ったものです」
ヴィーネ「うまいこと言うわね。天使にも見どころのあるやつがいたものだわ」
ラフィエル「うふふ。目の前に考案した張本人がいるのは秘密です」
ヴィーネ「ふん、今回は素直に賛辞を贈っておこうかしら」
ラフィエル「しかし、あのふわカワの小さなボディに一体どんな秘密が詰まっているのでしょう」
ヴィーネ「思春期の健全性に対する配慮が足りないと思うの」
ラフィエル「自分の中の獣を抑えるって感覚を初めて味わいました」
ヴィーネ「魔性の女ってまさしくガヴのことを言うんでしょうね」
ラフィエル「交換関係とか結合法則って言葉が、私の中で新たな意味を持ってしまったのが悩みになっています」
ヴィーネ「どちらの影響力が上かで、コンバット越前派と議論に明け暮れた日々が懐かしいわ」
ヴィーネ「同感ね」
ラフィエル「ガヴちゃんの匂いについてならその魅力を何時間だって話せるような気がします」
ヴィーネ「いい匂いの一言では言い表せない、本能にうったえかけてくるものがあるのよね」
ラフィエル「同感です」
ガヴリール「それであの無防備でしょ。そりゃあ自然の範疇で近づきたくもなるわよ」
ラフィエル「あのトリップを誘発する甘いフェロモンには自然と身体が反応してしまいますよね」
ヴィーネ「それな。フェロモンだだ漏れの自覚がないのも困り者だわ」
ラフィエル「これがいわゆる誘い受けってやつでしょうか」
ヴィーネ「まったく末恐ろしいわ」
ラフィエル「私達意外と気が合いますね」
ヴィーネ「まあ同じ相手を好きになるくらいだしね」
ラフィエル「同じ好きを違う人間が感じるなんてなんだか不思議ですね」
ヴィーネ「なんだか世界のことわりを知った気がするわ」
ラフィエル「ガヴちゃんを紐解いていくと真理への道に続いていく。心が穏やかになっていくのはそういうことだったんでしょうか」
ヴィーネ「俗にいうネープルスイエ口ーが先か、ガヴリールが先か問題ね」
ラフィエル「ウジェーヌ・ドラクロワ作、『民衆を導く自由の女神』ですね。あの絵を見たときはガヴちゃんの生き写しかと思いましたよ」
ヴィーネ「これもいわゆる集合的無意識ってやつかしら」
ラフィエル「天界と下界を繋ぐ架け橋としての普遍的人物像。そこに答えがあるような気がします」
ヴィーネ「まったく末恐ろしいわ」
ガヴリール「あー、帰ってきて早々大変申し訳ないんだが、」
ヴィーネ「ん?」
ガヴリール「ちょっといいか?」
ラフィエル「はいパフュちゃん」
ガヴリール「さっきの話なんだが、」
ガヴリール「えっなに? お前らまじで言ってんの? 冗談とかじゃなくて?」
ヴィーネ「冗談でこんなこと言うわけないじゃない」
ラフィエル「そうですよ。私の愛は本物と書いて相思相愛と読むんですよ」
ラフィエル「そうなんですっ」
ヴィーネ「きもっ」
ラフィエル「だまれよ。三流悪魔」
ヴィーネ「ふん、ちょっと意気投合したからって三下風情がいい気になってんじゃないわよ」
ラフィエル「カイワレの響きに欲情を禁じえないあなたには言われたくありません」
ヴィーネ「ちょっと、ガヴに誤解されるような言い回しはやめてちょうだい」
ガヴリール「まあまあ落ち着けって」
ヴィーネ・ラフィエル「「はい」」
ガヴリール「……っていうかサターニャは?」
ヴィーネ・ラフィエル「「埋めてきました」」
ラフィエル「森に」
ガヴリール「どこの森?」
ヴィーネ「それはちょっと言えないわ」
ラフィエル「森だけに こんもりもりもり モーリシャス」
ヴィーネ(俳句の神様が泣いてるわ)
ガヴリール「まあいいや。悪いんだけど、ちょっと掘り起こしてきてくれないか」
ラフィエル「ガヴちゃんがそう望むのであれば、構いませんけど」
ガヴリール「うん。心から頼んだ。あと人を埋めるのはこれから禁止な」
ヴィーネ「イエス! モーリシャス!」
ラフィエル「ガヴちゃん優しさはまさに世界を包み込む地母神さまのごとくやで」
ヴィーネ「これや。この優しさがガヴの魅力なんや」
ラフィエル「将来のお嫁さんにしたい天使(※私調べ)、6年連続ナンバーワンは伊達やないでえ」
ヴィーネ「優勝や! 今年もうちの娘がぶっちぎりの優勝もろたでえ」
ラフィエル「今年でV7ですか。ぶいななってなんだかヴィーネさんと似てますね」
ヴィーネ「イヤッホオオォォォォウウイ!!」
ラフィエル「ごめんなさい適当に言いました」
ヴィーネ「これ、もう結婚で済ませていい問題じゃないわ、うん」
ラフィエル(あ、聞いてない)
ヴィーネ「ぷぷぷ」
ラフィエル「どんな泣き顔を見せてくれるでしょうか」
ヴィーネ「少しは反省してるといいんだけどね。ガヴの爪の垢でも飲ませてやりたいわ、まったく」
ラフィエル「やだヴィーネさん。それじゃあ、ただのご褒美じゃないですか」
ヴィーネ「あはは、そうよね。あの子にはさっき倒したイノシシの牙を頭に突き刺してあげましょう」
ラフィエル「ガブちゃんからの贈り物とでも言えば、喜んでその頭部にアヴァンギャルドを創造してくれますよ、きっと」
ヴィーネ「ぶぶぶ」
****
サターニャ「ちょっ、こら! あはは、くすぐったいってば!
もう、あんた私はエサじゃないんだって、あとで覚えてなさいよ!」
ヴィーネ・ラフィエル((ちっ使えねえイノシシ共が))
ヴィーネ「ちょりーっす」
ガヴリール「あーおかえり。よかったなサターニャ無事で」
サターニャ「当たり前でしょ。私には魔界の大悪魔となる使命があるんだから、こんなところでくたばってなんていられないわ」
ガヴリール「あーはいはいよかったね」
サターニャ「ちなみにその席は二つ用意してあるのよ」
ガヴリール「よかったな、ヴィーネ。将来安泰じゃないか」
ヴィーネ「私の未来に大悪魔(笑)なんておっぺけぺーな肩書きは必要ないわ」
サターニャ「あんたここにガヴリールがいなかったら消し墨になってるわよ」
ガヴリール「ん? サターニャ、そのヘアアクセイメチェンしたの?」
サターニャ「ああ、これ? これは、あんたg(ry」
ガヴリール「へー、なかなか似合ってるじゃん」
サターニャ「あ、うん。そう? あ、ありがと」
ヴィーネ「ぶっ」
ラフィエル(くっ、堪えるんですラフィ)
ラフィエル(ここで笑ってしまっては天国のイノシシさんも報われません)
ラフィエル(中年のおじさんが迫真の表情で開脚前転を失敗する映像を思い浮かべるんです)
ラフィエル「……ぷっ、アッハッハ!」
サターニャ「さっきから笑い転げてる人が約一名いるんだけど」
ガヴリール「あいつは昔からああいう癖があってな」
サターニャ「初めて見たんだけど」
ガヴリール「私も初めて見たよ」
サターニャ「えっ」
ヴィーネ「おいいつまでもぷっぷく笑ってんじゃないわよ。私の嫁が困ってるでしょうが」
ガヴリール「誰が嫁だ」
ラフィエル「ああごめんなさい。ちょっとヴィーネさんの生理周期が遅れて真顔で困惑する表情が思い浮かんだもので」
ヴィーネ「そんな反応に困る返しはやめてちょうだい」
ガヴリール「お前らのその平然と下ネタを織り交ぜる会話のドス黒さがいちばんの困り者だっての」
ラフィエル「ええまあガヴちゃんはツンデレさんなところがありますから」
ヴィーネ「でもそれも心憎いガヴの愛情表現の一種なのよね」
ラフィエル「そこがまたチャーミングなんですけど」
ガヴリール「いやツンでもデレでもなく、この上ないフラットな意見なんだが」
ヴィーネ「そうよ、自分ひとりガヴの寵愛を受けてるだなんて思い上がりも甚だしいわ」
ラフィエル「口を挟むな小童。これは私とガヴちゃん二人の大切な問題だ」
ガヴリール「いやここにいる全員の問題だ」
ガヴリール「そうして、三人の感情を否定するつもりもない」
ガヴリール「で、だ。その上でさっきもいったように私はお前らについてそういった感情は一切ないことは理解してくれるか?」
ヴィーネ「ええ、まあ私達もガヴの気持ちが一番であることについて意見の相違はないわ」
ラフィエル「そうですね。お互いの気持が通じ合ってこその結婚生活ですから」
サターニャ「そうよ、大悪魔の日々は円満な家庭があってこそなのは言うまでもないわ」
ガヴリール(変なところで三位一体にならんでいいのだが)
サターニャ「ふん、あなたが遠慮するなんて珍しいじゃない。どーんとぶちまけちゃいなさい」
ガヴリール「じゃあ遠慮なく、」
ヴィーネ・ラフィエル((ワクワク))
ガヴリール「そもそも女同士っておかしいだろ!!」
ヴィーネ「えっ」
ラフィエル「えっ」
サターニャ「えっ」
ガヴリール「…………え?」
ガヴリール「えっ」
ラフィエル「当店のポイントカードはお餅ですか」
ガヴリール「いえしりません」
ラフィエル「えっ」
ガヴリール「えっ」
ラフィエル「まだお餅になってないということでしょうか」
ガヴリール「えっ」
ラフィエル「えっ」
ガヴリール「変化するってことですか」
ラフィエル「なにがですか」
ガヴリール「ハートが」
ラフィエル「ああ思い続けていただければランクがあがって
ハートが変わりますよ」
ガヴリール「そうなんだすごい」
ガヴリール「くさったりしませんか」
ラフィエル「えっ」
ガヴリール「えっ」
ラフィエル「ああ期限のことなら最後に使ってから一週間使わないと、ヴィーネさんのようにやおい属性に走ります」
ガヴリール「なにそれこわい」
ラフィエル「ちょくちょく愛をつぶやいていただければ無期限と同じですよ」
ガヴリール「なにそれもこわい」
ラフィエル「えっ」
ガヴリール「えっ」
ヴィーネ「オイ待てコラ」
ヴィーネ「違うのよガヴ、これには深いわけがあって」
ガヴリール「わかったからサターニャにでも話しててくれ」
ヴィーネ「サターニャあのね、これには話せば長くなるのは避けられない、そうあの浜名湖と同じくらい深い深い事情があってね」
サターニャ「なんで私に話すのよ、それに浜名湖って深いどころか浅い湖もいいとこじゃないの」
ヴィーネ「で、でも面積はそこそこあるんだからっ」
サターニャ「それはなんか逆にあなたに合ってるから気持ち悪いわ」
ラフィエル「日本人の信条は察しと思いやりですよ、サターニャさん」
サターニャ「わたし悪魔なんだけど」
ヴィーネ「そんなことよりサターニャ、コンビーフの缶がどうしてあんな形をしてるのか知りたくないかしら」
サターニャ「えっ、どうしてなの!? すごく気になるわ!」
ヴィーネ「うふふ、それはね――」
ラフィエル「ガヴちゃんが言いたいことはよくわかります」
ヴィーネ「そうね。世間では異性間の交際のほうが多いのは認めるわ。若干ではあるものね」
ガヴリール「若干じゃなくて圧倒的だろ! いつから同性同士が普通の世の中になったんだ」
サターニャ「あら、ガヴリールは知らないのね。少しずつバイセクシュアルの割合が増えていることに」
ガヴリール「いや知らんけどさ。それでも五分五分というには程遠いことは知ってるぞ」
ヴィーネ「はあ、全くこの子ったら……」
ラフィエル「まあまあガヴちゃんはうぶなところがありますから」
ガヴリール「」
ガヴリール「置いとくなよ! 一番重要なところだろ!」
ヴィーネ「置いとかないと話が進まないのよ」
ガヴリール「つまり、同性愛者が一般的ってのはウソってことだろ」
ヴィーネ「いや、それは言葉の弾みっていうか」
ガヴリール「別に言ってくれてもいいんだぞ」
ヴィーネ「はい」
ガヴリール「それで嫌いになる、ならないみたいなことはないから」
ヴィーネ「あの、もし今嘘をつけと言われるのなら」
ガヴリール「ああ」
ヴィーネ「ないっていうわね」
ガヴリール「一般的なんだからな」
ヴィーネ「そうね。今最大のウソはないってことね」
ガヴリール「まあ見識者だしな、もうキャリアもすごいだろうしな」
ヴィーネ「大丈夫ですほんとに……」
ガヴリール(この語尾の弱さよ)
ヴィーネ「問題はそこじゃないのよガヴ」
ガヴリール「どこなんだよ」
ヴィーネ「かいつまんで言えばね、バイセクシュアルの割合っていうのは男女ともに同じってわけじゃないの」
ガヴリール「へー」
サターニャ「へー」
ヴィーネ「これはね、統計上女のほうが有意に多いことがわかってるのよ」
ガヴリール「ああそうなんだ」
ヴィーネ「つまり、ね」
ガヴリール「……つまり?」
ヴィーネ「そういうことよ」
ガヴリール「どういうことだよ」
ガヴリール「いやいやいやいや」
ラフィエル「ガヴちゃんは自分のことをストレートだとお思いですか?」
サターニャ「ストレート?」
ヴィーネ「異性愛者のことよ」
ガヴリール「あーまあそうだと思うけど」
ラフィエル「じゃあガヴちゃんに一つお聞きします、」
ラフィエル「今まで男の人を好きになったことはありますか?」
ヴィーネ(ニヤリ)
ラフィエル「わたしが見てきた限り、ガヴちゃんが色恋沙汰にやきもきしていた様子は見たことがありません」
サターニャ「当然よ。ガヴリールは元から私と結ばれる運命にあるんだから」
ガヴリール「いやそれはないけど」
ヴィーネ「ね、ガヴが気付いてないだけであなたはバイの素質を持ってるのよ」
ガヴリール「だからなんでそうなるんだ」
ヴィーネ「じゃあ聞くけどガヴ、あなた今まで男の人と一緒にいて楽しいと思ったことはある?」
ラフィエル「一切ありませんね」
ガヴリール「なんでお前が答えるんだよ」
ヴィーネ「まあそんな過去があるなら私が真っ先に突き止めてるけどね」
ガヴリール「えっ」
ラフィエル「ヴィーネさんなりの愛ですよ」
ガヴリール「いやそんな平然と言われてもうまく飲め込めないんだけど」
ヴィーネ「つまり愛の形は人それぞれってことよ」
ガヴリール「モノには限度ってもんが、」
ラフィエル「ガヴちゃんの幸せを願うのはみな同じ」
ヴィーネ「幸せに向かって進む未来。そんな私の隣にガヴ、あなたの存在を予見して久しいわ」
ガヴリール「頼むから、その幸せ満開な脳みそをなんとかしてくれ」
サターニャ「いえーい!」
ラフィエル「ぱふぱふ~」
サターニャ「これがないと今週が終わった気がしないのよねー」
ラフィエル「もういつの間にか週末の恒例行事になってますもんね」
ヴィーネ「さて、それでは今週も始まりましたガヴの定例報告会議。
司会を務めます、魔界のクマ吉こと月乃瀬=ヴィネット=エイプリルです」
ガヴリール(なんか始まったんだけど……)
サターニャ・ラフィエル「「わー」」
ヴィーネ「いやあ目の保養になりますねえ。どうですかラフィエルさん」
ラフィエル「ファビュラスマックス」
ヴィーネ「そうですねー。『いつものかわいらしいガヴちゃんのもう一つの顔といいますか、心に蜜という蜜が溶けていくようです』と言ってます」
サターニャ「意訳にもほどがあるわ」
ヴィーネ「これぞあどけなさの権化よ。普段の幼さ3割り増し、庇護欲狙い撃ちって感じよね」
ラフィエル「隙だらけのスキのなさといった風情でしょうか」
ヴィーネ「そして極め付けは単行本4巻のカラー絵かしら。なによあの理性蹂躙娘は」
ラフィエル「あの姿を見てから夙夜夢寐、頭から離れないので困っています」
ヴィーネ「まったく、1/1 PEACH-PITとは言い得て妙だわ」
ヴィーネ「それにそれに、実はさみしんぼな面もあるのもガヴの魅力ではないかしら」
ラフィエル「ええ、そんな時はムーンサルトでかけつけて頭をなでなでしてあげたいですっ!」
サターニャ「あんな魅力やこんな魅力、語り出したら止まらないわよ」
ヴィーネ「小さい体躯から溢れ出る魅力の数々は留まることを知らない、収束しないというわけね」
ラフィエル「就職しない臭素くん」
サターニャ「ふん、ガヴリールの真の魅力はそのイケメンっぷりにもあるってのを知ってほしいわね」
ラフィエル「それはみんな知ってますよサターニャさん」
ヴィーネ「いやいや熱い議論は尽きませんね。じゃあここでいつもの合言葉いってみましょう!」
出演者のみなさま「「「正解はひとつ!じゃない!!」」」
ヴィーネ「ええそれはもう毎日のように、ガヴの世話を焼いてることからも周知の事実と認識しておりますが、」
ラフィエル「でもそれだけでは都合のいい世話焼きポジションから抜け出せていないと思います」
ヴィーネ「まあたしかに客観的にみればそうでしょう。でもついに確固たるアドバンテージを獲得したことを報告しておこうと思うのね」
サターニャ「というと?」
ヴィーネ「わたくし月乃瀬=ヴィネット=エイプリルは、ガヴリールタソとキッスの契りを交わしたことをここにご報告いたしますでございますでちゅっ!」
ラフィエル「あ!?」
サターニャ「な!?」
ヴィーネ「ルンルンっ」
ガブリール(……あとですっぱムーチョ買ってこよう)
サターニャ「まったく言っていい冗談とそうじゃない冗談があるでしょうに」
ヴィーネ「あっれ~、君たち露骨に取り乱してますけど、ですけど」
ラフィエル「別に取り乱してませんけど」
ヴィーネ「ふーん。じゃあガヴリールの天使タイム、通称"天界のシャコンヌ"におけるDVDの収録時間を答えよ」
ラフィエル「物語開始から4分27秒、267秒の奇跡ですね。その界隈では有名ですよ」
ヴィーネ「ふんやるじゃないの」
ヴィーネ「あははっ、まるで予想していなかった衝撃の事実(既成)に憎悪の念が滲み出てるわね」
ラフィエル「御託はいいから早く証拠を提示していただけますか」
ヴィーネ「証拠証拠って、そんなに殺意全開の眼差しを向けないで頂戴」
サターニャ(どうしてさっきからこんなに表情が輝いているのかしら)
ヴィーネ「じゃーん! これが愛に塗れた愛し合う二人のラブショットよ!」
サターニャ・ラフィエル「!!!!!」
ガヴリール(これは……)
ガヴリール「絵っていうか漫画じゃん。何枚あるんだこれ」
ヴィーネ「ガヴの愛しさから生まれた奇跡のダイアリー、もとい傑作と言っていいのかしら」
サターニャ「ていうかなにこれちょー上手いんだけど」
ヴィーネ「近所の小学生にも同じことを言われたわ」
ラフィエル「内容はともかくさすが人気やおい作家だけありますね」
ヴィーネ「順調にガヴとの愛の階段を登っておりますっ」
ラフィエル「そうですか。早く追放されるといいですね」
ラフィエル「サターニャさん、月は少しずつ地球から離れていってますよ」
サターニャ「そうなの? まさに現実とリンクしてるじゃない。傑作だわ」
ガヴリール「私の安心は地球レベルで保証されてるってわけだ」
ラフィエル「うふふ、ガヴちゃんの貞操は今日も銀河で一番の関心ごとですねきっと」
サターニャ「まあこれでガヴリールの純血は未だ守られてることが証明されたわね」
ラフィエル「さて、ヴィーネさん何かありますか」
ヴィーネ「……そうはいってもねガヴ。絵には"心"が宿るのよ」
ガヴリール「宿ってるのは、お前の妄りな想いだよ」
ガヴリール(さて、私は一体どうするべきなんだろうか)
ガヴリール(正直いますぐ眠りについて、色々とリセットしたいのだが)
ガヴリール(これまでの話を聞くに、こいつらに何をされるかわかったものじゃない)
ガヴリール(てゆーかこいつら私の話全然聞かないし)
ガヴリール(とりあえず、家の鍵を変える予定は一つ立てるとしてだ)
ガヴリール(……ああ、なんていうかあれだな。今までおよそ考えもしなかったが、)
ガヴリール(天界に帰りたいな。うん)
ガヴリール(私のためにも、)
ガヴリール(こいつらのためにも)
ガヴリール(今も血眼になって、丁々発止の議論をやりあってるし)
ガヴリール(もう私の手に負えない、負いたくない)
ガヴリール(大切なものは失って初めて気付くってこういうことなんだろうな)
ガヴリール(あの頃の穏やかな日々はどこにいったんだろう……)
ラフィエル「そうですね。これ以上ヴィーネさんの下劣な妄言を聞かされるのはうんざりです」
サターニャ「まったくだわ。わたしのガヴリールを汚すのも大概にしてほしいっての」
ヴィーネ「ふん。私の純愛を愚弄するとはいい度胸ね。あとでガヴリールにしっぽり慰めてもらうんだから」
ラフィエル「まったく、最後まで相変わらずですね」
ヴィーネ「誰が子煩悩よ、だ・れ・が。うふふ」
サターニャ「ああまたマイワールドに転がり落ちてるじゃないの」
ラフィエル「いよいよ現実と妄想の区別が曖昧になってきましたね」
サターニャ「多分もう駄目なんだと思うわ」
ヴィーネ「ガヴ、あなたの思いはわかったわ。でもね、物事には白黒つけないと収集がつかないこともあるのよ」
ラフィエル「世の中がうまく回るのも回らないのもそのせいですね」
サターニャ「あなたは何を言ってるの」
ヴィーネ「ガヴ、あなたが全てに終止符を打つべきなのよ」
ガヴリール「お前らさっきといってることちがくね?」
ヴィーネ「それは否定しないわ」
ガヴリール「否定してくれ」
ガヴリール「それは……」
サターニャ「そうよ。私がこの二人と同列だなんて屈辱で夜も眠れないわ」
ラフィエル「今の時点で、ということでもいいんですよ。この先どうなるかなんて誰にもわかりませんから」
ヴィーネ「そうよもっと簡単に考えればいいのよ」
ヴィーネ「たとえば日がな一日睦言を交わすなら、と考えたときに誰が思い浮かぶかとかね」
ラフィエル「その例え方はちょっと…… ヴィーネさんの卑しい品性がにじみ出ていて不快です」
ヴィーネ「不快です、だって。自分の思ってることを一々口に出さないと気がすまないのかしら」
ラフィエル「自分の普段の言動を客観視できない人っていますよね」
ヴィーネ「危言危行で通った私には縁のない言葉ね」
ヴィーネ「うるさいわね。二度も同じこと言わなくてもいいわよ」
サターニャ「あなたたちが華麗にスルーするからでしょう!?」
ラフィエル「だってサターニャさんなんかキャラが弱くないですか?」
ヴィーネ「ボケもツッコミも中途半端なのよね。いつまでも昭和の価値観じゃこの先生きのこれないわよ」
サターニャ「なっ、s」
ヴィーネ「わかったわかったから。あんたはその素敵な髪飾りでどこぞのフレンズの仲間入りでもしてなさいな」
サターニャ「なによ、そんなにガヴリールからの贈り物が羨ましいのなら素直にそう言いなさいよ」
ガヴリール「え?」
ヴィーネ「はあ? 何いってんのエ口乳魔王さん。力士よろしくの脂肪ぶら下げて今日も発情アピールお疲れさまでっす」
サターニャ「ちょっt」
ラフィエル「サターニャさんは引っ込んでてください」
ヴィーネ「そうよ。その子のそばにいると毎日ちゃんこのお誘いを執拗に迫られるんだから」
ラフィエル「ヴィーネさんはその年中ピンクでいっぱいなエネルギーを少しでも胸の膨らみに回せるといいで・す・ねっ」
ヴィーネ「白羽富士さん、引退しないんですか~?」
ラフィエル「そろそろその口閉じないと訴えますよ」
ヴィーネ・ラフィエル「「ごめんなさい」」
ガヴリール「頼むから出会い頭の小型犬のごとく威嚇し合うのは控えてくれマジで」
ヴィーネ「ほらみなさい。あなたのせいでガヴの好感度が3Pダウンよまったく」
ラフィエル「あなたに好感度なんて概念はないと断言しますけど」
ヴィーネ「ええ、好感度と言う名の自慰コレクションにメモライズしたわ」
ラフィエル「純粋に純然に不純ですね」
ヴィーネ「ありがとう最高の褒め言葉よ」
サターニャ(髪飾り……)
ヴィーネ(ああん、憂鬱なガヴってどうしてこんなにイカすのかしら)
ラフィエル(これがいわゆる逆噴射というやつでしょうか。シビれます)
ガヴリール(しかし黙ったら黙ったで気持ち悪いなこいつら)
ガヴリール(困ったものだ)
???「きゃあっ、ひあっ、きゃあっ、ひあっ」~♪
ヴィーネ「あ、私の携帯だわ」
ガヴリール「おい」
サターニャ(着信音がガヴリールの喘ぎ声!? 危言危行とは一体……)
****
ヴィーネ「そろそろ」
ラフィエル「本題に」
サターニャ「戻るわよ!」
「ガブ!」
「ガヴちゃん!」
「ガヴリール!」
ガヴリール「わ、わたしは――」
ご愛読ありがとうございました。
佐藤鈴先生の次回作にご期待ください。
おわり
元スレ
ラフィエル「サターニャさんが寝言でガヴリール大好きって言ってました」サターニャ「」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1575188999/
ラフィエル「サターニャさんが寝言でガヴリール大好きって言ってました」サターニャ「」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1575188999/
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コメント一覧 (7)
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- 2019年12月02日 00:27
- なんだろうこれ
何か意図した作風とかありそうな気はするんだけど
読み取ることはできなかったわ
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- 2019年12月02日 09:20
- スレタイから連想される通りガヴサタで行ってほしかった
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- 2019年12月02日 17:27
- まぁタプリスがいる時点でガヴリールの中での最下位を争ってるに過ぎないんですけどね
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- 2019年12月02日 17:30
- 掠れた友情で草生える
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- 2019年12月02日 17:34
- これは甘酸っぱいゆるゆりかと思わせておきながら、欲望のままに蹴落としあうポンコツ腹黒女たちの会話劇です
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- 2019年12月10日 20:27
- 先輩は私のことが好きなんですもんね♪
欲しいのです…、貴方の全てが