聖女「さぁ、懺悔なさい」男「ネット上でゲームのウソ裏技を広めました」聖女「お前か!!!」
男(たしかに神秘的で、どこか人間離れした雰囲気が漂ってるな)
男「あのー、すみません」
聖女「なんでしょう?」
男「こちらでは罪の告白も聞いてくれると聞いたんですが」
聖女「ええ、懺悔をすればあらゆる罪は浄化されます……。さぁ、懺悔なさい」
男「実は、ネット上でゲームのウソの裏技を広めたら、騙されたプレイヤーが大勢出てしまったんです」
聖女「……どのような?」
男「あるゲームでドラゴンを100体倒すと最強の剣“ドラゴンファングソード”が手に入ると――」
聖女「お前か!!!」
聖女「てんめえええええ!!!」ガシッ
聖女「私がどれだけ“ドラゴンファングソード”が欲しかったか分かってンの!?」
聖女「“正”の字を書きながら、ワクワクしながらドラゴンを倒し続け……」
聖女「100体目を倒して何も起きなかった時のあの気持ち! 分かるかァァァ!?」
男「ひいい……!」
聖女「一体倒すだけでも大変なのに、いったい何時間かかったことか……」
聖女「数え間違えたのかと思って、結局150体くらい倒しちゃったし……」
男「あ、あの……すみませ……」
聖女「右と左、どっちがいい?」
男「へ?」
聖女「どっちの目を潰されたい?」
男「えええええ!?」
男「んな無茶な!」
聖女「3、2、1、はい、両目とも希望ってことね!」
男「あわわわわ……」
男「ま、待ってくれ!」
聖女「なによ」
男「たしかにドラゴンを100体倒すのは大変だっただろう」
男「しかし! ドラゴンを倒しまくった結果、主人公の強さはどうなった?」
聖女「ものすごくレベルが上がって……強くなったわ」
男「そう、その強くなった主人公こそが“ドラゴンファングソード”だったんだよ!」
聖女「な、なんだってー!」
聖女「……ってなんか言いくるめられた気がするけど」
男「気にしない気にしない」
男(あっぶねえ……)
聖女「だけど、このままじゃ私の気が収まらないわね」
聖女「あ、そうだ! あんた、私の仕事手伝ってよ!」
男「仕事って?」
聖女「私はここで通りがかりの人の悩みを聞いたり、ちょっとした体の異常を癒やしたりしてるんだけど」
聖女「それを手伝ってよ! どうせヒマでしょ?」
男「えぇ~……」
聖女「失明でいいんだ」ボソッ
男「やりますッ! やらせて下さいッ!」
男(この女……いったいどこが聖女なんだ!?)
聖女「一応ね」
男「だったらなんかこう、神がかりな力を持ってないんですか? 聖女を自称するくらいなんだから」
聖女「あんたの指、ささくれ出来てるわね。これを治してあげる」
聖女が男の指に手をかざす。
パァァァ…
男(なんだ、この温かい光は……)
男「――ささくれが治った!」
聖女「どう、すごいでしょ」
男「す、すごい! あなたは本物だ!」
聖女「実績があるのは、ささくれ、あせも、吹き出物、口角炎、ニキビ、あと軽い神経痛とか……」
男「……なんか微妙」
聖女「いやいやいや! すごいでしょうが! なかなか出来る奴いないって!」
男「もっとこう、重病も治せるもんかと」
聖女「そんなん治せたらこんなとこいないで今頃大金持ちになってるわよ。ギャハハ!」
男(ギャハハて)
聖女「10円玉持ってる?」
男「あるけど」
聖女「これを……ふんっ!」グッ
顔を真っ赤にして、力を込める。
聖女「ぐぐぐ……ぬぬぬ……んぎぎぎ……ぐおおおおっ……!」グググ…
男「~~~~!」
聖女「ハァ、ハァ、ハァ……はい、ほんのちょっとだけ曲がった」
男「えええええ!?」
聖女「すごいでしょ?」
男「あ、だけど、硬貨を曲げるのは犯罪だよ」
聖女「ウソォ!?」
男「残念ながら……これは本当です」
男「は、はいっ!」
聖女「おばあちゃん、今日はどうしたの?」
老婆「腰が痛くてねえ……」
聖女「あら大変! じゃあ腰を癒やしてあげるからね」パァァァ…
老婆「いつもありがとうねえ、聖女ちゃん」
会社員「今日も上司にいじめられて……」
聖女「分かる分かる、すっごく分かる!」
聖女「だけど死ぬのだけはダメよ! 死ぬくらいなら私にいって! 上司をしばいたげるから!」
会社員「はい……」グスッ
聖女「ほらあんた、この人のためにスタミナドリンク買ってきて! 走って走って!」
男「は、はいっ!」
男(なんていうか……本当にご近所の世話焼き女って感じだな)
聖女「ふぅ~、今日はもうお開きにしよっと」
男「いつもこんなことやってるの? 無償で……」
聖女「まぁね~」
聖女「今日は助かったわ。あんたももう帰っていいわよ」
男「あの……もしよかったら、これからもたまに手伝いに来てもいい?」
聖女「なにそれ、ナンパ?」
男「いや、そうじゃなくて……俺もあんまりやることがないんで……」
聖女「ようするにヒマしてるってこと? 私はかまわないけど」
聖女「お、来た来たァ! 待ってましたァ!」
男「おっさんみたいなリアクションだな」
聖女「さ、出かけるわよ!」
男「出かける? どこへ?」
聖女「病院!」
男(病院……?)
二人はある小さな病院に向かった。
聖女「こんにちは!」
少女「あ、お姉ちゃん……いらっしゃい」ニコッ
男「この子は?」
聖女「足を患ってる子なの。だから私が時々癒やしに来るのよ。もちろんお医者さんの許可をもらってね」
男「へえ……」
聖女「さ、足見せて」
少女「うん……」
パァァァァ…
少女「う……」グッ…
聖女「もうちょい! 立てる! イケるッ!」
少女「くっ……!」グッ…
ドテッ
少女「ダメだぁ……」
聖女「惜しい……」
少女「ごめんなさい、やっぱりあたし無理みたい……」
聖女「大丈夫よ、焦らなくていいから」
男「…………」
聖女「あーあ、今日もダメだったか……」
聖女「だいぶ足はよくなってるから、あとは精神的な問題だと思うんだけどなぁ」
聖女「こればっかりは気長にやるしかなさそうね」
男「あのー、聖女さん」
聖女「ん?」
男「近いうち、もう一度行かないか? あの子のところに」
聖女「そりゃかまわないけど……」
男「こんにちは」
聖女「おう、来たわね……ってなにその荷物?」
男「まあ、ちょっと色々と」
聖女「ふうん。くれぐれもあんまり過激なことはしないようにしてよ」
男「あんたにいわれたくない」ボソッ
聖女「なんかいった?」ギロッ
男「いってません!」
聖女「はぁ~い、こんにちは~」
少女「あっ、お姉ちゃん! お兄さん!」
男「今日は……君に色々と見せたいものがあるんだ」
少女「なに?」
男「まず、これ」サッ
大きな冊子を手渡す。
少女「これは……絵本?」
男「読んでみてくれ」
少女「あたしみたいな女の子だ……」
男「そう、君と同じく足が悪かった女の子の話だ」
男「歩くのが怖くて、あるいは歩いても友達がちゃんと作れるのか怖くて、なかなか歩けなかったんだけど」
男「ある時勇気を出して、歩けるようになったんだ」
少女「すごい……!」
聖女「へぇ~、よく見つけたわねこんな絵本」
男「これは海外の実話をもとにした絵本でね」
男「その女の子の体験談をネット上から拾ってきたよ。興味があったらこっちもどうぞ」
少女「読んでみる!」
少女「あたし……歩いてみる! ……この子みたいに!」
ヨロッ…
聖女「大丈夫? 無理しないでよ」
少女「よいしょ、よいしょ」ヨタ…ヨタ…
聖女「うおおっ!?」
男「歩けたね!」
少女「うん!」
喜びを分かち合う三人。
聖女「……こういう時はやっぱりこれを言わないとね」
男「?」
聖女「立ったッ! クララが立ったァッ!」
少女「ふふっ、お姉ちゃんったら!」
男(あんたのせいで全部台無しだよ)
聖女「いえ、これからはリハビリを頑張って下さい。私も応援しますから」
……
聖女「今回はあんたに助けられちゃったな」
男「…………」
聖女「しっかし、あんなピンポイントな絵本や体験談をよく拾ってきたわね。大したもんだわ」
男「ああ、あれ……」
男「全部俺が作ったんだ」
聖女「は?」
男「つまり全部ウソなんだ」
聖女「ウソォ!?」
男「だから、つい……裏技みたいにでっちあげを……」
聖女「…………」
男「やっぱりまずかったかなぁ……。後で真相知ったらショックだろうし……」
聖女「やるじゃん!」バシッ!
男「いてっ!」
聖女「そりゃ、いつかあの子も真実を知っちゃうかもしれないけどさ」
聖女「治った足でいつまでも歩けずにいるよりナンボかマシでしょ!」
聖女「あんなリアルな絵本や体験談をでっちあげるなんて大したもんよ!」
聖女「さっすが私を騙した男! 十数時間を無駄にさせた男!」
男「そのことはもう言わないで……」
聖女「これからもよろしくね、相棒!」バシッ! バシッ!
男「いてぇ!」
~テレビ~
白い衣装の女性がインタビューに応じている。
リポーター『本日も大勢の方々に語りかけておられましたね』
純白女『はい、犯罪の被害にあわれた方々が救われるよう祈りを捧げました』ニッコリ
純白女『どうか世界中の人々が救われますように……』
リポーター『あなたの姿を見ているだけで、私の心も洗われるようですよ』
男(キレイな人だなぁ~)
男(本来、“聖女”っつーのはこういう人を指すんだろうな)
男(だけど、俺の知ってる聖女さんのあのやり方も決して嫌いじゃないけど)
ある日――
聖女「はい! 水虫だいぶよくなったでしょ!」
中年男「ありがとよ、聖女ちゃん!」
男「普通、若い女の子なら水虫なんか触れたくもないだろうに……よくやるよ」
聖女「水虫が怖くて聖女やってられっかって! ギャハハ!」
一人の陰気な青年がやってきた。
「……あの」ザッ
男(なんだこいつ……)
聖女「なんでしょう。どんなお悩みでもお聞きしますわ」
男(俺にもそうだったけど、初めての客には猫かぶるんだなこの人)
「ボクは……暗殺者だ。聞いてもらいたいことがある」
男(あ、暗殺者ァ!?)
暗殺者「……え」
聖女「殺しとかヘビーすぎるし、ちょっと私の手には負えないのよねー」
聖女「だからさっさと自首! じーしゅ! じーしゅ! じーしゅ!」
暗殺者「…………!」
男(んな挑発したらヤバイって……! 殺されるぞ……!)
聖女「一応聞いとくけど、何人くらい殺ったの? 10人? 20人? サーティいっちゃう?」
暗殺者「……ゼロ」ボソッ
聖女「は?」
暗殺者「ゼロ……です」
聖女「人殺してない暗殺者ってなんの価値があるの? ねえ!」
男「言いすぎだって」
聖女「野菜を売らない八百屋、寿司握らない寿司屋、髪の毛切らない床屋、みたいなもんじゃん!」
男(人を煽る聖女もな)
暗殺者「ああ、やっぱりボクはダメな奴だ……!」ガクッ
聖女「そりゃダメな奴だから暗殺者なんかやってんでしょ~、ダメじゃなきゃ普通の仕事するもん」
男「追い詰めるなよ」
男「あの……この人はほっといて、話を聞かせてくれない?」
暗殺者「……はい」
暗殺者「どうしても人を殺せないってことで結局クビになっちゃって」
暗殺者「今後どうしたらいいか分からなくて……それで相談したくて……」
二人「…………」
聖女「なにこれ? 政府だとか暗殺組織とか……あんたみたいに作り話?」ヒソヒソ…
男「いや、マジっぽいよ……ウソついてる感じじゃない」ヒソヒソ…
暗殺者「やっぱりもう死ぬしかないんだぁっ!」グッ
ナイフを喉に当てる。
聖女「ちょっ、こんなところで死ぬな!」
男「落ち着けぇ!」
暗殺者「はいっ!」ビクッ
男「あなたは“キラー・ザ・ジョージ”って殺し屋知ってるか?」
暗殺者「いえ、初めて聞きましたけど」
男「かつて全米で恐れられた伝説の殺し屋で、記録によると100人以上手にかけてるという」
暗殺者「すごい……ボクとは大違いだ」
男「しかし、人を殺しすぎた彼はある時気づくんだ。人を殺すことの愚かさを……」
男「以後、彼はまるで人が変わったように、人を殺すのをやめたという……」
暗殺者「へえ……」
男「つまり! 君は伝説の殺し屋がやっとのことでたどり着いた境地に既に達しているんだ!」
男「これはすごいことだよ!」
暗殺者「そ、そうだったのか!」
聖女「そりゃなによりだわ」
聖女「ところで“キラー・ザ・ジョージ”なんてホントにいるの?」ヒソヒソ…
男「いないよ、全部ウソ」ヒソヒソ…
聖女「よくもまあ思いつくもんねえ」ヒソヒソ…
暗殺者「しかし、こんなボクに何ができるでしょうか?」
聖女「なにか特技とか資格はないの?」
暗殺者「特技といったら、組織で習った暗殺術くらいで……特にナイフ術が得意です」ヒュルルルルッ
男「うお、すげえ!」
聖女「あ、そうだ! だったらさっそく手伝ってよ!」
男「へ?」
暗殺者「ほいほいほいっと」スルスルスル…
暗殺者「はい、リンゴのウサギさん!」
少女「わっ、お上手~」
男「なるほどなぁ」
聖女「あなたもだいぶ歩けるようになってきたわね」
少女「うん、これもお姉ちゃんとお兄さんのおかげ!」
聖女「じゃあ次はローキック教えたげる!」
少女「やったー!」
男「ちょっと待って、リハビリでローキックはおかしくない?」
聖女「え? ハイキックのがいい?」
男「違う、そうじゃない」
老婆「近頃、家を出た息子があまり帰ってこなくてねえ……」
聖女「だーいじょうぶだって! そのうち寂しくなって顔出しにくるから!」
聖女「男はみんなマザコンなんだから!」
老婆「聖女ちゃん、いつも元気なあんたと話してるとあたしまで元気が出てくるよ」
男(俺もたまには実家帰らないとな……)
聖女「ねえ、今日ちょっとウチ寄ってかない?」
男「え、いいの?」
聖女「ただし襲ったらダメよ」
男「絶対ないから安心して」
男「ここが聖女さんの家か」
聖女「そ、小さいでしょ」
男「こざっぱりしてていい教会じゃない。ここで一人暮らししてるの?」
聖女「うん、一人になってもう一年ぐらいになるかな。お布施やらなにやらで何とか生活してるわ」
男「ご両親は?」
聖女「残念ながら……」
男(しまった、聞くべきじゃなかった!)
聖女「生きてるわ」
男「生きてんのかよ!」
聖女「ボランティア精神が服着たような両親でね。今も世界中を飛び回ってるわ」
男「へぇ~、人助けに携わる血筋なのかな」
聖女「あれはね……。私がまだ、いたいけな女の子だった頃……」
女児『あたし、色んな人を救いたい!』
女児『だから神さま、どうかあたしに力をくださーい!』
聖女「祈ったわ……祈って祈って祈りまくったわ。寝ることも食べることもせず、ひたすらに」
男「いたいけかどうかはともかく、すごい執念だ」
聖女「そしたら――」
神『仕方ないからちょいと力をやろう! 今日から君は“聖女”を名乗ってよい!』
神『だからもう祈るのやめてくれ!』
女児『やったーっ!』
聖女「……ってわけ」
聖女「もうちょい粘れば世界を動かせるレベルの力を手に入れられたかもしんないけど、妥協したわ」
男(ずいぶんヤケクソじみた神の啓示だな)
聖女「それから私はこの不思議な力で、世界中の人々を救うのは無理かもしれないけど」
聖女「せめて近所の人くらいは、地域の人々くらいは救いたいって思って」
聖女「“ローカルな聖女”を目指すことにしたのよ」
男「…………」
男「いや、そんなことないよ」
男「ちゃんと自分のやりたいことがあって、力もあって、実際あなたはみんなから慕われてる」
男「ガッカリどころか、本当にすごいと思ったよ」
聖女「ちょちょちょ、照れる照れる」
男「それに比べて俺なんて……」
聖女「?」
男「しがない学生で、これといってやりたいこともなく、グダグダな毎日を送って」
男「やることといえば、ネット上でみんなから反応を貰えるようなウソ話をまき散らすことくらい……」
男「昔からこうだったんだ」
『ゴールデンウィークは海外に行ってきたんだ!』
『ボスを10ターン以内に倒すと仲間になるんだぜ!』
『俺のおじさんは空手の有段者なんだぞ!』
男「バレれば当然軽蔑されるし、バレなくてもこっちに罪悪感が残る」
男「だから、本当の友達、本当の仲間が出来たことがなかった」
男「俺はあなたみたいな人と肩並べて人助けなんてしていい人間じゃないんだ」
聖女「んなことないって」
男「え……?」
聖女「そんなことは誰だってやったことあるわ。私だってあるし」
聖女「それにさ、取り柄ならあるじゃん!」
男「どんな?」
聖女「“上手いウソをつける”っていう取り柄よ!」
聖女「それで実際、少女ちゃんや暗殺者を助けられたわけだしさ」
聖女「ようは使い道よ、ウソだって正しく使えば人を救うことはできるんだって!」
男「……ありがとう」
男「だけど履歴書には書けないなぁ」
聖女「書いちゃえば? 特技の欄に“ウソをつくこと”って」
男「正直者なんだか嘘つきなんだか分からないなそれ」
アハハハハ……
聖女「あんたも血ヘド吐くくらい祈りまくればできるかもよ」
男「やめとく」
男「しっかし、神様の力を与えられた人間がいるってことは……」
男「どこかに悪魔の力を与えられた人間、なんてのもいるのかな。ものすごい悪党とかで」
聖女「そんなのいたら、私が成敗してやるわ!」
男「あ、そうか! もしかして10円玉をひん曲げたパワーも神様の……」
聖女「いや、あれは頑張ったから」
男(自前かよ……)
<病院>
聖女「もうすぐ退院!? やったじゃない!」
少女「うん、お医者さんがもう大丈夫だって」
少女「ローキックだってこの通り!」ビュオッ
男(痛そ……)
暗殺者「よかったですね!」
男「そうだ! だったら退院したら、退院祝いに四人でメシ食わないか?」
男「もうすぐバイト代入るから、俺のおごりで!」
聖女「うひょ~! 食べましょ食べましょ!」
男「えっ」
聖女「お、いいわね!」
暗殺者「本格的なところ行きましょうよ、回らないやつ」
少女「大トロ食べた~い!」
男「ちょっと待てぇ!」
男「寿司なんか無理に決まってんだろ! せいぜいファミレスだよ!」
三人「えぇ~……」
男「ファ・ミ・レ・ス!!!」ギロッ
暗殺者「ひっ!」
聖女「あんたも怒らせたら結構怖そうね……」
<ファミレス>
暗殺者「うん、このハンバーグステーキおいしい」スッスッ
少女「暗殺お兄さん、ナイフの使い方上手~!」
暗殺者「よかったら教えてあげるよ。肉の筋を見極めて……」
少女「ふんふん」
聖女「イッキ!」グビッグビッ
男「ウーロン茶飲みすぎじゃね?」
聖女「ドリンクバー頼んだら20杯は飲まなきゃ気が済まないの」グビッグビッ
男「絶対腹壊すって」
暗殺者「ごちそうさまでした」
男「こちらこそ、たまにはこういうことをしてみたかったんだ」
男(俺は三人とも騙したことあるから……)
聖女「いやー、他人の金で食うメシは最高だわ!」シーシー
男(爪楊枝でシーシーすんな)
男「それに、こうやってみんなでワイワイ食べるのは久しぶりだったから楽しかったよ」
暗殺者「ボクもですよ」
男「ん?」
暗殺者「これからはボクも、あなたたちのお手伝いをさせてもらってもいいですか?」
聖女「そりゃもう大歓迎! ただしお給料は出せないけど」
男「いいんじゃないかな。手伝いながら、自分の新しい道を探せばいいと思うし」
少女「あ、だったらあたしも手伝いたい! お母さんもきっと賛成してくれるし」
聖女「お、私の二代目襲名を狙ってるわね?」
男「初代がひどすぎるから、君なら確実に立派な二代目になれるよ」
聖女「失明したいのかな?」ギロッ
男「へ、へへ……す、すみません」
アッハッハ……
~テレビ~
キャスター『相次ぐ振り込め詐欺やひったくりに、警察も対応に追われています』
キャスター『続いては明るいニュースです』
キャスター『各地を巡行中の純白女さんが、詐欺被害にあった女性に励ましの言葉を……』
キャスター『講演にはなんと数百人が集まり……』
男「悪いニュースがあったり、いいニュースがあったり、世の中めまぐるしいなぁ」
男(しっかし、このところこの地域でも振り込め詐欺やらの犯罪が増えてるんだよな)
男(母さんに引っかかるんじゃないぞって電話しとくか)
老婆「ハァ、ハァ、ハァ」スタスタスタ
聖女「あらおばあちゃん、そんなに急いでどうしたの? もしかしてバーゲン?」
老婆「実は……息子から連絡があって……」
聖女「あら、よかったじゃない!」
老婆「だけど……。あ、ごめんね。ちょっと急いでるもんで」スタスタスタ
早歩きで立ち去ってしまう。
聖女「…………?」
男「なーんか怪しいな。あれは息子さんの連絡が嬉しいって態度じゃないぞ」
聖女「うーん、たしかに」
男「ついてってみない? 聖女さん」
聖女「フフッ、あんたもずいぶん行動的になってきたじゃない!」
老婆「このお金を渡せば、息子は解雇されずに済むんですね?」
スーツ男「ええ、大丈夫です! 同僚である私にお任せ下さい!」
老婆「息子をよろしくお願いします……」
スーツ男「任せて下さい!」
聖女「ねえ、あれって……」
男「どう見ても詐欺だ。全財産賭けてもいいくらいだよ」
聖女「どうす――」
男「許せない! 俺だってウソつきだけど、ああやって金をだまし取るようなウソは許せない!」
聖女「決まりね」ニヤッ
スーツ男「!」
老婆「聖女ちゃん!?」
聖女「ほらほら、今奪ったお金返しなさいな」
スーツ男「なんですか、いきなり! 奪っただなんて失礼な!」
男「だって俺、そのおばあさんの息子だからな」
スーツ男「む、息子!? なんでこんなところに!」
男「バーカ、別人だよ。なんで同僚なのに息子さんの顔知らないんだよ」
スーツ男「あ……!」
男「お前はウソつきとしては三流だな!」
スーツ男「くっ、このガキがァ!」ブンッ
男「ちょっ……!」
バキィッ!
ハイキック一閃。
スーツ男「ぎゃぶぅっ!」ドサッ…
男「あ、ありがとう……」
聖女「さあ、あんたの仲間がいる場所を教えなさい」
男「いっとくがウソついても無駄だからな。俺は相手のウソはだいたい分かるんだ」
スーツ男「ぐ、ぐぐ、くそぉ……」
聖女「おばあちゃんはこのままお金を持って帰って」
老婆「二人とも、本当にありがとう……」
聖女「さて、私らはオレオレ詐欺軍団のアジトに乗り込むわよ!」
男「お、おう(ちょっと怖い)」
するとそこへ――
少女「お姉ちゃん、お兄さん!」
暗殺者「お二人のところに行こうとしてたんですけど、何かあったんですか?」
聖女「あ、ちょうどいいわ。あんたらも手伝って!」
聖女「そうなの、事務所を聞き出したからこれから乗り込むとこ」
暗殺者「分かりました、ボクも行きます」
少女「あたしも!」
男「えっ、子供は危ないんじゃ……」
少女「平気よ! お姉ちゃん直伝のローキック見せてやるんだから!」
男(もしかして俺、もうこの子に勝てないかも……)
<事務所>
聖女「たのもうッ!!!」
ボス「な、なんだ!? てめえら!」
男「金を受け取る役目の奴が白状したぞ……ここが詐欺グループのアジトだってな」
ボス「あのバカ、しくじりやがったのか!」
聖女「さあ痛い目あいたくなきゃ、大人しく自首しなっさーい」パキポキ
ボス「……誰がするか! てめえら、やっちまいなァ!」
ボスの号令で手下たちが襲いかかる。
ドゴォッ!
手下A「ぐはぁっ!」
男(うおお、一撃で……)
ナイフを突きつける暗殺者。
暗殺者「安心して下さい。死なないように刺すのは得意なんで」スッ
手下B「ま、参った! ささ、刺さないでぇ!」
男(こいつ案外怖いな!)
少女「ローキック!」ベシィッ!
手下C「スネはらめぇっ!」
男(このローキック……もはや子供の領域を越えているッ!)
ボス「く、くそっ……!」
聖女「なんでこんなことしたのよ?」
ボス「決まってんだろ! ……金欲しさだよ!」
聖女「金欲しいなら真面目に働けっての!」
男「…………」
男「いや……なーんかウソっぽいな」
聖女「え?」
男「こいつらのオレオレ詐欺、はっきりいってお粗末だったし、なーんか隠してる気がする」
ボス「なにいってんだ、なんも隠してねえよ!」
ボス「! ……い、いねえよ!」
男(分かりやすすぎる)
男「いいか……俺は拷問のプロだ」
男「無痛症の奴を痛みで泣かせたこともある……吐くんなら今のうちだぞ?」
ボス「ひっ……!」
暗殺者「そうだったんですか!」
聖女「安心して、ウソだから(ったく大したもんだわ)」ボソッ
男「どうする……!?」
ボス「わ、分かったよぉ……」
聖女「誰よ?」
ボス「多分お前らも知ってると思うぜ、最近テレビでよく見る顔だからな」
ボス「“純白女”……あの人気者だよ」
男「あ……!」
聖女「えぇっ!?」
暗殺者「たしか各地で人助けをして、信者を増やしてるっていう“聖女”……」
少女「あたしも入院中テレビで応援してたのに!」
男「なんで……なんであの人が!?」
男(俺の目から見ても、とてもウソの活動には見えなかったのに!)
ボス「……信者を増やすためさ」
ボス「ようするに、次のターゲットはここらの住民ってわけだ……ひでえ話だろ?」
男「…………!」
男(ウソをついてる気配はない……!)
聖女「とんでもない女ね……」
聖女「だけどさ、あんたらもなんでそんな女のいうこと聞くのよ? 踊らされて情けなくないの?」
ボス「あの女についてる二人のボディガードがヤベェんだ」
ボス「黒い服を着た男とプロレスラーみてえな大男。どっちもとんでもねえ強さだ」
ボス「特に黒服の方……まるで人間じゃないみたいで……」
男「そいつらが怖くて、手先になって詐欺を働いたってわけか」
ボス「悔しいが、そういうこった」
ボス「無駄だろうな」
聖女「どうしてよ!?」
ボス「俺らと奴らが絡んだって証拠は一切ないし、警察にもあの女の支援者やファンは多い」
ボス「んなわけあるかって、門前払いされちまうさ」
ボス「それに今までだって、あの女が実は悪党なんじゃないかって報道をしたジャーナリストはいる」
ボス「……が、全員消されちまったって噂だ」
男「消されたって……」
暗殺者「ボクがやるはずだったようなこと、ですかね……」
暗殺者「純白女がいる場所は分かりました。どうしますか?」
聖女「私は行くわ! 直接文句いってやらなきゃ気が済まない! ローカル聖女としてね!」
男「俺も行く。このままにはしておけないよ」
少女「あたしも!」
暗殺者「分かりました。しかし、敵は凄腕のようです。くれぐれも無理をしないようにしましょう」
男「なぁ、まさかあんたの組織の奴が敵になるってオチはないよな?」
暗殺者「ボクのいた組織はあくまで公的な仕事をする組織なのでそれはあり得ません」
男「とりあえず、プロ暗殺者が敵ってことはないわけか」
男(だけど、なんだか……“もっと恐ろしい奴”が敵になる予感がする――)
聖女「ふん、ずいぶん立派なホテルに泊まってるわね。とんだ生臭じゃない!」
暗殺者「このホテルの支配人も純白女のファンで、破格の待遇で招待されてるとか」
男「全国各地にこういう信者やファンがいるわけか……」
少女「だけど、全部自作自演のおかげなわけでしょ? ゆるせない!」
聖女「よーし、文句いって、必要ならとっちめて、自分の悪さを認めさせてやるわよ!」
オーッ!!!
意気揚々と乗り込む四人。
聖女「あっ!」
純白女「あら……?」
黒服「…………」
大男「なんだお前ら」
男(テレビで見るより……ものすごい神々しさを発している……!)
男(だけど、神々しさならこっちだって負けちゃいない!)
聖女「見つけたわ」ギロッ
男(ただし、神といっても鬼神とか闘神とかそういうやつだけど)
純白女「ええ、そうですが」
男(ここはひとつ……反応を探ってみるか)
男「俺らは……あんたたちが裏で何をしてるか知ってる」
純白女「裏? なんのことでしょう?」
男(さすがに全く動揺しないか……)
聖女「私たちはね、あんたらが裏でバカどもに悪ささせてんの知ってんのよ!」
聖女「だから文句いいにきてやったのよ! ローカル聖女としてね!」
純白女「ローカル聖女……面白い方」クスッ
聖女「何がおかしいのよォ!」
男(ダメだ、完全に負けてる)
男「それが嫌ならいさぎよく全てを公表するんだ!」
純白女「困りましたねえ。私たち、全く身に覚えがありませんのに……」
黒服「もういいでしょう。こういうふざけた輩の排除は我々の役目です」
純白女「そうですね、よろしくお願いします」ニッコリ
大男「任せといて下さい!」
ボディガード二人が前に出る。
男「うぐっ……!」
聖女「ふん、結局暴力に頼るわけね」
暗殺者「二人は下がってて。こいつらはボクらが相手をする!」
猛スピードで間合いを詰める。
聖女(と見せかけてハイキックゥ!)ビュオッ
メキィッ!
大男「…………ッ!」
聖女の右ハイが大男の顔面にめり込んだ。
聖女(勝ったッ!)
男「やった!」
少女「お姉ちゃん、かっこいい!」
大男「へっ、この程度か?」ニヤ…
聖女「な……ッ!」
聖女「ぐはぁぁぁ……っ!」ドガッ
大男の右ストレートで聖女は壁までふっ飛ばされた。
聖女「う、ぐ……! 油断、しちゃった……」
男「せ、聖女さんッ!」
暗殺者「くそっ!」サッ
黒服「ナイフか……しかもよく研がれている」
暗殺者「このナイフは……脅しじゃないぞ! 本当に刺す!」
黒服「ならば、どこでも好きなところを刺してみるといい。ほら、ノーガードだ」
暗殺者(なんだこいつ……!?)
グサッ!
肩にナイフが突き刺さった。
黒服「ふん……」シュゥゥ…
暗殺者(たしかに刺したのに血が出ない!? それどころかすぐ治って……)
黒服「人間が私に敵うと思うか」ズズズ…
黒い瘴気をまとった掌が、暗殺者に叩き込まれる。
ドゴォッ!
暗殺者「がふっ……!」ドザァッ
暗殺者「あ、ぐ……」
純白女「そうですねえ。それもよろしいかもしれませんね」ニッコリ
男(まずいッ!)
少女「ど、どうしよう!」
男「少女ちゃん、このブローチは銀で出来てるんだよね!」サッ
少女「え?」
男「喰らえっ!」ビュッ
黒服「…………」ヒョイッ
あっさりかわされてしまう。
黒服「ちっ、邪魔が……」
純白女「おやめなさい」
黒服「…………」ピタッ
純白女「この方たちもこれで身の程を知ったでしょう。これ以上やる必要はありません」
黒服「分かりました」
大男「運がよかったな、てめえら!」
暗殺者「うう……」
聖女「ま、待ちなさいよ……!」
純白女「私たちは、今後もこれまで通り活動を続けて参りますので……」
純白女「どうぞよろしく」ニッコリ
三人は振り返ることなく立ち去って行った。
男「…………ッ!」
少女「お姉ちゃんたち、しっかりして!」
暗殺者「う、ぐ……」
聖女「く、やしい……!」
男(詐欺グループだってやっつけた俺達が、まるで歯が立たなかった……)
聖女「負けた……完敗だったわ……」
男「聖女さん……」
聖女「絶対リベンジしてやる!」シャキーンッ
男「立ち直り早っ!」
聖女「私の辞書に“いつまでも引きずる”の文字はないのよね~」
少女「暗殺お兄さんもしっかり!」
暗殺者「ありがとう……だいぶよくなってきたよ」
暗殺者「しかし、あのボディガード二人……とてつもない強さでした」
暗殺者「ボクがいた組織にだって、あそこまでの使い手は何人いるか……」
暗殺者「特にあの黒服の男……あれは何者なんでしょう……」
男「あいつの正体について、俺にひとつ仮説がある」
聖女「仮説?」
聖女「悪魔ァ!?」
男「以前、聖女さんとここで話した時、“悪魔に力を与えられた人間”もいるかもしれないっていったろ?」
男「あの純白女がきっとそれなんだ」
聖女「なるほど……純白女は悪魔の道具に過ぎないかもしれないってことね?」
男「そういうこと」
暗殺者「ボクもナイフの傷が治っていくところを見ましたし……」
暗殺者「純白女のあの神秘性やカリスマ性が、悪魔から授かったものだとすると納得できますね」
少女「つまり、あたしたちがたおさなきゃいけない敵は――」
男「純白女じゃなく、あの“黒服”だ!」
男「それについては一つアイディアがある」
聖女「え、なになに?」
男「さっき、俺はあいつの正体をなんとなく察して――」
『少女ちゃん、このブローチは銀で出来てるんだよね!』
男「ってウソをついて、あいつに投げつけた。そしたら、あいつはかわしてた」
少女「あ……!」
男「本当にとっさの行動だったんだけど、ナイフすら避けなかった奴がブローチをかわしたんだ」
男「つまり、あいつはよくある悪魔の言い伝え通り……“銀”に弱い!」
聖女「さっすがウソの達人!」
暗殺者「……やってみます」
聖女「なんだか負けた直後だってのにワクワクしてきたわね!」
聖女「私も鍛え直して、あのデカブツにリベンジしてみせるわ!」
少女「あたしも鍛える!」
男「俺もなんとか、あいつらに一泡吹かせられる方法がないか考えてみるよ」
聖女「打倒悪魔ッ! やってやろうじゃない!」
オーッ!!!
男(二週間後、この地域で信者を獲得するため、≪大集会≫を行うのか……)
男(しかも全国の信者や支援者に向けて動画配信まで行うだって……!?)
男(リベンジするとしたら、この日しかない!)
~
聖女「でやぁっ!!!」ブンッ
暗殺者「隙だらけです!」バキッ
聖女「うぐっ……もう一丁!」
~
少女「ローキック! ローキック! ローキック!」ベシッ! ベシッ! ベシッ!
聖女「いいわよ! どんどん威力が上がってる!」
男(この子、本当に足悪かったっけ?)
………………
…………
……
<教会>
男「明日、純白女による≪大集会≫が行われる」
男「大集会が成功してしまったら、あの女の言葉とカリスマ性で、さらに信者が増えてしまう」
聖女「だからその前にあの黒服――“悪魔”をやっつけなきゃならないってことね」
男「ああ。で、作戦はこうだ」
男「≪大集会≫は市民ホールで行われる。ここには目立たないところに裏口がある」
男「俺たちはここから中に侵入する」
暗殺者「上手く入れますかね?」
男「下調べしたら警備員が一応いるけど、簡単に騙せそうな奴だった。安心していい」
少女「大集会が始まる前にあたしらで悪魔をやっつければめでたしってわけね!」
男「そういうこと。……ってホントに君も来るの?」
少女「もちろん!」
聖女「大丈夫よ、この子のローキックはかなりのもんだわ」
男「まぁ……俺よりよっぽど戦力になるだろうな」
少女「謝る?」
暗殺者「何をですか?」
男「少女ちゃん、君にあげた足が悪い子供の絵本や体験談……」
男「暗殺者さんに話した“キラー・ザ・ジョージ”っていう殺し屋の話……」
男「全て俺が作ったウソなんだ。全くのでっちあげだ」
少女&暗殺者「!」
男「この大仕事をする前に、どうしても正直に打ち明けておきたかった……本当にごめん!」
聖女「…………」
男「!」
少女「お兄さんはあたしを助けたくてウソついてくれたんだもん……だからいいよ!」
暗殺者「ボクも……残念じゃないといえばウソになりますが、あの話で勇気づけられましたし」
暗殺者「むしろお礼をいわなきゃいけませんよ」
男「……二人とも」
聖女「さ、懺悔も済んだところでビシッと決めてちょうだいよ」
男「うん」
男「ウソばかりついてる男、神に迷惑がられた聖女、人を殺せない暗殺者、足が治ったばかりの少女」
男「はっきりいってみんな何かしら不安要素があって、何かを成し遂げられる面子とは思えない」
三人「…………」
男「だけど、正直に言おうと思う」
男「この四人なら、あの純白女と悪魔をやっつけて、この地域を救うことができる!」
男「俺たちならできるッ!!!」
聖女「そうよ!」
暗殺者「やりましょう!」
少女「できるよ!」
男「……多分」
三人「オイ!!!」
<市民ホール>
ワイワイ… ガヤガヤ…
「まさか、純白女さんがこの地域に来て下さるとはなぁ」
「ひったくり被害にあった私に、優しく声をかけて下さったんだよ」
「早く生のお言葉を聞きたいねえ……」
ワイワイ… ガヤガヤ…
男「あのー、すみません」
警備員「ん?」
男「実は今日、純白女様の大集会で使うっていう装飾品をですね、お届けに来た者なんですけど」
警備員「? 聞いてないぞ? だいたいなんでこんな裏口から……」
男「そりゃそうでしょ、サプライズなんですから……こっそり届けなきゃ意味がないでしょ……」ペチャクチャ
反論の暇を与えずまくし立てる。
警備員「わ、分かった分かった。四人とも入っていいぞ」
男「…………」グッ
聖女「あんた、もう詐欺師になっちゃえば?」
男「おそらく、あの黒服と大男も――」
男「ただし、黒服だけは絶対まともに相手しちゃダメだ」
暗殺者「黒服は、ボクが不意打ちで必ず仕留めてみせます。この銀のナイフで……」
聖女「残った大男は私が倒すわ!」
少女「あたしはローキックでがんばる!」
男「とにかく最優先はあの黒服だ。黒服さえ倒せば、純白女はただの女と化す!」
純白女「あら、いらっしゃいませ」ニッコリ
黒服「待っていたぞ」
大男「お前のいうとおり、本当に来やがったぜ!」
四人「――――ッ!」
男「なんで、今日の主役がこんなところに……」
黒服「私にかかれば、得体の知れぬ侵入者を察知するなど朝飯前だ」
男(さすが悪魔……! バレバレだったのかよ……!)
純白女「かまいません。私の目指す“世界平和”には不要な方々ですから」ニッコリ
純白女「では私は集会がありますので」
ボディガードを残し、立ち去る。
大男「だそうだ。お前らはここでブッ殺してやる!」
聖女「ふん……だいぶ予定狂ったけど予定通りよ! 私はあの大男をやる!」
暗殺者「分かりました、ボクは黒服とやります!」サッ
男「少女ちゃん、俺たちは邪魔だ! 下がろう!」
少女「うん……!」
聖女vs大男、暗殺者vs黒服。二つの戦いが始まる――
ガシィッ!
手四つで組み合う両者。
聖女「ぐ……ッ!」ググ…
大男「なかなかのパワーだが、俺の敵じゃねーなァ!」グググ…
聖女「ふん、戦いってのは腕だけでやるもんじゃないのよ。頭も使わないと」グググ…
大男「は? そりゃどういう意味――」
聖女「こういう意味よッ!」グンッ
グシャッ!
聖女の頭突きが、大男の鼻先にめり込んだ。
大男「ぶはぁっ!」
ドゴォッ!
返しの右ストレート。を、なんとか防御していた。
聖女「くぅ~……効く……ッ!」ビリビリ…
大男(こいつ……強くなってる!)
大男「ずいぶん腕を上げたじゃねえか……なら本気で行くぜェ!」
聖女「望むところッ! 今の私は“ドラゴンファングソード”だもの!」
――ズガァッ!!!
暗殺者(訓練を思い出せ……)
暗殺者(ゆっくり、こっそり、静かに近づいて……)ユラ…
黒服(なんだ、この妙な動きは)
暗殺者(斬るッ!)
ザシュッ!
黒服「!」ジュゥゥゥゥ…
黒服「これは……“銀製”か。なるほど、私の正体を見抜いたようだな」
暗殺者「ああ……ただし見抜いたのは彼だけどね」
暗殺者「つまり、もうボクでもお前を倒せるってことだ!」
ザンッ! ザシュッ! ズバッ!
黒服「人間よ……」
右手に黒いオーラが蓄えられる。
ドゴォッ!
暗殺者「ぐはぁっ……!」
黒服「人間界では悪魔本来の力は到底出せんが、魔力を込めた拳は効くだろう?」
暗殺者「ま、まだ、だ……!」ヨロッ
黒服「ほう、立ち上がるか……面白い」
男(聖女さんも暗殺者さんも、どう贔屓目に見ても押されてる……!)
男(くそっ、俺には何もしてやれないのが歯がゆい……!)
少女「…………」
ドギャッ!
聖女「うぐ……なんのォ!」
ガキィッ!
アッパーを顎に叩き込む。
大男「ぬおおおおっ!」ガシッ
聖女「!」
大男が聖女の頭を床に叩きつける。
ゴッ!
男「聖女さんっ!」
男「倍って……今どのくらいなの?」
聖女「180くらい?」
男(倍でそれかよ!)
大男「ガッハッハ、おもしれえ女だなァ!」ブンッ
ドゴォッ!
聖女「ぐっ……!」
聖女(悔しいけど向こうのが強い……!)
聖女(なにかない!? 私があのデカブツに一発くれてやる方法!)チラッ
男(今一瞬、俺を見た?)
聖女「……あるッ!」
大男「……え?」チラッ
聖女「ウソよォ!!!」
ゴキィッ!
聖女の飛びヒザ蹴りがこめかみにヒットした。
大男「うぐおぁっ……!」
男(完璧に入ったッ! 聖女さん、ウソで活路を開いた……ッ!)
聖女「来いッ!」
大男「乱暴者で居場所のなかった俺を、純白女様は何も否定せず温かく迎え入れてくれたんだ……」
大男「絶対に負けられねえッ!」ダッ
聖女「ふん、そんなのがあんたの戦う理由だったの?」
聖女「だったら私はァ、全否定して冷たく突き放してあげるッ!」ダッ
大男「うおおおおおおおおおっ!!!」
聖女「でぃやあああああああっ!!!」
――バキィッ!!!
聖女のカウンターパンチが、大男の顎を撃ち抜いていた。
大男「あ、ぐぁ……」ズン…
大男(ブッ倒されたのに、すっげえいい気持ちだ……)
大男(純白女様に癒やされた時よりずっと……)
大男「……おい」
聖女「ん?」
大男「また……いつか……戦ってくれるか?」
聖女「いつでも来なさい! これで一勝一敗だし!」
大男「へへ……ありがとよ……」ニヤッ
黒服「致命傷だけは避けるしぶとさだけは認めるが、ここまでだな」
暗殺者「まだ、やれる……!」
黒服「遊びは終わりだ。我が魔力で死体も残らぬよう――」
ベシッ!
黒服「ん……?」
少女「ローキック! ローキック! ローキックゥ!」ベシッ! ベシッ! ベシッ!
暗殺者「しょ、少女ちゃん……!」
黒服「ガキが……ただの蹴りなど私に通用するわけないだろう。無駄だからやめろ」
少女「ローキック!」ベシッ!
黒服「…………」ピキッ
少女「きゃあっ!」
暗殺者「!」
男「く、くそっ! ――俺だって!」ダッ
黒服「ザコがッ!」バキッ!
男「うぐふぅ……っ!」ドザッ
黒服「悪魔に盾突くゴミどもめ……先に消してやる」ズオオオオ…
暗殺者「やめろォ!!!」
黒服「……ん?」
黒服「……不可能だ」
暗殺者「ボクは……“キラー・ザ・ジョージ”をも越えた暗殺者だ」
黒服「は?」
暗殺者「ボクに人は殺せない。人は殺せないけど……悪魔なら殺せるッ!」ダンッ
覚悟を決めた眼光で、黒服に迫る。
黒服「ちっ、この!」ブオンッ
暗殺者(かわして――)
暗殺者(悪魔の心臓にッ!!!)
ザグゥッ……!!!
暗殺者「はぁ、はぁ、はぁ……」
黒服「だが、いかに銀の武器だろうと……人が悪魔を滅ぼすことはできん……」
黒服「力を失わせ、魔界に追い払うくらいがせいぜい、だ……」
黒服「もっとも……次人間界に来れるようになるのは……数百年後といったところだが、な……」
男(こいつ……自分の敗北を認めた……!)
黒服「人でありながら私を破ったことに敬意を表し……一つ教えておこう」
暗殺者「なんだ?」
黒服「お前たちは……私があの純白女を操る黒幕だと思っているのだろうが……」
黒服「私はあの女の駒に過ぎん……」
男「な、なんだって!?」
黒服「出会うなり、あの女は私を恐れずこういったよ……」
純白女『私の世界平和実現の夢に力を貸して下さいませんか?』ニッコリ
黒服「そう、あの女は“自分が正しい”と本気で信じている」
黒服「悪党に犯罪を起こさせ、被害者を励ますという自作自演も、正しいと思ってやっているのだ」
黒服「そうして世界中全ての人間が自分の信者になれば、世界は平和になる――」
黒服「本気でそう信じているのだ」
黒服「奴自身の力だ。私が力を与えたわけじゃない」
黒服「あの女は私のことを、少々強いボディガード程度にしか思っていないだろう……」
黒服「私がいなくなったところで……あの女が変わることはない……」
男(どうりであの女からウソを感じられなかったわけだ……)
黒服「今後、あの女の行動はますますエスカレートするぞ……」
黒服「今までは詐欺程度で済んでいたが、そのうちもっと凶悪な犯罪を誘発するだろう……」
黒服「各地を行き来し、信者を増やし、いつものあの笑顔で笑い続けるだろう」
黒服「私がいうのもなんだ、が……あの女こそ、まさに“悪魔”だ……」シュゥゥゥ…
悪魔は煙となり、魔界へと還っていった。
いつもの笑顔で聴衆に語りかける純白女。
純白女「……全てを私に委ねるのです。そうすればあなたがたは救われます」ニッコリ
純白女「皆さまにご加護があらんことを……」
ガヤガヤ…
「ありがたや、ありがたや……」
「よし、俺は純白女さんに一生ついていくぞ!」
「人生全て捧げたって惜しくない!」
警備員「な、なんだ君たちは!」
聖女「どいてッ!」ギロッ
警備員「ひいっ!」ササッ
ザワッ…
黒服と大男を打ち破った四人が登場した。
純白女「あなた方は……」
暗殺者「あの二人はボクたちが倒した……あなたを守る者はもういない!」
少女「そうよそうよ!」
男「…………」
暗殺者(まるでケロッとしてる……!)
聖女(本当にこいつにとって、あの二人は“ちょっと強いボディガード”に過ぎないんだわ)
聖女(あいつらがいないならいないで、この女はずっと今までの活動を続ける……!)
純白女「それで、なんのご用でしょうか?」
純白女「守る者がいなくなった私を、この場で私刑に処すとでもいうのですか?」
純白女「それもよいでしょう。そうなるのならば、それが私の運命なのですから」ニッコリ
暗殺者(ダメだ……! たとえ聖女さんがこの女を殴っても、ボクがこの女を殺しても!)
暗殺者(それはこの女を神格化させるだけで、なんの解決にもならない……)
暗殺者(むしろそれを望んでる節さえある!)
聖女(こいつは……本物の怪物だわ!)
ワァァァァ……! ワァァァァ……!
すっかり純白女に感化された聴衆たちがヒートアップする。
聖女(どうしよう……結局私たちには何もできないの!?)
暗殺者(ダメだ……どうしていいか分からない!)
少女「――お兄さん!?」
男「…………」ザッ
男が純白女の前に歩み出た。
男「純白女さん、一つ懺悔させて下さい」
男「俺は今までずっとウソまみれの人生を送ってきました」
男「人に注目されたくて、みんなを驚かせたくて、自分をよりよく見せたくて――」
純白女「そうなのですか。しかし、安心なさい。私に心身を委ね――」
男「だけどね、それは“相手に認められたい”って想いがあったからやってたことなんだ」
男「だから……あんたにはウソをつく必要が一切ない。気楽ですらある」
純白女「どういう……意味かしら……?」
男「今から俺は正真正銘100%、一片の嘘偽りもない本音であんたに一言いわせてもらう」
男「…………」スゥ…
純白女「…………」
純白女「なぁんですってえええええええエエエエエエエエ!!?」
純白女「この私に……世界平和を目指す聖なるワタシに、オマエ如きがアアアアアアアア!!?」
純白女「クソ女だとオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!??」
純白女「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
純白女「――――!」ハッ
ザワザワ… ドヨドヨ…
純白女「顔が……! 私の顔がっ……!」ヒクヒクッ
純白女の顔は醜く歪んでしまっていた。そう、まるで悪魔のように――
純白女「なによ、これっ……! 戻らな……っ!」ヒクッヒクッ
ああぁぁぁぁぁ……!
………………
…………
……
……
聖女「どうしてあんなことになったのかしら?」
暗殺者「あの瞬間、男さんは純白女に対する怒りだとか憎しみだとか、ボクらや被害者への想いとか」
暗殺者「そういうのを一切排して、純度100%の本音で“クソ女”っていったんだと思います」
暗殺者「だからこそ……あの女の“芯の部分”を突き刺すことができた」
暗殺者「それが本物の悪魔すら恐れるあの本性を引き出すことに成功したんだと思います」
聖女「なるほどね~」
少女「ウソばかりついてたお兄さんだったから、できたことなのかもね!」
聖女「やるじゃない!」バシッ!
男「いてっ! ハハ……まあね」
男(本当にただ本音吐いただけであんなことになるとは……メチャクチャビビったわ)
男(トラウマになりそう……)
暗殺者「おそらくこれで純白女は再起不能になるでしょうね」
暗殺者「上手くいけば今までの罪も暴かれるかも……」
聖女「ざまあみろよ! 正義は勝つ!」
少女「ローキックも勝つ!」
男「ウソも勝つ!」
暗殺者「えぇっと……ナイフも勝つ!」
男「よーし、今日は飲み物やお菓子買って、パーっとやろうか!」
聖女「会場はもちろん、私の家ね!」
イェーイッ!
それから――
パァァァァ…
聖女「はい、これでオッケー!」
ガテン男「おかげで肩が軽くなったぜ! ありがとよ!」
老婆「息子から連絡が来たんだよ。今度帰省するって」
聖女「よかったわね! もう二度と変なのに騙されちゃダメよ!」
男「やってるね、聖女さん」
聖女「あら、いらっしゃい!」
男「今日は時間あるから手伝いに来たよ」
男「暗殺者さんはあの戦闘力を生かして、要人をガードする仕事につくみたい」
聖女「みんな、それぞれの道を歩んでくのね」
聖女「で、肝心のあんたは?」
男「俺は……作り話が得意だし、作家とかそういう職業を目指してみようかなーって」
男「もちろん、そんな甘い世界じゃないだろうしそこまで自信家じゃないから、普通の就活もやるけど」
聖女「ふうん、悪くないんじゃない? 向いてると思うよ」
男「いや、そんなことないよ」
聖女「え?」
男「俺は……どんな道に進もうとも、聖女さんとの縁は絶対に切らしたくない」
男「末長くパートナー的な感じで……やっていけたら、と思ってるよ」
聖女「それはウソ? ホント?」
男「ウソ」
聖女「ウソォ!?」
男「いやいやいや、ホントだよ! 今ウソっていったのがウソ!」
聖女「こんがらがってきたわ……」
聖女「相棒ッ!」バシッ!
男「いでっ!」
少女「あ、いたいた! あの二人は相変わらずね!」
暗殺者「うん……どんなに世の中が変わっても二人はずっとあんな感じのような気がするよ」
~おわり~
元スレ
聖女「さぁ、懺悔なさい」男「ネット上でゲームのウソ裏技を広めました」聖女「お前か!!!」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1571466630/
聖女「さぁ、懺悔なさい」男「ネット上でゲームのウソ裏技を広めました」聖女「お前か!!!」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1571466630/
「SS」カテゴリのおすすめ
- 渋谷凛「卯月のシンデレラガールを」本田未央「祝いたい?」
- 千早「ブラックミュージック…ですか?」
- DIO「ローラだッ!」ローラ「OK!」
- 主人公「あー俺よえーわ超よえーわー!」
- まどか「ハメ技ばっかりしてくるから嫌い」 ほむら「え……?」
- 恒一「東方仗助君? 仗助ってジョジョって読めるよね」
- 【ガルパン】沙織「みぽりん生活力特設改善対策本部」
- まゆ「左手サイボーグ」
- 佐々木「キョン、ここにサインを頼む」
- ちなつ「この際京子先輩でもいいか」
- 奴隷「バッカじゃないのご主人様バッカじゃないの?」
- 幸子「いくらボクが可愛いからって、性的な目で見過ぎですよ!」
- ミカサ「手を繋いでほしい」エレン「……は?」
- P「学園都市年度末ライブ?」土御門「そうですたい」
- やよい「私幸せになるね、長介」
「ランダム」カテゴリのおすすめ
- アレッシー「えらいねぇええ!」ギュッ 俺「うん!!!」
- 俺「もしや、貴様!……『内定者』か!?」
- 美城専務「君に仕事を頼みたい」きらり「にょわ?」
- 提督「俺の嫁艦をバカにすると言うのか?」
- 雪ノ下「あなたって本当に友達がいないのね」
- ぬ~べ~「現象だろうがなんだろうが夜見山北中の生徒たちは俺が守る!」
- モバP「なんかお見合いすることになりまして……」楓「………」
- 【ガルパン】カチューシャ「大洗から通信?」【劇場版】
- 【モバマス】二宮飛鳥(25)「やあ久し振りだね、プロデューサー。8年振りかな」
- 千反田える「単位上等です!」奉太郎「栄光ある古典部の数取!」
- まどか「ドジっこ不幸体質ほむらちゃん!!」
- 課金破戒録カイジ ガチャ沼篇
- 男「俺の嫁とか言ってお前の嫁何人いやがるんだよ!!!!!!」
- 耳雄「ミスミソウが咲いてるぜ」
- 本田未央「プロデューサーとのごはん」 その2
コメント一覧 (29)
-
- 2019年10月19日 21:32
- つまらなかった(大嘘)
-
- 2019年10月19日 21:42
- ※1
ほんそれ(大嘘)
-
- 2019年10月19日 22:06
- ???「あなたを詐欺罪と器物損壊罪で訴えます!」
-
- 2019年10月19日 22:32
- >>3
理由はもうお分かりですねッ!!
-
- 2019年10月20日 10:54
- >>6
覚悟の準備をしておいてください
-
- 2019年10月20日 22:56
- >>16
近いうちに訴えますッ!!
-
- 2019年10月20日 23:02
- >>22
裁判所にも問答無用で来てもらいます!
-
- 2019年10月21日 19:20
- >>23
これあるかなと思ったらマジであって良かったw
ワザップジョルノホント好き
あ、ssは見てないです
-
- 2019年10月26日 23:17
- >>23
慰謝料の準備もしておいて下さい
-
- 2019年10月19日 22:10
- 面白かった
ちょうどいい長さだったし最高
-
- 2019年10月19日 22:15
- 純白女倒すところはもうちょい捻って欲しかったな
純白女がやってきたことを自分もやってきたと嘘の懺悔して、罪の自覚させるとか
-
- 2019年10月19日 22:39
- 1ページ目で限界だった
セリフやら展開が小っ恥ずかしくて見てられん
-
- 2019年10月19日 22:40
- ゲーム以外のリアルの嘘裏技も書いてそうだな
-
- 2019年10月19日 23:22
- 面白いけど贅沢を言えばスレタイを生かしてほしかったかな
-
- 2019年10月20日 00:26
- ワザップネタ期待してたけどちがうみたいですね
-
- 2019年10月20日 00:35
- はー全く見る必要のないものを見てしまった
凄くつまらないよこのss
-
- 2019年10月20日 00:37
- 久々にまともで面白いお話を見れて良かった!
-
- 2019年10月20日 01:49
- くさい
-
- 2019年10月20日 02:04
- 小数点以下の確率で云々
-
- 2019年10月20日 06:36
- ろくでなしブルースやん
-
- 2019年10月20日 13:38
- 絶対ジョルノ湧いてるだろうと思ったら案の定だった
-
- 2019年10月20日 16:46
- 「お前か!」まででいい、そこまでなら名作だった。
-
- 2019年10月20日 19:13
- 『ボスを10ターン以内に倒すと仲間になるんだぜ!』
お前か!!!
-
- 2019年10月20日 22:31
- 懺悔します…。
シスターでえっちなこと考えてました
-
- 2019年10月20日 22:32
- 大丈夫??ファミ通の攻略本だよ??
-
- 2019年10月21日 22:49
- あげ。
-
- 2019年10月21日 23:58
- スタミナドリンクのせいで緑の悪魔で容姿が固定された
-
- 2019年10月26日 13:44
- 面白かった。ただ欲を言えば純白との戦いがあっさりし過ぎていたな
二人のボディーガードとの戦いがそくそこ盛り上がってただけに、そこだけは残念だったかな
-
- 2019年10月28日 05:11
- 2019年でもこのような作品を作ってる人がいて安心した。