救急隊員「救急車の適正利用をお願いします」
年寄り「…っ」
年寄り「う…うぐ…」ヨロッ
年寄り「む…胸が…苦し…」バタッ
年寄り「あ…あが…」
年寄り「救急車…!」
ピーッピーッ
オペレーター「!」カチッ
オペレーター「119消防です。火災ですか?救急ですか?」
年寄り「救急です…!」
オペレーター「住所はどこですか?」
年寄り「〇の…●●だ…うっ…」
オペレーター「どうされました?」
年寄り「胸が…いきなり苦しみ出したんだ…!」
年寄り「ありがとう…ございます…」
オペレーター「しばらく電話を切らないでください」
年寄り「はぁ…ダメだ…死にそう…」
オペレーター「名前は何と言いますか?」
年寄り「年寄りです…」
オペレーター「年齢は…」
───────────────
─────
─
年寄り「うあぁっ…もうダメだ…」
ピーポーピーポー
オペレーター(あ、サイレンの音がする。これでもう大丈夫だろう)
オペレーター「後は隊員に任せてください」
年寄り「わかりました…」
ピッ
オペレーター「…」
オペレーター「はあ…緊張した…」
年寄り「こ…ここだ…」
救急隊員B「大丈夫ですか」
年寄り「もう無理…死にそう…」
救急隊員C「これはまずいですね。すぐに運びましょう」
救急隊員A「よし、担架に乗せるぞ」
救急隊員AB「せっせっせーのーせ」ヒョイッ
年寄り「うう…」
救急隊員A「すぐ病院に運びますからねー」
救急隊員B「大丈夫ですよー」
バタンッ
ピーポーピーポー…
オペレーター「大丈夫かな~あの人」
オペレーター「胸が苦しいとか言ってたし何か重い病にでもかかってたんかな」
オペレーター「まあ意識途絶える前に救急車来てたし大丈夫だろ」
オペレーター「俺の仕事はあくまで受けた通報を最寄りの消防署まで渡すだけ。後の結果なんて知る由もない」
オペレーター「後は救急隊員の仕事だ」
オペレーター「さてと、仕事に集中するか…」
親「走り回って楽しそうね~」
子供「あっ」ズコッ
親「!!」
ズサァァァ
親「子供!大丈夫!?」
子供「うわあああああん!!」
子供「痛あああい!!」
親「ヒザから血が出てる!」
子供「うわあああああん!!」
親「あ…あ…」
親「どうしましょ…救急車…えっと…」アタフタ
オペレーター「!」カチッ
オペレーター「119消防です。火災ですか?救急ですか?」
親「救急です!」
オペレーター「住所はどこですか?」
親「△の▲▲…中央公園ってとこ…」
親「うちの子が転んでヒザを擦りむいたの!」
オペレーター「ん…ん?」
オペレーター「ちなみにどの程度の傷でしょうか…」
親「直視できない!」
オペレーター「してください」
親「…」
親「血がいっぱい出てる!このままじゃ…このままじゃ!」
オペレーター「落ち着いてください」
親「8歳です!」
オペレーター「男の子ですか?女の子ですか?」
親「男の子!」
オペレーター「息子さんの名前を教えてください」
親「子供です!」
親「はい…」
ピッ
オペレーター「よほど派手にやったのか…相手が小さい子となると深刻だな…」
オペレーター「あとは救急隊員に任せるか…」
救急隊員B「到着間に合わなかったら間違いなく出遅れでしたね」
救急隊員C「いやー助かってよかったよあのじいさん」
スピーカー「♪~」
救急隊員ABC「!」
スピーカー「✕✕市△△地区、救急…」
救急隊員A「また司令か…」
救急隊員B「よし、行こう」
通行人「…!」
パーカー「zzz…」
通行人「大丈夫ですか!?すみません!大丈夫ですか!?」
パーカー「zzz…」
通行人 「意識がない…救急車呼ばないと…」
オペレーター「!」カチッ
オペレーター「119消防です。火災ですか?救急ですか?」
通行人「救急です」
オペレーター「住所はどこですか?」
通行人「うーん…どうだろ…あ、▷の▶▶ってところだよ」
通行人「道端に人が倒れてるんです…」
オペレーター「意識はありますか?」
通行人「ありません。何度呼びかけても返事がないんです」
オペレーター「脈はありますか?」
通行人「脈…あ!あります!」
オペレーター「脈はあるのですね?」
通行人「はい!」
通行人「ああ、呼吸はある」
オペレーター「今どんな姿勢ですか?」
通行人「地面に倒れてるよ」
オペレーター「仰向けですか?うつぶせですか?」
通行人「仰向けです」
オペレーター「では、顔だけをそっと横に向けてください」
通行人「わかりました…」
通行人「うーん…30か40か…それくらい」
オペレーター「男性ですか?女性ですか?」
通行人「男性です」
オペレーター「あなたの名前を教えてください」
通行人「通行人です」
オペレーター「間もなく救急車が到着すると思いますので誘導をお願いします」
通行人「はい、わかりました。では」
ピッ
オペレーター「脈はあるみたいだし大事には至ってなさそうだな…何事もなければいいが…」
救急隊員DEF「!」
スピーカー「✕✕市▷▷地区、救急…」
救急隊員D「お、司令だ」
救急隊員E「あれ?▷▷地区あたりって別の消防署なかったっけ。救急車出払ってたのか?」
救急隊員F「とりあえず行くか」
中学生B「よしっ消防に通報しようぜ」
中学生A「お、いいな」
中学生B「適当に男性が苦しそうにしてますとかでいいんじゃね?」
中学生A「よし」
ピポパプrrrrr…
ピーッピーッ
オペレーター「!」カチッ
オペレーター「119消防です。火災ですか?救急ですか?」
中学生A「救急です!」
中学生A「▽の▼▼です!」
オペレーター「どうされました?」
中学生A「男性が…フッ…苦しそうに…フフンッ…」ニヤニヤ
中学生B「クックック…」ケタケタ
中学生A「あ…えっとそれで…ブフッ…」
オペレーター(あれ?こいつら笑ってね?)
中学生A「あ…ククッ…えっと…男性がすごく苦しそうにしてるんです…」
オペレーター「何歳くらいの男性でしょうか」
中学生B「30って言っとけ30」ボソッ
中学生A「30歳くらいです…」
中学生A「その…お腹抱えてて…」
中学生B「出産…」ボソッ
中学生A「ブハッ…やめろて…男が出産とかおま…クックッ…」
オペレーター「すみません?」
中学生A「あ、えっとそんな感じです…フフッ…」
オペレーター「…」
中学生AB「はーい!」
ピッ
オペレーター「…」
オペレーター「声の調子からして…イタズラか?」
オペレーター「とは言っても断言できないし…もし本当だったとしたら一大事だしな…」
オペレーター「イタズラじゃないことを願うか…いやそれもそれで不謹慎か…」
救急隊員GHI「!」
スピーカー「✕✕市▽▽地区、救急…」
救急隊員G「司令が来たぞ」
救急隊員H「▽▽地区?なんでそんなとこからここに伝達が?」
救急隊員I「付近の救急車が全部出払ってたとか何かだろ。とにかく行くぞ」
病人「ダメだ…咳が止まらないし鼻水もひどい…一人暮らしだってのに風邪ひくなんて…」
病人「とても病院に行けるような状態じゃないな…」
病人「はあ…救急車呼ぶか…」
オペレーター「!」カチッ
オペレーター「119消防です。火災ですか?救急ですか?」
病人「救急です…」
オペレーター「住所はどこですか?」
病人「◁の◀◀です…」
オペレーター「どうされました?」
病人「朝から咳と鼻水が止まらなくて…」
病人「なんというか…全体的に体がだるくて…」
オペレーター「…他に症状とかは?」
病人「少し熱があったよ…」
オペレーター「何度ですか?」
病人「37.2」
オペレーター「…」
病人「え!?」
オペレーター「普通の風邪ならば緊急性は薄いので身内の方と一緒に病院に行ってください」
病人「そ、そんな…」
オペレーター「救急車はタクシーじゃありませんのでそこんとこご理解とご協力を…」
オペレーター「え?」
病人「あとその吐き気とか…鏡見ると顔色がすごく悪くて…」
病人「頭がグラグラして意識途切れたりとか…」
病人「それであとえっと幻覚とか幻聴がしてですね…」
病人「あの…あと熱37.2じゃないです間違えました40.2です」
病人(おもいきって大袈裟に言ってしまった…)
病人(嫌だ嫌だ嫌だ絶対1人で病院なんか無理!)
病人(家族も知人も離れた地域にいるし頼れるのはここだけだ!なんとしてでも来てもらわないと…)
オペレーター「名前は何と言いますか?」
病人「病人です」
オペレーター「年齢はいくつですか?」
病人「25歳です」
オペレーター「救急車をそちらに向かわせますので自力で行動ができるのであらばご自宅の鍵を開けておいてください」
病人「わかりました…ケホッゴホッ」
救急隊員JKL「!」
スピーカー「✕✕市◁◁地区、救急…」
救急隊員J「司令だな」
救急隊員K「なんでこんな随分と遠いところから…何かあったのか?」
救急隊員L「じゃあ行くか」
夫「えー…でも作り方わかんないし…」
妻「キャアアアアア!!!」
夫「どうした!?」
妻「指…包丁で切っちゃったかもしれない…!」
夫「え!?」
妻「いやあああああ触らないでえええええ!!」
夫「ちょっと見るだけだから…」
妻「無理無理無理無理無理!!!」
夫「見せてくれないと応急処置の仕様がないだろ…」
妻「救急車…!」
夫「は!?」
オペレーターB「はい、こちら119消防です…」
オペレーターC「こちら119消防…」
ザワザワ…
オペレーター(ここんとこやたらと通報多いな…年々忙しくなってる気がする…気のせいか?)
ピーッピーッ
オペレーター「やべっ…」カチッ
オペレーター「119消防です。火災ですか?救急ですか?」
オペレーター「住所はどこですか?」
妻「早く来てください!!」
オペレーター「落ち着いてください。住所教えてくれないと行こうにも行けませんから」
オペレーター(相当慌ててるな…何か大きな事でも起きたのか…)
妻「◇の◆◆よ!」
オペレーター「どうされました?」
妻「包丁で指を切ったの!」
オペレーター「ほあぁ?」
妻「かなり深くまで切ったかもしれない…!どうしましょ…」
オペレーター「どれくらい深く切ったんですか?何ミリくらいですか?」
妻「指切断するかも…」
オペレーター「そ、そんなに深く切ったんですか!?」
オペレーター「落ち着いてください。すぐに救急車を呼びますので」
オペレーター「イスなどに腰掛けて安静にしててください。どちらの手の指を切ったんですか?」
妻「左手…」
オペレーター「できるだけ切った指は触らないでください」
妻「はい…」
妻「旦那がひとり…」
妻「あれ!?どこ行った!?」
オペレーター「いますか?」
妻「さっきまで家にひとりいたんですけど今は…」
オペレーター「そうですか…」
救急隊員MNO「!」
スピーカー「✕✕市◇◇地区、救急…」
救急隊員M「✕✕市!?」
救急隊員N「なんでそんなかけ離れた所から伝達が!?」
救急隊員O「近くで大きな災害でもあったのか?」
救急隊員N「いや、そんな話聞いてないし…」
救急隊員M「とにかく急ごう!」
中年「救急車…」
青年「ヒリヒリする…日焼けしすぎたか…」
青年「救急車呼んだ方がいいな…」
壮年「靴擦れがひどいな…救急車呼んどこ…」
初老「深爪しちゃった…救急車呼ぼう…」
女「あ、蚊に刺されてる…救急車呼ばないと…」
男「ギャアアアアアアアアアア足つったあああああああああああああああ!!!!!救急車ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
親「あ、来ちゃった…」
救急隊員A「大丈夫ですかー!」
救急隊員B「あの、お子さんは…」
親「そのことなんですけど…実はもう出血止まってて…」
救急隊員C「え?」
子供「…」
通行人「あ、来た!」
救急隊員D「大丈夫ですかー?」
救急隊員E「あの、倒れてる人って…」
通行人「あそこです!」
パーカー「zzz…」
救急隊員E「大丈夫ですか?すみませーん大丈夫ですかー?」
パーカー「zzz…」
救急隊員E「あれ?この人寝てるだけじゃね…?」
救急隊員G「…」
救急隊員H「んーと…誰もいないぞ…」
中学生A 「ギャハハ!!マジで来やがった!」
救急隊員GHI「!」
中学生B「逃げろー!!」
救急隊員H「あのガキ共…まさか…!」
救急隊員I「待てやボケェェェェェェェェェェ!!!!!」
病人「よっしゃ来た!」
救急隊員J「大丈…」ガチャッ
救急隊員J「あれ…鍵開けてある…」
病人「あ、どーもどーも」スタスタ
救急隊員K「え?」
救急隊員L「ん?あれ?重病人が苦しんでるって通報だったと思うんですが…」
病人「重病人は僕です」
救急隊員JKL「…」
救急隊員M「すみませーん大丈夫ですかー?」
妻「助けてください!指が!!」
救急隊員N「あの、とりあえず見せてもらえます?」
妻「嫌!」
救急隊員O「奥さん!見せてもらえないと処置の仕様がないんですよ!見せてください!」
妻「…」スッ
救急隊員O「…ん?どこ切れてるの?」
妻「ここよここ!見りゃわかるでしょ!」
救急隊員O「??」
オペレーターE「いやーそれだけで救急車呼ぶわけには…え?そこまでひどいんですか?でしたならば…」
ザワザワ…ピーッピーッ…ザワザワ
オペレーター「間違いない…絶対増えてる…」
オペレーター「一昔と比べてあきらかに通報が多くなっている…」
オペレーター「どうせ半数が軽傷か何かだろ。まったく…」
オペレーター「無料なのをいいことに何のためらいもなく救急車呼びまくりやがって」
オペレーター「いつからだ?当初はここまで通報案件多くなかっただろ」
オペレーター「救急隊員だって病院だってこっちだってギリギリだってのにそこから更に追い討ちかけるとか鬼かよ」
オペレーター「もし軽傷の患者優先したせいで急病人救えなかったらどう落とし前つけるつもりだよ」
オペレーター「ただでさえ高齢化で傷病者が増えてるってのに…やめてくれないかなー本当に…」ブツブツ
学生「音楽でも聞きながら気を紛らわすか…」
学生「スマホにイヤホンつけてと…」シャカシャカシャカ
学生「あ、充電残り少ないな…昨日充電しとくべきだったか…」シャカシャカ
学生「まあこれくらいならなんとかもつかな…」シャカシャカ
学生「あ、通知来てる…」シャカシャカ
歩行者用信号「…」チカチカチカチカチカパッ
学生「なんだろ…」シャカシャカ
運転手「…」ブロロロロロ…
学生「あ、友達からだ」シャカシャカ
運転手「…」ブロロロロロ
学生「うわあいつ今起きたところかよ…」シャカシャカ
学生「マジか~どうしよ…」シャカシャカ
運転手「うわあああああああああああああああ!!!!!」プップーーーキキーーーーー
学生「まあいいや、後でジュース奢らs…」シャカシャカ…
ガシャァァァァァンッッッ
運転手「…」
運転手「…!」
学生「…」
運転手「だ、大丈夫かいあんた!返事してくれ!おい!おい!!」
運転手「あわわわわわやっちまった…」
学生「…」
運転手「ヤバイ…出血が…このままじゃ…」
運転手「どうしよ…救急は確か119だったはず…」
オペレーター「今日の晩御飯なににしようかな…」
ピーッピーッ
オペレーター「!」カチッ
オペレーター「119消防です。火災ですか?救急ですか?」
運転手「救急です」
運転手「□の■■です」
オペレーター「どうされました?」
運転手「人を轢いてしまいました…」
オペレーター「何があったんですか?詳しく教えてください」
運転手「女性が赤信号なのに横断歩道渡ってて…慌ててブレーキかけたけど間に合わなくて…」
オペレーター「ケガ人はその人だけですか?」
運転手「はい」
運転手「だいぶ若い…15歳か20歳かそんくらい」
オペレーター「脈はありますか?」
運転手「あ…そうだ…脈…」
運転手「あります!」
オペレーター「そうですか…呼吸はしていますか?」
運転手「わずかですが息はしてるみたいです…」
運転手「出血がひどくて…」
オペレーター「どこから出血していますか?」
運転手「手首よりちょっと上です…」
オペレーター「どれほどの出血でしょうか」
運転手「どくどく血が溢れ出てる…」
運転手「ど…どうすれば…」
オペレーター「清潔なハンカチやガーゼはありますでしょうか」
運転手「ああ…ポケットにハンカチなら…」
オペレーター「ビニール手袋またはビニール袋はお持ちでしょうか」
運転手「もしかしたらトラックの中にあるかもしれない…探してきます!」
救急隊員A「あまり自分を追い詰めないでください」
救急隊員B「とっさのことで判断力が鈍ることはよくありますので」
親「以後気をつけます…本当にすみませんでした…」
救急隊員C「救急車を呼ぶ症状かわからないときは専門の救急相談センターに通報してください。7119に発信すれば対応しますので」
親「ありがとうございます…本当に申し訳ありませんでした…」
オペレーター「見つかりました?」
運転手「コンビニのレジ袋だけど…」
オペレーター「全然大丈夫です」
オペレーター「ではそれを手袋にするような形で手を入れてください」
オペレーター「そしてハンカチを出血してる部分にあてて押さえてください」
運転手「わかりました…」
通行人「ごめんなさい…つい人が倒れてるのかと勘違いしてしまって…」
救急隊員E「間違いは誰にでもありますので気にしないでください」
パーカー「こちらも…なんか…紛らわしいことしたみたいですみません…」
救急隊員F「歩道といえど公道なのでね…路上に寝転がるのはあまり良くないので今後は控えてくださいね」
パーカー「はい…」
運転手「全然血止まらないんだけど!大丈夫なんですか!?」
オペレーター「落ち着いてください。慌てないで」
オペレーター「そのまま出血してる部分を心臓より上に高く持ち上げてください」
運転手「はい…」
オペレーター「できるだけ強く傷口を押さえてください」
運転手「わかりました…」
救急隊員G「こういうことされると困るんですよ本当に!」
B保護者「こちらから厳しく言っておきますので…」
A保護者「あんたも謝りなさい!!」
中学生A「ごめんなさい…」
中学生B「…」
救急隊員H「場合によっては罰金などもありえますからね!」
救急隊員I「2度とこのようなことがないように!頼みますよ本当に!」
運転手「かれこれ十数分経ってません!?ちょっと救急車遅すぎないですか!?」
オペレーター「申し訳ありません、近隣の救急車が全て出払っておりまして…」
運転手「え!?」
オペレーター「市外の消防署から救急車が既に向かっていると思うのですが…」
運転手「そ、そんな!いつ着くんですか!!」
オペレーター「最短で25分ほどかかるかと…」
運転手「25分!?」
救急隊員K「すぐさま担架に…」
病人「あ、自分で救急車乗るので大丈夫です」スッ
救急隊員L「えっ…」
病人「ほらほらどうした早く病院に送ってくれよ」
救急隊員JKL「…」
バタンッ
ピーポーピーポー…
オペレーター「諦めないでください」
運転手「手が疲れてもう…」
オペレーター「止血をやめないでください。救急車が来るまでそのまま圧迫を続けてください」
運転手「顔色も悪くなってるし呼吸も浅くなってきた…」
運転手「このままじゃ死んじまう…」
運転手「なんで救急車来ねえんだよ…!」
妻「もうダメ…死んじゃう…早く病院に連れてって…」
救急隊員N「出血どころか血らしきものが全く見えませんね」ヒソヒソ
救急隊員O「とは言っても搬送しなきゃいけない決まりだし…仕方ない、たらい回し覚悟でとりあえず搬送するか…」ヒソヒソ
バタンッ
ピーポーピーポー…
夫「はぁ…俺知ーらね…」
夫「あんなことで救急車呼ぶやつの知り合いだと思われたくない…」
運転手(こんな若いの死なせてたまるか…!)
運転手(この子にはまだ未来がある…!何としてでも助けないと…!)
ピーポーピーポー…
運転手「!!」
オペレーター(サイレンの音…ようやく来たか…)
オペレーター(通報から30分…血はまだ止まってないみたいだし心配だな…)
オペレーター「後は救急隊員の指示に従ってください」
運転手「わ、わかりました…」
運転手「出血がひどいんだ!助けてくれ!」
学生「…」
救急隊員Q「これはまずい…すぐに搬送しよう」
救急隊員PR「せっせっせーのーせ」ヒョイッ
学生「…」
救急隊員Q「事故発生からこれほど時間が経ってるとなると…かなりヤバイな…」
救急隊員R「急ぎましょう!」
バタンッ
ピーポーピーポー…
学生「…」
ピーポーピーポー…
学生「..」
ピーポーピーポー…
学生「.」
ピーポーピーポー…
学生「」
ピーポーピーポー…
学生「」
学生「」
学生「」
ピーポーピーポー…
オペレーター「ここも救急車走り回ってるし…最近多いなー…」
オペレーター「あの子大丈夫かな…無事だといいけど…」
オペレーター「あのトラックを運転してた人も轢き逃げしず通報してくれて…轢きにげ…ひきにぐ…ひき肉…」
オペレーター「今晩ひき肉にするか…」
テレビ「続きましてニュースをお送りします。昨日夕方頃、✕✕市で10代の女性がトラックにはねられる事故がありました」
オペレーター「あ、これもしかしてあのときの…」
テレビ「事故があった場所は■■交差点で、人通りは少ないものの見晴らしなどに問題はなく、警察は原因について調査を進めています」
オペレーター「そういえばあの子大丈夫だったのかな」
オペレーター「少なくとも救急車が到着したときはまだ息はあったはず…現場の周りには病院が豊富にあるしたらい回しになることはないだろう。病院で懸命に治療してもらえたはずだ」
オペレーター「きっと今頃病院のベッドでぐっすり眠ってるだろう」
テレビ「女性をひいた男性はトラックで貨物を輸送中、女性が信号を無視して横断歩道を渡っているにも関わらず前方の不注意で交差点に侵入した模様です」
オペレーター「まったく理不尽な法律だよ、どうせ過失運転致傷の疑いで~とかであの人も捕まるんだろうなぁ…」
テレビ「男性は過失運転致死の疑いで逮捕され…」
上司「よし、まあまあ説得力あるポスターじゃねえか」
救急隊員「隣の市で起きたあの事故…あと一歩早ければ助かったんですってね…」
上司「悲惨だよな…」
救急隊員「貼る場所ここでしたっけ」
上司「この街なかなら人目にもよく着く。効果あるといいな」
救急隊員(些細なことや場違いな理由で救急車呼ぶような奴がこんなポスター見るとは思えないけど…)
ポスター『救急車の適正利用をお願いします』
-おわり-
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- 陽乃「君は理性の化物だね」八幡「は?」
- 食蜂「掌握幻想っていい響きじゃなぁい?」上条「そうか?」
- 岡部「まゆりに人質にされた……」
コメント一覧 (27)
-
- 2019年09月20日 10:36
- >>1
kwsk聞きたいねえ
-
- 2019年09月20日 01:17
- つまんね
-
- 2019年09月20日 01:31
- ケムリクサはゴミというのは同意
-
- 2019年09月20日 18:41
- >>3 ガ/イジくんさあ・・・ 特定のまとめサイトから出ちゃダメって院長先生に教えられなかった?w
-
- 2019年09月20日 04:24
- もっと不必要通報者が痛い目見るような構成の方が良かったですねぇ
-
- 2019年09月21日 08:07
- >>4
これが現実やから。痛い目見るのは本当に救急車が必要な人間って構成にしないと意味ないでしょ
-
- 2019年09月20日 04:28
- 実際話し相手欲しさに呼ぶジジババや通院時タクシー代わりに呼ぶ妊婦とかは普通にいるから困る
-
- 2019年09月20日 05:10
- 自分が転落して打撲した時に大した事無いだろうと思って車で病院へ行き
普通に診察の順番待ちして医者に診て貰ったら二カ所の骨折が判明。そのまま入院へ
で、医者に「救急車を使え!」って怒られました。実際の所、使う加減が分らんわい
-
- 2019年09月20日 06:27
- ※5
現実問題、不正利用した連中に対しては法外な費用を強制的に徴収していいと思うよ。「店のレシートがあったら駐車場の利用料金無料」みたいな感じで、緊急時は診察後に無料、緊急を要する件以外では最低10万最高100万くらいを徴収すればいい
-
- 2019年09月20日 13:23
- >>7
たしか救急は診察料が通常診察と違うから、明らかに不適切な場合は100倍くらいとればいいと思うわ
二度とタクシー代わりに使おうとは思わんじゃろ
-
- 2019年09月20日 09:17
- まーあんなのは乗らないほうがいい縁の無いほうがいいっていうのが実際乗った感想。
-
- 2019年09月20日 12:15
- うちの近所にも、救急車呼ばなきゃ死んじゃうやつが10年呼び続けとるわ
-
- 2019年09月20日 12:15
- タダなのが悪い
一回1000円なり取れば底辺DQNは呼ばなくなるだろ
-
- 2019年09月20日 12:20
- ※7
病院までの交通費を浮かせたいヤツは診察するからな
苦痛の感じ方は人それぞれで数値で測れるものじゃない
本人が「痛くて死ぬ!」と言い張ればどうしようもない
声のデカい薄キタネエ奴が得する『性善説が通用しない世の中』になっちまったのさ
「〇〇無償化しろ!何でもタダにしろ!カネよこせ!権利寄こせ!優遇しろ!」みたいなさ
-
- 2019年09月20日 14:40
- 救急隊の権限をもっと強化してくれれば良いと思うんだよね
現場の判断で不搬送とかでも全然いいんだけど
-
- 2019年09月20日 14:43
- 母が酔っ払った挙句にそこら中に頭ぶつけて、ゲロ吐きまくって道路で寝っ転がって、100キロは動かせないから呼んだことある
たいしたことなかったので、本当にごめんなさい
あと父が尿結石で呼んだことがある
多分たいしたことあるけどなんとか出来たと思うのでごめんなさい
-
- 2019年09月20日 17:48
- 割と洒落になってない。
中国みたいに国民の信頼度を測るシステムを導入すればイタズラは無くなるだろう。
-
- 2019年09月20日 20:34
- バカだよな、これ
どんな時でも通報すれば来るってシステムなのに、自ら否定してどうする
だいたい意味のない通報するやつはこんな啓発に影響を受けねーよ
意味のある通報を減らすだけという逆効果の啓発、考えたのバカ官僚だよな
-
- 2019年09月21日 13:03
- >>18
難癖をつける事でしか自尊心を満たすことができないんやな
悲劇やな
-
- 2019年09月25日 15:10
- >>23
>>18の言ってることって難癖か?どこら辺が難癖か分からんので説明プリーズ。
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- 2019年09月20日 23:56
- めちゃくちゃ滑ってるし何が面白いのこれ
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- 2019年09月21日 08:09
- >>19
滑ってるの意味がわからない。滑ってるのはお前のコメントだろ
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- 2019年09月21日 16:29
- >>22
このコメントがどうしてウケを狙ってるようにみえたのかすごく謎。滑ってるの意味がわからないのならなんで使うんですか?
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- 2019年09月22日 07:35
- >>24
むしろ本スレがただの啓発なのに、ウケを狙ってるように見えた方が謎なんですが?
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- 2019年09月25日 15:08
- >>25
それは>>19に聞けばいいことであって>>24に聞くことではないと思いますが?
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- 2019年09月21日 00:56
- 実際は救急車呼ぶのはタダじゃないんだけどな、病院できっちり加算取られてる
マジで重症患者を救えなくなるから軽い気持ちで呼ばないでほしい
救命救急士2人の声がデカイうえにヤヴァイ内容の愚痴が凄くて店内の他の客もドン引き