男「30歳になるまでに死のうぜw」友人「そうだなw」
- 2019年09月12日 00:40
- SS、神話・民話・不思議な話
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友人「分かる。ジジイになる前に死にたいよな」
男「ヨボヨボになってまで生きたくないよなぁ、70や80まで生きるなんて冗談じゃないよ」
友人「何歳ぐらいで死にたい? 50歳ぐらい?」
男「いやぁ~、50なんてもうジジイっしょ! 化石っしょ!」
友人「じゃあ40?」
男「40もジジイだろ。はっきりいって30だって長すぎるって思ってるし」
友人「じゃあ30までには死ぬか」
男「おう、30歳になるまでに死のうぜ」
友人「そうだな」
男「30の誕生日が近くなったら、二人でパーっと死のうぜ」
友人「そりゃいいや!」
友人「見苦しく生にしがみつく奴らを置き去りにして、華々しくこの世を去ろうぜ!」
男「絶対だかんな!」
友人「ああ!」
――――
――
男(高校に入り……)
男「さて、予備校行かなきゃ」
男(なんとか二流大学に合格。大学に入ったら、人並みに遊び、学び、楽しみ……)
男「ウェーイ!」グビグビ
男「エントリーシート書くことねぇなぁ~」
男(どうにかこうにか、それなりの企業に就職できた)
男「はいっ! 頑張ります!」
上司「期待してるよ」
男「必ず成功させてみせます!」
男(俺の性に合ってるのもあり、仕事は順調……)
男(同期の中じゃ、一番出世するんじゃないかともいわれている)
男「結婚しよう」
女「はい……!」
男(こんな俺もついに結婚することができた)
赤子「おぎゃあ、おぎゃあ……」
男「パパだぞ~!」
男(やがて子供も産まれて、まさに順風満帆)
男(そんな時だった――)
男(あれは……?)
友人「よっ、待ってたよ」
男「あ、お前……! どうしてここに……」
友人「今はここら辺に住んでるって聞いてな。何年ぶりだろうな」
男「ああ、もう全然会ってなかったからな」
友人「だけどお互い変わってないなぁ」
男「ハハハ、まぁな」
友人「ああ、今は独立して一人で研究やってるよ。自宅を改造したりしてな」
男「すっげぇな~。どんな研究?」
友人「ん~……生命についてだな。あとは細菌とかウイルスとか……」
男「へぇ~、医療関係か。頭よかったもんなぁ」
男「……」
男「ところで、俺になんか用か? 俺を待ってたんだよな?」
友人「一緒に死のうぜ」
男「なにいってんだ? いきなり」
友人「もうすぐ俺ら30だろ? 誕生日も近いし」
男「そうだけど……なんで死ななきゃならないんだよ!」
友人「だって俺たち約束したろ? 30になるまでに死のうって」
男「あ……」
友人「だからさ、一緒に死のう! いさぎよくパーっとさ!」
男「……」
友人「!」
男「死ねるわけないだろ! 会社入って、結婚して、子供も産まれて、人生これからって時に!」
友人「は……? 死ねない……?」
友人「約束したじゃないか! 30までに死のうって! あの約束はなんだったんだ!」
男「ガキの頃の約束なんて、あんなの無効だ無効! 律儀に覚えてる方がどうかしてるぜ!」
友人「なんだって……!?」
友人「俺は好きなことやって、やりたいことやって30手前で死ぬために生きてきたんだぞ!」
友人「見苦しく生にしがみつく奴らを置き去りにして、華々しくこの世を去るために!」
友人「だから今日、お前と一緒に死のうと……! ここでずっと待ってて……!」
男「知るかよ!」
男「きっとお前はもう死ぬからって、未来を見据えてない生活してきたんだろうが」
男「俺は心変わりしたんだ! 俺には俺の人生設計があるんだ! 80まで90まで生きたいんだ!」
男「分かったら、とっとと帰れ! 俺を巻き込むんじゃねえ!」
男「は?」
友人「俺はもうやりたいことをやってしまった……だからお前を殺してやる!」サッ
男(ナイフ!?)
友人「さっき俺は細菌やウイルスを研究してるっていったろ? 色んな薬品も扱うんだ」
友人「これには強力な毒を塗布してあってな……ちょっと刺すだけで楽にあの世に行ける」
男「な……!」
友人「さあ……じっとしてろ」
男「ちょっと待てよ……落ち着けよ……」
友人「うおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
男「ひいっ!」
ブンッ! シュバッ! ビュアッ!
男「わっ、わわわっ!」
男「ひいいっ!」ダッ
友人「待てえええええええええええええっ!!!」タタタタタッ
タタタタタッ… タタタタタッ…
男「うう……」
友人「逃げたつもりが、かえって人気のない場所に来てしまったな」
男「くっ……!」
友人「さあ、死んでくれ! すぐに俺も後を追うから……! それがお前のためなんだ……!」
男「ひいっ!」
男「た、頼む……ま、待ってくれ……! ちょっとでいいから俺の話を聞いてくれ……!」
友人「……」
男「だけど、高校入って一生懸命受験勉強してさ、大学入って騒いだり学んだりして」
男「会社入って仕事に打ち込むうち……」
男「なんていうか、生きることの素晴らしさに気づいてしまったんだ!」
友人「……」
男「それに今の俺には妻も子供もいる……生きなきゃいけないんだ」
男「だ、だから頼む……! 俺を見逃してくれないか……! 助けて下さいっ!」
友人「……」
男「え」
友人「俺だって本当は、友達を手にかけることなんてしたくない」
友人「それにお前の幸せな人生をブチ壊しにしたくもない」
友人「お前を巻き込むのはやめるよ……」
男「ほ、本当か!? ……ありがとう!」
友人「じゃあな。俺は家に帰って、やりたかったことを中断してから、死ぬことにする」
友人「元気でな……」
男「ああ……」
友人「ぐっ……!?」
ドサッ…
男「おお~、本当にちょっと刺しただけで死にやがった」
男「ふん……お前みたいな危険人物、生かしておけるか」
男「いつまた心変わりして、俺を殺しにくるか分からないしな」
男(人気のないところに逃げ込んだのも実はわざとだ)
男(俺はお前を返り討ちにする気満々だったんだよ)
男(目撃者はいないし、死体は埋めて、ナイフはどこか捨てれば、俺の犯行がバレることはないだろう)
妻「お帰りなさい、あなた」
男「赤ちゃんは元気か?」
妻「ええ、今はよく寝てるわ」
男「じゃあ寝顔を見せてもらおうかな」
男(これでよかったんだ……)
男(こんなに幸せなのに30までに死ぬなんてとんでもない! 俺は長生きしてやるんだ!)
男(あれから俺は何事もなく30歳になれた)
男(仕事も家庭も順調そのもの。あいつのことも記憶から薄れかけてきた頃――)
TV『続いてのニュースです。昨日、男性の遺体が発見されました』
妻「まあ、物騒ねえ~」
男「……」
TV『身長は……、服装は……、年齢は……』
男「……!」
男(これは……あいつだ! ちっ、埋め方が甘かったか……!)
男(だが落ち着け! 警察が俺にたどり着くなんて絶対に不可能だ!)
男(いつも通り生活してりゃいいのさ……)
TV『男性の遺体遺棄事件の続報です』
TV『身元が判明したため、警察が男性の自宅を調べたところ』
TV『この男性は自宅を研究室とし、さまざまな病原菌やウイルスを研究していることが分かりました』
TV『中には高度な研究所でしか保管を許されない危険なウイルスもあり……』
男「……!」
男(あいつ……こんな危険人物だったのか。まるでテロリストじゃないか)
男(やっぱり殺しておいて正解だったな……)
TV『そのウイルスが自動的に外界にばら撒かれるよう仕掛けを施しておりました』
男「なんだって!?」
男(そうか、あいつのやりたかったことって……)
男(危険なウイルスをばら撒いて、大勢の人間を道連れにすることだったのか!)
TV『このウイルスは空気感染する上、拡散速度は凄まじく、おそらくウイルスは既にかなりの広範囲に』
TV『広まっているものと思われ……』
男「ウソだろ……!?」
男(ってことは、俺はやっぱり死ぬのか!?)
男(くそっ! こうと知ってれば、あいつを殺さなかったのに!)
TV『男性が遺したノートには、このウイルスの効能が記載されておりました』
男「どんな症状だ! 熱が出るのか!? 血でも吐くのか!? どのぐらい苦しむんだ!?」
TV『感染者は永遠に年を取り続け死ねなくなるという……』
―終―
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コメント一覧 (23)
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- 2019年09月12日 00:58
- こわっ
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- 2019年09月12日 01:01
- うーん
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- 2019年09月12日 01:05
- 星新一ショートショートストーリー
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- 2019年09月12日 01:32
- 世にも奇妙な物語にありそうな恐ろしい展開
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- 2019年09月12日 02:07
- 中断しようとしてたのに
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- 2019年09月12日 02:38
- なるほど
いいね!
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- 2019年09月12日 03:53
- 結構面白い
てか不死が病気扱いなんだな
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- 2019年11月08日 11:39
- >>7
ワイは絶対嫌やぞ
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- 2019年09月12日 06:45
- 何で断られるのが予想外な反応してるのに
毒を塗ったナイフを持ってるんだよ
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- 2019年09月12日 07:52
- 今日テレビ見て思ったけどブラピもキアヌ・リーブスも50過ぎてるんだな
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- 2019年09月12日 11:39
- 昨日30歳の誕生日だった俺には深く突き刺さるSSだったわ
自分が30歳になったって現実を受け入れた瞬間あれだけバカにしてた異世界転生ものの漫画に共感出来るようになったわ
あー、死にたくねぇけど自分程度の人間でも無双出来る世界に行きたいわー!
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- 2019年09月12日 11:41
- >>10
初老の入り口へようこそ
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- 2019年09月13日 04:23
- >>10
お前程度の人間で終わるのか?
お前が無双できるレベルで愚かで貧弱なゴミ共に囲まれて、余生を過ごしてそれで満足できるのか?
異世界旅行のついでに自分がお手軽に強くなって賢く強い仲間と共に生きてみたくはないのか?
それともお前程度の人間が手軽に誰よりも強くなるなんてもったいないとでも思うのか?
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- 2019年09月12日 12:38
- どうでもいい事だけど動物が野生と飼育下で大きく寿命が違うように「野生の人間(デカイ猿)」の寿命は30年くらいと言われてるな
人間30越えたらゆっくりと死んでいくだけなんやで
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- 2019年09月12日 13:13
- 50歳超えた初老が人生の真実教えたる。
同世代の十倍金あって23区内タワマン億部屋住みで仕事上ずっとチャラい独身人生で
いつでも抱ける女がいくら居る環境でも、本質がヲタク気質の男は
虹エロ一人遊びこそ至高と自覚した。リアル女だとベッドで一、二時間が限度でも、
50インチ4kモニターでの虹エロ相手だと十数時間でも足りず。週末があっという間に終わる。
うちに呼ぶ女達は料理やら家事やらやってくれるが、二十歳前の女の子ですら今どきは
こういう性癖の男を理解してくれるぞ。
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- 2019年09月12日 13:20
- >>13
50を超えた初老がSS読んで長々と語っていることがまず衝撃だわ。ところどころ文章もおかしいし。
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- 2019年09月12日 17:30
- >>15
やめたれ
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- 2019年09月13日 01:42
- >>13
長い
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- 2019年09月12日 13:20
- 疑似黒死病に羅患してそう
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- 2019年09月12日 21:56
- パワハラで鬱だった時は30になる前日に飛び降りしようと本気で思ってたな、29で職場環境変わって改善された今はとりあえず35を目標にしてる
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- 2019年09月12日 23:02
- 何百歳となって全身が動かなくなっても寝たきりで生き続けるのか、きっついな
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- 2019年09月12日 23:28
- >>18
おそろしい((((;゜Д゜)))
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- 2019年09月15日 13:06
- この地獄のような(地獄そのものではない)世の中にいきてたら、あと5年生きたらもういいやって心意気でやっていかないと続かないよ。