俺「ドキドキくすぐり地獄」
もしも主人公が入部を断ったら? のIFストーリー
ffff/mの短編くすぐり物になります
それでは開始します
俺の発言に、4人の女子が失望の眼差しをこちらに向けた。
俺はゲームやアニメが大好きな、どこにでもいる男子高校生だ。
そんな俺は今日、幼馴染のサヨリが副部長を務めている文芸部の見学に来ていた。
友人サヨリの頼みというのもあったが、美味しいカップケーキが食べられるというあいつの話に乗せられた感は否めない。
見学だけのつもりだったのに、いつの間にやら俺の入部前提でどんどん盛り上がっていく4人の女子部員たち。
ちょい待ち! とストップをかけたのが、冒頭のセリフである。
文芸部部長のモニカが、戸惑ったように視線を虚空に彷徨わせる。
茶色のロングヘアを白いリボンでポニーテールに結った、細身な体型の女の子。
才色兼備で学校の中でも人気が高く、昨年のクラスメートにして高嶺の花的な存在だ。
「ご、ごめんなさい。てっきり……」
謝りながら俯いたのは、部員のユリ。
黒髪ロングヘアが目を引く、長身でバストも大きいグラマーな女の子。
少しおどおどとしているが、お淑やかで他の子には無い大人っぽい雰囲気を纏っている。
不機嫌そうに鼻を鳴らすのは、同じく部員のナツキ。
桃色髪をツーサイドアップにした、一学年下の背が低い小柄な女の子。
かなり気の強い子だったがお菓子作りが得意らしく、今日出されたカップケーキは確かに絶品だった。
「えぇ~……」
そしてはっきりと落胆が見て取れる、副部長のサヨリ。
赤みがかった茶髪のショートボブに大きな赤いリボン、体格は女子標準と言ったところだろう。
底抜けに明るくドジな面も多々見せる、まさしく天真爛漫を体現したような俺の幼馴染である。
無難に一旦保留の返事をする俺だったが、4人はこっちを見てなければ話を聞いてもいなかった。
「……どうするのよ……じゃない……何か……」
「……それなら……りに弱いよ……けどそれは悪い……」
「……ありませんが……でも……試してみたくも……」
「……ならまず最初に……その隙にみんなで……一気にやれば……」
顔を突き合わせ、何やらひそひそ話を繰り広げるナツキ、サヨリ、ユリ、モニカ。
不穏な空気を感じて俺がその場を退散しようとした、その時だった。
突然こちらを振り向いたサヨリが、大声と共に俺の後ろをビシッ! と指さした。
「えっ?」
反射的に振り向いたが、目を引く物は何も見当たらない……と思った瞬間!
「えいっ!」
「おわっ!?」
音もなく背後に近づいていたモニカが、いきなり俺に膝カックンを食らわせた。
たまらずバランスを崩した俺は、その場にすってんころりんと無様に転倒してしまった。
モニカの合図を受け、サヨリにナツキ、ユリが俺に向かって一斉に襲い掛かってきた!
「うわわわわわっ!?」
慌てて身を起こして逃げようとした俺だったが、彼女たちの動きの方が速かった。
俺はあっという間に4人に組みつかれると、そのまま仰向けに大の字の形へ引き倒されてしまう。
すかさずサヨリが左腕に、ナツキが右腕に、ユリが左のふとももに、そしてモニカが右のふとももにそれぞれ座り込む。
「ちょちょちょ、何!? 何何何何何!?」
息ぴったりの連携で四肢のそれぞれに跨られ、俺は完全に動きを封じられてしまった。
しかし状況が状況なだけに、俺は興奮よりも恐怖の方が遥かに上回っていた。
じたばたともがいてはみたものの、体重をかけられたお尻を跳ね除けることができない。
焦る俺に向かって、4人はにやにやと不気味な笑みを浮かべながらじりじり手を近づけてくる。
そして。
「「「「こちょこちょこちょこちょこちょ~!」」」」
「ぶっ!? ぶはっ!? ぶははははははは!」
何と彼女たちは、俺の無防備になっている腋の下から脇腹にかけてを一斉にくすぐってきたのだった!
想像を絶するくすぐったさに暴れ回ったが、手足にのしかかるお尻という重しが俺を自由にさせてくれない。
「やめてくれ! 俺はくすぐったがり屋なんだ! いひひひ! ひーひひひ! やめてくれえ!」
必死になって訴えたが、くすぐりは止まるどころか段々と激しくなっていく。
「だははは! ぎゃははは! なーっはっはっはっは! ひひひひははははは!」
くすぐられている腋の下と脇腹をかばうことすらできずに、俺は我を忘れて笑い転げる。
「うひゃひゃひゃ! やめてっ! ぎひひひ! 頼む頼む頼むぅ! ぎゃーっはっはっはっはっは!」
地獄のような苦しみを味わいながら発せられた俺の絶叫が、空しく部屋にこだました。
俺の苦手はお見通しとばかりに、サヨリは左の腋の下をねちっこい指捌きでねっとり集中的にかき混ぜる。
腋の下を這い回るサヨリの指先の動きは、時が経つ毎にどんどんどんどん巧妙さを増していく。
「だーっはっはっはっは! ふざけるなぁぁ! のひゃっひゃっひゃっひゃ! いい加減にしろサヨリぃ!」
「っ……えへへ~。こちょこちょこちょ~! こちょこちょこちょこちょ~!」
俺の怒鳴り声に一瞬サヨリの顔が曇ったが、すぐに表情を戻すと再度腋の下をねちねちとくすぐり始める。
太陽のように明るい性格とは真逆とも言える、粘っこく重たい腋の下へのくすぐり攻撃。
普段は絶対に見られない幼馴染の闇を秘めた責め口に、俺の精神はあっという間に蝕まれていく。
右腋の下をくすぐるナツキの指先は意地悪な言葉と裏腹に、他の3人と比べて明らかに優しかった。
人差し指でなぞったり軽くちょんちょんとつついたり、あくまでも繊細でソフトタッチなくすぐり。
しかしサヨリたちとは異なる微弱な指使いが、悪い意味でメリハリとなって俺の腋の下の神経を刺激する。
「なーっはっはっは! ナツキ駄目だ! うひょーっひょっひょっひょ! それは駄目だぁぁ! ひぁぁぁ!」
ナツキの指が腋の下に触れるたびに、俺はヘンな声を出して身体をひくひくと痙攣させてしまう。
「ま、加減はしてあげるから安心して? みんながどうかは知らないけどね」
慈悲深い? ナツキの言葉に感謝などできるはずもなく、俺はびくんびくんと震えながら悲鳴を上げ続けた。
申し訳なさそうな口調で、ユリは俺の左の脇腹をくすぐっている。
しかしその口調とは裏腹に、指先の動きは4人の中でダントツに激しいものだった。
こちょこちょ、つんつん、もみもみ、ぐりぐり、ありとあらゆるバリエーションで俺の脇腹をくすぐる。
「ぎゃーっはっはっはっはっはっ! ユリやめ! やめやめやめぇ! ぎゃははははははははははははは!」
本当は楽しんでるんじゃないかと疑いたくなるぐらいの、容赦がないくすぐり方だ。
「この苦痛も快楽に変わるのでしょうか? 癖にはなりそうですけど……ふふ」
薄く笑うユリに狂的な何かを感じつつも、俺は脇腹を襲い続ける擽感にひたすら笑い狂わされていく。
「あなたの一番の弱点、ここよね」
そう言いながらモニカは脇腹の最もくすぐったいツボを的確に捕らえ、くりくりと徹底的に責め上げてくる。
「ぎゃはははははははははははははひぃははははははははははははははははははははははははははは!」
責められてる部分は一点だけにも関わらず、脳天から爪先までを貫く圧倒的にレベルが違うくすぐったさだった。
「あなたが思ってるより色々知ってるのよ? 私」
悪戯っぽい視線で俺を見下ろしながら、モニカは意味深なことを言う。
しかし今の俺に言葉の意味など考えられるわけもなく、ただただ喉の奥から笑い声を絞り出されるだけだった。
四者四様のくすぐりに、俺の精神は冗談抜きで崩壊寸前だった。
口の端からは飲み込むことができない涎を垂れ流し、目から溢れる涙で前が見えにくくなってきた。
サヨリとナツキにくすぐられている腋の下からの汗は、ぐっしょりと制服のシャツを濡らしているに違いなかった。
「げほげほげほっ! ホントに死ぬぅ! あひぃぃぃぃ! ひぃぃぃぃ!」
呼吸困難になって咳き込むが、それでも四人はくすぐり地獄を止めてくれない。
ドキドキという心臓の鼓動が、あと数秒で爆発するのではないかと疑うレベルで激しくなっている。
「ぎゃはははははは! 勘弁して! ぎゃーっはっはっは! 何でもするからもう勘弁してくれぇぇぇぇぇ!」
「はい、一分経ったわ。ストーップ」
モニカの号令と共に、俺の身体を襲う4人の指が一斉に活動を停止した。
た、助かった……。
始まってから一分しか経ってないという事実に驚愕しつつ、俺は荒くなった呼吸をどうにかこうにか整える。
「お、おい! 一体どういうつもりなんだひいっ!?」
抗議しようとした俺の声は、一転して情けない叫びに書き換えられた。
未だ俺の四肢にのしかかっている彼女たちが、再び目の前で指を蠢かし始めたからだ。
「私、あなたと一緒に活動がしたいんです。どうかお願いします」
「もうあんな思いしたくないでしょ? 大人しく従った方が身のためじゃない?」
サヨリ、ユリ、ナツキの3人は代わる代わる俺の顔を覗き込み、プレッシャーを掛けてくる。
そして最後にモニカが、俺に向かってにっこりと微笑む。
「あなたのこと信じてるけど……返答によっては今度は二分、いえ三分でどうかしら?」
俺は……俺はこの子たちには無力だ。
「わかった入部する入部する入部するから! 頼むからお願いだからもうこれ以上くすぐるのはやめてくれ!」
「やったああ! すっごく嬉しい!」
「本当にびっくりしたんですよ……?」
「本当にカップケーキのためだけに来てたら、超怒ってたんだからね」
「さあ、これで正式ね! ようこそ、文芸部へ!」
※ ※ ※
こうして彼はくすぐり地獄に屈し、文芸部の一員となりました。
果たしてこれからのあなたの選択は、文芸部にどんな未来をもたらすのでしょう?
彼女はただ静かに、瞳に光をたたえていた……。
ドキドキ文芸部、本編に続く!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ドキドキ文芸部、神作だと思います!
未プレイの方、是非遊んでみてください!
ただしゲームには子供に相応しくない内容、または刺激の強い表現が含まれています。
不安や鬱病に苦しんでいる方はこのゲームをプレイすべきではないかもしれません。
またゲームにくすぐりシーンはありませんので、プレイはあくまでも自己責任にてお願い致します。
Doki Doki Literature Club! Trailer
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- 男「すっぴんヤバくね?」女「え?」
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コメント一覧 (10)
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- 2019年08月17日 20:34
- 世界はお前のおもちゃじゃねえ!
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- 2019年08月17日 20:54
- ※1 フリゲだけあってすぐバグるから注意しろよー(棒)
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- 2019年08月18日 06:03
- なんでか本当に分からないけどスレタイで笑った
-
- 2019年08月18日 07:54
- ジョジョに分類されてたから来たけど
ミスだったかな
来なきゃよかった
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- 2019年08月18日 10:30
- 何故ジョジョ分類w
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- 2019年08月18日 11:24
- ※1 絶対やってみるんだ!
絶対途中で止めるんじゃないぞ!
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- 2019年08月18日 14:15
- 何かぞくぞくしてくるな
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- 2019年08月18日 15:59
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俺得!
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- 2019年08月18日 22:32
- これは確かに神ゲー
やってみよ