泥棒「誰だこいつ…!」空き巣「誰だこいつ…!」
泥棒「…」キョロキョロ
泥棒「…」スタタタタタ
泥棒「誰にも見られてないよな…」
泥棒「…よし、工具を取り出して…」
泥棒「鍵穴いじって…」カチャサチャ
泥棒「へへへ、開いたぜ」ガチャッ
泥棒「お邪魔しまーす」
空き巣「はぁ…はぁ…何とかベランダまでのぼってこれた…」
空き巣「誰も見てねえよな…」キョロキョロ
空き巣「初めての盗人は緊張するな…」
空き巣「…」
空き巣「よし」
空き巣「おっラッキー、鍵あいてる。さすが防犯対策が手薄な町だぜ」
空き巣「…と、失礼しまーす」
泥棒「タンスの中…ないか…」
泥棒「どっか適当なところに通帳でも入ってるもんだが…」
泥棒「そうだ、これほど大きい家なら金庫のひとつやふたつ置いてあるかも…」
--
空き巣「…」ガサゴソ
空き巣「よっしゃ…腕時計…ネックレス…他にもいろいろあるな…」
空き巣「向こうの引き出しも見てみるか…」
泥棒「階段はあれか」スタスタ
空き巣「2階はだいたい調べ尽くしたな…1階に行こう」
空き巣「階段はたしかあそこだったはず…」スタスタ
泥棒「あ」
空き巣「あ」
空き巣(ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!)
泥棒(人がいる!え!?なんで!?この時間は全員出払ってるはずじゃ…)
泥棒(こいつ…見た感じ30代か40代くらいか…となるとこの家の父親か…!?)
泥棒(くっ…女か子供ならまだしもこれはまずい!一歩間違えたら殺し合いになる…!)
泥棒(殺したらただじゃ済まないし殺されるのもごめんだ!)
空き巣「あっこれは…違っ…え?」
泥棒(この後こいつは「違いますけど」と言うはずだ。そして「え?あ、すみません間違えました」と言って家を立ち去る。これで完璧なはずだ!)
空き巣(攻撃してこない…だと?もしかしてこいつはこの家の住人じゃない…?)
空き巣(…)
空き巣(こいつの発言を察するあたりこいつはこの家の住人の知り合い。そして俺はこの家の住人と思われてる…ということか…)
空き巣「おう、佐藤だよ。久しぶりだな。ははは」
泥棒「え!?」
空き巣「ん?」
泥棒「あ、いや…」
泥棒(この家の住人の苗字あてちゃった…どんだけ運が悪いんだよ俺…!)
空き巣「気にすんな…ほら…とりあえずこの部屋にでも…えっと…どうぞ」
泥棒「あっ…えっ」
泥棒(ヤバイヤバイヤバイこの部屋はさっき俺が荒らしまくった和室…!)
泥棒「待て!」
空き巣「えっ」ビクッ
泥棒「俺…その…和室の匂いとかそういうの苦手で…リビングに行かない?」
空き巣「…ああ、いいけど」
空き巣(セーフ…)
泥棒(うわぁ危なかったぁぁぁ…)
空き巣(んーと、リビング…どこだ…)キョロキョロ
空き巣「…」ガチャッ
空き巣(ここでもない…)
空き巣(ここは…)ガチャッ
空き巣(洗面所か…)
泥棒「…?」
空き巣「どうぞ」
泥棒「おー広いなー」
泥棒(こいつなんで遠回りしてリビングに行ったんだ…?)
泥棒(少しでも怪しい動きしてたら警戒しないと…)
泥棒「割と大きい家で開放感あって…はっはっは」
空き巣「はは…」
泥棒(どうしよ…何しに来たって設定にしよう…)
泥棒「高校以来だよな。お前が今どうしてるのか気になって見に来たんだよ」
空き巣「おお、そうか」
空き巣(ん?じゃあどうやって住所つきとめたんだ?)
泥棒(頼むぞ…どうやって住所つきとめたとかそういうのは聞かないでくれ…答えられない…)
泥棒「おー悪いな。ありがとう」
空き巣(冷蔵庫に何か入ってないか…)
空き巣(…)
泥棒「…」
泥棒(客に水道水差し出すやつ初めて見た…!)
空き巣(冷蔵庫…飲み物はあったけど中身わからないものばかりだったし…どうしよ、水道水はさすがにまずかったか…)
泥棒(なにこいつどんだけ非常識なの…犯罪者が言うセリフでもないけど…)ギロッ
空き巣(うわ睨まれてる…)
空き巣(こいつの名前…何!?)
泥棒「…」
空き巣「あのさ、名前…なんだっけ」
泥棒「!!!」
泥棒「ひどいなーさすがに覚えてるだろ…?」
空き巣「ごめん、ど忘れしてもうた!なんだっけ?」
空き巣(なるべく自然に聞き出すんだ…)
泥棒(やべ…どうしよ…名前…あきらかに場違いな名前言ったら怪しまれる…)
空き巣「あっ…あー田中か。そうだ田中だ。悪い悪い思い出したわ」
泥棒(あってた…嘘でしょ…俺の勘どうなってんの…)
泥棒(とりあえずまとめよう…俺が田中という設定でこいつが佐藤)
空き巣(整理するか…俺が佐藤という設定でこいつが田中…よし)
空き巣「いや働いてないけど」
泥棒「は?嘘でしょ?こんな家に住んどいて…」
空き巣「あいや違う違う!あー…んー…俺社長になったんだよ」
泥棒「社長?」
空き巣「会社立ち上げたんだよ。それで今や大企業。俺の分はほとんど部下がやってて何も仕事がないからつい働いてないみたいな感覚に…」
泥棒「へーすごいな。社長か~、それならこの家の広さもうなずけるな」
空き巣「んああしてるぞ。子供10人くらい作ったわ」
泥棒「10人?」
空き巣(昔知り合いの詐欺グループを手伝ってたおかげで嘘がペラペラ思いつけるぜ…)
泥棒「え…ちょっと盛りすぎじゃ…」
空き巣「んんんんいや!?盛ってないよ!?」
泥棒(なんでそんな必死なんだよこいつ…)
空き巣(まあ結婚どころか彼女もいないんだけどさ…俺が大企業の社長だったら今頃こんな家に住んでるんだろうな…)
泥棒(長居は危険だ…隙を見てとっととこの家をずらかるしかない…)
泥棒「トイレどこだっけ」
空き巣「あー…トイレね…うん…」
空き巣(トイレの場所さっき見たぞ…どこだっけ…あ、あそこだ)
空き巣「トイレはそこから右行って突き当たりを左に行って2番目のドアだよ」
泥棒「おお、ありがと」
空き巣「待った!」
泥棒「!」ギクッ
泥棒(え…なんだ…ついにバレたか…?)ドキドキ
空き巣(こいつ…まさか俺の正体に勘づいて警察に通報する気じゃないだろうな!)
空き巣「俺も行く!」
泥棒「はい!!?」
泥棒(こいつがついてきたらこの家から出られないじゃねーか!)
空き巣「いや…トイレまで案内しようと思って…」
泥棒「さっき聞いたからいいって」
空き巣「いやいいから!」
泥棒「いやいやいいからマジで!」
空き巣「お前がちんこが見たいんだよ!」
泥棒「えっ…」
空き巣「昔からお前のちんこに興味があったんだよ…」
泥棒「…」
泥棒「ごめん俺彼女いるから…」
空き巣「関係ねえ!」
泥棒「あるだろ!だいたいお前結婚してるんだろ!?」
空き巣「そっ…関係ねえ!!」
泥棒「あるだろ!!!」
空き巣「こ…高校のときからお前のことずっと目つけてたんだよ…」
空き巣(とにかくこいつから目を離す訳にはいかない!なんとかして口実をつけないと…)
泥棒(こいつやべぇ…!バレるバレないの問題じゃない!一刻も早く家を出ないと俺の身体が危ない!)
空き巣「なあ…」ヨロ…
泥棒「…」ダッ
空き巣「あっ待て!」
空き巣(野郎…やっぱり俺の正体気づいてて通報する気だったんだ!)
泥棒「うわあああああ来るなあああああ!!!」
泥棒(ヤバイヤバイヤバイ!もう無理!こんな家狙うんじゃなかった!)
空き巣「逃がすかこの野郎!!」
空き巣(まずい!外に逃げられたら厄介だ!)
空き巣(顔も見られてるし警察に駆け込まれたら終わりだ!!)
空き巣「待てオラァァァ!!」
泥棒「うわああああああああああああああああああああ!!!」
泥棒「いやああああああああ!!!」
泥棒「お前!妻と子供がいるってのにこんなことしていいと思ってんのか…!」
空き巣「しらばっくれんな!どうせ俺の正体とっくにきづいてるんだろ!」
泥棒「は!?ちょ…やめっ…」
空き巣「暴れんな!おい!」ドサッ
通行人「あらやだ…通報しとこ…」
空き巣「いつつ…」
泥棒「抱きつくな!はなせ!」
空き巣「はなすもんか!お前のことは一生はなさんぞ!」
泥棒(マジなやつだこれ!くっ…どうすれば…!)
彼女「…なにやってんの」
泥棒「え…」
彼女「友達の家に遊びに行って帰るとこだったんだけど…何?その男誰?」
泥棒「違っ…これは…いきなり…」
彼女「あんたそういう趣味持ってたの…?」
彼女「路上で男に抱きつかれながら寝転がってる彼氏の話なんか聞いて何になるの?」
泥棒「頼む!話だけでも…」
彼女「今までごめんね、無理に付き合ってもらって…」
彼女「早めに言ってくれれば私も時間を無駄にしずに済んだのに…」
彼女「さよなら…」
泥棒「待ってくれ!」
彼女「…」スタスタスタ
泥棒「頼む!待ってくれ!待っ………うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
空き巣「オラ!殺されたくなければおとなしく俺の言う通りにしろ!」
泥棒「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
空き巣(誰かに通報される前に人気のない所に…)
通行人「あそこです!」
警察A「!」
空き巣(クソッ…遅かった…!)
警察A「野郎!今すぐ手をはなせ!」
警察B「取り押さえろ!」
泥棒「ううう…グスッ…」
警察B「暴れるな!男に手を出すなんて親の顔が見てみたいわ!」
空き巣「はあ!?何言って…」
警察B「現行犯だ!おとなしく署に来てもらうからな!」
空き巣「クソが!」
警察A「あなたも署まで来てもらえますか?」
泥棒「うわあああああん!!!」
泥棒「…」
泥棒「…」
泥棒「俺の…唯一の彼女…グスッ…」
ガシャンッ
看守「ここでおとなしくしてるんだな」
空き巣「初犯の窃盗で懲役刑ってどう考えてもおかしいだろうが!おい!」
囚人「うるっせぇなボケェ!ぶっ殺すぞ!」
空き巣「ひぇっ…」カタカタ
-完-
どんまい
ありがとう
空き巣←通報されると勘違い
泥棒←相手がホモだと勝手に勘違い
という流れ
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- ブラックジャック「何、豊胸手術!?」 千早「……くっ」
- 【閲覧注意】J( 'ー`)し「今年も年賀状が沢山届いたわね」
コメント一覧 (7)
-
- 2019年08月05日 00:17
- アンジャッシュは彼氏と父親の設定だったか
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- 2019年08月05日 00:24
- アンジャッシュもだけど中国のコント芸人もやってた
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- 2019年08月05日 01:19
- スレタイの時点でアンジャッシュの真似かなと思ってたけど書いてる途中で知ったのね
-
- 2019年08月05日 20:02
- >>3
だから何?
ただのパクリじゃん
しかも劣化品
似てるっていうのもアンジャッシュに失礼なレベル
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- 2019年08月05日 01:27
- 昔、サンタと空き巣で似たようなの見た記憶がある
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- 2019年08月05日 01:38
- こち亀の一巻で両津が空き巣を家の主人だと思って意気投合して別の空き巣を捕まえた話があったよな
-
- 2019年08月05日 03:04
- かわいそ
彼女もホモレの可能性ぐらい考慮してあげろよな