【もののけ姫】サン「ああ、なんて生きにくい世界なんだ、この世は。」【完全ノーカット版】

【もののけ姫】サン「ああ、なんて生きにくい世界なんだ、この世は。」
1:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:28:47.504 ID:KiDBk/YGr

─山

サン「お前はジコ坊、なんだそれは?」

ジコ坊「これは太古の文明の遺産だな。なんでも、自由に過去や未来に行けるっていうカラクリらしい。」

ジコ坊「しかし、ワシが見たところじゃ、燃料が往路ぶんしか無さそうだな。」

サン「そんなもの、いらない。わたしにはアシタカがいればいい。」

ジコ坊「もののけの姫よ、この世界しか知らず死んでも惜しくないのか?」

サン「いま言っただろう。わたしにはアシタカがいればいい。」

ジコ坊「実はな、そのアシタカ、死の病にかかっておるようだ。今の世には無い、未来の薬でなければ治せない病だ。」

サン「アシタカが!?昨日会った時は健康そのものに見えたぞ!何を企んでいる!?」

ジコ坊「なーに、簡単な話だ。オヌシが未来に行き薬を手に入れたら、ちょっとばかし土産を持ち帰ってきて欲しいだけだ。燃料を入れるのを忘れるなよ?ガッハッハ」

サン「何だ!それは!?」

ジコ坊「今は言えん。どうだ、乗るか?」ニヤニヤ

サン「なぜお前が行かないんだ!?」

ジコ坊「ワシはちと忙しいのでな、オヌシならアシタカを救えると見込んだわけだ。」

サン「お前は土産とやらが欲しいんだろう!?」

ジコ坊「まあ、それもあるがな、ガッハッハ!」

ジコ坊「どうだ、やってみるか?」ニヤニヤ



2:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:29:57.790 ID:KiDBk/YGr

─タタラ場

アシタカ「サン、どうしたのだ、そなたがこちらに来るなんて。私が森に行っても良かったのに。」

サン「…アシタカ、どこか具合が悪いところはあるか。」

アシタカ「いや、健康そのものさ、今日もタタラ場で仕事をしている。汗を流すのは気持ちがいいものだ。」

サン「本当か。ではジコ坊の言ったことは嘘だったのか?」

アシタカ「ジコ坊…何があった。私に話してくれないか。」

サン「アシタカ、お前は死の病にかかっているらしい。」

アシタカ「何だって?私は見ての通りピンピンしているぞ。」

サン「わたしもそう思う。しかしジコ坊はそう言っている。だから、たいむましんで未来に行って薬を。」

アシタカ「タイムマシン?それは確か、ヒイ様が昔、話してくれたことがある。」

アシタカ「太古の文明は今では計り知れない高度な文明だった。タイムマシンも容易に作れたが、天変地異が起こり文明は滅んでしまったと…。」

─真剣な眼差しのアシタカ

サン「わたしが薬を持ち帰れば、アシタカが救われる。わたしはアシタカを救いたい。」

アシタカ「!!、ゴボッ!…」ボタボタ

サン「アシタカー!!」

アシタカ「なぜ私が血を吐く…これは、肺病か…!?」

サン「なぜ申し合わせたように血を吐くのか、わからない。ただ、わたしは行く。アシタカを救いたい。」

アシタカ「サ、サン!ゴホッゴホッ!…危険なところかも知れぬぞ。そなたを危険にさらしたくはない!ゴホッ!」

サン「アシタカは静かに寝ていればいい。わたしは行く。アシタカを救いたい!」



4:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:31:45.881 ID:KiDBk/YGr

─山

ジコ坊「来たな、もののけの姫よ。やはり来るだろうと思っていた。」ニヤニヤ

サン「何を笑っている!不愉快なヤツだ!」

ジコ坊「まあそうカッカするな。このカラクリは正常に動くようだぞ?」

サン「なぜそんなことがわかる!」

ジコ坊「ワシは数々の書物も読んでるのでな。南蛮渡来の文明も少し明るいのだ。」

サン「アシタカの病はなんだ!」

ジコ坊「あれは肺病、結核だ。」

サン「…結核?…わからない。ただ、わたしはアシタカを救いたい。わたしは行く!」

ジコ坊「くれぐれも土産を忘れないでくれよ?」

サン「一体なんなんだ?土産とやらは。」

ジコ坊「あのな、痔の薬を持って帰って来て欲しいのだ。未来には良薬があると聞く。ワシの痔は山の薬草では手に負えん。」

サン「痔の薬だな。わかった。持って帰ってくる。それで燃料は何が使われているのか。」

ジコ坊「今の世には無い液体だな。先刻、木の枝に少々付けて火で炙ってみた。勢いよく燃えたから油の一種なのは間違いないだろう。未来で見つけ出せ。」

サン「見つからなかったら?」

ジコ坊「オヌシは帰れず、アシタカも死ぬだろう。」

サン「アシタカ…必ずお前を助けてやる!行ってくる!」

ジコ坊「おお、そうだった、これを持っていけ。」

サン「これは…金か?」

ジコ坊「そいつを売って行動する資金にしろ。ワシもハッキリとはわからんがきっと使うだろう。地獄の沙汰もカネ次第だからな。」ニヤニヤ

サン「痔だとは言え、なぜそこまでする。」

ジコ坊「シシ神の祟りから救って貰った恩とでも言うべきか。礼はいらん。痔の薬だけは頼んだぞ!」

サン「わかった。結核の薬と燃料と土産の痔の薬だな。わたしはやれそうな気がする。」

ジコ坊「未来は2019年に設定しておいた。この国がまだあればよいがな!ガッハッハ!ウワーッハッハ!」

サン「本当に信じていいのか!わたしは不安だ!」

ジコ坊「それはそうだろう、わかる。行け!いざ未来へ行って帰ってこい!待っているぞ。」

サン「アシタカ…!アシタカ…!アシタカ!!必ず帰ってくる!!」ポチットナ

─激しい閃光



5:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:32:22.794 ID:KiDBk/YGr

─森の中

サン「………………………。」

サン「ううっ…。頭が痛い。こ、ここはどこだ…?」

サン「世界は滅んではいない。それはわかる気がする。しかし、これからどうすればいい。」

サン「アシタカ…アシタカ…寂しい。…寂しい?わたしが寂しい?そうかわたしは寂しいのか。アシタカ…。」

サン「…腹が減った。食べ物になるものを探そう。槍は持ってきていないから、魚でもいれば…。」

サン「そうだ、川を探そう!川のそばには人が暮らしを営んでいるはず。」

サン「嫌いなはずの人を探すのか、わたしが。……わたしはもののけの姫。人は嫌いだ。」

サン「でも、今の状況では人の助けも必要かも知れない。歩こう。」

─山の中を一人歩くサン

サン「!、せせらぎが聞こえる。川が近いか?」



6:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:34:04.046 ID:KiDBk/YGr

─川

サン「水は…綺麗だ。飲めるかも知れない。」

─水を飲むサン

サン「この川を下れば集落があるのか。わからない。でも前に進もう。」

─歩くこと数時間

サン「だいぶ腹が減った。何か食べ物…魚…。」

─魚を探すサン

サン「この岩の下にいるかも知れない。よし!いる!」

─生で魚を食うサン

サン「これも少しは腹の足しになる。もう少し歩かなくては。」

サン「匂う!これは人間の匂いだ!」

サン「でも、わたしがこの世の人間に会ったらどうなる?わたしはもののけの姫。他の人間は進化しているのだろう。」

サン「とにかく集落のそばまで行ってみよう。」

サン「あれは、幼子。三人で何かをしている。道具を使って何かをしているようだ。」

男の子A「オレのガンダムは強いぞ!」

男の子B「僕のジオングだって強いんだぞー!」

男の子C「ぼくはザク…。弱い。」

サン「遊戯?人形で遊戯しているみたいだ。やはり今は変わった服装をしているな。どうしよう。」

サン「夜まで待って、もっと下ろうか。ジコ坊に貰った金をカネに替えてから、この世に合わせた服装を身に付ける必要がある。」

サン「この格好では少し目立ち過ぎだろう。この金が幾らになるか、わからない。でも、それしかない気がする。」



7:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:34:46.949 ID:KiDBk/YGr

─山を更に下るサン

サン「かなり歩いた。もうさすがに疲れた。どこか寝床を探そう。」

─夕暮れ

サン「?、何か光りが迫ってくる!なんだ、あれは!」

─トラックが走る県道

サン「恐ろしい!タタリ神か!?ものすごい速さで移動する!」

サン「でもわたしはアシタカと共に、シシ神様に認められた存在。これで怯えてはいられない。」

サン「何か眩しい光りを放つ小屋がある。なんだろうあれは。」



8:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:36:47.577 ID:KiDBk/YGr

─コンビニエンスストア

サン「あそこで金をカネに替えられないか聞いてみよう。」

サン「いたっ!」

─自動ドアに突っ込んでおでこをぶつけるサン

サン「はあ、この世は奇っ怪なものばかりだ。いったぁ」オデコスリスリ

店員A「らっしゃっせー」

サン「お前達、これはここで使えるか?」

店員A「なんすかコレ…コレ金じゃねすか!金はうちじゃ使えませんす!」

店員B「駅前に小白屋があるので、そこでお金に替えないとお使いになれませんよ。」

サン「駅前?なんだそれは?」

店員A「お客サン、失礼すけど、どっから来たんすか?」

店員B「駅前は県道を道なりに真っ直ぐ行って国道に出ますから、左に曲がって行けます。」

サン「わからない。」

店員B「地図を書きますね。」カキカキ

サン「あ、ありがとう。」

店員B「とにかく、この県道を真っ直ぐ行って、さらに大きい道路にあたりますから、そこを左に曲がります。しばらく行くとかなり繁華街になりますから後はわかります。」

店員B「駅の近くに来たら、また人に聞けば小白屋がわかると思います。お気をつけて。」

サン「ありがとう。小白屋か、行ってみる。いたっ!」

─またドアに突っ込むサン

店員A「かなーり、変わったお客サンだったけど、かなーり、かわいくないすか?」

店員B「…そうですね。いらっしゃいませ、こんにちはー」

─県道を歩くサン

サン「親切な人間もいるのか。このようなわたしにも親切に教えてくれた。まだちょっと痛い。」サスサス



9:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:38:58.733 ID:KiDBk/YGr

─国道に出るサン

サン「さっきよりすごい数のタタリ神がたくさんいる!すごい速さで移動している!」

サン「この世の中は一体…。でも体からウネウネが出ていない。…違うのかもしれない。」

サン「とにかくあれに当たったら怪我では済まないだろう。気を付けなきゃいけない。」

サン「アシタカ…。大丈夫か?アシタカ…。」

─繁華街

サラリーマン「おっ!お姉ちゃん変わった格好してるけどコスプレ?ちょっと飲みに行かない?」

サン「知らない。小白屋はどこだ。」

サラリーマン「あ?変な女だな。小白屋はすぐ先にあるけどな。なんかくせーな。お前風呂入ってんのかよ。」

サン「知らない。」

サラリーマン「あっそ。けど風呂くらいは入れよ!マジでくせーわ。」

サン「風呂はどこで入れるんだ。」

サラリーマン「あー?ますます変な女だなぁ。このあたりは銭湯…は前はあったが、今は潰れたな。ホテルに泊まれよ。あ、顔はなかなか良いからウチに来るか?」ヘヘヘ

サン「そんな暇はない。小白屋に行く。」

サラリーマン「けっ!さっさと失せろ!クソまーんがよ!」

─サラリーマンと別れるサン

サン「…確かに風呂には入っていない。人間には臭いのか?わたしにはわからない。はっ!それではアシタカもわたしが臭いのか!?」

サン「わたしは人間臭さが嫌だから風呂には入らない。泥とホコリにまみれた匂いが好きだ。でも普通の人間はそうではないのだろう。」

サン「ほてる…か。」

─小白屋前



12:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:45:22.902 ID:KiDBk/YGr

小白屋店員「いらっしゃいませ。買い取りですか?」

サン「これを。」ジャラ

小白屋店員「これは、金ですね。調べて計りますので少々お待ち下さい。」

小白屋店員「24金が25gですからウチでは…110000円になります。宜しいでしょうか。」

サン「それで結核の薬とたいむましんの燃料と痔の薬は買えるのか?」

小白屋店員「えっ。結核…。うーん、結核って、市販薬とかで売ってないでしょ。タイムマシンの燃料ねぇ…。痔の薬なら充分お釣りがくるね。」

小白屋店員「あの、お姉さん、大丈夫?ちょっと疲れてんじゃないですか?」

サン「わたしは確かに歩き疲れた。もう今日は休みたい。」

小白屋店員「でしょう。わかりますよ。だいぶ疲れちゃってるんですよ。金はお金に替えていいんですね?」

サン「頼む。」

小白屋店員「では110000円です。お確かめ下さい。」

サン「この紙切れがこの世で価値があるのか。」

小白屋店員「もちろんです!ウチは絶対にホワイト企業ですから!あなた、相当疲れちゃってるみたいだからお家に帰って、薬飲んで休まれたほうがいいですよ、お客さん。」

小白屋店員「わたしだから警察は呼ばないですがね、少しお休みになったほうがいいですよ。」

サン「わかった。ありがとう。」

─なんとか無事にお金を入手したサン

サン「ほてる…休めるのか?この世はわたしが思ってるより複雑なんだな。ほてる探そう。」

─老婆が歩いている

サン「すまない。ほてるはどこにあるのか。わからない。」

老婆「ホテル?ここら辺はビジネスホテルからラブホテルまで色々あるよ?」

サン「休めるところを探している。」

老婆「ただ休むだけならどんなホテルでも休めるけどねぇ…」

老婆「じゃあ、西縦ホテルでもいいのかしらねぇ」

サン「それはどこにある?」

老婆「すぐ近くにあるねぇ。ここからも見えるでしょ。あれだよ。」

サン「あの大きい山か。ありがとう。これでいいか。」

老婆「えっ一万円?こんなにいらないよぅ。ただホテル教えたくらいで。」

サン「いいから。」

老婆「そう?ならいただくよ。ありがとうね!えーっ!ほんとに一万円?良いこともあるもんだねぇ」



14:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:51:55.317 ID:KiDBk/YGr

─西縦ホテル

受付「おかえりなさいませ。」

サン「今日はもう休みたい。」

受付「ご宿泊ですね。」

サン「これで休めるか。」スッ

─一万円を差し出すサン

受付「はい。ご宿泊していただけます。こちらの名簿にご記入下さい。」

サン「?、わたしはできない。」

受付「はぁ、あの、こちらでは決まりになっておりまして、こちらに記入して頂いてご宿泊となります。」

サン「できない。」

受付「はぁ、それでは大変申し訳ありませんがこちら…」

─さらに一万円を差し出すサン

サン「頼む。今日は泊まらせてもらいたい。」

受付「はぁ、…………。わかりました。私が記入します。お名前を頂戴しても宜しいでしょうか。」

サン「サン。」

受付「…サン様ですね?ご住所をお願い致します。」

サン「そのようなものは無い。」

受付「お客様、当ホテルではご記入頂けないとご宿泊はしていただけません。」

サン「どうしたらいい。」

受付「お休みになられるのでしたら、インターネットカフェなどがございます。」

受付「シャワールームもあるようでございます。そちらですと、お休みになられると思います。住所等も書かないでよろしいかと。」

サン「いんたーねっとかふぇ?」

受付「はい。漫画喫茶などということもあります。」

サン「そこに行ってみる。」

受付「お金はしまっておいたほうがよろしいです。」

サン「……ありがとう。」

─西縦ホテルを出るサン

サン「ああ、なんて生きにくい世界なんだ、この世は。アシタカ、わたしは早く帰りたい。薬を絶対に手に入れて帰るから待ってて…。」



15:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:53:29.328 ID:KiDBk/YGr

─再び繁華街を歩くサン

サン「いんたーねっとかふぇはどこに…。」

─若者が歩いている

サン「いんたーねっとかふぇを探している。どこにあるのかわからない。教えてくれないだろうか。」

若者「ネカフェ?何件かあるけど。一番近いとこならすぐそばにあるじゃん。」

サン「どこに?」

若者「?、じゃあ付いてきなよ、案内するから。」

サン「ありがとう。」

─若者に導かれネカフェに着いたサン

店員「いらっしゃいませ。お時間は何時間ですか?」

サン「わからない。朝までとにかくゆっくりしたい。」

店員「シャワールームはお使いになりますか?」

サン「風呂か。入っておくか。でも今日はもう休みたい。」

店員「かしこまりました。では、ナイトパック12時間で15番のブースになります。ごゆっくりどうぞ。」

サン「じゅうごばんのぶーすはどこにある。」

店員「こちらから真っ直ぐ歩いて突き当たりを右に曲がってすぐにあります。」

サン「地図を描いてくれないだろうか。」

店員「…わかりました。」カキカキ

サン「ありがとう。じゅうごだな。」

店員「ごゆっくりどうぞー。」

─なんとか15番のブースにたどり着いたサン

─リクライニングシートに体をどっさり任せるサン

サン「…はあああ、疲れたああああ。」

─ドン!と横の仕切りを叩く音がする

サン「ここは静かにするところか。すまない…。」

─頬を涙が伝わり、落ちる

サン「アシタカ、わたし、疲れた。」



16:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:54:01.751 ID:KiDBk/YGr

─朝

サン「体のあちこちが痛い。早く帰って寝床で寝たい。」

サン「はっ!たいむましんであの時代に戻る設定はどうすればいいのだろう!!」

サン「わたしは何をしてるのか。何のためにここまで来たのか。」

サン「でも、わたしは諦めない。たいむましんのことがわかる人がいるはずだ。まず風呂に入って、それから服を買おう。」

─インターネットカフェのシャワールームで身体を洗うサン

サン「これは…これを体に付けて洗うのか?」

─ボディーソープを手に取り身体に塗りたくる

サン「うわっ、ヌルヌルする。?、だんだん泡が出てきた!」

サン「しかし、なんだこの匂いは。鼻がおかしくなりそう。」

─サンは泡だらけになり、シャワーで流す

サン「頭も洗うか。ついでにこの化粧も落としたほうが良さそうだ。」

─ボディーソープで頭を洗ってしまうサン

サン「酷い色だ。茶色じゃないか。私はこんなに汚れていたんだな。」

─シャワーで流す

サン「っ!髪がなんだかギシギシする!もしかして間違えた!?」

サン「とにかくよく流しておいたほうがいいな。」

─シャワーでひとしきり流し終えると洗面台に向かうサン



17:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:54:44.382 ID:KiDBk/YGr

─洗面台

サン「…。化粧を取ったわたしはこんな顔をしていたのか。」

─ニコッと笑ってみる

サン「………。」

サン「アシタカ、大丈夫か…?」

サン「服を買いに行こう。」

─会計を済ませインターネットカフェを出るサン

サン「あそこでいいかもしれない。」

─デニムメイト

店員「いらっしゃいませー。」

サン「わたしが着られる服はあるか。」

店員「ございますー。どのような服がよろしいですかね?」

サン「とりあえず、動きやすいのがいい。」

店員「それでしたら、デニムがよろしいかと思いますー。」

サン「でにむ?」

店員「はいー。」

サン「それはどこにあるか。」

店員「こちらにございますー。」

サン「わたしに合うものを選ぶのか?」

店員「はい。そうですー。ウエストはなんcmですかー?」

サン「わからない。」

店員「測定しますねー。53cmですねー。スリムでいらっしゃって、うらやましいですー。」

サン「そうなのか?よくわからない。」



18:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:55:25.325 ID:KiDBk/YGr

─デニムメイト

サン「上半身に着るものも買いたい。」

店員「どんな服がお好みですかねー?」

サン「そういうものは無い。」

店員「私のオススメは、こちらのパーカーですー。お客様によくお似合いだと思いますよー?」

─店員が示したのはピンク色の薄手のパーカー

サン「そうか、それを買う。あと靴も欲しい。」

店員「靴はあちらにございますー。オススメは、コンバーヌオールヌターですー。」

サン「よくわからない。一緒に選んで欲しい。」

店員「はいー。ではこちらへー。」

サン「これも色々な大きさがあるのか。」

店員「そうですねー。22cmをまず試しに履いてみてもらって、それから色をお選びになるのがよろしいかと思いますー。」

サン「ん…。なんだかちょうどいい気がする。」

店員「お色はいかがいたしますー?」

サン「これでいい。」

店員「あちらがお会計になっておりますー。」

サン「わかった。ありがとう。」

─会計を済ませて店を出るサン

サン「さて、どこで着替えようか。さっきのいんたーねっとかふぇでいいか。」

─再びインターネットカフェに来たサン



19:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:58:27.826 ID:KiDBk/YGr

─インターネットカフェ

店員「いらっしゃいませ。お時間は何時間ですか?」

サン「少しだけでいい。」

店員「それでは、通常料金で、オープンブースがお安くなってますね。」

サン「昨夜の小部屋がいい。たしか、じゅうごばんだった。」

店員「15番のブースですね、空いてますね。かしこまりました。15番ブースで通常料金でお取りします。ごゆっくりどうぞー。」

サン「ありがとう。」

─15番のブースに来たサン

サン「この古い服はどうしよう。捨てるのは惜しい。でも荷物になるな。」

─新しい服装に着替えたサン

サン「これで、もう見た目で心配することは無いだろう。」

─15番ブースを出るサン

─男子学生と思われる若者がサンをじっと見つめる

男子学生「(めちゃくちゃかわいいじゃん…。)」

サン「…なにか?」

男子学生「い、いや、なんでもないです…。」

サン「そうか。あ、そうだ、結核の薬はどこで買えばいいんだ?」

男子学生「は、はい?結核………。それは病院にしかないと思います。(はぁー、ほんとにかわいいなぁ…。)」

サン「びょういん。そこに行けばいいのか、ありがとう。」

男子学生「い、いえ、お力になれたら幸いです。」

─会計を済ませ、インターネットカフェを出るサン

サン「びょういんか。どこにあるのか。」

サン「そういえば、昨日魚を食ってから何も食ってなかった。食う処は色々あるみたいだな。」



20:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 21:59:47.192 ID:KiDBk/YGr

─繁華街

サン「どこにしようか。わたしは何が食いたいのか。」

サン「…肉が食いたいかも知れない。」

─ふいうちステーキ

サン「ここにしよう。」

店員「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」

サン「…わたしは一人だけだ。」

店員「お煙草はお吸いになられますか?」

サン「たばこは吸わない。」

店員「かしこまりました。こちらのテーブル席へどうぞ。」

サン「ありがとう。」

─メニューを見るサン

サン「色々な肉があるようだ。でも、字が読めないからわからない。」

サン「すまない。ちょっと来て欲しい。」

ウェイトレス「はい。ご注文ですね?どうぞ。」

サン「肉が食いたい。」

ウェイトレス「お肉でしたら、ただいまランチメニューがお得になっております。」

サン「よくわからない、どれ?」

─メニューを差し出すサン

ウェイトレス「こちらになっております。」

サン「これか。じゃあ、これを頼む。」

ウェイトレス「かしこまりました。ランチセット、お肉200gですね?」

サン「飲みものはあるのか?」

ウェイトレス「はい。こちらにドリンクのメニューがございます。」

サン「この黄色いやつがいい。」

ウェイトレス「オレンジジュースがおひとつですね?ご注文は以上でよろしいですか?」

サン「うん。頼む。」

ウェイトレス「ありがとうございます。少々お待ちください。」

サン「うん。」



21:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:01:09.578 ID:KiDBk/YGr

─ふいうちステーキ

サン「(まだか…?まだか…?)」

サン「…今のうちに厠に行っておくか。」

─トイレに向かうサン

サン「すまない、厠はどこにある。」

ウェイトレス「かわや…。あ!おトイレはあちらにございます。」

サン「ありがとう。」

サン「あっちは男が出てきたから、こっちがわたしだな。」

サン「はぁー。疲れた。」

サン「この厠、変な形をしているな。」

─便座の上に乗っかるサン

サン「うーん、なんか違う気がするが、まあ、できないこともない。」

─サンは下を全部脱いでいる

サン「ふぅ…。肉が楽しみ。」

─トイレを済ませたサン

サン「ん?もう来てるのか。」

─ランチセット肉200gとオレンジジュースが置いてある

サン「うまそう。」

─手づかみで肉を食うサン

サン「…手がヌルヌルになるな、これを使えばいいのか?」

─フォークを手に取るサン

サン「うまい!これはうまい!」

店員「ありがとうございまーす!」

─遠くから店員が答える

サン「この液体も飲んでみよう。うわっ!酸っぱくて、甘い!でも、うまいかも。」

サン「この世の人間は、毎日こんなにうまいものを食ってるのか?」

サン「アシタカにも食わせてやりたいな。それは無理か。」

サン「結構、量があるな。食いきれないかもしれない。」

─肉だけをきれいに平らげたサン

サン「よし!腹ごしらえもできたし、びょういんとやらを探そう。」



22:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:02:39.057 ID:KiDBk/YGr

─繁華街

サン「びょういんとやらはどこにあるのか…。」

─通行人がたくさん行き来している

サン「びょういんはどこにあるか。」

若い女「病院?なんの病院?」

サン「なんの?ああ、結核。」

若い女「結核…?うーん、たぶん総合病院に行けばわかるのかなぁ。」

サン「それはどこに?」

若い女「バスに乗っていけるよ。」

サン「あ、それ、わたしは無理。どうやって行けばいいのか、わからない。」

若い女「ちょっと高いけど、タクシー使う手もあるね。」

サン「たくしー?なんだそれは。」

若い女「あそこに黒い車があるでしょ?あれタクシーだから。」

サン「あのタタリ神か。あれに乗って平気なのか?」

若い女「ちょっとあんた、冗談のつもりだよね?マジうける。」

サン「あ、いや、そんなつもりはない。たくしーでそうごうびょういんに行けるんだな?」

若い女「そうだよ。行くなら気をつけて。」

サン「ありがとう。」

─タクシー

サン「うわっ!体が勝手に開いた!」

運転手「お客さん、乗るの?乗らないの?」

サン「い、いや、乗る。乗っても平気なのか?」

運転手「珍しいね、お客さん。どっから来たの?」

サン「それは…。」

運転手「とにかく、乗るかどうするんですか?」

サン「のっ、乗る!そうごうびょういんまで行って欲しい。」

運転手「総合病院ね、あかつき総合病院でいいんですか?」

サン「そこでいい。たぶん…。」

運転手「わかりました。お客さん、どこか遠くから来たんですか?」

サン「遠いと言えば、かなり遠いと思う。」



23:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:04:26.303 ID:KiDBk/YGr

─タクシー内

サン「それにしても、タタリ神だらけだ。でも、よく見ると足が丸い。やっぱりタタリ神ではないようだ。」

運転手「さっきから、たたりがみって、何なんですか?」

サン「わたしの世界では、タタリ神は恐ろしいものだ。」

運転手「わたしの世界ねぇ…、独特な人ですね、お客さんは。」

サン「まあ、独特であるのは間違いではないと思う。」

運転手「さぁ、着きましたよ。1280円です。」

サン「ありがとう。あ、帰りはどうしたらいいだろう?」

運転手「私の会社の電話番号です。こちらに電話すればすぐ来ますよ。」

サン「?、それは使えない。」

運転手「…そうですか、あかつき総合病院なら、タクシーがよく回ってくるから、いつでもつかまると思いますよ?」

サン「そうか、ありがとう。」



24:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:07:42.016 ID:KiDBk/YGr

─あかつき総合病院内

受付「初診ですね?診察券をお作りしますので、こちらの用紙に記入してください。」

サン「名前はサン。…そういうことは、できないんだ。」

受付「…保険証はお持ちですか?」

サン「?、そういうものは持っていない。」

受付「…保険証をお持ちでない場合、10割自己負担になりますが、よろしいですか?」

サン「とにかく、カネがかかるってことか。仕方ない。これで足りるか?」

─ビニール袋のお金を見せるサン

受付「なんのご病気か、解りかねますし、幾らのお金がかかるなどは、私からは申し上げられません。」

サン「そうか、結核の薬が欲しいんだ。」

受付「お客様が結核にかかられておられるのですか?」

サン「いや、わたしではない。」

受付「ご家族の方ですか?」

サン「家族…?(アシタカは家族なんだろうか…。)」

サン「そ、そうだっ!家族が今大変なんだ!わたしは!その為に!ここまで大変な思いをしてきた!!」

─思わず泣いてしまうサン

─ざわ…ざわ…

受付「お客様、病院内ではお静かにお願いいたします。」

サン「ご、ごめん…。」

受付「ご家族の方は病院に来ていただくことはできませんか?」

サン「それは絶対に無理………!なぜなら…。いや、なんでもない。とにかく家族はここに来ることはできないんだ。」

受付「…………。少々お待ちください。上の者に聞いてみますので。」

サン「頼む…!どうにか薬を手に入れて帰らなきゃいけないんだ…!」



26:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:14:33.725 ID:KiDBk/YGr

─あかつき総合病院内

受付「医師は、まずお話をお伺いしたいと申しております。」

サン「ほんとか!?良かった!」

受付「このカードの番号でお呼びしますので、あちらでお待ちください。」

サン「あ、ありがとう!これはなんと書いてあるのか教えて欲しい。」

受付「…21番です。」

─呼ばれる順番を待つサン

サン「胸がドキドキする…。アシタカ、絶対に薬を持って帰るから!」

─かなり混んでいてなかなか呼ばれない

看護士「21番でお待ちのサン様。診察室にお入りください。」

サン「(来たっ!)」

─診察室へ入るサン



27:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:15:46.889 ID:KiDBk/YGr

─診察室

医師「えーと、ご家族が結核にかかられている、と?」

サン「そうだ。なんとかして薬を手に入れて、帰らなければならない。」

医師「結核の薬はあります。ただし、薬は処方箋を書かないとお出しできないんですよ。」

サン「?、わからない。」

医師「ご家族の方はこちらに来ていただくことはできないんですね?」

サン「そうだ。」

医師「うーん…。」

サン「どうか、お願い!薬を出して!わたしはそのためならなんでもするから!」

医師「そう言われましてもね、うーん。」

サン「…わたしはこの世の者ではない…!遠い過去から来た…!」

医師「…は?」

サン「こう言ってもにわかには信じられないだろうが、本当だ!」

医師「全く非現実的な話です、そんなことが有り得るはずがない。」

サン「その通りだと思う。信じられないのも仕方ない。ただ、薬だけはどうしても必要なんだ!だから、お願い!!」

医師「うーん…。」

サン「あ!わたしが結核だという事にしてくれないか!?そうすれば必要な書類も書けるのではないか!?」

医師「確かにそうすれば処方箋は書けます。ですがね…?」

サン「この通りだ!」

─床におでこを付けて土下座するサン

医師「……。」

サン「…わたしの身体を好きにしてくれてもいい!」

─決死の表情で医師を見つめるサン

医師「…やめてください。そんなことは望んでいません。」

医師「……………………。」

医師「わかりました。薬をお出しします。でもこれは、誰にも言わないでください。」

サン「!!!ほんとか!!!」

医師「ええ。」

サン「あ、ありがとう…。」

─その場でへたりこむサン



28:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:17:06.852 ID:KiDBk/YGr

─あかつき総合病院内

─サンは泣いて目を赤くしていた

サン「(アシタカ、薬が手に入るぞ!)」

サン「(アシタカ、大丈夫か…?)」

サン「(絶対に帰るから…!)」

─受付の女性が近付いてくる

受付「サン様。お会計です。55000円になります。」

サン「これで足りるだろうか?」

受付「…はい。あちらでお会計をお済ましください。処方箋が出ますので、そばにある薬局方で薬をお求めください。」

サン「わかった。ありがとう!」

─会計を済まし処方箋が手に入ったサン

サン「よし!薬を貰いに行こう!いたっ」

─久しぶりに自動ドアに突っ込んでおでこをぶつけるサン

サン「薬局は、あれか!」サスサス

─ひまわり薬局



29:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:20:38.070 ID:KiDBk/YGr

23受付「こんにちは、処方箋をお預かりします。番号でお呼びしますのでお待ちください。」

サン「頼む。あ、番号は何番?」

受付「?、4番です。」

サン「ありがとう。」

─テレビがある

サン「(箱の中に小さい人がいる。たぶんそれは違うと思う。この世は色々ヘンテコなものばかりだ…。)」

サン「(もし、わたしがこの世に生まれ育っていたら、どんなだっただろう…。)」

サン「(わたしが思うより、人間も悪くないかもしれない。人の助けがなければ、薬だって…。)」

薬剤師「4番でお待ちのサン様~。」

サン「わたしだ。」

薬剤師「結核を患っておられるのですかね?」

サン「…あ、ああ。」

薬剤師「かなりの量が処方されています。処方できる限界です。」

サン「量があるのは良かった。なかなかこっちには来れないから。」

薬剤師「…?」

サン「いや、なんでもない。ありがたい。」

─会計を済ませたサン

サン「よし!これで薬は手に入れた!次はたいむましんの燃料だ!」

サン「…。たいむましんの燃料…。なんとか見つけなくては。」

サン「たくしーは…、いる!」

─タクシーに乗り込むサン

運転手「どちらまで?」

サン「このあたりで、機械に詳しい人間がいるところはないか?」

運転手「機械ですか。えー、近くに産業用機械製造の会社はありますね。」

サン「!…、そこに行ってみたい!」

運転手「わかりました。」

─タクシーは走り出した

サン「(油の一種…。一体なんなんだろう。)」



30:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:25:51.797 ID:KiDBk/YGr

─レイワ機械株式会社

運転手「着きました。880円です。」

サン「ありがとう。」

サン「ここで話を聞いてわかればいいけど。」

─レイワ機械受付

受付「こんにちは。弊社へようこそいらっしゃいました。」

サン「機械…。その、たいむましんの燃料について話がしたい。」

受付「…タイムマシンでございますか。あいにく弊社では、タイムマシンは製造しておりません。」

サン「燃料が何を使われていて、それがどこにあるか知りたいんだ!」

受付「……。燃料でございますか。少々お待ちください。」

─受付は内線で何か話をしている

受付「お客様、大変申し訳ございませんが、弊社はタイムマシンはよくわかりません。他をあたられたほうがよろしいかと存じます。」

サン「そんな…。一体どこに行けば…?」

受付「大変申し訳ございません。わたくしどもは存じ上げません。」

サン「仕方ない。残念だ…。」

受付「ありがとうございました。また機会がございましたら足をお運びください。」

─レイワ機械を出るサン



31:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:26:58.659 ID:KiDBk/YGr

サン「これから一体どうしたらいいんだ?」

サン「薬を手に入れても、帰れないのでは、元も子もない。」

サン「そうだ、たいむましんに一旦帰って、残ってる燃料を出せれば、手掛かりがわかるかもしれない!」

サン「とにかく一旦、えきまえに戻るか。」

─あたりをうろつくサン

サン「この辺りはたくしーがいない…。どうしよう…。」

サン「そうだ、さっきの女に頼めばいい!」

─レイワ機械受付

サン「わたしはサンだ。すまないが、たくしーを呼んでもらえないだろうか?」

受付「タクシーでございますね、承知致しました。」

サン「…良かった。ありがとう。」

─レイワ機械前

サン「どうやって、たいむましんの燃料を調べたらいいんだろう…。」

サン「ジコ坊のやつが、もう少ししっかり調べていれば、こんなことには…。」

サン「いや、それは無理か…。未知のものだから…。」

─白いタクシーがこちらに向かってきた

サン「?、今度は白い…。」

─ドアが開く

運転手「どちらまで?」

サン「えきまえに行って欲しい。」

運転手「了解しました。」

─駅前の繁華街に戻ってきた



32:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:29:17.284 ID:KiDBk/YGr

─駅前の繁華街

サン「いんたーねっとかふぇで調べたらいいのだろうけど、わたしは字が読めない。一体どうしたらいいんだ。」

─インターネットカフェ

─17番のブースに入るサン

サン「…病院でだいぶカネを使ってしまった。あと残りは…。」

─30000円くらい

サン「これからは節約したほうがいいかもしれない。」

サン「今日はもう休んで明日朝から出発するか…。」

─ブースを出てあたりを歩くサン

サン「なんだか色んな書物が沢山あるな。これは…。」

─かわいい絵柄の少女漫画だ

サン「あーダメだ、わたしは字が読めない。」

─あたりをウロウロするサン

サン「ちょっと小腹が空いた。」



33:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:30:04.174 ID:KiDBk/YGr

─レジ

サン「なにか食べ物は無いか?」

店員「そちらにあります。」

サン「これらはみんな食える物なのか?」

店員「はい。」

─サンはポテトチップスを二種類とジュースを手に取った

店員「こちらでお買い求めください。」

サン「ああ。カネを払うんだな。」

─17番のブース内

─サンは買ってきたポテトチップスを食べる

サン「…なんだか塩気が強いな。でもうまいかもしれない。」

─ジュースを開けようとするサンしかし上手くいかない

サン「これはどうやって開ければ…?」

─ペットボトルをまじまじと見るサン

サン「ここが取れればいいみたいだ。」

─キャップをかじるサン

サン「!、ゆるくなってきた!」

─なんとかキャップを外すことに成功した

サン「うわっ!シュワシュワする!なんだこれは!」

─コーラ

サン「でも、案外これもうまいかもしれない。」



34:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:33:04.211 ID:KiDBk/YGr

─夜のインターネットカフェ

サン「………。」

サン「……いつの間にか寝てしまったようだ。」

サン「やっぱり早く帰って、寝床で寝たい。」

サン「はっ…!?カッ、カネ!!」

─焦るサン

サン「あった…。良かったぁ。」

─レジ

サン「…あの、ちょっといいだろうか?」

店員「はい。いかがされました?」

サン「わたしは字が読めない。だから、そのような人が調べものするには、どうしたらいいと思う?」

店員「字が読めない…のですね。目は悪くはないのですよね?そうしますと…。」

サン「わたしは目はいい。」

店員「お友達に読んでいただくことはできませんか?」

サン「…友達…。いまは遠くにいる。」

店員「…。私で良ければ、お役に立ちます。もうすぐシフトが終わりますから、後でお手伝いします。」

サン「本当か!?ありがとう!」



35:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:34:07.134 ID:KiDBk/YGr

─ニコニコするサン

店員「あと30分くらいでバイトが終わります。お客様はどちらのブースですか?」

サン「ぶーすは、じゅうななだ。」

店員「わかりました。後で行きます。」

サン「ありがとう。」

─サンはニコニコしながらブースに戻る

─ブースの光沢のある仕切りに写る自分の顔を見つめるサン

サン「なんだか、わたし、少し変わったかな…?」

サン「…大変だけど、人間に助けられてばかりだ。」

サン「………。」

─ブースに入るサン

サン「これを見てみるか。」

─テレビをつけるサン

─NHKニュース

サン「うーん、何を話しているか、よくわからない…。」

─チャンネルを変えてみる

サン「こっ、これは!?」



36:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:35:53.829 ID:KiDBk/YGr

─ドラえもん

サン「この青いタヌキ、なんだかかわいい。」

─コンコン、と扉を叩く音がする

店員「お客様…。来ました。」

サン「あ、ありがとう。」

─せまいブースに二人

店員「あ、私は美紀って言います。お客様…。」

サン「わたしはサン。」

美紀「サンさん、よろしくお願いします。」

サン「サン、でいい。」

美紀「わかりました。」

美紀「調べたいものって、何なんですか?」

サン「実は、たいむましんの燃料を探している。」

美紀「タイムマシン…。」

─美紀はGoogleでタイムマシン 燃料と検索してみた

サン「すごい!よく、こんなにうまく使えるな、みき!」

美紀「サン、ちょっと声が大きいですよ?少し控えてください。」

サン「あっ、ごめん…。」

─検索結果

─バックトゥザフューチャー

美紀「やっぱり…。なるほどぉ。」

サン「どうした?」

美紀「あの、言いにくいんですけど、現実のタイムマシンは存在しないので、フィクション、つまり物語に登場するタイムマシンしかヒットしません。」

サン「…と言うことは?」

美紀「ネットでは、わからないです…。」

サン「………。じゃあ、たいむましんについて詳しい人がいないか調べてみて欲しい。」

美紀「…わかりました。」



37:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:37:04.413 ID:KiDBk/YGr

─超科学研究所

美紀「超科学研究所…。東京の台東区。代表、西島健太郎…。」

サン「そこに行けばいいのかっ!?」

美紀「しーっ!」

─人差し指を唇に当てて制止する美紀

サン「あっ、ごめん。」

美紀「ここに行ってみてはどうですか?」

サン「ここからどう行けばいいのか、わからない。」

美紀「東京の台東区ですから、一度新幹線で東京駅まで出て、それから…。えーと。」

サン「地図でわかりやすく書いて欲しい。」

美紀「わかりました。書いてみますね。」

サン「ありがとう。みき。」



38:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:42:11.876 ID:KiDBk/YGr

─17番のブースに二人

美紀「あ、あの…、もし良ければ、ウチに来ませんか…?」

サン「本当!?それはありがたい!最近まともに寝れてないんだ!」

美紀「しーっ!」

サン「あっ、ごめん。」

美紀「私のウチはせまいアパートですけど、これから行きます?」

サン「うん。行きたい。」

美紀「では、行きましょう。」

─会計を済ませるとサンは美紀と店を出た

美紀「ご飯、食べました?」

サン「ちょっと前に、パリパリしたやつ食った。」

美紀「じゃあ、何か買って、私のウチで食べませんか?」

サン「うん!そうしたい!みき、ありがとう!」

美紀「ふふっ。サン、かわいい。」

サン「わたしは、かわいいのか?」

美紀「ええ。とっても。」

サン「そうか、アシタカもわたしを美しいと言った。」

美紀「あ、もしかして彼氏ですか?」

サン「彼氏?なんだそれは。」

美紀「仲良くお付きあいされてる男性です。」

サン「アシタカは特別な人間。わたしには、とっても大切な存在。」

美紀「じゃあ、彼氏ですね、いいなぁ、彼氏。」

─スーパーマーケットに入る二人



39:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:45:25.629 ID:KiDBk/YGr

─スーパーマーケット

サン「食べ物がたくさん売られてるんだな。」

美紀「そうですね。何か食べたい物、ありますか?」

サン「…今日は肉を食った。」

美紀「じゃあ、そうね。暑くなってきたし、お蕎麦食べます?」

サン「おそば…?うまそう。」

美紀「じゃあ、お蕎麦にしますね、何か嫌いなものはあります?」

サン「わたしは食える物ならなんでも食う。」

美紀「野性的なのねー。」

サン「それはもう。山の森で暮らしてるから。」

美紀「山の森…。」

サン「…うん。」

─美紀は蕎麦と鶏肉、野菜と牛乳を買い物カゴに入れた

美紀「明日の朝ご飯はパンでいいですか?」

サン「ぱん?わからない。」

美紀「ジャムを塗って食べるとおいしいんですよー?」

サン「楽しみ!」



40:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:46:21.425 ID:KiDBk/YGr

─会計を済ませる美紀

美紀「あ、服のサイズが私と同じくらいだから、私の服、あげますね。」

サン「いいのか?」

美紀「大丈夫。かわいいの、ありますよ?」

サン「かわいいのか。」

美紀「サン、とってもかわいいから、かわいい服着たら、きっとモテちゃうなぁ。」

サン「もてちゃう?」

美紀「男の人に好かれる、ってことですよ。」

サン「…。アシタカに好かれていれば、それ以上、わたしは何もいらない。」

美紀「アシタカさんって、本当に素敵な方なんですね。」

サン「…大好きだ。」

─きれいなアパート

美紀「さ、着きましたよ。」

サン「ここが、みきの寝床か。」

美紀「寝床…、ふふっ、そうですね。」

─美紀の部屋に入る二人



41:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:49:07.117 ID:KiDBk/YGr

─台所に立つ美紀

サン「すごい刃物を持っているんだな。美紀も戦するのか?」

美紀「いくさ?しませんよー!」

美紀「これは、包丁って言うのよ?食べ物を切るための刃物。」

サン「そうか。ほうちょうか。わたしは小刀を持っている。…槍もある。」

─蕎麦をゆでる美紀

美紀「蒸し暑いから、冷たいお蕎麦にするね?」

サン「うん。それでいい。」

─美紀は出来上がった蕎麦とサラダをテーブルに置いた

美紀「飲み物は、麦茶でいい?」

サン「シュワシュワしてるやつ?」

美紀「麦茶はシュワシュワしてないよ?」

サン「そうか。」

─テーブルに向かい合わせに座る二人

美紀「お蕎麦、うまく作れたかな?」

サン「うまい!これ、うまいぞ!」

美紀「食べ方がぎこちなくて、かわいい。」

サン「そうか?いつも、この棒は使わないからな。」

美紀「サラダも食べて。」

サン「うん。これを付ければいいのか?」

美紀「ドレッシングね。小皿にかけて食べて。」

サン「うわっ?これもうまい!」



42:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:50:12.275 ID:KiDBk/YGr

美紀「いつも、どんな物を食べてるの?」

サン「獣の肉とか、食える山菜、あと木の実か。」

美紀「そうなの。なんか、かわいそうね。」

サン「わたしは、森の暮らしが好きなんだ…!」

美紀「……。」

サン「人間は、…いや、やめとく。」

美紀「……。」

─食事をきれいに平らげたサン

美紀「お風呂に入る?ちょっと髪がゴワゴワしてるね。」

サン「いんたーねっとかふぇのヌルヌルで洗った。」

美紀「シャンプー使わなかったんだね。トリートメントもあるから、使って?」

サン「なんだ?それは。」

美紀「髪がしっとりするの。」

サン「そうなのか。」

─風呂に向かうサン



43:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:51:33.985 ID:KiDBk/YGr

─服を脱ぐサン

サン「みきー?どれを使えばいいー?」

美紀「青いやつあるでしょ?それでまず頭を洗って、…橙色のやつを髪に付けてから流してー。」

サン「わかったー。」

─シャンプーで頭を洗うサン

サン「これは、なんだかいい香りがする。」

─流してからトリートメントを手に取り、髪に付けるサン

サン「こんな感じでいいのか…?」

─髪の全体に塗った

サン「髪がギシギシしない!すごく、なめらかになった!」

─トリートメントを洗い流すと身体を洗った

─洗面台

サン「とりーとめんと、してみた。」

美紀「こっちにドライヤーがあるわ。」

サン「!、風が出てくる!」

美紀「これで頭を乾かすのよ?」

─ドライヤーで髪を乾かすサン

美紀「サン、とってもかわいい…。」

サン「そうか?」

─髪はきれいに光沢を放っている



44:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:52:50.813 ID:KiDBk/YGr

─ベッド

サン「一緒に寝るのか?」

美紀「今、お布団がこれしか無いの。ごめんね?」

サン「大丈夫。寝よう。」

─二人でシングルベッドに入る

美紀「やっぱり、狭いね。」

サン「わたしは大丈夫。いんたーねっとかふぇより、全然いい。」

美紀「リクライニングシートで寝るのは、きついよね。」

サン「気持ちいい。こんなもので寝たことない。」

美紀「ゆっくり休んでね?」

サン「うん。」

美紀「おやすみ。サン…。」

─美紀は電気を消した

サン「(超科学研究所…。)」

サン「(とにかく行ってみよう。)」

─深い眠りに落ちるサン

─そして朝



45:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:55:53.549 ID:KiDBk/YGr

美紀「おはよう、サン。」

サン「お、おはよう、みき。」

美紀「雨が降っちゃってるね、傘、あげる。」

サン「ありがとう。みき。」

─ベッドから出る二人

美紀「歯ブラシが新しいのあるから使って?」

サン「はぶらし?」

美紀「そう、歯ブラシ。」

サン「何をするんだ?」

美紀「歯を磨くのよ?」

サン「そんなことしたことない。」

美紀「そうなのね、してみる?」

サン「うん。」

─洗面台に来たサンと美紀

美紀「はい、これ。」

サン「これで歯を擦るのか。」

美紀「そう。これを付けて。」

サン「うん。」

サン「スースーする!毒ではないのか!?」

美紀「毒じゃないよー。でも、飲まないでね?」

サン「わかった。」

─ぎこちなく歯を磨くと口をゆすぐ

サン「なんだか、さっぱりした。」

美紀「でしょ?洗顔料があるから顔も洗って?」

サン「うん。」

サン「目が、目がぁ~!痛い!」

美紀「目を開けちゃダメだよー!すぐに水で流して!」

サン「…う、うん。」



46:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 22:56:53.596 ID:KiDBk/YGr

─美紀も歯を磨いて顔を洗う

美紀「サン、スカート履く?」

サン「すかーと?」

美紀「絶対、これ似合うと思う!」

─美紀はプリーツのミニスカートを持ってみせた

サン「いつも履いているやつにちょっと似てる。」

美紀「へぇー、スカート履くんだね。」

サン「あれはスカートというのか。」

─スカートを履くサン

美紀「あっ!パンツ履いてないの!?それはちょっと危険だよ?」

美紀「これ、合うかなぁ?」

─美紀はピンク色のボーダー柄のパンツを持ってみせた

サン「履いてみる。」

サン「…ぴったりしてる。」

美紀「良かった。じゃあスカートを履いて?」

サン「うん。」

─白いプリーツスカートを履いた

美紀「すごくいい!かわいいよ、サン!」

美紀「トップスはこれがいいかな?」

─美紀はパステルカラーのブラウスを取った

サン「着てみる。」

美紀「あっ!ボタンね?私がするね。」

サン「頼む。」

美紀「やっぱり、すごくかわいいよー、サン!」

サン「そ、そうかな。」

─その場でクルっと一回転するサン

美紀「あ、それは外でやっちゃダメだよ?パンツ見えちゃうから。」

サン「わ、わかった。」

美紀「このバッグもあげる。」

サン「色々、ありがとう。みき。」



47:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:04:38.007 ID:KiDBk/YGr

─朝食のパンを食べる二人

美紀「今日、超科学研究所、…行くの?」

サン「行く。絶対に燃料を見つけなきゃいけない。」

美紀「そう、地図、書くね。」カキカキ

サン「ありがとう。みき。」

美紀「ねぇ、タイムマシンは本当にあるの?」

サン「うん。本当にある。」

美紀「…いつでも、帰ってこれる?」

サン「それは、わからない…。」

美紀「私、サンが好き。友達になれないかなぁ?」

サン「わたしも、みきが好きだ。」

美紀「タイムマシンが、いつでも使えたらいいのにね。」

サン「うん…。」

美紀「コーヒー、飲んでみる?」

サン「うん。」

─美紀は台所でコーヒーを淹れる

サン「みき、本当にありがとう。」

美紀「いいよ、でも、…また来てね?」

サン「……うん。」



48:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:06:55.381 ID:KiDBk/YGr

─外は雨が降っている

─美紀に貰った地図は、わかりやすく、絵で描かれている

美紀「一応、わかるように書いたけど、大丈夫かなぁ?」

サン「大丈夫。きっと行ける。」

美紀「気を付けてね?」

サン「みき、ありがとう。」

美紀「うん…。」

─涙がこぼれる美紀

サン「じゃあ、行く。」

美紀「絶対に、また来てね…?」

サン「…うん。必ず、また会える。」

─サンは美紀のアパートを後にした

サン「まず、えきまえに行く必要があるな。」

─駅

サン「すごい。人間がたくさんいる。」

─階段を登るサン

サン「地図には、小さい紙の絵が描かれてあるな。」

─切符だ

サン「これを買えばいいのか?」

サン「どうするか。」



49:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:07:46.171 ID:KiDBk/YGr

─駅員がいる

サン「とうきょうに行きたい。」

駅員「東京駅ですか?新幹線の切符を買ってください。(うおー!かわいいー。)」

サン「わからない。」

駅員「…わかりました。こちらで。」

サン「ありがとう。」

─新幹線の東京行きの切符を買った

サン「どこに行けばいいんだ?」

駅員「…ご案内します。(はぁ、こんな彼女がいたらなぁ。)」

サン「…ありがとう。」

─駅員の後についていきホームまで来た

駅員「ここでお待ちいただいて、新幹線が来ましたらお乗りください。東京とアナウンスがありましたら、そこでお降りください。」

サン「とうきょう。ありがとう。」



50:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:12:11.121 ID:KiDBk/YGr

─東京駅

サン「けんきゅうじょは、まだここにはない。」

─美紀が書いた地図には、超科学研究所の住所も書かれていた

サン「…これを手掛かりにすれば、行けるだろうか?」

─駅員を探すサン

サン「あの人間だな。」

サン「ここに行きたい。」

─地図の住所を確認する駅員

駅員「台東区…ここは御徒町駅付近ですね。(うーわ!めっさかわいいやんけ!)」

サン「…わたしは何もできない。案内して欲しい。」

駅員「…では、切符を買いに行きましょう。(…ガチのマジでかわいいなあ!俺の彼女はこんなに可愛くない…。)」

サン「ありがとう。」

駅員「では、こちらのホームでお待ちください。御徒町駅でお降りになりましたら、行けるはずです。」

サン「ありがとう。」

─電車はすぐに来た

サン「本当にこれもすごい物だな。この世はすごい。」

─電車に乗り込むサン

サン「(人間がたくさんだ。人間臭い。)」

─若い男

男「ねー、キミ、超かわいいね!」

サン「なんだ、お前は。」

男「オレはイケメンの翔太だけど。」

サン「…お前に構っている暇は無い。」

翔太「ふーん。クールだねー、キミ。超かわいいよ!」

─アナウンス─次は御徒町、御徒町です

サン「次で降りればいいのか。」

翔太「御徒町に用があるの?どこ行くの?」

サン「お前には関係ない。」

翔太「…こりゃダメだな。まー、頑張って。」

─御徒町駅で降りるサン



51:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:13:38.785 ID:KiDBk/YGr

─御徒町駅周辺

サン「どうやって、けんきゅうじょまで行くか。」

─通行人の女性が歩いている

サン「すまない。ここに行きたい。よくわからない。」

女性「あそこに交番があるから。」

サン「こうばん?」

─女性は歩いて行った

サン「行ってみるか。」

─交番

サン「すまない。ここに行きたい。」

─住所を見せるサン

警官「超科学研究所…。住所は、ふんふん。今、地図で調べます。」

サン「ありがとう。あ、それと、細かい行き方の地図を書いて欲しい。」

警官「…。わかりました。」

警官「すぐ近くです。そこの信号を左に曲がって右手のビルがそうです。」

サン「しんごう?」

警官「あの、あなた、どこからいらっしゃいました?」

サン「………。いっ、田舎だ!」

警官「…そうですか。今、地図を描きますね。」

サン「すまない。」

─地図を受け取ったサン

サン「しんごう…。あれのことか?」

サン「くるまがたくさん走っている。ぶつからないように気をつけないと。」

─地図には矢印が書かれていた

サン「わたしは字が読めないから、助かる。」

─グレートビル

サン「ここか!?」

─ビルに入るサン



52:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:14:57.077 ID:KiDBk/YGr

─ビル内のナカヤオフィス

サン「誰か!誰かいないか?」

─ドアを叩くサン

─ガチャ!

ナカヤ社員「どちら様ですか?」

サン「けんきゅうじょはここか?」

ナカヤ社員「ああ、超科学研究所は5階ですよ?」

サン「ごかい?」

ナカヤ社員「ええ。」

サン「どうやって行けばいいんだ?」

ナカヤ社員「あちらにエレベーターがあるので。」

サン「あれか?すまない、字が読めなくてわからない。」

ナカヤ社員「………。」

─ナカヤ社員はエレベーター前に来た

─上に向かうボタンを押す

─エレベーターがすぐに降りてきて、ナカヤ社員は5のボタンを押す

ナカヤ社員「これで行けます。」

サン「あ、ありがとう。」

─5階フロア

サン「頼む!燃料がなんなのか、わかってくれ!」

─超科学研究所

サン「誰か!誰かいないか?」

─ドアを叩くサン

─ガチャ!



53:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:16:09.550 ID:KiDBk/YGr

研究者「はい?どちら様でしょうか。」

サン「たいむましんの燃料を探している者だ!わたしはサン!ここまで色々あって、たどり着いた!」

研究者「タ、タイムマシン!?サン様…ですか。見学の予約はしていらっしゃいますか?」

サン「けんがく?わからない。とにかく、たいむましんの燃料が何か、教えて欲しい!」

研究者「わかりました。中へどうぞ。」

サン「ここは、たいむましんに詳しいか!?」

研究者「所長の、西島を呼んでまいります。お掛けになってお待ちください。」

サン「頼む!」

─大柄な男が現れた

西島「所長をやっています。西島健太郎です。」

サン「わたしはサンだ!たいむましんの燃料がどうしても必要なんだ!」

西島「タイムマシン…。それは、どちらに?」

サン「今は、山の森の中にある!」

西島「…ふむ。タイムマシン…。では、車を出しますから、行ってみましょうか。」

サン「頼む!」

西島「おい、掛川、車を出せ。」

掛川「はい。」

西島「サンさん、場所はどちらに?」

サン「そ、それが、場所はよくわかっていない。山から降りて来たが、場所はどこだかわからない。」

西島「…こちらにはどうやって来ましたか?」

サン「長い乗り物に乗ってきた。」

西島「…方角はわかりませんか?あちらが東、こちらが西です。」

サン「そっちだ!…にし、か?」

西島「…ふむ。近くに行けばだいたいわかりますね?しかし手掛かりが無い。」

サン「…たぶん。近くならわかるかもしれない。」

─携帯が鳴る

西島「わかった。今行く。」

西島「車が来ました。行きましょう。」

サン「ありがとう!」

─グレートビルの前にワンボックスカーが停まっている



54:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:17:56.983 ID:KiDBk/YGr

─車内

西島「あなたの時代に発見された、タイムマシンでこの時代に来られた。」

西島「しかし、どこにあるのか、わからない…ふむ。」

サン「!、そ、そうだ。これ、確か!」

─美紀が書いてくれた地図を取り出すサン

─裏を見るとスーパーマーケットの広告になっていた

西島「よーし!でかした!住所は…島根県のほう!これでだいたいの近くに行けます!」

サン「近くからだったら、わたしは全くわからないわけではない!」

西島「よし、行きましょう!掛川、出せ!」

掛川「はい!」

─車が勢いよく走り出した



55:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:19:13.008 ID:KiDBk/YGr

─高速道路をひた走る車

西島「…おっしゃる通り、太古の文明は、今よりも大変、高度でした。」

西島「しかし、大災厄があり、滅んでしまった…。」

西島「今の私たちは、その時のわずかな生き残りの子孫なのです。」

サン「よくわからない。とにかく、燃料がわかればいい!」

西島「そうですね、大切な方の命がかかっていますから、私どもも、出来る限り協力いたします。」

サン「ありがとう。」

─車は高速道路を走る

掛川「ここから更に南西に行きます。」

西島「…お腹は空いてませんか?」

サン「そう言えば、朝食ってから何も食ってない…。」

西島「掛川、次のSAに寄ってくれ。」

掛川「はい!」

─SAで食料を買ってきた掛川

西島「こんなものですみませんが、どうぞ。」

サン「…ありがとう。」

─弁当を頬張るサン

西島「掛川、出せ。」

掛川「は、はいっ!」

─パンをくわえながら車を出す掛川

─ご飯も食べ終わり、サンは車に揺られて眠くなってきた

─眠りに落ちるサン

西島「それにしても、可愛らしいお方だな。」

掛川「そうですね!めちゃくちゃかわいい人です!」

西島「バカ、でかい声を出すな。」

掛川「すみません。」

─車は高速道路をひた走る



56:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:20:41.946 ID:KiDBk/YGr

─山間部を抜けると、また開けてきた

西島「もう島根か。」

掛川「はい。もうすぐ高速を下ります。」

─あたりはすっかり暗くなっていた

西島「明日の朝にタイムマシンに行くのがいいだろうな。」

掛川「そうですね。暗い山は怖いですから。」

西島「このあたりは、正に、もののけが出そうだからな。」

─目覚めるサン

サン「はっ!ここは…?」

西島「だいぶ近くに来ました。今日はもうだいぶ遅いので、ホテルに泊まりましょう。」

サン「ほてる…か。」

─車は高速を下り国道を走る

─西縦ホテルに着いた

受付「おかえりなさいませ。」

西島「シングルを二つ、宿泊で。」

受付「かしこまりました。ごゆっくりどうぞ。」

掛川「タイムマシン…!楽しみですね!所長!」

西島「バカ!声がでけえんだよ、お前。」

サン「わたしはどこの部屋に行けばいいんだ?」

西島「ご案内します。」

─ホテルのシングルルームに入るサン

─ドサッとベッドに倒れ込む

サン「(アシタカ…明日帰られるのか…?)」

サン「(はっ!ヤツの痔の薬、まだ買ってない…。一応買っておくか。)」

─サンは再び眠りに落ちた



57:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:22:05.196 ID:KiDBk/YGr

─朝

西島「おはようございます。」

掛川「おはようございます。サンさん。」

サン「…こっちは晴れてるのか?」

西島「ええ。天も味方してくれてるみたいですよ?」

掛川「良かったですね。サンさん。」

西島「…サンさん、その服装で山に入るのは危険です。お着替えはありますか?」

サン「わたしは別に大丈夫。慣れている。」

掛川「(別の意味で危険なんだよなぁ…。)」

西島「何かあってからでは遅いです。着替えてこられたほうがいいかと。」

サン「…わかった。」

─デニム姿に着替えるサン

掛川「あんな格好で山登りは、きついですよね。」

西島「そうだな。お前は、期待してたんじゃないのか?」

掛川「は、はい。ちょっと…。」

西島「バカ。」

─着替えて部屋を出るサン

西島「さてと、ちょっくら行きますか!山へ!」

サン「ああ。」

掛川「ビデオカメラはセッティングしてあります。」

─車に乗り込む三人



58:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:29:52.289 ID:KiDBk/YGr

─国道を走る車

サン「ああ、なんだが懐かしい気がする。」

西島「大変でしたでしょう?全くの異世界に来られて、しかもこの時代は。さぞかしお疲れなのではないですか?」

サン「確かに、疲れはあるかも知れない。」

サン「あっ!薬を買うんだった!」

西島「薬、ですか?」

サン「痔の薬。」

掛川「サンさんが痔なんですか?」

サン「違う。頼まれた。」

西島「これは面白い。過去から痔の薬を買ってきてもらうよう頼まれるなんて、実に面白い。」

掛川「ドラッグストアーがありますね。」

西島「よし、入れ、掛川。」

サン「ありがとう。」

─ドラッグストア

西島「痔の薬はこのへんですね。」

サン「どれでもいいんだろうか?」

西島「相当、悩まれてのお願いでしょうから、軟膏と、座薬を買ってみてはいかがでしょうか。」

サン「そんなに手厚くしてやる必要はない!……でも、せっかくだから買ってやるか。」



59:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:31:02.499 ID:KiDBk/YGr

─再び走る車

サン「!、ここだ!ここから細い道になる!」

掛川「了解しましたー!」

─県道に入る車

サン「だんだん近くに来たみたいだ。でもかなり登らなきゃいけない。」

西島「…かなり、ですか?」

掛川「覚悟します!」

─前に立ち寄ったコンビニエンスストアを過ぎる

サン「このあたりだ!このあたりから山を登ればいいはず!」

西島「虫除けスプレー、使いますか?」

サン「いい。」

掛川「所長、自分、使いたいです。」

西島「ほらよ。」

─スプレーをポンと投げる西島

サン「たいむましん、必ずあるはず!」



60:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:32:06.942 ID:KiDBk/YGr

─車を停め、山を登る三人

掛川「かなりの険しい山ですね。」ハァハァ

西島「そうだな。」ハァハァ

サン「お前達、遅い!」

掛川「ちょっと、速いですよ、サンさん。」

西島「うるせーな掛川、黙って登れ!」

─かなりの時間をかけて登る

西島「サンさん、ちょっと休憩しましょう!」

掛川「そうですよ、休憩したほうがいいです!」

サン「…仕方ない。そうしよう。」

西島「飲み物、どうぞ。」

サン「ありがとう。」

サン「お前達にも、かなり世話になった。」

西島「水くさいですよ、私どもは、本物のタイムマシンが見れるだけでも幸せなんですから。なぁ?掛川。」

掛川「所長の言う通りです!サンさん!」

─西島の携帯が鳴る

西島「あぁ~?今そんなこと知るか!」プツッ

掛川「今日は確か会合の日でしたね、所長。」

西島「科学者相手にするより、タイムマシンだ!」

掛川「わかります!」

サン「そろそろ行くぞ。」

西島「行きますかー!!」

掛川「いざ、タイムマシンへ!!」



61:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:35:30.421 ID:KiDBk/YGr

─川の清流

サン「あぁ、懐かしい。」

西島「綺麗な水ですね。」

─川の水を触る掛川

掛川「うおっ!冷たいっ!」

─タイムマシンはもうすぐのところにある

サン「油の一種なのはわかるが、思いあたるものはあるか?」

西島「油、燃料ですね?うーん、太古の強大な科学力ですから、果たして私どもにわかるものか…。」

サン「もうすぐだ。」

─タイムマシンはちゃんとあった

サン「これだ。わかるか?」

西島「すっ、素晴らしい!おい掛川、ちゃんとビデオカメラは動いてるか?」

掛川「オッケーです!しっかり撮れてます!」

西島「ふむ…。内部はこうなって…。あ!すみません、燃料でしたね!」

─西島が燃料タンクを覗く



62:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:36:34.544 ID:KiDBk/YGr

西島「こっ!これは!まさか!!」

サン「なんだ!?」

西島「ガソリンです!全く変哲のない、ガソリンです!」

サン「な、なんだってーーー!?って知らないわ。」

掛川「なんということです所長!ガソリンがタイムマシンの燃料とは!一体どういうことですか!?」

西島「ふむ…。考察するならば、太古の科学でもガソリンを使用していた。ガソリンは、汎用性のある、ありふれた燃料だということ。つまり、太古の時代は、タイムマシンがまるで、今の車のようにありふれていた物だと推測できる。」

掛川「なるほどー!すごいです!太古の文明がそれほどすごいものとは!」

サン「で、わたしは帰れるのか?」

西島「もちろんです!おい掛川、車に戻ってガソリンを持って来い!」

掛川「はい!この掛川一郎、頑張ります!」

西島「吸いとるのはもちろんできるよな?」

掛川「はい!車にホースが積んでありますから吸いとれます!」

西島「よし!行ってこい!」

掛川「はいー!(これまた登るのかよ…。)」

サン「がそりん…か。」

西島「はい。現代では車の燃料ですが、まさかタイムマシンに使われていたとは、驚きました!」

サン「はあー、やっと帰れるのか?」

西島「お疲れ様です、サンさん。」

サン「うん。(アシタカァ!待ってて!今帰るから!!)」

─サンは心の中で叫んだ



63:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:38:33.928 ID:KiDBk/YGr

西島「少し腰を下ろして待ちますか。」

サン「うん。」

─待ちながら話をした

西島「…それで、私どもは、タイムマシン肯定派に属しておりまして、否定派の科学者達が…。」

サン「…それはさっき聞いた。」

西島「すみません。掛川がそろそろ来ると思います。」

掛川「…ハァハァ!ハァハァ!」

サン「かけがわ!」

西島「よくやった!掛川!さっそくビデオカメラで撮影しろ!」

掛川「すみません、ちょっと休ませてもらっていいですか?ハァハァ…。」

サン「そうだな。お疲れ様。かけがわ。」

西島「サンさんもそう言われているし、ちょっと休め!」

掛川「はい。(所長はめちゃくちゃいい人なんだけど、人使いが荒いのがな…。)」

西島「では、ガソリンを入れましょう。私がやります。」

サン「頼む!」

─トポトポトポトポ

西島「はっきりとは申し上げられませんが、これで過去に帰れるはずです!燃料はタンクの七分くらいあります!」

サン「あ、ありがとう!…また、この時代に来れるか?…みき。」

西島「一回に消費する燃料がどれくらいかわからりませんが、あまり危険は冒さないほうがよろしいかと思います。」

西島「もし、燃料が途中で切れたら、予測不可能なことが、あるかもしれません!」

サン「それは?」

西島「例えば、次元の狭間に行ってしまうとか。」

サン「それは危険かもしれない。わかった。………みき!わたし、みきを忘れないから!ありがとう!!」

サン「この世の人達、みんな、ありがとう!!!!」

掛川「ビデオカメラは大丈夫です!」

サン「帰る!あの時代へ!…って、待って!あの時代の設定がわからない!!」

西島「そっ!それは!なんということですか!!…ん?」

サン「どうした!?」



64:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:40:29.703 ID:KiDBk/YGr

西島「なんかここに書いてあります。矢印のところにバーを合わせろ。ジコ坊?」

サン「ジコ坊!なるほど、あの時代の設定か!!」

西島「ジコ坊という方がこれを発見されたのですね?おい!掛川!ビデオはちゃんと撮ってるか?」

掛川「はいー!撮ってますー!」

西島「こっ、これは、かなりの説得力のある動画になるぞ!」

サン「頼む!あの時代に帰らせて!ジコ坊を信じる!!」

サン「本当に、本当にみんな、ありがとう!!!」

サン「人間のがわかった気がする!!わたしも少しずつ、人間と共に暮らそう!!」

西島「…なんという素晴らしい瞬間だ!こんな素晴らしいシーンに立ち会えただけでもう充分だ!」

西島「おい掛川!ビデオを止めろ!」

掛川「いいんですか!所長!」

西島「もういい!」

サン「それじゃ、帰る!お前達、世話になった!!」

西島「お元気で!」

掛川「さようなら!!サンさん!」

サン「みんな、みんな、ありがとう…。」ポチットナ

─激しい閃光



65:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/07/17(水) 23:41:49.876 ID:KiDBk/YGr

─山

ジコ坊「おっ!来た来た来たーっ!!帰ったな、もののけの姫よ。」

サン「…………………。」

サン「帰って、きたのか?」

ジコ坊「もののけの姫よ、未来はどうだった。」

サン「それよりもアシタカ!!」ダッ

サン「これは土産だ!」ポイッ

ジコ坊「おほーっ!これか!痔の薬だな?!」

ジコ坊「さっそく付けてみよう!礼を言うぞ!もののけの姫よ!」

─タタラ場

アシタカ「ううっ…。サ、サン!戻ったのか!」

アシタカ「サン、不思議な格好をしているな。ゴホッ!」

サン「アシタカァーーー!!!」

─サンは寝ているアシタカに抱きついた

アシタカ「サン、いい香りがするな。これは…。それにすごく綺麗な顔をしているぞ…。ゴホッゴホッ!」

サン「それよりも薬を!これを飲んで寝ていればきっと良くなる!」

アシタカ「これが未来の薬なのか…?」ゴクゴク

サン「アシタカ、わたしは、少し人間が、わかった気がする。」

アシタカ「サン…。」

サン「人間も、悪いヤツばかりじゃない!」

アシタカ「そうだとも、サン…。そなたは随分、成長したのだな。ゴホッ!」

サン「結核はすぐに良くなるはずだ、アシタカ!!」

アシタカ「サン!!」

─強く、強く抱き合う二人

─おしまい



元スレ
サン「ああ、なんて生きにくい世界なんだ、この世は。」【完全ノーカット版】
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1563366527/
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         コメント一覧 (6)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2019年07月18日 01:53
          • なんだこれwww

            でも面白かったよ、乙。
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2019年07月18日 03:13
          • アシタカが結核に罹っている時点でタタラ場のみんなもやばい気がするんだが・・・
          • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2019年07月18日 05:22
          • 美紀がアシタカとサンの子孫でしたー、というオチかと思った
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2019年07月18日 12:44
          • 長いな
            8ページだけど長く感じたわ
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2019年07月18日 22:36
          • 順応性高いな
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2019年07月18日 22:44
          • サクサク進んでヨイヨイ

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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