【シャニマス】西城樹里と支え合って
アイドルそれぞれにPがいます。
薄暗い舞台袖と、すぐ前には眩しいくらいのスポットライトに照らされたステージ。
ふと隣を見ると、よく知った少女が立っていた。
西城樹里、俺の担当アイドルだ。
「……次は準決勝か…。絶対カッコよく決めてやる……」
ユニット衣装に身を包んだ彼女が呟く。
その表情は不安と緊張に満ちていた。
「大丈夫。いつも通りやれば上手くいくよ」
そう言って俺は、微かに震えている樹里の手を取る。
彼女は一瞬慌てたがすぐに落ち着きを取り戻したようだ。
「カッコいいステージ、期待しているよ。俺もここで見守っているからさ」
「……ああ、見ててくれよ。バシッと決めてきてやる!」
手を力強く握り返される。さっきまでの不安な表情は無くなっていた。
「放課後クライマックスガールズ!! おーー!」
ユニットリーダーである小宮果穂の元気な掛け声に続き、樹里も光に照らされたステージへと駆け出してゆく。
そして彼女たちは……。
…………。
……。
「ん、呼んだか?」
「……!?」
どうやら眠っていたらしい。
呼びかけに反応して目を開けると、樹里の顔が目の前に。
一気に意識が戻る。
「じゅ、樹里!」
「おわっ! 急に起き上がるなよプロデューサー!」
「あぁ……ごめん」
「ったく……ほら、喉渇いただろ?」
樹里が差し出してくれたペットボトルの水をとりあえず飲む。
えーと、今はどういった状況だ?
事務所のソファでうたた寝していたらすぐ隣に樹里が座っていた……?
……樹里は今の時間、レッスンじゃなかったか?
というか事務所に誰もいないし……。
……寝起きで頭がよく回らない。
「水ありがとう、樹里。……俺はいつの間にか寝てたんだな」
「そうみたいだな。アタシのレッスンが終わった後もずっと、だ」
「…………え」
慌てて時計を確認すると、樹里のレッスンが終わってから一時間以上経っていた。
これはマズイ…………樹里の顔を恐る恐る覗くと怒りの表情が明らかに窺える。
「約束破りやがって。せっかく新しいダンス見せてやろうと思ってたのによー」
「うぅ……本当に申し訳ない……」
「…………ふふっ……あはははは!!」
怖い顔をしていた樹里が急に笑い出す。
「なーんてな! 冗談だよプロデューサー。そんなに怒ってねーよ」
「ほ、本当か!?」
「まぁ、レッスン見に来てくれなかったのはちょっと寂し……っ……ムカついたけどよ。アンタが最近疲れ気味だったの、知ってたんだ」
「樹里……」
「W.I.N.G.で優勝してからすげー忙しくなっただろ? 仕事頑張り過ぎてるんじゃねーかってさ」
W.I.N.G.か……。
さっき見た夢の続き、あの後彼女たちは準決勝と決勝を見事勝ち抜いて優勝を果たした。
こうして個性派アイドルユニット【放課後クライマックスガールズ】の名は業界に轟くことになる。
それと同時に雑誌やラジオ、テレビ……仕事の依頼が彼女たちに大量に押し寄せた。
アイドルそれぞれにプロデューサーが付いているとはいえ、山の様な仕事を少人数でこなすには無理をする必要があり……日々の疲れから今に至る。
「べっ、別にアタシは心配なんて…………してたけど、さ」
「ん?」
「いつもアタシに休めー、とか言うくせに自分は全然休んでねーからさ。何かあってからじゃ遅いんだから、あんま無理すんなよ……」
隣に座っていた樹里がググっと近づいてくる。
「夏葉もチョコもみんな自分のプロデューサーと支え合って頑張ってる。アタシたちも一緒に頑張って、一緒に休んで、一緒に上を目指して……そうやって支え合っていこうぜ」
「樹里……!!」
「アタシたちはパートナーなんだからさ」
「……そうだな。俺たちはパートナーだもんな」
「へへっ♪」
歯を見せてニカっと笑う樹里はとても可愛らしかった。
この笑顔を裏切らないようにしないとな。
なんて事を思っていると、ぽすん、と俺の肩に樹里の頭が乗ってくる。
「あ、あぁ……近いな」
「じゃあ離れ……」
「逃がさねーぞ。ほら、アンタもこっち寄れよ」
「……はい」
観念して樹里に体を預けると、彼女の体温を感じられた。
アイドルとプロデューサーの距離感にしては近すぎるが、そんな事どうでもよくなるくらい温かい気持ちになる。
「温かいな、樹里。すごく癒されるよ」
「……おう」
「照れてる?」
「照れてねーよっ!!」
「あっはははは!」
「ったく……」
ぶつぶつ言いながらも離れようとしない樹里。
彼女の優しさに心が満たされる。
「…………ありがとう」
「……ん。素直に癒されとけよな」
……結局この後、社長が戸締りしに来るまで俺たちは身を寄せ合っていた。
散々からかわれたのは言うまでもない。
~~
「樹里、そろそろ本番だ」
「おう! いつでもいけるぜ!」
あれから数週間後、今日は放課後クライマックスガールズが主役のミニライブだ。
舞台袖は本番前特有のピリピリした緊張感に包まれている。
樹里のコンディションはバッチリ。
ユニットの皆も自分の担当プロデューサーと最後の調整に入っているみたいだ。
「……プロデューサー」
「あぁ」
言わずともわかる。
樹里の手を優しく握ると、彼女も握り返してくれた。
「プロデューサー、アタシ頑張るからさ……ずっと一緒にいてくれよな」
「もちろん。俺は樹里のパートナーだ。ずっと一緒だよ」
「へへっ♪ ……じゃあプロデューサー、行ってくるぜ!」
アイドルが輝くステージへと羽ばたいてゆく。
彼女たちの物語はまだ始まったばかりだ。
樹里可愛い
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- モバP「え? これってセクハラだったんですか!?」
- エーミール「そうか、そうか、あれから何年も経ったんだな…」
コメント一覧 (5)
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- 2019年06月29日 20:36
- あ゙あ゙ー゙!゙、゙樹゙里゙ぢゃ゙ん゙が゙メ゙ズの゙顔゙じでま゙ずー゙!゙!゙!゙!゙
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- 2019年06月29日 20:43
- 誰だ変なこと教えたの
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- 2019年06月29日 21:10
- やらしい一等賞!
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- 2019年06月30日 10:49
- コメ欄に現れる果穂ちゃんすき
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- 2019年07月01日 06:58
- 果穂さんの…言葉遣いでしたら…
智代子さんが…