【わたモテ】黒木智子「モテないし野球観戦する」
- 2019年06月05日 05:10
- SS、私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!
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小宮山「いやぁ、前回はデーゲーム観戦だったけど。夜のナイターの良さもぜひ知ってもらいたいと思ってね」
優「夕方になってちょっと涼しくなってきたね。もうすぐ試合はじまるの?」
小宮山「試合開始は1時間半後だけど、試合前練習で選手の動きをチェックしておくのも大事だからね。シートノックで勝敗決してるといっても過言でない場合も――」
優「へぇ」
智子(正直野球とかどうでもいいけど、ゆうちゃんが意外と乗り気だったからな。コオロギがゆうちゃんと二人で球場デートとかコミコロだし)
智子(それにしても。前回は3人で来たが)
伊藤「駅前から100円のバス出てたけど、そっちのほうがよかった?」
ネモ「あ、ううん。歩くのは全然おっけーだよ、運動になるし」
真子「小宮山さんが、球場まで歩いたほうが試合前の高揚感が上がるからいいって言ってたしね」
ゆり「そう? 私はバスの方がよかったけど」
真子(ゆり……)
吉田「お、見えてきたぞ」
智子(ずいぶんと大所帯になったもんだ)
智子(学校でたまたま野球観に行く話したら、ネモが興味あるから一緒に行ってもいいかってなって、それからゆりも)
智子(あれこれあって結局このメンバーが参加することに。こいつらそんな野球好きなの?)
智子(まあヤンキーは普段から金属バット振り回してるだろうから野球好きかもな)
ネモ「クロって野球とか興味あったんだね。ちょっと意外」
智子「え、いや。別に興味はないけど」
ネモ「え~。興味ないのに小宮山さんに付き合って観に来てるんだ?」
智子「……いや、別にそういうつもりでもないんだけどさ」
ネモ「へー。じゃあ、どうゆうつもりで?」
智子「(何だ? やたら突っ込んでくるな)まあ、野球選手のクズっぷりとか眺めるのが面白いしな」
小宮山「お前まだそういうこと言ってんのか。言っとくけどうちの選手は基本地味だしそんな目立った問題を起こすやつとかは」
小宮山「選手じゃねーよ! 『元』選手だよ!! 第一もう関係のない人間が何かやった時に元とか付けるなよ関係ないだろ!」
智子「あ!? 関係なくねーだろ! 田●も元K●T-TUNだからニュースになってんだからな!」
智子「第一ロッテの選手逮捕なんてマイナーなネタ、話題作りにわざわざ調べてきてやったんだぞ! 感謝しろよ」
小宮山「そんなもん調べて来なくていいだろ! どうせなら歌詞カードでも覚えて来いよ!」
真子「ち、ちょっと二人とも!?」オロオロ
ゆり「……」
伊藤「……」
小宮山「成瀬さん」
智子「ゆうちゃん」
優「せっかく、ふたりの学校の皆も来てくれたんだし。仲良く、ね」
小宮山(そうだな。今日はコイツだけじゃなく、他の同級生も来てるしな。どうせならロッテにいい印象持って帰ってもらいたいし。角が立たないように気をつけないと)
智子(ゆうちゃんの手前、ここは折れてやるしかないか……。まあ、コオロギと言い争って同レベルの人間だと周りに勘違いされるのも癪だしな)
小宮山「あー、うん。そうだね……ごめん」
智子「うんまあ、ちょっと言い過ぎたわ……」
優(……よかった)
ゆり「……」
ネモ(成瀬さんの言うことはちゃんと聞くんだね。クロが野球に興味ないのにそれでも行きたい理由って――そういうこと?)
伊藤(ことが同級生と問題を起こしたらいけないと思ってフォローするつもりで来たけど。これなら私の出番は当面ないかな)
吉田「そんなところで何立ち止まってるんだ」
真子「あ、吉田さん」
吉田「おい眼鏡」
小宮山(眼鏡? って私か。つか同級生をいきなり眼鏡呼ばわりってなんだよ……そんな仲良くもない相手に向かって)
小宮山(つか、前に人に腹パンかましといてこの態度かよ……。思い出したらムカムカしてきた)
吉田「まだ試合始まらないなら、グッズショップ見て回りたいんだ。ここ詳しいんなら教えてくれないか?」
小宮山「ああ、もちろんいいよ。場内にもあるけど、ここから近いマリーンズストアがあって。あっちの緑の建物の」
吉田「おお、あっちか」
智子(釘バットは売ってないと思うぞ)
伊藤(現金だな、こと。吉田さんに対しては前科があるし。二人だけにはさせないほうがいいかな)
ゆり「……智子」
智子「わっ……あ、ゆり。何?」
ゆり「智子は、野球興味ないんだ」
智子「あーうん、そうだけど」
ゆり「そっか」
智子「?」
ゆり「私も、野球興味ないよ」
智子(……いや、だったら何で来たんだよ)
ネモ「成瀬さんは前にクロ……黒木さんと3人で来たことあったんだよね。その時はどうだったの?」
優「あの時もこみちゃんから野球のルールとか名物料理とかいろいろ教えてもらったよ。陽菜ちゃんは野球とか詳しかったりするのかな?」
ネモ「陽菜ちゃん?」
優「あ。ごめんね、いきなり。もこっちから前に根元さんの名前聞いてたから……確か陽菜ちゃんだったなって」
ネモ「ううん、全然いいよ。陽菜で。じゃ、私は成瀬さんのこと何て呼ぼう……。んー、なるちゃんなんてどうかな?」
優「なるちゃん……。そういう呼ばれ方するのは初めてかな。いいよ、なるちゃんで」
智子(初対面なのに自然な流れであだ名とか決まっていくのか……さすが陰キャとは違うな)
智子(で、これ仲深まったらネモはナルとか呼びそうだよな、中二チックに。……まあ、そこまで仲良くなるとは限らんか)
智子(つか、こう多人数だとゆうちゃん分摂取が捗らん。どっかで二人きりになるタイミングとかあったらいいが)
優「うん、そうだね」
ネモ「あ、でも座席って自由席なんだよね? そろそろ球場に入って場所取りとかしておいたほうがいいんじゃない?」
智子「ああ、まあそれもそうだね(人出から察するに内野がそこまで混みそうでもないが)」
ネモ「それに、食べ物買ったりとかも」
真子「あ、そっか。試合始まったらなかなか席立てないだろうし、先に買ってた方がいいかも」
智子「ああ、まあ(いや、別に映画とかじゃないし、そこまで試合見入るわけでもないけどな。ぶっちゃけ暇でスマホ触ってるだろ)」
ゆり「……」
優「あ、それじゃあ手分けしていこうかな。食べ物買う側と場所取りする側で。こみちゃん達にはLINEで連絡するから」
ネモ「うん、お願いね。なるちゃん」
真子「それじゃ、五人いるけど。どういうふうに分けようか」
ゆり「私が場所取りしてるから」
真子「ゆり?」
真子「そっか。じゃあ、私も」
ゆり「真子は買出し行って来たらいいよ。人数多いほうが、運びやすいだろうし」
真子「え、あー……うん。わかった」
智子「……」
吉田「これだよこれ! ネズミーのコラボグッズ!」
小宮山「……あー、うん(ロッテじゃなくてネズミー目的かよ)」
吉田「ストア限定のやつもあるらしいんだ。品ぞろえもいいじゃねーか」
小宮山(まあ、このストラップ付けて歩き回ってくれたらロッテの宣伝になるし悪くはないな)
伊藤(――とか思ってそうだな、こと)
小宮山「伊藤さんは? 何か興味あるグッズあったら解説するけど。あとここ、ミュージアムを兼ねてて――」
伊藤「うーん、そうだね」
伊藤(ことは相当アレだけど、自分の気持ちに正直でブレない。そういうところが――)
\ヘイヘーイ!/\バシーンッ/
ゆり「はぁ」
ゆり「……」
ゆり(『もこっち』『ゆうちゃん』……)
智子「ゆり」
ゆり「智子? どうして?」
智子「いや、初めての球場来たのにひとりで場所取りとかやりづらいだろうから来たんだよ。それにこっち3塁側だし」
ゆり「3塁側って? 何か問題あるの」
智子「ホームチームの席は1塁側で、こっちは敵側の席なんだよ。あれが文句言ってきたら面倒だしな」
ゆり「そうなんだ。あれ、って小宮山さん?」
智子「ああ。こみさん欲望に忠実で野球(とうちの弟)にはやたらこだわって面倒だから、こっちが大人になって合わせてあげないとね」
ゆり「そうだね。……まあ、智子も大概だけど」
智子(は? どういう意味だ)
店員「ありがとうございましたー」
真子「結構いろんなもの売ってるんだね。選手がプロデュースしたものとかもあるんだ」
ネモ「あと飲み物とかも買っておこうか。みんなの要望聞いた方がいいよね」
優「こみちゃんともこっちにLINE送るね」
真子「うん、ありがとう」
真子「ちょうど良く3組に分かれててよかったね」
ネモ「そうだね(本当はクロと二人っきりになるつもりだったんだけど、まあ後でいいか)」
真子「それにしても、さっきは小宮山さんと黒木さん、喧嘩しそうになってびっくりしちゃった」
ネモ「喧嘩ってほどでもないと思うけどなー。まあクロらしいっていうか」
ネモ(クロも小宮山さんも、やっぱり似た者同士なんだな)
真子(黒木さんは小宮山さんにはああいう態度で接しても問題ないって思ってるのかな。それって、むしろ喧嘩するほど仲がいいって感じなのかも)
ネモ(あの二人に挟まれてるのに自然体な成瀬さんって、なかなか)
真子(そういう関係でいられるっていいな。私なんて……ゆりとも、南さんとも)
ネモ「どうしたの。……何か顔暗いよ?」
真子「あ、ううん何でもないよ」
伊藤「ことが言ってた名物料理買って来たよ。はい」
小宮山「ありがとう伊藤さん。あ、成瀬さんから連絡来てた」
吉田「何だって?」
小宮山「むこうで二手に分かれて席取りとかご飯買ったりしてくれてるみたい。で、飲み物なにがいいかって」
吉田「おお、あいつら気が利くじゃねーか」
伊藤「そっか。じゃあ、これも買ってきてくれてたかもね」
小宮山「いや、これおいしいけど、女子にあんまウケよくないみたいだし……前も成瀬さんたち食べてくれなかったし」
小宮山「まあ、私一人でも食べるからさ……別にいいけど」
吉田「おい、それ一口よこせ」
小宮山「え、いいけど」
吉田「……」ぱくり
小宮山「!!」
吉田「これなんて言うんだ。こんなうまいもん食わないとかあいつらも分かってないな」
小宮山「あの、もつ煮って言うんだけどさ。だよね、おいしいよね!」
小宮山「ちなみにもつ煮を扱っている店は10店以上あって特にお薦めはバックスクリーン裏の――」
伊藤(ことが吉田さんとまともにコミュニケーション取れてる。あの第一印象からこの展開は予想できないな)
\ウェーイ/\アハハハッ/
ゆり「……ユニフォームとか着てる人多いね。小宮山さんも着てたし」
智子「まあファンだからな」
ゆり「あれ着てここまで来てたよね。ロッテファンだって知られて恥ずかしくないのかな?」
智子「まあこみさん変態だし、羞恥プレイ好きなんじゃね?」
優「もこっち、ゆりちゃんお待たせ」
智子「あ、ゆうちゃん」
ゆり「……」
真子「初めて来たけど、きれいな球場だね」
ゆり「……そうだね」
吉田「お、いい席取ってるじゃねーか」
ゆり「吉田さん」
伊藤「荷物邪魔にならないように、こっちにまとめて置いておこうか」
小宮山「そうだね。……まあ本当は席に荷物置くのは禁止なんだけど、うちの球場は平日すいてること多いから。はは……」
智子(こいつだけなのか知らんが、ロッテオタって自分から予防線張ってネガってくるからウザイんだよな)
(座席)
真子 吉田 ネモ 伊藤
―――――――――――
ゆり 智子 優 小宮山
↓グラウンド側
小宮山「今日は期待の若手が先発なんだ。ウチの投手陣には珍しい速球派で、伸びのある直球でグイグイ押していくのは見ていて気持ちよくて」
優「へぇ、そうなんだ」
ネモ「直球ってストレートってやつ?」
小宮山「そうだよ。まあ初心者だと直球と変化球の違いをまず判ってほしいんだけど――」
伊藤(こみ、今日はいつも以上に楽しそうだな)
智子(いるよな、球場でやたらうんちく垂れてる奴)もちゃもちゃ
ゆり「……」
真子「吉田さん、こういうの好きかなって思って買ってきたんだけど。選手がプロデュースしたものらしいよ」
吉田「どれどれ。……おお、うまいな! サンキュ、田中」
真子「よかった。吉田さん気に入ってくれて。ゆりも食べる?」
ゆり「ああ、私はいいや。あんまりおなかすいてないし」
真子「そっか……」
真子「もつ煮は知ってるけど」
吉田「小宮山がうまいって言っててな。食ったら本当にうまかったぞ! 田中もどうだ?」
真子「うーん、あんまり得意じゃないんだけど。吉田さんがそういうなら、一口もらおうかな」
ネモ「へ~、もつ煮かぁ。私も食べてみようかな。クロは食べたことある?」
智子「え、いや……この前は食べてないけど」
小宮山「マリンに来たらやっぱもつ煮は食べていってもらいたいんだよね~」
吉田「それな」
智子(え、何ヤンキーとコオロギ意気投合してんの? 少年誌的に金属バットで殴り合って友情でも芽生えたのか?)
智子(ピーピーうるせぇな鳥かよ)
優「すごい応援だねー」
小宮山「よっし粘れ! 四タマでもいいから!」
智子(こいつもうるせえ)
優「あの緑のボールが4つになったらいいんだよね?」
小宮山「そうそう」
智子「ゆうちゃんのボールは2つしかないけどこの上もなく最高だね(って言ったら引かれそうだな)」
優「もう、もこっち~何言ってるの」
智子「(はっ、つい本音が……!)へへへ……」
ネモ「(●)(●)」
ゆり(ボール飛んでこないかな)
ブォン! ギュォォォッ!!
智子「うおわっ!?」
ゆり「っ」
ポーン!
優「だ、大丈夫もこっち?」
『ファウルボールにご注意ください』
ゆり(……本当に飛んできた)
智子「う、うん(何今の狙って来たの? ゆうもこトリックの邪魔しやがって! やっぱ野球選手って最低だな)」
真子「く、黒木さん」
智子「ん?」
吉田「……」ゴゴゴゴゴ
智子「」
ボゴォ!!
ゆり(いつものやつだ)
ネモ(何でいつも吉田さんになるかな)
小宮山「よし、フォアボール! 3点ビハインドだし、2アウトだけど1点は返していきたいね」
伊藤「あっうん、そうだね(こみ、ファウルボールにも動揺しない集中力が凄いな)」
【女子トイレ】
ジャー
智子(はぁー、どうせなら隣のゆうちゃんにラッキースケベしたいところだったな。殴られないし)
智子(それにしても、JKが野球観戦しながらきゃっきゃうふふか)
智子(き●らあたりでちょっと異色な日常物として出したら売れるんじゃね?)
智子(……いや、野球オタと萌え豚ってあんまかぶってなさそうだから無理だな)
ネモ「クロ」
智子「あ、ネモもトイレ?」
ネモ「ううん。弁当ガラとかまとめて捨ててきたついでにね」
智子「ついでに?」
ネモ「クロと二人っきりになりたくて」
智子「あー……そう。なんで?」
智子「(まあ、人数多いとどうしてもな)そういやネモは野球興味あるんだっけ。こみさんにも聞いてたけど」
ネモ「凄い興味あるってわけではないけど。声優になったら野球のアニメとかに出ることもあるかもしれないし。いろいろ知ってたほうがいいかなって思って」
智子「ああ、なるほど。女子野球ならハチ●イとかあるしな」
ネモ「大●野球娘とかもね」
智子(マイナーなチョイスだなおい。隠れた名作らしいけど)
智子「そういやロッテもアニメとコラボとか前やってたぞ。俺ガ●ルとか弱●ペダルとか」
ネモ「へーそうなんだ。声優さんが球場でイベント参加したりとかもあるのかな?」
ネモ「ふーん」
ゆり「智子、野球興味ないっていう割に詳しいんだね」
智子「え」
ネモ「!? 田村さん、どうしてここに」
ゆり「別に……。もうすぐ花火上がるらしいから黒木さんを呼びに来ただけ」
智子「まあ、詳しいというかたまたま動画見つけただけだし(花火。そういや5回終わったら上がるってコオロギ言ってたな)」
ネモ「そっか(あ、さりげに私はお呼びじゃないんだねー)」
伊藤「始まるみたいだね」
小宮山「そこそこ風あったから花火中止にならないか心配だったけど良かったよ」
優「もこっちたち間に合うかな」
真子「他の場所で見てるのかも」
吉田「来るぞ」
謎の魚『5、4、3、2、1~』
ひゅるるるるるるるるパ――ン!パン!パーン!
智子「そうだね」
ゆり「……うん」
内「……」
智子(照明であんまり気にしてなかったけど、気付けばもう夜なんだな)
智子(どうせならゆうちゃんと一緒に……とも思ったが、まあ夏はこれからだし)
智子(受験はあるけど、一度ぐらい花火大会とか行ってもいいだろ)
智子(夏の花火か。高1のときは、ひとりで見ようとしてなぜか中学生男子と一緒にラブホ覗くことになったな……)
智子(あの頃に比べたら。今は隣に当たり前のように誰かがいて、同じものを見ているんだ)
智子(ずいぶん、遠い所に来てしまったもんだな)
\勝利のー 喜びはー 大波をー 越えてー/
ぴゅぅ~~~~~~~~~~~~~~~~
真子「ジェット風船って飛ばしたの初めてだよ」
吉田「おお、結構高く飛ぶんだな」
優「あ、でももう落ちてきちゃう」
智子「まるで勢いよく飛んで行った大量の精●が受精できずにダメになって落ちてくみたいだね」
ネモ「精……ってもうクロー」
ゆり(そういうふうにしか見えなくなってきた)
小宮山「おい神聖な風船飛ばし馬鹿にするなよ」
伊藤(さすがこみの友達、発想が普通じゃない)
日|100 310 0
ロ|001 110
―――――――――――
小宮山「2点差で2死1、2塁か……ここで一打出れば」
優「もう9時過ぎてるね。光ちゃんは門限とか大丈夫?」
伊藤「私は大丈夫。帰りの電車の時間とかそろそろ調べておこうか」
優「そうだね」
吉田「は? 関係ねーよ」
真子「プロ野球って結構時間かかるんだね。学校の野球部の応援のときはもっと早かったと思うけど」
ネモ「あ、そういえば去年行ったね、バスで。全員参加で暑い中で」
智子(あったな、そんなことも)ふああ
小宮山「おい、これからだってのに帰宅モードかよ」
智子「いやもう3時間もいるんだぞ。そろそろ飽きたわ」
パァン!ギュォォォォォ――――
小宮山「あっ」
智子「お」
『OO選手、ホームランでございます』
小宮山「……逆転だ」プルプル
伊藤「こみ?」
小宮山「これが……これがあるからいいんだよ! 野球は! うぇーい!」
伊藤「……」
小宮山「うぇーい!!」
伊藤「うぇーい」
優「こみちゃん、よかったね」
小宮山「成瀬さんも! うぇーい!」
優「えっと、うぇーい?」
吉田「よかったな!」
小宮山「うん!」
ネモ「クロ、うぇーい♪」
智子(こいつ……)
真子「すごい歓声だね」
ゆり「うん。これ、試合終わったの?」
真子「んー、どうなんだろう」
智子(そういや今打った選手、さっき調べたけど確かパ●ドラ……)
優「もこっち」
智子「ゆうちゃん?」
智子「え、あーうん」
優「もこっちが仲のいい人たちのこと、いろいろ知れてとても楽しかった。また私も誘ってね」
智子「また機会があればね」
智子(そうか。ゆうちゃん、そんなに楽しかったか)
智子(まあ、ゆうちゃんにセクハラはできなかったし、やっぱ野球選手はクズだけど)
智子(こういうのも悪くはないな)
――――――――
――
――――――――――――――――
日|100 310 002|7
ロ|001 110 300|6
――――――――――――――――
伊藤「結局最後に投げた人が打たれて負けちゃったね」
小宮山「人生ってままならないよね……」
優「こみちゃん、元気出して」
ネモ「電車の時間何時だったかな」
真子「まだ余裕はあるけど、混み合うだろうから早めに移動したほうがいいよね」
ゆり「あれ、智……黒木さんは?」
吉田「便所行ってくるって言ってたぞ」
内「ふぅ」
内(なんなのアイツ!)
内(野球場まで来て女どもとイチャイチャして周りに見せつけて……きもい!)
内(まあ、おかげでアイツの写真いっぱい撮れたけど。また花火も一緒に見れたし)
内「ん?」
智子「……」
内(洗面台の鏡にアイツが映ってる……。こんな人が多い球場内で私のこと見つけ出してトイレの中までつけてきたというの?)サーッ
内「きもいきもいきもいきもい!!」ダッ
智子(何だったんだ? つかあれ絵文字だったな。絵文字も野球好きで見に来てたのか?)
智子(まあ、こういうとこで知り合いに会っても微妙な空気になりそうだから声はかけなかったが)
「今日落としたのは痛いな」「そろそろトレードするなり動かないと」ガヤガヤ
智子(何というか、祭りの後のような空気感あるな)
智子(球遊びに人生かけたり、そんな連中追っかけたり。傍から見たら痛々しいが)
智子(そういう連中のほうが、案外人生楽しんでるのかもな)
智子「さて、行くか。みんな……待ってるだろうし」
またのご来場を、お待ちしております――
(おしまい)
野球興味ないけどこれ書くためだけに岡山から千葉に行ってきた
でもわたモテってキャラが難しいわ。それっぽくできねぇ
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- あかり「京子ちゃんと結衣ちゃんを同じ部屋に閉じ込めてみた」
コメント一覧 (8)
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- 2019年06月05日 06:17
- ヒャア!新鮮なわたモテSSだぁ!更新までもこっちロスだからありがてぇ……
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- 2019年06月05日 07:29
- 文章だけだとどうしても毒が強いというか、ギスギスした感じになってしまった印象
原作の雰囲気を出そうと努力してるのは分かるが登場人物の数が多いのが枷になってる
キャラの特徴や台詞はきっちりしてるから二次創作のSS作品を書くだけの自力はあるのだろうが、そもそもギャグ作品は端的にネタを小出しにしてテンポよく展開しないと面白くないので、話の構成の段階で難易度を上げすぎたと思う
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- 2019年06月05日 10:22
- もの凄いクソ真面目なレビューで草
昔の中二あるあるネタではなく、中二から少し成長した痛いヤツと変な友人達の青春物にシフトしてきた現在のワタモテだと創作で1エピソード分の内容を書き上げるのは結構大変なのかもね。
最後はうっちーが出てきて良かった(TNOK
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- 2019年06月05日 11:28
- ようやっとる、もとい良くできてる
1145141919点
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- 2019年06月05日 12:56
- 弁当ガラという表現をみて岡山の人だろうなと思ったら当たってた
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- 2019年06月06日 16:17
- もこっちはゆりちゃん呼びじゃなかったっけ?
あと内野自由席は1塁側と3塁側でチケット別れてる気もするけどマリンスタジアムは違うのかな
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- 2019年06月07日 20:45
- 木智子「モテないし野球拳する」
に空目した
疲れてるのかな、俺…
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- 2019年06月08日 05:37
- 面白かったけど、ある意味原作再現の絶妙なタイミングで出てきた絵文字に変な声出そうになって細かい感想全部吹っ飛んだ。