【モバマス】一ノ瀬志希「ギフテッドと人間関係リセット症候群」
トレーナーさんから時間を過ぎても姿を見せないとの連絡を貰って、俺はすぐさま奴のラボに向かった。どうせ奴の事だ。レッスンの時間なんて忘れて眠りこけているのだろう。
「ん~? なんだ君か~。どしたん?」
「どうしたもこうしたもないだろ。レッスンの時間はとうに過ぎてる」
件の人物はいつもの白衣を身にまとい、何やら手にしたビーカーの中身をくるくるとかき混ぜていた。
「ありゃ、ホントだ。ん~、あと少しなんだけどなー。というわけだ! あと3時間程かき混ぜておいてくれたまへ」
手にしたビーカーを俺に押し付けると、奴はそう言った。
「3時間はあと少しとは言わない。と言うかなんだこの匂い……複雑すぎて鼻が曲がりそうだ」
どうやらラボに入った時から漂っている匂いの発生源はこのビーカーらしい。甘いような苦いような、それでいてどこかフルーティーと言うか、花の匂いか?
「お前に付き合ってれば自ずとそうなるさ」
「うんうん。良い傾向と言えるでしょー」
からからと笑う、少女の名前は一ノ瀬志希。俺の担当アイドルだ。
なんでも彼女は『ギフテッド』とやらで、言ってしまえば天才らしい。志希曰く『厳密には天才とギフテッドは違うんだけどね~』との事。
まぁ、凡人の俺には天才もギフテッドも同じにしか見えないし、それに今はそんな事を論じている場合ではない。天才だかギフテッドだかはどうでもいい。今の俺の任務は『アイドル』一ノ瀬志希をレッスンに向かわせる事だ。
出来ればトレーナーさんからのお怒りが小さいうちに……。
「ほれ! いいからさっさと行くぞ! 立て!」
「え~。それじゃあこのあたしの可愛い可愛いケミカルはどうするのかにゃ?」
「……混ぜてればレッスン行くのか?」
「にゃっはっは~。うんうん行くよ~」
本気か冗談なのか。彼女の発言にはいつも振り回されてばかりだ。それでも俺は彼女を信じるしかない。だって俺はプロデューサーだからな。
彼女からビーカーを受け取ると、先ほどから漂っていた匂いがより強くなった。やはり匂いの元はこのビーカーらしい。
「おうよ。志希もレッスンは任せたぞ。……あと、トレーナーさん宥めておいてくれ」
「まぁ善処はしてみるケド。期待はしないでね♪」
「おう、頼むぞ。『ギフテッド』」
俺がそう呼びかけると、志希の顔が一瞬ではあるが曇ったような気がした。つい一瞬前までは軽口の応酬をしていたと言うのに。
「……うん。任せてよ、『ギフテッド』のあたしに」
「志希?」
「んじゃ、行ってくるね♪ ばいば~い」
志希はそう言い残すと白衣の裾をはためかせてレッスンへと向かっていった。俺と目を合わせる事もなく。
それから志希との約束通り3時間程ビーカーをかき混ぜ続けた頃には俺の鼻もおかしくなってしまったのだろう。ラボに入った時には強烈に感じたこの匂いもすっかりと気にならなくっていた。
あいにくとそれを確かめるには、ケミカルの知識が全くない上に鼻がおかしくなっている俺には難しい事なのだが。
「もうどんな匂いだったかも思い出せないのかも知れないな……」
そんな風にやり遂げた仕事へ対しての感慨にふけっていると、スマホがけたたましく鳴り始めた。すぐに止まった所を見ると電話ではなくメールのようだが。
「えっと……『みんなでご飯食べてくから君は帰っていーよ』か」
メールの送り主は志希だった。どうやらレッスンにはちゃんと行ったのだろう。ひとまず俺の役目は無事に果たせたらしく一安心だな。
「んじゃ、お言葉に甘えて俺は帰るかな」
志希に了解した旨を返信して、志希のラボを後にした。
そして、この日が最後に一ノ瀬志希と会った日になった。
志希がレッスンをサボろうとした日からしばらく経った頃。最近は志希が失踪する事もなく、真面目にレッスンをこなしているのにすっかりと安心しきっていた俺は、一ノ瀬志希と言う人間がどんな人間なのかを理解しきれていなかった事を思い知らされた。
その日もいつも通りに過ぎていくはずだった。昨日の夜中に隣の部屋がドタンバタンと引っ越しか模様替えかはたまた殺人事件かとも思えるような騒ぎだったのもあって、睡眠が不足していたのが主な原因なのだが、気が付くと出勤時間ギリギリに目が覚めてしまったのだ。
「……やべぇ!」
何故、人間は遅刻ギリギリになると普段以上のポテンシャルを発揮できるのかは甚だ疑問ではあるが、俺は今までの人生でも最速と言える速度で出勤準備を整え慌ててアパートを飛び出した。
俺の部屋は二階奥の角に位置しているので階段までは少しばかり距離がある。しかし角部屋なので隣人の騒音災害にはあまり悩まされておらず、普段であればこのような事態に陥る事はまずないのだ。
それに加えて、そもそも隣室は長らく空き家だったために、寝付けないような騒音に悩まされるとは想定していなかったのもある。
「もしも続くようなら注意しないといけないな……」
今後も毎夜毎夜あのような騒ぎを起こされてはたまったものではない。隣室の扉に目をやりながら足早に階段に向かって歩を進めている時だった。
「ん?」
どこかで嗅いだことのあるような匂いを感じ取ったのだ。しかし寝起きと言える状態の俺の頭ではその匂いがなんなのか、どこで嗅いだのか、皆目思い出す事が適わなかった。
「まぁいいか。それより今は遅刻しないように走らないと!」
きっと走ればまだ間に合う。社会人として遅刻だけは避けなければ……。
「おはようございます、プロデューサーさん。……なんだかお疲れみたいですね」
「えぇ……ちょっと寝坊しまして……」
始業ギリギリに事務所に辿り着くと、身なりをシャンと整えいかにも仕事出来ますと言った風体の女性が出迎えてくれた。この人は俺のアシスタントについてくれている千川ちひろさんと言う。
「寝坊ですか。はは~ん。さては昨夜はお楽しみだったんですか?」
「違いますって。お隣さんが引っ越してきたみたいなんですけど、うるさくて」
「なるほど。それは災難でしたね。注意には行きました?」
「今後も続くようならですね。引っ越してきたばかりで荷解きで騒がしかっただけかもですし」
「そうですね。それが良いかもしれません。ご近所トラブルって大変な事になりかねないですしね」
「そうなったら引っ越し、ですかね。気に入ってたんだけどなあそこ」
常識ある人ならそう毎晩毎晩騒音を出したりはしないだろう。そうであると願いつつ今日の仕事を始めるためにパソコンのスイッチを入れる。さぁ、今日も頑張って働こう。アイドルを輝かせるプロデューサーとして。
「もしもし。お待たせしました」
『あぁ、プロデューサー殿ですね?』
「はい。お待たせして申し訳ありません。電話なんてどうかしましたか?」
電話の主はアイドルのレッスンを担当してくれているトレーナーさんからだった。アイドル達かは厳しいと評判であり、実際厳しいのだが確かな実力もあるためスタッフからもアイドルからも慕われている優秀な人だ。
『一ノ瀬なのですが、レッスン開始時間をとうに過ぎているのに来ていません』
「え……?」
どうやら今日は遅刻しかけた以外にも問題が発生する日だったらしい。トレーナーさんから話を聞いて、俺はすぐさま志希のラボへと向かった。どうせまた徹夜で実験したとかで寝呆けているのだろう。
勝手知ったると言った様で志希のラボへと侵入していく。志希がレッスンに表れない時はラボで寝ている場合が多いのでその度に何度もこうして志希を迎えに来た。
「志希?」
何度も迎えに来たためラボについてはそれなりに詳しくなっている自負があるのだが、この時は何か言い知れぬ違和感を覚えた。
いつもなら志希が散らかした実験の道具や栄養補給のために食べたであろう食品の残骸が転がっているのだが、今日はそれらが一切なくガランとした印象を受けたのだ。
言い知れぬ違和感が拭えなないまま奥へ奥へと進んでいく。いつもならラボのそこかしこから志希の気配と言うか痕跡を感じるのだが、今日はそのことごとくが無かった。
まるで最初から存在していなかったかのように。
「……志希! 居るんだろ! 出て来い!」
俺の叫びは主を失ったラボの中に虚しく響くだけだった。
志希が消えてから一ヶ月程が経過した。
あの日ラボに志希の姿は無く、一人暮らしをしている志希の部屋にも足を向けたのだがそこにも志希は居なかった。それどころか管理人から志希は少し前に引っ越したと聞かされた。
事務所にも何の連絡もなく、仲の良いアイドル達にも何も知らせずに一ノ瀬志希は失踪した。
趣味が失踪なんて言ってはいたものの、アイドルを始めてからは度々連絡がつかなくなることがあっても失踪に至る事は無かったため俺達はどう探したものか途方に暮れていた。
警察にも届けを出し、志希が行きそうな所に片っ端から電話をかけたり直接赴いたりして志希を探してはいるのだが見つかる気配がなかった。
俺達スタッフだけじゃなく、アイドル達も地方ロケや営業の度に志希を探してはくれている。素人でやれる事は全てやったと言っても過言ではなかった。
「どこに行ったんだよ……」
志希が消えてからもう一ヶ月が経つ。何らかの事件に巻き込まれた可能性も考慮して警察も捜索してくれてはいる。だがなんの手がかりもない。頭の良い彼女の事だ。もしも本気で消えるつもりなら俺達程度ではその尻尾を捕まえる事すら出来ないのかもしれない。
疲れ切ったままアパートの階段を上っていると、どこかで嗅いだ匂いが漂っている事に気付いた。
「この匂い……なんだったか」
そう言えば以前もこの匂いを嗅いだ気がする。あぁ、あの日だ。俺が寝坊して遅刻しかけたあの日。志希が失踪したすべての始まりの日。あの日もこの匂いを俺はこのアパートで感じたんだ。
記憶を整理するために呟きながら階段を上りきると、隣室の扉が閉まる直前だった。
隣室の扉が開くところを見たのも初めてだったが、それ以上に俺の目に留まったのはほんの一瞬だけ見えた隣人。
見間違えるはずもない。その猫のような掴みどころのない表情にふわふわの長い髪をした少女。隣人は俺の良く知る今最も会いたいと願っていた人物。
一ノ瀬志希だった。
「志希っ!?」
俺は慌てて隣室の扉に駆け寄った。閉ざされた扉は外部から開ける手段はない。だから俺はチャイムを連打し扉を力の限り叩き彼女の名を呼び続けた。
「志希! 志希なんだろ! 志希! 志希! 出てきてくれ! 志希!」
ご近所トラブルが、などと考えている暇は無かった。失踪したと思っていた志希がまさか俺の隣に居るなんてどうしたら想像できるのだろうか。志希は失踪したあの日から俺の隣に住んでいたのだ。一カ月もの間、俺は志希のすぐ隣で志希を探し彷徨っていたのか。
思えばヒントはあったのかも知れない。志希を目にしたことでこの匂いを嗅いだ場所も思い出せた。
志希がレッスンに遅刻したあの日に俺がラボでかき混ぜていたあのビーカー。三時間もかき混ぜていたのだから忘れるはずがない。忘れるはずはないのに、匂いに慣れ切ってしまって気付けなかった。
力の限り扉を叩き、声の限りに叫んでいると、ついにその扉は開かれた。そこに居たのはやはり俺のよく知る一ノ瀬志希だった。
「志希……」
一カ月ぶりに会った彼女はなんら変わるところはなく、一カ月前のままだった。
「お前……どうして……」
「あーあ、バレちゃったか」
「……え?」
どうして失踪なんかしたんだと問いただそうとした時、彼女は確かにそう言った。『バレちゃった』と。
「バレた……? お前、何言って……」
「何ってプロデューサーが聞いた通りだよ。あたしがここに居るのがバレちゃったって意味」
「バレたってお前な!? 俺達がどんな思いで志希を探してたと思ってるんだ!」
「あー、もう怒鳴んないで欲しいなー」
彼女のあっけらかんとした態度に頭に血が上っていくのがわかる。これは良くない。冷静にならなければ。
怒鳴りつけそうになるのを必死に抑えながら失踪した理由を尋ねる。無事で居てくれたのだからこの際失踪した事自体は目をつぶろう。
「あたしはただ思いついただけ。人間関係をリセットしてしまおうって。人間関係をリセットして、ゼロに戻すことで志希ちゃんは新しい志希ちゃんに生まれ変わったのです!」
にゃははといつも聞いていた笑い声で彼女は笑う。俺の良く見知った表情で笑う。
リセットする? ゼロに戻す? 何を言ってるんだ。仮に本当にリセットしたのならどうして俺は彼女の事を知っている? そんなの答えは簡単だ。リセットなんて出来ていないからだ。
「はぁ……。まったくお前は……。本当に何を考えているのかわからんな……」
思わずため息が出てしまう。天才の考える事は凡人には理解できないのだろう。あぁ、志希は天才じゃなくてギフテッドだったか。
「なんにせよ失踪したんじゃなくて良かったよ。早く事務所に連絡しなきゃな。みんな心配してるし。あと警察にもか」
スマホを取り出し事務所に電話する手を彼女に遮られた。
「志希?」
彼女は先ほどまで浮かべていた笑みではなく、無表情に変わっていた。
「お前が『アイドル』じゃなかったらなんなんだ。『ギフテッド』の一ノ瀬志希か?」
俺が『ギフテッド』と言う単語を口にした瞬間、志希の表情が無から変化した。苦虫を噛み潰したような苦渋の表情だった。
「プロデューサーも『ギフテッド』のあたしを求めるんだね」
「……?」
「あたしだって! あたしだって女の子なの! ただの女の子なの! ギフテッドじゃなくて! ただの……普通の女の子なのっ!」
耳に届いたのは彼女の悲痛な叫び。『女の子』だと主張する18歳の少女の叫び声だった。
「みんなあたしの事を『ギフテッド』って! あたしだってただの女の子なのに! みんなあたしには見向きもしない! みんなあたしを通して『ギフテッド』を見てる! どうして!? どうしてあたしを見てくれないの!? 一ノ瀬志希はここに居るのに!」
肩で息をする彼女に圧倒されてしまった。確かに彼女は『ギフテッド』だろう。それは間違いない。自分でもそう名乗っていたし、実績だって調べればごまんと出てくる。
だが、それ以前に彼女がひとりの『女の子』である事だって間違いはないのだ。
彼女の叫びは無茶苦茶な主張なのかも知れない。『ギフテッド』を武器にして生きて来たのに『ギフテッド』ではなく『一ノ瀬志希』自身を見てくれと言う。
「……だからあたしは思いついちゃったんだよ。全てリセットして、またゼロから始めようって。『ギフテッド』じゃない『一ノ瀬志希』を見てくれる人を見つけようって。なのに……」
その場に崩れ落ちた彼女の瞳から涙がポタポタと流れ落ちていく。
「なのに……どうしてあたしはキミから離れられないのかな。どうしてキミの匂いを求めてしまうのかな」
彼女にかけてやれる言葉が見つからない。だって彼女を追い詰めた原因は俺にもあるのだから。
きっと彼女は『ギフテッド』に縋らないと生きていけなかったのだろう。18歳の少女が一人きりで世界と戦うには『ギフテッド』が必要だった。だがその『ギフテッド』を使えば使うほど彼女自身を見てくれる人は減ってしまったのだろう。
そんな時に『ギフテッド』なんて知らない俺と出会い、アイドルになり『ギフテッド』ではなく『一ノ瀬志希』を求められる事に喜びを感じていたはずだ。
それなのに俺はあの日無責任にも彼女に『ギフテッド』と呼び掛けてしまった。彼女がどんな思いで『ギフテッド』と接していたのかも知らずに。
無知は罪であると聞いた事がある。そんなもんかと思っていたが、いざ自分がこうしてその立場になってみればよくわかってしまう。知らなかったでは済まされないのだ。
いくら謝っても許される事ではないのはわかっている。むしろ謝るのは志希のためじゃなくて自分のためだとすら思える。謝って、許しを得て、この罪悪感から解き放たれたいと、そんな浅ましい考えが俺の中で渦巻いている気がしてならない。
膝をつき、志希に目線を合わせてみると改めて彼女も18歳の女の子なのだなと実感する。大人びた表情を浮かべる事があっても、例えどれだけ頭が良くても、中身はただの女の子なのだ。
「許してくれとは言わない。言わないけどさ。俺にもう一度だけチャンスをくれないか? 『ギフテッド』じゃなくてさ。ただの女の子の一ノ瀬志希が輝く手伝いをさせてくれないか? ……帰ろう、志希。事務所に。みんなが待っている事務所に」
あの事務所では志希を『ギフテッド』として特別視する人間は誰も居ない。あそこに居るのは『アイドル』一ノ瀬志希のライバルであり仲間達だ。『ギフテッド』だから特別と言うわけもない対等な関係だ。
いや、もしかするとあそこでは志希の『ギフテッド』でさえも大したことはないかもしれない。それくらいに個性豊かな仲間達が居る。
「うん……」
志希は伸ばした手をしっかりと握ってくれた。もう二度とこの手を離してはいけない。
そう決意した俺の鼻にあの匂いがふわりと届いた。
「すみませんすみません!」
志希が失踪した事に対する世間の評価はそう悪いものではなかった。以前から趣味が失踪と明言していたのもあって、ファンは今回の失踪を面白おかしくとらえていたらしい。『志希ちゃんらしいよねー』の一言でほぼ片付いたと言っても過言ではない。
が、それもファンに対してのみだ。もちろん仕事関係者には志希と共に謝罪回りに行っている。嫌味を言われる事もあったし、無事なら良かったと言ってくれる人も居た。もちろんもう二度と仕事をしないと激怒される事もあった。
でもこれでいいのだろう。事務所的にはダメかもしれないが、一ノ瀬志希だって女の子なのだから仕事を休みたくなる事だってある。だって志希は普通の女の子なのだから。
「にゃはは~。めーっちゃ怒られちゃったねー♪」
「笑い事じゃないだろ。ほら、次はあっち! まだしばらくは謝罪回りだからな」
「にゃははー……。どうしよう、また失踪したくなってきちゃった」
「許されないからな?」
「わかってるわかってるって。冗談だよ、じょーだん」
「お前の言葉は本気なのか冗談なのかさっぱりわからん……」
「にゃっはっは。まぁ楽しいからいいじゃーん?」
「それも……そうかもな」
泣いたり笑ったり怒ったり。それでこそ普通の人間らしい。時と場所と場合をわきまえる必要はあるが、そんな普通の人間でもとても魅力的なのが『アイドル』なのだろう。
一ノ瀬志希は『アイドル』なのだ。だから、これで良い。これで。
「んー?」
「どうして失踪した時、俺の部屋の隣に居たんだ?」
「……キミの匂いの虜になってたんじゃないかな」
「は……?」
「なんてね。これも冗談なのでしたー! にゃははー」
「おいコラ! 待て志希!」
どこまで嘘なのか本当なのか相変わらずさっぱりわからないけど、18歳の女の子の考える事は俺には理解できる気がしない。女の子ってのは一体何を考えているのだろう。
志希と一緒ならいつかわかる日がくるかも知れない。だって志希も普通の女の子なのだから。
End
志希ちゃん、お誕生日おめでとう。総選挙全体6位もおめでとう。
「gifted/ギフテッド」と言う映画がありましたね。とても素敵な映画でした。
ギフテッドである事は志希にとって幸せなのでしょうか。志希Pではない私にはわかりそうもありません。
では、お読み頂ければ幸いです。
コメント一覧 (11)
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- 2019年05月31日 06:34
- 志希がメインでここまで面白くないSSも珍しいな
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- 2019年05月31日 07:03
- これは誰でも失踪するわってレベルで人間扱いされてないってならともかくこの程度でここまで非常識な行動取るようなキャラじゃないと思うが
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- 2019年05月31日 07:26
- 唐突すぎない?
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- 2019年05月31日 08:10
- 志希は書くのが難しいキャラだからな~
フレちゃんもキャラを掘り下げると難易度上がる
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- 2019年05月31日 08:27
- いくら可愛かろうがアイドルだろうが一応企業に就業している以上、一か月無断欠勤したら見限る
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- 2019年05月31日 10:02
- ギフテッドギフテッド連呼しまくってて草
中学生が始めて挑戦した小説みたいで微笑ましい
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- 2019年05月31日 17:41
- 志希のキャラが痛い厨ニ病患者そのもので薄っぺらいと思ってたら書いた人が最後に志希Pじゃないことを自白してて草だった
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- 2019年06月01日 09:35
- 薄っぺら...なんだこれ
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- 2019年06月01日 22:26
- 志希のキャラクター性に全く魅力を感じない
ただの理不尽な身勝手になってしまっている
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- 2019年06月03日 11:42
- そして、この日が最後に一ノ瀬志希と会った日になった。
最後じゃないじゃん…
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- 2019年07月17日 13:53
- 「あたしの才能を、キミのために活かしてあげる」(花舞うトポロジー)だとか「フツーの女の子らしくない毎日だったけど、あたしはそれでよかったよ。だって、ギフテッドだもん。フツーじゃないのが、フツーなの。」(純白の化学式)とかって言ってる人間がギフテッドって言われて失踪はしないやろ...
デレステのミスティックエリクシルの親愛度600の演出とか、デレステでのその他のセリフとかも考えるとギフテッドのままの自分、つまりありのままの自分、フツーの自分を受け入れてもらってるのを喜んでるように見えるのよね
むしろ彼女がギフテッドで在ることを受け入れずに否定した時に逃げ出すんじゃないかなと思う