【モバマス】高垣楓「風向き良し」
「結婚、ですか」
飾り気も何も無い小会議室。
長机を挟んで向かいに座る楓さんは、少しだけ目を丸くした。
「結婚……いずれは、と考えていましたけれど……そうですか……そうですか」
卓上に組んだ指へ視線を落とす。
親指を交互に重ねては離し、重ねては離しを繰り返すと、姿勢を正して俺へ向き直った。
「まだまだ足りないものだらけの私ですけれど……是非、よろしくお願いします」
「楓さん」
「はい」
「ブライダル撮影の話です」
「もちろん。知っていますよ?」
本当ですか、の『ほ』の字が口を突いて出そうになる。
脳内に自生する藪から血色の良い二股の舌がちろちろと覗いたのを見て、
俺は何も言えずに黙り込んだ。
幻の花嫁こと高垣楓さんのSSです
前作とか
高垣楓さんと愉快な仲間たち
高垣楓「瞳に乾杯」
以前に頒布した本の一節へ微修正を施したものです
第8回シンデレラガール総選挙、大好評開催中
◇ ◇ ◆
プロデュースを始めた当初、俺はアイドルとしての高垣楓について改めて考えた。
この界隈において方向性というものは極めて重要だ。
最初の舵取りを間違えれば、たちまち大海原で迷子になってしまう。
悩んだ末に出した結論は歌唱重視という面白みの無いもので、けれど間違ってはいなかったと思う。歌って踊れる正統派アイドルよりももう少し偏った、ストイックに入るかどうかのライン上。
そこを彼女に歩かせようとしていた。
「来月、櫻井さんを始め、何名かのアイドルがヨーロッパロケに出発する予定でして」
「ええ」
「我々も同行し、幾つかの国でスチール撮影を行います」
「なるほど……少し、急な話にも感じますが」
「タイミングと言いますか……ええと、強い需要に背を押されてと申しますか」
楓さんはライン上に一歩を踏み出し、二歩目で脇道を突き進み始めた。
お酒は飲む。駄洒落は飛ばす。年下を振り回す。
浮かび上がってきていた神秘の歌姫なる二つ名はゆっくりと沈み始め、
ゆかいなお姉さんなる称号が元気に浮上してきた始末だ。
「……ぶっちゃけて言えば、水着姿を早く見せろとの声が、ですね、その……多数。かなり」
お酒をゴクゴク飲んでは駄洒落を連発してるけど、綺麗で歌の上手いお姉さん。
……目指したアイドル像に幾つか余計なオマケまでくっ付いてきてしまったが、
ひとまず彼女の歌唱力は多くの人が認める所まで来た。来たと思う。
となれば、歌以外の部分に興味の目が向けられるのはある意味で必然とも言える。
ファンの声曰く、水着、バニーガール、メイド、レースクイーン、花魁。
エトセトラ、エトセトラ。
「まぁ楓さんはビジュアル面も強みですし、分からなくはないですけどね」
「え? すみません、よく聞こえませんでした」
「……」
「……」
「……楓さんは魅力的ですから」
「もうちょっと分かりやすく」
「楓さんはとてもお綺麗ですので」
「もう一声」
「……俺の目から見ても、貴女は大変お綺麗な女性ですから」
「ほら、あと一息ですよ」
「話を戻しますが」
「しゅん」
ネクタイを緩める。
楓さんはしゅんとしていた。
「ウェディングドレスを含め、数箇所で撮影を行います。よろしいですか?」
「ええ。それで、プロデューサーは私にどんな水着を着せてお楽しみになりたいんですか?」
楓さんが微笑む。
俺を見ながら、にっこりと微笑む。
「……衣装さんが、きちんと、楓さんに合ったものを選んでくださいますので」
「なるほど。そこにあなたの意向はほんの少しも含まれていないという事でしょうか」
「……」
「……分かりました。お楽しみに」
「何も言ってないです」
「もちろん。知っていますよ?」
「ほ」
「ほ?」
「いえ」
飛び掛かってきた蛇を、すんでの所で躱してやった。
◇ ◇ ◆
チャペルと聞いてイメージしていたよりも随分と落ち着いていた。
式場と言うよりは本来の礼拝堂と言った方が近いのかもしれない。
並ぶ椅子たちは過ごしてきた年月を語るかのような焦げ色で、
正面には天井まで届くステンドグラスが何枚も嵌め込まれていた。
流石はマイスターの国。溜息が出そうだ。
それぞれのガラスには書物や杖を抱えた偉人らしき方々が描かれていて、
蘭子ちゃんが好きそうだなと考え出した時だった。
ぎぃ、と入り口の扉が押し開かれて、担当アイドルがゆっくりと姿を現す。
服飾には全く詳しくないが、取り立てて変わった所の無い、ごく質素なウェディングドレスだった。
しかしそのデザイン故か、どこか荘厳さを感じさせるこのチャペルへ自然に溶け込んで見える。
そう在るのが当然のように、彼女はこの上なく特別な服を、手慣れた様子で翻していた。
次いで現れた衣装さんやカメラさんの姿を見て、
ようやく俺は撮影に訪れていたのだと思い出す。
照明や器具を組み立て始めた彼らを背に、楓さんは俺に微笑みかけてくれた。
どうしてだか少し照れくさくなって、軽い会釈を彼女に返した。
彼女は微笑んだまま動かず、やがて軽く首を傾げた。
何をしているんだろうかと眺めている内に、
こつりこつりと靴を鳴らしながらこちらへと近付いてくる。
俺の三メートルで立ち止まり、楓さんが再び微笑んだ。
「……」
何も言えずにいると更に近付いてくる。
五十センチ手前までやってきて、膨らんだドレスの裾がスーツを軽く撫でる。
素敵な微笑みを三度向けられてから、ようやく俺は口を開いた。
「……とても良くお似合いですよ」
「まぁ。ありがとうございます、プロデューサー」
綻ぶような微笑から、満開の笑顔へ。
真っ直ぐ見ておきたいところだったが、視線がよそを向いてしまう。
少々、眩し過ぎる。
「高垣さーん、流れ説明するんでこちらへお願いしまーす」
「はーい」
準備を終えたスタッフさん達に呼ばれ、楓さんが緩く手を振り返す。
俺も手元の進行表を見直しながら彼らの元へと向かった。
「……ん?」
ところが隣に楓さんの姿は無く。
振り返ってみれば、彼女はチャペルの入口近くにぽつんと立ち尽くしていた。
「楓さん? どうかしましたか?」
呼びかけながら歩み寄ると、楓さんは相も変わらず微笑んでいた。
裾を踏んづけないギリギリまで近付くと、
ウェディンググローブに包まれた細い手をそっと俺へと伸ばしてくる。
「裾を踏んでしまいそうで。上手く歩けないんです」
「……」
「ので、よろしくお願いします。プロデューサー」
以前もクリノリン入りのドレス、着てましたよね。
ゆっくり歩けば大丈夫ですよ。
そもそも更衣室から歩いて来てませんでしたか。
数々の反論が胸の中を渦巻いて、その全てが差し出された白い手に抑え込まれた。
背後からは催促の声が飛んで来ず、
代わりにと投げ込まれる視線が俺の身体にぶすぶすと突き刺さる。
スラックスで右手を一度だけ拭い、指先に触れた。
足早に聖書台を目指そうとして、繋いだ手がぴんと水平に伸びた。
背後からこつ、こつんと足音が響く度に角度がついて、
立ち止まった俺の隣で、彼女もぴたりと立ち止まる。
手綱と化した右手から意識を逸らし、ただ前を向いて歩くことだけを考えた。
ゆっくりと、一歩ずつ、スタッフさん達の所へ近付いていく。
大丈夫だ。本来ならこういうのは親族の役目だから、何も無い。
「いつか」
楓さんがぽつりと呟いて、それきりまた静かになった。
手を握り締めそうになって、まるでそれが返答になってしまうような気がして、
全力を振り絞って脱力する。
気付けば目の前にはカメラさんが居て、大口径のレンズを向けられていた。
頬が引き攣るのと同時、小気味良いシャッター音が鳴って、たぶん隣の彼女は笑みを浮かべている。
半日も握っていたような気がする手がゆっくりと離れて、
それから何事も無かったようにスチール撮影が始まった。
いや、確かに何もありはしなかった。
その証拠に楓さんは何も言わなかったし、スタッフさん達もそれは同様で、
第一俺も口を開かなかった。
涼やかに撮影をこなしていく彼女の横顔を眺めながら、
ポケットに突っ込んだ右手を、俺はしばらく握っていた。
◇ ◇ ◆
「お疲れ様でした」
「とっても楽しかったです」
「……それは良かった」
ウェディングブーケを抱えた楓さんは満足げに頬を緩ませた。
どうにも手持ち無沙汰らしく、データチェックをしているスタッフさん達を見守りつつ、
腰の辺りを感触をもふもふと確かめている。
「……言い忘れていた気がしますが、すみませんでした」
「何が、ですか?」
「その、よく言うじゃないですか。結婚前にウェディングドレスを着てしまうと……って」
「……あぁ」
抱えたブーケを見つめ、楓さんは軽く首を振った。
「大丈夫です。気にしていませんよ」
「すみません」
「それに、婚期が少しくらい遅れちゃっても」
色違いの瞳が、俺の目をじっと覗き込んだ。
「私、けっこう根気がありますから」
― = ― ≡ ― = ―
第8回シンデレラガール総選挙、高垣楓さんへの応援をよろしくお願いします。
― = ― ≡ ― = ―
◇ ◇ ◆
支払いを終えて戻ってみると楓さんが子供たちに囲まれていた。
耳馴染みの無い、幾らか辿々しい歌を唄う度に、子供たちが手を叩いてはしゃぎ回る。
胸ポケットからデジカメを取り出し、写真を一枚だけ失敬。
これでブログの更新もバッチリだ。
不意に強く風が吹き、楓さんの髪を悪戯に揺らす。
細い指先が乱れ髪をかき上げた拍子に、彼女はこちらへと気付いた様子だった。
この国は風が強い。
「あ。プロデューサー、フッデダッハ」
「フッデ……何です、それ?」
「こんにちは、らしいですね」
試しに子供たちへ話してみると、フッデダッハ、と元気な挨拶が返ってきた。
どこかで笛の音が響いたと思えば、彼らがどこかへと駆け出していく。
賑やかで結構だ。
「良いお土産は見つかりましたか?」
「良いお土産と言うか……半ば押し付けられました」
球根の入ったビニール袋を軽く振る。
時期こそ少々外してしまったが、オランダと言えばやっぱりこれだろう。
スパーケンブルグという地名に憶えは無かったが、
いざ訪れてみればなかなか盛大なお祭りだった。
伝統衣装らしい服を着た老若男女が賑やかに行き交っている。
一通りの撮影を終えて尚、花柄のあしらわれた民族衣装に身を包んだ楓さんは、
まるでこの街で生まれ育ったようで。
元モデルさんというのは凄いんだなと、改めて彼女に感心してしまう。
「チューリップ、ですか?」
「ええ。セン……ええと、何だか皇帝みたいな名前でした」
花の時期は逃したが、それでもあちこちでチューリップの球根が売られていた。
とはいえ俺は花にそう興味のある方でもなく。
気の利いた菓子でも見繕おうとしていた時に、
恰幅の良い御婦人からほとんど押し付けられるようにして買わされてしまった一品だ。
「どうするかなぁ、これ」
「ふふ。折角ですし、お家で育ててみては?」
「男やもめに花を咲かせても……楓さん、要ります?」
「……え?」
「お邪魔でなければですが」
楓さんに小さな袋を差し出す。
彼女はしばらくぽかんとした後、おそるおそるといった様子でその袋を受け取った。
妙にぎこちない仕草に首を傾げていると、
祭りの喧騒にかき消されてしまいそうな声量で、けれど確かに呟いた。
「プロデューサーからの、きゅうこん……」
「……」
ひゅう、と風が吹いた。
オランダは風の強い国だった。
楓さんは小さく丸く口を開けて、受け取った袋を両手で支え、
びっくりするぐらい真剣に見つめている。
俺は忘れていた呼吸を慎重に再開し、一度だけ深呼吸をして、
それから自然な笑みを浮かべてやった。
「あ。やっぱり俺、育ててみようと思います。すみません」
すいと手を伸ばして、伸ばした分だけ袋が遠ざかった。
あれ、おかしいなと思って視線を上げてみると、楓さんのにこやかな笑顔とかち合う。
再び笑いを零しながら手を伸ばすと、やっぱり袋はその分だけ遠ざかった。
俺と楓さんはお互いに笑みを零し合って、同時に席を立った。
近付いた分だけ、楓さんは離れていく。
「楓さん?」
「どうしました?」
「いったん返して頂けますか?」
「どうぞ?」
付かず離れずの足取りは喧騒を抜けて、中央広場からどんどんと遠ざかっていく。
出店通りを抜け、特設ステージの前を横切り、公園へと入ったところで逃走犯の手を捕まえた。
「楓さん?」
「何でしょう?」
「それ、返してもらえますか?」
「……どうしても、返してほしいですか?」
「ええ」
「そうですか。分かりました」
意外な程あっさりと言い抜けた楓さんが俺から一歩だけ距離を取る。
見せつけるように掲げていた袋を、今度は胸へと抱き寄せる。
目を閉じながら、大切な宝物でも守るかのように、小さな袋を両手でそっと抱き締めた。
「プロデューサーのお気持ち、きちんと伝わりました」
閉じていた目を開けて、どこまでも深い瞳で、俺の両足を縫い止める。
「どうぞ」
彼女の温度を受け取った袋が、俺へと静かに差し出されて。
「私から、貴方へ。受け取ってください」
楓さんが、球根を返してくれる。
「……」
いつものように柔らかく、いつもよりも少しだけ色付いて見える微笑みを、
俺は馬鹿みたいにただ眺めていた。
「どうしても、でしたよね」
思わず退がりかけた一歩を背中からの風が押し戻した。
そうだった。風は、いつだって彼女へ吹くに決まっている。
俺はどうにかしてこのまま流せないかなと一瞬だけ考えて、
ふと、彼女はけっこう根気があるらしい事を思い出した。
おしまい。
楓さんは計算高可愛い
第8回シンデレラガール総選挙、大好評開催中
手持ちの票は忘れず期間内に高垣楓さんへ投票しよう
ちなみに微課金でもかなりの票を集められるぞ
誰でも助けられるんだ
今回はないと思うけどこの先はわからん
劇場版やるつもりなのかは分からないけども
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コメント一覧 (15)
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- 2019年05月05日 17:56
- 第十回総選挙で十時愛梨さんが2度目の戴冠をすることが決定してますよ?
-
- 2019年05月05日 18:00
- 今更劇場版とかやられても蛇足感
総選挙上位で声がつくシステムである限り、余程のことでも無いと二冠は難しいだろう
-
- 2019年05月07日 09:47
- >>2
劇場版ってなに?
-
- 2019年05月05日 18:26
- 2冠とって殿堂入りとかかっこいいけどね…
あ、モバマス分は担当全ツッパだけどデレステ分はいくらか楓さんに入れますよー
-
- 2019年05月05日 19:32
- いつもの神じゃん
蘭子の長編神だったわ
-
- 2019年05月05日 19:49
- 一度も戴冠したことないくせにデレステの看板気取ってる不人気アイドルに全投票します
-
- 2019年05月05日 20:48
- この人の楓さんは自由奔放で、洒落が効いてて、押しが強くて、そして攻められると途端に弱くて、つまり最高に可愛い。
-
- 2019年05月05日 20:55
- >>5
みく「すまんにゃ」
-
- 2019年05月05日 21:22
- 短編も長編も全部好きです
-
- 2019年05月05日 22:28
- 俺、宝くじ20万円当たったら智絵里をシンデレラにしてあげるんだ・・・
-
- 2019年05月06日 06:48
- >>9
心意気は買うがな、投票数カンスト(それ以降も投票はされる)させても…っていう案件が過去にありましてね…
1、2位で競り合ってるならともかく20万なら選挙初期にゲーム外活動で名前売った方が話題になる。
-
- 2019年05月05日 23:24
- 良い雰囲気だった
-
- 2019年05月06日 13:06
- 固定票100万ある楓さん。それを知った運営は浮動票取り込めないと勝てないシステムに変更したの
だから前回菜々さん230万票。連覇は誰にとっても厳しい
でも固定票が20万もあれば確実に総選挙のランカーになれるのも事実(ただし40位代だけど)
担当Pを1000人集めるのです(ただし50万票では20位以内にも入れない)
-
- 2019年05月06日 20:43
- 20万とか桁が2つ足りないな
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- 2019年05月07日 03:08
- こんな女性に翻弄されたいな
応援がわりに微力ながら投票してきます