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【ぼく勉】 紗和子 「とんでもないものを見てしまったわ……」

825:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:48:27 ID:QUrQhu/g

………………メイド喫茶 High Stage

あすみ 「制服イベントだぁ?」

マチコ 「そうなの。この前コスプレイベントやったじゃない? あれが好評だったみたいでさ」

店長 「お客様にアンケートをとったところ、次はぜひ制服姿を見たいとのことでな」

あすみ 「……ったく。うちはメイド喫茶であってコスプレ喫茶じゃねーはずだけどな」

ミクニ 「まぁまぁ、あしゅみー。合法的に制服を着られる機会なんてめったにないしさ」

ヒムラ 「コスプレイベントも楽しかったしね。制服着たら、きっと高校の文化祭みたいで楽しいよ」

あすみ 「アタシはつい去年まで制服着て高校通ってたんだけどな……」

あすみ 「ま、別に断る理由はねーし、いいよ。どんな制服を着るんだ?」

店長 「差し支えないなら、高校時代に着ていた制服を持ってきてくれると助かる。リアリティの問題でな」

店長 「もちろん店での使用後にクリーニング代は出す」

あすみ (この店長、コワモテで良い人だけど、マジモンだよな……)

あすみ 「わかった。じゃ、イベントの日に制服持ってくよ」

店長 「そうか。助かる」 ニコッ 「ローファーも忘れずにな」

あすみ (ほんとヤベー人だよなこの人)



826:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:49:17 ID:QUrQhu/g

………………小美浪家

あすみ 「………………」

あすみ (……実際、卒業してから半年とはいえ、制服を着るのはやっぱり抵抗あるな)

あすみ 「えーい、ままよ」

スルスルスル……キュッ……シュッ……

あすみ 「……んっ」 (よかった。太ってはないみたいだな)

あすみ (姿見みるのは怖いけど……)

あすみ 「……うん」 クルッ……フワッ

あすみ 「……まぁ、悪くはないよな」 ニヤリ 「むしろ相当イケてんじゃねーか?」

あすみ 「ふふん、この格好を後輩に見せたら、また顔真っ赤にするかもな。にひひ」

コンコン

あすみ 「………………」 (って、なんでアタシはあいつに見せることなんて考えてんだ)

コンコンコンコン

あすみ (でも……) ドキドキドキドキ…… (……この格好、後輩が見たら、可愛いって言ってくれるかな?)



827:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:49:50 ID:QUrQhu/g

ガチャッ

あすみ 「……!?」

小美浪父 「あすみー、来週の往診なんだが、付き添いを……」

小美浪父 「……あすみ? なんだその格好は」

あすみ 「ち、ちがっ! 違う! 違うからな!」

あすみ 「べつに、制服コスプレをしてたわけじゃなくて、これは……!」

ハッ

あすみ (バイトのことナイショにしてるのに “店で使うため” なんて言えるかー!)

小美浪父 「……皆まで言うな、あすみ。分かっている」

ニコッ

小美浪父 「今度、唯我くんと制服デートでもするんだろう?」

あすみ 「……は?」

小美浪父 「そう照れなくてもいい。私は理解ある父親を目指しているからな」

小美浪父 「高校を卒業をした後でも、“制服ディ○ニー” なることをするのは普通らしいじゃないか」



828:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:50:47 ID:QUrQhu/g

あすみ 「……あー、うん」

あすみ (なんか勘違いしてるけど、否定するの必要もなさそうだしいいか)

小美浪父 「……それにしても、コスプレ好きの彼氏のために自ら制服を着るとは、」

小美浪父 「我が娘ながらいじらしい……。唯我くんが喜んでくれるといいな!」

あすみ 「……ん、まぁ、そうだな」

ハッ

あすみ 「っつーか親父! 年頃の娘の部屋にノックなしで入ってくるんじゃねーよ!」

小美浪父 「……いや、ノックはしたんだがな」

小美浪父 「唯我くんにその格好を見せることを考えて聞こえていなかっただけだろう?」

あすみ 「なっ……! そんなわけねーだろ! っていうか、話あったんじゃねーのかよ! なんだよ!」

小美浪父 「ふふ、照れるな照れるな。話は着替えてからでいい。着替えたら居間に来なさい」

あすみ 「……っ、わーったよ」

あすみ 「……ったく、親父の奴」 ドキドキドキドキ……

あすみ (……制服イベントの日、後輩、バイト入ってるかな)

あすみ 「………………」 ニヘラ 「……えへへ」



829:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:51:19 ID:QUrQhu/g

………………制服イベントデー 当日

マチコ&ミクニ&ヒムラ 「「「うー……」」」

あすみ 「? おい、三人ともどうしたんだよ。早く準備しないと開店に間に合わねーぞ」

マチコ 「わ、分かってるけどさ……」 カァアアアア……

ミクニ 「やっぱり、昔着てた制服を着るのはちょっと恥ずかしいね」

ヒムラ 「これお客様に見せるのかぁ……。万が一同級生とか来たらどうしよう」

あすみ 「なんだよ、みんなそんなこと気にしてたのかよ」

あすみ 「お客様は御主人様、だろ? せっかく来てくれるお客さんのためにも恥ずかしがってなんかいらんないだろ」

マチコ 「さすがはあしゅみー。一本筋が通ってるね……」

ミクニ 「そりゃ、あしゅみーは去年まで高校生だったんだから余裕だろうけどね」

ヒムラ 「でも、あしゅみーの言うとおりだね。恥ずかしがってらんないよね」

ワイワイワイワイ

店長 「………………」 (うむ……)

店長 (妙齢のメイドたちが高校の制服を身につけ、恥じらう……)

店長 (いい光景だ……) グッ



830:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:51:55 ID:QUrQhu/g

………………休憩室

成幸 「こんにちはー」

ヒムラ 「おお、唯我クンじゃないか」

マチコ 「わっ、唯我クン。さすがに知り合いにこの姿を見られるのは恥ずかしいね」

成幸 (話には聞いてたけど、ほんとに制服着てる……)

成幸 (でも、皆さん若々しいから違和感は少ないなぁ)

成幸 (……でも、ヘンなこと言ったらセクハラになっちゃうから、言うのはやめておこう)

成幸 「じゃあ俺着替えてきますね」

マチコ 「……む。いや、ちょっと待って唯我クン」

成幸 「?」

マチコ 「制服のまま、エプロン締めて……と」

マチコ 「……うんうん。さすがは現役男子高校生。制服エプロン姿も様になってるね」

成幸 「意味が分からないんですが……」

マチコ 「いやいや、実は最近、唯我クン目当てで来てる妙齢のお嬢様方も少なくなくてさ」

マチコ 「……そんなお客様方に喜んでもらえるかな、って」 ニヤリ



831:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:52:36 ID:QUrQhu/g

成幸 「!? このまま店に出るんですか!? 制服で!?」

マチコ 「お願い。だってみんな制服着てるのに、唯我クンだけ制服じゃないのも変じゃない?」

成幸 「いやいや、マスターや他の皆さんだって制服じゃないじゃないですか」

マチコ 「ははっ、さすがにみんなが制服着たら地獄絵図だよ」 ケラケラ

マチコ 「おねがい、唯我クン。お店のためだと思って、さ」

コソッ

マチコ 「制服のクリーニング代だすからさっ」

成幸 「……むっ。むむむ……」

ヒムラ (クリーニング代に心が揺らぎ始めている……)

成幸 「……わかりました。制服のまま店に出ます」

マチコ 「おおっ。それでこそ唯我クン! そういうところダイスキー!」

成幸 (制服のクリーニング代はバカにならないから、それが手に入るなら御の字!)



832:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:53:08 ID:QUrQhu/g

………………

あすみ 「……で、お前も制服なのか。まったく、マチコの奴」

成幸 「はい。なんだかうまく丸めこまれた気もしますけど、クリーニング代にはかえられません」

あすみ 「まぁいい。お前は普段通り接客してくれりゃいいよ」

成幸 「はい、分かりました!」

女性客1 「あ……ボーイさん! 注文お願いしまーす!」

成幸 「はい、いま行きます! じゃあ、先輩、また後で!」

女性客2 「制服着てるー! チェキいいのかな!?」

成幸 「え? あ、いや、俺――私はそういうサービスは……」

女性客3 「君にケチャップ文字書いてもらいたーい!」

成幸 「いえ、ですから、その……」

あすみ 「……ほーう」 (モテモテじゃねーかあの野郎)

成幸 「いや、あの……お、お嬢様方!? ちょっ、いや、あの……!」

あすみ 「………………」

あすみ (……アタシの制服姿にはなんの感想もなし、か)



833:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:53:44 ID:QUrQhu/g

………………退勤時刻

あすみ 「ふー、さすがにイベントデーは忙しくて勉強どころじゃなかったな」

成幸 「忙しかったですね。俺もなんか今日はよく呼ばれた気がします」

あすみ (女性客が興奮しきりだったからな)

あすみ 「この後暇か? ファミレスで勉強でもしていかねーか? 教えてもらいたいとこがあるんだよ」

成幸 「いいですね。行きましょう」

あすみ 「おう、助かる。サンキュな」

あすみ 「……じゃ、マチコ。今日は先上がるぞ。おつかれー」

マチコ 「あ、あしゅみーと唯我クン。お疲れ様。またね」

マチコ 「……あれ?」

あすみ 「? どうかしたか?」

マチコ 「ん、なんか蛇口から水が出なくてさ。なんだろ。なんか詰まってるのかな?」

あすみ 「水が出ない? ちょっと見せてみろ」



834:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:54:14 ID:QUrQhu/g

あすみ 「……ふんふん。水がチョロチョロとしか出ないな。こういうときは、っと」

キュッキュッキュッ

あすみ 「一気に水圧をかけてやれば、大体直るもんだ」

グググッ……ググッ……

成幸 「せ、先輩? なんか蛇口から不穏な音が……」

あすみ 「へ……――」

――――ブッシャァアアアアアアアア!!!!

マチコ 「!? あ、あしゅみー!?」

あすみ 「………………」

ポタポタポタ……

あすみ 「……へくしっ」

マチコ 「大変! 早くタオル持ってこなくちゃ!」



835:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:55:03 ID:QUrQhu/g

………………店の外

成幸 (……先輩、びしょ濡れだったけど大丈夫かな)

成幸 (そりゃ、ものが詰まってる蛇口に一気に水圧かけたらつまりは取れるかもしれないけど……)

成幸 (……その水圧の分、水が一気に吹き出るよ)

成幸 (先輩が理科系科目を苦手とする理由が少し分かった気がするぞ)

カツッカツッカツッ……

成幸 「あっ……先輩! 大丈夫でしたか……って……」

あすみ 「おう。大丈夫なように見えるか?」

成幸 「……な……何で制服着てるんですか!?」

あすみ 「仕方ねーだろ。服はびしょ濡れだし、他に着るものなんてコレしかねーし」

ニヤリ

あすみ 「それとも、メイド大好き後輩的にはメイド服を着た方が良かったか?」

成幸 「ち、違いますよ! 何言ってるんですか!」



836:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:56:27 ID:QUrQhu/g

あすみ 「ま、べつにいいだろ? それとも何だ?」

ドキドキドキドキ……

あすみ 「に、似合ってねーか? 浪人生のアタシじゃ、女子高生に見えないか?」

成幸 「えっ……いや、その……見えますし、似合ってるとは思いますけど……」

あすみ 「……そ、そうか」 ホッ

あすみ 「このリボンの色、今はたぶん一年生が使ってるんだろ?」

成幸 「そうですね」

あすみ 「……ってことは、今アタシはお前の二つ下の後輩だな? “唯我センパイ” ?」

成幸 「っ……///」

あすみ 「お? 何照れてんだ? さてはお前、年下好きだな?」

成幸 「だ、だからまたそういうこと言ってからかわないでください!」

あすみ 「あ、間違えた」

あすみ 「……先輩って、年下好きなんですか?」 キャルーン

成幸 「だーかーらー! もー!」

あすみ 「にひひ、ほんとにからかい甲斐がある奴だなぁ、後輩は」



837:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:57:01 ID:QUrQhu/g

成幸 「まったくもう……」 プンプン

あすみ 「………………」


―――― 『えっ……いや、その……見えますし、似合ってるとは思いますけど……』


あすみ (……えへへ。似合ってる、か)


―――― 『今度、唯我くんと制服デートでもするんだろう?』


あすみ 「……なぁ、後輩」

成幸 「? はい?」

あすみ 「勉強の前に、制服デートでも、どうだ?」

成幸 「へ……?」



838:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:57:38 ID:QUrQhu/g

………………街中

「まいどありー!」

紗和子 (ふふふ、とうとう手に入れたわよ、地域限定数量限定釜玉うどん専用醤油!)

紗和子 (緒方理珠、喜んでくれるかしら……) ポワアアアアア……

紗和子 「ん……?」

成幸 「あ、あんまりくっつかないでくださいよ! 恥ずかしいですよ……」

あすみ 「にしし、顔真っ赤ですよー、先輩?」

あすみ 「可愛い後輩が腕組んであげてるんだから、もっと嬉しそうな顔してくれてもいいじゃないですかー」

成幸 「可愛い後輩は人を困らせるようなことしませんよ!」

あすみ 「何で困るんですー? にひひ、先輩のえっちー」

成幸 「だー! もうー!」

紗和子 (あ、あれは唯我成幸! と……どこかで見たことあるような女子生徒……)

紗和子 (仲睦まじく腕を組みながら歩いている……)

ガタガタガタガタガタガタ

紗和子 「と、とと、とんでもないものを見てしまったわ……」



839:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:58:36 ID:QUrQhu/g

………………

成幸 「……」  あすみ 「……」 ケラケラケラケラ

紗和子 「………………」 (思わず後をつけてしまっているけど……)

紗和子 (唯我成幸と後輩と覚しき女の子は、楽しそうに話をしながら歩いている……)

紗和子 (まるで、彼氏彼女といった雰囲気だわ……)

紗和子 (こんな場面を緒方理珠が見ようものなら……)


―――― 理珠 『成幸さん……ぐすっ……ひどいです……』


紗和子 (……だ、だめよ! 緒方理珠に涙を流させるわけにはいかないわ!)

紗和子 (緒方理珠の大親友、関城紗和子。この名にかけて、あのふたりのことを探ってやるわ!)



840:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:59:14 ID:QUrQhu/g

………………ゲームセンター

成幸 「制服デートとか言ってましたけど……」

成幸 「ゲームセンターで一体何をするんです?」

あすみ 「何するんですかって、ゲームセンターなんだから遊ぶに決まってるだろ」

あすみ 「ま、お前あんまりゲーセンとか行かなそうだもんなぁ」

成幸 「……あんまりそういうことに使えるお金はなかったので」

あすみ 「……そっか」 ニッ 「じゃあ、今日はアタシがおごっちゃるから、遊んでみようぜ」

成幸 「えっ、あ、でも……――」

あすみ 「――でもも何もねーだろ。ほら、行こうぜ」 ギュッ

成幸 「のわっ! だ、だからあんまりくっつかないでくださいってば……///」

あすみ 「じゃ、とりあえず音ゲーでもやろうぜ。何クレかやらしてやるから」

成幸 「クレ???」

あすみ 「……はぁ。そんなんじゃほんとに彼女ができたときに困っちまうぞ」



841:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 20:59:49 ID:QUrQhu/g

………………

紗和子 「………………」 ジーーーッ

紗和子 (楽しそうにダンスゲームを始めたわね……)

紗和子 (軽快に踊る後輩の子と、珍妙なダンスを繰り広げる唯我成幸……)

ハラハラハラ

紗和子 (あっ……唯我成幸、こけたわね。大丈夫かしら……)

紗和子 (唯我成幸は運動が苦手なのだから、あんなことやらせたらダメでしょうに……)

紗和子 (後輩の子はこけた唯我成幸を見てケラケラ笑ってるし……)

ムカムカ

紗和子 (まったく、唯我成幸の奴! 一年生の女子に手玉に取られちゃって!)

紗和子 (緒方理珠ならまじめだから、あなたに恥をかかせるようなことはしないわよ!)

紗和子 (目を覚ましなさい唯我成幸! あなたには緒方理珠っていう、魅力的な相手がいるのよ!)



842:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:00:50 ID:QUrQhu/g

………………

成幸 「………………」 ボロボロボロ

あすみ 「お前、運動音痴なのは察しがついてたけど、まさかリズム感もないとはな」

あすみ 「太○の達人であんな低いスコア初めて見たぞ」

成幸 「……悪かったですね。ああいうのは苦手なんですよ」

あすみ 「あー、もう。冗談ですよー、先輩。むくれないでくださいよっ」

ムギュッ

成幸 「なっ……ま、また……!」

あすみ 「じゃあ、最後に、アレ、行きましょ?」

成幸 「アレって……プリクラ?」



843:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:01:27 ID:QUrQhu/g

………………

成幸 (プリクラの中って、予想以上に狭いな……)

あすみ 「……ふふーん」 ニィ

あすみ 「せーんぱいっ。もっとくっついてくださいよー」

ギュッ

成幸 「あ……う……///」 カァアアアア…… 「なんで、くっつくんですか……」

あすみ 「このプリクラ、親父に見せるつもりだからさ、恋人っぽく撮った方がいいだろ?」

成幸 「あんた制服姿で撮ったプリクラを父親に見せるつもりですか!?」

あすみ 「……まぁ、親父はお前のことをコスプレ大好き男だと思い込んでるからなぁ」

あすみ 「どっちかっていうと、恥ずかしい思いをするのはお前だと思う」

成幸 「淡々とすごく怖いことを言わんでください!」

あすみ 「ほらほら、そんなこと言ってると、撮られちまうぞ。ほら、前向け」

成幸 「あ、は、はい……」

あすみ 「……ってことで、じゃあ、恋人らしく、」

チュッ



844:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:01:57 ID:QUrQhu/g

成幸 「へ……!?」

パシャッ

成幸 「のわっ!? と、撮られた!?」

成幸 「えっ、いま、えっ!? ほっぺ!?」

あすみ 「お前動揺しすぎだろー。ちょっとほっぺにチューしただけだろうが」

成幸 「ちょっとって! いや、いやいやいや……!」

あすみ 「ん、もう二枚目の撮影だな。ほら、前向けよ」

成幸 「その手には乗りませんよ! 前向いたらまた……――」

あすみ 「――まったく、先輩は欲しがりサンですねーっ。お口とお口のチューがいいなんて」

成幸 「そういうことじゃないです! ……わ、わかりましたごめんなさい! 前向きます!」

あすみ 「にひひ。かわいい奴め」

ムギュッ

あすみ 「密室で先輩に迫られるのは好きらしいですけどが、後輩に迫られるのはどうですか?」

あすみ 「……せんぱいっ?」

成幸 「あ、あんまりくっつかないでくださいよっ」



845:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:02:54 ID:QUrQhu/g

………………外

紗和子 (……プリクラの中に消えてからしばらく経ったわね) ドキドキドキドキ……

紗和子 (ゆ、唯我成幸の奴、まさかいかがわしいことでもしてるんじゃないでしょうね……)

紗和子 (後輩の、しかもあんなに背がちっちゃい子と、そんな……そんなの……)

ブシュッ

紗和子 (はっ、犯罪よ! あなたは犯罪者だわ、唯我成幸!)

店員 「!?」

店員 (あの白衣の人、鼻血をボタボタ垂らしてるけど大丈夫かな……)

紗和子 (なんとか中の会話を聞くことはできないかしら……)

シャッ

あすみ 「せーんぱいっ、顔真っ赤ですよー? どんだけ照れてるんですかもー」

紗和子 「!?」 サササッ

成幸 「誰のせいですか誰の! まったくもう!」

あすみ 「アタシなんにもしてないのになー」 ニヤニヤ 「せんぱいのえっち」

紗和子 (あ、危なかったわ! 危うく見つかるところだった……!)



846:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:03:39 ID:QUrQhu/g

あすみ 「ほら、先輩。ペンでプリクラにお絵描きしましょー?」

成幸 「? どういうことです?」

あすみ 「……あー、先輩って、ほんとにしらないことばっかりですねーっ」

ニコッ

あすみ 「仕方ないですねー。先輩の将来の彼女のために、アタシが色々教えてあげないとですねっ」

成幸 「……彼女なんて、そんなの、べつに……」

あすみ 「えへへっ、ま、そうですよね。今の先輩の彼女はアタシですもんね!」 ギュッ

紗和子 「!?」 (か、彼女!? 唯我成幸、あの子とお付き合いしているってこと!?)

成幸 「あっ、ま、またくっついて……! もうっ!」

あすみ 「ほら、先輩もペン持って、色々書き込めるんですよ。スタンプとかも押せますよ?」

ムギュムギュッ

成幸 「わ、わかりました! やりますから! だからあんまりくっつかないでください!」

紗和子 (と、ととと……) ガタガタガタ (とんでもないことを聞いてしまったわ……!)



847:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:04:24 ID:QUrQhu/g

紗和子 (私ひとりじゃもう処理しきれないわ! 誰か呼ばないと……)

紗和子 (……呼ぶとしたら、あの子しかいないわよね)

ピッピッ……prrrr  ガチャッ

?? 『もしもし、紗和子ちゃん? どうかしたの?」

紗和子 「よく出てくれたわ! 助けてほしいの!」

?? 『助けてほしい? 何かあったの!?』

紗和子 「そうなの! 大変なのよ!」

紗和子 「唯我成幸の貞操の危機なのよ!!!」

?? 『!? へ? 貞操? いや、いきなり何を……――』

紗和子 「話してる時間すら惜しいわ! いますぐ来てちょうだい!」

紗和子 「唯我成幸が後輩の女子生徒にたぶらかされてるのよ!!」

?? 『後輩の女の子……!?』

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!!

?? 『成幸くん、また新しい女とゆきずりにフラグを立てたのかな……』

?? 『わかったよ、紗和子ちゃん。すぐ行くよ。場所を教えて』



848:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:05:18 ID:QUrQhu/g

………………ファミレス

あすみ 「………………」

成幸 「………………」

カリカリカリ……

成幸 (ほっ。勉強中もヘンなことするんじゃないかとヒヤヒヤしたけど、大丈夫そうだ)

成幸 (さすが先輩。ふざけるときとまじめなときのメリハリがきいててすごいなぁ)

成幸 (……いやまぁ、いつもまじめな方が良いに決まってるけど)

あすみ 「ん? なんだ、後輩? アタシの顔になんかついてるか?」

成幸 「へっ!? あ、いや、なんでもないです。すみません……」

あすみ 「んー?」 ニヤァ 「なんですかー、せんぱいっ。アタシの顔に見惚れてたとか?」

成幸 「あー、まったくもう! またそうやってふざけだすんだから!」

あすみ 「顔真っ赤にしちゃってかわいいなぁ、後輩は」

クスクスクス

あすみ 「ま、おかげさまで勉強も結構進んだし、少し休憩しようぜ。甘いものでもおごっちゃるよ」

成幸 「ほんとですか!?」 キラキラキラ



849:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:05:51 ID:QUrQhu/g

あすみ 「む……」

あすみ (なんだ、後輩のやつ。アタシに密着されてるときよりいい顔しやがって。花より団子ってことか?)

ムカムカムカムカ

あすみ (アタシより甘いものの方がいいってか? ふーん……)

成幸 「うーん、どれにしようかな。どれも美味しそうだな……」

あすみ 「………………」 ニィ

あすみ 「すみません、店員さーん」

真子 「あ、はーい! ご注文ですか?」

成幸 「へ? 先輩? いや、まだ俺決めてな――」

あすみ 「――はい。このパフェ、お願いします。スプーンはひとつでいいんで」

真子 「特大パフェですね。かしこまりました」 (このパフェって……)

真子 (カップル御用達のやつ。しかも、スプーンはひとつって……///)

成幸 「せ、先輩……?」

あすみ (にしし。勉強中にふざけるのはよくないが、休憩中ならいいだろ?)

あすみ (覚悟しろよ……いや) ニヤリ (覚悟してくださいね、唯我センパイっ)



850:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:07:16 ID:QUrQhu/g

………………

バーーーーン!!!

成幸 「うわぁ……」

あすみ 「うおお……」 (こりゃ想像以上だな……)

成幸 (これ、この前、古橋がひとりで食べきったやつだ。先輩もこれをひとりで食べるつもりなのかな)

あすみ 「……ふふん。じゃ、先輩っ。はい、あーん」 スッ

成幸 「へっ? あーん、って……」

あすみ 「ほら、唯我センパイっ。早く口開けてくださいよ。それともぉ……」

グスッ

あすみ 「アタシのパフェ、食べられないんですか?」

成幸 「いや、そんなことは……」

成幸 (っ……!! 嘘泣きだって……嘘泣きだって分かってるのに……!!)

成幸 (泣き真似には抗えない……!!!)

成幸 「あ……あーん……――」


   「――何をしてるんですか? 先輩? 成幸くん?」



851:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:07:47 ID:QUrQhu/g

成幸 「へ……?」

あすみ 「あっ、古橋……」

文乃 「………………」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!!

文乃 「……あれぇ? おかしいなぁ。わたし、何をしてるんですか、って聞いたはずだけどなぁ?」

成幸 「ひっ……」 (こ、怖っ……!! 何で怒ってるんだ古橋!?)

文乃 「……はぁ。ま、べつに怒ってるわけじゃないですけど」

文乃 「紗和子ちゃん。安心していいよ。この人、得体の知れない後輩なんかじゃないから」

紗和子 「……? どういうこと?」 ヒョコッ

成幸 「関城も!? 何でここに……?」

文乃 「今から説明するよ。だからちょっと勉強会に混ぜてね?」

文乃 「こっちも説明を聞かなくちゃだから、ね」

あすみ 「説明?」

文乃 「やだなぁ、先輩ったらとぼけちゃって」 ニコッ

文乃 「…… “唯我センパイ” って何かなぁ? 教えてほしいなぁ?」

あすみ 「!?」 (やっぱり怒ってるだろこいつ!?)



852:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:08:26 ID:QUrQhu/g

………………

成幸 「……と、いうわけです」

文乃 「なるほどなるほど。ふんふん……」

文乃 「つまり、先輩が久々の制服にテンションが上がって先輩後輩ごっこに熱が入っちゃった、と?」

あすみ 「あっ、改めて言うな! 恥ずかしいだろ!」

あすみ 「……悪かったよ。ちょっとはしゃぎすぎたよ」

あすみ 「まさか誰かに見られてるとは思ってなくてさ」

文乃 「ってことで紗和子ちゃん、この人は先輩だよ。文化祭の後夜祭で一度会ったことあるんじゃない?」

紗和子 「ん……あ、ひょっとして、あのバンギャっぽい格好をしてた人かしら?」

あすみ 「バンギャて……。まぁ間違いじゃねーけどさ」

あすみ 「小美浪あすみだ。こいつらの一個上で、一ノ瀬のOGだよ。なんか勘違いさせたみたいで悪かったな」

紗和子 「せ、先輩だったんですか。こちらこそ失礼しました……」

紗和子 「関城紗和子です。唯我成幸の同級生です」

紗和子 (身長が身長だから絶対後輩だと思いこんでいたわ……)

あすみ (なんか失礼なことを考えてるなこいつ……)



853:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:09:12 ID:QUrQhu/g

紗和子 「……つまり、彼女云々の話も、ただのごっこあそび、ってことかしら?」

成幸 「ん、まぁそうなるかな」 (まぁ、恋人役の話はわざわざしなくていいだろう……)

紗和子 「そう……」

紗和子 (……よ、よよよ、よかったわぁ……!! これで緒方理珠が悲しむ姿を見なくて済むわ!)

ニコニコニコニコ

あすみ (? この子、急に笑顔になったな……)

あすみ (……まさかとは思うが、こいつ、後輩のこと……)

紗和子 (でも、そもそもよく考えたら……)

あすみ (……うーん、でも、よく考えてみりゃ……)

紗和子 (こんな美人な人が唯我成幸のことを好きになるはずないものね)

あすみ (こんなオトナっぽい同級生が、後輩を好きになるはずねーよな)

成幸 (このふたり、なんかとんでもなく失礼なことを考えている気がするぞ……)

文乃 (……胃が痛い) キリキリキリ……



854:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:09:48 ID:QUrQhu/g

あすみ 「………………」 ジトッ

成幸 「? 何です、先輩?」

あすみ 「……いつも思うけどさ、お前って……」

成幸 「?」

あすみ 「ほんっっっっとうに、女たらしだよなぁ」

成幸 「しみじみとひどいことを言わないでくれますか!?」

文乃&紗和子 「「………………」」 コクコクコク

成幸 「お前たちもうなずかなくていいよ!!」



855:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:10:22 ID:QUrQhu/g

あすみ 「でもまぁ、お前たちが来てくれてちょうどよかったよ」

あすみ 「これ、勢いで頼んじまったけど、どう考えてもふたりじゃ食べきらないからさ」

紗和子 「このパフェ、四人でもギリギリじゃないかしら……」

文乃 「? やだなぁ、先輩も紗和子ちゃんも。これくらいならふたりいれば余裕じゃないですか」

あすみ&紗和子 「「!?」」

文乃 「でもせっかくだし、お言葉に甘えていただきまーすっ」 ムシャムシャムシャムシャムシャムシャ

文乃 「んーっ♪ 甘くておいしーい!」

成幸 (まぁ、古橋はその気になればあのパフェひとりで食い切るしな……) ゲッソリ

成幸 「俺、ちょっと飲み物とりにいってきますね」

文乃 「あ、わたしも行くよ。甘い物にはお茶が必要だよね」

あすみ 「んー、じゃ、アタシもなんか取りに行こうかな」

紗和子 「じゃあ、私は待ってるわ。いってらっしゃい」

あすみ 「おう、頼むなー」

ピラッ…………

紗和子 「ん……?」 (なんか、紙が落ちた……?)



856:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:10:52 ID:QUrQhu/g

ヒョイッ

紗和子 「……!?」

紗和子 (こ、これは、プリクラ……。せ、先輩と、唯我成幸の、ツーショット……)

紗和子 (きっ……キスしてるプリクラまであるじゃない……!!)

紗和子 (こんなこと、さっきの説明では言ってなかったわよね!?)

紗和子 (まさかあの先輩、本当に唯我成幸のことを……!?)

紗和子 「………………」

ガタガタガタ

紗和子 「とっ……とんでもないものを見てしまったわ……!!」

※その後、誤解は解けました。

おわり



857:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:12:46 ID:QUrQhu/g

………………幕間1 「小美浪家」


―――― 『……先輩って、年下好きなんですか?』

―――― 『まったく、先輩は欲しがりサンですねーっ。お口とお口のチューがいいなんて』

―――― 『……ふふん。じゃ、先輩っ。はい、あーん』


あすみ 「……っ」 ボフッ!!!!! (よ、よくよく思い返してみると、今日のアタシはほんとどうかしてるぞ!)

あすみ (恥ずかしいとかそういうレベルじゃない! 制服を着た程度であんなにはしゃぎ回るなんて……)

あすみ (は、恥っず……)

ピラッ

あすみ (……まぁ、でも、後輩と制服でデートして、プリクラも撮れたのは、少し、嬉しいかな、なんて)

あすみ 「えへへ……」

………………ドアの外

小美浪父 (高校の制服で帰宅したときは度肝を抜かれたが、本当に唯我くんと制服デートをしたのだな……)

小美浪父 (今日のデートのことを思いだしながらニヤニヤするとは……。あの子にあんな乙女な一面があるとはな)



858:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:13:25 ID:QUrQhu/g

………………幕間2 「唯我家」

成幸 (はぁ、今日は疲れたな……)

成幸 「ただいまー」

水希 「おかえりなさい、お兄ちゃんっ!」

成幸 「ああ――……って、なんだその格好は」

水希 「あっ、そうだ。間違えた……えっと……」

水希 「……おかえりなさい、せんぱいっ」

成幸 「……うん。とりあえずその一ノ瀬の制服は盗品じゃないよな?」

水希 「卒業生の人にもらったんだ。えへへ。似合う?」

成幸 「ならよし」

花枝 (高校の制服でお出迎えだとかせんぱい呼びだとかはスルーなのね……)

おわり



859:以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/02(火) 21:13:58 ID:QUrQhu/g

………………幕間3 「古橋家」

文乃 「よ、四人で……」

文乃 「四人でわけっこしたはずなのに……」

ガーーーーン!!!!

文乃 「何でこんなに体重が増えてるの!?」

おわり



元スレ
【ぼく勉】成幸 「キスと呼べない何か」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1541592657/
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         コメント一覧 (1)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2019年04月03日 09:37
          • 関城さんとあしゅみー先輩好きのワイ歓喜

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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