彡(゚)(゚)「ワイは球界の孤児、ヴィクトルスタルヒンや」
ーヴィクトル…ヴィクトル…!
彡(-)(゚)…ん?マッマ…?
J( 'ー`)し起きなさいあんた、もう日がすっかり出てるわよ
彡(゚)(゚)ホントやん!マッマすまんな
J( 'ー`)しいいのよ、起きてすぐで申し訳ないんだけど…
彡(^)(^)みはりやろ?もちろんええで!
J( 'ー`)しごめんね…子供のあなたに力を借りるなんて…
彡(^)(^)ええって!じゃあワイはみはりしてくるで!
彡(゚)(゚)マッマはワイを『ロシア人』って言っているけどはっきり言ってワイにはわからん
彡(゚)(゚)ワイが生まれてすぐにロシアのみんながケンカしてるらしい、ワイらはこわい人たちからにげているってマッマとパッパがおしえてくれた
彡(゚)(゚)だから、ワイはロシア人って言われても故郷もぜんぜんおぼえとらん、気が付いたら「シベリア」ってとこを歩いていていた
彡(゚)(゚)パッパは「ちゅうごく」にまでにげれば助かるって言ってたけど、このさむくて死にそうな今がなくなるならどこにいってもいいってのが本音やけど…
彡(-)(-)こんなこと言ったらパッパに打たれるやろなぁ…パッパは「ていこく」の人らしいし
彡(^)(^)5さい!
彡[゚][゚]それでな、何か祝いごとをしたんだが…
彡(゚)(゚)…パッパ、べつにワイはなんでもええで
彡[゚][゚]え?いや、だが、その日ぐらいはだな…
彡(^)(^)ワイはパッパとマッマがいるだけで幸せや!
彡[;][;]…すまない
彡(^)(^)パッパ、なかなくてええんやで!みんなでがんばろうや!
彡[゚][゚]ヴィクトル、お前って本当にやさしい子だな
彡(^)(^)ありがとナス!…ワイちょっとさきいってようすみてくるで!
彡(゚)(゚)…ほんとうはいろいろなことがしてみたい
彡(゚)(゚)でもしょうがないんや、パッパとマッマがいるだけでしあわせなのはほんとうなんやから
でも…ほんとうの「幸せ」を、いちどでいいからしてみたいなぁ…
J( 'ー`)しすごい人の数ですね…
彡[゚][゚]話によるとここ数年の間に我達と同じ革命軍から逃げ込んで来た結果、9万人だった人口が35万人まで膨れ上がったらしく、昔は栄えていたらしいがここ数年であっという間に貧民街だそうだ
J( 'ー`)し…他の土地にしません?
彡[゚][゚]…苦労しなくては得られるものも得られるないぞ
J( 'ー`)し神は注意深い者を大切にするのですよ、あなた
彡(^)(^)おうちに住めるの!?やったぁ!
J( 'ー`)し結局4年間もここに暮らしてしまったわ…
J( 'ー`)しシベリアを歩いているときよりマシだし、生きているだけで幸せなんでしょうけどやっぱり生活は厳しいわ…
J( 'ー`)し…どうにかもっといい場所へ住めないのかしら
彡(゚)(゚) マッマ、はらへった
J( 'ー`)しもう少ししたらお父さんがお仕事を終えて食べ物を買って戻ってくるからそれまで我慢してね
ドンッ!!
彡[゚][゚]おい、大変だ!
J( 'ー`)しどうしたんですかそんなに慌てて…?
彡[゚][゚]私たちはハルピンから日本に行けるかもしれないんだ!
J( 'ー`)し!?
日本「反対したけど多数決で決まってもうた…移民なんか来たら仕事を移民に取られてまうやろ…国連はアホなのか(呆れ)」
日本「せや!『入国するには一人1500円払わなければならない』この条件を勝手に加えたろ!!!」
ー
ーー
ーーー
ーーーー
彡[゚][゚]というわけなんだ
彡[゚][゚]…金の工面は私が何とかする…とりあえず、この家と私の私物を売ろうと思う
J( 'ー`)し…あなた、これをお使い下さい(ホウセキジャラー
彡[゚][゚]!?お前これは…!
J( 'ー`)しもしもの時下着に縫い付けていた宝石類です これ売ればどうに届くと思います
彡[゚][゚]でもこれお前にとって…
J( 'ー`)しはい、大事なものです ですが、それが家族3人命が助かるのですよ 選んでなんていられません
彡[;][;]お前って女は…!よし、これならどうにか届くと思うぞ!
彡[゚][゚]ヴィクトル!お話があるからこっちに来なさい
彡(゚)(゚) ?
彡[゚][゚]これからね、日本に行くことになったんだ だからお母さんと一緒に必要なものをまとめていなさい
彡(゚)(゚) …たしか、海のむこうにあるってようち園の先生が言ってた
彡(゚)(゚)パッパ、ワイら日本に行くの?
彡[゚][゚]ああそうだ…みんなで日本に暮らそう
入国条件満たした3人は釜山からの連絡船で下関に上陸 そこから定住地を求めて旭川に流れ着いた
このときスタルヒンは9歳になっていた
『ここです、木造で日本式の店ですがしっかり作られていますから耐久面は安心してください』
彡[゚][゚]はい、ありがとうございます、お前たち、ここが新しい我が家だ
彡(゚)(゚) ほえー…大っきい…
ギイ
J( 'ー`)し中は少し荒れていますね
彡[゚][゚]壊れているところは修復すればいいさ よし、早速取り掛かろう
彡(^)(^)パッパ!ワイ、たんけんしてきていい!?
彡[゚][゚]何を言う、引っ越して来たばかりでお前にもやることなんていっぱいあるんだぞ
J( 'ー`)しまぁまぁあなた、この子も新しい土地で興味津々なのよ
J( 'ー`)しそれに今まであんなに苦労させましたし…
彡[゚][゚]…それもそうだな
彡[゚][゚]ビクトル、あまり遠くまでいっちゃダメだぞ
彡(^)(^)サンキューマッマ!パッパ!
彡(^)(^)日本…ええとこや!
\ワーワー/
彡(^)(^)お、なんかあそんでいるやんけ!なかまに入れてもらったろ!
彡(^)(^)『なかまにいーれーてー!(ロシア語)』
「…は?なんだコイツ…」
「いきなりあらわれて訳わかんないこと大声で喋って…きっしょ」
「おい、こいつもしかしてロシア人じゃね?」
「俺知ってる!にちろーせんそうのこと父ちゃんが話してくれた!」
J( 'ー`)し『ビクトル、帰ってきなさい!」
彡(^)(^)『あっ!マッマがよんでる!またね!』
「「「…」」」」
彡(^)(^)『お、昨日会ったみんなやんけ!あそぼーや!』
「…(ニヤニヤ)」
彡(^)(^)?『どうしたんや』
ドンッ!!
彡(゚)(゚)『え…なに…?』
「おい、今なんか当たらなかったか?」
「当たった当たった、お国を捨てた負け犬に当たった!」
彡(゚)(゚)『えっ…えっ…』
「おい!負け犬がいるぞ、あいこくしんの足りない奴め!根性を入れてやろうぜ!」
ドガッ!
彡(゚)(゚)『いたっ!や、やめてよ!』
「日本にいるなら日本語を話せ!」
ドボォ…!
彡(;)(;)『おねがい!!やめて!!』
「日本語しゃべろよ露助!!」
ドカッドガッ!!!
J( 'ー`)しあら、おかえりビクトル...っ!?
彡(;)(#)
J( 'ー`)しどうしたのよ!!何かあったの!!??
彡(;)(#)マッマ…ワイってなにかしたの…?
J( 'ー`)しえ…?
彡(;)(#)どうしてワイはなぐられたの…?なにかしたの…?
スタルヒンにとって初めて直接味わった差別は、これ以降、一生続くことになる
J( 'ー`)し…もういいの?
彡(゚)(゚) うん…おなかいっぱいなんや、おやすみマッマ、パッパ…
彡[゚][゚] J( 'ー`)し …
彡[゚][゚]…ヴィクトル、口数少なくなったな…
J( 'ー`)し…私、あの時ほど怒りを覚えた日はありません、私たちの子をあんなことするなんて許せません…!
彡[゚][゚]お、おい、一応言うが問題を起こせばここにいられなくなる!…我慢するんだ
J( 'ー`)しですけど!!あの子あれ以来全然家を出ていないんですよ!?こんなのあんまりです!!
彡[゚][゚]お前の気持ちもあの子の苦しみも十分わかる、だけど頼む…
J( 'ー`)し…こんな思いするならあのハルピンの方がマシです
彡;[-][-]…
J( 'ー`)しビクトル、お願いがあるんだけど…
彡(゚)(゚) …なんや?
J( 'ー`)し今ねお母さん、ロシアにいた頃よく焼いていたパンを作っているの、だからこれを町の人たちに売りに言ってくれる?
彡(゚)(゚) …なんでワイが?マッマいけばええやん
J( 'ー`)しお母さんパン焼いているから手が離せられないの、それに外を歩けば気分が良くなるじゃない…いいかしら?
彡(゚)(゚) …うん、ええで
「邪魔だ!」「どけガキ!」
彡(゚)(;)ビクッ!
彡(゚)(;)ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!
ー
ーー
ーーー
「おい、今なんか当たらなかったか?」
「当たった当たった、お国を捨てた負け犬に当たった!」
ーーー
ーー
ー
彡(;)(;)…うぅ…
彡(゚)(゚)うん…
彡(゚)(゚)…
彡(゚)(゚) (ここにいてもこわいことがおきるだけや)
彡(゚)(゚) (でも一つもうれてないのにかえったらきっとなにかいわれてまう…でもここじゃだれもかってくれない…)
彡(゚)(゚) (…いっそのこと、ここからところうってみようかな…そのほうがうれそうだしこわくなさそうや)
...カーーン...!
彡(゚)(゚) …?なんやろ、あっちのかわぞいのひろばからきこえたな
オサエロー!!
ガンバレー!!!
カットバセーー!!!
彡(゚)(゚) …?(なにやってるんやろ…おにごっこ?でもぼうみたいなのもっているし…)
彡(゚)(゚)…でも、なんかたのしそうだなぁ…
彡(゚)(゚) ジー…
( ´・ω・`)(だれだろ?)
「どうしたの?」
( ´・ω・`)「いや、あの子」
「…だれあいつ?」
( ´・ω・`)「しらないよ、見ない子だね」
「ずっとこっち見てるけど気持ち悪いな」
( ´・ω・`)「そんなこと言っちゃダメだよ、ぼくちょっと聞いてくる」
「え、ちょっと!?」
「どうしたどうした?」「なにかあったん?」ゾロゾロ
( ´・ω・`)「やぁ」
彡(゚)(゚)!?「コ、コンニチワ」
( ´・ω・`)「君、何してるの?」
彡;(゚)(゚)「エットアノ、ソノ」
彡(゚)(゚)「パンイリマセンカ、ロシアジンガツクッタロシアパンデスヨ」
( ´・ω・`)「…えっとぉ…」
彡()()「エ、アノ、ソノ、ゴメンナサイ!」
(;´・ω・`)「え?」
「…なんでこいつあやまってるの?」
彡(;)(;)「ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!」
「…なんかかわいそうだし、みんなでパン買わね?」
(;´・ω・`)「そうだね…」
「俺パンなんてはじめてたべたよ」
\キャッキャッ/
彡(゚)(゚)「(はじめてぜんぶ売れた…)サ、サヨウナラ…」
( ´・ω・`)「ねえ、きみ今からひま?」
彡(゚)(゚)「(な、なんか返さなきゃ)アノ、ボク、ニホンゴ、アンマリ、ワカラナイ、デス…」
( ´・ω・`)「あー…体を動かす運動だよ、こうやってさ」
ビュン!ビュン!
彡(゚)(゚)「…ウン」
( ´・ω・`)「いっしょにやらない?」(手話のようなもので補う)
彡(゚)(゚)「...エ?」
( ´・ω・`)「もちろんだよ!まずこれがボールって言ってね…」
ーーーーーーーーーー
カコンッ!
彡(^)(^)!(やった!はじめてあたったで!)
「やるじゃん、お前才能あるよ」
彡(^)(^)「ア、アリガト(なにいってるかあんまりわからないけど、たぶんほめられた!)!!」
( ´・ω・`)「あ、もう日が暮れるからぼくもう帰らなきゃ」
「あーおれもー」「おれもかえるー」「じゃーねー」
彡(゚)(゚)「…オワリ?」
( ´・ω・`)「うん、もう日は暮れちゃうから」
彡(゚)(゚)「ウン…」
( ´・ω・`)「…またいっしょにあそぼうね」
彡(゚)(゚)「!ウ、ウン!!」
彡(^)(^)(今日はすごくたのしかったンゴ!あれが友達って言うんかな?たのしい!ともだちとあそぶってたのしい!)
彡(^)(^)(それに…"野球"ってたのしい!!)
彡(^)(^)ただいま!!
J( 'ー`)し…!おかえり!少し遅いから心配したのよ
彡(^)(^)マッマ!!きょう、ともだちができたんやで!!野球ってあそびをしたんだよ!!さいごにはじめてボールに当たってね!!あ、野球っていうのわね!!!
J( 'ー`)し…落ち着いて話しなさい、お話しは夕食の時にお父さんと一緒にしましょうね
彡(^)(^)うん!!!
J( 'ー`)し(よかった…この子が明るい子に戻って本当によかった)
ソイツもいっぱいでてくるで
彡[゚][゚]ただいま、ビクトルは?
J( 'ー`)し野球ですよ あの子、元気になったのはいいけれど少し度が過ぎてますよ
彡[゚][゚]まあまあ、本人が楽しそうだしいいことではないか
J( 'ー`)しでもあの子前に外が雨で野球が出来ないから家の中で練習し始めたんですよ、壁中穴だらけで本当に困ってます!
彡[゚][゚]まあまあ…あっそうだ、あの子もそろそろ小学校に入学させてはどうかな?
J( 'ー`)し…確かに難民だった頃に元教師の人から色々と教えていただきましたが、ちゃんとした環境で教わっていませんね
彡[゚][゚]それにあの子は来年で10歳になる、そろそろキチンとした教育受けてもらわないと
彡[゚][゚]市が特別に許可してくれたんだ、あの子も堂々と通えるぞ
\ガヤガヤ/
彡(゚)(゚)
「大っきいねー」
「どうして髪が茶色いのー?」
「どうして目が青いのー?」
「ねーねーねー?」
彡(゚)(゚) …
彡(^)(^)「実はワイな、ロシア人なんやねん」
「では次のところを…スタルヒン、言いなさい」
彡(゚)(゚) 「はい先生!僕のにほん語のうで前、お見せしまぁす!!!」
\ワハハ!スタルヒン君おもしろーい!/
彡(゚)(゚)「ん?ああ!まちがえてパンだけ持ってきてもうた!おかずないやんけぇ!」
彡(゚)(゚)「ファッ!?寒過ぎぃ!考えたらワイ着る服少な過ぎやんけぇ!」
彡(^)(^)「ワイの箸さばき、みんな見とけよ見とけよ~!?」
\ワハハ!/
「…」
彡(゚)(゚)「…はい?」
「お前...ガイジンのくせになまいきなんだよ」
「イキってんじゃねーぞ!国捨てのくせに!」
「父ちゃんがいってたぞ、お前は日本に負けた負け犬でその国にも捨てられたクズだってよ」
「「「ロシア負けた♪ロシア負けた♪日本勝ったー♪ロッシアのせんかん、そっこぬっけたー♪ギャハハハハwwwwwwww」」」
彡(゚)(゚) …
彡(^)(^)ニッコリ
「…な、なんだよ」
「な、なんだこいつ」
「急にヘラヘラしやがって…」
彡(^)(^)「ワイはぜんぜん気にせんからええけど、こういうことみんなにはこんなこと言っちゃダメやで~それじゃあワイはこれで~」
「(…なんか思ったとおりと違う…)」
彡(-)(-)…
彡(-)(-)「…あれ以上のことはなかったな…よしっ」
彡(゚)(゚)(道化や、道化になればワイは虐められん それで行こう)
彡(゚)(゚)(これからや、これから少しずつ関わっていけばみんな分かってくれるはずや)
「やったー!俺投手な!」「いや!俺がやる!」「いや、おれが」
\キャッキャッ/
「スタルヒン、お前運動どうなんだ?」
彡(゚)(゚)「 野球ならいっぱいやったで」
「へーなら一緒にやろうぜ」
彡(^)(^)「ええで!」
ーーーーーーーーーー
「クッソ…このランナー返したら勝ち越しされてしまう…」
彡(゚)(゚)「タイム!」
彡(゚)(゚)「ワイが投げてええか?」
「ええ、たしかにランナーも出して勝ち越しされるばめん作ったけどだいじょうぶだよ」
彡(゚)(゚)「ワイが投げる、ぜったいに抑えるで」
「…そこまでいうなら…」
彡(゚)(゚)「サンガツやで」
「ん?スタルヒンに変わったよ」
「じぶんかってだぞースタルヒン!」
「おいスタルヒン!抑えなかったらぜってーゆさねーからな!」
「ちゃんと投げろよーこの露助ー!」
彡(-)(-)…
彡(゚)(゚)「いくで」
ブゥン!!!!
バシィイイイイイイン!!!!!!!!!!!
「「「「・・・・え?」」」」
「なにいまの…ぜんぜんみえなかった…」「やばくね今の…」「アイツ野球得意だったんだ…」
\ザワザワ…/
「…スタルヒン君!今から私が君の球を受ける、気にせず投げなさい!」
彡(゚)(゚)「あ、はい・・・」
「先生が捕手!?」「やべぇよやべぇよ…」
ググッ...
ブゥン!!!
「(速い!)」
バシィイイイイイイン!!!!!
「速え!!!すげぇぞスタルヒン!!」「スタルヒン君カッコいー!!」「スタルヒン頑張れー!」「スタルヒーン!!!」
「(なんだこの子の球は…受けられないことはないがとても小学生が投げる球とは思えん…)」
「スタルヒン!おまえすげぇじゃん!みなおしたよ!」
「うん、きょうのすっげぇカッコよかったぞ!」
彡(^)(^)「…!ありがとナス!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
J( 'ー`)しおかえりビクトル、学校はどうだった?
彡(゚)(゚) マッマ…ワイは夢ができたで
J( 'ー`)し…それはどんな夢?
彡(゚)(゚)野球や!!大きくなったら一人前の野球選手になってみんなにしんらいされる選手になる!!そして、日本一の選手になることや!!!
J( 'ー`)しそう…野球選手に…
J( 'ー`)しお母さん嬉しいわ、自分の夢を親の私に話す日が来るなんて
J( 'ー`)しビクトル、一度決めた目標はキチンと果たしなさい、これお母さんとの条件よ
J( 'ー`)し約束よ、それじゃあお父さんにも話してきなさい
彡(^)(^)うん!
ーーーーーーーーーーー
「先生、スタルヒン君の噂、知ってます?」
「彼に噂ですか?」
「ええ、何度か球を受けたことあるんでしょう?」
「スポーツは50m走だとスタートの位置から20m離れた場所から走っても余裕の一位」
「水泳、バレー、テニス、どれをやらせてもなんでも卒なくこなします」
「そしてなにより…」
「野球、ですか?」
「そうなんです!彼の投げる速球があまりに速さに6年生と混ざってやらないと誰も捕れないぐらいですよ!打撃も上位打線に加わるほど、そして足も速い…これは我が校の誇りです」
「…彼の良いところはまだありますよ」
「彼は我慢ができる子賢い子です たとえ自分の生い立ち、風体について悪く言う子がいても彼は笑って誤魔化します 彼はそれが一番手っ取り早い方法だとあの歳で認識しているんです」
「だからと言ってズル賢いという子でもない 他人の助けとなることを率先して行い、良い方向へと進めば助けた子と一緒に喜べることができるんです」
「この学校にもう彼を馬鹿にする、差別をするこは誰もいません」
「ちょうどほら、彼が投げますよ」
彡(゚)(゚)「フンッ!!」
バシィイイイイイイン!!!!
\おおおおおおおおおおお!!!!!!!/
\いいぞウイジャー!!!/
\カッコイイーーー!!!/
「…本当にいつ見ても小学生とは思えませんね、今じゃ彼は“ウイジャー”というあだ名もつけてもらって…」
「あれを見たら"我が校の誇り"と言わざるを得ませんね」
「旭川中スタルヒンって知ってるか?」
「誰それ?」
「白系ロシア人らしいよ、それでとんでもない球を投げるらしいんだ」
「とんでもないって?」
「なんでもあまりの速さに地元じゃ"けむり球"なんて呼ばれているらしい」
「旭川って北海道の土地だろ?そんな辺鄙な土地でけむり球って…そんな大したことないんじゃない?」
「あの黄金期を迎えている北海中学相手に二桁奪三振だぞ…しかも毎試合二桁奪三振らしいぞ」
「ファッ!?凄すぎぃ!」
「ほえ~…スタルヒンすっごい…なんで甲子園出てないんだ?」
「毎試合チーム失策数が7は超えているらしい…」
「あっ…(察し)」
スタルヒンの名は本州にも届くようになるほど実力をつき始めた
それはこの時期にあの人物に届いたことが彼の不幸であった
( ;゚;ё;゚;)
読売新聞社オーナー、正力松太郎
( ;゚;ё;゚;)「市岡君、それじゃあベーブ・ルースが日米野球への正式参加が決まったんだね?」
(;(。);虚;(゚);)
読売新聞社員、市岡忠男
(;(。);虚;(゚);)「はい、彼を描いた似顔絵のビラを気に入ったらしく、なんとか来日にこぎつけられました」
( ;゚;ё;゚;)「アメリカ野球界の大スターが来るんだ、前回(1930年日米野球)より興行面は期待できるぞ」
(;(。);虚;(゚);「ご存知だと思われますが、第一回日米野球の後に文部省の連中が「学生がプロ選手と対戦することを禁ずる」というのを発令したおかげで、学生を使って我々の実質的な興行面が出来なくなり、選手集めは難航しています」
(;(。);虚;(゚);)「正直言って社会人やOB選手だけでは足りません」
( ;゚;ё;゚;)「有望な学生を中退させて『学生じゃなく』するように言ったがそれでも足りないのか?」
(;(。);虚;(゚);)「はい、このままでは第1回と比べてしまうと明らかな戦力不足が目に見えてしまいます」
( ;゚;ё;゚;)「誰かいないのか?アメリカを打ち破る、そう言った選手は!?」
(;(。);虚;(゚);)「地方の方に目を向けたら面白い選手が1人いました、この選手です」
( ;゚;ё;゚;)「…ビクトル・スタルヒン?この名前といで立ちから察するに露系難民か」
(;(。);虚;(゚);)「北海道の支部によると、長身から投げ下ろされる豪速球で毎試合二桁奪三振もの三振を記録する怪童という触れ込みです」
( ;゚;ё;゚;)「それはいいじゃないか!是非ともこいつを代表メンバーに加えたい!それじゃあこの件は頼んだぞ」
(;(。);虚;(゚);)「お任せください」
「ウイジャー、もう少ししたらアメリカの選手たちが来日するんだってな」
彡(゚)(゚)「ベーブ・ルースが来るんやろ?あんな大スターが来るんて今回は豪華やな」
「ウイジャー!!!」
彡(゚)(゚)「なんや急に、すごい顔やで」
「今日読売新聞が出した新聞だ、これを見てくれ!」
彡(^)(^)「お!?三原さんやんけぇ!ワイ早稲田ファンやから早稲田OBのこの人好きなんやぁ^~」
「どこ見てるんだおまえ…ここだよここ!」
【ロシアからの来訪者、ビクトルスタルヒンも参加!彼は老年なる選手たちに一人異彩を放つ~】
彡(゚)(゚)「は?なんやこれ、ワイ代表入りした覚えはないぞ!?」
「日米野球は現役生の参加は禁止されてるんだぞ、ウイジャー…まさかお前…」
彡(●)(●)「そ、そんな訳あるかいっ!!!ワイはホンマの知らんのや、こんなんデタラメやわっ!!!!!」
マジやん、すまんな
「おい聞いたか、ウイジャーが学校を辞めて日米野球参加するらしいぞ」
「ファッ!?それマジ!?」
「落ち着け、それはデタラメだってウイジャーが言ってたぞ」
「それじゃあどういうことなの…?」
「読売新聞が無理矢理ウイジャーを参加させようとしているのか?」
「は?流石にそれはウチらを舐めすぎだろ」
「読売は学生をなんだと思っている!!」
「みんな!!俺たち旭川市民、北北海道の希望であるウイジャーを守ろうではないか!!!!」
「そうだそうだ!!」
「読売の思い通りにはさせるな!!!」
(;(。);虚;(゚);)「支部を囲んで訴えている市民もいるらしいです…」
(;(。);虚;(゚);)「引き込みの方は私が直接行ってしまうと袋叩きは免れませんので北海道じゃ神様扱いされてる早稲田時代の後輩に任せました」
(;(。);虚;(゚);)「しかし、思った以上に学校側と市民の考えは固く、これ以上は不可能だそうです」
(;(。);虚;(゚);)「さらに、地元新聞が我々の行いを頻りに批判していますので、このままでは我が社の沽券に関わります」
( ;゚;ё;゚;)「もういいっ!それ以上いやな話なんぞ聞きたくない!」
( ;゚;ё;゚;)「今更出ないって言ってしまったら示しがつかなくなるぞ、それに米代表がもう来るぞ」
(;(。);虚;(゚);)「まあ選手や客には私が適当な理由をつけてなんとか誤魔化しています」
「なあ、露助が来るって聞いたんだがどこにいるんだ?」
「確かにそうだな、市岡さん、ロシア人はどこにいるんですか?」
(;(。);虚;(゚);)「この季節の北海道だから連絡船も列車も雪で遅れているらしい(大嘘)」
「そうなんですかぁ」
ーーーーーーーーーーーーー
1週間後、第6戦神宮球場
「…なあ、流石に遅くね?」
「もう6戦目だぞ、たしかに遅いな」
「つーかさ、今回は相手との混合チームだけど通常だと点差10とか普通だから俺らも観客もダレてしまうよな…」
「あぁ…流石に萎えるよな…」
ガチャッ
( ;゚;ё;゚;)「市岡君か?」
(;(。);虚;(゚);)「選手とファンからの不信感が限界に達してます それに、力の差も歴然で今すぐに対策しないと集客数が減少してしまうかもしれません」
( ;゚;ё;゚;)「…スタルヒンを獲得するしかないな」
(;(。);虚;(゚);)「私もそれしかないと思います。大学時代の後輩に秋元という男がいます。今いる沢村を引き抜いた男です」
( ;゚;ё;゚;)「わかった、早速そいつを呼んでスタルヒン引き抜きするようする」
(;(。);虚;(゚);)「出来るだけ早急にお願いします、それでは」
(☆…●)「はい!お任せください!」
( ;゚;ё;゚;)「それと、必要ならば『私』と、『読売』の名前も使ってもいいぞ」
(☆…●)「はい!わかりました!」
(☆…●)(とは言ったものの、市民の抵抗が懸念される男を引き抜くか…)
(☆…●)(沢村の時は親と学校が進んで代表入りを促してくれたからすんなりまとまったが、そのロシア人の場合はなぁ…下手をすれば殺されそうだな)
(☆…●)「ふぅ、やっとついたぞ…先ずは止まる宿を見つけてその後に支部の方へ向かうか」
...さん、秋本さんっ!
(☆…●)「?誰だ?」
「読売新聞の者です、こちらに来てください」
「こんな路地裏に来て頂いてありがとうございます」
(☆…●)「わざわざこんなところに呼ぶとは…何かあったのですか?」
「これをご覧ください…」
(☆…●)「え、なにこれは(素)なんか私のコメントも載っているんですけど」
「あなたが東京を発った後に作られた弊社の新聞です」
「最悪なことにこの情報があなたより先に旭川へ届きました」
(☆…●)「…言いたくない、君が言え」
「…この内容を見た旭川市民が怒りを露わにして徹底抗戦を宣言しています…」
「町中にバリケードを張り巡らして車の出入りを制限、さらに読売関係者だと分かるとその場で人間バリケードが作られます。中には石を投げつけてくる市民もいる始末です」
「彼は市民により1日ごとに匿っている家を変えて生活しています。今現在どこにいるか不明です」
「さらに我々旭川中支部の従業員全員の顔が割れています、ここ以外で私たちと話し込むとまだ顔が割れていない秋本さんは面倒だと思いますので顔が割れるまでは一人で行動してください」
(☆…●)「…ありがとう…参考にはなったよ、今日は宿に泊まって休むことにするよ」
「ご検討を祈ります、それでは」
(☆…●)
(☆…●)(なんで段々と難易度が上がるんだ?)
(☆…●)「今日伺いしましたのは」
「いえ!!学校は認めません!!」
(☆…●)「…スタルヒン君についてなんですが…」
「いえ!!!学校はそのようなこと一切認めません!!!」
(☆…●)「是非とも日米野球に」
「いえ!!!!学校は!!!!」
(☆…●)「ご参加にしていただきたいことについてでして…」
「認めません!!!!!」
(☆…●)「学校は駄目、住民なんて論外…直接本人と話すしかないな」
(☆…●)(知り合いに丁度特高に顔が聞く奴がいるからそいつに頼むか)
ーーーーーーーー
ジリリリリンッ…
ガチャッ
(☆…●)「見つかったか!?場所は?…旭川駅から南に位置する神楽町…分かった、すぐに向かう」
ガチャン...!
まだプロ野球がなかったからな
J( 'ー`)し彡(゚)(゚) …
(☆…●)(こいつがスタルヒンか…)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
J( 'ー`)し「…つまり、息子をそちらのチームに参加してほしいと…」
(☆…●)「そのとおりです」
(☆…●)「今日本の野球は明らかに遅れています。ですが、今回の野球で全てが変わるはずです。上手くいけばアメリカと同じ仕組みが出来上がると私は踏んでいます」
(☆…●)「ロシアから難民として日本に移住してきた君にとってこれほど名誉なことはないと思う!」
(☆…●)「…どうだろう、日米野球に参加して見てはいかがかな?その方が自分や家族の利益が多いとは思われますが」
彡(-)(-)「…僕は友達、市民の皆様にいくらかの借金をしています」
彡(゚)(゚)「それを返すために学業を疎かにせず、就職して借金を返すつもりです。貴方のいう職業野球人は"職業"というからに成功しなければ首の世界でしょう」
彡(゚)(゚)「借金をしている身としてそのギャンブルのようなことはとて不安で…」
(☆…●)「そういうことでしたらこれをご覧ください」
J( 'ー`)し…これは?
(☆…●)「『頭山満』」
(☆…●)「貴方達亡命者にとって知らない名ではないでしょう」
(☆…●)「彼は政財界において絶大なる影響を持っていると同時に、弱者に対して大変慈悲深いお方です」
(☆…●)「これはその頭山氏が貴方達を今後いかなる支援も惜しまない、何かあった場合は必ず生活の支援を保証するということを書き綴った委任状です」
(☆…●)「しかも、成功すれば歴史に名が残せるかもしれない」
(☆…●)「もう一度考えて見ないか?君にとって悪い話は一切ないんだぞ」
(☆…●)「…あ?」
彡(゚)(゚) 「『悪い話は一切ない』と言いましたが、僕にはいくつかあるんです」
彡(゚)(゚)「まず、今僕の夢は旭川中学のみんなで甲子園に行くことです。そして卒業後は早稲田大学に入学してそこで野球をすることです」
彡(゚)(゚)「今代表入りしている僕と同年代の沢村君は参加するに当たって学校を中退したと聞いています」
彡(゚)(゚)「そうならば、私の夢が叶わなくなってしまうということになるので参加いたしません」
彡(゚)(゚)「 頭山さんが僕らと同じ立場の人に対して支援を行なっていることは知っています。その頭山さんから支援されることは大変恵まれていることは承知しています」
(☆…●)「だったら」
彡(゚)(゚)「ですが、それ以上に僕は友達と地元の皆様に支援させていただいているんです!」
彡(゚)(゚)「僕はその期待に応えたいんです、それが移民としてここに来た僕ができる精一杯の誠意なんです!!」
彡(-)(-)「この通りです!」
アタナサゲバー
(☆…●)「…今日のところは引きます、また来ますね」
ーーーーーーーーーーー
(☆…●)あのクソガキイイイいい!!!黙って聞いてれば綺麗事並べやがってええええ!!!素直に従ってろやあああああああああああああ!!!!!!!!!
(☆…●)「このままじゃ引き込みの任務は失敗に終わってしまう…」
(☆…●)「そうなったら俺は間違いなくクビ…アア…まずいまずいまずいマズイマズイ!!!?」
(☆●●●●)「…かくなる上は」
(☆●●●●)「どんな小さいことでもいい、弱みとなりそうなものはないか?」
「…あるっちゃありますよ」
(☆●●●●)「これは…昭和8年1月の地元紙…1年前の記事か」
(☆●●●●)「…!これだ!これがあればあいつを引き込めることができるぞ!!」
(☆●●●●)「今から俺のいう通りに動いてもらう。これは『正力社長』の発言だと思え!」
翌日
彡(゚)(゚)…?(なんや?マッマいないんかな??)トビラガラー
J( 'ー`)し
彡(^)(^)なんや、マッマいるやんけ
「やぁ、スタルヒン君」
彡(゚)(゚)…
彡(゚)(゚)「本当に来たんですね秋本さん」
(☆●●●●)「まぁね、君と話があるんだ」
彡(゚)(゚)「なんでしょう」
(☆●●●●)「君のお父さんの姿が見えないんだが、どこにいるんだい?」
(☆●●●●)「あーーーーーーーっっっ!思い出した!」
(☆●●●●)「たしか、同じロシア系の人を殺して、今刑務所だっけ?」
彡(゚)(゚)「…よくご存じで」
(☆●●●●)「や~どうしても君が欲しくて偶然知ったんだよね、偶然」
(☆●●●●)「困るんだよ、身内に犯罪者がいる海外の移住者が日本にいてもらうと」
(☆●●●●)「いやぁ困った困った」
彡(゚)(゚)「…だから、何が言いたいんですか?」
(☆●●●●)「…こんな危険人物がいては市民の皆様も困るだろうからね、ロシアへの強制送還を考えているんだ」
彡(゚)(゚)「…は?」
(☆●●●●)「それができるんだよ」
(☆●●●●)「我が読売新聞社の正力松太郎社長は、少し警察の人と仲良しでね、言えばそれなりのことをやってくれるんだよ」
(☆●●●●)「で、僕はその正力社長からある程度の権限をもらっているんだ、君らをロシアから国外退去できるぐらいのものを」
(☆●●●●)「…で、さらに困ったことが、もしそれをしてしまうと、現ソビエト政府と対立していた君のお父さんの近親者がロシアに戻ってしまったらソビエトはただでは向かえないだろう」
(☆●●●●)「軽くても流刑、重くて死刑だろうねぇ」
(☆●●●●)「スタルヒンくぅん…あとは君の意志だけだよ?」
(☆●●●●)「お母さんと一緒にロシアへ帰るかい?」
彡(゚)(゚)マッマ…?
J( ;ー;)し
J( ;ー;)しゴメンネ…ゴメンネ…
彡(;)(;)…
「おお、スタルヒン、今日はやけに学校へ来るのが早いな」
彡(゚)(゚)「…先生、これ…」
「…?なんだこの封筒?」
「…退学届け?」
「お、おい!待て!どういうことだ!」
彡(。)(。)「それじゃ、僕はこれで」
「いきなりすぎるぞ!ちょっと待て!!」ガシ
彡(;)(;)「ほっといてくださいッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!」ガッ!
ダッダッダッダッダッダッダッ!!!!!!
―おい!待てスタルヒン!スタルヒン…!!!
(☆●●●●)「お世話になった人にあいさつしたかい?」
彡(。)(。)「…」
(☆●●●●)「これから東京へ行くのに7時間かかるよ」
彡(。)(。)「…」
(☆●●●●)「…まぁ、俺もやりすぎたと思ってるよ、そんなにへそ曲げんなよ」
(☆●●●●)「木彫りの熊…か?なんでわざわざ…まあそろそろ汽車出るから乗れや」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー本州、上野駅行きの列車内ー
記者A「スタルヒン君、日米野球に参加するために学校を退学したらしいね」
記者B「学生の貴重な時間を潰してまで職業野球団に入るその理由を知りたいんだが…」
彡(゚)(゚)「この木彫りの熊を見てください」
彡(゚)(゚)「これは僕が北海道旭川でもらったものです」
記者A「それがいったい・・・?」
彡(゚)(゚)「この熊の如く強く堪え忍んで白系ロシア人として生きる途を求めるためです。」
記者B「なるほど…(なんのこっちゃ)」
(☆●●●●)…
その後、スタルヒンはほぼ消化戦と化した日米野球に出場して荒れ球の剛速球を披露したが、特に話題に上がることはなかった
彡(゚)(゚)「あの後、読売新聞は球団を結成して技術吸収のためにアメリカ遠征をおこなったで」
彡(^)(^)「サンフランシスコはハルピンとかと比べて雰囲気全然違うなぁ早く野球がしたいぜ」
「もうすぐ港に着くから荷物をまとめて入国管理を済ませるように」
彡(^)(^)「おかのした」
『なんやこれ…日本移住を認めるパスやんけ、こんなんでできるわけないやろ』
『というわけで君の入国を許すことはできない』
彡(゚)(゚)「…?(なんか英語で言ってるけど全然分からん…とりあえずイエス言っとくか)」
彡(^)(^)「イエス!」
『…?じゃあ君は移民収容所へ送らせるから』
彡(^)(^)「イエス!」
『あっ…(察し)』
彡(^)(^)「イエス!」
『友達、いるなら、連れて、こい』
彡(^)(^)『イエス!』
『あー面倒くせマジで』
『今から一緒に来い』
彡(^)(^)「イエス!」
「何やってるんだアイツ…やべぇよやべぇよ…」
「どうやら彼らはビザが欲しいみたいだ」
彡(゚)(゚)「…僕ビザもってないです…日本に移住した時のモノしか…」
「…こっちがなんとかする、待ってなさい」
「サンフランシスコ市長に頼み込んでなんとか入国させてもらえたよ」
彡(。)(。)「ありがとうございます…」
彡(゚)(゚)「あの、僕はどうすればビザを持てたんでしょうか」
「…出国した国の国籍を所持してれば持てたかもな」
彡(゚)(゚)「…そうですか…」
「日本国籍を所持したい?」
彡(゚)(゚)「はい、今まで何年も日本に暮らしてきましたが僕は未だに無国籍です、本当の意味で日本人になりたいのです」
「そう言われてもねぇ…無理だと思いますよ」
彡;(゚)(゚)「な、なんでですか…」
「だってあんた、明らかに日本人じゃないだろ」
彡(゚)(゚)
「まあでも、なんらかの財産を用意して、二人の日本人による推薦状、それなりの期間日本に住んでいたなら可能性はありますけど」
「やりますか?」
彡(゚)(゚)「…今回は遠慮しておきます、また別の機会に」
「あっはっは、スタルヒンさんは面白いなーwww」
彡(゚)(゚)「ちょっと君、僕の名前は確かにスタルヒンだけどそれじゃ長すぎるからスタ公にしてくれって言ったでしょ!?」
「あっすいません…」
彡(^)(^)「ええんやで、次からきーつけやー」
彡(^)(^)(やっぱりワイは道化になってみんなを笑わした方がええな、というか慣れとるし)
彡(゚)(゚)「…ん?今年入った若い子らやん」
「スタルヒン先輩って、やりづらくね?」
「あーわかるわ」
彡(゚)(゚)!?
「なんか俺が思っていた外国人と全然違くてやりづらい」
「これ、見た目外人な癖に中身俺らと変わらないの違和感凄くて…w」
「「「だよなー」」」
彡(゚)(゚)
彡(゚)(゚)道化になっても、駄目なことってあるんやな
( ・`ω・´)「ロシアのノモンハンで日本軍とソ連軍が衝突したことは聴いただろう、それ以来お前を含むロシア人に対する偏見が高まっている」
(; ・`ω・´)「お前の…その…その風貌だとあらぬ疑いをかけられるかもしれん」
( ・`ω・´)「せめて名前だけでも変えてくれ、と上から言われているんだ…」
彡(。)(。)「…わかりました」
彡(゚)(゚)「あーいいねぇ、連れるわ」
ーーー
彡(^)(^)「美味いなー」
('ω`)「久しぶりに食うといいもんですねー」
「…」ジー
彡(゚)(゚)(なんださっきからジロジロと…)
彡(゚)(゚)「あの、僕の顔に何か?」
「あ、いえ、別に…」コソコソ
彡(゚)(゚)「…まぁいつものことか」
(;'ω`)「うわ、特攻だよ…間が悪いなぁ…」
彡;(゚)(゚)「せ、せやな」
「おい…お前、ちょっとこい」
グイッ
彡;()()「ファッ!?何するんですか!?」
「この店にスパイがいるという報告を受けた、我々が書まで連行する」
彡;()()「そ、そんな…」
(;'ω`)「この人、名前も須田博に変えた野球選手で…読売新聞さんが持つ巨人軍の選手で…」
「黙れっ!須田がどうとか知らんがこいつは明らかに外国人だ!おおかた偽名でもしてるんだろう」
「話は所で聞く、さっさと来いっ!!」
(;'ω`)「…」
彡(゚)(゚)「…ハハッ…すまん、ちょっと行ってくるわ」
「正力さん、おたくのあの投手、どうにか出来ません?」
( ;゚;ё;゚;)「あの、とは?」
「須田博ですよ、名前はまぁ日本人ですけどロシア人ですよね」
「このご時世に敵性外人なんかやとっちゃ、ダメでしょ?」
「わかりますよね?」
( ;゚;ё;゚;)「…そうですね。おい市岡」
(;(。);虚;(゚);)「はい」
「おい!須田博はいるか!!」
彡;(゚)(゚)「何の用でしょうか…?」
「今からお前を、『敵性外国人』として軽井沢に幽閉することに決まった」
彡;()()「ファッ!?」
「知らんわ、いいから来い」
彡;(゚)(゚)「それに、僕は読売新聞の…」
「その読売の、正力氏の許可を得ているんだ」
彡(゚)(゚)「は?」
「さっさとこい」
(;(。);虚;(゚);)「社長、ソ連が日ソ中立条約を破棄して進行しましたね」
( ;゚;ё;゚;)「そのようだな」
(;(。);虚;(゚);)「それでいささか問題が…」
( ;゚;ё;゚;)「ん?」
(;(。);虚;(゚);)「しかし、彼はまだ日本プロ野球に籍をおいています」
( ;゚;ё;゚;)「もしもの時のために残しておいたんだ」
(;(。);虚;(゚);)「…今ソ連が条約を破棄して進行したため、政府はソ連に対する感情は大変悪いです」
(;(。);虚;(゚);)「そして、我々はソ連、もとい、ロシア帝国出身の彼をプロ野球に在籍させています」
( ;゚;ё;゚;)「出し惜しむな、さっさと話せ」
「須田博!須田博はいるか!」
彡;(゚)(゚)「は、はい…なんでしょう…」
「読売新聞から電報だ」
彡(゚)(゚)「…あ、ありがとうございます…」
彡(゚)(゚)(急になんなんや…?)
【ソビエト連邦が日ソ中立条約を破って日本に侵略を開始したことは耳に入っていると思う、日本プロ野球の存続を考慮して、君は球界から追放処分する】
【日ソ関係が改善されるなら、すぐに戻す】
彡(゚)(゚)
彡(゚)(゚)「やっと、やっと戦争が終わった」
彡(゚)(゚)「戦争が終わって、ワイを白い目で見る人間はいなくなった」
彡(。)(。)「でも…野球もなくなった…」
彡(。)(。)「今は進駐軍の通訳を務めてそれなりに良い生活はさせてもらっとるが、生活が充実した気がしない」
彡(゚)(゚)「…野球がしたい」
彡(゚)(゚)「…ん?君は…」
('ω`)「僕ですよ!覚えています!?千葉です!!」
彡(゚)(゚)「千葉くん…?ああ君か」
彡(゚)(゚)「生きてたんだね」
('ω`)「先輩こそ!」
彡(゚)(゚)?
彡(゚)(゚)「プロ野球が復活!?」
('ω`)「はい、正力さんや市岡さん、戦前からのプロ野球関係者がプロ野球を復活させようとしているんです」
('ω`)「僕はいち早く市岡さんたちと連絡を取れましたので、『もし連絡がつく選手がいたらすぐにん連れてこい』って命じられたんですよ」
('ω`)「その時に、先輩を見つけたんです!先輩、参加してくれますよね!?」
彡(^)(^)「おうモチロ」
―君は球界から追放処分する
彡(゚)(゚)あ…
―なんか俺が思っていた外国人と全然違くてやりづらい
―これ、見た目外人な癖に中身俺らと変わらないの違和感凄くて…w
―お前の…その…その風貌だとあらぬ疑いをかけられるかもしれん
―黙れっ!須田がどうとか知らんがこいつは明らかに外国人だ!おおかた偽名でもしてるんだろう
―今からお前を含む日本在住のロシア人は『敵性外国人』として、軽井沢に幽閉することに決まった
―その読売の、正力氏の許可を得ているんだ
-ソビエト連邦が日ソ中立条約を破って日本に侵略を開始し、日本プロ野球の存続を考慮して、君は球界から追放処分する、日ソ関係が改善されるなら、すぐに戻す
彡(゚)(゚)…
彡(゚)(゚)「千葉、復帰って巨人か?」
('ω`)「もちろんです!」
彡(゚)(゚)「市岡さんが言ったんか?」
('ω`)「…?市岡さんに限らずですけど…まあ市岡さんも言ってました」
彡(゚)(゚)「じゃあやめだ」
('ω`)「ファッ!?」
彡(゚)(゚)「ほら、今飯食うだけでも必死やろ?ワイもブランクあるし」
('ω`)「いや…でも」
彡(゚)(゚)「ワイも家族いるし、マッマもいるんやで?そんなギャンブルみたいなことできんわ」
('ω`)「いや、でも、一緒に…」
彡(゚)(゚)「無理や、諦めてくれ」
('ω`)「…わかりました、失礼します」
彡(゚)(゚)「なんで断ってしまったんや、ワイ」
彡(゚)(゚)「さっきまで野球がしたい言ってたのに」
彡(゚)(゚)「えり好みなんてできないやろ、なんでや」
彡(;)(;)「なんでや…なんで選んでしまったんや…」
『スタルヒン、どうした?暗い顔して』
彡(。)(。)『なんでもないで、気にせんといてや』
彡(。)(。)(結局またこの暮らし、いっその事通訳を本職にしたろか)
『…なんだあのオッサン、こっちをにらみやがって』
彡(゚)(゚)「…ん?」
( ・`ω・´)
彡(゚)(゚)!「ふ、藤本さん!!!」
( ・`ω・´)「…!スタルヒンか!?お前、生きてたのか」
彡(^)(^)「はい!この通り!」
(; ・`ω・´)「お前、なんで進駐軍のジープなんか乗っているんだ?」
( ・`ω・´)「なるほど…通訳か、ロシア語や英語ができるお前なら適任だろうな」
( ・`ω・´)…
( ・`ω・´)「お前ほどの選手が今は通訳か…」ボソ…
( ・`ω・´)「なあスタルヒン、話があるんだが」
彡(゚)(゚)「はい聴いてます」
( ・`ω・´)「私はある新興球団の監督を任されてな、お前さえよければそのチームに入団させたいんだが…」
彡(゚)(゚)!?
( ・`ω・´)「本当か?それじゃあこっちの準備ができ次第お前を呼ぶよ。連絡先くれ」
彡(^)(^)「はい!よろしくお願いします!」
彡(^)(^)(野球や!野球が出来る!野球が出来る!)
( ;゚;ё;゚;)「ここまで苦労したよ、早く開幕しないかのぉ」
(;(。);虚;(゚);)「社長!大変です!」
( ;゚;ё;゚;)「ど、どうしたそんなに急いで…」
(;(。);虚;(゚);)「スタルヒンの件です!」
( ;゚;ё;゚;)「あいつがどうした?」
(;(。);虚;(゚);)「奴は新興球団パシフィックで野球をするつもりだそうです」
( ;゚;ё;゚;)「は?」
(;(。);虚;(゚);)「部下に事情を探らせに向かわせたところ…」
ーーーーーーーーーーーーー
彡(゚)(゚)「自分の好きな球界に戻って、大いに活躍したい熱意に燃えております」
彡(●)(●)「ですが、入るならパシフィックだ」
彡(●)(●)「ただ、ある感情のことで入りたくない」
彡(●)(●)「入るとしたら、自分がもっとも信頼する藤本監督がおられるパシフィックだけです。他は入団しません」
ーーーーーーーーーーーーーー
(;(。);虚;(゚);)「…だそうです」
( ;゚;ё;゚;)「あの恩知らずがぁ…」
( ;゚;ё;゚;)「私に背いたことを後悔させてやる…」
【わがままスタルヒン、契約を無視!】
( ・`ω・´)「凄いことになったな…」
彡(゚)(゚)「いいです、僕が選んだことですので」
彡(゚)(゚)(戦争中、都合が悪くなって捨てたくせに、また都合が悪くなるとワイに詫びも入れないで被害者ぶるなんてちゃんちゃらおかしいわ)
彡(゚)(゚)「そうですね、あと一勝で200勝なんですが今年出られるかどうか…」
( ・`ω・´)「まあ、今年駄目でも来年はいけるだろう」
( ・`ω・´)「しかしよくここまで勝利数を伸ばせたな、大台だぞ」
彡(゚)(゚)「…藤本さん、僕の大台は200勝じゃないですよ」
( ・`ω・´)「まだ上に行くのか?」
彡(^)(^)「はい!
300勝です!」
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『スタルヒン、あと一人抑えれば前人未到の300勝です!』
カキン!
『!サードゴロ!サードが取ってファーストへ…!』
『試合終了おおお!!!!!』
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
『スタルヒン!日本プロ野球界初の300勝達成です!』
『苦節19年、初勝利から20年目での大快挙です!!!』
彡(^)(^)「藤本さん、僕やりました!やりましたよ!!」
『今、スタルヒンが敵軍である藤本監督と握手をしました』
『選手たちもスタルヒンを祝福しています!選手、ファンに関係なく、みなみな祝福しております!』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「スタルヒン選手との関係を語ってほしいのですが…」
( ・`ω・´)「彼は僕が非常に可愛がって育てた選手です。その彼の特徴を言うならば、決して温室育ちではないということです」
( ・`ω・´)「特に戦争中は、人種的に白い目で見られていましたが、それでも彼は野球に対する情熱を失わず、むしろ燃え上がる勢いでした」
( ・`ω・´)「このような精神的ハンディキャップを乗り越えてきたからこそ、今日の偉業達成だと思う。彼は、プロ選手の生きた手本だ」
( ・`ω・´)…
( ・`ω・´)(彼はここでは言えないことされてきた…)
( ;`ω;´)(よく…よく頑張ったな…!)
【スタルヒン、夢の300勝!】
【スタルヒン、偉業達成!】
( ;゚;ё;゚;)「…」
( ;゚;ё;゚;)「…つまらん」
( ;゚;ё;゚;)「あの時巨人に戻っていれば今よりだいぶ早く300勝なんぞ達成できたものの…」
( ;゚;ё;゚;)「…だが奴は…弱小球団に何年もいて、達成しおった…」
( ;゚;ё;゚;)「つまらん……それに加えて気に食わん…」
( ;゚;ё;゚;)「…テレビでもつけるか」
カチ
「スタルヒン選手、此度の大記録樹立、本当におめでとうございます」
彡(^)(^)「ありがとうございます」
( ;゚;ё;゚;)「あいつ…!テレビ出演だと…?益々気に食わん!」
「記録達成の時、どんな気持ちでしたか?」
彡(゚)(゚)「…あぁ、これで頂上は征服した。あとは坂を下りていけばいい。これで楽に投げられるな」
彡(^)(^)「こんな感じですねwww」
「ほほーなるほど」
彡(゚)(゚)「次の目標は2000奪三振に100完封!」
彡(゚)(゚)「若林忠志も42歳まで野球を続けました、僕は今39歳、楽観的に考えてまだ3年はいけるはずです!」
「頑張ってください!」
彡(^)(^)「ありがとうございます!」
( ;゚;ё;゚;)「『あとは坂を下りていけばいい。これで楽に投げられるな』」
ニッコリ
彡(゚)(゚)「え?」
「スタルヒン、君は体力的に限界だ。ユニフォームを脱ぐべきだ」
「…とは言っても、君、長いイニング投げたら疲れて頻繁に球が抜けてる試合が多かったじゃないか」
「もう歳だ」
彡;(゚)(゚)「せ、せめて!もう1シーズンだけでもお願いします!」
「無理だな、残念だけど」
「…ただ、少し前に、読売新聞の正力さんからこういう提案がされてね」
彡;(゚)(゚)「…!?あの人がですか!?」
「正力さんは、『もしスタルヒンが望むなら、引退興行は古巣である巨人がやる』と言ってきたんだ」
彡;(゚)(゚)!?
「また、ウチにもあった内部のゴタゴタに弱冠の嫌気がさしていた」
彡;(゚)(゚)「そ、それは…」
「…だから次第に、『引退するなら慣れ親しんだ巨人で』と、思うようになった」
「しかし、昔、正力さんを拒絶した君をあの人は許さなかった、君が巨人に戻りたいと希望しても正力さんはその都度跳ねのけた」
「…これが、読売新聞から伝えられた話だ」
彡(゚)(゚)…
「…スタルヒン、お前は巨人へ戻るべきだ、300勝は達成したしあまりほしすぎてもだめだ」
彡(゚)(゚)…
「…ああ」
彡(゚)(゚)「…わかりました。球団さん、今までお世話になりました」
「…こちらも、最後まで協力できなくてすまない」
「君がウチに入れてよかった」
( ;゚;ё;゚;)「そうか…そうか…!クフフ…」
( ;゚;ё;゚;)「よし、それじゃあ奴から連絡が来たら前に言った通りに答えろ」
「はっ!」
彡(゚)(゚)「もしもし、読売新聞ですか?僕はヴィクトル・スタルヒンです」
彡(゚)(゚)「引退興行の件でお話が…」
『正力さんは今お見えになっていませんのでまた今度』
ガチャッ!
彡(゚)(゚)「また今度って…」
彡(゚)(゚)「…おかしい」
彡(゚)(゚)「もうあれから何日も経ってる…いくら何でも遅すぎやろ…」
彡(゚)(゚)「もしもし!今日は正力さんがいると思うのですけど!!」
『スタルヒンさんんですか?その話でしたら私の方からさせていただきます』
彡(゚)(゚)「そうか…で、引退試合はいつや?」
『その件は、なかったことにできますか?』
彡(●)(●)「…は?」
彡(●)(●)「おいマテや」
『本当に申し訳ありません』
彡(●)(●)「誤って許される話とちゃうぞ」
『正力さんはそのお詫びとして、ある番組の司会を用意しました。後日、そのお話をしますのでまた後程』
彡(●)(●)「おいっ!話聞けやぁっ!!!」
ガチャ!
彡(●)(●)「なんやねん…あいつらはワイをどうしたいんやっっ!!!」
彡()()「は、はやく、コーチの仕事を探さなくては…」
タッタッタッタッタ…
「スタちゃん…ウチは戦力十分だしいいかなー…」
「…ゴメン」
彡(;)(;)「なんでやっ!どうなっとんねんっ!」
彡(;)(;)「頼む…もうコーチなんてどうでもいい…」
彡(;)(;)「ボール拾いでもええんや…ワイは、ワイは野球がしたいんや!!」
ーーーーーーーーーー
( ´・ω・`)(しかし、同窓会を東京でやるなんて実行委員も思い切ったねぇ)
( ´・ω・`)「…同窓会まで数日あるし、適当に飲んでようかな」
ドンッ!
( ´゚ω゚`)「あっ!ぶつかってすいません!」
―あぁ…別にええって
( ´・ω・`)「すいません…ん?」
彡(。)(。)
( ´・ω・`)「…え?ウイジャー…?」
( ´・ω・`)「ウイジャー!僕だよ!覚えてる!?」
彡(。)(。)…?
( ´・ω・`)「ほら!子供の頃いっぱい野球をして…」
彡(。)(。)…あぁ…
彡(。)(。)「久しぶりやな…」
( ´・ω・`)(どうなっているんだ…?これがウイジャー…?)
( ´・ω・`)「…?まぁうん…」
彡(。)(。)「付き合え、一緒に飲もうや」
彡(。)(。)「久しぶりやなぁ、元気にしとったか?」ビールビンクイ
( ´・ω・`)「なんとかね」コップニソソガレー
彡()()ゴクッゴクッ!
(;´・ω・`)「ちょっとウイジャー、いくら何でも飲みすぎ…」
彡(●)(●)「ウルサイ!」
(;´・ω・`)「えぇ…ちょっとどうしたの?あったばかりだけど…今日、おかしいよ?」
( ´・ω・`)「…僕でよければ話してみたら?気が楽になるかもよ」
彡()()「…」
彡()()「なぁ…お前は野球選手としてのワイの人生をどう思う?」
彡()()「せや」
( ´・ω・`)「…球界を代表する選手にまでなって…300勝も達成して」
( ´・ω・`)「一番充実してると思う」
彡()()「…充実?」
彡(^)(^)「…ふ、ファーwwwwwwww!!!!!!!!」
(;´・ω・`)「ちょ、どうしたの!?」
(;´゚ω゚`)「え、え、え!?」
(;´・ω・`)「ちょっと!本当に大丈夫!?」
彡(^)(^)「ふーw…ふぅ…久しぶりに笑ったわぁ」
(; ´・ω・`)「あぁそう…それならよかった…」
彡(^)(^)「…ワイの人生はな、お前が言った“充実”なんて言葉とかけ離れとるんや」
( ´・ω・`)…?
「ワイの野球人生はな、裏切られっぱなしなんんや」
彡(^)(^)「その裏切りがな、もう20年ほど続いた」
彡(^)(^)「裏切るだけ裏切られてな、なーんの謝罪もなしに捨てられたんや」
彡(^)(^)「まぁ、旭川の皆に黙って東京に行った罰やこれは、因果応報、しゃーない」
( ´・ω・`)「…その話は皆怒ってなんかいないって話したじゃないか…」
彡(^)(^)「ん、そうやっけか?」
彡(^)(^)「でも、心のどこかで思っとるやろ?表に出さないだけやろ?」
( ´・ω・`)「…」
彡(^)(^)「…すまんな、アホなこと言ってもうて、ほら、ワイって今司会者やからストレス溜っとんねん」
彡(^)(^)「ほれ、このことは忘れて飲もうや」
( ´-ω-`)
彡(゚)(゚)「なんやねん、飲めや」
( ´・ω・`)「…ウイジャー」
( ´・ω・`)「今度、ボウリングをするんだ」
( ´・ω・`)「旭川市の仲間が東京でボウリング場を開いたんだ」
( ´・ω・`)「で、その後に旭川中の皆で同窓会するんだ、君も参加したらどうだい?」
彡(゚)(゚)「…いやや」
( ´・ω・`)「いやじゃない、君は参加するべきだ」
彡(゚)(゚)「いやって言っとるやろ!」
( ´・ω・`)「…参加するべきだよ、ウイジャー」
ワイワイ/
彡(゚)(゚)…
( ´・ω・`)「参加してくれてありがとうね」
( ´・ω・`)「やっぱり君はいい奴だよ」
彡(゚)(゚)「…暇つぶしや、暇つぶし…」
「ウイジャー!」
「コノヤロー!俺に連絡しろよー!」
「300勝のとき連絡なくてごめんなー!」
彡(゚)(゚)「お、おう…すまんな」
( ´^ω^`)「暇つぶしできそうだね」ニッコリ
( ´^ω^`)「よし、まず初めに、我らが旧友が開くという、ボウリング場へ向かおうか!」
「「「「いぇえええええええい!!!!!」」」」
彡(゚)(゚)…
「ウイジャー流石元プロだけあってうまいなー」
彡(^)(^)「ははっ…」
「ウイジャー今しかいなんだろ?怪我とかしてないか?」
「確かにこれで怪我したら大変だな、大丈夫か?」
彡(゚)(゚)「だ、大丈夫やで…」
( ´^ω^`)「よし、これから同窓会へ向かうぞお!」
「「「「おおおおおおおお!!!!」」」」
彡(゚)(゚)…
「すまんなーウイジャー、車乗せてくれて」
( ´・ω・`)「東京住が少ないからね、しょうがないね」
アッハッハッハ/
彡(゚)(゚)…
ーキキッ!
( ´・ω・`)「ウイジャー?」
彡(゚)(゚)「すまん、降りてくれ」
彡(゚)(゚)「すぐそこに駅があるからそこから会場に向かってくれ」
「おいウイジャー、どういうことだよ」
彡(゚)(゚)「用事を思い出したんや、すまんな、じゃ」
ブロロロッ…!
「どうしたんだあいつ…」
「…会場、逆なのに、そそっかしいなぁ」
( ´・ω・`)「さぁ…まぁ電車で行くか」
彡(゚)(゚)…
ズガァンッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!
『元プロ野球選手のヴィクトルスタルヒン氏が昨晩、東急玉川線三宿駅付近で渋谷発二子玉川園行き電車と衝突』
『病院に搬送しゃれるもすでに死亡しとったことが確認、即死やったそうばい』
『本人は酒気ば帯びとったとよか、飲酒運転の末…』♥
とりあえず、じぇんぶ上げるわ♥
しゃーなか
しゃとるは正力松太郎♥
(;(。);虚;(゚);)「えー戦友・スタルヒン君の死な、こん葬儀の委員長であるうち、市岡もばり残念に…」
( ´・ω・`)「…」
「ウイジャー…なんで死んでしもうたんばい…」
「そうばい…早すぎるクサ…」
( ´・ω・`)「…」
「…どげんしたんばい、しゃっきから変な顔して」
( ´・ω・`)「いや…あんとき、僕らは彼に車ば降りろって言われたたいね」
( ´・ω・`)「…そんあと、海上とは逆方向ば走って、死んばい場所も会場とはいっちょん離れてて」
「お、おい!やめろよ貴様!」
「そうばいぞ、あいつの家族ばいっとるのに、不謹慎ばいぞ!」♥
ーーーーーーーーーーー
「ワイの野球人生はな、裏切られっぱなしなんんや」
ーーーーーーーーーーー
(;´・ω・`)「…ましゃかね」
♥
( ´・ω・`)「ねぇ、僕にある計画があるんやけど」
「なんばい?」「急に呼び出してなんばいってんばい」
( ´・ω・`)「旭川市に市営の球場があるやん?」
( ´・ω・`)「あん球場に、彼の銅像ば建てたいんばい」
「おお!よかいなそれ!」
「うん!よかいな!おれ賛成!」
「俺も!」
( ´^ω^`)「よかった!ありがとばい皆!」
「なぁ、なんなら名前もアイツのにしなか?」
( ´・ω・`)「それもよかかも!」
「よし、まずは金ば集めなくちゃな!」
「きばってつくるぞー!」
「まってろよ!ウイジャー!」
完♥
後日、あげなおするばい
なお、ワイは巨人ば愚弄する気はなか♥
面白かったで♥
しゃとるのしぇいでアレがアレしたけど
ケツに参考書籍とかあげてくれたらありがたいばい♥
・「ロシアから来よるエース 巨人軍300勝投手スタルヒンの栄光と苦悩」 ナターシャ・スタルヒン
・「最弱球団 高橋ユニオンズ青春期」 長谷川晶一
・ネット♥
書籍名までかわっとるで
明日上げなおしてくれ♥
おかのした♥
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- 佐天「からあげを注文するとあたしのだけ増量されてる能力かぁ」
- いろは「私は先輩の事大好きですからねぇ!」八幡「はぁ?」
コメント一覧 (9)
-
- 2019年04月01日 04:37
- 真実ほど残酷なオチは無いよ
-
- 2019年04月01日 07:21
- 面白かったです、乙!
正力松太郎ってゴミだったのか
-
- 2019年04月01日 07:30
- >>3
野球界やと割と有名だぞ
巨人にアンチが多いのも、大体こいつのせい
-
- 2019年04月09日 23:22
- >>3
でも正力松太郎おらんかったら今の日本にプロ野球自体あったか
どうかも怪しいから性格クズでも功労者には変わらんのや・・・
-
- 2019年04月01日 10:11
- はえー…屑of屑って感じの奴がいたんだな
-
- 2019年04月01日 11:27
- 親ならヴィクトルやなく愛称で呼ぶやろ
-
- 2019年04月02日 20:45
- まじかよ阪神のファンやめます
-
- 2019年04月07日 22:09
- なんて人生だ…
おか・おか・おか~さ~ん・・・
おか~さ~ん・おか・おか・おか~さ~ん
おか~さ~ん・・・・・・・・・・・
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