産業スパイ「ライバル社の秘密を探ってきたので報告します」社長「三行じゃねーか!」
- 2019年03月14日 18:10
- SS、神話・民話・不思議な話
- 16 コメント
- Tweet
社長「ご苦労、さっそく報告してもらおう」
スパイ「はい」
・よく働く
・誠実な商売をする
・休む時はしっかり休む
スパイ「以上です」
社長「三行じゃねーか!」
スパイ「まあまあ、お待ち下さい。早まってはいけません」
スパイ「A社を率いる女社長の秘密も探ってきました」
社長「ほう、あの女の弱みでも握ったのか!?」
・美人で優しい
・だけど仕事には厳しい
・胸にホクロが五つある
スパイ「いかがでしょう?」
社長「期待した俺が大バカだった」
スパイ「仕方ないじゃないですか、裏表のない優良企業なんですから」
スパイ「スパイなんか雇ってるうちとは大違いですよ」
社長「うるさい!」
社長「お前なんかクビだ、クビ!」
スパイ「お、お待ち下さい! 早まってはいけません!」
社長「どうやって挽回するつもりだよ」
スパイ「次は業界第二位のB社に忍び込んで参ります!」
社長「我が社はB社ともだいぶ差があるからな……いいだろう、やってみろ!」
スパイ「はっ!」
スパイ「……」
スパイ(このドアから入れそうだな)
スパイ(ピッキングを……)カチャカチャ
ガチャッ
スパイ「よし、開いた!」
スパイ「ちっ」
シュザッ
警備員「消えた!?」
スパイ「少し眠っててもらうよ」トンッ
警備員「ううっ……」ガクッ
スパイ(よし、ここから社長室の会話が聞こえそうだ)
スパイ(なにか重大な秘密を喋ってくれればいいんだが……でないとクビにされちゃう)
~
B社社長「……」
殺し屋「ああ、任せておけ」
B社社長「それで、いつやるのだ?」
殺し屋「すでにターゲットのスケジュールは掴んでいる。明日の夜、始末する」
B社社長「あの女の命も明日までということか。いい報告を期待しているよ」
B社社長「そうなれば、我が社が業界ナンバーワンになることができる!」
殺し屋「B社は今業界ナンバーツーだったな」
B社社長「そうだ。長らくA社の後塵を拝してきた。しかし、その屈辱の日々もようやく終わりを告げる!」
殺し屋「業界三番手のC社の社長は消さなくていいのか?」
B社社長「あんな三流企業は実力で叩き潰せる。わざわざ消すまでもない」
スパイ「B社の秘密を探ってきました」
社長「ふーん、どうだった?」
スパイ「報告します」
・B社社長は殺し屋を雇った
・ターゲットはA社の女社長で、決行は明日の夜
・雇った理由はB社が業界ナンバーワンになるため
スパイ「以上です」
社長「すごい秘密握ってきたなオイ!」
社長「プロの殺し屋にかかったら、ひとたまりもないだろうな……」
社長「あ、そうだ! うちは!? C社についてはなにかいってなかったか!?」
社長「A社の次は俺がターゲットにされるのでは……」
スパイ「申し上げます」
・C社のような三流企業は社長を消すまでもない
・あんな給料安くて、人使い荒くて、どうしようもない会社は放っておいても潰れる
・社長は水虫だし
スパイ「……と」
社長「本当にいってたんだろうな……?」
社長「え?」
スパイ「放っておけば明日、A社の社長は死にます」
スパイ「これでA社はガタガタになり、うちも自動的に二位になります」
スパイ「さらに、B社が殺し屋を雇ったことを世間に公表すれば、B社も没落します」
スパイ「これで労せずして、うちが業界ナンバーワンになれるわけです」
社長「な、なるほど……」
スパイ「はい、おめでとうございます!」
社長「やったな、ハーッハッハッハッハ!」
スパイ「では私はこれで……」フッ
社長「……」
<A社>
女社長「……」カタカタ
秘書「社長、お仕事中失礼します」
女社長「なんですか?」
秘書「C社の社長が……ぜひお会いしたいと」
女社長「……?」
女社長「分かりました、通しなさい」
女社長「同じ業界のライバル社の社長自らやってくるとは珍しいですね」
女社長「私になにかご用ですか?」
社長「え、えーと……」
女社長「早くおっしゃって下さい。私も忙しいのです」
社長「に、逃げてくれ!」
女社長「はい?」
社長「実は……B社の社長が殺し屋を雇った! ターゲットは君だ!」
女社長「ハァ?」
社長「今夜にでも殺し屋が来るんだ……だから逃げてくれ!」
女社長「バカバカしい、突然なにをいってるのです」
社長「ほ、本当なんだ!」
女社長「たしかにB社の社長は色々とよくない噂を聞きますが、殺し屋を雇うだなんて……」
女社長「荒唐無稽にも程があります」
社長「だけど本当なんだってば!」
女社長「あなたはどうやって、その情報を手に入れたんです?」
社長「そ、それは……」
・産業スパイを雇った
・B社に忍び込ませた
・さっきの情報が手に入った
社長「こういうことだ」
女社長「なるほど、正直に三行で説明して下さってありがとう」
女社長「なぜ私を助けに? 産業スパイを雇っていたことまで明かして……」
社長「それは……」
・俺だって社長である前に人間だ
・良心ぐらいある
・たとえライバルだろうと、人が死ぬのを黙って見ていられない!
社長「こんなところだ」
女社長「……」
社長「本当か!」
社長「すぐに車で警察署かどこかへ――」
殺し屋「おっと、どこへ行くんだ」ザッ
女社長「あなたが殺し屋……!?」
殺し屋「嫌な予感がしたんで、早めに来てよかった。まさか、情報が漏れていたとはな」
殺し屋「この場で二人とも始末させてもらおう」チャッ
社長「う、ぐ……!」
女社長「銃……!」
社長(ここまでか……!)
ゴロゴロゴロゴロ
スパイ「産業スパイ、雇い主のピンチに天井裏からただいま参上!」ジャン!
スパイ「フッ、登場に三行もかけてしまいました」
社長「スパイ!? なぜここに……!」
女社長「誰……!?」
殺し屋「な、なんだ!?」
社長「!」
スパイ「黙っていれば業界一位になれたかもしれないのに、よくぞ茨の道を歩んで下さりました」
スパイ「あなたのような方に雇われたこと、つくづく光栄に思いますよ」
社長「スパイ……」
スパイ「後は私にお任せ下さい」
社長「無茶だ! 相手はプロの殺し屋だぞ! しかも拳銃を持ってるんだ!」
スパイ「予告します。三行で敵を倒してみせます」
スパイ「はっ!」ドゴォッ!
殺し屋「ぐはぁっ!」ドサッ
女社長「すごい、本当に三行で……」
スパイ「フッ、裏の世界には上には上がいるということです」
スパイ「ん、弾が肩をかすめてたか……」
スパイ「いでえええええええええええっ! 血が、血が出てるっ!」
社長「かっこよさも三行で終わったか」
社長「あの殺し屋が逮捕されれば、雇っていたB社社長も逮捕されるだろう」
女社長「ところで……」
社長「ん?」
女社長「もしよろしければ今度、A社とC社で共同して事業を行いませんか?」
社長「こっちとしては願ってもない話だが、いいのか?」
女社長「はい、私は前々からC社の底力に魅力を感じていましたので……」
社長「それはどうも」
スパイ「そんなものあるかなぁ」
社長「なんだと!?」
女社長「惚れてしまったのかもしれません」
女社長「今後は経営者同士としてだけでなく、男女同士として、お付き合いして下さいませんでしょうか」
社長「……!」
社長「俺なんかでよければ……」
女社長「嬉しい……!」
スパイ(これで会社も軌道に乗るだろう……よかったな、社長)
女社長「えっ、なんでそんなこと知ってるの!? エッチーッ!」バチンッ!
社長「ぶべっ!」
スパイ「恋仲になってから三行で殴られる人はじめて見た」
おわり
で
す
しろ
かった
「神話・民話・不思議な話」カテゴリのおすすめ
- 男「寺生まれのTさんVS壁殴り代行」
- 男子「やーい乳無し女ーw」 乳無し女子「ち、乳あるもんっ!」
- アシダカ軍曹「私たちの生活」
- オニヤンマ♂「誰だお前?」
- 俺「...逃げるのかよ」ゴキブリ「...」
- 婆「桃から男の子が!」爺「竹から女の子が!」
- メリー「今あなたの後ろにいるの」武術家(殺気ッ!?)
- 俺「時間よ…泊まれっ!」 ガチャッ 時間「お泊まり来ちゃったっ///」
- 男「コンビニ店員の挨拶ってのはこうやるのさ」ッシャアセェェェ
- ニート「七つの大罪……?」
- 猫「起きて」 男「んー」
- 「人生ゲーム」
- 面接官「面接を始めます」就活娘「あなた、もしかして……お兄ちゃん!?」
- カーチャン「あんたねぇ…今月入ってパンツ破いたの何枚目よ!!」
- 死神女「シコるたびに寿命が縮むわよ?」 俺「構うもんか!!」シコシコ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
- 大沼くるみ「ふぇぇん……わかんないよぉ……」
- モバP「かな子は[ピザ]だな」かな子「」
- 俺「やーい、デブー!」 マミ「ううっ・・・」
- チノ「マヤさん メグさん 私がVIPでも人気だということを教えてあげますよ」
- 雪歩「萩原ムキぽ17歳です!プロテインが大好きです!」
- 渋谷凛「みんなって彼氏いるの?」
- 魔法使い「勇者様のゴミ箱からいい匂いがする」
- P「千早と同棲を始めてから他のアイドル達のアタックが凄い」
- タモリ「世にも奇妙なニートの物語」
- 千秋「ハルカ姉さま。あいつです。あの大男こそ、カレーの妖精です」
- 越前「え?桃先輩って童貞だったんすか?」
- P「春香を抱き締めたい」
- カヲル「御安いごようさっ」
- 見崎「榊原くんが本当の親のように過保護すぎる」
- アスカ「第1回、シンジのホモチェック~~」 レイ(パチパチパチ)
コメント一覧 (16)
-
- 2019年03月14日 18:16
- 永井産業
-
- 2019年03月14日 18:17
- 台詞回しが臭すぎて途中でギブアップ
-
- 2019年03月14日 18:24
- バカが貴様。背広姿で敬礼する奴がどこにいる。
-
- 2019年03月14日 18:26
- 割と
良かった
次も期待
-
- 2019年03月14日 18:37
- 五つの星
五車星…
最後の将!?
-
- 2019年03月14日 19:06
- 今はそうとも限らんけど社長やるくらいだから爺婆の可能性もあるんだよな
若いって描写なかったし
いやエッチってwww
-
- 2019年03月14日 22:12
- 男女同士…?男女同士っていったよな?!
-
- 2019年03月14日 22:24
- 普通
に
つまんなかった
-
- 2019年03月14日 22:50
- よく見るタイプ
だけど
飽きが来なくていいよね
-
- 2019年03月15日 06:13
- この調子だとすぐに三行半を突きつけられそうだな
-
- 2019年03月15日 21:51
- >>10上手い
-
- 2019年03月21日 09:31
- >>10 誰が
上手いことを
言えと
-
- 2019年03月15日 09:36
- なかなか良かった
定番の流れだけど安心して読める
次回作もがんがれ
-
- 2019年03月15日 09:56
- つまらんわ。
ピッキングでギブ。
-
- 2019年03月15日 11:22
- おもしろ
く
ないこともなかった
-
- 2019年03月21日 00:31
-
面白かったです