【ミリマス】育「へー、一番大きい数は無量大数って言うんだー」
P「いいぞ。どんなゲームだ?」
育「交互に数の単位を言っていって、言えなくなったら負けになるの」
P「どいういこと?」
育「やってみれば分かるよ。まず私からね──『万(まん)』」
P「──あ、そういうことか。じゃあ『億(おく)』」
育「兆(ちょう)」
P「京(けい)」
育「おー! Pさん『兆』の次知ってるんだね!」
P「へへ、まあな」
P「育もよく知ってるな」
育「えへへ、教科書に書いてあったんだ」
P「なるほど。それで勝負を仕掛けて来たのか。──『杼(じょ)』」
育「穣(じょう)」
P「溝(こう)」
育「澗(かん)」
P「正(せい)」
育「載(さい)」
P「極(ごく)」
育「恒河沙(ごうがしゃ)」
P「阿僧祇(あそうぎ)」
育「那由他(なゆた)」
P「不可思議(ふかしぎ)」
P「どうした。育の番だぞ」
育「ふっふっふ。私の勝ちだねPさん──」
育「無量大数(むりょうたいすう)!」ドヤァ
P「…………」
育「単位は順番に上げていかなきゃいけない、なんて誰も言ってないもんねー♪ 『無量大数』を言わせたPさんの負けだよ!」
P「…………」
P「矜羯羅(びんばら)」
育「えっ」
育「びんばら、ってなに?」
P「無量大数より大きい単位だよ。無量大数は10の68乗だけど、矜羯羅は10の112乗なんだ」
育「じょう……?」
P「あ、指数はまだ習ってないのか」
P「10の112乗っていうのは、10×10×10……と書いていって10を112回掛けた数。もっと簡単に言うと1の後に0が112個ある数だな」
育「そんな……じゃあ矜羯羅は無量大数よりもずっとずっと大きい。……無量大数が最強じゃなかったの!?」
じゃなかった、「こんがらどうじ」って読むから
矜羯羅は「こんがら」が一般的じゃない?
サンスクリットでどう読むかまでは知らん
それだ!
参考にしてるサイトを見ながら何か違和感を覚えていたんですよ
今後も間違いがあれば指摘してほしいです!
間違えてました!!
・頻波羅(びんばら)が10の56乗
・矜羯羅(こんがら)が10の112乗
が正しいです!
なので(こんがら)と読み替えてください!
(恥ずかしい……)
育「う……」
P「俺はまだまだ行けるぞ」
P「阿伽羅(あから)」
P「最勝(さいしょう)」
P「摩婆羅(まばら)」
育「うわあああん! そんなの知らないよー!」
P「へっへっへ。ちなみに摩婆羅は10の896乗な」ドヤァ
育「うわあああん! Pさんがいじめるー!」
P「阿婆羅(あばら)」
P「多婆羅(たばら)」
P「界分(かいぶん)」
育「ひっく……ひっく……」
P「ぐへへへへへへ!」
??「普摩(ふま)」
P「!? ──誰だ!?」
瑞希「しゃきーん。瑞希参上だぞ」
育「瑞希さん!」
瑞希「P、大人げないぞ」
P「仕掛けて来たのは育だし、手を抜くほうが失礼だと思わないか?」
瑞希「なるほど。では中谷さんに代わり私がお相手します。──手は抜きません」
P「不動(ふどう)!!!」
瑞希「!」
P「ははは、驚いたか! 不動は10の7881299347898368乗だぞ!」
育「そんな……めちゃくちゃだよ……」
P「ふはははははは!」
瑞希「…………」
瑞希「極量(ごくりょう)」
P「なにィ!?」
育「強そう!」
瑞希「極量は10の15762598695796736乗です。不動を凌ぎます」
P「ぐ……流石瑞希。一筋縄ではいかないか」
瑞希「えっへん」
P「無尽(むじん)!!!」
瑞希「ぐっ……!」
育「無尽って無尽合体キサラギの無尽?」
P「そうだ。無尽は10の138649284399962590788701913088乗。キサラギの最終形態に相応しい巨大さだ!」
P「でも本人のバストは72のまま」
育「かわいそう」
瑞希「無我(むが)」
※無我:10の554597137599850363154807652352乗
P「ぐふっ!」
P「青蓮華(しょうれんげ)!!」
※青蓮華:10の2218388550399401452619230609408乗
瑞希「っ……!」
※無量転:10の567907468902246771870523036008448乗
P「かはっ!」
P「無辺転(むへんてん)!!」
※無辺転:10の2271629875608987087482092144033792乗
瑞希「あっ……!」
瑞希「無等転(むとうてん)」
※無等転:10の9086519502435948349928368576135168乗
P「ごほっ!」
瑞希「はぁ……はぁ……私もです。流石P」
育「なんで二人とも息切らしてるの?」
P「しかしここから先は『不可』の領域。発言側もただでは済まないぞ」
瑞希「覚悟の上です」
P「ならば行くぞ──!」
P「不可数転(ふかすうてん)!!」
※10の36346078009743793399713474304540672乗
P&瑞希「ぐはっ!」
瑞希「不可称転(ふかしょうてん)……!」
※10の145384312038975173598853897218162688乗
P&瑞希「あふっ!」
育「お互いがダメージを受けてる……」
育(なにやってんだろ)
※10の581537248155900694395415588872650752乗
P&瑞希「ぐほっ!」
瑞希「不可量転(ふかりょうてん)……!」
※10の2326148992623602777581662355490603008乗
P&瑞希「あべしっ!」
P「不可説転(ふかせつてん)!!」
※10の9304595970494411110326649421962412032乗
P&瑞希「ぎゃっ!」
瑞希「くっ……これでどうですか──!」
瑞希「不可説不可説(ふかせつふかせつ)……!!」
※10の18609191940988822220653298843924824064乗
P&瑞希「ぐわあああ!」バリバリバリ!
育「なんか電気ショック受けてるみたいになってる!」
瑞希「そんな。まだ立っていられるなんて……!」
育(瑞希さんが珍しく動揺してる)
P「流石だ瑞希。まさかここまでやるとは思っていなかったぜ……!」
P「──だがもう無理だ。諦めろ」
瑞希「…………」
P「分かっているはずだ。次で最後だと」
瑞希「っ……!」
P「不可説不可説を耐えた時点で俺の勝ちは決まった。次の攻撃を俺に撃たせないでくれ」
瑞希「それでも……」
瑞希「それでも私は……諦めたくありません。トップアイドルになるために!」
育「関係あるの?」
P「そうか……」
瑞希「はい」
P「育!!」
育「は、はい!」ビクッ
P「よく見ておけ」
育「──!」
P「これが──」
P「最強のォォォ───!!」
P「不可説不可説転(ふかせつふかせつてん)だああああああ!!!」ズドォーン!!
※10の37218383881977644441306597687849648128乗
P「そうだこれが最強の」
瑞希「グーゴルプレックス」
P「えっ」
瑞希「グーゴルプレックスです、P」
P「…………」
P「…………なにそれ」
瑞希「グーゴルプレックスは10のグーゴル乗です」
瑞希「グーゴルは10の100乗なので、10の(10の100乗)乗となります」
瑞希「つまり、10の10000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000乗で、不可説不可説転を上回ります」
P「ひいいいいいいい!!」ジョボボボボ
育「うわぁ! Pさんが漏らした!」キタナイ!
瑞希「ちなみに適当にググってコピって来たので、0の数が合っているかは不明です」
瑞希「ググると言えば、グーゴルとグーゴルプレックスは、検索エンジンで有名なグーグル社の名前の由来だったりします」
育「瑞希さんすごーい!」
瑞希「えっへん」
瑞希「好奇心から調べました。見てみたかったんです。ミリオン(10の6乗)の先を」
P「──!!」
瑞希「Pは気にならなかったのですか? ミリオンの先が」
P「あ……あ……」ジョロロロロ
P「俺は……P失格だ……!」ジョロー
育「そうだね」
瑞希「──!」
P「誰だ!?」
琴葉「Pは私達の先を見てくれています。その証拠に、不可説不可説転はミリオンを圧倒的に凌駕しているじゃないですか」
育「琴葉さん」
琴葉「だから自分を責めないでください。──そして、Pの意志は私が受け継ぎます!」ザッ
P「琴葉……!」
瑞希「……なるほど。次は琴葉さんがお相手ですか。分かりました」
瑞希「私のグーゴルプレックスを打ち破れるものなら、打ち破ってみてください」
琴葉「…………」ゴゴゴゴゴ
瑞希「!! それは……!」
P「更に強そうな名前だが、これは?」
瑞希「グーゴルデュプレックス。またの名を──グーゴルプレックスプレックス」
育「プレックスが二個付いたよ」
P「グーゴルプレックスが10のグーゴル乗だった。ということはまさか──!」
琴葉「そうです。グーゴルデュプレックスは10のグーゴルプレックス乗。10の(10の(10の100乗)乗)乗です」
P&育「うっそだろおい」
琴葉「エセトンプレックスやグーゴルプレクシゴングでもよかったんですけど、分かりやすく力の差を見せつけるにはグーゴルデュプレックスがいいかなと」
※エセトンプレックス:10の(10の303乗)乗
※グーゴルプレクシゴング:10の(10の10万乗)乗
琴葉「どう、瑞希ちゃん?」
瑞希「流石です琴葉さん。ですが失策でしたね」
琴葉「──!」
瑞希「そのような返し方をされては、私も本気を出さざるを得ません──」
琴葉「!!」
P「デュプレックスに対してトリプレックス……ということは!」
瑞希「そうです。グーゴルトリプレックスは、またの名をグーゴルプレックスプレックスプレックスと呼びます。10のグーゴルデュプレックス乗です」
瑞希「つまり、10の(10の(10の(10の100乗)乗)乗)乗です」
ゴゴゴゴゴ!!
育「あ、地震だ!」
P「大地が……いいや、地球が、宇宙が悲鳴をあげている。急激な数の膨張に耐えられないんだ」
育「そんなに大きい数ってこと?」
P「そんなレベルじゃないさ。少なくとも、観測可能な宇宙の素粒子の総数(10の80乗)はとっくに超えているんだ」
P「このままじゃ全宇宙が崩壊するぞ!」
※10のグーゴルトリプレックス乗=10の(10の(10の(10の(10の100乗)乗)乗)乗)乗
瑞希「グーゴルクインプレックス!」
※10のグーゴルクアドリプレックス乗=10の(10の(10の(10の(10の(10の100乗)乗)乗)乗)乗)乗
琴葉「グーゴルセクスティプレックス!!」
※10のグーゴルクインプレックス乗=10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の100乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗
瑞希「グーゴルセプティプレックス!!」
※10のグーゴルセクスティプレックス乗=10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の100乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗
※10のグーゴルセプティプレックス乗=10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の100乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗
瑞希「グーゴルノニプレックス!!!」
※10のグーゴルオクティプレックス乗=10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の100乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗
琴葉「グーゴルデシプレックス!!!!」
※10のグーゴルノニプレックス乗=10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の100乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗
琴葉「ど……どう……?」ハァハァ
瑞希「っ……ピンチだぞ、瑞希……!」ハァハァ
P「……お、終わったのか?」
瑞希「いいえ。まだです」
瑞希「こう……なったらっ───!」
琴葉「!? それはダメ!!」
P「これは──!!」
育「え!!?」
※10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(
10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(10の(
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10の100乗
)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗)乗
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────宇宙は崩壊した。
瑞希「いえ」
琴葉「私も本気を出さないとね」
育「まだやるの!? 宇宙崩壊したんだけど!」
P「二人にとって宇宙は狭いのかもな。それから解き放たれた今、本当の戦いが始まる……!」ジョロロロロ
育「Pは早くトイレ行ってよ」
瑞希(さあ、来てください琴葉さん)
瑞希(なにが来ようとも、私のグーゴルヨタプレックスで返り討ちにしてあげます)
※10の10の10の……と、ヨタ+1回繰り返して最後に100乗した数。
※ヨタとは、メガやギガの上位。10の24乗。杼(じょ)
琴葉「…………」
琴葉「グ……」
瑞希(さあ、なにが──)
琴葉「グラハム数」
瑞希「あ……あ……」ガタガタ
瑞希「ほ、本気なのですか」
琴葉「うん。私も自分で言って震えてる」ブルブル
P「なんだなんだ? グラハム数ってのはそんなに大きい数なのか?」
育「琴葉さん、グラハム数は10の何乗なの?」
琴葉「グラハム数はね、10じゃなくて3から始まるの」
育「そうなんだ。3の何乗なの?」
琴葉「ええっと、3の──」
琴葉「………………………………」
琴葉「ごふぁっ!!」
琴葉「だ……大丈──」ゴフッ!
P「どうしたんだ!?」
瑞希「ひょっとして、グラハム数を指数で表そうとしたのですか?」
琴葉「育ちゃんのためにと思ったけど、流石に無理だったみたい」
瑞希「スーパーコンピューターでも無理ではないでしょうか。たぶん」
P「そんなにヤバイのかグラハム数」
瑞希「琴葉さんは休んでいてください。私が解説します」
琴葉「ごめんなさい。お願いね」
瑞希「いえ」
瑞希「それがいかに巨大かを感じるためには、まず『クヌースの矢印表記』を知る必要があります」
育「くぬーすの矢印表記?」
瑞希「はい。クヌースと言う人が巨大数を表現するために発明したもので、別名『タワー表記』と呼びます」
瑞希「矢印表記と言いつつ上矢印(↑)しか使わないので、タワー表記と呼ぶ方が分かりやすいかも知れません。右矢印(→)を使う表記法が別にあったりしますし」
育「なんだか難しそう」
瑞希「指数が分かれば簡単なので安心してください」
瑞希「中谷さん、『3+3+3+3』という同じ数で足し算を繰り返す式があるとします。これをもっと簡単に書くにはどうすればいいですか?」
育「えっと……掛け算で『3×4』って書けばいいの?」
瑞希「ぴんぽん。正解です」
瑞希「では『3×3×3×3』の場合はどうでしょう? 同じ数で掛け算を繰り返しています」
育「さっきまで使ってた指数で『3の4乗』って書けばいいよね!」
瑞希「ぴんぽん。またもや正解です」
育「えへへ♪」
瑞希「ところで『○の△乗』と書くのは面倒なので、ここからは『○^△』と書くことにします」
P「え……っと、う~んっと……」
育「あ! もしかして、それをするのがタワー表記?」
瑞希「ぱんぱかぱーん。大正解です」
育「やったー♪」
瑞希「中谷さんの言うとおり、指数表記の繰り返しを簡単に書くための物がタワー表記です」
瑞希「数字と数字の間に『↑』を書くことで実現します」
瑞希「例えば『2↑3』と書くと『2^3』を意味します。x↑y=x^y ということです」
P「それだと繰り返してなくね?」
瑞希「この『↑』は何個でも書くことができて、『↑↑』と書くと『↑』の繰り返し。『↑↑↑』と書くと『↑↑』の繰り返しを意味します」
P&育「???」
瑞希「『5↑↑4』の場合は『5↑5↑5↑5』と同義で、『5^5^5^5』を表します」
育「なんとなく分かってきた」
瑞希「ではP、先ほどの問題です。『3^3^3^3』をタワー表記で書くとどうなりますか?」
P「えーっと、3が4つあるから……『3↑↑4』?」
瑞希「ぴんぽん。正解です」
P「わーい!」
育「『3^3^3』だよね!」
瑞希「それを10進法──つまり普段の数字で書くと?」
育「計算してみてってこと? えーっと……」
瑞希「ヒントです。指数表記は右から順に計算します」
育「つまり、
3^3^3 = 3^3×3×3 = 3^27
だから……」
瑞希「7,625,597,484,987 となります」
瑞希「すみません。矢印を一本増やしただけで爆発的に数が増えると言うことを説明したかったのです」
育「ほんとだ! 『3↑3』は27なのに、矢印を一本増やして『3↑↑3』にするだけで一気に増えてる!」
瑞希「それを踏まえて説明の続きです──」
瑞希「先ほど少し言いましたが、『↑↑』が『↑』の繰り返しを意味するように、『↑↑↑』は『↑↑』の繰り返しを意味します」
瑞希「例えば『2↑↑↑3』は『2↑↑2↑↑2』と同義です。2を3個書いて、数字と数字の間に矢印を一つ減らした『↑↑』を書きます」
瑞希「『5↑↑↑4』の場合は『5↑↑5↑↑5↑↑5』と同義です」
P「えーっと……まず、
3↑↑↑3 = 3↑↑3↑↑3
だよな」
瑞希「はい。そして指数と同じように右から計算します」
P「分かりやすくカッコを付けてみよう── 3↑↑(3↑↑3)」
P「この(3↑↑3)から先に計算する、と」
P「さっき
3↑↑3 = 7,625,597,484,987
と言っていたから、
3↑↑3↑↑3 = 3↑↑7,625,597,484,987
となる」
P「つまり、3↑3(3^3)を 7,625,597,484,987回繰り返す……ってそんなもん計算できるかーっ!!」
瑞希「はい。コンピュータでなければ、とても計算できません」
瑞希「この『3↑↑↑3』は『トリトリ』と言って、先ほど私が言った『グーゴルセンチプレックス』よりも大きいです」
P「今までの流れからすると、『3↑↑↑↑3』は『3↑↑↑3↑↑↑3』と同じってことか?」
瑞希「はい。
3↑↑↑↑3
=3↑↑↑3↑↑↑3
=3↑↑↑3↑↑3↑↑3
=3↑↑↑3↑↑7,625,597,484,987
となります。もはや訳が分かりません」
育「あ! ひょっとしてこの『3↑↑↑↑3』が、琴葉さんが言ったグラハム数?」
P「なるほど。確かにグーゴルセンチプレックスより遥かに大きいな」
瑞希「──いいえ」
瑞希「グラハム数はこんな小さな数ではありません。『3↑↑↑↑3』さえ足元にも及ばない、遥か彼方の巨大な数です」
瑞希「今からその説明をします」
育(何本だろ。5本? 6本?)
P(まさか10本、100本、1000本なんて言うんじゃあ……)
瑞希「3↑↑↑↑3本」
P「……え?」
育「どういうこと?」
瑞希「3↑↑↑↑3本です」
P&育「………………」
瑞希「どうしました?」
P「想像の斜め上すぎて理解するのに時間が……これは確かに計算できないな」
育「とんでもない大きさだね、グラハム数って」
P「まだとは?」
瑞希「ここで終わりではありません。説明はもう少し続きます」
瑞希「3と3の間の"↑"が4本のものを『G』、3↑↑↑↑3本のものを『G2』と定義することにしましょう」
P「ええっと、つまり……
G = 3↑↑↑↑3
G2 = 3("↑" × G本)3
──ってことか」
育「た、たぶん分かった。かも」
P「プレーンテキストだと表現が難しいなぁ」
P「ちょっとまって」
瑞希「はい」
P「なんか読めてきたんだけど」
瑞希「流石Pです」
P「正気の沙汰じゃない」
瑞希「そうかも知れません」
育「もー! 二人で納得してないで私にも教えてよ!」
P「さっきの式に瑞希が言った『G3』を追加すると、
G = 3↑↑↑↑3
G2 = 3("↑" × G本)3
G3 = 3("↑" × G2本)3
──となる」
育「それは分かるけど、Pさんは何に気がついたの?」
P「すぐに分かるよ。瑞希、続けてくれ」
P「つまり──
G = 3↑↑↑↑3
G2 = 3("↑" × G本)3
G3 = 3("↑" × G2本)3
G4 = 3("↑" × G3本)3
──こうなる」
育「また式が増えたね」
育「…………あ」
P「気づいたか」
育「これまだグラハム数になる途中なんだよね……。いつまで続くの?」
瑞希「この入れ子の作業を63回繰り返した『G64』がグラハム数となります」
育「…………」
P「な? 正気の沙汰じゃないだろ?」
育「なんでこんなこと……」
育「琴葉さん」
瑞希「もう大丈夫なのですか?」
琴葉「うん」
琴葉「グラハム数は数学の証明で使われた最大の数としてギネスブックに載っているのよ」
育「へー!」
P「続き!?」
育「この上があるの!?」
琴葉「グラハム数は数学の問題を解くために生まれた巨大数ですけど──」
琴葉「とにかく大きい数を表現しようとして生まれた巨大数が、まだまだ沢山存在するんです」
琴葉「それらはグラハム数を遥かに上回る」
瑞希「…………」
琴葉「瑞希ちゃんは知っているんでしょ?」
瑞希「はい」
琴葉「じゃあ──やりましょうか」
瑞希「分かりました。──最終ラウンドです」
琴葉「っ……!」
育「お魚さん?」
P「可愛らしい名前だな」
琴葉「その可愛らしい名前とは裏腹に、ふぃっしゅ数はグラハム数を余裕で凌駕します」
P「ヒエッ」
琴葉「日本人のふぃっしゅっしゅ氏が発明したもので、おそらく日本ではグラハム数に次ぐ知名度を誇ります。たぶん」
琴葉「ふぃっしゅ数の恐ろしいところは、進化する巨大数だというところです」
育「進化?」
琴葉「現状ふぃっしゅ数はバージョン1~7まであります。バージョン1の時点でグラハム数が置き去りにされるほどの巨大さなのに、バージョンを上げる毎に爆発的に巨大化しています」
※ただしバージョン4だけはバージョン6と7の間の大きさ。
琴葉「その進化し続ける様は、さながらゲッターエンペラーのよう」
P「そう聞くと全然可愛らしくないな」
琴葉「でも私はその上を知っています!」
瑞希「なんと。ふぃっしゅ数値バージョン2さえ超えてきましたか。では──」
瑞希「夏おこじょ数」
育「また可愛い名前」
琴葉「第二多重境界数」
瑞希「それは確か、ふぃっしゅ数バージョン3より大きかったですね」
瑞希「ふぃっしゅ数バージョン5」
琴葉「フラン数第四形態改三」
瑞希「トリデカトリックス」
瑞希「そ、それはもはや計算不可能レベル……!」
P「今までは計算可能だとでも?」
P「つーかさっきから琴葉の言ってるやつ東方Projectみたいだな」
琴葉「よく分かりましたね」
P「え?」
琴葉「過去に東方っぽい巨大数を作って遊ぶイベントがあったそうで、東方巨大数といいます」
P「えぇ……」
瑞希「しかし稀神サグメ数ですか。これは厄介だぞ」
琴葉「……」
育「また出たふぃっしゅ数!」
P「計算不可能レベルまで来たのにまだあるのか。凄いな」
琴葉「でもバージョン7ということは、もうふぃっしゅ数のストックはつきたね。ならこれでどう──!?」
琴葉「リトルビッゲドン!!」ドン!!
瑞希「ビッグフットで来るかと思いましたが、まさか超えてくるとは」
P「リトルなのかビッグなのかどっち? どっち?」
瑞希「どっちもです。リトルビッゲドンは途方もなく巨大ですが、同時に小さくもあります」
P「いや意味分かんないんだけど」
瑞希「リトルビッゲドンがあるということは、ビッグビッゲドンがあるということです──!」
琴葉「──!」
琴葉「そ、それは……」ガクリ
P「どうした琴葉!?」
琴葉「私の負けです。サスクワッチは私が知る中で最も大きい」
P「おお、遂に出たか最強!」
育「瑞希さん、サスクワッチの先もあるの?」
瑞希「いいえ。私が知る中でもサスクワッチが最も大きいです」
育「そうなんだ」
育「二人とも最初からサスクワッチって言えばいいのに」
P「育だって最初から無量大数って言わなかっただろ」
育「あそっか。ごめんなさい」
P「そう言えば途中で俺と代わったんだったな。忘れてたよ」
瑞希「中谷さん、勝ちました。ぶい」
育「おめでとう瑞希さん!」
ガチャ
恵美「やっほ! なにしてんの?」
琴葉「恵美」
育「今ね、相手より大きい数の単位を言えるかってゲームしてたんだ!」
恵美「どゆこと?」
育「万、億、兆、京……みたいな」
恵美「あーなるほど! みんな暇なんだね!」
育「」
P「」
瑞希「」
琴葉「」
琴葉「瑞希さんが最強のサスクワッチを言って勝ったところ」
恵美「え、琴葉負けちゃったの?」
琴葉「うん」
恵美「よーし、じゃあ私が敵を打ってあげるよ」
琴葉「え!?」
瑞希「所さん、サスクワッチの上をご存知なのですか?」
琴葉「というか存在するの?」
恵美「にゃはは、そんなの簡単だよ~」
恵美「じゃ、いくよ──!」
琴葉「……」ゴクリ
瑞希「……」ゴクリ
恵美「無限」
琴葉「うわあああああああああああああ」
瑞希「うわあああああああああああああ」
育「うわあああああああああああああ」
P「うわあああああああああああああ」
みんな「うわあああああああああああああ」
おしまい
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コメント一覧 (22)
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- 2019年03月13日 18:08
- アレフ数というものがあってだな...
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- 2019年03月13日 18:20
- 2のアレフゼロ乗とかアレフ1こえるんじゃないっけ?
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- 2019年03月13日 18:22
- 斬新だったけど飽きてきて飛ばした
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- 2019年03月13日 18:28
- ふぁっ!?
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- 2019年03月13日 18:35
- 無限は数というより概念だから…
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- 2019年03月13日 18:50
- まーたミリマスが宇宙を崩壊させたのか
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- 2019年03月13日 19:00
- SCPで巨大数計算しないと(解読失敗しても)地球がヤベェ、んでそれに使おうとしてるのも計算にかかる時間次第じゃ太陽系がヤベェってのとか、開いたページに載ってる単位と出てくる物次第じゃ宇宙がヤベェってのあったな
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- 2019年03月13日 19:01
- はい絶対無限
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- 2019年03月13日 20:42
- Ωはどーなのよ
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- 2019年03月13日 21:06
- 単位ではない「無限」が使用可能なら
概念的には「無」が最強でしょう
法則もないから不可能も無い
全知全能と同じ
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- 2019年03月13日 21:58
- キン肉マンの話じゃなかったのか・・・
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- 2019年03月13日 22:43
- 俺バカだからよくわかんねーけどオベリスクの巨神兵より弱ーってことだろ?
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- 2019年03月13日 23:21
- 遊戯王キッズきもい
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- 2019年03月14日 01:29
- サスクワッチに2掛けた数に適当に名前つけろや
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- 2019年03月14日 08:39
- どんなジャンプ漫画でもここまでのインフレはないな
あったら鼻からスパゲティ食べてあげるよ
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- 2019年03月14日 20:30
- >>15
ドラゴンボールがやってるんだよなぁ
ドラゴンボールの宇宙は無限の大きさで
その宇宙の10倍の大きさの球状世界を悟空は破壊しかけてるし
今の悟空はその状態の数百倍以上強い界王拳20倍ブルーにもなれる
破壊神ともなるとその球状世界が喧嘩をしただけで複数消滅するし
全王はその球状世界18個が存在していて、
豆粒に見えるほど巨大な世界そのものを
軽く消滅させる
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- 2019年03月22日 18:34
- >>18
はいラッキーマン
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- 2019年03月14日 18:07
- 数えられる無限と数えられない無限というのがあってだな…(以降大学数論)
未来ちゃ「1、2、3、4、…いっぱい!」
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- 2019年03月14日 18:58
- >>16
未来ちゃかしこい
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- 2019年08月04日 00:43
- >>16
5進数
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- 2019年03月15日 19:13
- なんでだろうかトランスリアルがふと頭に浮かんだな
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- 2019年08月02日 00:37
- 強到達不能基数で議論を終了してはどうだろうか