【モバマス】千夜「おい、お前」モバP「ん?なんだ?」
千夜&イベコミュのネタバレ注意、砂糖成分多目注意
(解釈違いだったら)すまんな
千夜「あなたは……アイドルプロデューサー?」
モバP「えぇ、そうです」
千夜「お嬢さまから『ここへ行け』と言われたと思ったら……。まさかこんなところとは……」
モバP(以下P)「先ほども説明いたしましたが、ここはアイドルのオーディション会場です。どうです?アイドルになりませんか?」
千夜「……お話は分かりました。では、アイドルのお仕事、承ります」
P「え?いいのですか?」
千夜「意外に思われるでしょうが、これも戯れでしょう。なら、つきあうのみです」
P「戯れでもなんでも構いませんよ。有望なアイドルの原石が転がっているなら、是が非でも拾いに行きます」
千夜「私にそんなこと言うなんて、アイドルのオーディションというものは形式的なものなのですね」
P「いや、そういうわけでは……」
千夜「まぁいいです。今後についての詳細は別途連絡してください。では」バタン
P「……」
P「"お嬢さま"に負けず劣らず、良いアイドルになると思うんだけどなぁ……」
千夜「あなた……いえ、お前くらいでいいか」
P「ん?なんだ?」
千夜「いえ、お前の仕事ぶりを見ていると、思うところがあります」
P「どうかしたか?」
千夜「私をアイドルにするのはいいですが……。こう、やけに手回しが良かったなと思いまして」
P「あー、なんだ、そんなことか」
千夜「そんなこと、とお前に言われるのはシャクですが……。まぁ、私はお嬢さまのついでみたいなものですからね。たいして手間もかからなかったのでしょう」
P「そんなことないんだけどなぁ……」
千夜「お前もお嬢さまに振り回されたのでしょうから、『そんなことはない』なんてないでしょう」
P(むしろスカウトしたちとせより、あんな無茶なオーディションした千夜の方が社内処理に手間かかったんだよなぁ)
千夜「……まぁ、いい。こんな私でも今はアイドルになってしまったのです。そんなことをしたお前の仕事ぶりには……笑えてくる、といえば、理解できますか」
P「言ってくれるなぁ……。これでも頑張ったんだぞ?」
千夜「お前がお前自身の為に頑張るのは当たり前でしょう」
P「そりゃまぁ……。確かにそうだな」
千夜「分かればいい、分かれば」
P(まあ、でもこれ絶対"お嬢さま"のためだと勘違いしてるよなぁ……。別に良いけど)
千夜「……?どうかしました?なにか私の顔についてますか?」
P「いや何でもないよ」
千夜「何でもないならこちらをじっと見ないでください」
P「ひどい……」
千夜「おい、お前」
P「ん?なんだ?」
千夜「この衣装はなんだ?」
P「この衣装は……って、デビューのための衣装だが?衣装合わせに何か問題でも?」
千夜「お前はこの衣装が世間一般的に何と呼ばれているか知っていますか?」
P「メイド服だろ?」
千夜「分かっててやったのですか。お前が日々考えていたアイドル像が、この姿……へぇ……」
P「なんだ気に入らないのか?似合っていると思ったんだが」
千夜「くっ……。似合っているという表現が、どんな時でも褒め言葉になると学校で習いましたか?」
P「学校ではそんなこと習わなかったなぁ……。というか担当アイドルを褒めるのに学校なんて不要だよ」
千夜「嫌味もわからないのですか?」
P「残念ながらそれも学校では習わなかったんでな。でもなんだかんだ言って、良い衣装だろ?」
千夜「儀礼的であったとしても、分かりやすくて面白いものを。お前の考えた私のアイドル像とは、そういうものなのですね」
P「まずはな。折角『お嬢さまに仕えている』なんていう特徴があるんだ。アイドルとして覚えてもらうのにこれ以上ない特徴なんだから、活かさない手はないさ」
千夜「……まぁいいでしょう。私という人形を、上手く使いこなすさまを見せてください」
P「……俺はお前を人形だなんて思ってないさ」
千夜「そんな歯が浮くような台詞を……。まぁ、いいでしょう。演技をすればよいのでしょう。アイドルには、アイドルの演技を。どうせその内にいなくなりますから。それまで邪魔します」
P「なるべく千夜を長い間アイドルとして輝かせるのが俺の仕事なんだけどなぁ……。まぁいいや、これからよろしく頼むよ」
千夜「ご勝手に。衣装合わせはもういいでしょう。この衣装を脱いで、レッスンに行ってきます」
P「おう、頑張ってな」
千夜「おい、お前」
P「ん?なんだ?」
千夜「お嬢さまとのユニットなど、よく思いつきましたね」
P「んー、まあな。スカウトした時から考えてたことでもあるし」
千夜「ほぅ?では最初からそういうつもりだったわけですか」
P「でも二人の仲の良さがあってこそだぞ」
千夜「仲の良さ……まあ確かに世界で一番、お嬢さまを知っているのはこの私でしょうが」
P「そうだろ?ならユニットでも上手くいくさ」
千夜「……でも、だからこそ心配なのです。お嬢さまの隣に立つのが私で良いのかと……。お嬢さまに並び立つことができるのかと……」
P「出来るさ」
千夜「何を根拠に」
P「それは……俺が千夜とちとせのプロデューサーだからかな?」
千夜「は?」
P「千夜を見たときになんとなくそう思ったんだ。『ちとせと組ませたら面白くなる』って」
千夜「そんな勝手な……」
P「確かに勝手かもな。俺だってまだ千夜のことを少ししか知らないし、全てを知ってるわけじゃない」
千夜「そうでしょう。そもそもまだ知り合ってあまり日も経ってないですし」
P「そうだな。でも一目見た時に『これはいける』と思ったんだ。多分、二人の仲もそうだし、千夜自身のポテンシャルも感じ取れたんだ」
千夜「……随分と高く買っているのですね。お嬢さまならともかく、この私を」
P「じゃなきゃ"お嬢さまの戯れ"だとしても千夜をアイドルになんかしないさ」
千夜「……」
P「だから大丈夫。千夜とちとせなら絶対出来る。会ったばかりの俺をまだ信頼できないかもしれないけどさ」
千夜「……」
P「信じてるぞ、千夜」
千夜「……まぁ、期待されてることは分かりました。善処はします……」
千夜「おい、お前……」
P「ん?なんだ?」
千夜「その……昨日は、ありがとう……ございました」
P「ユニットライブの打ち上げのことか?いいんだよ、いつもやってることだから」
千夜「それもありますが……。お嬢さまとユニットを組ませて頂き、あのステージを用意してくれたこともです」
P「……」
千夜「従うだけだった私が、お嬢さまと並び立つ機会を得られた。そして並び立つことも出来た。これはお前がいなければ、出来なかった経験です。感謝してます」
P「……」
千夜「どうしたのですか?鳩が豆鉄砲食らったような顔をして」
P「……本当に変わったな、まさかあの千夜がそんなことを言ってくれるなんて」
千夜「だから言ったでしょう、お前に変えられてしまったのだと」
P「ちとせも言ってたけど、いい変化だよ」
千夜「そう……ですね。きっとそうなのでしょう」
P「ついでに俺への呼び方も変化したりしない?」
千夜「は?どうしてですか?」
P「デビュー衣装の件はともかく、今回の件で俺を尊敬したかなーって思って」
千夜「はぁ……」
P「ため息をつかれた……」
千夜「そういうところですよ。自分で言ってしまうところが残念です」
P「辛辣」
千夜「大体、私もお前もお嬢さまに振り回される身。同じような身の上なのですから、やはりお前の呼び方なんて『お前』で充分です」
P「そんな……今回のライブまでの出来事を通して、親密度が上がって、アイドルの信頼を得られたと思ったのに……」
千夜「やけに説明口調っぽいですね……」
P「まぁ、いいや」
千夜「……自分で言っておきながら、なんだか軽くありませんか?」
P「大切なのは呼び方じゃなくて、実際の関係だからな」
千夜「ほぅ?」
P「呼び方はなんであれ、千夜から信頼されればそれでいいし、信頼されるように努力するだけさ」
千夜「……」
P「だからこれからもよろしくな、千夜」
千夜「……まぁ、考えておきます」
P「おぅ、よろしく」
P「なぁ、千夜」カタカタ
千夜「なんですか?」
P「コーヒー淹れてくれない?」カタカタ
千夜「何故私に?」
P「いや、この前、事務所でちとせにコーヒー淹れてたのを見てさ。すごく美味しそうな匂いしてたから気になってさ」
千夜「お嬢さまならともかく、お前のリクエストに応える義務はありません。コーヒーなら自分でどうぞ」
P「担当アイドルが冷たい……。仕事を頑張ってやってるというのに……」
千夜「お前がお前自身の為に頑張るのは当たり前でしょう、と前にも言ったでしょう?」
P「シクシク」
千夜「大の男が泣いても気持ち悪いだけです」
P「そして容赦の欠片もない……」
千夜「お前に対して容赦する必要はないですからね」スック
P「あれ?給油室の方に行くのか?あんなこと言いつつコーヒー淹れてくれたり?」
千夜「違います。お前とコーヒーの話をしてたら自分で飲みたくなっただけです」
P「……さいでっか」
===
=
P(あー……コーヒーのいい匂いがしてきたなぁ……。同じ品物のはずなのに、俺が自分で淹れるのとどうしてこんなにも違うんだろうか?)
千夜「ふぅ……」
P「おかえり、千夜……ってあれ?」
P(カップを二つ持ってる?)
千夜「両手が塞がると不便ですね」コトッ
P「千夜……これは?」
千夜「考え事をしていたら多く淹れすぎただけです」
P「え?」
千夜「捨てるもの勿体ないので、ここに置いておきます。飲むなら勝手にどうぞ」
P「……ありがとな、千夜」
千夜「礼を言われる筋合いはありません。お前のためにやったわけではありませんから」
P「それでも嬉しいよ」ズズッ
千夜「そうですか」
P「あぁ……美味いな」
千夜「…………」
千夜「おい、お前」
P「ん?なんだ?」
千夜「お前、昼飯にそんなものを食べてるのか」
P「そんなものって……。コンビニ弁当の何が悪いんだよ」
千夜「お前は昨日の昼飯を覚えているか?」
P「カップラーメンだったけど?」
千夜「一昨日は?」
P「時間がなくて、ウィダーインゼリーとカロリーメイトだったな」
千夜「その前日は?」
P「確か……コンビニ弁当だったな」
千夜「全く……。気づいていないかもしれませんが、最近見る限りそればかりですよ」
P「いや……昼は何かと忙しくてな。つい、こういう簡単なものに頼ってしまうんだよ」
千夜「そうですか……。まぁ、お前も日中はお嬢さまのプロデュースで忙しいでしょうからね」
P「そうそう」
千夜「ただ……よもや、朝食や夕食もそんな調子ではないでしょうね?」
P「……」
千夜「……」
P「…………」
千夜「…………はぁ……」
P「……なんか……すまん……」
千夜「お嬢さまをみているお前がそんな調子でどうするのですか。そんな生活していればいつか倒れますよ?」
P「……すまん」
千夜「お前が倒れたら一体誰がお嬢さまのプロデュースをするのですか?もっと責任感を持って生活しなさい」
P「……はい」
千夜「……とはいえ、男の一人暮らしではいくら気を付けようとも限界があるでしょう」
P「……うん?」
千夜「だから……」
P「……だから?」
千夜「……その……お前の分の昼飯くらいは用意することだってできるのですよ……?」
P「……うん?」
千夜「だ、か、ら!お前の分の弁当を用意したっていいのですよ!どうせお嬢様や私の分も用意するので、手間は一緒なのですから!」
P「お、おう……。……ん?それって千夜が俺の分の弁当を作ってくれるって話……?」
千夜「……ッ!察しの悪い奴は嫌いですよ!」
P「え?あぁ……。うん、じゃあ頼むよ……」
千夜「分かればいい。……長居しすぎました。それではレッスンに行ってきます」バタンッ
P「……」
P「なんか押し切られちゃったけど、俺、もしかしたら現役JKアイドルの手作り弁当を毎日食べる流れになってる……?」
ちとせ「ねぇ、千夜ちゃん?」
千夜「なんでしょうか、お嬢さま?」
千夜「夕食のことでしょうか?それなら今ちょうど、支度ができたところです」
ちとせ「あ、うん。そうじゃなかったんだけど……。まぁいいや、ありがとう。まずは食べよっか♪」
千夜「はい」
ちとせ「ねぇ、千夜ちゃん、そういや最近どう?アイドルの方は?」
千夜「どう、とは……?同じ事務所でプロデューサーが同じなのですから、状況はある程度は分かっていらっしゃるのでは?」
ちとせ「んー……確かにそうなんだけど……。最近、別々のお仕事が増えてきたじゃない?」
千夜「確かにユニットとして動くことが以前より少なくなってきましたね」
ちとせ「というより、他のアイドル達とのお仕事が増えてきたんじゃない?」
千夜「振り返ってみれば確かに……」
ちとせ「多分あの魔法使いが意図的にやってるんだろうけど。色んな千夜ちゃんが見れて私は嬉しいよ♪」
千夜「お嬢さま……」
ちとせ「だから最近の千夜ちゃんについて知りたいなって思ってね。前は楽しいって言ってくれたけど、最近はどうかなって思って。それにどうせなら、私は千夜ちゃんの口から聞きたいし♪」
千夜「なるほど、そういうことでしたら」
ちとせ「で、どう?」
千夜「そうですね……。前よりももっと楽しめるようになった……と思います」
ちとせ「ふーん?」
千夜「仕事の内容も私が望むもの……というより合っているものが多いので、やりやすいですし」
ちとせ「ふんふん」
千夜「正直『こんなことまでやるのか』と思う時もありますが、後々振り返ってみれば、良い経験になることが多いです」
ちとせ「思った以上に楽しめてるみたいだね、アイドル」
千夜「そう……でしょうか……?」
ちとせ「顔を見ればすぐ分かるよ。なんたって世界で一番、千夜ちゃんのことを知ってる私がそう思うんだもん。良かったね、千夜ちゃん♪」
千夜「お嬢さまにそう言って頂けるなら……アイドルを続けてる甲斐があったというものです」
ちとせ「うんうん」
千夜「……まぁ、そのアイドルの仕事もあいつが企画していると思うと少しシャクですが……」
ちとせ「うん?あの魔法使いのこと?」
千夜「あ、いえ……特に何でもありません」
ちとせ「じー」
千夜「お嬢さま、そういうものは普通は声に出さないものですよ」
ちとせ「……そういや最近、別々の仕事が多いけど……。つまりは千夜ちゃん、魔法使いと二人きりになること多いんじゃない?」
千夜「」ピクッ!
ちとせ「なんかあたしと一緒にいる時でも、偶に魔法使いの方を目で追ってる時があるし」
千夜「」ピクピクッ!
ちとせ「そういや前にお弁当を作ってた時に、私と千夜ちゃんには入ってなかった料理をわざわざ作ってなかったっけ?」
千夜「」ピクピクッピクッ!
ちとせ「…………千夜ちゃん……もしかしてさ……」
千夜「お、お嬢さま……?」
ちとせ「あの魔法使いのことが好きなの?」
千夜「……」
ちとせ「……」
千夜「…………」
ちとせ「…………」
千夜「………………」
ちとせ「千夜ちゃん?」
千夜「な、なんでしょうか、お嬢さま……?」
ちとせ「固まってるけど大丈夫?」
千夜「え、えぇ、大丈夫です。逆にお尋ねしますが、何故私が大丈夫ではないと思われたのですか?」
ちとせ「どう考えても動揺してるじゃない?千夜ちゃんったら、かーわいい♪」
千夜「」シーン
ちとせ「あら……これは本格的にダメそうね」
千夜「……どう、なのでしょうか……?」
ちとせ「どう、とは?」
千夜「私は……あいつのことが……その……す、す、好き、なのでしょうか……?」
ちとせ「うーん……」
千夜「お嬢さまは……どう思われるのですか?」
ちとせ「私?私の意見はねー」
千夜「……」ゴクリッ
ちとせ「教えなーい♪」
千夜「え?」
ちとせ「だって、それって私の意見でどうこうなるものじゃないでしょ?それに千夜ちゃんだと、私の意見に引っ張られて、余計に混乱しそうだし」
千夜「そ、それは……」
ちとせ「だからね、千夜ちゃん。私はね、千夜ちゃんの心に従って欲しいと思うの。『私の僕』じゃなくて『白雪千夜』として答えを見つけて欲しいの」
千夜「私の心に……」
ちとせ「そう。でもきっと千夜ちゃんなら必ずできる。世界で一番、千夜ちゃんのことを知ってる私が、そう保障してあげる」
千夜「お嬢さま……。分かりました……お嬢さまがそこまで仰られるなら、必ず答えを見つけてみせます」
ちとせ「うんうん♪楽しみにしてるね♪」
千夜「はい」
ちとせ(まぁ、どう見ても千夜ちゃんは恋しちゃってるんだけどね……。あの魔法使いに負けず劣らず、千夜ちゃんも鈍感だから、これくらい言わないと絶対気が付かないだろうし……というか認めないだろうし)
ちとせ(それはそれとして、もうちょっと焚きつけよっかな?そっちの方が面白そうだし♪)
ちとせ「そういや今度、魔法使いと二人で出かけるんだよね♪二人ともオフの時に♪」
千夜「えっ?!」
ちとせ「確かその日の千夜ちゃんはー……一日中予定が入ってた気がする♪」
千夜「一体なんですか!それは!」
ちとせ「あれ?言ってなかったっけ?」
千夜「聞いてません!あいつと二人きりなんて……お嬢さまの身が危ないですよ!」
ちとせ「え?そう?千夜ちゃんはよく二人きりになってるのに?」
千夜「それは仕事だからです!オフの時など会ったことありません!」
ちとせ「あら、そうなの?まあ大丈夫でしょ、彼、紳士的だし♪」
千夜「そういう問題では……」
ちとせ「じゃあ、どういう問題かしら?あ、千夜ちゃんも今度誘ったら?確か今度のオフの日、彼も空いてたはずだから♪」
千夜「だからどうしてそうなるのですか!」
ちとせ「もたもたしてると、彼、私の魅力に憑りつかれちゃったり?」
千夜「……」
ちとせ「そうでなくてもライバルは多そうでしょ?なら、早めに誘った方がいいんじゃないかな?」
千夜「…………考えておきます……」
千夜「お、おい、お前……」
P「ん?なんだ?」
千夜「そ、その……この前のオフにお嬢さまと遊びに行ったそうだな?」
P「ん……?あ、あぁ……あのことか。確かに一緒に出掛けたぞ。ちとせから聞いたのか?」
千夜(やはり、本当だったのですね……!い、いえ、お嬢さまを疑ったわけではありませんが……)
P「まぁ、遊んだというより一日中振り回されたと言った方が正しいけどな」
千夜(こうなれば致し方がない……。言うしかない、言うしかないが……。お嬢さまなら……お嬢さまなら、こんな時なんて言う……?)
P「おかげでオフだというのにすっかり疲れちまったよ……って、千夜?話を聞いてるか?おーい?」
千夜「お、おい!お前!」
P「おぅ……!なんだ、急に……?」
千夜「明日のオフ、私に付き合え!」
P「は?」
千夜「だから私に付き合えと言っているのだ!お嬢さまと同じように!」
P「え?ちとせと三人で?」
千夜「え……あ……うっ……」
P「どうした口をパクパクさせて。いいぞ、千夜がいるなら、ちとせも少しは手加減してくれるだろう」
千夜「二人で……」ボソッ
P「ん?」
千夜「二人で、だ!お嬢さまはいらっしゃらない!」
P「は?」
千夜「明日、十二時に駅で集合です。分かりましたか?分かりましたよね?」
P「分かり……ました」
千夜「それならいいです。では、明日」パタン
P「……」
P「嵐のような勢いだったな……」
P「ん?千夜か?」
千夜「えぇ、はい」
P「ビックリした。いつもと服装の雰囲気が全然違ったから、一瞬気が付かなかったよ」
千夜「……変装も兼ねてますから」
P「あぁ、なるほどね。でも似合ってて可愛いぞ。こういう路線も全然有りだな」
千夜「……」バシッ!
P「イテッ!いきなり何するんだよ!」
千夜「虫がいたので」
P「絶対嘘だろ……。まぁ、いいや、これからどうするんだ?」
千夜「えっ?」
P「えっ?って、昨日『付き合え』って言っただろ?どこか行きたいところがあるから誘ったんじゃないのか?」
千夜「……」
P「……」
千夜(しまった……誘うのと今日の準備で頭が一杯になって、肝心なことを忘れていた……)
P「おーい、千夜ー?」
千夜(どこへ行く?全く思いつかない……。こういう時に『行きたいところ』など、今まで考えたこともなかった……)
P「……とりあえずさ、昼飯時だし、まずは飯を食おうか。オススメの場所があるんだ」
千夜「そ、そうなのですか。なら、そのお前のオススメとやらを吟味してやります」
P「……なんでそんな上から目線なの?」
千夜「……」バシッ!
P「イテッ!」
千夜「うるさい。いえ、失礼、うるさい虫がいたので」
P「……なんか理不尽」
千夜「おい、お前」
P「ん?なんだ?」
千夜「なんだ……その……いやに手馴れてたじゃないか」
P「今日のことか?」
千夜「えぇ、そうです」
P「んー?まぁ、なんとなく行きたい場所に行っただけだよ」
千夜「……もしかして、前にお嬢さまと行った場所と同じところを?」
P「そんなわけあるか。ちとせの時は振り回されっぱなしだったって言っただろ?」
千夜「じゃあ、今日行った場所は……」
P「だから言ったろ?行きたい場所に行っただけだと」
千夜「そうですか。なら夜景が見えるこの場所も、お前の行きたかったところだと」
P「そうだ」
千夜「……夜景が綺麗ですね」
P「そうだな」
千夜「それに周りも静かです」
P「そうだな」
千夜「まるでここは……」
P「ここは……?」
千夜(まるでここは……恋人達が逢引する場所だとか思ってしまったじゃないか!この馬鹿!)
P「おーい、千夜?また、固まってるよ……。今日はなんだか多いな……」
千夜「何でもない、何でもないです!というか一体何なのですか!こんなキザな場所に連れてきて!」
P「……実はな、さっき今日は『俺が行きたい場所』って言っただろ?」
千夜「え、あぁ……」
P「それはな、『千夜と一緒に行きたい場所』っていう意味だったんだよ」
千夜「え?」
P「なにもな、俺だって考え無しにこんなところに連れ回したりしないよ」
千夜「それはどういう……」
P「千夜、今日は楽しかったか?」
千夜「……えぇ、とても。それこそ、今まで経験したことないくらいに」
P「そうか……それは良かった」
千夜「良かった……?お前はそれだけで満足なのですか?」
P「え?」
千夜「だ、か、ら!それだけで満足なのですかと聞いているのです!」
P「……千夜、顔がめっちゃ赤いぞ」
千夜「誰のせいだと思ってるのですか?」
P「……すまん」
千夜「いま必要なのは謝罪の言葉ですか?」
P「…………すまん」
千夜「……三度目はありませんよ?」
P「その、すm……いや、今言うべき言葉はこれじゃないな」
千夜「……」
P「千夜、俺はお前のことが──」
千夜「お、おい……あ、あなた……?」
P「え?今なんて?」
千夜「なんでもない」
P「いま、俺のことを『あなた』って呼ばなかった?」
千夜「なんでもない!」
P「なんだ……。折角恋仲になったのだから、呼び方を変えてくれるかと思ったのに」
千夜「ウッ……。そ、そうです、そう思ったから変えて呼んでみたのです!」
P「嬉しいなぁ」
千夜「でも実際呼んでみたら、予想以上に気持ち悪かったです。鳥肌がたちました」
P「……悲しいなぁ」
千夜「なので、そう呼ぶのはやめようと思います」
P「…………寂しいなぁ」
千夜「大体、いきなり距離感が変わるというのも変でしょう。今までこれでやってきたというのに」
P「まぁ、確かにそれもそうだがな」
千夜「それに……その……」
P「ん?」
千夜「……お前はこのままの私を好きになってくれたんだと思ってます。無理に変える必要がありますか……?」
P「……」
千夜「……」
P「……照れてる?」
千夜「照れてないです」
P「ホントに?」
千夜「三度目はありませんよ?」
P「……はい」
千夜「……ん、まぁ、ひとまずは今まで通り接してくれれば助かります」
P「まぁ、まだプロデューサーとアイドルだからな。そっちの方が良いかもな」
千夜「そういうことにしておいてください」
P「でも、いつかは『あなた』って呼んでくれたり……?」
千夜「……何を馬鹿なことを言っているのですか」
P「馬鹿って言われた……。デレるのをちょっと期待してたのに……」
千夜「そんな馬鹿なことを言っているから、一向に距離感が変わらないのですよ。だから──」
千夜「──お前の呼び方なんて、『お前』で充分ですよ。ばーか」フフッ
千夜が可愛かったので勢い余って書きました。
甘くしないつもりだったのに気が付いたら甘くなってた…
(解釈違いだったら)すまんな…
千夜に『お前』と呼ばれながらもなんだかんだ良い感じに付き合っていきたい人生だった…
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- フレデリカ「怪談ごっこ、その2」
コメント一覧 (49)
-
- 2019年03月10日 16:22
- 喧嘩を売ってるわけじゃない、煽ってるわけじゃないけど、死んでみたら面白いんじゃないかな?
-
- 2019年03月10日 16:42
- 他とちがってSSという場で料理しても若干イラッとくるな
-
- 2019年03月10日 16:48
- SS自体と関係無いけどデレマスSSって画像ダイマあんまやらないよね
興味あるならググるなりログインすればいい話なんだけどさ
-
- 2019年03月10日 17:11
- 給油室が気になる
のあさんが燃料補給してそう
-
- 2019年03月10日 17:51
- この白黒コンビはちょっと好きになれそうにない
-
- 2019年03月10日 18:05
- まゆ「いま、わたしのPさんのことお前って言いました?」
-
- 2019年03月11日 10:30
- >>7
美玲(ヤバイ)
社長(ヤバイ)
-
- 2019年03月10日 18:14
- 俺の本名が「高橋 お前」なんだけど、名前呼びされてるみたいでめっちゃ嬉しいわ
-
- 2019年03月10日 19:33
- ※4
昔はよく画像あったなぁ
-
- 2019年03月10日 20:19
- 幸子の時も時子の時もりあむん時もなんだかんだで受け入れられたからヘーキヘーキ
でもどこぞのフェアリー属性ズの如く牙を抜かれそうやな
-
- 2019年03月10日 21:27
- ※2
お前が死んだら呵呵大笑してやるよ
死んだら面白いんだろ?
-
- 2019年03月10日 21:42
- >>11
マジで煽ってるわけじゃないんだって
コミュでもわざわざ「永くない」とか仄めかしてるし、むしろここでピンピンしてたら気持ち悪くない?
-
- 2019年03月10日 21:31
- 今も親愛度MAXで若干牙抜かれてるからな
どうせしばらくしたら批判派の大多数は手のひら返しするから問題なし
それまでに他アイドルとの衝突話なんかしたらアウトだが…流石に公式もそれはわかっとるやろ
-
- 2019年03月10日 23:13
- >>12
ここからリカバリーしても手のひら返しするほどの人気にはならなそう
-
- 2019年03月10日 21:36
-
とても素晴らしかったです……
-
- 2019年03月10日 22:18
- 千夜が千枝に、ちとせがちひろに一瞬見間違えてしまう
-
- 2019年03月10日 22:21
- つかさ社長に対してもだけど、お前呼びはほんと無理
-
- 2019年03月10日 22:22
- 本能的に苦手なタイプと本能的に嫌いなタイプ
-
- 2019年03月10日 23:20
- 人目に付く所で〇〇ちゃまとか我が友とか〇〇殿とか呼ばれるよりは、お前のがよっぽどマシソンだわ
-
- 2019年03月11日 04:23
- お前ーっ!
プロデューサーがなーっ アイドルをなーっ
ゆるさーーーん!! (バシーン)
-
- 2019年03月11日 07:53
- 実際の呼び方ならちゃま呼びとかの方が異質だけど
金注ぎ込んでる人達からしたらお前呼びは「はぁ?」ってなりそう
-
- 2019年03月11日 09:14
- この名前、千枝ちゃんと空目するからやめてほしい
-
- 2019年03月11日 10:41
- 何度も言われてることだけど
二人称の呼び方がデフォでお前みたいな社長拓海みたいなタイプ(特に悪意自体はない)と
そういう呼び方がアカンって分かっていながら貴方からワザとお前呼びした(悪意ある)こいつとを
一緒に分類するのもなんか違うだろ
-
- 2019年03月11日 10:42
- つかさの「お前」呼びは自分が社長である事のプライドと自信、そしてPをビジネスパートナーとして見ているから理解出来る
美玲の「お前」呼びも、最初は強がりな性格の少女らしさと大人の男に対する恐怖感、今では仲間として認めてる信頼感が表されてる
時子の躾は彼女の哲学だからと理解してる
コイツの場合はただの見下しだから虫唾が走る
-
- 2019年03月11日 10:50
- まあまあ落ち着いて
-
- 2019年03月11日 12:27
- >>26
落ち着いて(さっさと黙れ)
やめーや
他人の気遣いに甘えすぎ
-
- 2019年04月17日 02:07
- >>27
とは言うが、
メタな話これはアイドル育成ゲームだ。リアルではない。
悪い意味でなく、単なるゴッコ遊びなんだ。
つまり「いずれ彼女も心を開く」ことが約束されてるよーなもんなの。
むしろこの程度で「不快だ」とか抜かす奴は虚構と現実の線引きが上手く出来てない奴。
ゲームに向いてない。
-
- 2019年03月11日 12:38
- 新人のくせに仕事を取ってきてくれる相手を見下してお前呼びなんてされた日には、即説教だわ。
それで変わらんようならお嬢様から注意してもらえるように促して、それでも変わらんようなら干すしかない。
辞めるまでレッスンだけやってればいいさ。
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- 2019年04月17日 02:12
- >>28
ほら、こーやって現実と混同する奴が湧いて出てくるwww
何に腹立ててんの? この非現実女子に? それとも作ったバンナムに?
非現実女子に腹立てて「俺なら…」とか語りだすとか超ウケるwwwwww
バンナムに腹立てるのは勝手だけど、お前みたいなのが湧くことくらい折り込み済みでリリースしてるだろう事を社会人なら察しろよと。
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- 2019年03月11日 13:20
- このSSだけ見てると、明らかに見下してる感が強いな
何にせよ新人の子にいきなりお前呼ばわりされたらムカっとは来るだろ
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- 2019年03月11日 16:49
- いや時子よりはマシだろ
最近になって実は優しい的な後付けされてるのが余計に虫酸ダッシュ
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- 2019年03月11日 17:24
- 公式での掘り下げに期待しよう
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- 2019年03月11日 18:57
- 2次元の年端もいかないガキの態度一つとってムキになってんじゃねーよ
今までロクな人間関係なんて築いて来なかったんだろうし、これからの社会経験の中での成長を見守ろうぜ
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- 2019年03月11日 20:52
- ※28
そこにな、挨拶しただけで不機嫌になる歌姫がいるだろ?
まあ先輩みたいに丸くなるでしょ
相当なテコ入れされるか、何か面白属性追加されたりとか
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- 2019年03月11日 21:08
- かわいいな流石従者かわいい。これが所謂クーデレってやつ?たまらねえぜ。
個人的にちとせんごちゃん様も頂きとうござるのでif編あくしろよ
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- 2019年03月11日 22:17
- お前って御前のことでしょ?めっちゃ慇懃無礼やんけ
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- 2019年03月11日 23:33
- 何故彼女は批判されるのに時子はされないんだろうな、暴言に暴力もやってるのな
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- 2019年03月12日 01:05
- 時子は人気もくっそ低いから公式がフォローに必死だけど
二次では1周まわってギャグキャラ扱い
嫌ってるユーザーよりも無関心なユーザーが多い
モブキャラより少し上くらいの立ち位置
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- 2019年03月12日 01:23
- 時子のテコ入れは
「実は優しい演出」よりも
「周りも慕ってる演出」が気持ち悪い
不人気救済に他のキャラを利用すんなっての
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- 2019年03月12日 07:36
- 時子"様"だろ言葉遣いに気を付けろ
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- 2019年03月12日 09:56
- >>39
Pには申し訳ないが何もしてないのに暴力を振るう人を様付け出来ないわ
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- 2019年03月12日 08:32
- 数少ない担当P達が※39みたいな微妙なネタ振ってくるのも不人気の一因だろうな。
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- 2019年03月12日 21:52
- あんな攻撃的な時子が実は優しいっていう後付けは流石に無理があるわ
運営の頭を疑うレベル
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- 2019年03月13日 03:07
- 新キャラは今のところあきらりあむの2強だろうな
ちとせは顔というかちょっと目の描き方にクセあって苦手だわ
というかあのキャラ付はたぶん運営持て余す(大して広げられない)と思う
千夜はまぁ見た目は嫌いじゃないし
クソ提督とかクズ呼びで鍛えられてるので二次創作でデレたの書かれるの待ってるわ
あ、SSは良かったです
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- 2019年03月13日 10:24
- あかりんごもすこんご
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- 2019年03月15日 16:49
- まあ少なくとも名前で呼べ。
おいお前は無いわ。殴られても仕方ないレベルやで。
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- 2019年04月03日 11:00
- ああ^〜ほんとかわいい...
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- 2019年04月16日 18:38
- キャラ付けとはいえいちいち腹立つよなコイツ。
こんなキャラ用意しても訓練されたPは見放さない、なんてバンナムはどんだけPに甘えてんだ。
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こっからどう料理していくのか興味ある