男「大丈夫、気を失ってるだけだ」友「やばくねーかそれ」
女「なによ!」
友「おい二人とも、喧嘩はよせって……」
男「このっ!」ドンッ
女「きゃっ!」ドサッ
ガツッ!
シーン…
友「お、おい……倒れたまま動かないぞ」
男「大丈夫、気を失ってるだけだ」
友「やばくねーかそれ」
友「なんでって……意識がないってことは脳みそにダメージいってる可能性あるし……」
男「じゃあ話しかけてみるか」
男「おーい!」
友「大丈夫かー!」
シーン…
友「やばい、全然起きないぞ」
男「大丈夫、反応がないだけだ」
友「いやいやいや、んなことないだろ!」
友「とりあえず、息してるのか確認しようぜ!」
男「分かった」
シーン…
友「やべえ、口も鼻も微動だにしてない……」
男「大丈夫、呼吸してないだけだ」
男「呼吸してないだけなら、睡眠時無呼吸症候群の可能性もある」
友「どう見ても睡眠じゃないだろこれ!」
男「とにかく、鼓動を確認してみよう。心臓さえ動いてれば問題ない」
シーン…
友「動いてないぞ!」
男「大丈夫、心臓が止まってるだけだ」
男「分かった、分かった」
男「起きろ」
バシッ!
友「殴るのかよ!?」
男「これが一番手っ取り早いんだ。起きろ」
バシッ! バシッ!
シーン…
友「強く殴りすぎだろ! 出血してるぞ!」
男「大丈夫、血が出てるだけだ」
男「仕方ない、もっと強く殴るか」
友「ちょっ」
男「起きろ、起きろ、起きろ」
バキッ! ドカッ! バキッ!
ボキッ!
ブラーン…
友「首が変な風に曲がっちゃったぞ!」
男「大丈夫、首が折れてるだけだ」
友「どうすんだよ、どうすんだよぉ!?」
男「……」
友「さっきまではまだ助かる可能性あったけど、これじゃもう絶望的だ……」
男「大丈夫、諦めるだけだ」
男「ほら、お前も手伝え」
友「なにするつもりだよ?」
男「こうするんだ」
ザクッ ザクッ ザクッ
友「まさか……」
男「大丈夫、穴を掘ってるだけだ」
友「あくまで気を失ってるって言い張るのね」
男「上から土をかけてしまえば……」パッパッ
男「これでよし」ペタペタ
友「これでよしって……これ完全な死体遺棄じゃねーか!」
男「大丈夫、埋めているだけだ」
友「帰るって……いいのかよ、本当に!?」
男「大丈夫、逃げるだけだ」キュルル…
ブロロロロ…
友「……なぁ」
友「これからどうすんだよ? 彼女が行方不明になったって知れたら俺ら絶対疑われるぞ」
友「特にお前は恋人だったんだし……」
男「今日俺らは彼女と会ってないと言い張るしかないだろうな」
友「言い張るしかないって……それでどうにかなるのかよ!?」
男「大丈夫、ほとぼりが冷めるのを待つだけだ」
男「……」
友「……」
まぁ~…… てぇ~……
友「ん?」
友「おい、なんか後ろから『待て』って聞こえなかったか?」
男「大丈夫、幻聴が聞こえてるだけだ」
友(後ろを……)クルッ
友「ゲッ!?」
女「待ぁ~~~……てぇ~~~……」ドドドドドッ
友「ひ、ひいいいっ! 死んで……埋めたはずの彼女が走ってきたぁ! メチャクチャ速いぞ!」
男「大丈夫、追いかけてきただけだ」
女「ドアを開けなさい、開けなさい、開けなさい」
ガンッ! ガンッ! ガンッ!
ピシッ…
友「なんつうパワーだ!」
男「大丈夫、窓にヒビが入っただけだ」
友「完全に回り込まれた! 通せんぼされたァ!」
友「ど、どうしよ!? とりあえず停車した方が――」
男「……」
男「大丈夫、アクセルを踏んで轢くだけだ」グンッ
ブオオオオオオッ
女「ぐぶっ!」
ドザァッ
キキィーッ!
友「やりやがった……こりゃ今度こそ死んだだろ……」
男「大丈夫、最高速度でハネ飛ばしただけだ」
女「ふふふ……やるじゃない」
友「ひいいっ!? まだ生きてるの!?」
男「やはりな……」
男「念のため、ショットガンを持ってきておいてよかった」ジャキッ
ドンッ! ドンッ! ドンッ!
女「ぐおおおおっ!!!」
友「や、やりすぎだァ!」
男「大丈夫、体に穴があいただけだ」
友「ウソだろォ……!? レンコンみたいになってた体が元通りに……!」
男「……」カチッカチッ
男「ちっ、弾切れか」
女「さあ、二人とも……観念なさい。まとめて地獄に送ってあげるわ」ザッザッザッ
友「どうすんだよ、どうすんだよォ!?」
男「大丈夫、今までのことを正直に話すだけだ」
女「どうして私を生き埋めにしたのか……きちんと説明してもらうわ!」
男「分かった、説明しよう」
男「実はかくかくしかじか」
友(本当に正直に話しちゃったよ……)
男「……というわけだ」
女「なーんだ、それだけのことだったの!」
友「……へ」
男「俺こそ殴ったり、地面に埋めたり、車で轢いたり、ショットガンで撃ったりしてごめん」
女「私が愛してるのはあなただけよ!」
男「大丈夫、俺も愛してるのは君だけだ」
ギュッ…
友「……」
男&女「あ」
女「私たちのケンカに巻き込んじゃってごめんね!」
男「スコップで穴掘らせたり、一緒に逃げたり、散々な目にあわせちゃったな」
男「本当にすまなかった!」
友「大丈夫、どんなことがあろうとも俺はお前達の友人でいるだけだ」
おわり
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コメント一覧 (10)
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- 2019年03月08日 22:03
- こういうのは基本的に好き
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- 2019年03月08日 23:00
- ターミネーチャンか何かか?
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- 2019年03月09日 00:12
- 歯医者ネタかと思った
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- 2019年03月09日 00:26
- ???「バケモンにはバケモンを~」
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- 2019年03月09日 00:30
- 彼女が追いかけてきた瞬間までは面白かった
そこから先はカス
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- 2019年03月09日 01:00
- ここ最近つまらないものしかないですね
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- 2019年03月09日 20:32
- 捻りがないSSがこうしてまた一つネットの海に沈んでいった
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- 2019年03月09日 20:42
- 最後にとんでもない事起きて友が気を失ってタイトルで閉めて欲しかった
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- 2019年03月09日 21:03
- ツマンネ
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- 2019年03月16日 00:24
- 好き