女「やだ、あなたの部屋ティッシュまみれじゃない!」男「バレてしまったか……」
男「こっちが俺の部屋だよ」ギィィ…
男「ゲ!」
男(ヤバイ、部屋の掃除全然してなかった!)
女「……!」
女「やだ、あなたの部屋ティッシュまみれじゃない!」
女「このティッシュってもしかして……」
男「バレてしまったか……」
女「へ?」
男「はぁっ!」
ビュオアッ!
女(大量のティッシュが舞い上がった!?)
女「と思ったら、彼がいなくなってる!」
男「こっちだよ」
女(いつの間に後ろに!?)
男「君の察しの通り、俺は今やった技“ティッシュ紙吹雪”の練習中だったんだ」
女(全く察してなかったんだけど……)
男「お、興味湧いた? 嬉しいなぁ!」
男「他にはえーと……」
男「たとえば、このティッシュ、君でも一枚を二枚にすることはできるだろう?」
女「うん、ティッシュって薄いのが二枚重なってたりするものね」
男「だけど俺なら――」
ヒラヒラヒラヒラヒラヒラヒラヒラヒラ…
男「一枚を百枚くらいにすることもできる」
女「すげえ!!!」
男「どう投げようとゴミ箱にホールインワンできる」ポイッ
ストンッ
男「カーブ、フォーク、スライダー」ポイッポイッポイッ
ストトトンッ
男「10個同時投げ」ポポポポポイッ
ストトトトトトトトトトンッ
女「おお~!」パチパチパチパチパチ
男「台風の日なら、数km先でもいけると思う」
女「Hなことには使わないの?」
男「H?」
女(この反応……本気で分かってないみたい)
男「ああ、分かった! “鼻(Hana)をかむ”ってことか!」
男「もちろん使うよ!」チーン
女「違う!」
女「え、私は……」
男「俺のティッシュはとてもよく鼻をかめるんだよ」
女(鼻をかむのに“俺の”もなにもないと思うんだけど……)チーン
ドロッ
女「うをおおおっ!?」
男「ほら、ティッシュ! もっと! もっとかんで!」サッサッ
ドバババババ ドバババババ
女「ふん! ふん! ふーんっ!」チーンッ
女「……」
女「スッキリしたぁ~」
男「だろ?」
女「コンプレックスだった鼻声が、嘘のように解消されたわ!」
女「私……なんだか歌いたくなってきちゃった! ねえ、今からカラオケ行かない?」
男「うん、行こうか!」
女「そうよ、私は恋するイノシシ♪」
女「猪・突・猛・進~♪ あの人に突進してみせるわ~♪」
男「とてもよかったよ!」パチパチパチ
女「ありがとう! じゃあ次はあなた歌って!」
男「え、俺も!?」
女「うん、一人で歌ってもつまらないし」
男「よーし……」
男「桃クリネックス柿八年~♪」
女(なんなのこの歌……)
女「だけど歌唱力はすごいわ! イエェーイ!」
男「ありがとーっ! スコッティーッ!!!」
ワイワイ… ガヤガヤ…
「ボウリングで勝負だ! 負けねえぞ!」
「あっちで闘牛ショーってのやってるって! 行ってみようぜ!」
「ねえねえ、アイドルが逮捕されたんだって!」
女「今日は休日だからか、街も賑やかね」
男「うん、活気にあふれてるね」
友人「はぁ……なかなか受け取ってもらえないなぁ」
友人「――ん」
男「やあ」
友人「よう!」
男「なにやってるんだ?」
友人「ティッシュ配りのバイトをやってんだけど、これがなかなか苦戦しててさ……」
友人「このままじゃノルマ達成するの夜中になりそうだよ……」
男「ふうん、だったら手伝ってやろうか?」
男「あ、そっか」
女「私はいいわよ」
男「えっ、いいの?」
女「あなたがどんなティッシュ配りするのか見てみたいし……」
男「ありがとう!」
友人「じゃあ、よろしく頼むぜ。もちろん礼はするから」
男「任せといてくれ!」
女(ティッシュマスターのティッシュ配り……こいつは必見だわ!)
男「ほいっ、ほいっ、ほいっ、ほいっ、ほいっ」サッサッサッサッサッ
友人「すげえ! みるみるうちにティッシュがなくなってく!」
女「きっと彼の手を介すると、みんなティッシュを受け取りたくなっちゃうのね!」
男「ほいほいほいほいほいほいほいほいほいほいほいほいほいほいほい」サササササササササッ
ササササササササササ…
男「ほら、全部配ったよ」
友人「……はっや! マジ助かったぜ!」
女「うん」
DQN「おいてめえ」ザッ
友人「?」
DQN「さっき、このティッシュに書いてある店に行ったんだがよ……」
DQN「ブスばっかだったじゃねえか! どうしてくれんだコラァ!?」
友人「そ、そんなの俺の責任じゃ……。店の人に言って下さいよ!」
DQN「てめえがティッシュ配ってるからこうなったんだろうがァ! 覚悟しやがれ!」
友人「ひ、ひいいっ!」
DQN「あ?」
男「俺の友達は一切悪くないと思うんですけど……」
DQN「お前、こいつのダチか! だったらお前もボコってやる! 連帯責任だァ!」
男「そんなムチャな……」
DQN「このぉっ!」ブオンッ
男「……」コチョコチョ
女(ティッシュでこよりを作って、自分の鼻を……)
男「ふぇ、ふぇ……」
男「ふぇっくしょん!!!!!」ブオオオッ
DQN「うわあああああああっ!?」ドザァッ
女(すごいくしゃみ! あんなこともできるんだ!)
男「俺がティッシュを持ってる以上、大人しく帰った方がいいですよ」
DQN「ブッ殺してやる!」ギラッ
女「きゃっ!」
友人「ナ、ナイフ!」
男「だったら俺もティッシュで相手をしよう」ネジネジ…
男「こよりフェンシングで!」ジャキーンッ
女(ティッシュがまるで剣みたいになった!)
キンッ! ガキンッ! キンッ!
DQN「くっ!?」
女「こよりでナイフと互角以上に戦ってるわ!」
男「そらっ、そらっ、そらっ」ヒュッヒュッヒュッ
DQN「ひいっ!?」キンッキンッキンッ
男「ほいっ」ヒュッ
ピタッ
DQN「うぐっ!」
DQN「ま、参りましたぁ!」
友人「や、やったぁ!」
女「こよりでナイフに勝っちゃった……」
女「さっきはかっこよかったよ!」
男「ハハ、ホントはあまり暴力沙汰にティッシュを使いたくないんだけどね」
女「暴力だなんて、相手を傷つけたわけでもないし……」
ドドドドド…
男「ん?」
女「けたたましい足音が聞こえてきたわね」
男「牛!?」
女「闘牛だわ!」
男「そういえば、さっき闘牛ショーをやってるって話してる人がいたな……」
女「きっとそこから逃げ出しちゃったのよ!」
男「……くっ!」
男「いや、あの牛を放っておくわけにはいかない……。死人が出るかも……」
女「そりゃそうだけど……」
男「来い!」サッ
女「そんなティッシュでどうするつもり!?」
男「……」ヒラヒラ…
闘牛「ブモッ!?」ピクッ
女(まさか……やるつもりなの!? ティッシュで闘牛士を!)
男「はっ! てやっ!」
ヒラリッ ヒラリッ
闘牛「ブモモォォォォォォォッ!!!」ドドドドドッ
ヒラリッ ヒラリッ
女「マタドールだわ! 和製マタドールだわぁ! オオ、セニョール!」
男「オーレ!」バサッ
オォ~!
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ…!
ワァァァァァ……!
男「ハハ、ありがとう」
女「今夜はステーキね!」
男「いや、あの牛は食べないけどね。飼い主に返そう」
男「ところで……」
女「?」
男「興奮する牛と戦ってたら、俺もなんだか興奮してきてしまった」
女「えっ、それってまさか……」
男「ああ、ぜひとも君にHなことをしてみたいんだ!」
女「は、はいっ!」
女(やだ、唐突なんだからもう!)
男「じゃあ、ここで……」
女(えぇーっ!? こんなところで!?)
男「お、ちょうどいいところにベンチがある」
女(やだ、茂みとかじゃなくベンチでぇ!?)
男「じゃあ、さっそくHなことをさせてもらうよ」
女「は、はいっ!」
男「さぁ、どうぞ! ここに座って!」
女「え、これってまさか――」
男「うん、H(ハンカチ)なことだけど」
女「あらら……」ガクッ
女(ま、いっか)
女(ティッシュのように真っ白なこの人とは、気長に付き合っていこうっと!)
おわり
「男女」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (5)
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- 2019年01月27日 22:09
- おもろい
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- 2019年01月27日 22:28
- 操作系か
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- 2019年01月27日 23:19
- お馬鹿ネタでここまで引っ張れたのは評価に値する
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- 2019年01月28日 02:10
- で、おしりに敷いたハンカチが自由自在に動いて女の子のお尻があんなことやこんなことに
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- 2019年01月28日 20:33
- 久しぶりにまともなss読んだわ