【ゾンビランドサガ】ゆうぎり「誰もが持っている」
サキ「姐さん?」
ゆうぎり「ちょっと訊きたいことがあるんどすが」
サキ「なんね?」
ゆうぎり「わっちは、そない貫禄がある女なんどすか?」
サキ「急にどがんしたと?」
「5号さんの貫禄すげー」
「あら間違いなく、修羅場を潜ってきとる風格たい」
「なんか、持っとるもん持っとらすね」
ゆうぎり「って、言わはったんどすわ」
ゆうぎり「ほんまに?」
サキ「いやまぁ、時代劇とかだと花魁って『姐さん』と呼び慕われとるし」
ゆうぎり「確かにお仲間の娘達からも、そない呼ばれてましたわ」
サキ「それにグラサンもゆっとったけど、明治維新の裏にこの人ありの『伝説の花魁』ってことは、そりゃもうすごか人なんやろなぁって想像出来るたい」
サキ「あたしはあくまで特攻隊長。総長……つまりリーダーである麗子には敵わんばい」
ゆうぎり「やけども、今はリーダーやってはります」
サキ「んまぁ、まとめ役として適任やかなかとかねぇ」
ゆうぎり「ふふっ」
サキ「?」
ゆうぎり「サキはんも貫禄がありすんなぁ、って」
サキ「いやいやぁ」
純子「あっ、いらしてたのですか」
ゆうぎり「あら、純子はん」
サキ「よっ」
純子「お二人が珍しいですね」
サキ「そうか?」
純子「何の話をしていたのですか?」
サキ「貫禄、かな?」
純子「貫禄?」
純子「えっ、あっ、はい」
ゆうぎり「どの辺りが」
純子「その、なんと言いますか……ダイナマイトというかミサイルというか」
ゆうぎり「言ってる意味がよく分かりまへんけど」
純子「いえ、こっちのことです。はい……」
サキ(なんとなく気持ちは分かるばい)
ゆうぎり「ほぉ」
純子「練習の時もそうですが、動きがとても綺麗で堂々としていて」
サキ「花魁だからやなかと?」
ゆうぎり「舞はありんしたが」
ゆうぎり「芸事も花魁の勤めどす」
サキ「姐さんは位的にはどの辺りで?」
ゆうぎり「太夫でありんしたかなぁ」
サキ「すごかと?」
純子「確か花魁の位でもトップだったかと」
サキ「姐さんもトップスターやんけ! さすがの貫禄や」
純子「なんと言いますか、頂点にいる人のことを指します」
ゆうぎり「でしたら、純子はんも愛はんもリリィはんも、そのとっぷすたーどすなぁ」
純子「いやいや、私はまだそんな」
サキ「謙遜するんやなか」
ゆうぎり「そうどす。幸太郎はんも言ってたました」
純子「えっ、なんてですか?」
ゆうぎり「純子はんのイケボは貫禄がある、と」
サキ「姐さん、それ何?」
ゆうぎり「知りまへん」
純子「えぇ……」
サキ「箱?」
ゆうぎり「愛はんが調べものしてたあの」
純子「もしかしてパソコンですか?」
ゆうぎり「その『ぱそこん』や思はるんどすけどな。それを見ながら」
幸太郎「4号の歌声はイケボだなぁ、って書き込みが多いなぁ……」
ゆうぎり「そない、言うてはりましたわ」
純子「は、はぁ」
純子「し、知りませんよ。最近の言葉なら私はあまり詳しくありませんし」
サキ「んー、言葉のニュアンスからしてアレだな」
純子「アレ、とは?」
サキ「池の草がボーボー」
サキ「『池』の草が『ボ』ーボー」
純子「意味が分かりません!」
サキ「言ってるあたしも分からん」
純子「もぉ!」
サキ「そういや愛の奴、朝から見とらんけど」
純子「愛さんなら日の出前に出掛けましたよ」
サキ「何処に?」
純子「猪狩りに」
サキ「なんで?」
純子「さぁ」
サキ「あいつも何考えてっか分かんねぇなぁ」
ゆうぎり「それもまた、愛はんの面白いとこどす」
純子「それが大きいか小さいかは別ですけどね」
ゆうぎり「わっちは大きいんどす?」
純子「確実に一番です」
サキ「純子。多分おめぇの考えだと、ちんちく除いたあたしは一番小さくなるんやなかと?」
純子「な、何を言ってるんですか!?」
サキ「やっぱそっち方面か!」
ゆうぎり「母親?」
純子「みんなが争っていても、それを鎮めてまとめるような貫禄が」
ゆうぎり「わっちに母親は早いでありんす」
サキ「それやと、たえが分からん」
純子「では享年順に」
サキ「たえが母親やぞ」
ゆうぎり「なら、たえはんはみんなの母親どすな」
サキ「あんなオカンおったら怖い」
ゆうぎり「では、わっちの次の純子はんが母親に」
サキ「純子がオカンやったら、小言うるさそうでグレるな」
純子「はいぃぃぃ!?」
サキ(かと言って姐さんやとビンタ一発ジ・エンドやけぇ、逆らわれへんなぁ)
さくら「ここにおったんや」
サキ「おぅ、さくら」
さくら「何話しとるん?」
純子「まぁ、ちょっと」
ゆうぎり「貫禄やら母親やら」
さくら「??」
さくら「へぇー」
さくら「でも私には伝説ついとらんよ」
ゆうぎり「あっ」
純子「あっ」
サキ「いや、ある! あるぞ!」
さくら「なら、ゆーてみてよ!」
純子(どうするのでしょうか?)
サキ「あのよ、グラサンが言っとったとよ」
さくら「幸太郎さんが?」
サキ「あぁ」
さくら「な、なんて?」
サキ「さくらの後ろ姿、貫禄あるとね」
純子「えっ?」
ゆうぎり「えっ?」
サキ「……」
幸太郎「ここのさくらの後ろ姿、よかよかよかったいんじゃい」
サキ「てな」
純子(本当なんでしょうか?)
ゆうぎり(よー、分からしまへんけど)
サキ(適当に誤魔化したんだが……ダメか?)
サキ(マジか!? 食い付いた!)
さくら「幸太郎さんはステージ裏からでも、私達のことよー見とるんやなぁ」
ゆうぎり「後ろ姿がお好きとは、幸太郎はんも変わってるでありんすなぁ」
純子「隠してるか否かの違いですけど、世の中に変な人間は沢山います」
さくら「ちょっと幸太郎さんとこ行ってくるね!」
サキ「お、おぅ」
サキ「あっ、うん。まぁ、本人が納得したんなら」
ゆうぎり「ほな、わっちは水浴びして来るでありんす」
サキ「ほーい」
ゆうぎり「ふぅー」
それらは誰もが持っている。
いや――
仮に持っていても、
気付いてないか表に出さないだけかも知れまへん。
小さな発見、大きな発見、
探せば色々と見つかる宝物、
わっちも探して行きたいどす。
以上、ゆうぎりでありんした――
ぱそこんの練習もやってみましょ
幸太郎(さくらはさっきから何をしたいのか分からん)
さくら「♪」
幸太郎(何をそんな嬉しそうに後ろ姿を見せるのか?)
さくら「どうですか!!」
幸太郎「えっ、まぁ、よかったいのぉ……」
さくら「やったぁ」
幸太郎(さくら……何がしたいのか俺には本気で分からん)
さくら「どやどやどやんすっす♪」
幸太郎(だが、それもさくらを含めたフランシュシュの良い所なのかもしれない)
おしまい
「SS」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
コメント一覧 (7)
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- 2019年01月02日 17:32
- 口調がまるで違うから3レス分くらい読んで諦めた
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- 2019年01月02日 17:50
- 綺麗なゆうぎり姐さん
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- 2019年01月02日 17:55
- キモオタの妄想
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- 2019年01月02日 18:58
- さすがに理不尽ビンタはなかったか
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- 2019年01月02日 19:43
- 方言おかしくねぇ?
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- 2019年01月02日 20:24
- でも下半身ならきっとリリィちゃんが一番貫禄あるよね?
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- 2019年01月03日 11:07
- いぬいくんはさくらのストーカーみたいなものだからね
後ろ姿好きなんだね