男「駅前に『女騎士カフェ』ってのが出来たらしいぞ!」
- 2018年12月28日 21:40
- SS、神話・民話・不思議な話
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友人「ようはメイドカフェを女騎士に置き換えたような感じなんだろ」
剣道部員「お前、メイドカフェ行ったことあんの?」
友人「ないけど、だいたい想像つくじゃん」
男「メイドカフェは入るといきなり『いらっしゃいませご主人様』されるイメージだな」
友人「女騎士だと何されるんだろうなー」
剣道部員「そうこうするうち、到着したぞ」
男「よし、入ろうぜ!」
ガチャッ
女騎士B「くっ、殺せ!」
女騎士C「くっ、殺せ!」
三人「いきなり!?」
女騎士A「お客人は何名だ?」
男「えーと、三名です」
女騎士A「三名か、こちらの席に案内しよう。ついてくるがいい」
男「は、はい」
男(一応女騎士っぽい格好と喋り方、だな)
男「じゃあ、俺は……コーヒーで」
友人「俺アイスティー」
剣道部員「抹茶ラテで」
女騎士A「承知した。入れてくるから、ここで待っていてくれ」
男「あ、どうも……」
友人「ありがとうございます」
剣道部員「お、うまそう」
男「……」グビッ
友人「……」グビッ
剣道部員「……」グビッ
どこがだよw
男「従業員がみんな鎧甲冑つけてるのは、異様な光景だな」
男「もちろん、本物じゃなくてコスプレ用の軽いやつなんだろうけど」
友人「まあ、異様っていうなら、メイドカフェも十分異様だしな」
剣道部員「たしかに」
男「しかし、なんかサービス的なもんはないのかね。このまま飲み物飲んで帰るだけか?」
男「あ、こりゃどうも」
女騎士B「サービスとして、私に一杯水を飲ませることができる」
男「……?」
友人「なんでそちらに水を飲ませるのがサービスなの?」
女騎士B「いいから」
剣道部員「だったら、俺の水をどうぞ」サッ
女騎士B「いただこう」グビッ
女騎士B「おのれえ、こんな薬に屈してたまるものかぁっ!」ビクンビクンッ
女騎士B「私は騎士だ! この程度でっ……! あああああっ! くっ、殺せ!」
男「……なんだこりゃ」
友人「笑っちゃいけないんだろうけど……笑っちゃう」ププッ
剣道部員「なるほど、こういうサービスか」
男「名づけて媚薬サービスってとこか?」
女騎士C「腕に覚えがある者はいるか?」
男「そりゃこの中だと……」チラッ
友人「なぁ?」チラッ
剣道部員「俺だろうな」
男「こいつ剣道やってんですよ」
女騎士C「ほう、東洋の剣術使いか。一度手合わせしてみたかったぞ」
友人「なりきってんなぁ」
剣道部員(ゴム製の柔らかいやつだ)プニプニ
女騎士C「さあ、かかってくるがいい!」
男「よーし、本気でやれよ!」
友人「全国大会にあと三歩か四歩ぐらいで出られたらしいお前の腕前を見せてやれ!」
剣道部員「いやいや、本気でやるわけないだろ」
女騎士C「たあっ!」ボコッ
剣道部員「ぐっ!」
剣道部員「うわぁ、やられたぁ~」
男「ハハハ、どっちもノリノリだな」
友人「剣の稽古サービスまであるのか。色々あって面白いな」パチパチ
女騎士C「フッ、しょせん剣道などこの程度のものだ」
剣道部員「……」
男「ん?」
友人「おい、どうした?」
剣道部員「……」
男「ま、まさか――」
剣道部員「キエエエエエエエエエエッ!!!」
友人「やべえ、キレた!」
友人「そういやこいつ、剣道バカにされるとめっちゃ怒るんだよ!」
男「今のは別に、女騎士のキャラとしていっただけで、剣道をバカにしたわけじゃないって!」
剣道部員「エェェアァァァァァァァァッ!!!」
バシッ! ベシッ! ドカッ! バシッ! バシィッ!
女騎士C「……っ!」
男「やべえ、音がやべえ!」
友人「いくらゴム製でもそんな強く叩いたらヤバイって!」
剣道部員「キエッ!」
友人「大丈夫ですか!?」
女騎士C「……」
友人「あの……?」
女騎士C「キエエエエエエエエエエッ!!!」
男「えええええ!?」
友人「まさかのこっちも剣道部!?」
女騎士C「キィエェァァァァァァッ!!!」
パァンッ! パシィッ! パシィッ! パァンッ! バシィッ!
男「うわぁ~……決闘が始まっちゃったよ。ゴム製の剣なのに音が竹刀みたいになってる」
友人「どうする?」
男「とりあえずあいつらはほっとこう」
友人「そうだな」
男「重騎士サービス?」
重騎士「……」ガションガション
男「うわっ!?」
友人「こりゃまたゴツイ鎧を身に付けた奴がきたな!」
重騎士(素顔)「ふぅ……」カポッ
男「おお……兜を外したら中から女の子が!」
男「なるほど、これが“重騎士サービス”か」
友人「俺……こういうのに弱いんだよな……」
男「え、そうなの?」
友人「うん……ゴツイ装備から華奢な女の子が出てくる、みたいなのに弱い……」モジモジ
男「そういやお前、スマブラでもサムス使いだったな……」
男「?」
友人「なんですかこれ?」
女騎士B「そのロープをねこじゃらしのようにして、私をくすぐってもらいたい」
男「よく分からんけど……」コチョコチョ
友人「やってみますか」コチョコチョ
男「え」
友人「え」
女騎士B「触手などに屈しないぞ! 屈するものかぁっ! くっ、殺せ!」
男「ああ、このロープは触手だったのね」
友人「さっきの媚薬といい、この人はこういう役回りなのかな」
女騎士B「そこはあまり触れないでくれるとありがたい」
剣道部員「キィィィエェェアァァァァァァッ!!! キィィアアァァァァァァァァッ!!!」
女騎士C「イィヤァァァアァァァァァァッ!!! メェアァアァァァァァァッ!!!」
バシィッ! パシィンッ! ドカッ! バキッ! ズガァァァァァン!!!
男「ちょっと見ない間にとんでもない死闘になってる!」
友人「店を壊しちまうよ!」ガシッ
剣道部員「キエエエエエ…! キィエエエエエエ…!」
女騎士A「戦うのやめて!」ガシッ
女騎士B「落ち着いて、ミカちゃん!」ガシッ
女騎士C「フゥゥゥゥゥ…! フゥゥゥゥゥ…!」
男(あの人ミカちゃんっていうんだ……)
女騎士C「こっちこそごめんなさい」
男「それじゃ、そろそろお会計しようか」
女騎士A「では、こちらのレジに来るがいい」
男「おお……」
友人「値段まで956(くっころ)とは……」
剣道部員「さすが女騎士カフェ……」
―完―
剣道部員「俺、あのミカちゃんと付き合うことになったんだ」
男「マジで!?」
友人「羨ましい!」
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コメント一覧 (18)
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- 2018年12月28日 21:59
- 実際行っても居たたまれなくて楽しめそうにないな俺…
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- 2018年12月28日 22:02
- 面白そうやん
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- 2018年12月28日 22:13
- 風営法に引っかかりそう…
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- 2018年12月28日 23:07
- こうして剣道部員はめんどうな女と二つの意味でつきあうことになるのであった
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- 2018年12月28日 23:10
- ちょっと面白かったw
落ちもいいww
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- 2018年12月28日 23:44
- さすがに「薄汚いオークどもめ!」的な客を馬鹿にするセリフは自重されてて草
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- 2018年12月29日 00:25
- 薄汚いオルフェノクがどうしたって?
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- 2018年12月29日 00:52
- 面白かった!
アイデア勝利だな!
でも行きたくはないな!
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- 2018年12月29日 01:38
- ワロタ
面白い
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- 2018年12月29日 05:10
- 客を女騎士に見立ててオーク役の従業員が特製ドリンク(意味深)を飲ませる店じゃないのか
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- 2018年12月29日 07:54
- 幻聴乙『※8の首を折る音』
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- 2018年12月29日 10:54
- うす汚いオークめって言ってほしい
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- 2018年12月29日 12:46
- ちょっと行ってみたいwww
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- 2018年12月29日 14:46
- どうせならメイド騎士にしろ
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- 2018年12月29日 15:43
- 水飲ませるくだりで何故かクリムゾンかふぇあったら……、と想像してしまった。
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- 2018年12月29日 18:01
- メイド騎士さんってすごく語感が似てる!
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- 2018年12月30日 09:12
- 友人Bの気持ちはわかる……
ギャップが良いよね、これでぬいぐるみ好きとか小動物に弱いとかなら更に倍プッシュだわ
実際あったら行ってみたい