男「同人誌でも描いて人生逆転しようぜ!」
友「でも俺達、絵描けないじゃん」
男「これから練習すればいいだろ、まぁ2,3ヶ月あれば人に見せられるレベルにはなるだろ」
友「ハァ…まぁこのままバイトしてゲームだけの生活するくらいならま、いっか……」
友「おう」
男家
男「さてと、じゃあまずどういう練習をしたらいいか調べてみるか」
男「『絵 上達』で検索っと」
男「なるほど…なるほど」
友「絵か……考えてみたら高校の美術以来だな」
友「ちょっと描いてみるか……」カキカキ
友「……うわ……小学生の絵より酷いな」
友「まぁ、描かないとうまくならないよな……とりあえず色々と描いてみるか」
男「」カチカチ
男「よし、これもプリントアウトしてっと…」
男「これだけ資料を集めれば上達するだろ」
男「もう眠いし、明日から描き始めるか……」
男,友「お疲れ様でーす」
店長「お疲れ」
友「で、これからどうする?マキブやりにいく?」
男「いや、本屋行く」
友「漫画?」
男「いや、絵の参考書でも買いに」
友「そっか……」
友(やっぱ本気なんだな)
男「お前は?」
友「俺は帰って少し描くよ」
男「そっか…じゃあな」
友「ただいまーっと」
友「なんかの漫画を移し描きしてみるか……」
友「だけど、下手な好きなキャラを見るとなんか情けなくなるから昔読んでいたエ口漫画にしよう」
友「さて、描くか」カキカキ
友「もう、辞めよっかな……いやここで辞めたら本当にクズになっちまう」
友「男も頑張っているんだ、俺も頑張ろう」カキカキ
店員「らっしゃーせ」
男(絵の参考書はっと……ここか)
男(う〜ん、萌え絵参考書って言っても見本がそこまで萌える絵じゃないな)
男(これで本当にうまくなるのか?わからん……家に帰ってamazonのレビュー参考にして決めるか)
店員「りがとーござまーす」
男「さて、amazonで検索してみるか」
男「お、この本は☆4か……上達しそうだ」
男「よし、本が届いてから本格的に練習を始めるか」
男「それまでは前の資料にでも目を通しておくか」
友「あ〜洋服が複雑すぎ……」カキカキ
友「ちょっと調べてみよ」
『初心者は服や顔を意識せず裸絵で練習した方がいいですよ』
友「なるほど……しばらく服と顔は考えないようにしよう」
男「お、やっと届いたか、どれどれ」
男「ふむふむ、なるほど始めはこの見本を模写したらいいんだな」
男「早速やってみるか」カキカキ
男「うわ…なんだこの下手な絵……こんなんで本当にうまくなるのかよ」
友「参考書買ったしに基礎から描いてみるか」
友「なるほど…斜め向きはこう描けばいいのか」カキカキ
友「で、横向きはこうか……」カキカキ
友「大体、わかってきたぞ。わかってくるとなんか面白いな」カキカキ
友「最近あいつとシフト合わないけどちゃんと練習してるかな?」
店長「あ〜男くんに友くん」
男「はい」
店長「どっちか二人さ、時間が合ったら午前に回って欲しいんだけど、パートさん辞めちゃってさ」
友「あ、じゃあ俺が午前いきます」
店長「じゃあ、友くんね、シフト組みなおすからちょっと残ってくれる?」
友「はい」
男「それじゃ、先帰るわ」
友「おう」
男「さて、絵を描くか」カキカキ
男「……ここどう描くんだよ」イライラ
男「なんで参考書なのに描き方が詳しく描いていないんだよ……」イライラ
男「ハァ、この前プリントアウトした資料でやってみよ」
男「なんか比率が違うな……」イライラ
男「できたけど全然見本と違うな……」
男「こんなんで本当にうまくなるのか?ググってみよ」カチカチ
『まずは○や□などでウォーミングアップをしよう』
男「……なるほど、序盤は単純な図形からなんだな」カキカキ
友「よし、じゃあ描くか」
友「ここは……なるほど、結構無理しても自然に描けるもんなんだな」カキカキ
友「手は……もっと練習と試行が必要だな…」カキカキ
友「まだ下手だけどそのうち上手くなるだろ」
友「よし頑張ろう」カキカキ
男「ふぅ、ここ最近図形ばっかだわ」
男「さてと……始めた時と比べると上達しているだろ」
男「よし、参考書の絵を描いてみるか」カキカキ
男「……あぁ、やっぱここ描けないな」イライラ
男「なんでこうなるんだよ……」イライラ
男「クソッ、服が複雑だな」イライラ
男「できた……ほとんど変わらないな……」
男「ハァ、やっぱ絵って才能なのかな?俺みたいなクズじゃうまくならないのかな」
友「胴体もよく見たら変だし」イライラ
友「ハァ……やっぱ俺才能ないのかな?いや、ここで投げちゃ駄目だ……」
友「……下手だからあまりしたくなかったけどうpしてみるか……俺だけじゃ解決できないだろうし」
友『初心者だが比率でちょっと躓いたアドバイスくれ』
お前ら『お前才能ないから諦めたら?』
お前ら『小学生ならともかく大人でそれだったらもう諦めろ』
友「クソが……言いたい事言いやがって」カチカチ
霧島『艦隊の頭脳と言われるよう、頑張りますね』
男「よし、クリア!新海域解放か、このままバイトまで進めちゃおう」
男「絵は……ま、いっか明日からやれば、とりあえず今日は艦これやろ」
長門『戦艦長門!出撃する!』
友「……ちょっとうpしてみよ」カチカチ
お前ら『この前の奴か?上達してなさすぎwwwwww』
お前ら『ほら、赤入れてやったぞ』
お前ら『手足誤魔化しても上達しないぞ』
友「なるほど、なるほど」カチカチ
友「よし、また描いてみるか」カキカキ
男「お、久しぶり」
友「あぁ、今日だけシフトが午後になったからな」
男「そっか、じゃあ帰りに久しぶりにマキオンやりに行こうぜ」
友「おう」
友「あぁ、やっぱ前衛と後衛がはっきりしていると戦いやすいな」
男「これからどうする?」
友「あ、俺ちょっと文房具屋行くわ」
男「何か買うの?」
友「あぁ、ちょっと自由帳を」
男「お、おう……」
男(こいつもしかしてまだ絵描いてんのか?)
友「いやぁ、自由帳なんて買うの久しぶりだわ」
男「そ、そっか……」
友「男はどうなん?絵」
男「あ、あぁ……まぁボチボチと」
友「そっか、俺もまだ下手だけど頑張ろうぜ」
男「お、おう……」
男(なんか辛くなってきた……)
男「あいつまだ絵の練習していたのか……」
男「言い出しっぺだし俺もそろそろ本気出して描いてみるか」
男「……」カキカキ
男「できた……でも全然見本通りにできないな……やっぱ本当にうまい奴は子供の頃から描いている奴らばっかだよな……」
男「ハァ、艦これでもやろ」
男「友もどうせそのうち諦めるだろ……」
友「大学ノートは罫線に頼って描いちゃうからな、罫線のない自由帳でやってみるか」
友「うわ、比率が少しおかしいな……やっぱこれからは自由帳とかスケッチブックでやるか」
友「」カキカキカキカキカキカキカキカキカキカキ
友「そろそろのっぺらぼうも飽きてきたな、顔とか髪の練習もぼちぼちはじめていくか」
男「お、この絵可愛いな……」
男「俺ももう一回頑張ってみようかな」
男「」カキカキ
男「ハァやっぱ辞めた、どうせ絵なんて才能だろうし」
友「ちょっと本気でオリジナルキャラ描いてみよ」カキカキ
友「う〜ん、比率もそうだけど目とか服とか細かい部分がまだまだだな」
友「でも始めと比べると結構上達したよな」ペラペラ
友「動きのある絵はまだまだ苦手だけどコツさえつかめばなんとなるだろ」
友「それに最近絵描くの面白いし」
男「電話……店長からだ」
店長「休みの日にごめんね男くん、この間の書類今日が締め切りだから都合のつく時間で提出してきて」
男「あ、はい!すんません!!」
男(すっかり忘れていた)
店長「ありがと、それじゃあ明日はよろしく」
男「はい」
男(そういや友は休憩中だったよな……ちょっと顔出してくるか)
友「」カキカキ
男「よう、友!」
友「お、おう!どうした」
男「ちょっと書類届けに……何してるん?」
友「何って……いろいろ……」
男(スケッチブック……絵描いていたのか?)
友「え…あぁ〜まぁ男ならいっか……ほら」
男「」ペラペラ
男(え……こいつこんなに絵上手かったの?)
友「まだまだだろ?」
男「い、いや十分上手いと思うよ……」
男「そ、そっか……」
友「でも始めと比べるとやっぱ上達したと思うな、うん」
男「……」
友「今度お前の絵も見せてよ」
男「……そのうちな」
男「まさか、あいつがあそこまで上手くなっていたとは……」
男「それに引き替え俺はなんだ……中途半端なゴミじゃないか」
男「よし、本気で絵を描くか!もう逃げない!」
男「」カキカキ
男「くそ、なんでこんなに腕が太くなるんだよ」イライラ
男「あぁ、また足の太さが違う」イライラ
男「ハァ、こんなんじゃあいつに馬鹿にされるだけだよな……」
友「2ちゃんはまだ下手とか言われるけど改めて上手いって言われるとお世辞でも嬉しいな」
友「よし、今日も頑張るか」
友「……なるほどなるほど……これはこうなるのか」カキカキ
友「確かにここを黒く塗ると奥行が感じられるな」カキカキ
友「できた、うん自画自賛だけどなかなかだな」
男家
男「ちびキャラなら俺でも描けそうだよな」
男「」カキカキ
男「だめだ、全然下手だ、絵より履歴書でも書こうかな……」
男家
男「うっ」ビュルッビュルッ
男「やっぱこの人の高尾と愛宕の絵は抜けるな」
男「もっといい人はいないかなっと……」カチカチ
tomo『初投稿です』
男(……このHNって……友の使っているのと同じだ)
渋『上手ですね』
渋『つ鼻血スタンプ』
男「……」
俺はあいつに追いつこうと絵の練習をしたがあまり長続きせず惨めな思いが募っていった。
いつの間にか逃げるようにバイトを代えていた。それから友とは疎遠状態だった。
友はネタ系の絵やエ口絵を上げて少しづつだが周りに人が集まるようになった。
男「電話……あいつからか」
友『よう、久しぶり○日暇か?』
男「あぁ、まぁ」
友『そっか、だったら手伝ってくんね?』
男「何を?」
友『コミケの売り子、俺初めてだからさちょっと手伝ってくれないかな』
男「……わり、その日午後からバイトだから」
友『そっか……悪かったそれじゃ』
思えば、俺は理想が高すぎてなおかつプライドが高すぎたんだと思う
一方友は毎日毎日描き続けていた。最初の描き始めのノートからは想像もできないほど奴の画力は向上していた
結局絵が本当に上手くなりたいなら理想やプライドを全部捨てて毎日血反吐を吐いても描くべきなんだと思う。
以上俺の実話を交えたお話
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コメント一覧 (17)
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- 2018年12月24日 00:12
- まーた体験談まとめサイトになってるよ
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- 2018年12月24日 00:16
- 【ブログタイトル】
エレファント速報:SSまとめブログ
【ブログ内容】
SS速報VIPやおーぷん2ちゃんねる、2ch.scに投稿されたSS(ショートストーリー)を扱っています。
「このブログについて」( http://elephant.2chblog.jp/archives/51539202.html )より
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- 2018年12月24日 00:25
- 同人誌描いて虎穴に委託したら50部しか売れなかったが違法DLサイトで4千回ダウンロードされたぞ
よっぽど上手くないと、もう同人誌では稼げない時代だよ(白目
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- 2018年12月24日 01:34
- ※3
違法DLの数は客の数に入れる意味ない
あれは金あっても買わない層なので考慮するだけ無駄
逆に同人はチャンスが増えて昔より幅広く売れやすくなってると思うよ
DMMとかDLsiteとか存在しなかったしな
俺が若い頃はもっと一握りのサークルしか売れなかったもんだ…
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- 2018年12月24日 02:37
- 同人誌の売れ行きなんて絵が上手いのが大前提でネームバリューありきの業界だから、例え才能があっても人生逆転するほど売れるようになるまで数年は掛かるぞ。で、その数年はどう足掻いても大きく赤字に傾くから、損失分を取り戻すまでにまた時間が掛かるわけだ。
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- 2018年12月24日 02:39
- 30半ばで絵描き始めて最近やっと手応えを感じるようになったよ。まだ下手だけどオリキャラで衣装まで書けるようになると深い感動があるね
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- 2018年12月24日 03:51
- 必要なのは絵の上手さよりも商売センスだな
客が求めてる物を求めてる通りに作るセンス
俺も同人やってるが、俺より絵が上手い人なんて吐いて捨てる程ゴロゴロいるが、俺より稼いでる人は数える人しかいない
どうして俺なんかより遥かに絵が上手い人達は、客が求めてる物を素直に作らないんだろうとずっと不思議に思ってたが、どうやら普通の人にはその感覚がわからないらしい
客が何を求めてるのかが感覚で理解できるのは一種の才能なんだと気付いた
絵の才能にはまるで恵まれなかった下手糞野郎だけど、商売のセンスを与えてくれた神に感謝だ
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- 2018年12月26日 06:20
- >>7
そもそも同人誌って自分の描きたいものを描くものじゃん
お前みたいに金を稼ぐ目的でやってる人が少ないだけだと思うよ
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- 2018年12月24日 04:54
- 天原か奴隷娘かな?
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- 2018年12月24日 06:25
- ※7
それは流石に盛りすぎ
そういう嘘で自分を奮い起たせても折れるだけだぞ
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- 2018年12月24日 07:45
- 精神論になってる時点で、コイツは何やってもダメなヤツ
一生バイトしてろ
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- 2018年12月24日 08:19
- 理想とプライドが高すぎたじゃねぇよ
ただ怠けただけだわ
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- 2018年12月24日 09:08
- 絵は上手くないけど異様にシコれたり性癖がぶっ刺さるパターンは結構有るし、それが本来の同人の意義でもあるわけだけど、売れるかどうかで言ったら否なんだよな。結局大衆受けして多くの客が金払ってるから「売れてる」という形の結果になるんだし。
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- 2018年12月24日 11:08
- ただ怠けただけってのも正解だけど、理想とプライド高いと結構キツイぞ
自分の好きな絵柄を描きたいのに描けない苦痛、下手な絵は見たくないから練習も苦痛
結局ループで描けない苦痛、みたいな
結局適当に好きなように描けばええねん、そっちの方が楽だし楽しい
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- 2018年12月24日 11:46
- 好きこそ物の上手なれ。
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- 2018年12月25日 15:01
- 絵を描かない最大の理由は書くのに時間がかかるからだよボケ
下手とかどうでもいいわ
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- 2019年01月12日 21:33
- ただ逃げてるだけなんだろ。
もしその努力を続けられたなら友人を嫉む事もなかったし、コンビニで生計を立てるような生活にもならなかった。
それが悪いとは言わないけど、自分でも分かってるのにそのままで、成長しようとしないのはただの怠慢だわ。